JPH10191848A - 魚釣用リールの糸長計測装置 - Google Patents

魚釣用リールの糸長計測装置

Info

Publication number
JPH10191848A
JPH10191848A JP230997A JP230997A JPH10191848A JP H10191848 A JPH10191848 A JP H10191848A JP 230997 A JP230997 A JP 230997A JP 230997 A JP230997 A JP 230997A JP H10191848 A JPH10191848 A JP H10191848A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spool
line
fishing
tension
length
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP230997A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Terauchi
孝 寺内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Globeride Inc
Original Assignee
Daiwa Seiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiwa Seiko Co Ltd filed Critical Daiwa Seiko Co Ltd
Priority to JP230997A priority Critical patent/JPH10191848A/ja
Publication of JPH10191848A publication Critical patent/JPH10191848A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は魚釣用リールの糸長計測装置に関
し、実釣時の張力変動に応じ正確な糸長計測が可能な糸
長計測装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 スプールに設定した規定巻径レベルまで
釣糸を巻き取った際のスプールの総回転数、又は、スプ
ールに設定した規定巻径レベルまで釣糸を巻き取った際
のスプールの回転数及び釣糸の巻取り全長までのスプー
ルの総回転数と、規定巻径レベルまでの糸巻径とスプー
ルの形状とで糸長計算式を決定した後、実釣時のスプー
ルの実回転数を基に糸長計算式を演算実行して、その演
算値を表示部に表示する魚釣用リールの糸長計測装置に
於て、実釣時に於ける糸張力を計測する糸張力計測手段
を備え、当該計測張力値に応じ糸長を補正処理すること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は魚釣用リールの糸長
計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、多くの魚釣用リールは、釣糸の糸
長、即ち、スプールからの釣糸の繰出し量を計測する糸
長計測装置が備えられており、斯かる糸長計測装置によ
って所定の棚位置に仕掛けを降ろしたり、又、投げ釣り
ではポイントまでの仕掛けの飛距離を表示できるように
なっている。
【0003】そして、本出願人は、先に特開平1−27
6011号公報,特開平5−103567号公報及び特
開平5−118839号公報等に於て、使用する釣糸の
糸種に関係なく糸長を計測することのできる糸長計測装
置を開示した。特開平1−276011号公報で開示し
た糸長計測装置は、スプールの最大巻糸径近傍に規定巻
径レベルを設定し、当該規定巻径レベルまで釣糸を巻き
取った際のスプールの総回転数をセンサで検出して、こ
のスプールの総回転数及び規定巻径レベルまでの糸巻径
の基礎データとスプール形状とで糸長計算式を決定した
後、実釣時のスプールの実回転数を基に糸長計算式を演
算実行して、その演算値を糸長として表示部に表示する
ものである。
【0004】又、特開平5−103567号公報で開示
した糸長計測装置は、スプールの最大巻糸径よりも小径
な位置に規定巻径レベルを設定して、当該規定巻径レベ
ルまで釣糸を巻き取った際のスプールの回転数と巻取り
全長まで釣糸を巻き取った際のスプールの総回転数をセ
ンサで検出し、これらのスプールの回転数及び規定巻径
