JP2007219869A - 仮想現実感呈示装置 - Google Patents

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Abstract

【目的】仮想的な「操作手」の仮想空間内での位置と現実の操作手の位置が異なっているにも関わらずに仮想的な操作手を被験者自身の現実の操作手と錯覚させる技術を提供する。
【構成】被験者Jはハンドル10を把持して回転させる。被験者Jの視界から被験者Jの操作手Hとハンドル10を遮蔽する位置に鏡14が配置されている。ハンドル10が基準位置にあるときにハンドル10の鏡像位置にダミーハンドル16を配置する。ダミーハンドルにはダミー手18が固定されている。被験者Jに対して、鏡14に映ったダミー手18を自身の手Hと錯覚させる。被験者Jがハンドル10を所定方向に所定量だけ回転させると、コントローラ30は、鏡に映ったダミーハンドル16が所定の方向に所定量とは異なる量だけ回転させる。操作手Hの位置とダミー手18の位置が異なることになっても、被験者Jにダミー手18が自身の手であるとの錯覚を維持させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示手段が表示する仮想的な「身体の一部」を、被験者自身の現実の「身体の一部」と錯覚させることのできる仮想現実感呈示装置に関する。特に、仮想的な「身体の一部」の仮想空間内での位置と現実の「身体の一部」の位置が異なっているにも関わらずに仮想的な「身体の一部」を被験者自身の現実の「身体の一部」と錯覚させることのできる仮想現実感呈示装置に関する。
バーチャルリアリティの研究において、コンピュータグラフィクスなどによって、表示装置が表示する仮想的な「身体の一部」をあたかも被験者自身の「身体の一部」と錯覚させる研究が行われている。
近年、脳が自身の身体を認知するときのメカニズムが解明されつつある。非特許文献1には、被験者の視界から右手を遮蔽し、右手の位置とは異なる場所であって被験者から見える位置にゴム製の手の模型を置き、被験者には見えない右手と被験者が見ることのできるゴム製の手を同期させて繰り返し叩くと、しばらくして被験者はゴム製の手の模型を被験者自身の手と錯覚することが報告されている。脳の認知メカニズムは完全に解明されてはいないが、この報告によれば、脳は触覚からの情報と視覚からの情報を融合させて自身の身体を認知すると推定される。
特許文献1には、この脳の認知メカニズムを利用することによって、ディスプレイ上に表示された仮想的な手を被験者自身の手であると錯覚させる装置が開示されている。この装置は、被験者が手に装着するデータグローブとディスプレイとコントローラを備える。データグローブは、被験者の手に触感を与えることができる。ディスプレイは、被験者の視界からデータグローブを遮蔽する位置に配置されている。ディスプレイにはデータグローブを装着した方の手のコンピュータグラフィクスが、実際のデータグローブの位置と同じ位置にみえるように表示されている。これによって、ディスプレイに、被験者から見て、被験者の視界から遮蔽された現実の空間と重畳する仮想空間を表示させている。被験者から見て現実の空間と重畳する仮想空間とは、現実の空間と表示されている仮想的な空間が被験者からは連続して見えるように設定された仮想空間のことをいう。換言すれば、表示装置は、現実の空間に設定された絶対座標系と仮想空間における絶対座標系を規定する仮想空間内絶対座標系が被験者からみて一致して見える関係を満たして仮想空間を表示する、と表現することもできる。
ディスプレイは、表示された仮想空間内で「仮想的な手」を叩く画像を表示する。その画像を視認した被験者に、その視覚情報から「仮想的な手」に触感を想起させるためである。仮想空間における「仮想的な手」を叩くタイミングとデータグローブが被験者の手に触感を与えるタイミングを同期させる。そうすることによって、被験者が視認している「仮想的な手」を被験者自身の手と錯覚させることができる。
Botvnick M., J. Cohen, "Rubber hands 'feel' touch that eyes see", Nature, 391, 756, 1998 特開2003−330582号公報
特許文献1の技術は、効果的に錯覚を生じさせるための技術である。データグローブの現実の位置、即ち被験者の手の現実の位置と、ディスプレイに表示された「仮想的な手」の仮想空間内での位置を、同一の座標系上で一致させておく。その上で、仮想空間における「仮想的な手」を叩くタイミングとデータグローブが被験者の手に触感を与えるタイミングを同期させることによって、ディスプレイに表示された「仮想的な手」を被験者自身の手と錯覚させる。
特許文献1の技術では、被験者の手の位置と異なる位置に「仮想的な手」を位置させて「仮想的な手」を被験者自身の手と錯覚させることはできない。
非特許文献1の報告によれば、被験者の手の位置と異なる位置に「仮想的な手」を位置させても「仮想的な手」を被験者自身の手と錯覚させることはできる。しかし、発明者らの検討によると、非特許文献1の実験では、錯覚が生じるまでには長い場合には数分を要し、場合によっては強い錯覚が起こらない場合もあることが判明した。
本発明は、表示手段に表示した仮想的な「身体の一部」の位置と現実の「身体の一部」の位置が異なっているにも関わらずに、仮想的な「身体の一部」を被験者自身の現実の「身体の一部」と錯覚させる技術を提供する。特に、短時間で強い錯覚を生じさせる技術を提供する。
発明者らは、脳内にひとたび特定の認知が形成されると、以後、脳はその認知を維持しようとする傾向がある点に着目した。この傾向は、例えば、見方によっては若い婦人とも老婆とも見える絵を見たときに、その絵が老婆の絵であるとひとたび認知すると、以後はなかなか若い婦人と見ることができないという良く知られた現象によって裏付けられている。
本発明は、被験者の身体の一部の現実の位置と、表示手段に表示した仮想的な「身体の一部」の仮想空間内での位置を、同一の座標系上で一致させておく。そうすることによって、最初に仮想的な「身体の一部」を被験者の身体の一部であるとの強い錯覚を短時間に生じさせる。その後、被験者の身体の一部の現実の位置と、表示手段に表示した仮想的な「身体の一部」の仮想空間内での位置をずらしていく。その際、被験者が触覚から得る触感の方向と、視覚情報から想起される触感の方向は一致させる。これによって被験者に最初に与えた錯覚を維持させ易くする。そうすることによって、表示手段に表示した仮想的な「身体の一部」の位置と現実の「身体の一部」の位置が異なっているにも関わらずに、仮想的な「身体の一部」を被験者自身の現実の「身体の一部」との強い錯覚を短時間で生じさせることができる。
本発明は、仮想現実感呈示装置に具現化できる。この装置は、被験者がその手で操作することによって移動するハンドルと、仮想空間を表示する表示手段と、表示手段が表示する像を制御する表示制御装置と、ハンドルの移動方向と移動量を検出するセンサを備える。
表示手段は、被験者とハンドルの間に配置されて被験者の視界からハンドルと「ハンドルを操作している手」を遮蔽する位置に配置される。表示手段は、被験者の視点からみて、遮蔽された空間と重畳する仮想空間を表示する。
表示制御装置は、ハンドルと「ハンドルを操作している手」が基準位置にあるときに、仮想空間における基準位置にダミーハンドルとダミー手を表示手段に表示させる。表示制御装置はまた、ハンドルと「ハンドルを操作している手」が基準位置から移動したときには、仮想空間において、検出された移動方向に、検出された移動量と異なる移動量だけ移動させたダミーハンドルとダミー手を表示手段に表示させる。
