JPH10192233A - 立体電子内視鏡 - Google Patents

立体電子内視鏡

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JPH10192233A
JPH10192233A JP9000789A JP78997A JPH10192233A JP H10192233 A JPH10192233 A JP H10192233A JP 9000789 A JP9000789 A JP 9000789A JP 78997 A JP78997 A JP 78997A JP H10192233 A JPH10192233 A JP H10192233A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、立体電子内視鏡を挿入部の軸回りに
回して使うと、外部のモニター上の像が回転してしま
い、オリエンテーションの把握が困難であったという問
題点を解消し、内視鏡本体を回してもモニター上での像
が回転することなく、上下(天地)の方向を保つことが
でき、オリエンテーションの把握が容易な立体電子内視
鏡を提供することにある。 【解決手段】本発明は、前記腹腔鏡1の鉛直方向に対す
る位置や傾きを検知するセンサー37と、このセンサー
37からの情報に基づき、前記腹腔鏡1の鉛直方向に対
する位置や傾きの移動量を演算して前記立体撮像光学系
17を移動させる回転駆動用モータ25とを具備し、外
部のモニター36上の被写体像の上下の向きを実際の鉛
直方向の上下に略一致させる制御を行う。腹腔鏡1の操
作中にその内視鏡本体を挿入部軸回りに回転しても、内
視鏡本体の回転量を検出手段が検出して撮像する像を回
転させ、モニター36上での像は回転させず常に正立状
態を保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オリエンテーショ
ンの把握が容易で手技がやり易い2対物系の立体電子内
視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、CCD等の固体撮像素子を内視鏡
の挿入部や操作部本体に組み込んだ電子式内視鏡が知ら
れている。このような一般の電子式内視鏡においては、
被検部位を遠近感のない平面像としてしか捉えることが
できず、体腔内表面の微細な凹凸等の細部の観察が困難
であったり、内視鏡観察による診断や各種の処置等も容
易でないという問題があった。そこで、対物レンズやC
CDからなる観察光学系を複数配設し、これら観察光学
系の光軸がなす輻輳角により視差が生じるように前記各
観察光学系を設置して観察部位を立体視できるようにし
た2対物系立体電子内視鏡が、特開平3−123526
号公報において提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】体腔内手術を行う場
合、その内視鏡の視野を変えるためには内視鏡の挿入部
を軸回りに回転させることがある。ここで、前記2対物
系立体電子内視鏡を用いて観察する場合、内視鏡本体に
対物レンズと固体撮像素子が組み込まれているために、
内視鏡の挿入部を軸回りに回転させると、TVモニター
上の被写体の像の向きが回転し、その像の上下方向(天
地方向)が変わってしまう。
【0004】TVモニター上での像が回転して傾いたり
天地が逆になってしまうことではオリエンテーションが
容易でなく、手技の操作がやり難かった。特に側視式や
斜視式の内視鏡の場合には観察方向まで大きく変わって
しまうので、オリエンテーションの把握が非常に困難な
状況になり易い。
【0005】本発明は前記課題に着目してなされたもの
であり、その目的とするところは、2対物系の立体電子
内視鏡を挿入部の軸回りに回して使うと、外部表示装置
上の像が回転してしまい、オリエンテーションの把握が
困難であったという問題点を解消し、内視鏡本体を回し
ても外部表示装置上での像が回転することなく、上下
(天地)の方向を保つことができ、オリエンテーション
