JPH10192686A - ガラクトシルセラミドの可溶化剤、可溶化ガラクトシルセラミド組成物、ガラクトシルセラミドの可溶化方法およびガラクトシルセラミド含有油性剤 - Google Patents

ガラクトシルセラミドの可溶化剤、可溶化ガラクトシルセラミド組成物、ガラクトシルセラミドの可溶化方法およびガラクトシルセラミド含有油性剤

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JPH10192686A
JPH10192686A JP8351574A JP35157496A JPH10192686A JP H10192686 A JPH10192686 A JP H10192686A JP 8351574 A JP8351574 A JP 8351574A JP 35157496 A JP35157496 A JP 35157496A JP H10192686 A JPH10192686 A JP H10192686A
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galactosylceramide
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JP8351574A
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English (en)
Inventor
Ichiro Yahagi
作 一 朗 矢
Yoichi Nakada
田 洋 一 仲
Kiyomi Hachiman
幡 清 美 八
Yukie Komiya
宮 幸 恵 小
Nobuyuki Doi
井 信 幸 土
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Pigeon Corp
Original Assignee
NIPPON ZETOTSUKU KK
Pigeon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 油性の基剤に溶解性を示さないガラクト
シルセラミドをガーベットアルコールに代表されるよう
な分岐高級アルコールのような可溶化剤を用いて油性基
剤に安定に溶解させることができる。また、ガラクトシ
ルセラミドはガーベットアルコールに代表される分岐高
級アルコールに透明に溶解することができ、このガラク
トシルセラミドと高級分岐アルコールとからなる透明な
組成物を油性基剤中に配合することにより、ガラクトシ
ルセラミドを含有するにも拘わらず透明な油性剤を製造
することができる。 【効果】 本発明によれば、分岐高級アルコール等の可
溶化剤を用いることによりガラクトシルセラミドを油性
基剤に透明に溶解させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ガラクトシルセラミドの
可溶化剤、この可溶化剤によって可溶化されたガラクト
シルセラミドを含有する組成物、この可溶化剤を使用し
てガラクトシルセラミドを可溶化する方法およびこの可
溶化されたガラクトシルセラミドを含有する化粧料等の
油性剤に関する。
【0002】
【従来技術】ガラクトシルセラミドは、次式[II]で表
される構造を有するスファンゴ脂質である。
【0003】
【化17】
【0004】このガラクトシルセラミドは、人の表皮に
対して安全性が高い保湿剤として知られている。しかし
ながら、このガラクトシルセラミドは、他の成分に対す
る溶解性が著しく低く、クリームあるいは乳液のような
エマルジョンまたは懸濁液、懸濁油に配合されていた
が、このガタクトシルセラミドを透明に溶解させること
は極めて困難であった。このガラクトシルセラミドを完
全に溶解させるために、ある種の界面活性剤を用いるこ
とが考えられるが、界面活性剤は、一般に、油脂あるい
は高級アルコールと比較すると刺激が強いので、基礎化
粧料あるいは乳幼児に使用するベビーオイルなどの高い
安全性を要求される製品への配合は避けるべきである。
したがって、安全性の高いガラクトシルセラミドを配合
する際に、ガラクトシルセラミドの安全性を滅殺するよ
うな刺激性を有する界面活性剤の使用は適切でない。
【0005】こうした状況下に、ガラクトシルセラミド
は、クリームあるいは乳液のように既に懸濁している化
