JPH10189322A - 磁性薄膜 - Google Patents

磁性薄膜

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JPH10189322A
JPH10189322A JP35074296A JP35074296A JPH10189322A JP H10189322 A JPH10189322 A JP H10189322A JP 35074296 A JP35074296 A JP 35074296A JP 35074296 A JP35074296 A JP 35074296A JP H10189322 A JPH10189322 A JP H10189322A
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JP
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ferromagnetic
thin film
metal
ferromagnetic metal
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JP35074296A
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Hiroyasu Fujimori
啓安 藤森
Seiji Mitani
誠司 三谷
Yuichi Sato
雄一 佐藤
Osamu Shinoura
治 篠浦
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TDK Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/007Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure ultrathin or granular films

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
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  • Power Engineering (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Soft Magnetic Materials (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決すべき課題】本発明の課題は、高飽和磁束密度と
高比抵抗を同時に実現し、渦電流、強磁性共鳴による損
失を低減し、高周波においても高透磁率を示す磁性薄膜
を提供することにある。 【解決の手段】本発明においては、平均粒径が20nm
以下の強磁性金属微粒子相と高比抵抗強磁性絶縁相がグ
ラニュラー構造で存在し、例えば500MHz以上の高
周波においても300以上の高い透磁率を示すととも
に、1.3T以上の高飽和磁束密度を有する軟磁性薄膜
が提供される。特に、強磁性金属相が鉄およびコバルト
のいずれか1種以上を主要構成元素としており、かつ強
磁性絶縁相が鉄および酸素を主要構成元素とする酸化物
であって、前記強磁性金属と実質的に固溶体を形成せ
ず、強磁性金属よりも酸化しにくい非磁性金属元素(例
えばAu,Ag,Cuの1種類以上)を20原子%以下
の割合で含有することで前記の軟磁性薄膜が提供され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁性薄膜に関するもので
あり、特に、高周波での使用に好適な磁気ヘッド、薄膜
インダクタ、薄膜トランス、薄膜磁気フィルター等のた
めの軟磁性薄膜に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化にともなって、
各種の電子デバイスや磁気デバイスの高周波化が進めら
れている。例えば磁気ヘッドにおいては、その動作周波
数が現在の数十MHzから近い将来には数百MHz以上
まで高くされると見込まれている。これに加えて、薄膜
インダクタやトランス等のマイクロ磁気デバイスやノイ
ズフィルターについても、高周波化への対応が求められ
ている。しかしながら、例えばNiFe合金等の従来の
磁性金属薄膜は、その比抵抗ρが低いことから渦電流損
失が大きくなり、高周波における透磁率が低下するため
に、このような高周波機器に対応できないという難点が
あった。このような技術的背景もあり、数百MHz以上
