JPH10185437A - 直流アーク溶解炉およびその操業方法 - Google Patents

直流アーク溶解炉およびその操業方法

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JPH10185437A
JPH10185437A JP8349199A JP34919996A JPH10185437A JP H10185437 A JPH10185437 A JP H10185437A JP 8349199 A JP8349199 A JP 8349199A JP 34919996 A JP34919996 A JP 34919996A JP H10185437 A JPH10185437 A JP H10185437A
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furnace
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scrap
voltage
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Hideaki Mizukami
秀昭 水上
Shuzo Uchino
周三 内野
Hirotsugu Kubo
博嗣 久保
Keiji Wakahara
啓司 若原
Hidehiko Yato
秀彦 矢戸
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

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  • Vertical, Hearth, Or Arc Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 瞬時的なサイドアーク発生時には可動電極を
上昇させず、平均投入電力の低下を抑制し、更に、アー
ク熱および炉内発生ガスからスクラップへの着熱効率の
高い直流アーク溶解炉とその操業方法。 【解決手段】 炉本体の形状を、炉内側壁上端までの高
さLと炉内径DとがL/D=0.6 〜1.4 にし、電力投入
制御装置を、電圧が所定値より下がった場合の電圧低下
信号および電流が所定値以上であることの通流信号を受
けたら、先ず可動電極1の昇降を停止する。上記電圧低
下信号および通流信号が所定時間以上継続したときには
じめて、可動電極1を急速に上昇させて短絡を解消す
る。 【効果】 スクラップ溶解時の熱効率向上および平均投
入電力の向上によりコスト低減および生産性向上に寄与
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金属原料の溶解およ
び溶融金属の精錬に使用される直流ア−ク溶解炉におい
て、初装入チャンスに大量のスクラップを装入して溶解
効率を高め、しかも溶解過程でのスクラップの崩れ落ち
時に発生するアークの短絡制御による操業時間の増大を
抑制し、もって効率的な電気炉操業に資するアーク溶解
炉設備およびその操業方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アーク溶解炉における金属の溶解におい
ては、溶解原料であるスクラップを炉内へ装入し、アー
ク加熱することによりこれを溶解する。この場合、一般
的には、炉内への初装入分のスクラップがある程度溶解
してスクラップが崩れ落ち、炉内に追加スクラップを装
入するための容積が形成されたところで追加装入をする
方法がとられている。これに対して最近、追加装入時の
炉熱放散による熱損失および炉外への粉塵発生による環
境悪化を改善するために、1溶解の出湯に要するスクラ
ップの全量を初装入の1チャンスで装入し、しかる後に
溶解作業に入る方法が提案されている。
【0003】上述した初装入でスクラップ全量を装入す
る方法に使用されるアーク溶解炉は、炉内容積を大きく
するに当たり、溶解および精錬の全期間を通じた熱効率
改善の観点から、炉高を高くした形状の電気炉が提案さ
れている。例えば、実開平1167594号公報は、ア
ーク溶解炉においてシルレベル(電気炉のスラグ排出口
の上端面)から炉本体上端面までの高さをHとし、炉本
体を構成する炉殻の内径をDとするとき、H≧0.75
Dを満たす形状の炉本体を用いることにより、熱効率の
改善を図ろうとする技術(以下、「先行技術」という)
を開示している。
【0004】次に、従来の直流アーク溶解炉におけるス
クラップ溶解時の電力制御について説明する。スクラッ
プ溶解は炉本体の上部に炉蓋を通して炉内に昇降される
可動電極とスクラップとの間に発生するアーク熱により
