JPH10191883A - 生魚の保存方法 - Google Patents

生魚の保存方法

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JPH10191883A
JPH10191883A JP9017345A JP1734597A JPH10191883A JP H10191883 A JPH10191883 A JP H10191883A JP 9017345 A JP9017345 A JP 9017345A JP 1734597 A JP1734597 A JP 1734597A JP H10191883 A JPH10191883 A JP H10191883A
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JP
Japan
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water
tuna
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temperature
day
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JP9017345A
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English (en)
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Kenji Okuyama
健二 奥山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間鮮度を保つことができる生魚の保存方
法を提供する。 【解決手段】 ペーハー値7.7〜8.5の電解水の塩
濃度を2%以上4%未満に調整して作った保存水14
を、保存槽11内で−1.0〜−1.4℃の水温に保持
するとともに、該保存水14中に生マグロ12を浸漬し
た後、前記保存槽11を庫内温度が0〜−1℃の保存庫
に入れて保存する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生魚の保存方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】生マグロは通常の場合、+5〜−1℃の
冷蔵庫内で保存されるのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、冷蔵庫
の開閉により庫内温度が変化するため、一定温度の下で
保存できなかったり、乾燥したり、雑菌が繁殖する等、
生マグロにとっては安定した保存状態とはいえない。こ
のため、生マグロや蘇生マグロの鮮度が維持される期間
は非常に短く、サク状にした場合は2〜3日が限度であ
る。また、生マグロの丸の状態で市場に搬入された場合
でも、3〜5日が限度であるという問題点がある。本発
明は、上記問題点を解決するためになされたもので、生
マグロ等の生魚の鮮度を維持するためには、雑菌の繁殖
による腐敗を防ぐこと、一定の低温下で保存すること、
魚肉内の細胞を安定させることが必要であることに着目
し、長期間鮮度を保つことができる生魚の保存方法を提
供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1に記載の本発明の生魚の保存方法は、ペーハ
ー値7.7〜8.5のアルカリ性の電解水の塩濃度を2
%以上4%未満に調整してなる保存水を、保存槽内で−
1.0〜−1.4℃の水温に保持するとともに、該保存
水中に生魚を浸漬した後、前記保存槽を庫内温度が0〜
−1℃の保存庫に入れて保存することを特徴とする。
【0005】また、請求項2に記載の本発明の生魚の保
存方法は、請求項1に記載された構成において、前記保
存槽内の保存水を所定期間経過後入れ替えることを特徴
とする。
【0006】
【発明の効果】上記請求項1に記載の生魚の保存方法に
よれば、ペーハー値7.7〜8.5のアルカリ性の電解
水を塩濃度2%以上4%未満に調整した保存水は、保存
槽内で凍ることなく−1.0〜−1.4℃の水温に保持
されている。電解水の細菌に対する強力な殺菌力のた
め、雑菌の繁殖が抑えられる。さらに、生魚を浸漬した
上記保存槽を庫内温度が0〜−1℃の保存庫に入れて保
存するから、開閉による保存庫内の庫内温度の変化に影
響されることなく、保存槽内の保存水を−1.0〜−
1.4℃の低温状態で長期間保持できる。そして、2%
以上4%未満の塩濃度とした保存水の浸透圧により魚肉
内の遊離水が除去され魚肉内の細胞が安定する。その結
果、生魚の色、身質、味が約2週間に亙って殆ど変化す
