JP3668269B2 - 体腔内手術用マニピュレータ装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は生体内組織部位を観察しながら手術を行う体腔内手術用マニピュレータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡下で行う外科手術が知られているが、この内視鏡下外科手術は体腔内に処理具と内視鏡を導入してその内視鏡による観察下で処置を行うものである。また、この内視鏡下外科手術において、術者の頭部に装着したヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いて内視鏡像を観察するものがある。この場合において、処置具を支持する処置用スレーブマニピュレータと内視鏡を支持する観察用スレーブマニピュレータと、それらのスレーブマニピュレータを操作するマスタマニピュレータが用意される。そして、処置用スレーブマニピュレータを操作するマスタマニピュレータとしてはマスタアームが使われ、観察用スレーブマニピュレータを操作するものとしては前記HMDの動きを検出してその観察用スレーブマニピュレータを追従させるようにしたものとしてある。マスタアームとHMDの動きに応じて体腔内を観察しながら目的部位に対する処置を行うようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、内視鏡観察下での手術中において、内視鏡を患部に近付けたり遠ざけたりしたとき、マスターとスレーブのスケール比が変化するため、画面上での被検体の動きの状況が変わる。例えば細かな作業をするときのように内視鏡を術部に近づけるときには、マスター側の小さな動きに対しても、その視野内で術部や処置具が大きく急激に動いてしまう。このため、作業がやりにくかった。その視野画面上での被検体の動きから感覚的に実際の動きを換算して把握するとしてもかなりの熟練を要するものであった。
【0004】
そこで、マスタースレーブの動作におけるスケール比や感度等のパラメータを変更することができるようにした未公開出願のものが提案されている(特願平6−208887号)。しかし、これはその操作の都度、制御用パラメータを設定しなければならないため、必ずしも操作性のよいものとは思われない。
【0005】
本発明は前記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは操作の都度、自動的にパラメータが変更され、処置具や被検体が観察し易いスピードで観察画面内を移動させることによって手技の操作性を高めた体腔内手術用マニピュレータ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、生体内組織部位の観察と処置のうち少なくとも一方を行うスレーブマニピュレータと、このスレーブマニピュレータを操作するための操作手段と、この操作手段からの操作情報に基づいて前記スレーブマニピュレータの動作を制御する制御手段と、を備えた体腔内手術用マニピュレータ装置において、生体内組織部位を観察する手段と、この観察手段の観察範囲を変化させる手段と、前記観察手段の観察範囲の変化に応じて前記操作手段と前記スレーブマニピュレータの動作比率を自動的に調整させる手段と、を設けたことを特徴とするものである。
【0007】
【実施例】
<第1の実施例>
図1ないし図5を参照して、本発明の第1の実施例について説明する。
(構成)
図1はこの第1の実施例に係る内視鏡下手術用マニピュレータシステムを示している。同図1中、1は手術台であり、この手術台1には患者2が載る。手術台1の両サイドにはそれぞれベッドサイドレール3が設けられている。これらのベッドサイドレール3には鉗子等の内視鏡用処置具4を着脱自在に支持する第1の保持アーム6と、立体撮像式の電子スコープ(内視鏡)5を着脱自在に支持する第2の保持アーム7が取り付けられている。ここでは保持アーム6はこれの他にも設けてよい。これらにより処置具4やスコープ5の、患者2の体腔内に対する位置決めがなされる。また、前記処置具4およびスコープ5は患者2の体壁に刺通された図示しないトラカールを利用して体腔2a内に挿入されている。
