JP2005008542A - 切り花の鮮度保持剤および鮮度保持方法 - Google Patents

切り花の鮮度保持剤および鮮度保持方法 Download PDF

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Yoshinori Kamiya
喜則 紙谷
Kazuo Morita
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Abstract

【課題】切り花の収穫直後から店頭での供覧までの間の鮮度を効果的に保持する方法を提供する。
【解決手段】切り花の鮮度を保持する方法は、鮮度保持剤として、無機塩の希釈水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される電解生成水であって、強酸性または弱酸性の電解生成酸性水、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水のいずれかを採用して、当該鮮度保持剤にて調製された鮮度保持処理液に収穫直後の新鮮な切り花を活けて、所定時間水揚げする水揚げ処理をすることを基本とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新鮮な切り花の鮮度を保持するための鮮度保持剤、および、新鮮な切り花の鮮度を保持するための鮮度保持方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
切り花の鮮度を保持する方法として、新鮮な切り花を鮮度保持剤にて調製された鮮度保持処理液に活けて水揚げる水揚げ処理する方法が普及している。鮮度保持剤には、一般に、塩素系の殺菌剤を含有するもの、糖質系の栄養剤を含有するもの、これらの殺菌剤および栄養剤の両者を含有するもの等がある。これらの鮮度保持剤を使用する態様は、生産地、卸し市場、小売店等で大幅に異なっていて、いわば、鮮度保持剤の使用や鮮度保持方法は使用者のノウハウの領域にある。このため、切り花の鮮度保持方法には、画一された的確な方法が存在していないのが実状である。
【0003】
最近、このような実状に対処すべく、切り花の鮮度を保持する新規な方法が提案されている。当該鮮度保持方法は、現在、機能性水として注目されている電解生成水を利用するもので、生産地から輸送された卸し市場での供覧に付す前や、生産地や卸市場から輸送された小売店での供覧に付す前になされる所謂後処理に、特定された電解生成酸性水を鮮度保持処理液として採用することを要旨とするものである(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特許第3078791号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般に、切り花の鮮度保持の重要な要因として、水揚げ、水分蒸散、栄養分等が挙げられているが、本発明者等は、切り花の鮮度保持についての長年の研究から、切り花の鮮度保持には切り花の吸水機能が最も重要な要因であることを知得し、かつ、切り花の吸水の機能、および、吸水のその他に関連する下記の問題を確認している。
【0006】
すなわち、切り花の吸水機能を阻害する要因には、水揚げに用いる水に存在する微生物等が切り花の導管を詰まらせること、切り花の導管に気泡が侵入すること等があり、また、切り花の吸水に伴う悪影響の要因として、切り花の切り口に発生する微生物による汚染の問題がある。
【0007】
従って、本発明の目的は、鮮度保持剤として特定された鮮度保持剤を採用して、新鮮な切り花を、収穫直後の出荷前、輸送途中、卸し市場や小売店での供覧という流通経路の中で、タイミングよく鮮度保持処理を行うことによって、切り花の吸水機能を阻害する要因の影響を排除し、かつ、切り花の吸水に伴う悪影響の要因を解消することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の発明は、切り花の鮮度保持剤であって、本発明に係る鮮度保持剤は、収穫直後の新鮮な切り花の鮮度を保持するために使用する鮮度保持剤である。本発明に係る第1の鮮度保持剤は、無機塩の希釈水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される電解生成水であって、強酸性または弱酸性の電解生成酸性水であることを特徴とするものである。また、本発明に係る第2の鮮度保持剤は、無機塩の希釈水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される電解生成水であって、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水であることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の第2の発明は、本発明に係る鮮度保持剤を使用して切り花の鮮度を保持する鮮度保持方法である。