の把握が容易で、手技の操作がやり易い立体電子内視鏡
装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は、操
作部と、挿入部と、前記挿入部の先端側に所定の輻輳角
を設定して視差が生じるように配置されそれぞれ被写体
物を撮像する独立した2つの撮像手段と、前記各撮像手
段で撮像された像を体外で表示する外部表示装置とを有
する立体電子内視鏡において、前記内視鏡の鉛直方向に
対する位置や傾きを検知する検知手段と、前記検知手段
からの情報に基づき、前記内視鏡の鉛直方向に対する位
置や傾きの移動量を演算して前記撮像手段を移動させる
移動制御手段とを具備し、前記外部表示装置上の被写体
像の上下の向きを実際の鉛直方向の上下に略一致させる
制御を行うように設定したことを特徴とする。内視鏡の
操作中に内視鏡本体を挿入部軸回りに回転しても、内視
鏡本体の回転量を検出手段が検出して撮像する像を回転
させ、モニター上での像は回転させず常に正立状態を保
つ。
【0007】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)図1ないし図3を参照して、本発明の
第1の実施形態を説明する。 (構成)この実施形態はトラカールを用いて腹腔鏡下手
術を行う場合についての2対物系立体電子内視鏡であ
り、この電子内視鏡は斜視型の硬性鏡である腹腔鏡1を
構成している。図1はその腹腔鏡1の使用状態を示すも
のである。図1中、2は患者の腹壁であり、腹壁2には
複数のトラカール外套管3,4が穿刺され、気腹した腹
腔5内まで貫通して設置されている。
【0008】腹腔鏡1は直管で硬性の挿入部6と、この
挿入部6の手元端に設けられた操作部7とを備える。そ
して、腹腔鏡1の挿入部6は一方のトラカール外套管3
内に挿通され、先端部が腹腔5内に突き出している。他
方のトラカール外筒管4には例えば把持鉗子8などの手
術用処置具が挿通されている。
【0009】前記腹腔鏡1の挿入部6における先端部に
は以下に説明するような斜視型立体観察装置が組み込ま
れている。図2で示すように、挿入部6は直管状のシー
ス9が設けられており、このシース9の先端壁には、対
物カバーガラス10が固定的に斜めに設置されている。
つまり、シース9の先端壁と対物カバーガラス10は挿
入部6の長手軸方向に対して斜めに傾いて設けられてい
る。シース9の先端部内には一対の撮像光学系が設けら
れている。各撮像光学系は斜視型対物レンズ系とこれで
結像した被写体像を撮像面で電気信号に変換する固体撮
像素子としてのCCDにより構成されている。すなわ
ち、右側の対物レンズ系11と、これで撮像面に結像し
た被写体像を電気信号に変換する右側のCCD13とで
右側の撮像光学系(右側の撮像手段)15を構成し、左
側の対物レンズ系12と、これで撮像面に結像した被写
体像を電気信号に変換する左側のCCD14とで左側の
撮像光学系(左側の撮像手段)16を構成する。そし
て、右側の撮像光学系15は人の右の目に対応するよう
に配置され、左側の撮像光学系16は人の左の目に対応
するように配置され、これらにより立体観察のための立
体撮像光学系(立体撮像手段)17を構成している。
【0010】次に、立体撮像光学系17を保持する支持
系の構成について説明する。立体撮像光学系17は、シ
ース9に固定された回転支持部材18に対して回転自在
に軸支された回転部材19に組み込まれる。回転支持部
材18は例えば樹脂等の低摩擦部材より形成され、これ
には回転部材19の円筒部19aを嵌め込んで回転自在
に軸支する回転軸受け部18aが円形の凹部状に形成さ
れている。回転軸受け部18aの開口端には抜止めリン
グ21が接着やネジ等の取付け手段により固定されてい
て、この抜止めリング21により回転部材19は軸方向
には動かず、その軸回りに回転自在に支持される。
【0011】回転部材19の円筒部19aにおける前端
内周縁には異形の段部溝19bが形成されており、この
段部溝19bにはこれに適合する異形板状の対物レンズ