ることなく当初の鮮度が維持され、長期間の保存が可能
となる効果を有する。
【0007】また、請求項2に記載の生魚の保存方法に
よれば、保存槽内の保存水を所定期間経過後入れ替える
から、保存水の殺菌力が更新され雑菌の繁殖が抑制され
るから、更に長期間の保存が可能となる効果を有する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の1形態を添付図面
を参照して説明する。図1は保存槽11の断面図であ
る。保存槽11には生マグロ12を1〜数本収納できる
内容積のものを用意する。先ず、保存槽11の底部に細
かく砕氷した氷13を敷き詰める。そして、その上に生
マグロ12を置き、氷13により全体を覆うとともに、
保存水14を入れて該保存水14中に生マグロ12を浸
漬させる。生マグロ12を複数本いれる場合は、生マグ
ロ12どうしが直接接触しないようにする。この状態で
は、保存槽11の保存水面には氷13が層状に浮かんで
いる。その後保存槽11には蓋15を被せて、図2に示
すように庫内温度を0〜−1℃の保存庫21にストック
して保存する。
【0009】上記保存水14は、ペーハー値8の電解水
の塩濃度を調整したものである。電解水は、微量の電解
質(塩化カルシュウム、塩化カリウム等)を加えた水を
無隔膜で電気分解した後、水で希釈したものである。こ
の電解水に含まれる有効塩素の酸化力により大腸菌、黄
色ブドウ球菌、サルモネラ菌等の細菌に対して強い殺菌
力を発揮する。細菌は生理的活性度が常に高いため、電
解水の酸化作用を受け易くこれにより殺菌され繁殖が抑
制される。また、収穫された野菜や、生魚、生肉等は、
生理的活性期を過ぎているため、電解水の酸化作用を受
けにくくなっている。
【0010】上記電解水の殺菌力を確認するため、電解
水中の一般細菌数(生菌数)を検出した。生菌数の検出
は、標準寒天平板培養法(培養条件:30℃,3日間)
により行った。1日目の電解水から検出された一般細菌
数の生菌数は、7.6×104/mlであったのが、2
日目では1.9×103/mlと激減した。以後、5日
目では4.8×103/ml、7日目では6.9×103
/mlと漸増し、8日目では、9.4×104/mlと
急激に増加した。この結果、7日間程度電解水の殺菌力
が持続するものと考えられる。尚、ペーハー値7.7及
び8.5の電解水について、上記と同様の方法でその殺
菌力を確認したが、ペーハー値8の電解水の殺菌力と殆
ど差はなかった。
【0011】次に塩濃度を2%、3%、4%に調整した
保存水14を用いて、丸の状態の生のキハダマグロ(脂
無し)と丸の状態の生の畜養インドマグロに対して、本
発明方法により保存した場合の、保存水14の水温、上
記各マグロの表面温度及び中心温度の変化を調べた。
【0012】図3は、重量23kgのキハダマグロ(脂
無し)(以下検体マグロという)を、塩濃度2%に調整
した保存水中に浸漬させたときの、検体マグロの中心温
度と水温の変化を示したグラフである。当初+3.9℃
あった検体マグロの中心温度は、4日目に−0.6℃に
下がった後、5日目以降14日目の間は−0.8〜−
0.9℃であった。水温は4日目以降7日目までは、−
0.8〜−1.0℃であった。7日目には、殺菌力を更
新するため保存水を入れ替えたことにより、水温が−
0.6℃に上がったが、8日目以降14日目までは、−
1.0℃と一定であった。5日目及び7日目において、
検体マグロの表面温度は−1.1℃であった。
【0013】図4は、重量24kgのキハダマグロ(脂
無し)を、塩濃度3%に調整した保存水中に浸漬させた
ときの、検体マグロの中心温度と水温の変化を示したグ
ラフである。当初+3.8℃あった検体マグロの中心温
度は、4日目以降7日目までは−1.0℃と一定であっ
た。そして、5日目及び7日目の検体マグロの表面温度
は、−1.1℃であった。水温は4日目以降7日目まで
は、−1.2℃と一定であった。7日目には、殺菌力を
更新するため保存水を入れ替えたことにより、水温が−
1.0℃となったが、8日目以降14日目までは、−
1.2〜−1.4℃であった。7日目以降14日目まで
検体マグロの中心温度は、−1.1〜−1.2℃であっ
た。また、検体マグロの表面温度は、9日目では−1.
3℃、12日目では−1.4℃であった。
【0014】図5は、重量24kgのキハダマグロ(脂
無し)を、塩濃度4%に調整した保存水中に浸漬させた
ときの、検体マグロの中心温度及び表面温度と水温の変
化を示したグラフである。当初+3.3℃あった検体マ
グロは、4日目では中心温度−1.3℃で表面温度は−
1.6℃、5日目では中心温度−1.5℃で表面温度は
−1.7℃、7日目では中心温度−1.4℃で表面温度
は−1.6℃であった。また、水温は4日目では−1.