粧料等に懸濁した状態で配合されているのである。透明
な化粧料等は、使用者に清潔感および安心感を与えるこ
とから、化粧料等を透明にすることは商品デザインの上
で非常に重要な要素である。
【0006】しかしながら、界面活性剤を使用せずに、
人の表皮に対して非常に安全性の高い保湿剤であるガラ
クトシルセラミドを配合した透明な化粧料等は製造され
ておらず、また、この技術分野においては、ガラクトシ
ルセラミドを配合した化粧料等は当然に透明でないと認
識されていた。
【0007】
【発明の目的】本発明は、この技術分野における常識と
されていたガラクトシルセラミドを配合し、ガラクトシ
ルセラミドの安全性を損なうことなく、このガラクトシ
ルセラミドを透明に溶解させることができる可溶化剤を
提供することを目的としている。
【0008】また、本発明は、他の基剤に配合した際に
ガラクトシルセラミドが透明に溶解するガラクトシルセ
ラミド組成物を提供することを目的としている。さら
に、本発明はガラクトシルセラミドを透明に溶解させる
方法を提供することを目的としている。
【0009】またさらに、本発明はガラクトシルセラミ
ドが透明に溶解した油性剤を提供することを目的として
いる。
【0010】
【発明の概要】本発明は、次式[I]で表される少なく
とも一種類の化合物からなる、式[II]で表されるガラ
クトシルセラミドの可溶化剤にある。
【0011】
【化18】
【0012】ただし、上記式[I]において、R1および
2は、それぞれ独立に、分岐を有することもあると共
に不飽和結合を有することもある炭素数3〜20の炭化
水素基であり、Yは、
【0013】
【化19】
【0014】よりなる群から選ばれる二価の基であり,
かつ該式[I]で表される化合物は、少なくとも7個の
炭素原子を有する。
【0015】
【化20】
【0016】また、本発明は、上記式[I]で表される
少なくとも一種類の化合物と、該アルコール100重量
部に対して、上記式[II]で表されるガラクトシルセラ
ミド1.0重量部以下の量で含有する可溶化ガラクトシ
ルセラミド組成物にある。
【0017】さらに、本発明の可溶化ガラクトシルセラ
ミド組成物は、上記式[I]で表される少なくとも一種
類の化合物100重量部に、上記式[II]で表されるガ
ラクトシルセラミドを1.0重量部以下の量で添加して
撹拌することにより製造することができる。
【0018】またさらに、本発明のガラクトシルセラミ
ド含有油性剤は、油性基材と、上記式[I]で表される
少なくとも一種類の化合物100重量部に上記式[II]
で表されるガラクトシルセラミドが、1.0重量部以下
の量で含有される可溶化ガラクトシルセラミド組成物と
からなり、該油性基材100重量部中に可溶化ガラクト
シルセラミド組成物を0.1〜100重量部の量で含有
することを特徴としている。
【0019】ガラクトシルセラミドは、動植物油および
鉱物油等の油性基剤には溶解せず、ガラクトシルセラミ
ドを植物油あるいは鉱物油等に含有させた油性剤は、懸
濁物となることはこの技術分野における常識であった。
【0020】従って、ガラクトシルセラミドが人の表皮
に対して極めて安全性の高い保湿剤であるにも拘わら
ず、従来は、ガラクトシルセラミドの用途は、懸濁して
いるガラクトシルセラミドが目立たないクリームあるい
は乳液等に限られていた。
【0021】本発明者は、このように油性基剤に対して
溶解しないガラクトシルセラミドが、ある種の分岐アル
コールに対して溶解することを見出した。そして、この
分岐アルコールは、油性基剤に溶解し、この際、分岐ア
ルコールにガラクトシルセラミドが溶解していると、こ
の分岐アルコールがガラクトシルセラミドの可溶化剤と
して作用し、単独では溶解しないガラクトシルセラミド
を動植物油あるいは鉱物油等の油性基剤に完全に溶解さ
せることができるのである。
【0022】
【発明の具体的説明】次に本発明のガラクトシルセラミ
ドの可溶化剤、可溶化ガラクトシルセラミド組成物、ガ
ラクトシルセラミドの可溶化方法およびガラクトシルセ
ラミド含有油性剤について具体的に説明する。
【0023】本発明において、可溶化の対象となるガラ
クトシルセラミドは、次式[II]で表される構造を有す
るスフィンゴ脂質である。
【0024】
【化21】
【0025】このガラクトシルセラミドは、室温で嵩高
