JPH10183285A - 疲労強度と熱伝導性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材およびその製造方法 - Google Patents
疲労強度と熱伝導性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材およびその製造方法Info
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Abstract
換器用アルミニウム合金フィン材およびその製造方法を
提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、重量%で、Fe:1.0〜3.
0%、Zn:0.5〜3.0%、Zr:0.02〜0.3%
を含み、残部Alと不可避不純物とからなるAl合金鋳
造材を複数回の圧延加工を経て最終圧延し所望の板厚と
した後に、コルゲート加工して得られる熱交換器用アル
ミニウム合金フィン材であって、前記最終圧延工程前の
中間焼鈍が、昇温速度:5〜200℃/秒、保持温度:
300〜500℃、保持時間:10〜150秒、冷却速
度:5〜200℃/秒の条件でなされ、中間焼鈍後の最
終圧延率が50〜85%とされてなり、板厚方向の平均
結晶粒サイズが10〜70μmの範囲とされてなること
を特徴とする。
Description
の冷媒通路形成材とフィン材とをろう付けにより接合す
る構造のラジエータ、コンデンサやエバポレータなどの
熱交換器用アルミニウム合金フィン材およびその製造方
法に関する。
ダーパイプと称される左右一対の管体の間に多数のチュ
ーブを互いに平行に間隔をあけてヘッダーパイプと直角
に架設し、各チューブの端部をヘッダーパイプの側面に
接続して各チューブの内部空間とヘッダーパイプの内部
空間を連通させ、複数のチューブの間にフィン部材を配
して熱交換性を高めた構成の熱交換器、あるいは、蛇行
状に形成したチューブの間にフィン材をろう付けしてな
る熱交換器が知られている。これらの形式の熱交換器に
あっては、チューブの内部に媒体が循環され、各チュー
ブ間に配されたフィンを介して媒体が熱交換できるよう
になっている。
らなる熱交換器にあっては、疲労強度が高く、熱伝導性
に優れることが重要であるので、これらの要求に鑑みて
合金組成の選択がなされている。また、この種の熱交換
器においては、通常、ヘッダーパイプとチューブがろう
付けにより接合されるので、この際のろう付け性を考慮
して、Al-Si合金などのろう材層を予めAl合金プ
レートにクラッド圧着した構成のブレージングシートを
用い、このブレージングシートからヘッダーパイプやフ
ィン材を構成することがなされ、ろう材層の組成を含め
たろう付け性も考慮して合金組成の選択がなされてい
る。
金は、他の元素を添加することにより熱伝導性が低下す
ることが知られており、これは、添加元素がアルミニウ
ム中に固溶するか、あるいは析出、晶出するためであ
る。そして、熱伝導性の低下の程度は析出、晶出に比べ
て固溶の方が遥かに影響が大きいことが知られている。
また、添加元素の種類によっても低下の程度は様々で、
Mn添加の影響は非常に大きいがFe添加の影響は小さ
いとされている。
834号明細書等に開示の如く、強度に優れ、熱伝導性
を向上させるために、Al-Fe系にSiとZrを添加
した系のアルミニウム合金製フィン材を提案している。
これらの状況に鑑み、現状では更なるフィン材の低価格
化が進められているので、従来よりも更に薄肉で高強度
であり、熱伝導性にも優れたフィン材の開発が進められ
ているが、前記Al-Fe系のフィン材は、ろう付け後
の疲労強度の面では不足する面があった。