本発明に係る第1の鮮度保持方法は、収穫直後の新鮮な切り花を前記鮮度保持剤にて調製した鮮度保持処理液に活けて所定時間水揚げる水揚げ処理することを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明に係る第2の鮮度保持方法は、収穫直後の新鮮な切り花を前記鮮度保持剤にて調製した鮮度保持処理液に活けて所定時間水揚げる水揚げ処理をすること、および、水揚げ処理終了後の切り花を湿潤状態を保持した状態で暗所にて所定時間保存する保存処理をすることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明に係る第3の鮮度保持方法は、収穫直後の新鮮な切り花を前記鮮度保持剤にて調製した鮮度保持処理液に活けて所定時間水揚げる第1の水揚げ処理をすること、水揚げ処理終了後の切り花を湿潤状態を保持した状態で暗所にて所定時間保存する保存処理をすること、および、保存処理終了後の切り花を供覧に付すまでの間清水に活けて所定時間水揚げる第2の水揚げ処理をすることを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る各鮮度保持方法においては、前記鮮度保持処理液による水揚げ処理を切り花の出荷前に行うこと、前記保存処理を切り花の輸送過程で行うこと、前記清水による第2の水揚げ処理を卸し市場での供覧の前または小売店での供覧の前に行うことができる。
【0013】
【発明の作用・効果】
本発明に係る第1の鮮度保持剤は、強酸性または弱酸性の電解生成酸性水である。当該鮮度保持剤は、優れた殺菌能を有するが、当該殺菌能は切り花の品質に悪影響を与えることがない。かかる特性の鮮度保持剤を、収穫直後の切り花の鮮度保持処理に採用すれば、鮮度自己保持能が高い状態にある収穫直後の切り花の切断面の微生物汚染を早い段階で解消して、当該微生物に起因する水揚げに及ぼす悪影響を遮断し、かつ、微生物自体が切り花に及ぼす悪影響を遮断することができる。この結果、切り花の鮮度を長期間保持することができる。
【0014】
また、本発明に係る第2の鮮度保持剤は、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水である。当該鮮度保持剤は、優れた界面活性能を有するが、当該界面活性能は切り花の品質に悪影響を与えることがない。かかる特性の鮮度保持剤を、収穫直後の切り花の鮮度保持処理に採用すれば、鮮度自己保持能が高い状態にある収穫直後の切り花の水揚げ機能を向上させることができる。この結果、切り花の鮮度を長期間保持することができる。
【0015】
本発明に係る各鮮度保持方法は、本発明に係る各鮮度保持剤を有効に使用して、切り花の鮮度を保持する方法であり、基本的には、本発明に係る第1の鮮度保持方法であって、収穫直後の新鮮な切り花を前記鮮度保持剤にて調製した鮮度保持処理液に活けて所定時水揚げる水揚げ処理することからなるものである。
【0016】
切り花の鮮度保持は、切り花の収穫から卸し市場や小売店での供覧に至るまでの間持続していることが好ましく、本発明に係る第1の鮮度保持方法で水揚げ処理した切り花を湿潤状態を保持した状態で暗所にて所定時間保存処理する、本発明に係る第2の鮮度保持方法を採ることが好ましい。当該保存処理は、切り花の生産地から卸し市場や小売店への輸送する間に採ることができる。
【0017】
また、本発明に係る第2の鮮度保持方法を実施して卸し市場や小売店に輸送された切り花は、供覧に供するまでに間清水に活けて所定時間水揚げる第2の水揚げ処理することからなる、本発明に係る第3の鮮度保持方法を採ることが好ましい。本発明に係る第3の鮮度保持方法を採用すれば、切り花の収穫直後から卸し市場や小売店での供覧に至るまでの間、切り花の鮮度を長期にわたって保持することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、切り花の鮮度を保持するために使用する鮮度保持剤、および、当該鮮度保持剤を使用することからなる、切り花の鮮度を保持するための鮮度保持方法である。本発明に係る鮮度保持剤は、無機塩の希釈水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される電解生成水であって、その第1の鮮度保持剤は強酸性または弱酸性の電解生成酸性水であり、その第2の鮮度保持剤は強アルカリ性の電解生成アルカリ性水である。
【0019】
