JPH10191949A - 果汁成分含有錠剤及びその製造方法 - Google Patents

果汁成分含有錠剤及びその製造方法

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JPH10191949A
JPH10191949A JP9002292A JP229297A JPH10191949A JP H10191949 A JPH10191949 A JP H10191949A JP 9002292 A JP9002292 A JP 9002292A JP 229297 A JP229297 A JP 229297A JP H10191949 A JPH10191949 A JP H10191949A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】果汁成分を高濃度で含有させることが可能であ
り、果汁の種類に応じて従来の含有割合に比較して果汁
栄養成分を高濃度化でき、果汁成分を高濃度で含有させ
た場合においても吸湿等による品質劣化が少なく、長期
保存が可能であって、食感も良好なサプリメントや打錠
菓子に有用な果汁成分含有錠剤及びその製造方法を提供
すること。 【解決手段】果汁に含有される少なくとも果糖の含有割
合を減じて得た果糖減濃果汁成分を配合した果汁成分含
有錠剤、並びに果汁から少なくとも果糖の含有割合を減
じて果糖減濃果汁成分を得る工程、得られた果糖減濃果
汁成分を乾燥する工程、及び得られた乾燥物を含む原材
料を造粒し、打錠化する工程を含む前記果汁成分含有錠
剤の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、栄養補給剤(サプ
リメント)、打錠菓子等に利用でき、果汁成分を高濃度
で含有させることを可能にした果汁成分含有錠剤及び果
汁成分を高濃度で容易に含有させることを可能にした果
汁成分含有錠剤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、合成のビタミン、ミネラル等の栄
養成分を補うためのサプリメントや打錠菓子等の錠剤が
数多く市販されている。一方、消費者においては、天然
食品への関心が高まり、ビタミン類やミネラル等の有効
成分を多く含む天然果汁を配合した食品が注目されてい
る。従来、果汁含有錠剤の製造は、果汁の乾燥、造粒、
及び打錠の一連の工程で行われている。しかし、果汁含
有割合を多くした場合、得られる錠剤がねちゃつきのあ
る食感となり、また、果汁含有割合を多くし、長期保存
した場合には、変色、吸湿による潮解が生じ、含有され
るビタミン類等の有効成分の減少が生じるという欠点が
ある。これらの欠点を解決するために、打錠化する際の
賦形剤や製造法等が種々検討されてはいるが、果汁含有
割合が2〜3重量%の低含有率のものがほとんどであ
り、果汁成分含有割合を高くすることが望まれているに
もかかわらず、実際には打錠適性、打錠品の品質保持の
点から果汁成分を高濃度で配合した錠剤の商品化はあま
りなされていないのが現状である。
【0003】また、果汁を乾燥させた乾燥物は非常に吸
湿性が高く、除湿を施していない環境下では品質劣化が
著しい。更には、このような果汁乾燥物の含有割合を高
くした場合には、造粒時にブロッキングや打錠時に打錠
機への付着が生じ錠剤化できないという問題が生じる。
このため、果汁含有錠剤の製造にあたっては、含有させ
る果汁乾燥物の量を少なくするか、若しくは製造環境を
十分に管理する必要が生じる。しかし、このような製造
環境の管理は製造コストを大幅に上昇させる原因とな
る。そこで、種々の乾燥助剤が検討され、乾燥助剤と共
に果汁を乾燥させることが実施されているが、果汁成分