加熱・溶解される。この間、正常なアークの発生時と、
溶けて崩れ落ちたスクラップと可動電極との接触による
短絡発生時とに分けられる。
【0005】図4に、電源系を含む従来の直流アーク溶
解炉例の全体構成図を示す。電源系として、一次側の送
電系統Eから遮断器15を経て炉用変圧器16の二次側
にあるサイリスタ整流器17の正極側に、リアクトル1
8を介して炉底電極5が接続され、サイリスタ整流器1
7の負極側には可動電極1が接続されている。制御系と
して、アーク電圧制御系とアーク電流制御系とが設けら
れている。
【0006】スクラップの正常溶解時についてみると、
アーク電圧制御系は、電圧検出器13からの検出電圧と
電圧設定器11からの設定電圧とが加算器20に送られ
て偏差電圧が求められ、調節部21に送られる。調節部
21は比例制御に従って偏差電圧に応じた昇降制御信号
を求め、可動電極昇降用の油圧駆動装置23に送出し、
これにより可動電極1とスクラップ3との間に適正なギ
ャップを保持し、アーク電圧を所定値に制御する。一
方、アーク電流制御系は、電流検出器14からの検出電
流と電流設定器12からの設定電流とが加算器19に送
られて偏差電流が求められ、ゲート制御部10に送られ
る。ゲート制御部10は偏差電流に応じてサイリスタ1
7の点弧角を制御し、アーク電流を所定値に制御する。
【0007】以上の構成により可動電極1とスクラップ
3との間にアーク2を発生させスクラップ3を加熱・溶
解する。これに対して溶解中にスクラップ3が崩れ落
ち、スクラップ3’が可動電極1に接触して電気的に短
絡が発生するとアーク電圧が0となり、電力が下がる。
この場合には、アーク電圧監視部7およびアーク電流監
視部8が機能する。
【0008】アーク電圧監視部7は、所定の比較電圧
(例えば、100V)と検出電圧とを比較して検出電圧
が比較電圧よりも低下したときに電圧低下信号を送出す
る機能を有し、また、アーク電流監視部8は、所定の比
較電流(例えば定格電流の20%)と検出電流とを比較
して検出電流が比較電流を超過したときに通流信号を送
出する機能を有する。そして、電圧低下信号および通流
信号が短絡判定部9に送出され、短絡判定部9はこれを
受けて短絡発生信号を調節部21に送る。調節部21は
これを受けて電極昇降機構Sにより可動電極1を急速上
昇させて短絡を解消させる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図5に、背高型の直流
アーク溶解炉においてスクラップの溶解が進行し、崩れ
落ちたスクラップが電極と接触して短絡が発生するに至
る過程の説明図を示す。同図において、アーク溶解炉は
直流アーク溶解炉の場合であり、1は可動電極、5は炉
底電極そして4は溶湯である。溶解初期の所謂ボーリン
グ(a)においては、可動電極1から発生するアーク2
熱によりその下端部周囲のスクラップ3を溶解しつつ可
動電極1は下降し、溶湯4が炉底に溜まると共にスクラ
ップ3の下積み領域の溶解が進行してそこに空洞6が形
成される(b)。更に溶解が進行すると可動電極1周囲
のスクラップ3が溶解すると共に崩れ落ち(崩れ落ちた
スクラップ3’)、可動電極1と接触して短絡が発生
し、アーク電圧は零となる(c)。
【0010】これは、多量のスクラップが崩れ落ち電極
に接触したまま居座ってしまうような状況の場合であ
る。ところが、スクラップの溶解期には、ボーリング中
に発生する「サイドアーク」がある。
【0011】図6に、ボーリング時におけるサイドアー
クの発生経過と電極上昇によるアーク切れを説明する図
を示す。同図(a)は可動電極1の周辺にスクラップ小
塊3”が形成された状況、(b)はスクラップ小塊3”
が離脱して可動電極1の周壁と接触しながら転がり落ち
る状況、(c)はサイドアークが発生し可動電極1を上
昇させる状況、そして(d)は瞬時的短絡は解消したが
可動電極1を上昇させためにアーク切れが誘発される直
前の状況を示す。このように可動電極1が上昇され、一
旦アーク切れが発生すると、電極を下降させスクラップ
に接触させた後、電極を引き上げ再点弧する制御が起動
するが、その間は通電が停止していることになり、操業
時間の損失となる。
【0012】図6のボーリング時において(b)の場合
は、スクラップ3”が可動電極に接触しつつ転がり落ち
るので短絡とアークとを繰り返す「サイドアーク」を発
生させながらも最後には「サイドアーク」は自然解消す
る。
【0013】従来型アーク炉の電極昇降制御では、図5
(c)のような短絡発生と図6(b)のような「サイド
アーク」発生とを区別せず、いずれが発生しても可動電
極を上昇させ、アークの再点弧を行なう制御が起動す