レベルまでの糸巻径の基礎データとスプール形状とで糸
長計算式を決定した後、スプールの実回転数を基に糸長
計算式を演算実行するものである。
【0005】そして、特開平5−118839号公報で
開示した糸張力計測装置は、同じくスプールの最大巻糸
径よりも小径な位置に設定した規定巻径レベルまで釣糸
を巻き取った際のスプールの回転数をセンサで検出し
て、このスプールの回転数を基に、釣糸がスプールの最
大巻糸径に達するまでの巻取り限界回転数を算出してこ
れを巻取り全長まで釣糸を巻き取った際のスプールの総
回転数と見なした上で、これらのスプールの回転数及び
規定巻径レベルまでの糸巻径の基礎データとスプール形
状とで糸長計算式を決定した後、スプールの実回転数を
基に糸長計算式を演算実行するもので、いずれの糸長計
測装置も、実釣を行うに当たり、基礎データを入力して
糸長計算式を決定した後、スプールの実回転数を基に糸
長を演算していく構成となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、釣人は釣場
の状況に応じ釣糸を選択してスプールに巻き取り、上述
した各糸長計測装置を備えた魚釣用リールにあっては、
釣糸に所定の張力(通常、300〜500g程度)をか
け乍ら釣糸を巻き取って、糸種に応じた基礎データを入
力していくこととなる。
【0007】然し乍ら、実釣時に釣糸にかかる張力は、
対象魚の種類や大きさ,引きの具合い,仕掛けの錘の重
さ等で変動する。そのため、斯様にデータ入力時に所定
の張力をかけ乍ら釣糸を巻き取って糸種に応じた基礎デ
ータを入力しても、実釣時に於ける張力の変動でデータ
に誤差が生じ正確な糸長計測を行うことができないとい
う課題が残されていた。
【0008】本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもの
で、上述の如くスプールの回転数やスプール形状等から
糸長計算式を決定した後、スプールの実回転数を基に糸
長を演算していく糸長計測装置に改良を加え、実釣時の
張力変動に応じ正確な糸長計測が可能な魚釣用リールの
糸長計測装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、スプールに設定した規定巻
径レベルまで釣糸を巻き取った際のスプールの総回転
数、又は、スプールに設定した規定巻径レベルまで釣糸
を巻き取った際のスプールの回転数及び釣糸の巻取り全
長までのスプールの総回転数と、規定巻径レベルまでの
糸巻径とスプールの形状とで糸長計算式を決定した後、
釣糸の繰出しや巻取りに伴うスプールの実回転数を基に
糸長計算式を演算実行して、その演算値を表示部に表示
する魚釣用リールの糸長計測装置に於て、実釣時に於け
る糸張力を計測する糸張力計測手段を備え、糸長計算式
決定時の糸張力と当該糸張力計測手段での計測張力値を
比較し、当該計測張力値に応じ糸長を補正処理すること
を特徴とする。
【0010】(作用)請求項1に係る発明によれば、ス
プールに設定した規定巻径レベルまで釣糸を巻き取った
際のスプールの総回転数、又は、スプールに設定した規
定巻径レベルまで釣糸を巻き取った際のスプールの回転
数及び釣糸の巻取り全長までのスプールの総回転数と、
規定巻径レベルまでの糸巻径とスプールの形状とで糸長
計算式が決定された後、スプールの実回転数を基に糸長
計算式が演算実行されるが、これと同時に糸張力が糸張
力計測手段で計測される。
【0011】そして、当該糸張力計測手段によって計測
された計測張力値に応じ、糸長計算式で求められた演算
値が補正処理されて表示部に糸長として表示されること
となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づき詳細に説明する。
【0013】尚、本実施形態に係る糸長計測装置は、本
出願人が特開平5−103567号公報で開示した糸長
計測装置に改良を加えたもので、その基本的な構成は当
該糸長計測装置と同一である。図1は請求項1の一実施
形態に係る糸長計測装置を備えた魚釣用リールの全体斜
視図、図2はその一部切欠き正面図を示し、図中、1,
3はフレーム5の左右に装着された側板で、これらの側
板1,3とフレーム5とによって魚釣用リール7のリー
ル本体9が形成されている。
【0014】そして、各側板1,3の内側に、夫々、中
心部にボールベアリング等の軸受11が装着された軸受