の含有割合を高くした場合であっても、吸湿性を抑え、
最終商品の品質を長期にわたり維持し得るまでには至っ
ていない。
【0004】ところで、このような果汁含有錠剤におい
ては、従来、果汁を実質的にそのまま乾燥助剤等と共に
乾燥させているのが実状であって、錠剤化にあたり、果
汁成分、特にビタミン類やミネラルの量を保持して、糖
類等を減じるような成分調整が施された果汁成分を用い
ることについては知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、果汁成分を高濃度で含有させることが可能であり、
特に、果汁の種類に応じて従来の含有割合に比較して果
汁栄養成分を高濃度化でき、果汁成分を高濃度で含有さ
せた場合においても吸湿等による品質劣化が少なく、長
期保存が可能であって、食感も良好なサプリメントや打
錠菓子に有用な果汁成分含有錠剤及びその製造方法を提
供することにある。本発明の別の目的は、吸湿に伴う製
造環境制御が簡便で、果汁成分を高濃度で含有させるこ
とが容易な果汁成分含有錠剤の製造方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、果汁成分
を高濃度で含有させることができる錠剤を開発するにあ
たって鋭意検討した結果、従来の乾燥助剤や賦形剤を選
択する方法ではなく、果汁成分を調節し、少なくとも果
糖を果汁成分から減ずることによって従来の欠点を克服
し、果汁栄養成分の高濃度化が可能になることを見い出
し本発明を完成するに至った。すなわち、本発明によれ
ば、果汁に含有される少なくとも果糖の含有割合を減じ
て得た果糖減濃果汁成分を配合したことを特徴とする果
汁成分含有錠剤が提供される。また本発明によれば、果
汁から少なくとも果糖の含有割合を減じて果糖減濃果汁
成分を得る工程、得られた果糖減濃果汁成分を乾燥する
工程、及び得られた乾燥物を含む原材料を造粒し、打錠
化する工程を含む果汁成分含有錠剤の製造方法が提供さ
れる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の果汁成分含有錠剤は、果
汁に含有される少なくとも果糖(フラクトース)の含有
割合を減じて得た果糖減濃果汁成分が配合されている。
この果糖減濃果汁成分は、少なくとも果糖の含有割合を
減じたものであれば特に限定されず、他の成分、例えば
果糖以外の糖類が共に減じられたものであってもよい
が、好ましくは含有されるビタミンC、β−カロチン等
のビタミン類;カルシウム、カリウム、鉄等のミネラ
ル;ペクチン等の水溶性食物繊維等の果汁栄養成分の量
が実質的に維持されているのが望ましい。特に打錠適性
を考慮して水分を3重量%以下に除去した乾燥物、即
ち、実質的に果汁の可溶性固形分から少なくとも果糖が
減じられた乾燥物が望ましい。このように水分量を3重
量%以下に調整する際においても、果糖が減じられてい
ることより容易に行うことができる。ここで、可溶性固
形分とは、果汁から水分及び不溶性固形分を除去した成
分を意味する。
【0008】果糖減濃果汁成分を得るための果汁として
は、特に限定されず、リンゴ、オレンジ、アセロラ、パ
イナップル、イチゴ、ブドウ、グレープフルーツ、西洋
ナシ、桜桃、ブルーベリー、ブラックベリー、レモン等
の果汁又はこれらの混合物等を挙げることができる。特
に、果汁の可溶性固形分に対する果糖含有割合が15重
量%以上、好ましくは18〜70重量%のリンゴ、オレ
ンジ、アセロラ、パイナップル、イチゴ、ブドウ、グレ
ープフルーツ、西洋ナシ、桜桃等の果汁又はこれらの混
合物等を用いることができる。
【0009】果糖減濃果汁成分中の果糖含有割合、即
ち、果汁から少なくとも果糖を減じた後の果糖含有割合
は、果汁の種類、並びに錠剤中に配合される果糖減濃果