系支持部材22が嵌め込まれ、接着などの手段で固定さ
れている。ここで、対物レンズ系支持部材22は異形板
状の部材からなり、これが異形の段部溝19bに嵌め込
まれるために回転部材19に対する対物レンズ系支持部
材22の取付け位置と向きが1つに定まる。
【0012】また、対物レンズ系支持部材22には右対
物レンズ取付孔22aと左対物レンズ取付孔22bが貫
通して形成されている。右対物レンズ取付孔22aには
右側の対物レンズ系11が嵌め込まれ、左対物レンズ取
付孔22bには左側の対物レンズ系12が嵌め込まれて
いる。そして、各対物レンズ系11,12は接着などの
手段でそれぞれの取付け位置に固定されている。
【0013】回転部材19の円筒部19a内における丸
穴19cの底面には前述した右側のCCD13と左側の
CCD14が前記対物レンズ系11,12にそれぞれ対
応位置して設置されている。各CCD13,14はそれ
ぞれ丸穴19cの底面に形成された異形穴19e,19
fに嵌め込まれた状態で接着などの手段で固定されてい
る。各CCD13,14も、これに対応する異形穴19
e,19fの形状に合わせた異形状に形成されており、
このため、異形穴19e,19fに各CCD13,14
を嵌め込んで取り付ける際の両者の位置と向きが一つに
定まる。これによって、右側のCCD13は同じく回転
部材19に位置決め固定された右側の対物レンズ系11
に対して所定の位置と向きで対応し、左側のCCD14
は同じく回転部材18に位置決め固定された左側の対物
レンズ系12に対して所定の位置及び向きで対応する。
このような構造による位置決め機構によって対物レンズ
系11,12と右側のCCD13,14の位置と向きの
関係が定められるようになっている。
【0014】そして、右側の対物レンズ系11と右側の
CCD13とで構成した右側の撮像光学系15と、左側
の対物レンズ系12と左側のCCD14とで構成した左
側の撮像光学系16とは互いに独立して構成され、回転
部材19の回転中心軸を中心として線対称に配置されて
いる。そして、回転部材19の回転中心軸を、立体撮像
光学系17の光軸Lとする。右側の撮像光学系15の光
軸Laと左側の撮像光学系16の光軸Lbとは、光軸L
上の前方位置のP点を交点として交差し、所定の輻輳角
θを持つように配置されている。立体撮像光学系17は
右側の撮像光学系15の光軸Laと左側の撮像光学系1
6の光軸Lbと同一平面上にある、輻輳角θの2等分線
を光軸Lとする。そして、光軸Lと回転部材19の回転
軸とは一致している。このように、回転部材19に立体
撮像光学系17を組み込むことによりその光軸Lを回転
軸とした回転を行う像回転用回転部23を構成してい
る。
【0015】回転部材19には同軸的に従動ギア19g
が一体に設けられている。この従動ギア19gは回転支
持部材18のギア抜き穴18hを通して差し込まれ、そ
の回転支持部材18に形成したギア室18b内に配置さ
れている。従動ギア19gには回転駆動用モータ25の
駆動軸25aに取着した駆動ギア26と、例えば多回転
型のポテンショメータ27の従動ギア27aが噛合して
いる。回転駆動用モータ25は回転支持部材18に設け
たモータ支持部28に固定的に取り付けられ、また、ポ
テンショメータ27は回転支持部材18に設けたポテン
ショメータ支持部29に対して固定的に取り付けられて
いる。
【0016】回転駆動用モータ25を駆動すると、その
回転力が駆動ギア26と従動ギア19gを介して回転部
材19に伝達される。また、回転部材19が回転する
と、従動ギア19gと従動ギア27aを介してポテンシ
ョメータ27に回転が伝達される。ポテンショメータ2
7は光軸Lを中心とした回転部23の回転角度を検出す
るよう構成されている。また、回転支持部材18に支持
された回転部材19をモータ25により立体撮像光学系
17の向きを回転するイメージローテータ30を構成し
ている。この回転部23の回転はポテンショメータ27
により検出される。ポテンショメータ27で検出した回
転部23の回転角度の値は後述する制御装置に出力され
る。