【0008】
前記各保持アーム6,7はいずれもそれに対応する側のベッドサイドレール3に取着する基部アーム8とこの基部アーム8から立設される中間屈曲アーム9とこの中間屈曲アーム9から水平方向へ突き出す先端アーム10とを備えてなる。そして、これらの保持アーム6,7の先端アーム10に対する処置具4やスコープ5の接続は、いずれも複数の自由度を有する関節手段であるフリー関節機構部11を介して設けたアームジョイント部12によって行なわれている。なお、フリー関節機構部11を設けて処置具4やスコープ5を保持するのは患者2が例えば術中に動いてそれを通す体壁の孔2bの位置がずれるようなことがあっても,その孔2bに無理な力が加わらないようにするためである。
【0009】
前記各保持アーム6,7においての中間屈曲アーム9はその基部アーム8に対して上下方向への伸縮動作(図1中で示すa方向)と回転動作(図1中で示すb方向)を行えるように構成されており、また先端アーム10はその中間屈曲アーム9から患者側へ突き出すアーム部分から水平な左右方向への伸縮動作(図1中に示すc方向)を行なうことができるように構成されている。
【0010】
そして、このような各動きを実現するために前記各アーム8,9,10内には図示しないアクチュエータが配置されている。このアクチュエータとしては例えばロボットの位置決めに用いられているサーボモータが使用される。これらのアクチュエータは後述する処置用スレーブマニピュレータ制御部28と観察用スレーブマニピュレータ制御部29によってそれぞれ駆動制御されるようになっている。
【0011】
前記処置具4とスコープ5の各挿入部における先端部の向きはそれの手前部分に設けた湾曲部を図1中に示すA方向及びこれに直交するB方向に適宜湾曲することにより選定することができるようになっている。これの湾曲駆動は処置具4の手元部に設けたサーボモータ収納部13とスコープ5の手元部に設けたサーボモータ収納部14内にそれぞれ設けられた図示しないサーボモータを駆動させて挿入部内に挿通配置された図示しないワイヤーを牽引することによって行なわれる。
【0012】
また、前記処置具4と前記スコープ5は図1中に示すD方向に回転させられるようになっている。このような回転は前記アームジョイント部12内に設けられた図示しないサーボモータを駆動させて同じく図示しない回転機構を動作させることにより行なわれる。また、処置具4の先端鉗子部4aにはこれを開閉させるための開閉機構が設けられており、この開閉機構は前記サーボモータ収納部13内に設けられた別の図示しないサーボモータを駆動させて挿入部内に挿通配置されたロッドもしくはワイヤ部材を押し引き操作することにより動作させられるようになっている。
ここで、前記処置具4と第1の保持アーム6とを組み合わせたものを処置用スレーブマニピュレータ15と称し、またスコープ5と第2の保持アーム7とを組み合わせたものを観察用スレーブマニピュレータ16と称することにする。そして、これらは後述する操作手段によって動作が制御されるようになっている。
【0013】
図1において示されるように、処置用スレーブマニピュレータ15を操作するための操作手段であるマスターアーム(マニピュレータ)17と、観察用スレーブマニピュレータ16を操作するための操作手段を組み込んだヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDと称す。もっとも、これの代わりにフェイスマウントディスプレイ(FMD)を用いてもよい。)とが設けられている。
【0014】
前記HMD18は術者の頭部に装着されるものであり、これはその術者の眼の前を覆う目と対面する内側に前記スコープ5で得られた映像を表示するための左右2つの液晶ディスプレイ(図示しない)を備える。このモニタ手段としてのHMD18を術者の頭部に装着した際に左右の各液晶ディスプレイは術者の目に対応した位置にセットされる。
【0015】