支持部材13が対向してねじ止めされており、両軸受1
1を介してスプール軸15が回転可能に軸支され、そし
て、軸受支持部材13間のスプール軸15に、釣糸17
が巻回されたスプール19が枢着されている。又、側板
3内には従来周知の動力伝達機構(図示せず)が装着さ
れており、側板3の中心から偏心した位置に取り付けた
ハンドル21を巻取り操作すると、その回転力が動力伝
達機構によりスプール軸15に伝達されて、スプール1
9が釣糸巻取り方向へ回転するようになっている。尚、
図1中、23はドラグ調整用のドラグノブである。
【0015】そして、図2に示すようにスプール19の
内周には、当該スプール19への釣糸17の最大巻径よ
りも小さな略半分の径に設定された規定巻径レベル25
が、スプール軸15を中心として環状に刻設されてい
る。
【0016】又、27はリール本体9の上部に一体に取
り付けた防水性の偏平なボックスで、その上面の操作パ
ネル27aには、表示器29,モード切換えスイッチ3
1,規定巻径レベルデータ書込みスイッチ33、そし
て、最終データ書込みスイッチ35等が設けられ、又、
ボックス27内には、糸長を演算するマイクロコンピュ
ータや電池電源(いずれも後述する)等が水密に収容さ
れている。
【0017】そして、図3は本実施形態に係る糸長計測
装置の基本的な全体構成図を示し、図中、37は糸長演
算,糸長表示及びデータの書込み制御を行うマイクロコ
ンピュータで、このマイクロコンピュータ37は、プロ
グラムメモリ,データメモリ及び入出力装置を制御管理
して、与えられたジョブを処理すべく必要な演算,転送
処理を実行するCPU(中央処理装置)39と、演算処
理プログラム及びスプール19の形状に応じた糸長計算
式等を格納したROM41と、CPU39での演算結果
等のデータを記憶するRAM43と、入力インターフェ
ース45及び出力インターフェース47とを備え、これ
らROM41,RAM43,インターフェース45,4
7はバス49を介してCPU39に接続されている。
【0018】又、図中、51はスプール19の回転とそ
の方向を検出するセンサで、このセンサ51はマイクロ
コンピュータ37の入力インターフェース45に接続さ
れており、センサ51から出力されるスプール19の正
転,逆転の判定信号を入力インターフェース45を介し
てCPU39に取り込むことで、内蔵のアップ・ダウン
カウンタ53をアップカウント又はダウンカウント状態
にセットし、そして、センサ51から入力インターフェ
ース45を介して取り込まれるスプール19の回転パル
ス信号をアップカウント又はダウンカウントするように
なっている。
【0019】更に、上記入力インターフェース45に
は、マイクロコンピュータ37をデータ入力モード,糸
長表示モード及びデータ修正モードに切り換えるため
に、既述したモード切換えスイッチ31や規定巻径レベ
ルデータ書込みスイッチ33,最終データ書込みスイッ
チ35が接続されている。
【0020】そして、出力インターフェース47にはデ
コーダ55を介して表示器29が接続されており、この
表示器29は、糸長をデジタル表示する表示部29aを
備えている。その他、図3中、57はマイクロコンピュ
ータ37と表示器29の作動用電池電源である。次に、
図4について説明する。
【0021】図4は特開平5−103567号公報で開
示された糸長計測装置と同様、スプール19の巻き幅m
が変化しないストレートタイプとした場合のスプール1
9の回転数と、このスプール19に巻かれた釣糸17の
巻外周径及び糸長の関係を示すもので、図中、 D :釣糸17が規定巻径レベル25まで巻き取られた
際の巻糸径 Do:スプール19の底径 D1 :釣糸17が最後まで巻き取られた際の巻糸全長径 H :規定巻径レベル25までのスプール19の溝深さ を夫々示している。
【0022】そして、本実施形態では、釣糸17が規定
巻径レベル25まで巻回されると、先ず、その巻径レベ
ル25までのスプール19の回転数Nを入力し、次に、
釣糸17がスプール19に最後まで巻回されたときの巻
糸全長径D1 に対するスプール19の総回転数Neを入
力して、マイクロコンピュータ37のROM41に格納
された糸長計算式 L=dNa2 +eNa・・・(1) 但し、Na:釣糸17の繰出し又は巻取り時のスプール
19の実回転数 d=−πH/N:定数 e=π(Do+2HNe/N):定数 Ne:巻糸全長に対するスプール19の総回転数 N :規定巻径レベル25まで釣糸17を巻回したとき