本明細書でいう「ハンドル」とは、自動車のハンドルに限られない。飛行機の操縦桿や機械を操作するための操作子などを含む。或いは、作業者が作業に用いる工具であってもよい。機械を操作するための操作子とは、例えば、マスタースレーブマニピュレータのマスターアームの把持部などがある。
また、本明細書でいう「移動」は、並進又は回転の動きであればよい。或いは並進と回転を同時に含む動きであってもよい。
ハンドルの基準位置は予め設定されていればよい。例えば自動車のハンドルであれば、基準位置は、ハンドルのニュートラルポジションに設定される。「ハンドルを操作している手」の基準位置は、ハンドルが基準位置にあるときにそのハンドルを把持している手の位置に設定される。「ハンドルを操作している手」の基準位置は予め設定されていてもよいし、ハンドルが基準位置にあるときにハンドルを把持する手の位置を計測し、計測した位置を「ハンドルを操作している手」の基準位置に設定してもよい。
なお、以下では、説明を簡略化するために「ハンドルを操作している手」を単に操作手と称する場合がある。
上記構成によれば、被験者はハンドルを操作するが、表示手段によってハンドルと操作手は被験者の視界から遮蔽されている。即ち、被験者は、現実のハンドルと現実の操作手を見ることができない。一方、表示手段は、被験者の視点からみて、遮蔽された空間と重畳する仮想空間を表示する。被験者から見て現実の空間と重畳する仮想空間とは、現実の空間と表示されている仮想的な空間が被験者からは連続して見えるように設定された仮想空間のことをいう。換言すれば、現実の空間に設定された絶対座標系と同一の絶対座標系が設定された仮想空間と表現することもできる。
表示手段には、表示制御装置によって、ハンドルと操作手が基準位置にあるときに、仮想空間における基準位置にダミーハンドルとダミー手が表示される。基準位置は予め決められている。即ち、ハンドルと操作手が基準位置にあるときには、被験者に対して、表示手段に表示されたダミーハンドルとダミー手を、現実のハンドルと現実の操作手の位置にあるかのごとく見せる。
被験者は、自身の触覚によって、現実の手が現実のハンドルを把持しているという現実の触感を得る。この現実に受ける触感を「触覚情報に基づく触感」と称する。
同時に、被験者は、現実のハンドルと現実の操作手の位置にあるかのごとく見えるダミーハンドルとダミー手を視認する。表示されたダミー手もダミーハンドルを把持しているので、被験者は視覚情報からダミー手がダミーハンドルを把持しているという触感を想起する。視覚情報から想起される触感を「視覚情報に基づく触感」と称する。
ハンドルと操作手が基準位置にあるときには、「触覚情報に基づく触感」と「視覚情報に基づく触感」は整合性を有している。このときにはさらに、ハンドルと操作手の位置と仮想空間内でのダミーハンドルとダミー手の位置が整合性を有している。しかも被験者はハンドルと操作手が見えない状況に置かれている。被験者に対して、表示手段に表示されているダミーハンドルとダミー手をあたかも現実のハンドルと現実の操作手と即座にしかも強く錯覚させることができる。
被験者がハンドルを操作すると、ハンドルと操作手は基準位置から移動する。表示制御装置は、ハンドルと「ハンドルを操作している手」が基準位置から移動したときには、表示手段が表示する仮想空間において、センサによって検出された移動方向に、センサによって検出された移動量と異なる移動量だけ移動させたダミーハンドルとダミー手を表示手段に表示させる。被験者がハンドルを動かす方向と表示手段に表示されるダミーハンドルの移動方向は同じである。従って、被験者の現実の操作手が現実のハンドルから受ける操作反力の方向と、ダミーハンドルとダミー手の表示を見ることによって得る視覚情報から想起されるダミー手がダミーハンドルから受ける操作反力の方向は一致する。「触覚情報に基づく触感」と「視覚情報に基づく触感」に対して触感の方向性は整合性が保たれる。その一方で、被験者は現実のハンドルと操作手を視認することができない。被験者は操作手とダミー手の位置的な整合性は視覚によって確認することができない。これによって、現実のハンドルの移動量と仮想空間内でのダミーハンドルの移動量を異ならせても、ひとたび確立されたダミー手が自身の手であるという錯覚を維持させることが可能となる。現実のハンドルの移動量と仮想空間内でのダミーハンドルの移動量を異ならせることは、操作手の位置と、仮想的なダミー手の位置をずらすことを意味する。
表示されたダミー手、即ち仮想的な「身体の一部」の位置と操作手、即ち現実の「身体の一部」の位置が異なっているにも関わらずに、仮想的な「身体の一部」が被験者自身の現実の「身体の一部」であるとの錯覚を短時間に強く被験者に与えることができる。
この仮想現実感呈示装置は、まず、ハンドルと操作手が基準位置にあるときに、現実の空間と重畳する仮想空間内で基準位置に対応する位置にダミーハンドルとダミー手が位置するようにダミーハンドルの像とダミー手の像を表示手段に表示させる。これによって被験者に対して、表示されているダミーハンドルとダミー手を現実のハンドルと操作手と迅速に強く錯覚させる。
そして被験者がハンドルを操作する際にも、「触覚に基づく触感」と「視覚情報に基づく触感」の方向については整合性を維持する。これによって、現実のハンドルの移動量と仮想空間内でのダミーハンドルの移動量を異ならせても、ひとたび被験者内に確立された錯覚を維持させることができる。現実の操作手の位置と、仮想的なダミー手の位置がずれても被験者に生じた錯覚を維持させることができる。
発明者らは、簡単な実験を行って、次の現象を発見している。操作手の現実の位置と仮想空間内のダミー手の位置がずれると、操作手の現実の位置における「触覚に基づく触感」と、操作手が仮に仮想空間内のダミー手の位置にあった場合の「触覚に基づく触感」とは厳密には異なる。しかし「視覚情報に基づく触感」は物理的な触感を伴わない。しかも最初にハンドルが基準位置にあるときに強くダミー手を自身の手であるとの錯覚を確立させている。以上のことから、操作手の現実の位置と仮想空間内のダミー手の位置がずれていても被験者は、「触覚に基づく触感」と「視覚情報に基づく触感」を結びつけてしまう。その結果、現実のハンドルの移動量と仮想空間内でのダミーハンドルの移動量を異ならせても、即ち、操作手の現実の位置とダミー手の位置を異ならせても、被験者の錯覚を維持させることができる。
表示手段はディスプレイであってもよいし、鏡面を被験者側に向けた鏡であってもよい。
前者の場合は、表示制御装置は、ディスプレイに表示するコンピュータグラフィクスの画像を制御する装置であればよい。ダミーハンドルとダミー手は表示制御装置によってディスプレイに表示されるコンピュータグラフィクスの画像であればよい。
後者の場合は、ダミーハンドルとダミー手は実存する物体として形成される。ダミーハンドルには、操作手と同じ姿勢でダミー手が固定されており、ダミーハンドルを移動させるアクチュエータが備えられている。ダミーハンドルやダミー手は、模型であればよい。ハンドルと操作手が基準位置にあるときに、ダミーハンドルとダミー手を鏡に対してハンドルと操作手の鏡像位置に配置することによって、鏡が映し出す空間を鏡によって遮蔽された空間と重畳する仮想空間とすることができる。表示制御装置は、検出された移動方向と逆方向にダミーハンドルをアクチュエータによって移動させる。鏡が映し出す仮想空間においては、ダミーハンドルは検出されたハンドルの移動方向と同方向に移動する。鏡が映し出す仮想空間においては、ダミーハンドルに固定されたダミー手も操作手の移動方向と同方向に移動する。