また、前記マスターアーム17は複数のアームを連結したリンク機構19で構成されており、このリンク機構19を構成する各アームの連結部には図示しない位置検知用のエンコーダが設けられている。これらのエンコーダによって各リンクの動きを検出し、後述するマスターデータ受信部27で演算して、そのマスターアーム17の操作の状況を検知するようになっている。なお、このマスターアーム17は操作者がそのマスターアーム17から手20を離した場合でもマスターアーム17の自重によって勝手に動かないように作られている。つまり、マスターアーム17の各アームリンクには図示しない電磁クラッチが取り付けられており、この電磁クラッチによってマスターアーム17は必要以外の時には動かないように動きが制限されている。
【0016】
またマスタースレーブモードで実際に処置用スレーブマニピュレータ15を動かす際には操作者が図示しないフットスイッチを踏む動作によって前記電磁クラッチのロック状態が解除される。ここでのマスタースレーブモードとは操作入力手段であるマスターアーム17の動きが処置用スレーブマニピュレータ15に伝達され得るモード、すなわちマスターアーム17の動きに処置用スレーブマニピュレータ15が追従できるモードをいう。
【0017】
なお、ここでは、処置用スレーブマニピュレータ15を操作する手段として、マスターアーム17に設置されたエンコーダの情報を用いているが、このようなマスターアーム17を用いることなく、例えば歪ゲージや圧力センサーを用いた3次元ジョイステックあるいは力覚センサーまたは磁気センサのような空間的な位置情報を認識する入力装置を用いても構わない。このような装置を用いることで、操作入力手段の構成が前記マスターアーム17のものに比べてシンプルとなる。
【0018】
一方、前記スコープ5はその挿入部先端部に立体撮像手段としての左右の図示しないCCDが設けられており、これにより2枚の被写体像を撮像する立体視式電子内視鏡を構成している。これらのCCDはビデオプロセッサ21からの駆動信号によって駆動されるとともにその出力信号はそのビデオプロセッサ21に入力されるようになっている。
【0019】
また、HMD18は、術者の頭がどのように動いても、スコープ5の先端でとらえられる視野の映像を前記ディスプレイによって常に追従的に観察できるように構成されている。このような構成のHMD18を装着して処置を行うことで、従来のように処置中に術者が手術室に設置されたTVモニタの方へ視線を移すといった煩わしい動作を行なわなくて済み、操作性が向上する。また、患部から視線を外すことなく常に患部の映像を明確に観察することができるから手術を容易に行なうことができる。
【0020】
なお、前記スコープ5は立体スコープでなく通常の2次元スコープでもよい。立体(3次元)スコープであれば、HMD18により立体的に被検体を観察することが可能である。
【0021】
術者の頭部、つまり術者の頭部に装着したHMD18の空間的な移動量は位置センサとしての磁気センサー22によって検知される。この磁気センサー22は所定の磁場を発生する磁気センサーソース部22aと、この磁気センサーソース部22aからの磁場を検知する磁気センサーセンス部22bとからなる。このうち磁気センサーソース部22aは手術室の定位置に設置され、他方の磁気センサーセンス部22bはHMD18のほぼ中央部に位置して取り付けられている。術者の頭部の動きはこうした磁気センサー22によって検知されることにより観察用スレーブマニピュレータを操作するための操作入力情報が得られる。
【0022】
次に、その操作手段の操作を検知する方法の一例を簡単に説明する。 HMD18以外の所定の場所にセットされた磁気センサーソース部22aから発生される、例えば3次元的に変化するパルス的な磁場は磁気センサーセンス部22bで逐次検知され、その頭部の動きに伴う磁場の変化分の情報を後述するような制御装置23で処理することによって、磁気センサーソース部22aに対する磁気センサーセンス部22bの位置よびその磁気センサーセンス部22bの傾斜であるオイラー角(ロール、ピッチ、ヨー)を求めて、術者の頭部の移動量および傾き量を検知する。