のスプール19の回転数 から、スプール19の実回転数Naに応じた繰出し糸長
Lを演算実行するものである。尚、巻径レベル25まで
のスプール19の回転数Nや巻糸全長径D1 までのスプ
ール19の総回転数Ne、そして、スプール19の実回
転数Naは、夫々、アップ・ダウンカウンタ53でカウ
ントされて、各計数値がマイクロコンピュータ37のR
AM43に格納されるようになっている。
【0023】次に、スプール19の底径DoからDを経
てD1 まで釣糸17を巻いたときのスプール19の回転
数Nと総回転数Neの基礎データから、上記定数d,e
を演算して糸長計算式(1)を決定する工程を説明す
る。先ず、図示しないON/OFFスイッチのON操作
でマイクロコンピュータ37を初期設定した後、モード
切換えスイッチ31を押すと、マイクロコンピュータ3
7はスプール回転数入力モードに設定される。
【0024】次に、釣糸17の一端をスプール19の底
径部に結び付けた後、一定の張力(300〜500g程
度)をかけ乍らハンドル21を巻取り操作してスプール
19に釣糸17を順次巻き取っていくと、スプール19
の回転に同期して、図示しないレベルワインダ機構の糸
ガイドがスプール19の幅方向へトラバース動作するか
ら、釣糸17は均一な巻きレベルでスプール19に巻回
されていく。
【0025】而して、斯様にスプール19が巻取り方向
に回転すると、アップ・ダウンカウンタ53はアップ方
向に設定され、これに伴いセンサ51から出力されるス
プール19の回転毎のパルス信号は、入力インターフェ
ース45を介してアップ・ダウンカウンタ53に取り込
まれ、順次アップカウントされる。そして、釣糸17が
規定巻径レベル25まで巻き取られたことが目で確認さ
れたならば、釣糸17の巻取り操作を停止し、規定巻径
レベルデータ書込みスイッチ33を押す。
【0026】すると、アップ・ダウンカウンタ53の計
数値が巻径レベル25までのスプール19の回転数Nと
してRAM43に格納され、そして、この回転数Nを基
に、上記定数d=−πH/Nの式から先ず定数dが決定
されることとなる。
【0027】この後、モード切換えスイッチ31を再び
操作してマイクロコンピュータ37をスプール回転数入
力モードに設定した後、ハンドル21を更に巻取り操作
して釣糸17を最後まで巻き取る。而して、スプール1
9が糸巻取り方向に再び回転すると、センサ51から出
力されたスプール19の回転毎のパルス信号が、入力イ
ンターフェース45からアップ・ダウンカウンタ53に
取り込まれて、再びアップカウントが続行される。
【0028】そして、釣糸17が最後まで、即ち、巻糸
全長径D1 までスプール19に巻き取られたならば、最
終データ書込みスイッチ35を操作する。すると、アッ
プ・ダウンカウンタ53の計数値が巻糸全長径D1 まで
のスプール19の総回転数NeとしてRAM43に格納
され、そして、上記e=π(Do+2HNe/N)の式
から定数eが決定されて、糸長計算式(1)の定数d,
eの書込みが完了し糸長計算式(1)が決定される。
【0029】次に、糸長計測動作を図5のフローチャー
トに基づいて説明する。図5のプログラムがスタートす
ると、先ず、ステップS1に於て、釣糸17の繰出しか
否かが判定される。ここで、釣糸17の繰出しであると
判定された場合、釣糸17の繰出しに伴いスプール19
が正転方向へ回転されるため、センサ51からは正転方
向の信号が入力インターフェース45を介してCPU3
9に取り込まれる。そして、これによりアップ・ダウン
カウンタ53をアップ方向に設定すると共に、スプール
19の回転に伴ってセンサ51から出力されるスプール
19回転毎のパルス信号が、入力インターフェース45
を介してアップ・ダウンカウンタ53に取り込まれ、順
次アップカウントされる(ステップS2)。
【0030】次のステップS3では、マイクロコンピュ
ータ37の演算周期毎にアップ・ダウンカウンタ53の
計数内容NaをCPU39に取り込んで、上記糸長計算
式(1)を演算実行し、この演算結果を出力インターフ
ェース47及びデコーダ55を介して表示器29に出力
し、釣糸17の糸長Lを表示部29aにデジタル表示す
る(ステップS4)。
【0031】一方、ステップS1で釣糸17の巻取りで
あると判定された場合には、釣糸17の巻取りに伴いス
プール19が逆転方向へ回転されるため、センサ51か
らは逆転方向の信号が入力インターフェース45を介し
てCPU39に取り込まれ、これによりアップ・ダウン