前者の場合は、表示される仮想空間内のダミーハンドルなどはCGで生成されるので、装置をコンパクトにすることができる。また、ダミーハンドルの他に様々なものを同時にCGで表示することもできる。
後者の場合は、ダミーハンドルとダミー手は、模型であるとはいえ現実に存在するものである。従って鏡が映すダミーハンドルやダミー手は、リアルなものである。被験者にダミー手が自身の手であるとの錯覚を容易に生じさせることができる。
本発明によれば、表示手段に表示した仮想的な「身体の一部」の位置と現実の「身体の一部」の位置が異なっているにも関わらずに、仮想的な「身体の一部」を被験者自身の現実の「身体の一部」と錯覚させる仮想現実感呈示装置を実現できる。特に、短時間で強い錯覚を生じさせる仮想現実感呈示装置を実現できる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
<第1実施例> 図1は第1実施例に係る仮想現実感呈示装置100の模式的側面図である。この仮想現実感呈示装置100は、車の運転時のハンドル操作感を模擬する運転シミュレータである。運転シミュレータは、運転者の訓練に適用されることもあれば、ハンドル操作感の研究に適用されることもある。
従来の運転シミュレータについて説明する。なお、以下では、運転シミュレータを体験する者を被験者と称する。
被験者がハンドルを回転させると、被験者はハンドルからの反力をその手に感じる。従来の運転シミュレータでは、ハンドルの回転軸に設けられたモータ或いはバネなどの弾性部材によって、反力を被験者に与える構造になっている。被験者によってハンドルの回転角がθとなったときの反力τrは、τr=Kr・θで与えられる。ハンドルの回転軸に設けられたモータ或いはバネなどの弾性部材によって弾性係数Krが設定される。なお、ここでは粘性要素は省略する。
弾性係数Krの値を大きく設定すると、ハンドルを回転角θまで回転させるために被験者がハンドルに加える操作力は大きくなる。いわゆる「重いハンドル操作感」が実現される。「重いハンドル操作感」が実現されると、ハンドルを操作するために被験者には大きな操作力が要求される。その一方で、被験者は大きな操作力でハンドルを保持することになるため、ハンドルがしっかり保持できる。ハンドルの回転角がふらつかないようにすることができる。
逆に、弾性係数Krの値を小さく設定すると、ハンドルを回転角θまで回転させるために被験者がハンドルに加える操作力は小さくて済む。いわゆる「軽いハンドル操作感」が実現される。「軽いハンドル操作感」が実現されると、被験者は小さな操作力でハンドルを操作することができる。その一方で、被験者は小さな操作力でハンドルを保持することになるため、ハンドルがしっかり保持されない。ハンドルの回転角がふらつき易くなる。
即ち、従来の運転シミュレータでは、弾性係数Krを大きい値に設定すると、ハンドルを操作し難くしてしまうが、その一方でハンドルをふらつかせ難くすることができる。弾性係数Krを小さい値に設定すると、ハンドルを操作し易くすることができるが、その一方でハンドルをふらつかせ易くしてしまう。従来の運転シミュレータでは、ハンドルから被験者に与える操作反力τrをモータ或いは弾性部材により設定しているため、ハンドルを操作し易くすることと、ハンドルをしっかり保持させることを両立することが困難であった。
本実施例による仮想現実感呈示装置100では、被験者に「軽いハンドル操作感」を感じさせることができるとともに、ハンドルをしっかり保持させることができる。
図1に示すように、仮想現実感呈示装置100は、被験者Jがその手Hで操作するハンドル10と、ハンドルの回転方向と回転角を検出するエンコーダ12と、鏡14と、ハンドル10と同じ形状のダミーハンドル16と、被験者Jの手と略同形状の模型であるダミー手18と、コントローラ30を備える。
ハンドル10は、仮想現実感呈示装置100の筐体20に設置されている。図1は模式図であるため、筐体20は箱型であるが、実際には車の運転席周りを模擬した形状をしている。ハンドル10は、運転席周りを模した筐体20の中で、実際の車におけるハンドルの位置と同じ位置に配置されている。
筐体20には運転席を模擬する座席(不図示)を有しており、被験者Jは座席に着座して、その手Hでハンドル10を操作することができる。
ハンドル10にはエンコーダ12が連結されており、ハンドルの回転方向と回転角を検出することができる。エンコーダ12が検出するハンドル10の回転方向と回転角は、コントローラ30に送られる。
また、ハンドル10にはニュートラルポジションが設定されている。ニュートラルポジションとは、ハンドル10に操作力を加えないときのハンドル10の位置である。ハンドル10は回転するだけであるので、「ハンドル10の位置」とは、ハンドル10の回転角を意味する。以下では、ニュートラルポジションを基準位置と称する。また、被験者には、ハンドルが基準位置にあるときに握るハンドル10の位置が予め決められている。即ち、被験者Jの手Hにも基準位置が存在する。以下では、「ハンドル10が基準位置にある」との表現は、「ハンドル10と被験者Jの手Hが基準位置にある」ことを意味する。
着座した被験者Jとハンドル10の間には、鏡14が配置されている。鏡14は、被験者Jの視界からハンドル10とハンドル10を操作する被験者Jの手Hを遮蔽する位置に配置されている。即ち、被験者Jは、着座してハンドル10を操作する際に、操作するハンドル10と自身の手Hを見ることができないようになっている。
鏡14は、その鏡面15が被験者Jの側を向くように配置されている。
筐体20には、ハンドル10と同じ形状のダミーハンドル16が配置されている。ダミーハンドル16には、被験者Jの手と略同形状の模型であるダミー手18が固定されている。
ダミーハンドル16は、鏡14に対して、ハンドル10の鏡像位置に配置されている。ダミー手は、ハンドル10が基準位置にあるときに、被験者Jの手Hが握るハンドル10の場所と同じダミーハンドル16の場所に固定されている。
被験者Jがハンドル10やハンドル10を操作する被験者自身の手Hを見ようとすると、その視線S1は、鏡14に映されたダミーハンドル16とダミー手18に向う。鏡14がない場合の被験者Jの視線S2は、図1に示すように、ハンドル10と被験者Jの手Hへ向う。鏡14によって、被験者Jは、ハンドル10と自身の手Hを見る代わりに鏡14に映し出されたダミーハンドル16とダミー手18を見ることになる。即ち、鏡14が映す像は、鏡14によって被験者Jの視界から遮蔽された空間と重畳する仮想空間を映し出す機能を果す。
即ち、表示手段である鏡14は、現実の空間に設定された絶対座標系と仮想空間における絶対座標系を規定する仮想空間内絶対座標系が被験者Jからみて一致して見える関係を満たして仮想空間を映し出す(表示する)。
ダミーハンドル16とダミー手18は、ハンドル10が基準位置にあるときには、ハンドル10と手Hの鏡像の位置に配置されている。従って、ハンドル10が基準位置にあるときには、被験者に対して、鏡14に映し出されたダミーハンドル16とダミー手18を、ハンドル10と自身の手Hの位置に位置しているように見せることができる。換言すれば、仮想現実感呈示装置100は、鏡14が映し出す仮想空間が鏡14によって被験者Jの視界から遮蔽された空間と重畳しており、ハンドル10が基準位置にあるときに、重畳した仮想空間内の基準位置にダミーハンドル16が位置する構成となっている。