【0023】
なお、ここでは術者の頭部の動きを検知する操作手段として磁気センサー22を用いる方式について述べたが、例えば超音波センサーによって頭部の動きを検知してもよい。また、術者の頭部の動きを撮像して認識できるCCD等の固体撮像素子を有したTVカメラをその領域内に配置し、このTVカメラを通じて得られた術者の頭部の動きの映像からその動作データに基づいて画像処理を行なうことにより頭部の動きを検知してもよいものである。
【0024】
次に、処置用スレーブマニピュレータ15と観察用スレーブマニピュレータ16の動作を制御する制御装置23について説明する。
図1で示すように、磁気センサー22の磁気センサーソース部22aと磁気センサーセンス部22bは3次元(3D)位置センサデータ受信部25に接続されている。そして、制御部26からの受信要求信号に応じて磁気センサーセンス部22bの位置情報や角度情報をその制御部26に伝達する。
【0025】
マスターアーム17の図示しないエンコーダからの情報はマスターアームデータ受信部27に入力され、制御部26からの受信要求信号に応じて、その情報は制御部26に伝達される。
【0026】
処置用スレーブマニピュレータ15の保持アーム6と処置具4の駆動部は処置用スレーブマニピュレータ制御部28に接続されている。また、観察用スレーブマニピュレータ16の保持アーム6とスコープ5の駆動部は観察用スレーブマニピュレータ制御部29に接続されている。そして、制御部26はそれぞれマスターアームデータ受信部27および3次元位置センサデータ受信部25での受信データの値に応じて、処置用スレーブマニピュレータ15と観察用スレーブマニピュレータ16の各モータの回転量を算出する。さらに処置用スレーブマニピュレータ制御部28と観察用スレーブマニピュレータ制御部29はその制御部26からの前記回転量に基づいて各モータの回転制御を行なう。
【0027】
また、前記スコープ5には図示しない照明用光源装置が接続されており、スコープ5からの映像信号は前記ビデオプロセッサ21に入力され、TV画像信号に変換処理され、HMD18の左右2つの液晶ディスプレイに入力される。そして左右2つの液晶ディスプレイに表示される映像を3次元的に観察することができる。
【0028】
次に、図2〜図5を参照して、前記制御装置23での処理フローを説明する。制御部26から3次元的位置センサデータ受信部25に受信要求コマンドを送出し、その3次元的位置センサデータ受信部25の位置センサの磁気センサーセンス部22bからその位置およびオイラー角の信号を受信する。これと同時に制御部26にはマスターアームデータ受信部27からのマスターアーム17の各エンコーダからの情報の信号が入力される。
【0029】
ここで、術者が頭部を動かすことによりこれに装着したHMD18が、図4の(a)で示すある点Pから点Qまで前方へ移動したとすると、スコープ5の先端位置は前記観察用スレーブマニピュレータ16の動作により図4の(b)で示すように視野光軸方向に点Aから点Bまで移動する。この結果、HMD18上の立体映像の画像は図3での(a)から同図3の(b)のように観察範囲が拡大変化する。それに伴って通常ならば前記観察範囲内での被写体の動きも拡大される。
【0030】
ここで、スコープ5の先端の視野光軸方向の移動量|AB|=l(エル)、点Aから被検体の点Oまでの距離|AO|=Lとし、スコープ5の視野角を2θとすると、被検体の点Oを通り、線分AOに直交する平面と視野角を規制する線分との交点をX、点Bまでスコープ5の先端が移動したときの同じく視野角を制限する線分との交点をX′とすると、
線分OX=L・tanθ、 線分OX′=(L−l)・tanθ
であり、したがって、図3の(a)から同図3の(b)への観察範囲の大きさが拡大したときの拡大率をkとすると、
k=OX/OX′=L/(L−l)
となり、HMD18の画面上では処置具4の先端の動きはk倍に拡大されて見える。そこで、処置用スレーブマニピュレータ15のマスタースレーブ動作の変換倍率K1 は初期値をk1 とすると、K1 =k1 ×(1/k)と設定する調整が自動的に行われる。