の高周波に対応可能な軟磁性薄膜の実現が要望されてい
る。
【0003】一般的に、磁性材料の周波数特性を制限す
る原因となるものは、渦電流と磁気共鳴による損失であ
る。まず渦電流損失周波数についてみると、磁性材料の
薄膜化と高比抵抗化によって低減される。また強磁性共
鳴周波数については、飽和磁化を大きくすること、大き
い異方性磁界を付与することにより、より高周波側にシ
フトされる。即ち、高周波領域において優れた特性を示
す磁性材料は、高比抵抗かつ高飽和磁束密度の薄膜体を
構成するものである。
【0004】ところで、高い比抵抗を持つ軟磁性薄膜と
しては、強磁性金属相と非磁性絶縁体相が相分離した状
態で存在するグラニュラー構造を持つ軟磁性薄膜が既に
知られている。ここでいう「グラニュラー構造」とは、
強磁性金属相が微細な粒子として絶縁体相の中に分散し
た状態で存在する構造を表すものである。
【0005】例えば、特開平4−26105号公報に
は、「Fe−M−O」(Mは3A族元素および4A族元
素から選択される一種以上の元素)で表される軟磁性薄
膜が開示されている。
【0006】また、特開平4−62806号公報には、
「Co−M−O」(Mは3A族元素,4A族元素および
5A族元素から選択されれる一種以上の元素)で表され
る軟磁性薄膜が開示されている。
【0007】これらのグラニュラー構造をもつ軟磁性薄
膜は、Fe、Coのような強磁性金属元素、該強磁性金
属元素よりも酸素と結合しやすい元素M、および酸素に
よって構成されている。
【0008】この強磁性相と非磁性酸化物絶縁相が相分
離した状態にあるグラニュラー構造によれば、高い比抵
抗を実現することができる。即ち、電気学会マグネテッ
クス研究会資料MAG−96−158によれば、「Co
−M−O」(MとしてGe,Sn,Si,Al)系のグ
ラニュラー構造膜において、M酸化物の生成熱(即ち、
Mの酸化のしやすさの程度)により、形成される膜構造
が異なり、Co酸化物の生成熱との差が大きいMである
程、グラニュラー構造膜の形成が容易である旨の報告が
なされている。また、「Co−Al−O」系のグラニュ
ラー構造膜については、原因は明らかにされていない
が、Pdを添加することにより、大きな異方性磁界およ
び良好な軟磁性が得られることも報告されている。
【0009】さて、強磁性相と非磁性酸化物絶縁相が相
分離したグラニュラー構造を持つ軟磁性薄膜において
は、その高比抵抗化のためには膜中の絶縁体相の割合を
増加させることが必要であるが、絶縁体相が非磁性であ
るために、その割合を増加させると飽和磁束密度が減少
してしまうという難点があった。即ち、高飽和密度化と
高比抵抗化とは相反する関係が存するという問題点があ
った。
【0010】一方、特開平6−251939号において
は、強磁性金属相と強磁性高比抵抗相を有する薄膜とし
てαFeとFe4Nの2相からなる軟磁性薄膜が開示さ
れている。ここで、Fe4Nは1.6Tというような高
飽和磁束密度を持つ強磁性体であり、かつαFeが全体
積の20〜60%を占めていることから、1.78T〜
1.91Tというような高飽和磁束密度の薄膜が作製さ
れている。しかしながら、前記Fe4Nの比抵抗が高く
ないことから、薄膜全体としての比抵抗は最高でも10
0μΩcm程度に過ぎないとう難点があった。なお、Fe
4Nの比抵抗は具体的には開示されていないけれども、
これが全体積の60%を占める場合もあることからみ
て、200〜300μΩcm以下であるものと推測され
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記された従
来技術において見出された課題を解決すべくなされたも
のであり、高飽和磁束密度および高比抵抗を同時に実現
して、渦電流、強磁性共鳴による損失を低減するととも
に、高周波においても高透磁率を示す磁性薄膜を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討、研究した結果、以下の磁性薄
膜を見出すに至った。即ち、 (1)強磁性金属相と比抵抗が1000μΩcm以上の強
磁性絶縁相が存在し、該強磁性金属相を構成する金属粒
子の平均粒径が20nm以下であることを特徴とする磁
性薄膜。
【0013】(2)前記強磁性金属相を構成する金属粒
子の平均粒径が10nm以下であることを特徴とする
(1)の磁性薄膜。
【0014】(3)前記強磁性金属相が鉄およびコバル
トの中の少なくとも1種類を主要構成元素とし、かつ強
磁性絶縁相が鉄および酸素を主要構成元素とする酸化物
