JPH1018531A - パラペット用笠木の水切り - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 種々幅のパラペット用笠木に対応することが
できる新規構造のパラペット用笠木の水切りを提供す
る。 【構成】 外縁部材２は、上面板５の外側端部に外側立
壁６を屈折構成し、内側端部に連結部材４端部との嵌合
構造を構成する。内縁部材３は、上面板１２の外側端部
に内側立壁１３を屈折構成し、内側端部に連結部材４端
部との嵌合構造を構成する。連結部材４は、両側縁と表
面側に複数の水垂リブ１８，１８…を条設し、両端部が
それぞれ外縁部材２及び内縁部材３の嵌合構造と嵌合一
体化可能になる長尺材を所望の長さに截断して使用する
構造になる。使用する笠木３０の幅に見合った長さに連
結部材４を截断し、水切り１の長さを使用する笠木の幅
に合わせる組立構造とし、建築躯体のパラペットａ面に
跨設した逆溝状断面の笠木３０の接合部下面側に装着す
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、建造物端縁の上面
に被設する、例えば手摺立設パラペット用笠木の延長部
または隅部に構成した繋ぎ部分から侵入した水を排出す
るための、パラペット用笠木の水切りに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来より建築物外部の仕上工事として、
例えば図９に示すように、パラペット５０の上面にアル
ミニウム型枠成形材からなる笠木部材５１を跨設し、該
パラペット面からの水の侵入を阻止するパラペット用手
摺笠木等が知られている。

【０００３】この種の笠木部材５１は、一般には現場で
寸法合わせを行う施工をしているため、延長部の繋ぎ部
分（矢印Ａ）の間隙５２や隅部の繋ぎ部分（矢印Ｂ）の
間隙５３は、コーキング材を注入するかまたは溶接施工
によって閉塞し、雨水の侵入を阻止しなければならず、
現場施工に熟練を要するだけでなく、施工時間が増大す
る問題を有していた。

【０００４】このため、矢印Ａで示す繋ぎ部分では、間
隙５２の位置に対応してパラペット５０と笠木部材５１
間に符号５４によって示すような板金折曲加工または成
形によって構成した水切りを介装し、間隙５２から侵入
した雨水を該水切り５４に沿わせて所定の方向に導水す
る構造とする施工が実施される場合もある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしこの種の水切り
５４は、パラペットの幅Ｗ１が建造物によって様々であ
るため、それらの幅に対応する多数種の部品を用意しな
ければならないだけでなく、矢印Ｂで示すような出隅ま
たは入隅用などの間隙５３に使用する水切り５５では、
その曲がり角度との対応もあって全種類を用意すること
は常時沢山の在庫を抱えるようになり、経済性に問題を
有していた。

【０００６】本発明は上記問題に鑑みてなされたもので
あり、種々幅の笠木に対応することができ、これによっ
て在庫部品点数を少なくすることが可能な新規構造のパ
ラペット用笠木の水切りを提供することを目的とするも
のである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係るパラペット
用笠木の水切りは、建築躯体のパラペットａ面に固設し
た固定金具を介して該パラペットに跨設する逆溝状断面
の長尺成形材からなる笠木の接合部に下面側に装着する
水切りにおいて、硬質合成樹脂、或はアルミニウムによ
って成形され、上面板の外側端部にパラペットの外壁面
に沿う形状の外側立壁を屈折構成すると共に、内側端部
に連結部材端部との嵌合構造を構成し、また前記外側立
壁の下端に笠木の係止リブと係合する係止縁を構成した
外縁部材と、硬質合成樹脂或はアルミニウムによって成
形され、上面板の外側端部にパラペットの内壁面に沿う
形状の内側立壁を屈折構成すると共に、内側端部に連結
部材端部との嵌合構造を構成し、また前記内側立壁の下
端に笠木の係止リブと係合する係止縁を構成した内縁部
材と、硬質合成樹脂或はアルミニウムによって成形さ
れ、所望の長さに截断して使用する長尺材であり、截断
した両端部がそれぞれ前記外縁部材及び内縁部材の嵌合
構造と嵌合一体化可能になる連結部材とから構成される
ことを要旨とするものである。

【０００８】そして、使用する笠木の幅に見合った長さ
に上記連結部材を截断し、係止縁が笠木の係止リブと係
合するように水切りの長さを使用する笠木の幅に合わせ
る組立構造したことを要旨とするものである。