い綿状の形態を有しており、動植物油および鉱物油に不
溶である。本発明の可溶化剤により、上記のガラクトシ
ルセラミドを動植物油および鉱物油に透明に溶解させる
ことができる。
【0026】上記ガラクトシルセラミドを動植物油ある
いは鉱物油に透明に溶解する本発明の可溶化剤は、次式
[I]で表される構造を有する少なくとも一種類の分岐
化合物である。
【0027】
【化22】
【0028】ただし、上記式[I]において、R1および
2は、それぞれ独立に、分岐を有することもあると共
に不飽和結合を有することもある炭素数3〜20の炭化
水素基、好ましくは5〜20の炭化水素基である。
【0029】このような炭化水素基の例としては、n-ヘ
キシル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基およ
びn-ドデシル基を挙げることができる。また、上記式
[I]において、Yは、
【0030】
【化23】
【0031】よりなる群から選ばれる二価の基である。
そして、上記式[I]で表される化合物は、少なくとも
7個の炭素原子を有する。
【0032】従って、上記式[I]で表される化合物に
は、次式[I-1]で表される分岐アルコール、次式[I-
2]で表されるエステル化合物、次式[I-3]で表される
有機カルボン酸化合物がある。
【0033】
【化24】
【0034】ただし、上記式[I-1]において、R1およ
びR2並びにnは上記と同じ意味である。
【0035】
【化25】
【0036】ただし、上記式[I-2]において、R1およ
びR2は上記と同じ意味である。
【0037】
【化26】
【0038】ただし、上記式[I-3]において、R1およ
びR2は上記と同じ意味である。上記式[I-1]で表され
る分岐アルコールの例としては、イソステアリルアルコ
ール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール
およびヘキシルデカノール等のガーベットアルコール
(分岐型高級アルコール)を挙げることができる。
【0039】また、式[I-2]で表されるエステル化合
物の例としては、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン
酸ヘキシルおよびパルミチン酸イソプロピルを挙げるこ
とができる。
【0040】さらに、式[I-3]で表される有機カルボ
ン酸化合物の例としては、イソステアリン酸等を挙げる
ことができる。本発明では、ガラクトシルセラミドの可
溶化剤として、上記化合物を単独であるいは組み合わせ
て使用することができる。
【0041】これらの化合物の中でも、ガーベットアル
コールは、ガラクトシルセラミドに対して、式[I-2]
で表されるエステル化合物および式[I-3]で表される
有機カルボン酸化合物並びに他のアルコールのガラクト
シルセラミドに対する溶解性よりも高い溶解性を示し、
従ってガーベットアルコールを使用することにより、他
の化合物を使用した場合よりも多量のガラクトシルセラ
ミドを油性基剤中に透明に溶解させることができる。
【0042】本発明の可溶化剤を使用して可溶化ガラク
トシルセラミド組成物を製造するに際して、この可溶化
剤100重量部に対して、ガラクトシルセラミドを1.
0重量部以下、好ましくは0.8重量部以下、さらに好
ましくは0.7重量部以下の量で溶解させる。
【0043】このようにガラクトシルセラミドを上記可
溶化剤に溶解させた可溶化ガラクトシルセラミド組成物
を油性基剤に添加して、ガラクトシルセラミドを油性基
剤に透明に溶解して油性の化粧料、ベビーオイル等の油
性剤を製造する場合、このガラクトシルセラミドが保湿
剤として有効に作用する量で配合する必要があり、得ら
れる油性剤が有効な保湿性を有するためには、上記可溶
化剤100重量部に対して、ガラクトシルセラミドを、
通常は、0.0001〜1.0重量部、好ましくは0.0
01〜0.8重量部の範囲内、さらに好ましくは0.00
1〜0.7重量部の範囲内の量で溶解させる。
【0044】本発明の可溶化ガラクトシルセラミド組成
物は、上記可溶化剤に所定量のガラクトシルセラミドを
添加して撹拌することによりガラクトシルセラミドを可
溶化剤に透明に溶解させて製造することができる。ガラ
クトシルセラミドは常温では極めてとけにくいので、加