【0017】CCD13,14はこれによって得た撮像
信号を増幅するアンプ回路を有しており、これには信号
ケーブル13a,14aがそれぞれ接続されている。信
号ケーブル13a,14aはこれへの負荷を防ぐために
可撓性ケーブルチューブ31内を通じて導かれると共
に、丸穴19c内では弛ませて通し、回転部材19が回
転するときに張力が生じないようにしてある。信号ケー
ブル13a,14aは腹腔鏡1の挿入部6から操作部7
を通じて外部へ導かれている。そして、内視鏡外部の2
台のカメラコントロールユニット(CCU)34a,3
4bにそれぞれ個別的に接続されている(図1参照)。
【0018】カメラコントロールユニット34a,34
bはCCD13,14の読み取り動作を制御し、その撮
像信号を処理して映像信号に変換し、立体画像変換装置
35に出力する。これらの左右の映像信号は立体画像変
換装置35により1/120秒毎に、外部表示装置とし
てのモニター36上に交互に切り換え表示され、術者は
その切り換え動作に同期した図示しない液晶シャッター
方式のメガネを使用することにより、左右の像が融合さ
れ、立体画像として観察できるようになっている。
【0019】次に、腹腔鏡1の鉛直方向に対する位置や
傾きを検知する検知手段について説明する。腹腔鏡1の
内視鏡本体の、例えば手元側操作部7における本体部材
7a内にはその腹腔鏡1の位置と向きから内視鏡本体の
回転量や傾きを検知するための位置センサーとしてのセ
ンスコイル37が設けられている。このセンスコイル3
7は3軸直交の3つの磁気受信コイル部を有したもので
ある。これは後述するソースコイル38の発生する磁界
を検出してそれ自身の位置と向きを検知するようになっ
ている。
【0020】前記ソースコイル38はセンスコイル37
と同じく3軸直交の3つの磁界発生用コイル部を有して
いる。制御装置39のドライブ回路40によってソース
コイル38の各磁界発生用コイル部には順にパルス電流
が流れ、腹腔鏡1を使用する空間内にX,Y,Zの各軸
方向に基準磁界をパルス的に発生させる。すると、腹腔
鏡1に組み込まれたセンスコイル37の各磁気受信コイ
ル部にはその軸方向に基準磁界により腹腔鏡1の回転や
傾きに対応した誘導電流が発生する。この誘導電流は制
御装置39の検出回路41で検出される。このとき、制
御装置39はドライブ回路40でソースコイル38の駆
動と、検出回路41でセンスコイル37に発生した誘導
電流を検出するタイミング等を制御する。
【0021】検出回路41による検出結果は演算装置4
2に出力される。演算装置42はその検出結果と、演算
装置42にあらかじめインプットされた内視鏡の位置と
向きに対する内視鏡像の傾き(回転)とを比較演算する
ことにより、腹腔鏡1の軸まわりに回転する向きとその
回転量を算出する。演算装置42で演算して得たデータ
を駆動制御装置43に送る。駆動制御装置43はイメー
ジローテータ30のモータ25の動作を制御し、回転部
23は所定の向きに所要の量、回転する。これにより外
部表示装置上の被写体像の上下の向きを実際の鉛直方向
の上下に略一致させる制御を行う、内視鏡像の回転を補
正する内視鏡像回転補正機構を構成している。
【0022】駆動制御装置43は回転部23が1方向の
みに回されることで、信号ケーブル13a,14aが断
線するのを防ぐように、ポテンショメータ27からの回
転部23の総回転角度情報を受け、右回り・左回り共に
所定の回転角を超えないよう、回転部23を回転させる
制御を行うように構成されている。これの仕方の例を挙
げると、回転部23が右回りに20゜回る必要があると
きに右回りの総回転角を超えるようであれば、左回りに
340゜(=360゜−20゜)回転することで回転補
正を行う。
【0023】(作用)この実施形態の腹腔鏡1により腹
腔鏡下手術を行う場合について説明する。図1で示すよ
うに、腹腔鏡1が正面を向く通常の姿勢においては挿入
部6の先端側から見える対物レンズ系の位置とモニター
36上の内視鏡像は図3(a)で示す通りであり、術者