けるこのような薄肉化による疲労強度の低下現象につい
て研究したところ、AlにFeを含有させたがために、
ろう付け後の再結晶粒径が非常に大きくなり、薄肉のフ
ィン材がその厚さ方向に数個程度の再結晶粒で構成され
る部分が生じ易くなるので、部分的な粒界割れであって
もフィン材の亀裂につながり易くなることを知見した。
従って、このような疲労強度の低下現象を抑制するため
には、Feの含有量を減少させるか、ろう付け後の再結
晶粒径を微細化するような元素を添加すれば良いのであ
るが、Fe含有量を減少させることによってろう付け後
の再結晶粒径を微細化することはできるが、この場合は
疲労強度の低下が大きくなり、所望の特性が得られなく
なる問題がある。また、再結晶粒径を微細化するような
添加元素は概してAl合金フィン材の熱伝導性を低下さ
せ易く、熱交換器としての特性が大きく低下するおそれ
が高い問題がある。
果、Al-Fe系フィン材の高い熱伝導性を維持したま
ま薄肉化によるろう付け後の疲労強度低下を抑えるため
には、ろう付け後の再結晶粒径を微細化すれば良いとの
知見に達するとともに、ろう付け後の再結晶粒径は、フ
ィン材を製造する場合の最終圧延工程前の中間焼鈍条
件、並びに、最終圧延率に大きく依存することも見い出
した。
あり、疲労強度と熱伝導性に優れた熱交換器用アルミニ
ウム合金フィン材およびその製造方法を提供することを
目的とする。
するために、重量%で、Fe:1.0〜3.0%、Zn:
0.5〜3.0%、Zr:0.02〜0.3%を含み、残部
Alと不可避不純物とからなるAl合金鋳造材を複数回
の圧延加工を経て最終圧延し所望の板厚とした後に、コ
ルゲート加工して得られる熱交換器用アルミニウム合金
フィン材であって、前記最終圧延工程前の中間焼鈍が、
昇温速度:5〜200℃/秒、保持温度:300〜50
0℃、保持時間:10〜150秒、冷却速度:5〜20
0℃/秒の条件でなされ、中間焼鈍後の最終圧延率が5
0〜85%とされてなり、板厚方向の平均結晶粒サイズ
が10〜70μmの範囲とされてなることを特徴とす
る。
3.0%、Zn:0.5〜3.0%、Zr:0.02〜0.
3%を含み、残部Alと不可避不純物とからなるAl合
金芯材の少なくとも一面に、Al-Si系、または、A
l-Si-Zn系のろう材層をクラッド圧着したクラッド
材を複数回の圧延加工を経て最終圧延し所望の板厚とし
た後に、コルゲート加工して得られる熱交換器用アルミ
ニウム合金フィン材であって、前記最終圧延工程前の中
間焼鈍が、昇温速度:5〜200℃/秒、保持温度:3
00〜500℃、保持時間:10〜150秒、冷却速
度:5〜200℃/秒の条件でなされ、中間焼鈍後の最
終圧延率が50〜85%とされてなり、板厚方向の平均
結晶粒サイズが10〜70μmの範囲とされてなること
を特徴とする。 本発明の前記構成において、Al合金
芯材が重量%でFe:1.0〜3.0%、Zn:0.5〜
3.0%、Zr:0.02〜0.3%、を含み、更に、S
i:0.1〜0.8%、Ti:0.02〜0.2%、In:
0.005〜0.5%、Sn:0.01〜0.5%のうち、
少なくとも1種または2種以上を含有し、残部Alと不
可避不純物からなるものでも良い。
e:1.0〜3.0%、Zn:0.5〜3.0%、Zr:
0.02〜0.3%を含み、残部Alと不可避不純物から
なるAl合金鋳造材を複数回の圧延加工を経て最終圧延
し所望の板厚とした後に、コルゲート加工する熱交換器
用アルミニウム合金フィン材の製造方法であって、前記
最終圧延工程前の中間焼鈍を、昇温速度:5〜200℃
/秒、保持温度:300〜500℃、保持時間:10〜
150秒、冷却速度:5〜200℃/秒の条件で行い、