カウンタ53をダウン方向に設定すると同時に、スプー
ル19の逆回転に伴いセンサ51から出力されるパルス
信号はアップ・ダウンカウンタ53に取り込まれ、その
ダウンカウント動作により繰出し時に計数した内容から
減算する(ステップS5)。
【0032】そして、次のステップS6では、マイクロ
コンピュータ37の演算周期毎にアップ・ダウンカウン
タ53の計数内容NaをCPU39に取り込み、糸長計
算式(1)を演算実行することで巻取り糸長、即ち、繰
り出された糸長から巻取り糸長を差し引いた糸長Lを演
算し、これを表示器29に出力して糸長Lを表示部29
aにデジタル表示する(ステップS7)。
【0033】このように、本実施形態に係る糸長計測装
置も、実釣を行うに当たり、スプール19の回転数N,
Neから糸長計算式(1)の定数d,eを演算して当該
糸長計算式(1)を決定した後、スプールの実回転数N
aを基に糸長Lを演算していく構成となっている。とこ
ろで、本実施形態では、300〜500g程度の所定の
張力をかけ乍ら釣糸17を巻き取って、スプール19の
回転数N,Neから定数d,eを演算して糸長計算式
(1)を決定したが、既述したように実釣時に釣糸17
にかかる張力は対象魚の種類や大きさ,引きの具合い,
仕掛けの錘等によって変動する。
【0034】従って、300〜500gの張力をかけた
場合に比し、例えば実釣時に1Kgの張力がかかった場
合には、釣糸17がスプール19に密に巻かれ、又、釣
糸17自体が伸びて径が若干細くなることもあってスプ
ール19の回転数N,Neがデータ入力時に比し増加
し、その結果、定数d=−πH/Nの式や定数e=π
(Do+2HNe/N)の式で求められた定数d,eの
値が変わるため、正確な糸長計測を行うことができなく
なる。
【0035】そこで、本実施形態は、上述の如き従来と
同一の構成に加え、実釣時の糸張力を計測する糸張力計
測装置を設け、そして、データ入力時の所定の張力(3
00〜500gの張力)と当該糸張力計測装置での計測
張力値を比較して、その計測張力値に応じ糸長を補正処
理するようにしたものである。図6乃至図10は糸張力
計測装置の一実施形態を示し、この糸張力計測装置は本
出願人が特開平6−276900号公報で開示したもの
で、図6に示すように軸受支持部材13は、リング状の
枠体に成形された基部59と、軸受取付孔61に軸受1
1が装着された軸受取付部63、そして、当該軸受取付
部63と基部59とを連結して基部59内に軸受11を
同心上に配置する2本の連結部65が一体に成形されて
おり、連結部65は基部59の直径方向に設けられてい
る。そして、各軸受支持部材13は、釣糸17の引張方
向(図中、矢印方向)に対して連結部65が直交するよ
うに、基部59が各側板1,3に夫々ねじ止めされてい
る。
【0036】又、各連結部65は可撓性を有し、釣糸1
7に張力がかかると、図7に示すようにスプール軸15
にかかる荷重力Fに応じ各連結部65が釣糸17の引張
方向へ撓んで、軸受取付部63が同方向へずれるように
なっている。そして、図8に示すように各軸受支持部材
13の一方の連結部65には、夫々、一対宛のストレイ
ンゲージ67,69,71,73が釣糸17の引張方向
とその逆方向の両側面に接着後、焼き付けられている。
【0037】従来周知のようにこれらのストレインゲー
ジ67,69,71,73は、釣糸17の張力によりス
プール軸15に荷重がかかって軸受支持部材13の連結
部65が撓んだときに、その歪み量に応じストレインゲ
ージ67,69,71,73の抵抗値が変化することで
釣糸17にかかる張力を測定するもので、図9に示すよ
うにストレインゲージ67,69,71,73はブリッ
ジに接続されている。
【0038】又、図8中、75は端子、77はストレイ
ンゲージ67,69,71,73の配線で、配線77は
フレキシブルフイルム化されて回路基板79上の電圧増
幅器にコネクタ81を介して接続されている。回路基板
79には電圧増幅器の他、既述したマイクロコンピュー
タ37やA/Dコンバータ等が装着され、更にその表面
に表示器29やモード切換えスイッチ31等が装着され
ており、回路基板79は、図1に示すボックス27内に
収容されている。
【0039】図10はストレインゲージ67,69,7
1,73のブリッジ回路と増幅器,マイクロコンピュー
タ37の回路図を示し、図中、83はストレインゲージ
67,69,71,73のブリッジ回路、85は電圧増