熱することが望ましい。加熱温度は、可溶化剤の沸点未
満の任意の温度に設定することができるが、通常は70
〜120℃の温度に加熱する。
【0045】可溶化剤としてガーベットアルコールを使
用すると、例えば0.1〜1.0重量%のガラクトシルセ
ラミドは、80℃に加熱したガーベットアルコールに完
全に溶解して透明の溶液になるが、可溶化剤がエステル
化合物またはカルボン酸化合物の場合には、懸濁するこ
とがある。しかし、可溶化剤を例えば90℃に加熱する
と、ガラクトシルセラミドは、ガーベットアルコール、
エステル化合物、カルボン酸化合物に対して透明に溶解
する。
【0046】また、本発明の可溶化剤は、上記のように
ガラクトシルセラミドを予め溶解して可溶化ガラクトシ
ルセラミド組成物を製造して使用する他に、動植物油あ
るいは鉱物油にガラクトシルセラミドと可溶化剤とを別
々に加えて撹拌すると、本質的には動植物油あるいは鉱
物油に溶解しないガラクトシルセラミドが、これらの動
植物油あるいは鉱物油に溶解する。この方法は、予め可
溶化ガラクトシルセラミド組成物を製造して動植物油あ
るいは鉱物油に添加してガラクトシルセラミドを透明に
溶解させる方法と比較すると、透明に溶解するまでに長
時間撹拌する必要があるが、本発明の可溶化剤が、ガラ
クトシルセラミドを動植物油あるいは鉱物油に透明に溶
解させるための可溶化剤として有効であることを示して
いる。即ち、本発明の可溶化剤は、ガラクトシルセラミ
ドを動植物油あるいは鉱物油に分散させるのではなく、
この可溶化剤によってガラクトシルセラミドが動植物油
あるいは鉱物油に透明に溶解するのであり、ミセルを形
成してガラクトシルセラミドを微分散させる界面活性剤
とは作用が異なると推察される。
【0047】上記のように可溶化剤によって透明に溶解
した可溶化ガラクトシルセラミド組成物を使用してガラ
クトシルセラミドを透明に含有する油性剤を調製するこ
とができる。
【0048】本発明のガラクトシルセラミドを含有する
油性剤は、上記のガラクトシルセラミドおよび可溶化剤
とを含有し、また油性基剤とガラクトシルセラミドとを
含有している。
【0049】ここで油性基剤としては、ヤシ油、オリー
ブ油、ホホバ油、カロット油、ハッカ油、ユーカリ油、
マカデミアナッツ油、スクワラン、卵黄油、植物性スク
ワラン等の動植物油、流動パラフィン、流動イソパラフ
ィン、パラフィンワックス等の鉱物油、セタノール、ス
テアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレ
イルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコー
ル、ヤシ油脂肪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等の脂
肪酸、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリ(カプ
リル・カプリン酸)グリセリン等のエステル油を挙げる
ことができる。また添加剤としては、ビタミンA、D、
E、K等の油性ビタミン、コレステロールおよびその誘
導体、グリチルリチン酸ステアリル、油性の動植物エキ
ス、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤、オキ
シベンゾン等の紫外線吸収剤等を挙げることができる。
【0050】本発明の油性剤は、上記のような油性基剤
中にガラクトシルセラミドおよび可溶化剤が含有されて
いる。ガラクトシルセラミドは、上述のように優れた保
湿性能を有しており、非常に少量の配合でもその保湿性
能が発現する。
【0051】ガラクトシルセラミドは油性剤中に0.0
0005〜1.0重量%、好適には0.0001〜1.0
重量%程度含有していれば良好な保湿性を示す。上述の
ように本発明の可溶化剤100重量部に対して、ガラク
トシルセラミドを、通常は、1.0重量部以下、好まし
くは0.8重量部以下、さらに好ましくは0.7重量部以
下の量で溶解させることができるので、本発明の油性剤
中には、可溶化ガラクトシルセラミド組成物(可溶化剤
と、この可溶化剤にほぼ透明に溶解したガラクトシルセ
ラミドとからなる透明溶液)を、通常は0.01〜10
0重量%、好ましくは0.05〜100重量%の量で配
合する。上記のような量で可溶化ガラクトシルセラミド