中間焼鈍後の最終圧延率を50〜85%とすることを特
徴とする。
e:1.0〜3.0%、Zn:0.5〜3.0%、Zr:
0.02〜0.3%を含み、残部Alと不可避不純物から
なるAl合金芯材の少なくとも一面に、Al-Si系、
または、Al-Si-Zn系のろう材層をクラッド圧着し
たクラッド材を複数回の圧延加工を経て最終圧延し所望
の板厚とした後に、コルゲート加工する熱交換器用アル
ミニウム合金フィン材の製造方法であって、前記最終圧
延工程前の中間焼鈍を、昇温速度:5〜200℃/秒、
保持温度:300〜500℃、保持時間:10〜150
秒、冷却速度:5〜200℃/秒の条件で行い、中間焼
鈍後の最終圧延率を50〜85%とすることを特徴とす
る。また、前記の方法においてAl合金芯材が、重量%
で、Fe:1.0〜3.0%、Zn:0.5〜3.0%、Z
r:0.02〜0.3%、を含み、更に、Si:0.1〜
0.8%、Ti:0.02〜0.2%、In:0.005〜
0.5%、Sn:0.01〜0.5%のうち、少なくとも
1種または2種以上を含有し、残部Alと不可避不純物
からなるものでも良い。
施の形態について説明する。図1は本発明に係るアルミ
ニウム合金フィン材を用いた熱交換器の一例を示すもの
で、この例の熱交換器Aは、左右のヘッダーパイプ1、
2と、これらのヘッダーパイプ1、2の間にヘッダーパ
イプ1、2に接合して設けられた複数のチューブ3と、
チューブ3に接触させてそれぞれ配置された波形のフィ
ン材4を主体として構成されている。
性に優れたAl-Fe系の合金から構成されている。フ
ィン4材を構成する材料の第1の例として、重量%で、
Fe:1.0〜3.0%(重量%、以下同じ)、Zn:
0.5〜3.0%、Zr:0.02〜0.3%を含み、残部
Alと不可避不純物からなるAl合金を例示することが
できる。なお、本明細書において添加元素の組成範囲を
例えば1.0〜3.0%と表記する場合、下限と上限の臨
界値を含むものとするので、1.0〜3.0%は、1.0
%以上であり、3.0%以下の範囲を意味するものとす
る。フィン4材を構成する材料の第2の例として、重量
%で、Fe:1.0〜3.0%、Zn:0.5〜3.0%、
Zr:0.02〜0.3%を含み、更に、Si:0.1〜
0.8%、Ti:0.02〜0.2%、In:0.005〜
0.5%、Sn:0.01〜0.5%のうち、少なくとも
1種または2種以上を含有し、残部Alと不可避不純物
からなる合金を用いることができる。
て、重量%で、Fe:1.0〜3.0%、Zn:0.5〜
3.0%、Zr:0.02〜0.3%を含み、残部Alと
不可避不純物からなるAl合金芯材の少なくとも一面
に、Al-Si系、または、Al-Si-Zn系のろう材
層をクラッド圧着したクラッド材を用いることができ
る。フィン材4を構成する材料の第4の例として、重量
%でFe:1.0〜3.0%、Zn:0.5〜3.0%、Z
r:0.02〜0.3%、を含み、更に、Si:0.1〜
0.8%、Ti:0.02〜0.2%、In:0.005〜
0.5%、Sn:0.01〜0.5%のうち、少なくとも
1種または2種以上を含有し、残部Alと不可避不純物
からなるAl合金芯材の少なくとも一面に、Al-Si
系、またはAl-Si-Zn系のろう材層をクラッド圧着
したクラッド材を用いることができる。
明する。 Fe:Feはマトリックス中にFe-Al系の金属間化
合物を析出させて疲労強度を向上させる一方で固溶度が
少なく、熱伝導性の低下を抑制できる。本発明の範囲で
ある1.0〜3.0重量%を超える含有量であると、粗大
晶出物の形成により加工性が低下するとともに、自己腐
食速度が増大する。また、前記範囲の下限値未満では、
疲労強度向上効果が少なくなる。 Zn:Znはフィン材4の電位を低下させ、チューブ3