幅器、87はA/Dコンバータ、そして、89はストレ
インゲージ67,69,71,73の出力の零点とゲイ
ンを自動調節するレギュレーターで、ブリッジ回路83
の接点P1 は電圧増幅器85の入力側に接続されてい
る。そして、電圧増幅器85で増幅されたストレインゲ
ージ67,69,71,73の出力は、A/Dコンバー
タ87でデジタル化されてマイクロコンピュータ37に
入力されるようになっている。
【0040】又、電池電源57の寿命を伸ばすため、ブ
リッジ回路83の接点P2 にON/OFFスイッチ91
を接続してあり、マイクロコンピュータ37からの信号
でON/OFFスイッチ91を作動させて短時間だけス
トレインゲージ67,69,71,73に通電し、糸張
力のデータをマイクロコンピュータ37に取り込むよう
にしている。
【0041】そして、マイクロコンピュータ37のRO
M41には、糸長計算式(1)で演算した糸長Lを計測
張力値に応じ補正する係数が記憶されている。この係数
は、所定の張力値(300〜500g)に対する計測張
力値の割合に応じて多数設定,記憶されたもので、CP
U39は計測張力値が例えば1kgであるとき、所定の
張力値(300〜500g)に対する当該計測張力値の
割合から設定された係数を演算糸長値Lに乗算して、そ
の補正値を表示器29の表示部29aに表示し、又、計
測張力値が例えば800gであるならば、所定の張力値
(300〜500g)に対する当該計測張力値の割合か
ら設定,記憶された係数を演算糸長値Lに乗算して、そ
の補正値を釣糸17の繰出し量として表示部29aに表
示させるようになっている。
【0042】本実施例に係る糸張力計測装置はこのよう
に構成されているから、上述したように実釣を行うに当
たり、スプール19の回転数N,Nをeをセンサ51で
求めて、これらの回転数N,Neを基にd=−πH/N
及びe=π(Do+2HNe/N)の各式から定数d,
eを算出することで、糸長計算式(1)が決定される。
そして、以後、実釣時に於けるスプール19の実回転数
Naを基に糸長計算式(1)が演算実行されることとな
る。
【0043】又、この時、マイクロコンピュータ37に
は、ストレインゲージ67,69,71,73から糸張
力のデータが入力されており、スプール19から繰り出
された釣糸17の仕掛けに魚が掛かって、魚の引きで釣
糸17に張力が掛かると、その引張力はスプール19及
びスプール軸15を介して軸受支持部材13の軸受取付
部63に作用するので、図7に示すようにスプール軸1
5に掛かる荷重力Fに応じて各連結部65が釣糸17の
引張方向へ撓む。
【0044】而して、斯様に連結部65に撓みが生ずる
と、これに装着したストレインゲージ67,69,7
1,73の抵抗値が変化してブリッジの平衡状態が崩
れ、図10に示す接点P1 とこれに対向する接点P3
の間に電位差が生じる。この電位差は、釣糸17にかか
る張力と比例したものである。そして、接点P1 ,P3
間で生じた電位差は、電圧増幅器85で増幅されA/D
コンバータ87でデジタル化されてマイクロコンピュー
タ37に入力される。
【0045】そして、上述したようにマイクロコンピュ
ータ37に入力された計測張力値が例えば1kgである
ならば、所定の張力値(300〜500g)に対する当
該計測張力値の割合から設定された係数が演算糸長値L
に乗算されて、その補正値が計測張力値に応じた糸長と
して表示器29の表示部29aに表示されることとな
る。
【0046】同様に、マイクロコンピュータ37に、例
えば800gの計測張力値が入力されたとき、CPU3
9は、所定の張力値(300〜500g)に対する当該
計測張力値の割合から設定,記憶された係数を演算糸長
値Lに乗算して、その補正値が計測張力値に応じた糸長
として表示器29の表示部29aに表示されることとな
る。
【0047】このように、本実施形態は、実釣時に釣糸
17にかかる張力が対象魚の種類や大きさ,引きの具合
い,仕掛けの錘等によって変動する実情に鑑み、データ
入力時の所定の張力(300〜500gの張力)と糸張
力計測手段での計測張力値を比較して糸長を補正処理す
るようにしたので、従来の糸張力計測装置に比し実釣時
の張力変動に影響を受けることなく正確な糸長計測が可
能となった。
【0048】尚、従来、例えば特開平7−99867号
公報,特開平8−103195号公報又は実開平5−8
8268号公報等には、釣糸にかかる張力を計測する様
々な糸張力計測装置が開示されており、上述した糸張力