る。従って、自然解消するはずの瞬時的な短絡を伴なう
「サイドアーク」発生時における電極上昇とそれによっ
て引き起こされるアーク切れにより電力の投入効率の悪
化(平均投入電力の低下)をきたし、操業時間が長引く
という問題がある。
【0014】従って、可動電極を上昇させないと解消し
ない短絡と「サイドアーク」との両者をまとめて「従来
短絡」と呼ぶことにし、「従来短絡」と短絡とを区別す
る。一方、アーク炉本体が背高炉の場合には、スクラッ
プの装入高さが高い分だけ従来型アーク炉よりもボーリ
ングの所要時間が長くなり、またサイドアークの発生頻
度も増加するので、一層上記問題の解決が重要となる。
【0015】本発明者等は、アーク溶解炉のスクラップ
溶解期において、短絡発生に対する制御とサイドアーク
発生に対する制御とを異なったものにし、各々に適した
制御をすることにした。
【0016】この発明の目的は、初装入で1溶解分のス
クラップ全量を装入し、スクラップへのアーク熱および
炉内発生ガスからの着熱効率を高め、且つ、「サイドア
ーク」発生時には通電を中断することなく継続して平均
投入電力の低下を抑制し、操業時間の損失を低減して生
産性を向上させることができるアーク溶解炉およびその
操業方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
観点から、スクラップ溶解時の熱効率改善および環境改
善等を目指して、1溶解分のスクラップ全量を初装入で
装入することができる形状・寸法の炉本体を有する直流
アーク溶解炉であって、スクラップの溶解過程で短絡や
「サイドアーク」が発生した場合に適切に対処して速や
かに適正なアーク加熱状態に回復し、操業時間損失を防
止するような直流アーク溶解炉とその操業方法を開発す
べく鋭意研究を重ね、本発明を完成させた。従って、本
発明の特徴は溶解炉本体の形状・寸法に関する部分と電
力制御に関する部分とからなる。
【0018】この発明の第一の特徴は溶解炉本体の形状
・寸法に関するものであり、炉体の形状を、炉内湯面か
ら炉内側壁上端までの高さLと炉内径Dとの関係が下記
(1)式: L/D=0.6〜1.4 --------------------------(1) を満たすことにある。炉体形状をこのように限定した理
由を説明する。
【0019】スクラップ装入式アーク溶解炉において、
スクラップの溶解効率に影響する第一の要因は、ア−ク
に対する装入スクラップの分布およびア−クと炉内壁と
の位置関係である。即ち、スクラップはア−クにできる
だけ近い方が有利であり、しかも、炉内壁はア−クから
一定の距離以上離れていた方が有利である。上記第二の
要因は、炉内の発生ガスの顕熱および潜熱のスクラップ
への熱伝達である。発生ガスに接触するスクラップの表
面積が大きく、且つ接触時間が長い方が有利である。通
常、スクラップ予熱装置が設置されたアーク溶解炉の炉
内径は炉からの排ガスダクトの内径に比べて大きいの
で、排ガスのスクラップへの熱伝達上からも有利であ
る。上記要因を考慮すると、湯面から炉内側壁上端まで
の高さLと炉内径Dとの比L/Dは、スクラップの溶解
効率に影響する要因を定量的に表わす指標として適する
ことが推定される。
【0020】一方、ア−ク炉操業におけるスクラップの
溶解効率は、上述したように、ア−クおよび発生ガスか
らスクラップへの着熱効率によって大きく左右される。
この着熱効率に注目して、L×D2 が一定という条件、
即ち、湯面よりも上方の炉内容積が一定であるとの条件
下で、各種L/Dの小型試験ア−ク炉を用いて、発生ガ
スの排ガスによりア−ク炉外へ持ち去られる熱損失の大
きさについて試験した。試験溶解はいずれのチャ−ジに
おいても、嵩密度が一定のスクラップを用い、且つ、初
装入でスクラップ全量を装入し、常法によるア−ク炉試
験操業を行なった。
【0021】図1は、この発明で使用する溶解炉本体の
プロフィールを示す概略縦断面である。これは従来の直
流アーク溶解炉本体の上面に接して炉内側壁部を形成す
る嵩上げ部を設けることによって、フリ−ボ−ドの高さ
(炉内湯面4’から炉内側壁上端27までの高さ)Lを
高くしたものであり、Dは炉内径を示す。
【0022】図2は、湯面から炉内側壁上端までの高さ
Lと炉内径Dとの比L/Dと、排ガスの熱損失比との関
係を示すグラフである。但し、排ガスの熱損失比は、L
/D=0.55の場合の試験チャ−ジにおける排ガスの
顕熱および潜熱の損失和に対する、当該試験チャ−ジに
おける排ガスの顕熱および潜熱の損失和で表わしたもの
である。
【0023】図2から明らかなように、L/Dが増加す
るに従い、排ガスの熱損失比は低下する。L/Dが0.