であることを特徴とする(1)または(2)の磁性薄
膜。
【0015】(4)前記強磁性金属と実質的に固溶体を
形成せず、強磁性金属よりも酸化しにくい非磁性金属元
素の少なくとも1種類を20原子%以下の割合で含有す
る(1)〜(3)のいずれかの磁性薄膜。
【0016】(5)前記強磁性金属と実質的に固溶体を
形成せず、強磁性金属よりも酸化しにくい非磁性金属元
素がAu,Ag,Cuであることを特徴とする(1)〜
(4)のいずれかの磁性薄膜。
【0017】
【作用】本発明によれば、金属粒子の平均粒径が20n
m以下である強磁性金属相と高比抵抗の強磁性絶縁相を
グラニュラー構造で存在させることで、例えば500M
Hz以上の高周波においても300以上の高い透磁率を
示し、これに加えて1.3T以上の高飽和磁束密度を有
する軟磁性薄膜を提供することができる。これをより詳
細にいえば、前記強磁性金属相については鉄およびコバ
ルトの中の少なくとも1種類を主要構成元素とし、強磁
性絶縁相については鉄および酸素を主要構成元素とする
酸化物として、前記強磁性金属と実質的に固溶体を形成
せず、強磁性金属よりも酸化しにくい非磁性金属元素
(例えばAu,Ag,Cu中の少なくとも1種類)を2
0原子%以下の割合で含有させることにより、本発明に
係る軟磁性薄膜を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係る磁性薄膜はグラニュ
ラー構造を持つものであり、所定の強磁性金属相を対応
の強磁性絶縁体相と相分離した状態で存在させることに
より得られるものである。より詳細には、この磁性薄膜
は、強磁性金属相と比抵抗が1000μΩcm以上の強磁
性絶縁相とを存在させることで構成されるものであり、
該強磁性金属相を構成する金属粒子の平均粒径がが20
nm以下であるようにされる。
【0019】より具体的には、例えば鉄を主成分とした
強磁性金属相と鉄の酸化物相からなる強磁性絶縁体相を
相分離した状態で存在させることにより、本発明に係る
磁性薄膜が構成される。即ち、極く微細な金属粒子から
なる強磁性金属相を強磁性絶縁相中に分散させることに
より、軟磁気特性を得るために好適なグラニュラー構造
のものが得られる。このようなグラニュラー構造にする
と、強磁性金属相が強磁性絶縁相により分離させられ、
結果的に高い比抵抗を示す。さらにいえば、ここでの絶
縁相も強磁性を有しているために、高い飽和磁束密度を
も示すことになる。かくして、本発明に係る磁性薄膜に
おいては、優れた軟磁気特性を示すとともに、従来は相
反するものとされていた高飽和磁束密度と高比抵抗とを
同時に実現することができる。
【0020】前記の強磁性金属相を構成する金属として
は、先に例示した鉄に加えて、コバルトの単体金属やこ
れらの合金を選択・使用することができる。また、前記
の鉄またはコバルトの単体金属やこれらの合金を主要構
成元素とし、後述される他の元素を含有するようにした
強磁性金属を用いることもできる。ここで、前記強磁性
金属相を構成する金属粒子の平均粒径は20nm以下
(より好ましくは10nm以下)にすることが好適であ
る。その平均粒径が上記の値(即ち、20nm)よりも
大きいときには、結晶磁気異方性の影響のために軟磁気
特性が劣化してしまう。なお、ここでの平均粒径の値
は、X線回折による半値幅からの算出値や透過電子顕微
鏡による観察の結果として得られた値を指すものであ
る。
【0021】本発明において用いられる強磁性絶縁体相
を構成する材料としては、その比抵抗が1000μΩcm
以上のものが選択・使用される。その比抵抗が1000
μΩcmよりも低いときには、薄膜全体の比抵抗が低くな
り、その結果として高周波特性が劣化することになる。
【0022】前記強磁性絶縁体相を構成する材料として
は、例えば鉄の酸化物であるγFe23を使用すること
ができる。ただし、本発明に係る磁性薄膜を構成する強
磁性絶縁体相としては、単相のγFe23だけではな
く、鉄の酸化物相を局部的に含むようにした、「Fe−
O」系の非平衡状態のものであってもよい。また、他の
強磁性絶縁体、例えば、Fe34,ZnFe24,Mg
Fe24のスピネルフェライト等によって構成すること
もできる。
【0023】さらに、本発明に係る磁性薄膜において
は、対応の強磁性金属と実質的に固溶体を形成せず、強
磁性金属よりも酸化しにくい非磁性金属元素の少なくと
も1種類を20原子%以下の割合で含有させることが望
ましい。
【0024】ここで、「強磁性金属と実質的に固溶体を
形成せず」とは、固溶体を全く形成しない場合の他に、