【０００９】また、上記外縁部材と連結部材の嵌合構造
は、連結部材の裏面側両側縁に相対向して条設した係止
溝を、外縁部材の上面板の内側端部に平行成形した上リ
ブと下リブからなる挿入溝と嵌合する構造にすることに
よって実施することができる。

【００１０】更に、上記内縁部材と連結部材の嵌合構造
は、連結部材の裏面側両側縁に相対向して条設した係止
溝を、内縁部材の上面板の内側端部に突設した挿入リブ
と嵌合する構造にすることによって実施することができ
る。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、図１乃至図３に示すパラペ
ットの笠木を延長する延長継手部分に用いる水切りの実
施例に従って本発明を説明する。本発明の水切り１は、
外縁部材２と内縁部材３、及び両縁部材間を所望の長さ
に対応して連結一体化する連結部材４によって構成され
ている。

【００１２】上記外縁部材２は硬質合成樹脂、或はアル
ミニウムによって成形され、上面板５の外側端部に外側
立壁６を屈折構成すると共に、内側端部に上リブ７と下
リブ８を平行に一体成形し、両リブ間に挿入溝９を構成
してなる。上記上面板５と外側立壁６は、直交または略
直交するように屈折成形すると共に、該屈折部には内側
に傾斜（約１０゜）した斜壁部１０を構成し、上記外側
立壁６の下端に笠木３０の係止リブ３４と係合する係止
縁１１を構成してなる。

【００１３】また内縁部材３は上記外縁部材２と同様
に、硬質合成樹脂或はアルミニウムによって成形され、
上面板１２の外側端部に内側立壁１３を屈折構成すると
共に、上面板１２の内側端部にストップリブ１４を持っ
た挿入リブ１５を一体成形してなる。上記上面板１２と
内側立壁１３は、直交または略直交するように屈折成形
してあり、該屈折部には内側に傾斜（約１０゜）した斜
壁部１６を構成すると共に、内側立壁１３の下端に笠木
３０の係止リブ３４と係合する係止縁１７を構成してな
る。

【００１４】更に上記連結部材４は、硬質合成樹脂或は
アルミニウムによって成形された長尺材を所定の長さに
截断したものである。該連結部材４の両側縁を含む表面
側には長手方向に伸びる複数の水垂リブ１８，１８…を
条設すると共に、裏面側両側縁に、相対向した係止溝１
９，１９を条設してなる。

【００１５】該連結部材４の両係止溝１９，１９間の距
離は、前記外縁部材２と内縁部材３の幅Ｗ２と略等長に
構成してあり、一方の截断端部は外縁部材２の挿入溝９
に嵌入した状態で下リブ８の両端縁にそれぞれ係止溝１
９，１９を嵌合して一体化し、また他方の截断端部は、
それぞれ係止溝１９，１９を内縁部材３に設けた挿入リ
ブ１５の両端縁に挿入し、ストップリブ１４位置まで嵌
合して一体化してなる。

【００１６】上記したように、本発明の水切り１は、外
縁部材２と内縁部材３の間を所望の長さに截断使用する
連結部材４によって連結一体化する構成になるものであ
り、使用する笠木３０の幅に見合った長さに連結部材４
を截断し、係止縁１１，１７が笠木３０の係止リブ３
４，３５と係合するように水切り１の長さを使用する笠
木の幅に合わせる構造になる。

【００１７】上記笠木３０は上面部３１の両側に外垂部
３２と内垂部３３を構成した逆溝状断面の長尺成形材か
らなるもので、建築躯体のパラペットａ面に固設した固
定金具（図示せず）を介して該パラペットａを跨ぐよう
に被設し、延長接合部（図９矢印Ａ参照）に若干の間隙
を持って施工される。

【００１８】本発明の水切り１は、矢印Ａ位置において
突き合わされた両笠木３０，３０の下面側に配置し、外
縁部材２の外側立壁６に条設した係止縁１１を笠木３０
外垂部３２の係止リブ３４と、また内縁部材３の内側立
壁１３に条設した係止縁１７を笠木３０の内垂部３３の
係止リブ３５と係合して施工を完了する。

【００１９】上記構成になる笠木３０は、突き合わせ部
の間隙から侵入した水滴が、水切り１の外縁部材２、内
縁部材３及び連結部材４の上面に滴下し、連結部材４の
水垂リブ１８，１８…に沿って流下する。このため、パ
ラペットａ上面に水滴が侵入することがなくなり、躯体
の雨漏りを阻止することができる。