汁成分の配合割合に応じて種々選択できる。例えば、錠
剤中に配合される果糖減濃果汁成分の配合割合が5重量
%の場合には、果糖含有量は40重量%以下が好まし
く、果糖減濃果汁成分の配合割合が20重量%の場合に
は、果糖含有量は20重量%以下、特に10重量%以下
が望ましく、果糖減濃果汁成分の配合割合が40重量%
以上の場合には、果糖含有量は5重量%以下が好まし
い。このように果汁から少なくとも果糖を減じた果糖減
濃果汁成分を採用し、錠剤中の果糖含有量を減ずること
により、錠剤中の果汁栄養成分を高濃度で含有させるこ
とが可能となり、特に、果汁の種類に応じて従来の含有
割合に比較して果汁栄養成分を高濃度化できる。また、
果汁成分を高濃度で含有させた場合においても吸湿等に
よる品質劣化が少なく、長期保存が可能となる。従っ
て、果糖減濃果汁成分の配合割合は、果糖減濃果汁成分
中の果糖含有量により異なるが、通常、可溶性固形分換
算で、錠剤全量に対して下限が5重量%、特に10重量
%が好ましく、上限は50重量%、特に40重量%、更
には20重量%と高濃度に配合することができる。この
ように本発明の果汁成分含有錠剤においてはビタミン
類、ミネラル、水溶性食物繊維等の果汁栄養成分を有す
る果糖減濃果汁成分を高濃度で配合することができ、こ
のような場合であっても、食感が損なわれることがな
く、長期保存による劣化や打錠時の適性が損なわれるこ
とがない。要するに、前記果糖減濃果汁成分中における
果糖の含有割合及び果糖減濃果汁成分の錠剤への配合割
合は、本発明の果汁成分含有錠剤中における果糖の含有
割合を減ずるように適宜設定すればよく、好ましくは錠
剤全量に対して果糖含有割合が4重量%以下、特に好ま
しくは0〜2重量%となるようにすれば良い。また、こ
のような少なくとも果糖が減じられた本発明に用いる果
糖減濃果汁成分は、粉末化し、吸湿性を嫌う粉末食品、
例えば粉末飲料、粉末ケーキミックス等の原材料として
も利用することができる。
【0010】本発明の果汁成分含有錠剤は、必須成分で
ある果糖減濃果汁成分の他に、通常錠剤化する際に用い
る、サイクロデキストリン、デキストリン、分岐デキス
トリン、アラビアガム等の乾燥助剤;馬鈴薯澱粉、白
糖、乳糖、ブドウ糖、マンニトール等の賦形剤;マルチ
トール、パラチノース、キシリトール、還元パラチノー
ス、ラクチトール等の低吸湿性甘味料;酸味料;結着
剤;色素;香料;ショ糖脂肪酸エステル等の滑沢剤等を
適宜選択して配合することができる。これらの配合量
は、果汁の種類、錠剤の形状、大きさ等に応じて適宜選
択して決定できる。
【0011】本発明の果汁成分含有錠剤を調製するに
は、果汁から少なくとも果糖の含有割合を減じて果糖減
濃果汁成分を得る工程、得られた果糖減濃果汁成分を乾
燥する工程、及び得られた乾燥物を含む原材料を造粒
し、打錠する工程を少なくとも行う方法等により得るこ
とができる。
【0012】果汁から少なくとも果糖の含有割合を減じ
て果糖減濃果汁成分を得る工程は、果汁の種類に応じ
て、前述の所望の果糖含有割合となるように、また、含
有される果汁栄養成分が実質的に保持されるように、例
えば、電気透析法、イオン交換樹脂を用いる方法等によ
り、少なくとも果糖を減ずる条件、好ましくは低カロリ
ー化するために、果汁に多く含まれるブドウ糖、果糖、
蔗糖を含む糖類を減ずる条件等を適宜選択して行うこと
ができる。工業的には、酵母の存在下に果汁をアルコー
ル発酵させ、果汁中の果糖を含む糖類を減ずるアルコー
ル発酵法により行うのが望ましい。アルコール発酵によ
り果汁中の果糖を含む糖類をアルコールと二酸化炭素に
分解し、実質的に果糖含有割合を減ずることができる。
【0013】このアルコール発酵法に用いる酵母として
は、例えば、サッカロミセス・セルビシェ等のサッカロ