6における排ガスの熱損失比は0.90程度に低下し、
その効果も操業コスト上有用なものである。更に、L/
Dが大きくなるほど排ガスの熱損失比は低下している。
しかしながら、L/Dが1.4を超えても排ガスの熱損
失比の低下量は小さくほぼ飽和する。一方、L/Dが大
きくなるほど、電極昇降装置、建屋、クレ−ン設備およ
び炉体冷却設備等の諸元を大きくしなければならないと
いう不利益が発生し、L/Dが1.4を超えると上記不
利益が問題となる。従って、スクラップの溶解効率の向
上を図るためには、少なくともL/Dを0.6〜1.4
の範囲内にすべきである。
【0024】一方、この発明のア−ク溶解炉は、1溶解
の出湯に必要な量のスクラップを全量、1回の装入チャ
ンスで装入することができる炉内容積を有することが必
要である。そこで、1溶解分のスクラップ装入量および
L/Dを決め、これに応じて定まるLおよびDを算出す
ることにより、所望の炉内寸法を求めることができる。
通常のア−ク溶解炉においては、湯面から炉内側壁上端
までの高さL、炉内径D、およびスクラップの装入量W
の間には、下記(2)式: L/D=(4/π){(ρl −ρS ’)/(ρl ρS ’)}(W/D3 ) ------------(2) 但し、ρl :溶鋼の密度 ρS ’:スクラップの嵩密度 W :スクラップの装入量 の関係がある。
【0025】ア−ク炉において使用される製鋼用スクラ
ップには種々の形態のものが使用される。従って、これ
らスクラップの嵩密度も0.3〜1.0t/m3 の範囲
内の種々のものにわたるが、その加重平均値は、0.7
t/m3 程度である。従って、1溶解分のスクラップ装
入量:W、および、L/Dを与えれば、湯面から炉内側
壁上端までの高さL、および炉内径Dが求められる。例
えば、W=50tとすれば、この発明の特徴であるL/
D≧0.6が満たされるためには、炉内径Dは、D≦
5.1(m)であって、且つ、湯面から炉内側壁上端ま
での高さLは、Dの値に応じて、L≧0.6×D(m)
であればよい。
【0026】従って、湯面から炉内側壁上端までの高さ
Lと炉内径Dとの比L/Dを0.6〜1.4の範囲内に
限定すれば、1溶解分のスクラップ全量を溶解開始前に
装入することができるア−ク溶解炉の炉内寸法および形
状を決めることができる。
【0027】溶解開始前にスクラップの全量を予めア−
ク炉へ装入することができるので、操業中に炉蓋の開閉
を行なう必要はない。従って、このような炉蓋開閉に伴
う炉内からの熱損失が無くなる。また、溶解期において
は、電極からのアークはスクラップに囲まれて発生して
おり、スクラップへの着熱効率が高くなる。更に、スク
ラップを炉内中央部に装入することができるので、例え
ば炉体の炉壁近傍にスクラップを連続的に装入する場合
に発生し易い炉内壁へのスクラップ融着の問題も解消さ
れる。
【0028】この発明の第二の特徴は、溶解期に発生す
るスクラップと電極との間に発生する短絡と「サイドア
ーク」とを区別し、それぞれに適した電力制御を行なう
ことにある。そのための直流アーク溶解炉は、アーク電
圧監視部、アーク電流監視部、サイドアーク判定部、調
節部およびゲート制御部を備えた制御装置を有し、各制
御部は次の機能を有するものであることに特徴を有す
る。即ち、(a)アーク電圧監視部は、アーク電圧測定
値が所定の電圧よりも低くなった場合に電圧低下信号を
送出する機能を有し、(b)アーク電流監視部は、アー
ク電流測定値が所定の電流よりも大きくなった場合に通
流信号を送出する機能を有し、(c)サイドアーク判定
部は、電圧低下信号と通流信号との両方を受けたときに
サイドアーク信号を送出し、そして電圧低下信号と通流
信号との両方が所定時間t* 以上継続した場合にはサイ
ドアーク信号を短絡信号に切り替えて送出する機能を有
し、そして、(d)調節部は、サイドアーク信号を受け
たときは可動電極の昇降を固定し、そして、短絡信号を
受けたときは可動電極を急速に上昇させる機能を有す
る。
【0029】本発明の直流アーク溶解炉の操業方法は、
上述した溶解炉を用いて次の電力制御をすることにあ
る。即ち、スクラップ溶解を開始し、アーク電流が所定
の判定電流以上に流れている状態にあり、アーク電圧が
所定の電圧よりも低くなったとき、可動電極の昇降を停
止させ、その位置を維持し、そしてアーク電圧およびア
ーク電流が上記状態で所定時間t* 継続した場合には、
可動電極を急速に上昇させる。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、この発明を、図面を参照し