【００２０】

【実施例】

〔実施例１〕図４乃至図６に示す実施例は、出隅パラペ
ットの笠木に用いる出隅用水切りを示すものである。符
号１は、外縁部材２と内縁部材３、及び両部材間を所望
の長さで連結して一体化する連結部材４によって構成し
てなる出隅用水切りである。

【００２１】上記外縁部材２は硬質合成樹脂によって成
形され、上面板５の外側端部にパラペットａの屈折角度
α（実施例では９０゜）と等しい屈折角αをもった外側
立壁６を屈折構成すると共に、内端に上リブ７と下リブ
８を並設一体成形して挿入溝９を構成してなる。また上
記上面板５と外側立壁６は略直交するように屈折成形し
てあり、該屈折部に内側に約１０゜傾斜した斜壁部１０
を構成すると共に、外側立壁６の下端に笠木３０の係止
リブ３４と係合する係止縁１１を構成してなる。

【００２２】上記内縁部材３は硬質合成樹脂によって成
形され、上面板１２の外側端部にパラペットａの屈折角
度α（実施例では９０゜）と対応する屈折角（３６０−
α゜）をもった内側立壁１３を構成すると共に、上面板
１２の内側端部にストップリブ１４を持った挿入リブ１
５を一体成形してなる。また上記上面板１２と内側立壁
１３は、略直交するように屈折成形してあり、実施例で
は内側に約１０゜傾斜した斜壁部１６を構成すると共
に、内側立壁１３の下端に笠木３０の係止リブ３４と係
合する係止縁１７を構成してなる。

【００２３】また上記連結部材４は、アルミニウムによ
って成形された長尺材を所望の長さに截断したものであ
る。該連結部材４の表面側には両側縁と面内に長手方向
に伸びる複数の水垂リブ１８，１８…を条設すると共
に、裏面側両側縁に、相対向した係止溝１９，１９を条
設してなる。

【００２４】該連結部材４は、一方の端部を外縁部材２
の挿入溝９に嵌入した状態で下リブ８の両端縁にそれぞ
れ係止溝１９，１９を嵌合して一体化し、また他方の端
部の係止溝１９，１９を内縁部材３の挿入リブ１５の両
端縁に嵌合し、ストップリブ１４位置まで挿入して一体
化して組み立てられる。

【００２５】上記したように、使用する笠木３０の幅に
合わせて連結部材４の長さを増減調節して截断し、外縁
部材２と内縁部材３の両係止縁１１，１７が笠木３０の
係止リブ３４，３５と係合するように水切り１の長さを
決定する構造になる。

【００２６】本発明の水切り１を使用する笠木３０は、
上面部３１の両側に外垂部３２と内垂部を構成した逆溝
状断面の長尺成形材からなるもので、建築躯体のパラペ
ットａ面に固設した固定金具３６を介して該パラペット
ａに跨設し、屈折接合部（矢印Ｂ）に若干の間隙を持っ
て施工される。

【００２７】本実施例の水切り１は、矢印Ｂ位置（図９
参照）において外角となるように突き合わされた両笠木
３０，３０の下面側に配置し、外縁部材２の外側立壁６
の係止縁１１を笠木３０の係止リブ３４と、内縁部材３
の内側立壁１３の係止縁１７を笠木３０の係止リブ３５
と係合して施工を完了する。

【００２８】上記構成により、笠木３０の間隙から侵入
した水滴は、水切り１の外縁部材２、内縁部材３及び連
結部材４の上面に滴下し、連結部材４の水垂リブ１８，
１８…に沿って流下する。このため、パラペットａ上面
に水滴が侵入することがなくなり、躯体の雨漏りを阻止
することができる。

【００２９】〔実施例２〕図７及び図８は、入り隅パラ
ペットの笠木に用いる入り隅用水切りの実施例を示すも
のである。前記出隅用の実施例と比較すると、水切り１
の外縁部材２と内縁部材３において、外側立壁６と内側
立壁１３の屈折角度αが逆向きになっている。