ミセス酵母、キャンディダ酵母等を用いることができ
る。酵母の使用量及びアルコール発酵条件は適宜選択で
きるが、通常、果汁100重量部に対して、酵母0.1
〜2重量部添加し、5〜50℃において1〜24時間発
酵させるのが好ましい。アルコール発酵後、好ましくは
遠心分離等の精製法により酵母を除去することにより、
更に好ましくは得られた果汁成分を減圧濃縮することに
より所望の果糖減濃果汁成分を得ることができる。
【0014】得られた果糖減濃果汁成分を乾燥するに
は、好ましくは前記例示した乾燥助剤等を適宜添加溶解
し、通常の噴霧乾燥等により行うことができる。噴霧乾
燥の条件は、好ましくは果糖減濃果汁成分中の水分含有
割合が3重量%以下となるように行うのが望ましい。こ
の際、果糖を含む糖類の含有割合が減じられた果糖減濃
果汁成分の乾燥は、通常の果汁を乾燥するよりも容易に
行うことができ、また、ビタミン類、ミネラル等の果汁
栄養成分を通常の果汁を乾燥するよりも2〜4倍程度に
濃縮した乾燥粉末として得ることができる。
【0015】乾燥物(粉末等)を造粒するには、必要に
応じて、乾燥物に前述の賦形剤、低吸湿性甘味料、酸味
料、結着剤、色素、香料等を適宜選択して配合した原材
料を流動層造粒装置等により造粒することができる。こ
の造粒物は、平均粒径0.1〜0.5mm程度の顆粒等
が望ましい。この際造粒物の水分量は打錠適性を良好に
するために3重量%以下が好ましい。
【0016】造粒物を打錠化するには、通常、造粒物に
前述の香料、滑沢剤等を添加し、公知の打錠機等で所望
の形状や大きさに打錠することができる。この際、本発
明では、果糖が減じられた造粒物を用いるので、打錠適
性に優れ、打錠機への付着等が生じることなく容易に打
錠することができる。
【0017】
【発明の効果】本発明の果汁成分含有錠剤は、果糖を減
じた果糖減濃果汁成分を必須成分として配合しているの
で、果汁成分を高濃度で含有させることが可能であり、
特に、果汁の種類に応じて従来の含有割合に比較して果
汁栄養成分を高濃度化でき、果汁成分を高濃度で含有さ
せた場合においても吸湿等による品質劣化が少なく、長
期保存が可能であって、食感も良好である。従って、サ
プリメントや打錠菓子に有用である。また、本発明の製
造法では、吸湿に伴う製造環境制御が簡便で、果汁成分
を高濃度で含有させることが容易であり、前記果汁成分
含有錠剤を容易に得ることができる。
【0018】
【実施例】以下実施例及び比較例により更に詳細に説明
するが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0019】実施例1 オレンジストレート果汁(可溶性固形分換算の果糖含有
量18.28重量%)を、電気透析装置(マイクロ・ア
ナライザー、旭化成工業社製)により、分画分子量10
00の陰イオン交換膜及び陽イオン交換膜を併用して処
理し、ブドウ糖、果糖及び蔗糖を完全に除去した後、B
x(Brix)20まで減圧濃縮した。次いで、得られた濃
縮果汁100重量部にDE8のデキストリン20重量部
を添加溶解した後、噴霧乾燥を行い、果糖減濃果汁成分
の乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末中の果汁の可溶性
固形分含有量は、50重量%であり、水分量は2.7重
量%であった。次に、乾燥粉末65重量部と、甘味料と
してのマルチトール35重量部とを流動層造粒装置(パ
ウレック社製)に仕込み、3重量%馬鈴薯澱粉をバイン
ダーとして造粒を行い、水分量2.5重量%、平均粒径
0.25mmの顆粒を得た。続いて、得られた顆粒10
0重量部と、粉末香料2重量部と、滑沢剤としてのショ
糖脂肪酸エステル1重量部とを混合し、ロータリー式打