組成物を油性基剤中に配合して得られた油性剤中にガラ
クトシルセラミドの含有率は、通常は0.00005〜
1.0重量%、好適には0.0001〜1.0重量%であ
り、このような量のガラクトシルセラミドを透明に溶解
するのに用いられた可溶化剤の油性剤中における含有率
は、通常は0.00495〜99.0重量%、好適には
0.0099〜99.0重量%である。上記のような量で
ガラクトシルセラミドおよび可溶化剤を含有する油性剤
は、ガラクトシルセラミドが析出することがなく透明性
を維持することができると共に、ガラクトシルセラミド
の有する保湿性が充分に発現する。
【0052】このような本発明の油性剤を製造するに
は、1)可溶化剤に所定量のガラクトシルセラミドを、加
熱して透明に溶解して可溶化ガラクトシルセラミド組成
物を製造し、これを油性基剤に添加する方法、2)上記と
同様にして製造した可溶化ガラクトシルセラミド組成物
に、加熱しながら、油性基剤等の他の成分を配合する方
法、3)油性剤を構成する成分である油性基剤、ガラクト
シルセラミド、可溶化剤およびその他の成分を混合し
て、加熱下に撹拌する方法を採用することができる。
【0053】本発明の油性剤は、必要な成分を配合する
ことにより、ベビーオイル、油性ファンデーション、ク
レンジングオイル、マッサージオイルおよびオイルエッ
センス(あるいは美容オイル)等として使用することが
できる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、従来油性基剤に透明に
配合することができなかったガラクトシルセラミドを、
油性基剤に、本発明の可溶化剤を使用することにより透
明に、かつ安定に配合することができる。
【0055】この本発明の可溶化剤は、界面活性剤では
ないので、例えば濡れた皮膚に塗布しても泡立つことが
ない。また、本発明の可溶化剤は、界面活性剤ではない
ので、皮膚に対する刺激が著しく少ない。従って、例え
ばベビーオイルのような皮膚の抵抗力に低い乳幼児にも
安心して使用することができる。
【0056】さらに、ガラクトシルセラミドを可溶化剤
に透明に溶解した可溶化ガラクトシルセラミド組成物を
予め調製して、この可溶化ガラクトシルセラミド組成物
と油性基剤とを混合することにより、短時間で容易にガ
ラクトシルセラミドを油性基剤に透明に溶解させること
ができる。
【0057】またさらに、本発明の油性剤は、ガラクト
シルセラミドが透明に溶解されているので、優れた保湿
性を有すると共に、透明であることから商品価値が著し
く高い。
【0058】
【実施例】次に本発明について実施例を示して説明する
が、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0059】
【実施例1〜10、比較例1〜3】ウシ脳脂質から取り
出し精製したガラクトシルセラミドとヘキシルデカノー
ルとを用意した。
【0060】ヘキシルデカノール10gを90℃に加熱
して、次表1に示す割合でガラクトシルセラミドを加え
て10分間加熱して撹拌し溶解した。10分間経過後、
熱時の状態および冷却後の状態を目視観察した。
【0061】結果を表1に記載する。
【0062】
【表1】
【0063】
【実施例11および比較例4ならびに参考例1】上記実
施例2および比較例1で製造したガラクトシルセラミド
組成物を用いて以下に示す組成の油性剤を調製した。
【0064】即ち、ホホバ油、トリ(カプリル・カプリ
ン酸)グリセリン、天然ビタミンEおよび植物性スクワ
ランを混合して90℃に加熱して撹拌下にガラクトシル
セラミド組成物を添加し、さらに10分間撹拌を続けた
後、室温になるまで静置して油性剤中におけるガラクト
シルセラミドの状態を観察した(実施例11は、実施例
1で製造したガラクトシルセラミド組成物を1.0重量
%使用、比較例4は、比較例1で製造したガラクトシル
セラミド組成物を1.0重量%使用)。
【0065】また、ガラクトシルセラミドの可溶化剤で
あるヘキシルデカノールを使用せずにガラクトシルセラ
ミドをそのまま配合した油性剤におけるガラクトシルセ
ラミドの状態を参考例1として表3に示す。
【0066】
【表2】
【0067】上記のようにして製造した油性剤につい
て、目視観察してガラクトシルセラミドの溶存状態また
は分散状態を評価した。なお、上記で用いた「トリ(カ