(冷媒通路形成材)に対する犠牲陽極効果を発揮させ
る。本発明の範囲である0.5〜3.0重量%を超える含
有量であると、熱伝導性が低下するとともに、自己腐食
速度が増大する。また、前記範囲の下限値未満では、犠
牲陽極効果が不十分になる。
合物として分散し疲労強度を向上させるとともに、ろう
付け後の再結晶粒径を細かくして疲労強度を向上させ
る。本発明の範囲である0.02〜0.3重量%を超える
含有量であると、加工性が低下するとともに、前記範囲
の下限値未満では疲労強度向上効果が不十分になる。 Si:Siはろう付け後に微細な金属間化合物として分
散し疲労強度を向上させる。本発明の範囲である0.1
〜0.8重量%を超える含有量であると、熱伝導性性と
加工性が低下するとともに、腐食速度が増大し、融点の
低下によりろう材の侵食を受けやすくなる。また、前記
範囲の下限値未満では、疲労強度向上効果が不十分にな
る。
向上させる効果がある。本発明の範囲である0.02〜
0.2重量%を超える含有量であると、熱伝導性と加工
性が低下するとともに、前記範囲の下限値未満では、疲
労強度の向上効果が不十分になる。 In,Sn:InとSnは電気化学的性質を卑にする作
用があるので添加量を調整することによりフィン材4の
電気化学的性質を適宜調整する。本発明の範囲であるI
n:0.005〜0.5重量%、あるいは、Sn:0.0
01〜0.5%を超える含有量であると、腐食速度が大
きくなり過ぎるとともに、前記範囲の下限値未満では、
電気化学的性質(腐食速度)の調整効果が不十分にな
る。
成のAl合金鋳塊を得た後に、熱間圧延加工を施し、そ
の後に複数回の冷間圧延加工と中間焼鈍処理を施した
後、最終圧延加工を施して目的の板厚、例えば、100
μm程度の厚さに加工し、この板厚の素材にコルゲート
加工を施して波形のフィン材4を得ることができる。ま
た、クラッド材からなるフィン材4を製造するには、前
記組成のAl合金板にAl-Si系あるいはAl-Si―
Zn系のAl合金シートを圧延等のクラッド手段により
圧着して製造するものとする。そして、このフィン材4
を図1に示すチューブ3にろう付けして熱交換器Aを得
ることができる。ここで、前記の最終圧延加工前の冷間
加工後の中間焼鈍時においては、中間焼鈍処理を施した
後の状態が極めて柔らかい状態であり、この中間焼鈍処
理を長時間行ったのでは、最終的に得られるフィン材4
の結晶粒が粗大化し易くなり、100μm程度の板厚の
薄いフィン材4を製造する場合、図2(b)に示すよう
に厚さ方向に2〜3個程度の扁平の粗大化した結晶粒6
・・・が存在する組織となり易い。
強度を得るためには、加工素材が最も柔らかくなる中間
焼鈍後において、50〜85%の加工率で最終圧延加工
して最終板厚とすることが好ましい。よって、100μ
m程度の板厚の薄いフィン材4を製造する場合、50〜
85%の加工率で最終圧延加工して100μm程度の厚
さのフィン材とする。また、この最終圧延加工前の焼鈍
処理は、昇温速度:5〜200℃/秒、保持温度:30
0〜500℃、保持時間:10〜150秒、冷却速度:
5〜200℃/秒の条件で行うことにする。
鈍炉にコイル巻きしたフィン材4を投入して行ったので
は実現できないので、連続焼鈍炉(continuas annealin
g line)を用いて行うことが好ましい。コイル巻きした
フィン材4をバッチ式の焼鈍炉に投入して処理すると、
コイルの外側のフィン材の冷却速度を速めることはでき
るが、コイルの内側のフィン材は冷却速度が遅くなるの
で結晶粒の粗大化が起こりやすい。これに対して、連続
焼鈍炉では、コイル巻きしたフィン材4を繰り出して連