錠機(畑鉄工所社製)により打錠成形して錠剤を得た。
得られた錠剤中の果糖減濃果汁成分の含有割合は、可溶
性固形分換算で30重量%であり、打錠化時の打錠適性
は良好であった。得られた錠剤の食感はねちゃつきもな
く良好であった。得られた錠剤を常温で3月貯蔵したと
ころ、変色はほとんど見られず、吸湿による潮解も認め
られなかった。
【0020】比較例1 オレンジストレート果汁(可溶性固形分換算の果糖含有
量18.28重量%)を、電気透析せずにBx20まで
減圧濃縮した。次いで、得られた濃縮果汁100重量部
にDE8のデキストリン20重量部を添加溶解した後、
噴霧乾燥を行い、乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末中
の果汁の可溶性固形分含有量は、50重量%であったが
このうち75重量%が果糖、蔗糖、ブドウ糖からなる糖
類であった。この噴霧乾燥による収率は実施例1に比較
して非常に悪いものであり、水分量は4.7重量%であ
った。次に、乾燥粉末65重量部と、甘味料としてのマ
ルチトール35重量部とを流動層造粒装置(パウレック
社製)に仕込み、3重量%馬鈴薯澱粉をバインダーとし
て造粒を行った。しかし、この造粒においてはブロッキ
ングが生じ易く、バインダー噴霧流量を実施例1に比べ
て少なくし、且つ時間は実施例1の1.7倍必要であっ
た。得られた顆粒の水分量は4重量%で、平均粒径0.
43mmの顆粒を得た。続いて、得られた顆粒100重
量部と、粉末香料2重量部と、滑沢剤としてのショ糖脂
肪酸エステル1重量部とを混合し、実施例1と同様に打
錠成形して錠剤を得た。この打錠成形中に打錠機への付
着が認められ、且つ得られた錠剤も割れ等の傷が認めら
れた。得られた錠剤中の果汁成分の含有割合は、可溶性
固形分換算で30重量%であったが、このうち果糖、蔗
糖、ブドウ糖からなる糖類の含有量が75重量%であっ
た。得られた錠剤の食感は硬く、ねちゃつきがあり、商
品化できるものではなかった。得られた錠剤を常温で3
月貯蔵したところ、変色が認められ、3週間で吸湿によ
る潮解も認められた。
【0021】実施例2 リンゴ果汁(可溶性固形分換算の果糖含有量38.01
重量%)200gに市販のパン発酵用ドライイースト
(サッカロミセス・セルビシェ酵母)1gを添加し、よ
く撹拌した後、35℃で4時間放置した。その後遠心分
離により酵母を除去し、ブドウ糖、果糖及び蔗糖を完全
に除去した果糖減濃果汁成分を得た。次いで、Bx20
まで減圧濃縮し、得られた濃縮果汁100重量部にDE
8のデキストリン20重量部を添加溶解した後、噴霧乾
燥を行い、果糖減濃果汁成分の乾燥粉末を得た。得られ
た乾燥粉末中の果汁の可溶性固形分含有量は、50重量
%であり、水分量は2.8重量%であった。次に、乾燥
粉末65重量部と、甘味料としてのマルチトール35重
量部とを流動層造粒装置(パウレック社製)に仕込み、
3重量%馬鈴薯澱粉をバインダーとして造粒を行い、水
分量2.2重量%、平均粒径0.35mmの顆粒を得
た。続いて、得られた顆粒100重量部と、粉末香料2
重量部と、滑沢剤としてのショ糖脂肪酸エステル1重量
部とを混合し、ロータリー式打錠機(畑鉄工所社製)に
より打錠成形して錠剤を得た。得られた錠剤中の果糖減
濃果汁成分の含有割合は、可溶性固形分換算で30重量
%であり、打錠化時の打錠適性は良好であった。得られ
た錠剤の食感はねちゃつきもなく良好であった。得られ
た錠剤を常温で3月貯蔵したところ、変色はほとんど見
られず、吸湿による潮解も認められなかった。
【0022】実施例3 オレンジ果汁(可溶性固形分換算の果糖含有量18.2
8重量%)10kgに市販のパン発酵用ドライイースト
(サッカロミセス・セルビシェ酵母)50gを添加し、