ながら説明する。図3は、この発明の実施の形態を説明
する炉本体並びに電源制御系を含む直流アーク溶解炉の
全体構成図である。
【0031】アーク炉本体Fの上部には炉内に昇降する
可動電極1が、また炉底部には炉底電極5が設けられ、
炉内にスクラップ3が装入される。可動電極1は電極昇
降装置Sによって昇降される。即ち、所定の昇降制御信
号が電極昇降動力源の油圧駆動装置23に送られ、油圧
シリンダー24によりマスト25およびホルダー26を
介して可動電極1が炉内に昇降される。
【0032】電源供給系並びにアーク電圧およびアーク
電流制御系には、図4に示した従来のものと同じものに
加えて「サイドアーク」判定部22を備えている。そし
て、スクラップ溶解の正常時には従来と同じ方法で可動
電極1の昇降を制御してアーク電圧を制御すると共に、
アーク電流を制御する。ところが、アーク電圧監視部7
からの電圧低下信号およびアーク電流監視部8からの通
流信号は先ず「サイドアーク」判定部22に送られる。
そして、図6(b)に示した「サイドアーク」が発生し
たものと判断する。前述したように「サイドアーク」は
発生後時間t*(例えば、数秒)以内に接触スクラップ
3”は下に転がり落ちて短絡は解消され、電圧値および
電流値ともに短絡前のような値に復帰し、かくして、短
時間内に自然解消するはずである。そこで「サイドアー
ク」判定部22は、調節部21に対して可動電極1を動
かさずにそのままその位置で停止させる指令を出す。そ
して、「サイドアーク」発生後所定時間t* 以内に「サ
イドアーク」発生の検出条件が解除されたならば、「サ
イドアーク」は解消されたと判定し、通常の電極昇降制
御が行なわれる。即ち、加算器20において電圧検出器
13からの検出電圧と電圧設定器11からの設定電圧と
から求められた偏差電圧が調節部21に送られ、調節部
21は比例制御により偏差電圧に応じた昇降制御信号を
求め、電極昇降用の油圧駆動装置23により可動電極1
とスクラップ3との間に適正なギャップを保持する。
【0033】ところが、「サイドアーク」発生信号が所
定時間t* 以上継続する場合は、「サイドアーク」に対
する制御を図5(c)に示した短絡に対する制御に切り
替える。そして、調節部21は、電極昇降機構をSを介
して可動電極1を高速上昇させ強制的に短絡を解消させ
る。そして、再点弧し操業を再開する。「サイドアー
ク」であれば5秒以内に解消される。しかし、5秒以上
「サイドアーク」信号が継続する場合は大半の場合が短
絡発生時であり、短絡は自然解消しない。そこでt*
5秒と定め、5秒以上「サイドアーク」信号が継続する
ときに短絡発生と判定した。
【0034】
【実施例】次に、この発明を実施例により更に説明す
る。上述した実施の形態に基づき下記要領で行なった。
また、比較例として短絡と「サイドアーク」とを区別し
ない「従来短絡」の制御方式による通常の電気炉操業を
行なった。
【0035】表1に、実施例および比較例の試験条件を
示す。
【0036】
【表1】
【0037】アーク炉本体の形状諸元については実施例
および比較例共に同じであり、L/Dは1.0 であ
る。実施例における短絡発生判定条件はアーク電流検出
値:定格電流135kAの20%=27kA以上で且つ
アーク電圧検出値:100V以下の状態が、時間t*
5秒以上継続した場合とし、t* :5秒未満のときは
「サイドアーク」発生と判定して制御した。表2に試験
結果を示す。
【0038】
【表2】
【0039】比較例での「従来短絡」の発生回数は実施
例での短絡回数と「サイドアーク」との発生回数とほぼ
同じである。通電停止時間は比較例よりも実施例におい
て短縮され、その結果平均投入電力は比較例よりも実施
例において増大して生産性が向上し、また電力原単位も
改善された。
【0040】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、直流
アーク溶解炉のスクラップ溶解期において、アークから
スクラップへの着熱効率、および炉内発生ガスからスク
ラップへの着熱効率を高めることができる。更に、溶解
過程でのスクラップと上部可動電極との瞬時的な短絡で
ある「サイドアーク」発生時の操業停止を回避すること
ができるので生産性が向上する。上記直流アーク溶解炉
およびその操業方法を提供することができ、工業上有用
な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施に使用される背高型直流ア−ク
溶解炉のプロフィール例を示す概略縦断面図である。
【図2】ア−ク溶解炉における湯面から炉内側壁上端ま