ダミーハンドル16にはモータ22が配置されている。モータ22は、コントローラ30からの指令値に基づいて駆動される。モータ22が駆動すると、ダミーハンドル16が回転する。
コントローラ30には、エンコーダ12から、ハンドル10の回転方向と回転角が入力される。コントローラ30は、ダミーハンドル16を入力された回転方向とは逆方向に目標回転角だけ回転させる指令値をモータ22に出力する。指令値に従ってモータ22が駆動されることで、ダミーハンドル16は、ダミーハンドル16に固定されたダミー手18とともに、入力された回転方向とは逆方向に目標回転角だけ回転する。ここで、目標回転角は、エンコーダ12によって入力されたハンドル10の回転角とは異なる値に設定される。例えば、目標回転角は、入力された回転角に1.0以外の比例定数を乗じた値に設定される。
コントローラ30は、ダミーハンドル16を入力された回転方向とは逆方向に回転させる。これによって、鏡14の鏡面15に映し出されるダミーハンドル16の像は、入力された回転方向と同方向に回転する像となる。即ち、被験者Jは、自身がハンドル10を所定方向に所定角だけ回転させると、所定方向に所定角とは異なる回転角だけ回転するダミーハンドル16を視認することになる。
仮想現実感呈示装置100は、被験者Jに対して、被験者Jがハンドル10を所定方向に所定角だけ回転させると、所定方向に所定角とは異なる回転角だけ回転するダミーハンドル16を視認することになる。このときの効果を図2を参照して説明する。
図2は仮想現実感呈示装置100の効果を説明する図である。図2には、基準位置にあるときのハンドル10と被験者Jの手Hの模式的平面図(A)と、ハンドル10と被験者Jの手Hが模式的平面図(A)の状態にあるときのダミーハンドル14とダミー手18の模式的平面図(B)を示してある。また、ハンドル10が回転したときのハンドル10と被験者Jの手Hの模式的平面図(C)と、ハンドル10と被験者Jの手Hが模式的平面図(C)の状態にあるときのダミーハンドル14とダミー手18の模式的平面図(D)を示してある。なお、図1に示したように、ハンドル10と被験者Jの手Hの状態は、被験者Jは視認することができない。被験者Jが視認するのは、ダミーハンドル14とダミー手18である。
ハンドル10が基準位置にあるときには、平面図(A)と(B)に示すように、ハンドル10と被験者Jの手Hの位置と、ダミーハンドル14とダミー手18の位置は一致する。ここでいうダミーハンドル14とダミー手18の位置は、被験者Jが鏡14を通して視認する仮想空間内での位置である。
被験者Jは、ハンドル10を握っているので、ハンドル10の操作抵抗である触感を得る。即ち、被験者Jは触覚情報に基づく触感を得る。
一方、被験者Jが鏡14を介して視認するダミー手18もダミーハンドル14を握っている。ダミーハンドル14を握っているダミー手18の像から、被験者Jは、ダミー手18がダミーハンドル14から触感を受けていると想起する。即ち、被験者Jは、視覚情報に基づく触感を得る。ハンドル10と被験者Jの手Hの位置と、ダミーハンドル14とダミー手18の位置が一致しているので、被験者Jが得る触覚情報に基づく触感と視覚情報に基づく触感は完全に整合性が保たれている。これによって、被験者Jに対して、ダミー手18が自身の手Hであると即時的にしかも強く錯覚させることができる。
次に平面図(C)に示すように、被験者Jがハンドル10を回転角θ1だけ回転させる。回転方向は図に示すように時計回り方向である。仮想現実感呈示装置100は、ハンドル10の回転角θ1に基づいてダミーハンドル14とこれに固定されたダミー手18を回転させる。このとき、鏡14に映し出されるダミーハンドル14とダミー手18の像は、時計回りにθ2だけ回転する。被験者Jは、ハンドル10の回転方向と同じ方向に、θ2だけ回転したダミーハンドル14とダミー手18を視認する。
被験者Jは、視認したダミーハンドル14を握るダミー手18の像から、ダミー手18がダミーハンドル14から受ける触感の方向を想起する。視覚情報に基づく触感の方向と、ハンドル10から受ける触覚情報に基づく触感の方向が一致する。一方、被験者Jは、ハンドル10がどれだけ回転しているかは視認することができず、代わりに回転角θ2だけ回転したダミーハンドル14とダミー手18を視認する。被験者Jは、ハンドル10と自身の手Hの位置と、ダミーハンドル14とダミー手18の位置の空間的整合性を視認することはできない。このとき被験者Jの置かれた状況は次の通りである。
(1)ハンドル10を回転させる前は、ダミー手18を自身の手Hであるとの錯覚が確立している。
(2)ハンドル10を回転させたとき、視覚情報に基づく触感の方向と、ハンドル10から受ける触覚情報に基づく触感の方向が一致する。
(3)被験者Jはハンドル10をどれだけ回転させたか視認することはできない。
(4)被験者Jは、触覚情報に基づく触感の方向と一致する方向に回転角θ2だけ回転したダミーハンドル14とダミー手18を視認する。
以上のことから、被験者Jは、ダミー手18が自身の手であるとの確立された錯覚をハンドル10を回転させた後も容易に維持することになる。
ハンドル10が回転角θ1だけ回転したときに被験者Jの手Hが物理的に知覚する反力トルク(触覚情報に基づく触感)はτr=Kr・θ1で表される。一方、ダミーハンドル14が回転角θ2だけ回転した像から想起される反力(視覚情報に基づく触感)を、τv=Kv・θ2と定式化する。今、コントローラ30は、θ2=2・θ1という関係に基づいてダミーハンドル14を回転させている。視覚情報に基づく触感は、物理的な大きさを伴わない。従って、被験者Jは、視覚情報に基づく触感、即ちτvを、触覚情報に基づく触感、即ちτrと同一のものと錯覚する。被験者Jの感覚ではτr=τvとなる。これより、Kr・θ1=Kv・θ2=Kv・2・θ1となる。即ち、Kv=0.5・Krとなる。このことは、被験者Jは、視覚情報に基づく触感と触覚情報に基づく触感を融合させて、実際にはハンドル10の弾性係数がKrであるにも関わらず、被験者Jが感じる弾性係数はKrの半分となることを意味する。その結果、被験者Jのハンドル10の実際の操作と被験者Jが感じる操作感は次のようになる。
実際のハンドル10の弾性係数はKrであるので、被験者Jは、τr=Kr・θ1に抗するだけの操作力を発生させてハンドル10を回転角θ1に保持している。一方、被験者Jは、弾性係数が0.5・krに設定されているダミーハンドル14を操作していると感じる。即ち、被験者Jは、現実には弾性係数がKrのハンドル10を操作しているにも関わらず、弾性係数が0.5・Krのダミーハンドル14を操作しているとの操作感を得る。その結果、被験者Jが得る操作感は、現実のハンドルよりも操作し易いハンドルを操作しているときの操作感となる。仮想現実感呈示装置100によれば、ハンドルを操作し易く感じさせることと、ハンドルをしっかり保持させることを両立することができる。
なお、より現実的には、被験者Jは、弾性係数の値が0.5・KrとKrの中間程度に設定されたハンドルを操作しているとの操作感を得ることになる。その場合でも、仮想現実感呈示装置100は、現実の弾性係数Krより小さい弾性係数に設定されたハンドルを操作している操作感を被験者Jに与えることができる。
本実施例の仮想現実感呈示装置100は、次の原理に基づいて、上記の効果を得るものである。