計測装置に代えてこれらの従来技術を用いてもよい。
又、本実施形態では、所定の張力値(300〜500
g)に対する計測張力値の割合に応じた係数をROM4
1に多数記憶させて、これを糸長計算式(1)の演算糸
長値に乗算して糸長を補正処理したが、その他の糸長の
補正方法として、以下の方法が提案される。
【0049】即ち、既述したように上記実施形態では、
300〜500g程度の所定の張力をかけ乍ら釣糸17
を巻き取って、スプール19の回転数N,Neから定数
d,eを演算して糸長計算式(1)を決定したが、釣糸
17にかかる張力は対象魚の種類や大きさ,引きの具合
い,仕掛けの錘等によって変動し、実釣時に1Kgの張
力がかかった場合には、釣糸17がスプール19に密に
巻かれ、又、釣糸17自体が伸びて径が若干細くなるこ
ともあってスプール19の回転数N,Neが増加し、そ
の結果、定数d=−πH/Nの式や定数e=π(Do+
2HNe/N)の式で求められた定数d,eの値が変わ
ってしまう。
【0050】そこで、マイクロコンピュータ37のRO
M41に、糸張力計測手段装置からの測張力値が例えば
1kgであるとき、所定の張力値(300〜500g)
に対する計測張力値の割合に応じ、定数d,eを補正し
た定数d-1,d-2,d-3,・・・及び定数e-1,e-2,
e-3,・・・を記憶させて、所定の張力値に対する計測
張力値の割合に応じたこれらの補正定数で糸長計算式
(1)の演算処理を行い、糸長Lを補正処理するように
してもよい。
【0051】而して、斯かる実施形態によっても、上記
実施形態と同様、従来の糸張力計測装置に比し実釣時の
張力変動に影響を受けることなく正確な糸長計測が可能
である。又、リール本体に装着したスプール駆動モータ
でスプールを駆動する電動の魚釣用リールにあっては、
釣糸にかかる張力が変動すると、モータ軸にかかるトル
ク値が変動し、そして、電流値も変動する。
【0052】そこで、この電流値を検出し、又、スプー
ル駆動モータのIT特性の関係からモータ軸トルクが分
かり、そして、リール固有の減速比からスプールにかか
っているトルクが分かるから、この時の糸巻半径から張
力を求めて、上記実施形態と同様、糸長計算式(1)で
の演算糸長値を補正し、或いは所定の張力値に対する計
測張力値の割合に応じた補正定数で糸長計算式(1)の
演算処理を行って、糸長を補正処理するようにしてもよ
い。
【0053】更に又、或る単位(1周期)時間のうち、
何パーセントの時間出力したかをその時点の出力デュー
ティと称するが、この出力デューティと電流値及びスプ
ール駆動モータのIT特性からモータ軸トルクが分か
り、そして、リール固有の減速比からスプールにかかっ
ているトルクが分かるから、この時の糸巻半径から張力
を求めて糸長を補正処理してもよい。
【0054】而して、これらの糸張力計測手段を用いて
も、上記実施形態と同様、所期の目的を達成することが
可能である。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に係る糸長
計測装置によれば、従来に比し実釣時の張力変動に応じ
た正確な糸長計測が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の一実施形態に係る糸長計測装置を備
えた魚釣用リールの全体斜視図である。
【図2】図1に示す魚釣用リールの要部切欠き正面図で
ある。
【図3】本発明の一実施形態に係る糸長計測装置の基本
的な構成を示すブロック図である。
【図4】規定巻径レベルと釣糸の巻外周径等を示すスプ
ールの正面図である。
【図5】糸長計測の手順を示すフローチャートである。
【図6】軸受支持部材とスプールの分解斜視図である。
【図7】軸受支持部材の連結部の撓み状態を示す斜視図
である。
【図8】釣糸張力計測装置の分解斜視図である。
【図9】ストレインゲージのブリッジ回路図である。
【図10】ストレインゲージのブリッジ回路と増幅器,
マイクロコンピュータの回路図である。
【符号の説明】
7 魚釣用リール 9 リール本体 13 軸受支持部材 17 釣糸 19 スプール 25 規定巻径レベル 29 表示器 37 マイクロコンピュータ 39 CPU 51 センサ 59 基部 63 軸受取付部 65 連結部 67,69,71,73 ストレインゲージ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スプールに設定した規定巻径レベルまで