は、腹腔鏡1の正面向きに対応した正立像の状態である
と認識している。このときのイメージローテータ30の
回転部23の回転角は「0゜」である。
【0024】この状態から、腹腔鏡1を回転し、挿入部
6の先端側から見て、反時計回りに「90゜」回転する
とする。各撮像光学系15,16の対物レンズ系11,
12の位置とモニター36の画面上の内視鏡像は図3
(b)に示す通りとなる。ここで、腹腔鏡1の回転する
向きと量は、前述したようにセンスコイル37がソース
コイル38の発生する磁界の状態を検出し、これを演算
装置42で処理することより知ることができる。駆動制
御装置43は腹腔鏡1の回転の向きと回転量に応じて、
モータ25の動作を制御し、図3(c)に示す位置まで
回転部23を回転する。つまり、腹腔鏡1の回転の向き
と逆向きに腹腔鏡1の回転量と同じ回転量だけ回転させ
る。このため、モニター36上の画面には常に正立の像
が継続的に得られる。
【0025】また、挿入部6を1方向へ同じく回すこと
で回転部23が1方向に回された場合には、ポテンショ
メータ27から回転部23の総回転角度情報を受けた駆
動装置43が、所定の回転角を超えないように制御す
る。例えば、CCD13,14の信号ケーブル13a,
14aがねじれて断線しない、回転部23の回転可能角
度が時計回り反時計回りに720゜(2回転)ずつとし
て、既に時計回りに710゜回転し、さらに時計回りに
20゜回ろうとした時に、右回りに20゜回らず、左回
りに340゜回転し、補正を行う。
【0026】尚、本実施形態の構成において、回転部2
3からCCD13,14の信号ケーブル13a,14a
を引き出し、過剰な回転により信号ケーブル13a,1
4aが断線するのを防ぐため、ポテンショメータ27を
用い、回転部23の総回転角を検出し、駆動制御装置4
3は所定の回転角を超えないよう制御する構造をとった
が、スリップリング等でCCD13,14の信号を取り
出してケーブル13a,14aが回転しない構造を採っ
てもよい。また、外部表示装置はモニター36に限ら
ず、HMD(へッド・マウンティッド・ディスプレイ)
を使用してもよい。
【0027】(第2実施形態)図4及び図5を参照し
て、本発明の第2の実施形態を説明する。 (構成)本実施形態では内視鏡本体の回転検出に重力セ
ンサーを用い、また、回転駆動機構としてのモータ25
を挿入部6の軸と平行に配置したものである。これ以外
で、第1実施形態と同じものについては同番号を付し説
明を割愛する。
【0028】図4は図1と同じく腹腔鏡1の挿入部6の
先端部の構造を示す説明図である。回転部23の回転部
材19に形成される従動ギア19gはかさ歯車から構成
されている。かさ歯車からなる従動ギア19gには挿入
部6の軸方向に平行な向きで配置された回転駆動用モー
タ25の駆動ギア26が噛み合っている。モータ25の
駆動ギア26にはポテンショメータ27の従動ギア27
aも噛合している。回転駆動用モータ25とポテンショ
メータ27はその各回転軸が挿入部6の軸方向に略平行
な位置でそれぞれ設置されている。
【0029】一方、腹腔鏡1の操作部7には内視鏡本体
の軸回りの回転と傾きの回転角を検出する回転検出機構
が設けられている。回転検出機構は図5で示すように、
その腹腔鏡1の軸回りの回転を検出する第1の重力セン
サー44とその腹腔鏡1の軸の傾き角度を検出する第2
の重力センサー45とを組み込んで構成されている。
【0030】まず、腹腔鏡1の軸回りの回転を検出する
第1の重力センサー44は手元側操作部7の本体外周に
移動ボール46を入れた、いわゆるドーナツ状に丸くし
た中空管47が取着されている。移動ボール46は常に
中空管47の最も低い部位に位置しており、正面位置か
らの移動量により、腹腔鏡1の軸回りの回転を検出す
る。移動ボール46の検出手段としては、例えば中空管
47に沿って多数の近接スイッチを配置し、その移動ボ
ール46の位置を検出する。そして、この検出データを
利用して、イメージローテータ30のモータ25を動作
させるなど、腹腔鏡1の回転に伴うモニター36の内視