第1の鮮度保持剤は、pHが2.7〜4.5の強酸性の電解生成酸性水またはpHが4.5〜6.3の弱酸性の電解生成酸性水である。強酸性の電解生成酸性水は、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の0.1〜1.0重量%の希釈水溶液を被電解水とする有隔膜電解によって、陽極側電解室にて生成される。弱酸性の電解生成酸性水は、強酸性の電解生成酸性水に水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ水をpH調整剤として添加することによって調製される。一方、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水は、強酸性の電解生成酸性水の生成と同時に、陰極側電解室にて生成される。
【0020】
第1の鮮度保持剤は、pHが2.7〜4.5または4.5〜6.3の電解生成酸性水であるが、残留塩素が5〜25ppm、酸化還元電位(ORP)が926〜1124mV、溶存酸素(DO)が12.5mg/Lの特性のもので、高い殺菌能を有している。また、第2の鮮度保持剤は、pHが8.5〜11.0の強アルカリ性の電解生成アルカリ性水であるが、残留塩素が0ppm、酸化還元電位(ORP)が84〜−800mV、溶存酸素(DO)が3mg/Lの特性のもので、高い界面活性能を有している。
【0021】
本発明に係る第1の鮮度保持剤および第2の鮮度保持剤は、基本的には、収穫直後の新鮮な切り花の鮮度を保持するための鮮度保持処理液として採用される。当該鮮度保持処理液は、当該第1の鮮度保持剤または第2の鮮度保持剤を主要成分とするもので、当該第1の鮮度保持剤または第2の鮮度保持剤のみであっても、また、各栄養分を適宜添加して調製したものでもよい。
【0022】
本発明に係る第1の鮮度保持方法は、収穫直後の新鮮な切り花を、当該第1,第2の鮮度保持剤にて調製された、鮮度保持剤またはこれを主要成分とする鮮度保持処理液に活けて所定時間水揚げる水揚げ処理をすることからなる。
【0023】
当該第1の鮮度保持剤は、優れた殺菌能を有するが、当該殺菌能は切り花の品質に悪影響を与えることがない。このため、かかる特性の鮮度保持剤を収穫直後の切り花の鮮度保持処理に採用すれば、鮮度自己保持能が高い状態にある収穫直後の切り花の切断面の微生物による汚染を早い段階で解消して、当該微生物に起因する水揚げに及ぼす悪影響を遮断し、かつ、微生物自体が切り花に及ぼす悪影響を遮断することができる。
【0024】
また、当該第2の鮮度保持剤は、優れた界面活性能を有するが、当該界面活性能は切り花の品質に悪影響を与えることがない。このため、かかる特性の鮮度保持剤を収穫直後の切り花の鮮度保持処理に採用すれば、鮮度自己保持能が高い状態にある収穫直後の切り花の水揚げ機能を向上させることができる。
【0025】
本発明に係る第2の鮮度保持方法は、本発明に係る第1の鮮度保持方法により水揚げ処理した切り花を、湿潤状態を保持した状態で暗所にて所定時間保存処理することからなる。当該保存処理は、切り花の生産地から卸し市場や小売店への輸送する間に採ることができるもので、輸送の間の切り花の鮮度を効果的に保持することができる。
【0026】
本発明に係る第3の鮮度保持方法は、本発明に係る第2の鮮度保持方法により水揚げ処理しかつ保存処理した状態で輸送された切り花を、卸し市場や小売店での供覧に供するまでに間清水に活けて所定時間水揚げる第2の水揚げ処理することからなる。当該第3の鮮度保持方法を採用すれば、切り花の収穫から卸し市場や小売店での供覧に至るまでの間、切り花の鮮度を長期にわたって保持することができる。
【0027】
【実施例】
本実施例では、鮮度保持処理の対象とする切り花として、近郊の生産農家で栽培されたバラであって、収穫直後の2種類のバラ(ルーレット,エレガンス)を採用するとともに、下記に示す各鮮度保持剤を供試剤として、本発明に係る第3の鮮度保持方法(実施例)、および、これと同様の鮮度保持方法(比較例)を実施する実験を試みた。鮮度保持剤である各供試剤の特性、鮮度保持方法の条件、鮮度保持効果の詳細については下記に示す。
【0028】
(供試剤):採用した鮮度保持剤は、強酸性の電解生成酸性水(pH2.9)…供試剤1、弱酸性の電解生成酸性水(pH4.9)…供試剤2、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水(pH10.4)…供試剤3、弱アルカリ性の電解生成アルカリ性水(pH7.8)…供試剤4、水道水(pH6.7)…供試剤5である。
【0029】