最初に、現実のハンドル10が基準位置にあるときに、被験者Jから見て現実の空間と重畳した仮想空間内の基準位置に位置するようにダミーハンドル14とダミー手18を配置する。
ハンドル10が基準位置にあるときに、上記のようにダミーハンドル14とダミー手18を設定することで、被験者Jに、触覚情報に基づく触感と視覚情報に基づく触感の整合性が確保された状況を与える。これによって、ダミー手18が自身の手であるとの錯覚を素早くしかも強く被験者Jに与えることができる。このように、最初にダミー手18が自身の手であるとの錯覚を与えることが、仮想現実感呈示装置100の第1の特徴である。
ひとたびダミー手18が自身の手であるとの錯覚が確立されると、その後は逆に、被験者J自身が、触覚情報に基づく触感と視覚情報に基づく触感の整合性を維持しようとする。ハンドル10とともに被験者Jの手Hが基準位置から所定の移動量だけ移動するとき、ダミーハンドル14とともにダミー手18の移動量を異ならせて移動させる。その結果、被験者Jの手の位置とダミー手18の位置が異なることになっても、被験者Jが、触覚情報に基づく触感と視覚情報に基づく触感の整合性を維持することに成功すると、ダミー手18が自身の手であるとの錯覚が維持される。
仮想現実感呈示装置100において、「被験者Jが、触覚情報に基づく触感と視覚情報に基づく触感の整合性を維持すること」を助長するための仕組みが、ハンドル10と被験者Jの手Hを被験者Jの視界から遮蔽することと、被験者Jの操作によるハンドル10の移動方向と同じ方向にダミーハンドル14とともにダミー手18を表示手段14上で移動させることである。これが仮想現実感呈示装置100の第2の特徴である。
ハンドル10と被験者Jの手Hを被験者Jの視界から遮蔽することによって、被験者Jは、自身の手Hの位置とダミー手18の空間的な整合性を確認できなくする。その一方で、触覚情報に基づく触感の方向と視覚情報に基づく触感の方向を一致させることによって、「触感の方向」については整合性を確保する。そうすることで、被験者Jは、触覚情報に基づく触感の大きさと視覚情報に基づく触感の大きさが現実には異なっていても、容易に整合性を維持させることができる。これは、触感の方向は、視覚情報に基づいても物理的な方向が特定されるため、触感の方向については、触覚情報に基づく触感と視覚情報に基づく触感の整合性を装置側で確保させて被験者に与える。その一方で、視覚情報からは触感の物理的な大きさは想起できない。触感の大きさについては、触覚情報に基づく触感と視覚情報に基づく触感の整合性を被験者自身が維持することは容易である。
本実施例の仮想現実感呈示装置100は、上記第1の特徴と第2の特徴を併せ持った上で、ハンドル10とともに被験者Jの手Hが基準位置から所定の移動量だけ移動するとき、ダミーハンドル14とともにダミー手18の移動量を異ならせて移動させることが、第3の特徴である。以上の3つの特徴によって、被験者Jの手Hの位置と、現実の空間と重畳する仮想空間におけるダミー手18の位置が異なっても、ダミー手18が被験者J自身の手であるとの錯覚を維持させることに成功している。
仮想現実感呈示装置100は、エンコーダ12によって検出されるハンドル10の基準位置からの移動量が大きくなるほど、ダミーハンドル14の仮想空間における基準位置からの移動量を大きくすることが好ましい。ハンドル10と被験者Jの手Hが基準位置にあるときは、ダミーハンドル14とダミー手18は、現実の空間と重畳する仮想空間における基準位置にある。このときに、被験者Jにダミー手18が自身の手であるとの錯覚を生じさせる。ダミー手18を固定したダミーハンドル14の移動量を上記のように設定することで、被験者Jの手Hの基準位置からの移動量が大きくなるにしたがって被験者Jの手の位置とダミー手18の位置のずれが大きくなる。即ち、被験者Jの手Hの位置とダミー手18の位置のずれを徐々に大きくすることができる。これによって、触覚情報に基づく触感と視覚情報に基づく触感の整合性を被験者自身が維持することを一層助長することができる。
ダミーハンドル14を移動させる際の移動速度も、ハンドル10の移動速度の増減に伴って増減させることが好ましい。ダミーハンドル14の移動量だけでなく移動速度もハンドル10の移動速度に伴って増減させることで、触覚情報に基づく触感と視覚情報に基づく触感の整合性を被験者自身が維持することを一層助長することができる。
図1に示した仮想現実感呈示装置100は、そのまま被験者Jの運転訓練にも適用できる。一般に運転に不慣れな被験者は、カーブを曲がるときや車庫入れ時など、ハンドルを回転させる際に回転させすぎてしまう傾向がある。図2の平面図(C)に示すように、被験者Jがハンドル10を回転角θ1だけ回転させると、ダミー手18とともにダミーハンドル14は回転角θ1より大きな回転角θ2だけ回転する。この回転角θ2を視認した被験者Jは、自身が想定した以上に自身の手(この場合は、自身の手と錯覚しているダミー手18)がハンドル(この場合は現実のハンドル10と錯覚しているダミーハンドル14)を回転させていると認識する。そのように認識させることで、被験者Jに対してハンドルを慎重に回転させるように訓練することができる。
<第2実施例> 次に、図3を参照して第2実施例に係る仮想現実感呈示装置200について説明する。図3に示す仮想現実感呈示装置200は、被験者Jに仮想現実感を呈示するためのデモ装置である。
仮想現実感呈示装置200は、被験者Jが操作するハンドル210と、ハンドル210の位置と移動量を検出するセンサ212と、ハンドル210の移動量に応じて移動するダミーハンドル216aと、ダミーハンドル216aに固定されているダミー手218aと、ダミーハンドル216aを移動させるアクチュエータ222と、鏡14と、コントローラ30を備える。
ハンドル210は、被験者Jによって、台250を溝252に沿って矢印Mの方向に移動可能に配置されている。ハンドル210には基準位置が予め設定されている。ハンドル210が基準位置にあるときのハンドル210を握る被験者Jの手Hの位置を被験者Jの手Hの基準位置とする。以下では、ハンドル210と被験者Jの手Hが基準位置にある場合を、単にハンドル210が基準位置にある場合と称することがある。
ハンドル210の台250上の位置は、センサ212によって検出される。センサ212は、ハンドル210の位置を経時的に検出し、位置の経時的な変化からハンドル210の移動量を検出することができる。検出されたハンドル210の位置と移動量はコントローラ30へ送られる。
台250上には鏡14が配置されている。鏡14はその鏡面15を被験者J側に向けて配置されている。鏡14は、被験者Jの視界からハンドル210とハンドル210を握る被験者Jの手Hを遮蔽する位置に配置されている。
台250には、アクチュエータ222を介してダミーハンドル216aが配置されている。ダミーハンドル216aには、被験者Jの手Hを模擬したダミー手218aが固定されている。ダミー手218aは、ゴムやプラスティックなどで形成されたモックアップである。ダミーハンドル216aはアクチュエータ222によって溝252に沿って矢印Nの方向に移動可能である。アクチュエータ222は、コントローラ30からの移動指令に基づいて駆動される。