鏡像が回転することを補正し、モニター像を正立の位置
に維持する制御を行う。
【0031】一方、腹腔鏡1の軸の傾き角度を検出する
第2の重力センサー45は、手元側操作部7の本体内に
その腹腔鏡1の軸に沿って、移動ボール48を入れた直
管状の中空管49を配置し、腹腔鏡1の軸の傾き角度に
応じて移動する移動ボール48の位置を検出することに
より腹腔鏡1の軸の傾き角度を検出する。移動ボール4
8の検出手段としては、たとえば中空管49に沿って多
数の近接スイッチを配置し、その移動ボール49の位置
を検出する。この検出データを利用して腹腔鏡1の軸の
傾き角度を算出する。そして、鉛直軸に対する傾き角度
が一定の角度以下の場合には、腹腔鏡1の回転補正の動
作を解除し、解除前の位置で内視鏡像を固定する制御を
行う。
【0032】(作用)この実施形態の腹腔鏡1により腹
腔鏡下手術を行う場合について説明する。第1実施形態
と同様に、腹腔鏡1の軸回りの回転を検出する第1の重
力センサー44の検出データによって、イメージローテ
ータ30のモータ25を動作させ、回転補正を行う。こ
こで、図5で示す如く、腹腔鏡1を比較的立てて使用す
る状況(A)から腹腔鏡1を回転せずに反対側に向けて
傾ける状況(B)に動かすと、第1の重力センサー44
が作動してしまう。つまり、本当は回転して欲しくない
のに重力を検知して内視鏡像を回転補正する動作が行わ
れ、不必要な内視鏡像の回転が起きて、使い勝手が悪
い。そこで、本実施形態では、第2の重力センサー45
で、腹腔鏡1の軸の傾き角度を検出し、その角度が所定
の値以下になったとき、自動的に行われる回転補正動作
を防止するよう動作するので使い勝手が良い。
【0033】(効果)イメージローテータ30のモータ
25の回転軸が挿入部6と平行になるように配置したの
で、挿入部6が細径化でき、侵襲を少なくできる。
【0034】[付記]以下に、前述した説明に含まれる
発明を列記する。以下に列記したいずれの発明を組み合
わせることも可能である。 1.操作部と、挿入部と、前記挿入部の先端側に所定の
輻輳角を設定して視差が生じるように配置されそれぞれ
被写体物を撮像する独立した2つの撮像手段と、前記各
撮像手段で撮像された像を体外で表示する外部表示装置
とを有する立体電子内視鏡において、前記内視鏡の鉛直
方向に対する位置や傾きを検知する検知手段と、前記検
知手段からの情報に基づき、前記内視鏡の鉛直方向に対
する位置や傾きの移動量を演算して前記撮像手段を移動
させる移動制御手段とを具備し、前記外部表示装置上の
被写体像の上下の向きを実際の鉛直方向の上下に略一致
させる制御を行うように設定したことを特徴とする。
【0035】2.第1項記載の立体電子内視鏡であっ
て、前記移動制御手段は、2つの撮像手段を含む回転部
材をその中心軸回りに回転させることを特徴とする。 3.第1項記載の立体電子内視鏡であって、各撮像手段
は、被写体像を結像する対物レンズ系と、この対物レン
ズ系により結像された被写体像を撮像する撮像素子から
なることを特徴とする。
【0036】4.第1項記載の立体電子内視鏡であっ
て、2つの撮像手段は、その撮像の光軸に所定の輻輳角
を設定して視差が生じるように配設した立体撮像手段を
構成することを特徴とする。
【0037】5.第4項記載の立体電子内視鏡であっ
て、前記各撮像手段の光軸を所定の輻輳角の2等分線を
回転軸として、移動制御手段により回転させられること
を特徴とする。
【0038】6.細径の挿入部とこれと連結した本体部
からなる内視鏡であり、被写体像を結像する複数の対物
レンズ系と、前記各対物レンズ系による結像された被写
体像をそれぞれ撮像して外部表示装置へ出力する2つの
撮像手段と、前記対物レンズ系と撮像手段より構成され
る撮像光学系を2つ、所定の輻輳角を設定して視差が生
じるように配設した立体撮像光学系と、前記立体撮像光
学系の2つの撮像光学系の光軸と同一平面上にある、2
つの撮像光学系のなす輻輳角の2等分線の軸と略一致し
た軸を回転軸とし、所定の輻輳角を設定した前記立体撮