【００３０】また連結部材４は、前記の実施例と同一
で、長尺材を所望の長さに截断して使用する。該連結部
材４の一方の截断端部を外縁部材２の挿入溝９に嵌入す
ると同時に下リブ８の両端縁にそれぞれ係止溝１９，１
９を嵌合して一体化し、また他方の截断端部の係止溝１
９，１９を内縁部材３の挿入リブ１５の両端縁に対して
ストップリブ１４位置まで挿入して嵌合一体化した構造
なっている。

【００３１】

【発明の効果】以上述べたように、本発明に係るパラペ
ット用笠木の水切りは、使用する場所の笠木の幅に合わ
せて長尺材によって構成した連結部材の長さを増減調節
して截断し、外縁部材と内縁部材の係止縁が笠木の両垂
部に構成した係止リブと係合するように水切りの長さを
決定する構造になるため、種々幅の笠木に対応させるこ
とが可能となり、在庫部品点数が少なくなる等の特徴を
有するものであり、本発明実施後の効果は極めて大き
い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るパラペット用笠木の水切りの実施
例を示す、延長継手部用水切りの分解斜視図である。

【図２】同水切りの組立状態を示す側面図（ａ）と平面
図（ｂ）である。

【図３】同水切りを使用した笠木の施工状態を示すパラ
ペット部の断面図である。

【図４】本発明に係る出隅用水切りの実施例を示す分解
斜視図である。

【図５】同水切りの組立状態を示す一部切欠した平面図
（ａ）とＶ−Ｖ線矢視図（ｂ）である。

【図６】同水切りを使用した笠木の施工状態を示すパラ
ペット部の断面図である。

【図７】本発明に係る入り隅用水切りの実施例を示す分
解斜視図である。

【図８】同水切りを使用した笠木の施工状態を示すパラ
ペット部の断面図である。

【図９】従来の水切りを使用した笠木の施工状態を示す
パラペット部の斜視図である。

【符号の説明】

１ 水切り ２ 外縁部材 ３ 内縁部材 ４ 連結部材 ５ 上面板 ６ 外側立壁 ９ 挿入溝 １１ 係止縁 １２ 上面板 １３ 内側立壁 １５ 挿入リブ １７ 係止縁 １８ 水垂リブ １９ 係止溝 ３０ 笠木 ３４ 係止リブ ３５ 係止リブ ａ パラペット

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建築躯体のパラペット面に跨設した逆溝
   状断面の長尺成形材からなる笠木の接合部下面側に装着
   する水切りにおいて、 硬質合成樹脂、或はアルミニウムによって成形され、上
   面板の外側端部にパラペットの外壁面に沿う形状の外側
   立壁を屈折構成すると共に、内側端部に連結部材端部と
   の嵌合構造を構成し、また前記外側立壁の下端に笠木の
   係止リブと係合する係止縁を構成した外縁部材と、 硬質合成樹脂或はアルミニウムによって成形され、上面
   板の外側端部にパラペットの内壁面に沿う形状の内側立
   壁を屈折構成すると共に、内側端部に連結部材端部との
   嵌合構造を構成し、また前記内側立壁の下端に笠木の係
   止リブと係合する係止縁を構成した内縁部材と、 硬質合成樹脂或はアルミニウムによって成形され、所望
   の長さに截断して使用する長尺材であり、截断した両端
   部がそれぞれ前記外縁部材及び内縁部材の嵌合構造と嵌
   合一体化可能になる連結部材、 とから構成され、使用する笠木の幅に見合った長さに前
   記連結部材を截断し、係止縁が笠木の係止リブと係合す
   るように水切りの長さを使用する笠木の幅に合わせる組
   立構造になることを特徴とするパラペット用笠木の水切
   り。
2. 【請求項２】 前記外縁部材と連結部材の嵌合構造が、
   連結部材の裏面側両側縁に相対向して条設した係止溝
   を、外縁部材の上面板の内側端部に平行成形した上リブ
   と下リブからなる挿入溝と嵌合する構造になることを特
   徴とする請求項１記載のパラペット用笠木の水切り。
3. 【請求項３】 前記内縁部材と連結部材の嵌合構造が、
   連結部材の裏面側両側縁に相対向して条設した係止溝
   を、内縁部材の上面板の内側端部に突設した挿入リブと
   嵌合する構造になることを特徴とする請求項１記載のパ
   ラペット用笠木の水切り。
4. 【請求項４】 前記連結部材の両側縁を含む表面側に、
   長手方向に伸びる複数の水垂リブを条設したことを特徴
   とする請求項１記載のパラペット用笠木の水切り。