よく撹拌した後、35℃で4時間放置した。その後遠心
分離により酵母を除去し、ブドウ糖、果糖及び蔗糖を完
全に除去した後、Bx20まで減圧濃縮して濃縮果汁
1.2kgを得た。得られた濃縮果汁1.2kgにDE
8のデキストリン240gを添加溶解した後、噴霧乾燥
を行い、果糖減濃果汁成分の乾燥粉末400gを得た。
得られた乾燥粉末中の果汁の可溶性固形分含有量は、5
0重量%であり、水分量は2.8重量%であった。次
に、乾燥粉末300gと、甘味料としてのパラチノース
700gとを流動層造粒装置(パウレック社製)に仕込
み造粒を行い、水分量2.7重量%、平均粒径0.3m
mの顆粒を得た。続いて、得られた顆粒をロータリー式
打錠機(畑鉄工所社製)により打錠成形して1.5g/
1錠の錠剤を得た。得られた錠剤中の果糖減濃果汁成分
の含有割合は、可溶性固形分換算で15重量%であり、
打錠化時の打錠適性は良好であった。得られた錠剤の食
感はねちゃつきもなく良好であった。得られた錠剤を常
温で3月貯蔵したところ、変色はほとんど見られず、吸
湿による潮解も認められなかった。
【0023】実施例4 リンゴ果汁(可溶性固形分換算の果糖含有量51.3重
量%)から実施例1の方法にしたがって、電気透析装置
によりブドウ糖、果糖及び蔗糖を減じ、果糖含有量が可
溶性固形分換算あたり、0、5、20及び40重量%に
なるように調整してサンプルを得た。それぞれのサンプ
ルは、Bx20まで減圧濃縮後、濃縮果汁100重量部
に対してデキストリン20重量部を添加溶解し、次いで
噴霧乾燥を行った。次に、得られる錠剤中の果糖含有量
が0、1、2、4、6及び8重量%なるように、得られ
た果汁粉末にマルチトールを加え、混合して流動層造粒
を実施例1と同様に行った。得られた顆粒100重量部
と、粉末香料2重量部と、滑沢剤としてのショ糖脂肪酸
エステル1重量部とを混合し、実施例1と同様に打錠成
形して錠剤を得た。得られた錠剤は、錠剤中の果糖含有
量が6及び8重量%では、やや硬く、ねちゃつきの残る
食感であり、4重量%ではややねちゃつきが感じられる
が商品性には問題がなかった。また、錠剤中の果糖含有
量が0〜2重量%では、ねちゃつきもなく、良好な食感
であった。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 果汁に含有される少なくとも果糖の含有
    割合を減じて得た果糖減濃果汁成分を配合したことを特
    徴とする果汁成分含有錠剤。
  2. 【請求項2】 果汁が、果汁の可溶性固形分に対する果
    糖含有割合が18〜40重量%の果汁である請求項1に
    記載の果汁成分含有錠剤。
  3. 【請求項3】 果糖減濃果汁成分の配合割合が、果糖減
    濃果汁成分中の可溶性固形分換算で、錠剤全量に対して
    5重量%以上である請求項1又は2に記載の果汁成分含
    有錠剤。
  4. 【請求項4】 果汁成分含有錠剤中の果糖含有割合が4
    重量%以下である請求項1〜3のいずれか1項記載の果
    汁成分含有錠剤。
  5. 【請求項5】 果汁から少なくとも果糖の含有割合を減
    じて果糖減濃果汁成分を得る工程、得られた果糖減濃果
    汁成分を乾燥する工程、及び得られた乾燥物を含む原材
    料を造粒し、打錠化する工程を含む果汁成分含有錠剤の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 果糖減濃果汁成分を得る工程が、酵母の
    存在下に果汁をアルコール発酵させ、果汁中の果糖を含
    む糖類を減ずることを特徴とする請求項5に記載の製造
    方法。
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