鮮度保持剤である原液は、有隔膜式電解水生成装置(ホシザキ電機株式会社製のROK−LAB)を使用し、濃度18mmol/Lの食塩水を被電解水とし、当該被電解水を電解条件(印加電流9A,印加電圧10.5)で有隔膜電解して生成された電解生成水である。当該有隔膜電解では、陽極側電解室にて強酸性の電解生成酸性水が生成され、陰極側電解室にて強アルカリ性の電解生成アルカリ性水が生成される。供試剤1としては、強酸性の電解生成酸性水をそのまま採用し、供試剤2としては、当該電解生成酸性水にpH調整剤として水酸化ナトリウム水溶液を添加して調製したものである。また、供試剤3としては、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水をそのまま採用し、供試剤4としては、当該電解生成アルカリ性水にpH調整剤として塩酸水溶液を添加して調製したものである。各供試剤の特性としては、pH、残留塩素濃度、酸化還元電位(ORP)、電気伝導度(COND)、溶存酸素(DO)を選定した。これらの各特性については表1に示す。
【0030】
【表1】
Figure 2005008542
【0031】
なお、これらの各特性の測定においては、pHの測定には、PHメータ(株式会社堀場製作所製のTwin pH)を採用した。残留塩素濃度の測定には、残留塩素測定装置(HACH社製のDR/4000)を採用した。酸化還元電位の測定には、ORPメータ(株式会社東興化学研究所製のTRK−90、電源DC9V)を採用した。電気伝導度の測定には、CONDメータ(株式会社堀場製作所製のT101019、電源DC9V)を採用した。溶存酸素の測定には、DOメータ(株式会社堀場製作所製のU−2000)を採用した。
【0032】
(切り花):切り花としては、近郊の生産農家で栽培している2種類のバラ(ルーレット,エレガンス)110本を収穫して持ち帰り、直ちに、実験条件に適合するものを選別して、実験に付すまでの短時間の間、生産農家で使用している天然水に活けて保存した。実験するに当たっては、ルーレット5本を一群とした1試験区を10試験区を調製し、同様に、エレガンス5本を一群とした1試験区を10試験区を調製した。各試験区のバラを実験の供試体とした。
【0033】
(実験手順):実質的に収穫直後の新鮮な切り花を(各試験区の一群)を、各供試剤のみからなる鮮度保持処理液に活けて所定時間水揚げする第1の水揚げ処理と、第1の水揚げ処理終了後の切り花を湿潤状態を保持した状態で暗所にて所定時間保存する保存処理と、保存処理終了後の切り花を供覧に付すまでの間清水(水道水)に活けて所定時間水揚げする第2の水揚げ処理に付した。
【0034】
第1の処理工程である第1の水揚げ処理では、各試験区を2つに分けて、一群の5試験区については各供試剤からなる鮮度保持処理液(2L)に活けて3時間水揚げ処理を行い、他の一群の5試験区については各供試剤からなる鮮度保持処理液(2L)に活けて16時間水揚げ処理を行なった。第2の処理工程である保存処理では、第1の水揚げ処理を終了した湿潤状態の切り花を、各試験区毎に新聞紙で包み、段ボール箱に詰めて10℃に設定された定温冷蔵庫に24時間貯蔵した。最後の第3の処理工程である第2の水揚げ処理では、水道水(2L)に活けて24時間水揚げする水揚げ処理を行い、その後、活け水を新たな水道水に交換して24時間水揚げる水揚げ処理を行い、当該水揚げ処理をさらに3度繰り返し(合計5日間)行った。
【0035】
(実験評価項目):本実験による鮮度保持の評価項目は、各処理工程の終了後の切り花の重量(切り花重量の経日変化)、第3の処理工程である第2の水揚げ処理における切り花の外観鮮度評価(経日変化)としての切り花の首折れ(花が下方へ垂れる現象)の発生日および発生本数、切り花の蕾からの開花度合い(五分咲き、七分咲き、8分咲き)の本数とした。但し、切り花の外観鮮度評価は、デジタルカメラの撮影による写真で再確認した。
【0036】
得られた結果のうち、切り花重量の経日変化については、図1のグラフ(ルーレット,第1の水揚げ処理3時間)、図2のグラフ(ルーレット,第1の水揚げ処理16時間)、図3のグラフ(エレガンス,第1の水揚げ処理3時間)、図4のグラフ(エレガンス,第1の水揚げ処理16時間)に示す。また、切り花の首折れの経日変化(ルーレットおよびエレガンスの一括)については表2および表3に、かつ、切り花開花の経日変化(ルーレットおよびエレガンスの一括)については表4および表5に示す。
【0037】
【表2】
Figure 2005008542
【0038】
【表3】
Figure 2005008542
【0039】
【表4】
Figure 2005008542
【0040】
【表5】
Figure 2005008542
【0041】
(考察1…切り花重量の経日変化):切り花重量の経日変化は、切り花のみずみずさ(鮮度の一要因)を示す尺度と想定しているもので、重量変化が少ないものほど鮮度を保持していることになる。図1は、第1の水揚げ処理(鮮度保持処理液による処理)を3時間行っているルーレットの結果を示し、図2は、第1の水揚げ処理(鮮度保持処理液による処理)を16時間行っているルーレットの結果を示している。
【0042】