【0031】
同様に、スコープ5が動いた場合も処置具4の先端、被検体の動きはk倍となるので、観察用スレーブマニピュレータ16のマスタースレーブ動作の変換倍率K2 は、初期値をk2 とすると、K2 =k2 ×(1/k)と設定する調整が自動的に行われる。
【0032】
つまり、前記係数を基に処置具4とスコープ5の先端の移動量を計算し、各マニピュレータについてのモータの回転数に変換し、各マニピュレータについてのモータの回転制御を行なう。そして、観察手段による前記観察範囲での被写体の変化を設定スピード以下に制限させる規制を行う。
【0033】
なお、前述した初期値k1 ,k2 はシステム全体のパラメータとして固定あるいは任意に設定可能なものとしても良いし、スコープ5が視野光軸方向へ移動する直前の値(スコープ5の先端が点Aのときのk1 及びk2 )としても良い。
(作用)
この内視鏡下手術用マニピュレータシステムにおいて、HMD18を装着した術者の頭の位置と動きに応じてスコープ5の先端の位置とその視野方向が変化する。また、マスターアーム17の動きに応じて処置具4の先端の位置と方向が変化する。体腔内の状況がHMD18で立体的に観察される。
【0034】
今、仮に術者が頭を前方へ動かすと、スコープ5の先端は視野光軸方向に移動し、HMD18上では観察視野つまり観察範囲が拡大して見えるが、その観察手段の観察範囲の変化に応じてマスタースレーブの変換係数を変えることで、マスターアーム17と処置具4の動きは、HMD18の画面上で同じスピードで動くように自動的に調整がなされる。同様に頭の動きに対する画面上の視野の動きもマスタースレーブの変換係数を変えることで、頭の動きと観察視野での動きはいつも一定のスピードとなるようにする制御がなされる。術者が頭を後方へ動かしたときにも、同様に変換係数が変わる。
【0035】
なお、変換倍率K1 ,K2 は、K1 =k1 ×(1/k)、K2 =k2 ×(1/k)だけではなく、処置具4とスコープ5とのものが次式のように別々の係数でも良い。
K1 =k1 ×((1/k)×α)=k1 ×k′
K2 =k2 ×((1/k)×β)=k2 ×k″
また、図5のように処置具4の先端が、スコープ5の視野光軸中心からずれている場合には、スコープ5の視野光軸と直交し、処置具4の先端を通る平面と光軸中心の交点をO′、視野角の交点をX,X′として
係数k=O′X/O′X′=L′/(L′−l)を計算しても良い。
(但しl′=|AB|,L′=|AO′|。)
(効果)
前記制御方式によれば、被検体とスコープ5の先端の位置によらず、観察手段の観察範囲における処置具4や被検体がその観察範囲を変化させても常に同一のスピードで観察画面内を移動するので、手技の作業性が大幅に向上する。
【0036】
なお、観察手段の観察範囲における処置具や被検体の像の動きを制限的に規制する場合、その動くスピードが常に一定の値でなくともよい。
<第2の実施例>
図6を参照して、本発明の第2の実施例について説明する。
(構成)
これは前述した第1の実施例の構成に次のような画像処理手段を追加して次のように変形したものである。すなわち、立体ビデオス式のスコープ5の撮像信号をビデオプロセッサ21に入力し、そのビデオプロセッサ21の出力であるTV信号を制御装置23内の画像拡大/縮小部31に入力する。画像拡大/縮小部31は制御部23からの指令によりTV信号を拡大/縮小する機能を有する。画像拡大/縮小部31で処理された映像信号はHMD18のディスプレイ部に伝送され、表示される。
(作用)
前述した第1の実施例で説明したときの図4と同様にHMD18を装着した術者が点Pから点QにそのHMD18を移動させたとき、観察用スレーブマニピュレータ16を動かし、またはスコープ5自体が動いて、そのスコープ5が視野光軸方向に動いたが、ここではそれを動かす代わりに制御部43からの指示で画像拡大/縮小部31により画像(観察範囲)を拡大し、その画像をHMD18に表示する。
【0037】