    釣糸を巻き取った際のスプールの総回転数、 又は、スプールに設定した規定巻径レベルまで釣糸を巻
    き取った際のスプールの回転数及び釣糸の巻取り全長ま
    でのスプールの総回転数と、 規定巻径レベルまでの糸巻径とスプールの形状とで糸長
    計算式を決定した後、 釣糸の繰出しや巻取りに伴うスプールの実回転数を基に
    糸長計算式を演算実行して、その演算値を表示部に表示
    する魚釣用リールの糸長計測装置に於て、 実釣時に於ける糸張力を計測する糸張力計測手段を備
    え、 糸長計算式決定時の糸張力と当該糸張力計測手段での計
    測張力値を比較し、当該計測張力値に応じ糸長を補正処
    理することを特徴とする魚釣用リールの糸長計測装置。
JP230997A 1997-01-09 1997-01-09 魚釣用リールの糸長計測装置 Pending JPH10191848A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP230997A JPH10191848A (ja) 1997-01-09 1997-01-09 魚釣用リールの糸長計測装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP230997A JPH10191848A (ja) 1997-01-09 1997-01-09 魚釣用リールの糸長計測装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10191848A true JPH10191848A (ja) 1998-07-28

Family

ID=11525762

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP230997A Pending JPH10191848A (ja) 1997-01-09 1997-01-09 魚釣用リールの糸長計測装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10191848A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110608698A (zh) * 2018-06-15 2019-12-24 西部超导材料科技股份有限公司 一种利用匝数累计测量超导编织扁线长度的方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110608698A (zh) * 2018-06-15 2019-12-24 西部超导材料科技股份有限公司 一种利用匝数累计测量超导编织扁线长度的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5382701B2 (ja) 電動リールのモータ制御装置
JP2702817B2 (ja) 魚釣用リールの糸長計測装置
JP5764014B2 (ja) 両軸受リールの張力表示装置
JP2011097831A (ja) 釣り用リールの糸長表示装置
JP2010239931A5 (ja)
JP2013048594A5 (ja)
JP2002262738A (ja) 電動リール
JPH10191848A (ja) 魚釣用リールの糸長計測装置
JP3515881B2 (ja) 魚釣用リール
JP3152337B2 (ja) 魚釣用リールの糸長計測装置
JP3066991B2 (ja) 釣り用リール
JP3797815B2 (ja) 釣り用リールの糸長計測装置
JP3481091B2 (ja) 魚釣用リール
JP2634718B2 (ja) 魚釣用電動リール
JP3045045B2 (ja) 魚釣用リールの糸長計測装置
JP2606929B2 (ja) 魚釣用リール
JPH0799866A (ja) 魚釣用リール
JP4039743B2 (ja) 釣り用リール
JP2001161232A (ja) 釣り用リールの糸長計測装置
JPH01276011A (ja) 魚釣用リールの糸長計測装置
JP2846360B2 (ja) 魚釣用リール
JP2772356B2 (ja) 魚釣用リールの糸長測定装置
JP3107629B2 (ja) 釣用リールの釣糸長さ測定装置
JP2001095436A (ja) 魚釣用リールの糸長計測装置
JP2500372Y2 (ja) 魚釣用リ―ルの糸長計測装置