第1の水揚げ処理を3時間行っているルーレットでは、各試験区ともほぼ同様の傾向を示している。切り花の重量変化率は、第2の処理である保存処理中で減少するが保存処理の終了後一旦増加している。その後の第3の処理である第2の水揚げ処理(水道水)では、1日目から3日目までは漸次増加してピークに達し、その後漸次減少する傾向の転じ、第2の水揚げ処理が終了した5日目では、全ての試験区において負の値を示している。
【0043】
第2の水揚げ処理での重量変化率が低く、かつ、第2の水揚げ処理が終了した5日目の時点での重量変化率が最も低い鮮度保持処理液は、弱酸性の電解生成酸性水であり、次いで、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水、強酸性の電解生成酸性水、水道水、弱アルカリ性の電解生成アルカリ性水の順である。従って、供試剤として使用した鮮度保持剤の有効性は、上記した順序であることが確認される。
【0044】
第1の水揚げ処理(鮮度保持処理液)を16時間行っているルーレット(図2のグラフを参照)でも、各試験区ともほぼ同様の傾向を示している。切り花の重量変化率は、第1の水揚げ処理を3時間行っているルーレットと比較すれば大きいが、供試剤である鮮度保持剤の有効性の順位は同様であることが確認される。
【0045】
(考察2…切り花重量の経日変化):エレガンスの重量の経日変化については、図3(鮮度保持処理液3時間処理)、および、図4(鮮度保持処理液16時間処理)に示している。エレガンスの重量の経日変化は、ルーレットと比較した場合、第3の処理工程において非常に大きいが、供試剤である鮮度保持剤の有効性については、その順位にわずかに差があるのみである。鮮度保持剤の有効性の順位は、弱酸性の電解生成酸性水、強酸性の電解生成酸性水、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水、弱アルカリ性の電解生成アルカリ性水、水道水の順であることが確認される。
【0046】
(考察3…切り花の首折れ状況):第3の処理である第2の水揚げ処理(水道水)における切り花の首折れの経日変化については、表2(第1の水揚げ処理3時間)、および、表3(第1の水揚げ処理16時間)に示している。
【0047】
第1の水揚げ処理時間が3時間である場合には、第2の水揚げ処理中での切り花の首折れは、弱酸性の電解生成酸性水および強酸性の電解生成酸性水では全く発生していないこと、水道水では、第2の水揚げ処理中の3日目に発生し、その後首折れが増加していることが確認される。また、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水および弱アルカリ性の電解生成アルカリ性水では、第2の水揚げ処理中の5日目に発生していることが確認される。
【0048】
従って、第2の水揚げ処理中での切り花の首折れの発生状況からすれば、第1の水揚げ処理が3時間である場合の鮮度保持剤としての有効性は、弱酸性の電解生成酸性水および強酸性の電解生成酸性水が高く、次いで、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水、弱アルカリ性の電解生成アルカリ性水、水道水の順序であることが確認される。
【0049】
また、鮮度保持液による処理時間が16時間である場合には、第3の処理工程中での切り花の首折れは、弱酸性の電解生成酸性水および強酸性の電解生成酸性水では全く発生していないこと、水では、第3の処理工程中の2日目に発生し、その後首折れが増加していることが確認される。また、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水および弱アルカリ性の電解生成アルカリ性水では、第3の処理工程中の4日目に発生し、その後首折れが増加していることが確認される。
【0050】
従って、第2の水揚げ処理中での切り花の首折れの発生状況からすれば、第1の水揚げ処理が16時間である場合の鮮度保持剤としての有効性は、弱酸性の電解生成酸性水および強酸性の電解生成酸性水が高く、次いで、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水および弱アルカリ性の電解生成アルカリ性水、水の順であることが確認される。
【0051】
(考察4…切り花の開花状況):第2の水揚げ処理における切り花の開花状況の経日変化については、表4(第1の水揚げ処理3時間)、および、表5(第1の水揚げ処理16時間)に示している。第1の水揚げ処理が3時間である場合には、第2の水揚げ処理中での切り花の開花状況は、弱酸性の電解生成酸性水および強酸性の電解生成酸性水では、第2の水揚げ処理中の3日目に八分咲きになっていること、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水および弱アルカリ性の電解生成アルカリ性水では、第2の水揚げ処理中の4日目に八分咲きとなっていること、水では、第2の水揚げ処理中の5日目なっても五分咲きにも達していないことが確認される。