ダミーハンドル216aとダミー手218aは、ハンドル210が基準位置にあるときに、鏡14に対してハンドル210と被験者Jの手Hの鏡像位置に位置するように配置されている。被験者Jは、鏡面15に映し出されたダミーハンドル216aの像216bとダミー手218aの像218bを視認する。ハンドル210が基準位置にあるときには、被験者Jは、鏡面15に映し出されたダミーハンドル216aの像216bとダミー手218aの像218bがあたかもハンドル210と被験者自身の手Hの位置にあるかのごとく視認する。即ち、鏡面15が映し出す空間は、鏡14によって被験者Jの視界から遮蔽された空間と重畳する仮想空間となる。
ハンドル210が基準位置にあるときに、被験者Jに鏡面15に映し出されたダミーハンドル216aの像216bとダミー手218aの像218bを視認させることによって、第1実施例と同様に、被験者Jに鏡面15に映し出されたダミー手218aの像218bを被験者自身の手であると錯覚させることができる。
仮想現実感呈示装置200の動作について説明する。被験者Jがその手Hによってハンドル210を所定の方向に所定量だけ移動させると、センサ212がハンドル210の移動方向と移動量を検出する。検出されたハンドル210の移動方向と移動量はコントローラ30へ送られる。コントローラ30は、ダミーハンドル216aを、検出された移動方向とは逆の方向へ目標移動量だけ移動させる指令値をアクチュエータ222へ出力する。ここで、目標移動量は、センサ212によって検出されたハンドル210の移動量とは異なる値に設定される。
アクチュエータ222がダミーハンドル216aをハンドル210の移動方向と逆方向に移動させると、被験者Jは、鏡面15上に、ハンドル210と同一方向に移動するダミーハンドル216aの像216bを視認する。ダミー手218aはダミーハンドル216aに固定されている。鏡面15には、ダミー手218aの像216bがダミーハンドル216aの像216bを移動させている様子が表示される。被験者Jは、鏡面15上に映し出されている像を視認すると、第1実施例と同様に、ダミーハンドル216aの像216bを移動させているダミー手218aの像218bが被験者自身の手であるとの錯覚を維持する。
ダミーハンドル216aの目標移動量は、センサ212によって検出されたハンドル210の移動量とは異なる値に設定される。従って被験者Jがハンドル210を移動させると、ハンドル210の現実の位置、即ち被験者Jの手Hの現実の位置と、鏡面15に映し出される仮想空間内のダミー手218aの像218bの位置は異なるものとなる。被験者Jの手Hの現実の位置と、鏡面15上に映し出されている仮想空間(仮想空間は現実の空間と重畳している)内のダミー手218aの像218bの位置が異なっても、第1実施例と同様に、被験者に対してダミー手218aの像218bが被験者自身の手であるとの錯覚を維持させることができる。
図3に示す仮想現実感呈示装置200は、ハンドル210を台250上の溝252に沿って1次元的に移動させるだけの装置である。ハンドル210を3次元的に移動させても、或いはハンドル210の姿勢を変化させても同様の効果を得ることができる。図3に示す仮想現実感呈示装置200において、ハンドル210を例えばマスタースレーブアームのマスターアーム操作桿に置き換えることによって、仮想現実感呈示装置200をマスタースレーブアームの操作訓練装置として、或いはマスタースレーブアームの操作感研究装置として利用することができる。
第1実施例の仮想現実感呈示装置100と第2実施例の仮想現実感呈示装置200は、換言すれば、操作シミュレータと表現することもできる。
第1実施例、第2実施例では、仮想空間を表示する表示手段に鏡を用いた。鏡を用いると、そこに映し出される仮想空間は、鏡に映った現実の空間であり、ダミーハンドルやダミー手も模型であるとはいえ現実に存在するものが映し出される。表示手段が映し出すダミーハンドルやダミー手が実在のものであるので、被験者に、そのダミー手を自身の手であると錯覚させ易くなる。
また、表示手段に鏡を用いることによって、被験者が自身の視点の位置を移動させても、被験者からは、鏡に映し出された仮想空間と鏡に覆われている現実の空間が重畳して見えるようにすることができる。
表示手段には、鏡の代わりにディスプレイを用いることも可能である。その場合、ダミーハンドルやダミー手はコンピュータグラフィクス(以下CGと称す)で生成される画像となる。表示手段にディスプレイを用い、ダミーハンドルやダミー手をCGで生成することによって、仮想現実感呈示装置をコンパクトに構成することができる。また、仮想空間はディスプレイに表示されたCGの世界であるため、現実にはない様々なものまでCGによって表示させることができる。例えば、ハンドルを操作する際の目標位置を示すマークなどを表示させることができる。
<第3実施例> 次に図4を参照して第3実施例を説明する。まず第3実施例の背景と概要を説明する。
第1実施例と第2実施例に示した仮想現実感呈示装置は、ハンドルの移動方向、即ち被験者の手の移動方向と、仮想空間内のダミー手の移動方向を同一とすることによって、被験者の手の現実の位置と、現実の空間と重畳している仮想空間内のダミー手の位置を異なる位置としても、仮想空間内のダミー手を被験者自身の手と錯覚させることを可能にした。これは、被験者の手の移動方向と、仮想空間内のダミー手の移動方向を同一方向とすることによって、現実の手がハンドルから得る触覚情報に基づく触感の方向と、被験者が仮想現実内のダミーハンドルとダミー手を視認することによって得る視覚情報に基づく触感の方向の整合性を保持させた状態を被験者に与えることを意味する。そのような状態を被験者に与えることによって、被験者に、触覚情報に基づく触感と視覚情報に基づく触感を同一のものと錯覚させ、その結果、現実の位置と異なる位置にあるダミー手を被験者自身の手であるとの錯覚を維持させることができる。
ところで、従来の技術では、触感は被験者の触覚を介して物理的に与えるものであった。従来技術によれば、被験者は触覚を通して触感を知覚していた。前述した、非特許文献1の報告も特許文献1の技術も、被験者に対して、触覚を通して触感を与えるタイミングと同じタイミングで触感を与えることを想起させる像を呈示していた。いずれの場合も、視覚を通して想起させる触感は、触覚を通して与える触感とタイミングや触感を与える身体部位を同一のものとしていた。従って視覚情報を介在させても、被験者が感じる触感は、触覚を通して与えられる触感であった。このように、従来技術では、触覚を通して物理的に与える触感以外の触感を被験者に感じさせることができなかった。
第4実施例に係る仮想現実感呈示装置は、従来、触覚を介するだけでは与えることのできなかった新しい触感を被験者に与えるものである。
発明者らは、被験者の手の現実の位置と、現実の空間と重畳している仮想空間内のダミー手の位置の整合性を保持した状態を被験者に与えれば、被験者の手に与える物理的な触感(触覚情報に基づく触感)の方向と、表示手段に映し出されるダミー手の像によって与える「視覚情報に基づく触感」の方向が異なっていても、被験者の脳は、触覚情報に基づく触感と視覚情報に基づく触感の整合性を維持しようと機能するのではないかということに想到した。さらに、被験者の手の現実の位置と、現実の空間と重畳している仮想空間内のダミー手の位置の整合性を保持した状態を被験者に与えれば、物理的な触感を与えるタイミングや触感を与える手の部位と、視覚情報に基づいて想起される触感のタイミングや触感を与える手の部位が異なっていても、被験者の脳は物理的な触感と視覚情報に基づく触感の整合性を保つように機能するのではないかということに想到した。このことは「手」に限られない。以下では、これまでの「被験者の手」との表現を「身体の一部」という表現で置き換える。