像光学系を一体で回動自在に支持する挿入部先端に設け
られた像回転用の回転部と、内視鏡の鉛直方向に対する
位置や傾きを求める検出手段と、前記回転部を回転駆動
する回転駆動機構と、前記検出手段で求めた内視鏡の鉛
直方向に対する位置や傾きから内視鏡の回転量を求め、
前記回転駆動機構により前記回転部を回転駆動し、前記
外部表示装置上の被写体像の上下を実際の被写体の鉛直
方向の上下に、少なくとも略一致させる制御を行う像回
転補正機能とを具備したことを特徴とする立体電子内視
鏡。
【0039】7.第6項記載の立体電子内視鏡であっ
て、回転駆動機構がモータであることを特徴とする。 8.第6,7項記載の立体電子内視鏡であって、検出手
段が磁気センサーであることを特徴とする。 9.第6,7項記載の立体電子内視鏡であって、検出手
段が重力センサーであることを特徴とする。 10.第6〜9項記載の立体電子内視鏡であって、像回
転補正機能が、内視鏡の軸と鉛直方向の軸のなす角度が
所定の値以下になった時には動作しないことを特徴とす
る。 11.第6〜10項記載の立体電子内視鏡であって、内
視鏡が斜視方向観察型であることを特徴とする。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、内
視鏡本体を回しても外部表示装置上での像が回転するこ
となく、上下(天地)の方向を常に保つことができ、オ
リエンテーションの把握が容易で、手技の操作がやり易
い立体電子内視鏡装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る立体電子内視鏡のシステム
を用いて腹腔鏡下手術を行う場合についての状況の説明
図。
【図2】第1実施形態に係る立体電子内視鏡の先端部の
断面図。
【図3】第1実施形態に係る立体電子内視鏡の挿入部の
先端側から見える対物レンズ系の位置と、モニター上の
内視鏡像との関係を示す説明図。
【図4】第2実施形態に係る立体電子式内視鏡の先端部
の断面図。
【図5】第2実施形態に係る立体電子式内視鏡の使用状
況の説明図。
【符号の説明】
1…腹腔鏡、2…患者の腹壁、3,4…トラカール外套
管、5…腹腔、6…挿入部、7…操作部、9…シース、
10…対物カバーガラス、11…右側の対物レンズ系、
12…左側の対物レンズ系、13…右側のCCD、14
…左側のCCD、15…右側の撮像光学系(右側の撮像
手段)、16…左側の撮像光学系(左側の撮像手段)、
17…立体撮像光学系(立体撮像手段)、18…回転支
持部材、19…回転部材、22…対物レンズ系支持部
材、23…回転部、La…右側の撮像光学系の光軸、L
b…左側の撮像光学系の光軸、L…光軸、P…交点、θ
…輻輳角、25…回転駆動用モータ、27…ポテンショ
メータ、30…イメージローテータ、34a,34b…
カメラコントロールユニット、35…立体画像変換装
置、36…モニター、37…位置センサーとしてのセン
スコイル、38…ソースコイル、39…制御装置、40
…ドライブ回路、41…検出回路、42…演算装置、4
3…駆動制御装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】操作部と、挿入部と、前記挿入部の先端側
    に所定の輻輳角を設定して視差が生じるように配置され
    それぞれ被写体物を撮像する独立した2つの撮像手段
    と、前記各撮像手段で撮像された像を体外で表示する外
    部表示装置とを有する立体電子内視鏡において、 前記内視鏡の鉛直方向に対する位置や傾きを検知する検
    知手段と、前記検知手段からの情報に基づき、前記内視
    鏡の鉛直方向に対する位置や傾きの移動量を演算して前
    記撮像手段を移動させる移動制御手段とを具備し、前記
    外部表示装置上の被写体像の上下の向きを実際の鉛直方
    向の上下に略一致させる制御を行うように設定したこと
    を特徴とする立体電子内視鏡。
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