続焼鈍炉内を通過させている間に焼鈍するので、所望の
加熱冷却条件を与えることができる。
とで、中間焼鈍時にフィン材内に再結晶核が多数発生
し、この再結晶核が短時間成長する結果、図2(a)に
示すようにフィン材4の厚さ方向に図2(b)に示す構
造よりも多数の微細な扁平の結晶粒7・・・を主体とする
組織とすることができる。これらの結晶粒7・・・におい
てフィン材4の板厚方向の平均結晶粒サイズdが10〜
70μmの範囲とされることが好ましい。また、この範
囲の中でも、10〜20μmがより好ましい範囲とな
り、更にフィン材4をろう付けした後の粒径においても
10〜30μmの範囲であることが好ましい。図2
(a)に示す微細な扁平の結晶粒7の集合体からなる組
織を有するフィン材4であるならば、一部の結晶粒界に
割れを生じてもその割れがフィン材4の全体に伝播しに
くく、粒界割れを起因とする疲労強度低下を防止でき
る。
5〜200℃/秒としたのは、ろう付け後の結晶粒のサ
イズを適正にするためであり、この範囲を超える条件は
生産工程上困難であり、下限値未満ではろう付け後の結
晶粒サイズが大きくなりすぎる。ここで本発明における
フィン材4の平均結晶粒サイズとして、板厚方向の平均
結晶粒サイズが10〜70μmの範囲であることが好ま
しい。保持温度を300〜500℃としたのは、ろう付
け後の結晶粒のサイズを適正にするためであり、この範
囲を超える条件ではろう付け後の結晶粒サイズが大きく
なりすぎ、下限値未満では充分な再結晶がなされずに最
終圧延加工が困難となる。保持時間を10〜150秒と
したのは、ろう付け後の結晶粒のサイズを適正にするた
めであり、この範囲を超えるか、下回る条件ではろう付
け後の結晶粒サイズが大きくなりすぎ、特に下回る条件
では十分O材とならないために、最終圧延工程で割れが
生じることがある。冷却速度を5〜200℃/秒とした
のは、ろう付け後の結晶粒のサイズを適正にするためで
あり、この範囲を超える条件は生産工程上困難であり、
下限値未満ではろう付け後の結晶粒サイズが大きくなり
すぎる。中間焼鈍後の最終圧延率を50〜85%とした
のは、ろう付け後の結晶粒サイズを適正にするためであ
り、この範囲を超えるのは生産工程上困難であり、下限
未満では結晶粒サイズが大きくなりすぎるためである。
程度の薄い板厚のフィン材4であっても、板厚方向の平
均結晶粒サイズが10〜70μmの範囲の微細な結晶粒
径の熱交換器用フィン材4を得ることができる。このフ
ィン材4であるならば、結晶粒が微細化されているとと
もに、適切な添加元素を含有しているので疲労強度に優
れ、加工性と熱伝導性に優れ、耐食性にも優れたものが
得られる。また、フィン材4をろう付けによりチューブ
3に接合して熱交換器Aを製造した場合であっても、ろ
う付け後の耐食性にも優れた特徴を有する。
ィン材を有するラジエータを製造した。ヘッダーパイプ
はJIS4343/3003系の組成のAl合金、チュ
ーブはJIS4343/3003系の組成のAl合金、
フィン材は以下の表1と表2に示す組成のものを用い
た。表1に示すフィン材は全体が厚さ100μmで全体
が同一組成のAl合金からなるものであり、表2に示す
フィン材は表2に示す組成のAl合金芯材の両面に厚さ
10μmのAl-7.5Si合金(JIS4343)ある
いはAl-7.5Si-2Zn合金(JIS4343+2
Zn)のクラッド層をクラッドしたものである。得られ
たラジエータの熱伝導性、即ち、熱交換効率を評価する
目的で入り側と出側の冷媒(水:入り側温度80℃)の
温度差を測定した。また、疲労強度を評価する目的で無
荷重負荷と荷重12kgを周波数25Hzで繰り返し負
荷する疲労試験を行い、フィン材の破断が生じるまでの
時間を測定した。