身体の一部のうち、触感を与えるタイミングや触感を与える身体部位は、視覚情報からでも物理的に特定される。従って、物理的な触感と視覚情報に基づく触感の間で、触感を与えるタイミングや触感を与える身体部位が異なる場合は、被験者の脳内で整合性をとることが難しいと考えられる。
その一方で、触感を与える前に、被験者の「身体の一部」の位置と、現実の空間と重畳している仮想空間内のダミーの「身体の一部」の位置の整合性を保持した状態を被験者に呈示することによって、被験者は仮想空間内のダミーの「身体の一部」を被験者自身の「身体の一部」と錯覚させている。ひとたびダミーの「身体の一部」を被験者自身の「身体の一部」と錯覚させると、被験者の脳はその錯覚を維持しようとする。ダミーの「身体の一部」が被験者自身の「身体の一部」であるとの錯覚を維持しようとする脳の機能と、物理的な触感と視覚情報に基づく触感の不整合から、被験者は、物理的には感じることのできない違和感のある触感を感じることになる。発明者らが知る限りではそのような触感はこれまで実現されたことはない。
発明者らは、以上の考察から、これまで実現することのできなかった物理的には与えることのできない新しい触感を呈示する仮想現実感呈示装置を発明した。この仮想現実感呈示装置は、脳の身体認知メカニズムを解明するための装置や、不思議な触感を与えるアミューズメント装置に利用することができる。
そのような仮想現実感呈示装置を図4に示す。図4(A)は、仮想現実感呈示装置300の模式図である。図4(B)は、仮想現実感呈示装置300の模式的平面図である。この仮想現実感呈示装置300は、被験者Jの所定の身体部位に所定のタイミングで触感を与える触感付与器60と、仮想空間を表示する表示手段14と、表示手段14が表示する像を制御する表示制御装置330と、前記身体部位を含む「身体の一部」Kを模したダミー身体318aと、ダミー身体318aに対して接触状態と非接触状態を切替え可能なダミー触感付与器70aを備える。
表示手段14は、被験者Jと触感付与器60の間に配置されて被験者Jの視界から前記身体部位と触感付与器60を遮蔽する位置に配置されている。また表示手段14は、被験者Jの視点からみて、遮蔽された空間と重畳する仮想空間を表示している。
表示制御装置330は、「身体の一部」Kの現実の位置に対応する仮想現実空間内の位置にダミー身体318aを表示させる。また表示制御装置330は、触感付与器60が触感を与える身体部位とタイミングの少なくとも一方を異ならせて、仮想空間において、ダミー触感付与器70aがダミー身体318aに接触する像を表示させる。
本実施例では、表示手段14は鏡であり、その鏡面15を被験者J側に向けて台350に設置されている。以下では表示手段14を鏡14と称する。
また、本実施例では、「身体の一部」Kは、被験者Jの下腕の一部である。従って、ダミー身体318aは、被験者Jの下腕を模擬した模型である。以下では、「身体の一部」Kを被験者Jの下腕Kと称する。
触感付与器60は、台350上に配置されている。触感付与器60は、アクチュエータ64と、アクチュエータによって揺動する揺動棒62を有している。触感付与器60は、揺動棒62を揺動させることによって、図4(B)に矢印Eで示すように、台350上に置かれた被験者Jの下腕Kの中指を叩くことができる。被験者Jの下腕Kの中指が、触感付与器60が触感を与える身体部位である。
鏡14は、被験者Jの視界から触感付与器60と被験者Jの下腕Kを遮蔽する位置に配置されている。
ダミー身体318aは、被験者Jの下腕Kの位置に対して、鏡14の鏡像位置に配置されている。従って、被験者Jは、鏡面15に、下腕Kの現実の位置と対応する位置にダミー身体318aの像318bを視認する。即ち、鏡面15が映し出す空間は、被験者Jの視点からみて、鏡14によって遮蔽された空間と重畳する仮想空間となる。
ダミー触感付与器70aが台350に設置されている。ダミー身体318aは、アクチュエータ74とアクチュエータ74によって揺動する揺動棒72を有している。ダミー触感付与器70aは、揺動棒72を揺動させることによって、矢印Fが示すようにダミー身体318aの中指を叩くことができる位置に配置されている。即ち、ダミー触感付与器70aは、ダミー身体318aに対して接触状態と非接触状態を切替え可能に構成されている。
被験者Jは、鏡面15上に、ダミー身体318aの像318bを叩くダミー触感付与器70aの像70bを視認する。以下では、ダミー身体318aの像318bも単純にダミー身体318bと称する。即ち、ダミー身体318bと称する場合は、ダミー身体318aの像318bを表す。ダミー触感付与器70bについても同様である。
コントローラ330は、第1のタイミングで触感付与器60が有する揺動棒62を揺動させる。同時にコントローラ330は、第2のタイミングでダミー触感付与器70aが有する揺動棒72を揺動させる。即ち、コントローラ330は、第1のタイミングで触感付与器60に被験者Jの下腕Kの中指を叩かせるとともに、第2のタイミングでダミー触感付与器70aにダミー身体318aの中指を叩かせる。
本実施例の仮想現実感呈示装置300の動作とその作用について説明する。被験者Jの下腕Kは台350の上の所定の位置に置かれている。被験者Jは、自身の下腕Kの現実の位置に対応した仮想空間内の位置に置かれたダミー身体318bを視認する。仮想空間は、鏡14によって被験者Jから遮蔽された現実の空間と重畳している。従って、被験者Jは、鏡面15上に、自身の下腕Kがあるべき位置にダミー身体318bを視認することになる。自身の下腕Kの現実空間での位置と、ダミー身体318bの仮想空間内での位置が整合性を維持した状態を呈示することによって、被験者Jに対してダミー身体318bを自身の下腕Kと錯覚させることができる。
コントローラ330が指令する第1のタイミングと第2のタイミングは異なるタイミングに設定されている。被験者Jは、第1のタイミングで自身の中指に物理的な触感を受けるとともに、鏡面15上に、第2のタイミングでダミー身体318bを叩くダミー触感付与器70bを視認する。第1のタイミングと第2のタイミングは異なるタイミングに設定されているので、被験者が得る物理的な触感のタイミングと視覚情報に基づく触感のタイミングは異なるものとなる。被験者Jは、錯覚ではあるが、触感を受ける前にダミー身体318bが自身の下腕Kであると認識している。被験者Jは、ひとたび確立したダミー身体318bが自身の下腕Kであるとの認識(錯覚)を維持しようとする。一方被験者Jは、物理的な触感と視覚情報に基づく触感を異なるタイミングで受けることになる。被験者Jは、ダミー身体318bが自身の下腕Kであるとの認識(錯覚)を維持しようとしつつも、経時的に不整合である物理的な触感と視覚情報に基づく触感を受けることによって、物理的に与えられる触感だけでは得られない触感を得ることができる。本実施例の仮想現実呈示装置300は、物理的な触感を与えるタイミングと視覚情報に基づく触感を与えるタイミングを異ならせることによって、物理的刺激だけでは被験者に与えることのできない触感を与えることができる。