7℃、5日目では−1.8℃、7日目では−1.8℃で
あった。そして、検体マグロは、中心温度が−1.3℃
以下に下がると、シャーベット状に凍ってしまった。従
って、7日目以降の実験を中止した。
【0015】図6は、重量25kgの畜養インドマグロ
(以下検体マグロという)を、塩濃度3%に調整した保
存水中に浸漬させたときの、検体マグロの中心温度と水
温の変化を示したグラフである。当初+8.7℃あった
検体マグロの中心温度は、2日目に−1.1℃に下がっ
た後、3日目以降14日目の間は−1.0〜−1.2℃
であった。水温は2日目以降14日目までは、−1.2
〜−1.4℃であった。7日目には、殺菌力を更新する
ため保存水を入れ替えた。また、検体マグロの表面温度
は、3日目以降14日目までは、−1.1〜−1.3℃
であった。この検体マグロは、畜養インドマグロで脂が
あるため、水温が−1.4℃に下がっても、中心温度が
−1.1℃以下となることはなく凍ることがなかった。
【0016】そして、上記実験と並行して本発明方法で
保存される各検体マグロの遊離アミノ酸(mg/100
g)をアミノ酸自動分析計により、K値(%)を酵素法
により、過酸化物価(meq/kg)を基準油脂分析試
験法によりそれぞれ検出した。
【0017】表1は、塩濃度2%に調整した保存水に浸
漬して保存した生キハダマグロについて、遊離アミノ酸
と鮮度の目安であるK値の経時的変化を示したものであ
る。
【0018】
【表1】
【0019】表2は、塩濃度3%に調整した保存水に浸
漬して保存した生キハダマグロについて、遊離アミノ酸
と鮮度の目安であるK値の経時的変化を示したものであ
る。
【0020】
【表2】
【0021】表3は、塩濃度3%に調整した保存水に浸
漬して保存した畜養インドマグロについて、遊離アミノ
酸と鮮度の目安であるK値及び過酸化物価の経時的変化
を示したものである。
【0022】
【表3】
【0023】上記何れの場合も12日目〜14日目にK
値の上昇が検出されているが、実験当初における各検体
マグロのK値が比較的高かったことによるもので、身
質、うま味については目及び口による感応試験では、そ
れ程変化は感じられなかった。その他、うま味の元とな
る各種アミノ酸も実験初日に検出された数値と殆ど変化
なく維持されている。上記の結果保存水14の塩濃度は
2%以上4%未満が最適と考えられる。
【0024】上記本発明の保存方法によると、保存水の
塩濃度を2%以上4%未満に調整することにより、−
1.2〜−1.4℃という低水温に保持される保存水中
に生マグロを浸漬し、庫内温度0〜−1℃の保存庫にス
トックして保存することにより、保存水の殺菌力により
腐敗の元となる雑菌の繁殖が抑制されて、通常は時間が
経過すると腐敗が進行するものが、7日目では、色、身
質、味とも実験当初よりも向上した。これは、鮮度維持
と熟成が同時に進行したことによるものと考えられる。
また、7日目に保存水を入れ替えて保存水の殺菌力を更
新することにより、より長期間鮮度を維持して保存でき
る。
【0025】そして、上記した本発明の保存方法は、保
存する生マグロの大きさに応じた保存槽と該保存槽をス
トックする保存庫を必要とするだけであるから、漁船上
にも設置が可能となるばかりでなく、多数の保存槽のス
トックが可能な大規模な保存庫を設けることにより、漁
獲量の多寡に拘わらず市場への出荷量を調整でき価格の
安定に寄与することができる等の利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】保存槽11の断面図である。
【図2】保存槽11のストック状態を示した保存庫21
の断面図である。
【図3】塩濃度2%に調整した保存水中に浸漬させたと
きの、検体マグロの中心温度と水温の変化を示したグラ
フである。
【図4】塩濃度3%に調整した保存水中に浸漬させたと
きの、検体マグロの中心温度と水温の変化を示したグラ
フである。
【図5】塩濃度4%に調整した保存水中に浸漬させたと
きの、検体マグロの中心温度と水温の変化を示したグラ
フである。
【図6】塩濃度3%に調整した保存水中に浸漬させたと
きの、他の種類の検体マグロの中心温度と水温の変化を
示したグラフである。
【符号の説明】 11...保存槽 12...生マグロ 14...保存水 21...保存庫

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペーハー値7.7〜8.5のアルカリ性
    の電解水の塩濃度を2%以上4%未満に調整してなる保
    存水を、保存槽内で−1.0〜−1.4℃の水温に保持
    するとともに、該保存水中に生魚を浸漬した後、前記保
    存槽を庫内温度が0〜−1℃の保存庫に入れて保存する
    ことを特徴とする生魚の保存方法。
  2. 【請求項2】 前記保存槽内の保存水を所定期間経過後
    入れ替えることを特徴とする請求項1に記載の生魚の保
    存方法。
JP9017345A 1997-01-14 1997-01-14 生魚の保存方法 Pending JPH10191883A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007202508A (ja) * 2006-02-03 2007-08-16 Hoshizaki Electric Co Ltd 魚介類の保存用水、魚介類を保存する保存方法、および、同保存方法で使用する電解生成水を生成する電解水生成装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007202508A (ja) * 2006-02-03 2007-08-16 Hoshizaki Electric Co Ltd 魚介類の保存用水、魚介類を保存する保存方法、および、同保存方法で使用する電解生成水を生成する電解水生成装置

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