【0052】
従って、第2の水揚げ処理中での切り花の開花発生状況からすれば、第1の水揚げ処理が3時間である場合の鮮度保持剤としての開花の促進有効性は、弱酸性の電解生成酸性水および強酸性の電解生成酸性水が高く、次いで、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水および弱アルカリ性の電解生成アルカリ性水、水道水の順序であることが確認される。
【0053】
また、第1の水揚げ処理が16時間である場合には、第2の水揚げ処理中での切り花の開花状況は、強酸性の電解生成酸性水では、第2の水揚げ処理中の1日目に八分咲きになっていること、弱酸性の電解生成酸性水では、第2の水揚げ処理中の3日目に八分咲きになっていること、弱アルカリ性の電解生成アルカリ性水では、第2の水揚げ処理中の2日目に八分咲きになっていること、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水では、第2の水揚げ処理中の3日目に八分咲きになっていること、水では、第2の水揚げ処理中の4日目に八分咲きになっていることが確認される。
【0054】
従って、第2の水揚げ処理中での切り花の開花状況からすれば、第1の水揚げ処理が16時間である場合の鮮度保持剤としての有効性の順序は、強酸性の電解生成酸性水、弱アルカリ性の電解生成アルカリ性水、弱酸性の電解生成酸性水および強アルカリ性の電解生成アルカリ性水、水道水の順序であることが確認される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の水揚げ処理(鮮度保持処理液)を3時間行っているルーレットの重量の経日変化を示すグラフである。
【図2】第1の水揚げ処理(鮮度保持処理液)を16時間行っているルーレットの重量の経日変化を示すグラフである。
【図3】第1の水揚げ処理(鮮度保持処理液)を3時間行っているエレガンスの重量の経日変化を示すグラフである。
【図4】第1の水揚げ処理(鮮度保持処理液)を16時間行っているエレガンスの重量の経日変化を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 収穫直後の新鮮な切り花の鮮度を保持するために使用する鮮度保持剤であり、当該鮮度保持剤は、無機塩の希釈水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される電解生成水であって、強酸性または弱酸性の電解生成酸性水であることを特徴とする切り花の鮮度保持剤。
  2. 収穫直後の新鮮な切り花の鮮度を保持するために使用する鮮度保持剤であり、当該鮮度保持剤は、無機塩の希釈水溶液を被電解水とする有隔膜電解にて生成される電解生成水であって、強アルカリ性の電解生成アルカリ性水であることを特徴とする切り花の鮮度保持剤。
  3. 請求項1または2に記載の鮮度保持剤を使用して切り花の鮮度を保持する鮮度保持方法であり、収穫直後の新鮮な切り花を前記鮮度保持剤にて調製した鮮度保持処理液に活けて所定時間水揚げる水揚げ処理をすることを特徴とする切り花の鮮度保持方法。
  4. 請求項1または2に記載の鮮度保持剤を使用して切り花の鮮度を保持する鮮度保持方法であり、収穫直後の新鮮な切り花を前記鮮度保持剤にて調製した鮮度保持処理液に活けて所定時間水揚げる水揚げ処理をすること、および、水揚げ処理終了後の切り花を湿潤状態を保持した状態で暗所にて所定時間保存する保存処理をすることを特徴とする切り花の鮮度保持方法。
  5. 請求項1または2に記載の鮮度保持剤を使用して切り花の鮮度を保持する鮮度保持方法であり、収穫直後の新鮮な切り花を前記鮮度保持剤にて調製した鮮度保持処理液に活けて所定時間水揚げる第1の水揚げ処理をすること、第1の水揚げ処理終了後の切り花を湿潤状態を保持した状態で暗所にて所定時間保存する保存処理をすること、および、保存処理終了後の切り花を供覧に付すまでの間清水に活けて所定時間水揚げる第2の水揚げ処理をすることを特徴とする切り花の鮮度保持方法。
  6. 請求項3,4または5に記載の切り花の鮮度保持方法において、前記鮮度保持処理液による水揚げ処理を、切り花の出荷前に行うことを特徴とする切り花の鮮度保持方法。
  7. 請求項4または5に記載の切り花の鮮度保持方法において、前記保存処理を、切り花の輸送過程で行うことを特徴とする切り花の鮮度保持方法。
  8. 請求項5に記載の切り花の鮮度保持方法において、前記清水によ第2の水揚げ浸漬処理を、卸し市場または小売店での供覧の前または供覧中に行うことを特徴とする切り花の鮮度保持方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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