このときに第1の実施例と同様に係数K1 ,K2 を計算し、処置用スレーブマニピュレータ15または観察用スレーブマニピュレータ16のそれぞれの動きを制御し、観察手段の観察画面において処置具や被検体の像が常に一定のスピードで移動するようにする。
また、点Qから点Pに移動したときには画像(観察範囲)を縮小し、そのときの係数K1 ,K2 を計算して処置用スレーブマニピュレータ15または観察用スレーブマニピュレータ16を動かし、前記同様に制御する。
(効果)
この実施例の画像処理手段を利用すれば、スコープ5を動かす必要がないので、スコープ5が被検体に近付いたり遠ざかりすぎたりすることが無く、フォーカスの良い画像で観察することができる。もちろん、前述した第1の実施例の機能を選択的または重畳的に用いることもできる。
<第3の実施例>
図7および図8を参照して、本発明の第3の実施例について説明する。
(構成)
これは前述した第1の実施例の構成に次のような画像処理手段を追加したものである。すなわち、立体ビデオスコープ5の撮像信号はビデオプロセッサ21に入力される。ビデオプロセッサ21から出力するTV信号は制御装置23内に組み込まれた画像合成部41に入力される。
【0038】
一方、手術室の上部には立体TVカメラ42が設置されており、この立体TVカメラ42からのTV信号も同じ画像合成部41に入力される。この画像合成部41では制御部26からの指示に基づいてビデオプロセッサ21からの信号と立体TVカメラ42からの信号を個別に拡大,縮小,合成,重畳を行なうことができ、これらの処置は図示しないスイッチの切り換えによって選択可能となっている。
(作用)
図8の如く、HMD18にてスコープ像を観察中に外部の視界を見たい場合、スイッチ(図示しない。)を押すことで、立体TVカメラ42の画像に切り換えることができる。また、例えば図8の(c)の如くスコープ像とTVカメラ像を親子画面として見ることができるし、図8の(d)のように重ね合わせて見ることも可能となる。スコープ像とTVカメラ像のどちらを親にするか子画面にするかは図示しないスイッチで行なうことができる。図8の(a)はスコープ像の単独像、図8の(b)はTVカメラ像の単独像である。また、これらの画面の切り換えも図示しないスイッチで行なうことができる。
(効果)
HMD18を装着したままで、手術室内や被検者の様子を観察することができる。
また、親子画面や重量表示をすることで処置部位から目を離すことなく外部の視野(手術室内,被検者の様子)を見ることができる。
<第4の実施例>
図9ないし図11を参照して、本発明の第4の実施例について説明する。
(構成)
これは、前述した第3の実施例においての立体TVカメラ51をHMD18上に視野方向とほぼ水平になるように取り付けたものであり、その他は前述した第3の実施例と同じである。
(作用)
画像合成部41にてスコープ5による視野像と外部の視野像を重量してHMD18の映像画面として表示する。
(効果)
TVカメラ51をHMD18上に取り付けることで、図11で示すように実際の術部の位置とスコープ像を一致させて実際的に観察できるため、処置具4やスコープ5のオリエンテーションが付けやすくなる。
[追記]
(1) 生体内組織部位の観察と処置のうち少なくとも一方を行なうスレーブマニピュレータと、このスレーブマニピュレータを操作するための操作手段と、この操作手段からの操作情報に基づいて前記スレーブマニピュレータの動作を制御する制御手段とを備えた体腔内手術用マニピュレータ装置において、生体内組織部位を観察する手段と、この観察手段の観察範囲を変化させる手段と、この観察手段による前記観察範囲での被写体の移動を制限させる如く前記操作手段とスレーブマニピュレータの動作比率を自動的に調整させる手段を設けたことを特徴とする体腔内手術用マニピュレータ装置。例えばスコープで観察する画像の倍率に応じてマスタの動きに対するスレーブマニピュレータの動作量を制限し、観察手段の観察範囲での被写体の動くスピードを自動的に調整することができる。
(2) 前記(1) 項において、前記観察範囲を変化させる手段はスコープを視野光軸方向に進退させる手段である。
(3) 前記(1) 項において、前記観察範囲を変化させる手段はスコープの像を拡大,縮小させる手段である。