プリル・カプリン酸)グリセリン」を、本発明では「O
DO」と略記することもある。
【0068】結果を表3に示す。
【0069】
【表3】
【0070】
【実施例12】ホホバ油およびODOに予め実施例2で
調製したガラクトシルセラミド組成物を処方1に従って
調製したときにガラクトシルセラミド組成物の含有率が
1.0重量%になるように加熱下に撹拌しながら添加し
た。
【0071】こうして予めガラクトシルセラミド組成物
を含有する各成分を50℃に加熱し、撹拌しながら混合
して実施例2と同一組成の油性剤を製造した。得られた
油性剤中でガラクトシルセラミドは透明に溶解してい
た。
【0072】
【実施例13】以下に示す処方例2に従って加熱下に各
成分を一括混合して20分間撹拌を続けた。ガラクトシ
ルセラミドが透明に溶解するのに長時間を要したが、ヘ
キシルデカノールを用いることにより、ガラクトシルセ
ラミドを透明に溶解することができた。
【0073】
【表4】
【0074】
【実施例14】ミリスチン酸イソプロピル100重量部
を90℃に加熱してガラクトシルセラミド0.1重量部
を加えて撹拌し結果、この温度で、ガラクトシルセラミ
ドはミリスチン酸イソプロピルに透明に溶解した。
【0075】
【実施例15】イソステアリン酸100重量部を90℃
に加熱してガラクトシルセラミド0.1重量部を加えて
撹拌し結果、この温度で、ガラクトシルセラミドはイソ
ステアリン酸に透明に溶解した。
【0076】
【実施例16】イソステアリルアルコール100重量部
を90℃に加熱してガラクトシルセラミド0.1重量部
を加えて撹拌し結果、この温度で、ガラクトシルセラミ
ドはイソステアリルアルコールに透明に溶解した。
【0077】
【実施例17】オクタデカノール100重量部を90℃
に加熱してガラクトシルセラミド0.1重量部を加えて
撹拌し結果、この温度で、ガラクトシルセラミドはオク
チルデカノールに透明に溶解した。
【0078】
【実施例18】デシルテトラデカノール100重量部を
90℃に加熱してガラクトシルセラミド0.1重量部を
加えて撹拌し結果、この温度で、ガラクトシルセラミド
はデシルテトラデカノールに透明に溶解した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八 幡 清 美 神奈川県大和市上和田1864−7 (72)発明者 小 宮 幸 恵 神奈川県鎌倉市西御門1−10−4 (72)発明者 土 井 信 幸 神奈川県座間市ひばりが丘3−666−71

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式[I]で表される少なくとも一種類
    の化合物からなる、式[II]で表されるガラクトシルセ
    ラミドの可溶化剤; 【化1】 (ただし、上記式[I]において、R1およびR2は、そ
    れぞれ独立に、分岐を有することもあると共に不飽和結
    合を有することもある炭素数3〜20の炭化水素基であ
    り、 Yは、 【化2】 よりなる群から選ばれる二価の基であり,かつ該式[I]
    で表される化合物は、少なくとも7個の炭素原子を有す
    る)。 【化3】
  2. 【請求項2】 式[I]で表される化合物が、次式[I-
    1]で表される分岐アルコールを含有することを特徴と
    する請求項第1項記載のガラクトシルセラミドの可溶化
    剤; 【化4】 (ただし、上記式[I-1]において、R1およびR2は、
    それぞれ独立に、分岐を有することもあると共に不飽和
    結合を有することもある炭素数3〜20の炭化水素基で
    あり、nは0または1〜5の整数を表し、かつ該式[I-
    1]で表されるアルコールは、少なくとも7個の炭素原
    子を有する)。
  3. 【請求項3】 次式[I]で表される少なくとも一種類
    の化合物と、該化合物100重量部に対して、次式[I
    I]で表されるガラクトシルセラミド1.0重量部以下の
    量で含有することを特徴とする可溶化ガラクトシルセラ
    ミド組成物; 【化5】 (ただし、上記式[I]において、R1およびR2は、そ
    れぞれ独立に、分岐を有することもあると共に不飽和結
    合を有することもある炭素数3〜20の炭化水素基であ