物理的な触感を与えるタイミングと視覚情報に基づく触感を与えるタイミングを異ならせることは、被験者に対して故意に物理的な触感と視覚情報に基づく触感を不整合させて与えることを意味する。物理的な触感と視覚情報に基づく触感を不整合させることは、触感を与えるタイミングのほかに、触感を与える部位を異ならせることでも実現できる。例えば図4に示した仮想現実感呈示装置において、触感付与器60には被験者Jの中指を叩かせ、ダミー触感付与器70aにはダミー身体318aの薬指を叩かせる。そうすると、被験者Jは物理的には自身の中指に触感を受けながらも、視覚情報に基づく触感としては自身の薬指に触感を受けている。そのような不整合性を被験者に与えることによっても、物理的な触感だけでは与えることのできない触感を被験者に与えることができる。
本実施例の仮想現実感呈示装置300においても、表示手段14としてディスプレイを用いてもよい。その場合は、ダミー身体318aはディスプレイ上に表示されるコンピュータグラフィクスとなる。ダミー身体318aを叩くダミー触感付与器70aもコンピュータグラフィクスとなる。
また、触感付与器60は被験者Jの視界から遮蔽されているので、ダミー触感付与器70aの形状は、触感付与器60と異なるものであってもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
例えば、表示制御装置の一部としてレンズを備えることも好適である。レンズは、例えば、ダミーハンドルとダミー手(ダミー身体)と、それらを映す鏡の間に配置される。レンズは実在のダミーハンドルとダミー手を拡大又は縮小した像を鏡に映す。レンズによって、実在のダミーハンドルとダミー手をサイズの異なる模型で形成しても、鏡に映る像は被験者から見て実在のハンドルと実在の「被験者の手」と同じ大きさに見せることができる。例えば、実在のダミーハンドルとダミー手をサイズの小さな模型で形成しても、鏡に映る像は被験者から見て実在のハンドルと実在の「被験者の手」と同じ大きさに見せることができる。模型を小さくすることができ、装置全体を小型化できる。
また、実施例では被験者の手を模擬したダミー手を表示手段に表示させた。模擬する身体部位は「手」でなくともよい。例えば被験者の「足」であってもよい。
本発明は一般的な位置制御装置や位置制御方法などに適用可能である。また、実施例2のように作業者の作業を誘導する位置制御装置は、例えば、人間への技能・運動教示や、リハビリテーションなどへの適用も可能である。
さらに本発明は、技能者が行う技能の解析装置に適用することができる。例えば熟練工は、作業における工具の扱いなど、自身の技能を適確に表現することができない。本発明に係る仮想現実感呈示装置を技能の解析装置に適用する場合、具体的には次のように適用する。実施例におけるハンドルを工具に設定する。ダミーハンドルは工具を模擬するダミー工具に設定する。
そのような仮想現実感提示装置を用いると、ダミー工具とダミー手をあたかも実際の工具とその工具を扱う自身の手と錯覚させることができる。そして、熟練工が作業を行うときに、工具の実際の位置と工具を扱う手の実際の位置とは異なる位置にあたかも工具や自身の手があるかのごとく錯覚させることができる。或いは工具から受ける反力をいつもとは異なるかのごとく錯覚させることができる。熟練工に対していつもの作業時と異なる作業感覚を呈示することができる。現実の作業と仮想空間内の作業との間で異なる物理量と、熟練工の作業結果の出来具合を対応させる。そうすることで熟練工の高度な技能を実現している物理量を特定することができる。作業者が感覚的に身につけた技能を工学的に解析することが可能となる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。
第1実施例の仮想現実感呈示装置の模式的側面図である。 第1実施例の仮想現実感呈示装置の動作を説明する図である。 第2実施例の仮想現実感呈示装置の模式的斜視図である。 図4(A)は、第3実施例の仮想現実感呈示装置の模式図である。図4(B)は、第3実施例の仮想現実感呈示装置の模式的平面図である。
符号の説明
100、200、300:仮想現実感呈示装置
10、210:ハンドル
12:エンコーダ
14:鏡
15:鏡面
16、216a:ダミーハンドル
18、218a:ダミー手
20:筐体
22:モータ
30、330:コントローラ
60:触感付与器
64、74:アクチュエータ
62、72:揺動棒
70a:ダミー触感付与器
216b:ダミーハンドルの像
218b:ダミー手の像






Claims (4)

  1. 被験者がその手で操作することによって移動するハンドルと、仮想空間を表示する表示手段と、表示手段が表示する像を制御する表示制御装置と、ハンドルの移動方向と移動量を検出するセンサを備えており、
    表示手段は、被験者とハンドルの間に配置されて被験者の視界からハンドルと「ハンドルを操作している手」を遮蔽する位置に配置されており、被験者の視点からみて、遮蔽された空間と重畳する仮想空間を表示しており、
    表示制御装置は、ハンドルと「ハンドルを操作している手」が基準位置にあるときに、仮想空間における基準位置にダミーハンドルとダミー手を表示手段に表示させるとともに、ハンドルと「ハンドルを操作している手」が基準位置から移動したときには、仮想空間において、検出された移動方向に、検出された移動量と異なる移動量だけ移動させたダミーハンドルとダミー手を表示手段に表示させることを特徴とする仮想現実感呈示装置。
  2. 表示手段はディスプレイであり、
    表示制御装置は、ディスプレイに表示するコンピュータグラフィクスの画像を制御する装置であり、
    ダミーハンドルとダミー手は表示制御装置によってディスプレイに表示されるコンピュータグラフィクスの画像であることを特徴とする請求項1に記載の仮想現実感呈示装置。
  3. 表示手段は鏡面を被験者側に向けた鏡であり、
    ダミーハンドルとダミー手は実存する物体であり、
    ダミーハンドルには、「ハンドルを操作している手」と同じ姿勢でダミー手が固定されており、ダミーハンドルを移動させるアクチュエータが備えられており、
    ハンドルと「ハンドルを操作している手」が基準位置にあるときに、ダミーハンドルとダミー手を、鏡に対してハンドルと「ハンドルを操作している手」の鏡像位置に配置することによって、鏡が映し出す空間が、遮蔽された空間と重畳する仮想空間を形成しており、
    表示制御装置は、検出された移動方向と逆方向にダミーハンドルをアクチュエータで移動させることによって、鏡が映し出す仮想空間において、検出された移動方向に移動させたダミーハンドルとダミー手を表示させることを特徴とする請求項1に記載の仮想現実感呈示装置。
  4. 被験者の所定の身体部位に所定のタイミングで触感を与える触感付与器と、
    仮想空間を表示する表示手段と、
    表示手段が表示する像を制御する表示制御装置と、
    前記身体部位を含む「身体の一部」を模したダミー身体と、
    ダミー身体に対して接触状態と非接触状態を切替え可能なダミー触感付与器を備えており、
    表示手段は、被験者と触感付与器の間に配置されて被験者の視界から前記身体部位と触感付与器を遮蔽する位置に配置されており、被験者の視点からみて、遮蔽された空間と重畳する仮想空間を表示しており、
    表示制御装置は、
    「身体の一部」の現実の位置に対応する仮想現実空間内の位置にダミー身体を表示させており、
    触感付与器が触感を与える身体部位とタイミングの少なくとも一方を異ならせて、仮想空間において、ダミー触感付与器がダミー身体に接触する像を表示させることを特徴とする仮想現実感呈示装置。
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