(4) 前記(1) 項において、前記観察手段はスコープの像を観察するHMDを有する。
(5) 前記(4) 項において、外部の視界を観察する手段としてTVカメラを有し、前記HMDはそのTVカメラで撮像した像を合わせて観察する。
(6) 前記(5) 項において、前記TVカメラは手術室内に配置される。
(7) 前記(5) 項において、前記TVカメラは前記HMD上に取り付けられる。
(8) 前記(4) 項において、HMDの画面に前記スコープの像と前記TVカメラの像を親子画面表示にする手段を有する。
(9) 前記(8) 項において、親子画面を入れかえる手段を有する。
(10)前記(4) 項において、HMDの画面に前記スコープの像と前記TVカメラの像を重畳表示する手段を有する。
前記(4) 〜(10)項によれば、HMDを装着したままで手術室内や被検者の様子を観察できるので作業性が向上する。また、親子画面表示や重量表示等をすることで処置部位から目を離さずに手術室内や被検者の様子を見ることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、スコープの動きによらず、被写体が観察画面内で観察対象しやすい所定のスピードで移動するように自動的に設定されるため、観察下における手技の作業性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係る内視鏡下手術用マニピュレータシステムの説明図。
【図2】同じく第1の実施例に係る内視鏡下手術用マニピュレータシステムの制御装置での処理フローの説明図。
【図3】(a)(b)は同じく第1の実施例に係る内視鏡下手術用マニピュレータシステムのHMD上の立体映像の画像の拡大変化の説明図。
【図4】同じく第1の実施例に係る内視鏡下手術用マニピュレータシステムにおけるHMDの移動を示す斜視図。
【図5】同じく第1の実施例に係る内視鏡下手術用マニピュレータシステムにおけるHMDの前記図4の動きに対応したスコープの移動を示す斜視図。
【図6】第2の実施例に係る内視鏡下手術用マニピュレータシステムの説明図。
【図7】第3の実施例に係る内視鏡下手術用マニピュレータシステムの説明図。
【図8】同じく第3の実施例に係る内視鏡下手術用マニピュレータシステムの観察画面の説明図。
【図9】第4の実施例に係る内視鏡下手術用マニピュレータシステムのHMDの斜視図。
【図10】同じく第4の実施例に係る内視鏡下手術用マニピュレータシステムの観察画面の説明図。
【図11】同じく第4の実施例に係る内視鏡下手術用マニピュレータシステムの使用状態の説明図。
【符号の説明】
4…内視鏡用処置具、5…スコープ、15…処置用スレーブマニピュレータ、16…観察用スレーブマニピュレータ、17…マスターアーム(マニピュレータ)、18…HMD、22…磁気センサー、25…3次元位置センサデータ受信部、26…制御部、27…マスターアームデータ受信部、28…処置用スレーブマニピュレータ制御部、29…観察用スレーブマニピュレータ制御部。
Claims (1)
- 生体内組織部位の観察と処置のうち少なくとも一方を行うスレーブマニピュレータと、
このスレーブマニピュレータを操作するための操作手段と、
この操作手段からの操作情報に基づいて前記スレーブマニピュレータの動作を制御する制御手段と、
を備えた体腔内手術用マニピュレータ装置において、
生体内組織部位を観察する手段と、
この観察手段の観察範囲を変化させる手段と、
前記観察手段の観察範囲の変化に応じて前記操作手段と前記スレーブマニピュレータの動作比率を自動的に調整させる手段と、
を設けたことを特徴とする体腔内手術用マニピュレータ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00218595A JP3668269B2 (ja) | 1995-01-10 | 1995-01-10 | 体腔内手術用マニピュレータ装置 |
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