    り、 Yは、 【化6】 よりなる群から選ばれる二価の基であり,かつ該式[I]
    で表される化合物は、少なくとも7個の炭素原子を有す
    る)。 【化7】
  4. 【請求項4】 式[I]で表される化合物が、次式[I-
    1]で表される分岐アルコールを含有することを特徴と
    する請求項第3項記載の可溶化ガラクトシルセラミド組
    成物; 【化8】 (ただし、上記式[I-1]において、R1およびR2は、
    それぞれ独立に、分岐を有することもあると共に不飽和
    結合を有することもある炭素数3〜20の炭化水素基で
    あり、nは0または1〜5の整数を表し、かつ該式[I-
    1]で表されるアルコールは、少なくとも7個の炭素原
    子を有する)。
  5. 【請求項5】 次式[I]で表される少なくとも一種類
    の化合物100重量部に、次式[II]で表されるガラク
    トシルセラミドを1.0重量部以下の量で添加して撹拌
    することを特徴とする可溶化ガラクトシルセラミド組成
    物の製造方法; 【化9】 (ただし、上記式[I]において、R1およびR2は、そ
    れぞれ独立に、分岐を有することもあると共に不飽和結
    合を有することもある炭素数3〜20の炭化水素基であ
    り、 Yは、 【化10】 よりなる群から選ばれる二価の基であり,かつ該式[I]
    で表される化合物は、少なくとも7個の炭素原子を有す
    る)。 【化11】
  6. 【請求項6】 式[I]で表される化合物が、次式[I-
    1]で表される少なくとも一種類の分岐アルコールを含
    有することを特徴とする請求項第5項記載の可溶化ガラ
    クトシルセラミド組成物の製造方法; 【化12】 (ただし、上記式[I-1]において、R1およびR2は、
    それぞれ独立に、分岐を有することもあると共に不飽和
    結合を有することもある炭素数3〜20の炭化水素基で
    あり、nは0または1〜5の整数を表し、かつ該式[I-
    1]で表されるアルコールは、少なくとも7個の炭素原
    子を有する)。
  7. 【請求項7】 油性基材と、次式[I]で表される少な
    くとも一種類の化合物100重量部に、次式[II]で表
    されるガラクトシルセラミドが1.0重量部以下の量で
    含有される可溶化ガラクトシルセラミド組成物とからな
    り、該油性基材100重量部中に、該可溶化ガラクトシ
    ルセラミド組成物を0.01〜100重量部の量で含有
    することを特徴とするガラクトシルセラミド含有油性
    剤; 【化13】 (ただし、上記式[I]において、R1およびR2は、そ
    れぞれ独立に、分岐を有することもあると共に不飽和結
    合を有することもある炭素数3〜20の炭化水素基であ
    り、 Yは、 【化14】 よりなる群から選ばれる二価の基であり,かつ該式[I]
    で表される化合物は、少なくとも7個の炭素原子を有す
    る)。 【化15】
  8. 【請求項8】 式[I]で表される化合物が、次式[I-
    1]で表される分岐アルコールを含有することを特徴と
    する請求項第7項記載のガラクトシルセラミド含有油性
    剤; 【化16】 (ただし、上記式[I-1]において、R1およびR2は、
    それぞれ独立に、分岐を有することもあると共に不飽和
    結合を有することもある炭素数3〜20の炭化水素基で
    あり、nは0または1〜5の整数を表し、かつ該式[I-
    1]で表されるアルコールは、少なくとも7個の炭素原
    子を有する)。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6466107A (en) * 1987-09-04 1989-03-13 Kanebo Ltd Transparent, liquid and oily cosmetic
JPH0366604A (ja) * 1989-08-04 1991-03-22 Kanebo Ltd 皮膚化粧料
JPH05163153A (ja) * 1991-12-19 1993-06-29 Q P Corp スフィンゴ脂質組成物

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