での高さLと炉内径Dとの比L/Dと、排ガスの熱損失
比との関係を示すグラフである。
【図3】この発明の実施の形態を説明する電源制御系を
含む直流アーク溶解炉の全体構成図である。
【図4】従来の一般的な電源制御系を含む直流アーク溶
解炉の全体構成図である。
【図5】背高型直流アーク溶解炉において、溶解中崩れ
落ちたスクラップが上部可動電極と短絡するに至る過程
を説明する概略縦断面図である。
【図6】「サイドアーク」の発生経過とこれに対する電
極上昇によるアーク切れ誘発を説明する図である。
【符号の説明】
L 炉内湯面から炉内側壁上端までの高さ D 炉内径 F アーク炉本体 S 電極昇降機構 E 送電系統 1 可動電極 2 アーク 3、3’、3”スクラップ 4 溶湯 4’ 炉内湯面 5 炉底電極 6 空洞 7 アーク電圧監視部 8 アーク電流監視部 9 短絡判定部 10 ゲート制御部 11 電圧設定器 12 電流設定器 13 電圧検出器 14 電流検出器 15 炉用遮断器 16 炉用変圧器 17 サイリスタ整流器 18 リアクトル 19 加算器 20 加算器 21 調節部 22 「サイドアーク」判定部 23 油圧駆動装置 24 油圧シリンダー 25 マスト 26 ホルダーアーム 27 炉内側壁上端 28 湯口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若原 啓司 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 矢戸 秀彦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流アーク溶解炉の炉内湯面から炉内側
    壁上端までの高さLと、炉内径Dとの間の関係が下記
    (1)式: L/D=0.6〜1.4 --------------------------(1) を満たし、且つ、前記直流アーク溶解炉は、アーク電圧
    監視部、アーク電流監視部、サイドアーク判定部および
    調節部を備えた制御装置を有し、(a)前記アーク電圧
    監視部は、アーク電圧測定値が所定の電圧よりも低くな
    った場合に電圧低下信号を送出する機能を有し、(b)
    前記アーク電流監視部は、アーク電流測定値が所定の電
    流よりも大きい場合に通流信号を送出する機能を有し、
    (c)前記サイドアーク判定部は、前記電圧低下信号と
    前記通流信号との両方を受けたときにサイドアーク信号
    を送出し、そして前記電圧低下信号と前記通流信号との
    両方が所定時間t* 以上継続した場合には前記サイドア
    ーク信号を短絡信号に切り替えて送出する機能を有し、
    そして、(d)前記調節部は、前記サイドアーク信号を
    受けときは前記可動電極の昇降を固定し、そして、前記
    短絡信号を受けたときは前記可動電極を急速に上昇させ
    る信号を送出する機能を有することを特徴とする直流ア
    ーク溶解炉。
  2. 【請求項2】 炉内湯面から炉内側壁上端までの高さL
    と、炉内径Dとの間の関係が下記(1)式: L/D=0.6〜1.4 --------------------------(1) を満たす直流アーク溶解炉を用い、初装入でスクラップ
    の全量を装入し、次いで電力を投入して溶解を開始し、
    前記直流アーク溶解炉のアーク電圧が所定の電圧よりも
    低く且つそのアーク電流が所定の電流よりも大きい状態
    にある可動電極の昇降を停止させ、その位置を維持し、
    そして前記アーク電圧およびアーク電流が前記状態で所
    定時間t* 継続した場合には、前記可動電極を急速に上
    昇させることを特徴とする直流アーク溶解炉の操業方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004283843A (ja) * 2003-03-19 2004-10-14 Daido Steel Co Ltd 直流アーク加熱装置の絶縁監視方法および装置
JP2014032782A (ja) * 2012-08-01 2014-02-20 Jfe Material Co Ltd アーク炉の電極昇降制御方法及び装置
WO2019140819A1 (zh) * 2018-01-19 2019-07-25 东北大学 一种用于两相直流电熔镁炉的极心距与炉壳外形设计方法

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