固溶限が15原子%以下と少ない場合も含むことを意味
する。例えばCuについてみると、鉄に対しては1.8
%を限度として固溶体を形成し、コバルトに対しては1
0〜12%を限度として固溶体を形成するが、このよう
な場合を含めて上記のように表現した。
【0025】なお、対応の強磁性金属と実質的に固溶体
を形成せず、強磁性金属よりも酸化しにくい非磁性金属
元素を添加することは、強磁性金属相を微細化し、軟磁
気特性の実現に好適なグラニュラー構造を生成するため
には有効である。その理由は、前記軟磁気特性はナノス
ケールのグラニュラー構造(即ち、微細構造)に起因し
ており、前記非磁性金属元素の添加をすることは、その
析出により強磁性金属相の結晶粒の粗大化を抑制する効
果を持つことによる。また、前記非磁性金属元素の添加
をすることにより、飽和磁束密度を下げることに加え
て、比抵抗をも低下させることから、その添加量を20
原子%以下にすることが好ましい。この限度を超えて添
加した場合には、高い飽和磁束密度が得られなくなるだ
けではなく、比抵抗も低下してしまう。前記非磁性金属
元素としては、対象とする複数種類の金属元素の中の単
体金属元素を選択することも可能であるが、その中の2
種類以上を添加対象として選択してもよい。
【0026】鉄またはコバルトを主成分とする強磁性金
属と実質的に固溶体を形成させないことにより、強磁性
金属相を微細化および軟磁気特性の実現に好適なグラニ
ュラー構造を得るために有効非磁性金属元素としては、
Au,Ag,Cuを挙げることができる。
【0027】本発明に係る軟磁性薄膜は、例えば反応性
スパッタ法や複合ターゲット法を適用することによって
製造することができる。前者の反応性スパッタ法におい
ては、強磁性金属をターゲットとして、酸素を含む雰囲
気中でスパッタ成膜することにより製造される。このと
きのターゲットは、鉄またはコバルトの単体金属ターゲ
ットでもよく、その1種以上を含有する合金ターゲット
または前記強磁性金属と組み合わせた複合ターゲットで
もよい。また、前記非磁性金属元素をさらに組み合わせ
た形態の複合ターゲットであってもよい。
【0028】一方、強磁性金属と強磁性酸化物を組み合
わせた形態である、後者の複合ターゲット法では、鉄ま
たはコバルトの単体金属もしくはその合金ターゲットと
γFe23等の強磁性酸化物を組み合わせた複合ターゲ
ット、さらに前記した非磁性金属元素を組み合わせた複
合ターゲットを、純Ar雰囲気中でスパッタ成膜するこ
とによって、本発明に係る軟磁性薄膜が製造される。な
お、ここでのスパッタ成膜は、酸素を含有する混合ガス
雰囲気中で行うこともできる。
【0029】前記スパッタ成膜に適用されるスパッタ法
としては、rfスパッタ法以外にイオンビームスパッタ
法その他特に制限されるものはない。その成膜時の反応
を促進させるためは、軟磁性薄膜を生成させる基板につ
いて所要の加熱を施すこともできる。この基板加熱を施
す場合には、酸素拡散の恐れがあることから、200℃
以下の低温加熱が望ましい。
【0030】本発明に係る軟磁性薄膜は、異方性磁界H
kの付与のために所定の磁界中で成膜することが望まし
い。その他に、無磁界中で成膜した後に静磁界中で熱処
理することによって前記Hkを付与することもできる。
【0031】また、本発明に係る軟磁性薄膜は、成膜し
たままの状態でも軟磁気特性を示すものである。さら
に、この軟磁気特性に改善を施すために適当な熱処理を
行うこともできる。この場合には、例えば、鉄の酸化物
で構成される強磁性酸化物相中の酸素が強磁性金属相に
拡散することがあるために、300℃以下の温度で熱処
理を行うことが好ましい。これを超える高温の熱処理を
行うことにより酸素が拡散した場合には、グラニュラー
構造が破壊されてしまい、良好な軟磁気特性を示さなく
なる。また、この酸素の拡散により、飽和磁束密度の低
下や比抵抗の低下を生じる可能性もある。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を示し、
本発明をさらに説明する。
【0033】試料作製はrfマグネトロンスパッタ装置
を用いて行った。
【0034】基板は厚さ0.5mmのコーニング社製製
品番号7059のガラス基板およびグラッシーカーボン
基板を用い、間接水冷とした。
【0035】ターゲットは、直径100mmの純鉄また
は純コバルトのターゲットに、γFe23チップ、Fe
-B(80:20at%)チップ、Au(金)およびV
(バナジウム)の非磁性金属チップを、「表1」に示す
ように、面積比で0〜15%組み合わせた複合ターゲッ
トとした。
【0036】ここで、実施例におけるAuは、鉄および
コバルトに対して実質的に固溶体を形成しない非磁性金
属として添加された。
【0037】また、比較例におけるVは、鉄に対して固
溶体を形成する非磁性金属として添加された。
【0038】なお、Fe-B(80:20at%)チッ
プの比抵抗は300μΩcmであった。
【0039】これに対して、γFe23チップの比抵抗
は5000μΩcm以上であり、正確な数値は測定不能で
あった。
【0040】また、スパッタ雰囲気としては純アルゴン
を用いた。
【0041】なお、一部の実施例(実施例6,7)につ
いては、強磁性酸化物のチップを用いず、スパッタ雰囲
気中に酸素を分圧2%含有した(アルゴン+酸素)混合
ガスを用いた反応性スパッタ法により試料を作製した。
【0042】薄膜試料に一軸磁気異方性を付与するた
め、基板面に平行に250 Oe の磁界を成膜中に永久磁
石により印加した。その成膜レートは約2〜40nm/
秒であり、膜厚は組成分析用には約100nmとし、後
述するEPMAによる組成分析用と比抵抗及び磁気特性
の評価用には1μmとした。
【0043】前記薄膜試料は成膜したままの状態で以下
の測定方法により評価した。
【0044】(1)組成分析はラザフォード後方散乱法
(RBS)およびX線マイクロアナライザー(EPM
A)により行った。
【0045】(2)比抵抗ρの測定は直流4端子法によ
り行った。
【0046】(3)飽和磁束密度Bsと保磁力Hcの測
定は振動試料型磁力計(VSM)により行った。
【0047】(4)透磁率μの測定についてはパラレル
ライン法により500MHzにおいて行った。
【0048】(5)結晶粒径Dは透過電子顕微鏡(TE
M)による観察およびX線回折法(XRD)からシェラ
ーの式を適用して求めた。
【0049】この評価結果は「表2」に示されていると
おりである。「表2」において、例えば実施例1につい
てみると、「Fe−O8」と記載されているのは、Oを
8原子%,残余をFeとする組成比率を表し、他の実施
例、比較例についても同様である。
【0050】以上の結果から本発明の効果は明瞭であ
る。即ち、「表2」における実施例1〜9を比較例10
〜16と対比すれば明らかであるように、各実施例にお
ける比抵抗ρおよび飽和磁束密度Bsが同時に改善さ
れ、高い透磁率μが得られている。
【0051】本発明の実施例によれば、高周波において
も損失が少なく、高い透磁率μが得られる磁性薄膜を得
ることができる。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】上記した詳細な説明から理解されるよう
に、本発明によれば、高飽和磁束密度および高比抵抗を
同時に実現して、渦電流、強磁性共鳴による損失を低減
するとともに、高周波においても高透磁率を示す磁性薄
膜が得られる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強磁性金属相と比抵抗が1000μΩcm以
    上の強磁性絶縁相が存在し、該強磁性金属相を構成する
    金属粒子の平均粒径が20nm以下であることを特徴と
    する磁性薄膜。
  2. 【請求項2】前記強磁性金属相を構成する金属粒子の平
    均粒径が10nm以下であることを特徴とする請求項1
    に記載の磁性薄膜。
  3. 【請求項3】前記強磁性金属相が鉄およびコバルトの中
    の少なくとも1種類を主要構成元素とし、かつ強磁性絶
    縁相が鉄および酸素を主要構成元素とする酸化物である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の磁性薄膜。
  4. 【請求項4】前記強磁性金属と実質的に固溶体を形成せ
    ず、強磁性金属よりも酸化しにくい非磁性金属元素の少
    なくとも1種類を20原子%以下の割合で含有する請求
    項1〜3のいずれか1項に記載の磁性薄膜。
  5. 【請求項5】前記強磁性金属と実質的に固溶体を形成せ
    ず、強磁性金属よりも酸化しにくい非磁性金属元素がA
    u,Ag,Cuであることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか1項に記載の磁性薄膜。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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