持時間、冷却速度のいずれかの数値が前述の好ましい範
囲から外れた試料は、最終圧延工程でクラック発生によ
り圧延不可となるか、ろう付け後の結晶粒径(板厚方向
の平均結晶粒サイズ)が70μmを超えて異常に大きく
なるとともに破断までの時間が短く、疲労強度の面で不
足となっている。これに対して本願発明の条件を満足し
た試料(合金種1、2と合金種A、B)は、破断までの
時間が長く疲労強度に優れ、熱伝導性においても良好な
特性を維持した上に、中間焼鈍後の結晶粒径が15〜1
8μmと小さく、ろう付け後の結晶粒径も大きくなり難
いという優れた特性を有していることが判明した。
eとZnとZrを規定量含有するAl合金鋳造材を最終
圧延工程前の中間焼鈍において、規定の昇温速度と保持
温度と保持時間と冷却速度の条件で行い、中間焼鈍後の
最終圧延率を規定の範囲としてなり、板厚方向の平均結
晶粒サイズが10〜70μmの範囲としたので、疲労強
度と熱伝導性に優れ、耐食性にも優れたフィン材を提供
できる。また、前記FeとZnとZrに加えて、Siと
TiとInとSnの少なくとも1種以上を規定量含有さ
せることにより、疲労強度と熱伝導性に優れ、加工性と
耐食性に優れたフィン材を提供できる。更に、前記組成
のAl合金の芯材にAl-Si系あるいはAl-Si-Z
n系のクラッド層を形成したクラッド材からフィン材を
構成する場合も同等の効果を得ることができる。
Al合金鋳造材を最終圧延工程前の中間焼鈍において、
規定の昇温速度と保持温度と保持時間と冷却速度の条件
で行い、中間焼鈍後の最終圧延率を規定の範囲として製
造することにより、板厚方向の平均結晶粒サイズが10
〜70μmの範囲としたフィン材を得ることができるの
で、疲労強度と熱伝導性に優れ、耐食性にも優れたフィ
ン材を製造できる。また、前記FeとZnとZrに加え
て、SiとTiとInとSnの少なくとも1種以上を規
定量含有させることにより、疲労強度と熱伝導性に優
れ、加工性と耐食性に優れたフィン材を製造することが
できる。更に、前記組成のAl合金の芯材にAl-Si
系あるいはAl-Si-Zn系のクラッド層を形成したク
ラッド材を用いてフィン材を製造する場合も同等の効果
を得ることができる。
ある。
の組織を示す図、図2(b)は粗大化した結晶粒からな
るフィン材の組織を示す図である。
ブ、4…フィン材、7・・・結晶粒。
Claims (6)
- 【請求項1】 重量%で、Fe:1.0〜3.0%、Z
n:0.5〜3.0%、Zr:0.02〜0.3%を含み、
残部Alと不可避不純物からなるAl合金鋳造材を複数
回の圧延加工を経て最終圧延し所望の板厚とした後に、
コルゲート加工して得られる熱交換器用アルミニウム合
金フィン材であって、 前記最終圧延工程前の中間焼鈍が、昇温速度:5〜20
0℃/秒、保持温度:300〜500℃、保持時間:1
0〜150秒、冷却速度:5〜200℃/秒の条件でな
され、中間焼鈍後の最終圧延率が50〜85%とされて
なり、 板厚方向の平均結晶粒サイズが10〜70μmの範囲と
されてなることを特徴とする疲労強度と熱伝導性に優れ
た熱交換器用アルミニウム合金フィン材。 - 【請求項2】 重量%で、Fe:1.0〜3.0%、Z
n:0.5〜3.0%、Zr:0.02〜0.3%を含み、
残部Alと不可避不純物からなるAl合金芯材の少なく
とも一面に、Al-Si系、または、Al-Si-Zn系
のろう材層をクラッド圧着したクラッド材を複数回の圧
延加工を経て最終圧延し所望の板厚とした後に、コルゲ
ート加工して得られる熱交換器用アルミニウム合金フィ
ン材であって、 前記最終圧延工程前の中間焼鈍が、昇温速度:5〜20
0℃/秒、保持温度:300〜500℃、保持時間:1
0〜150秒、冷却速度:5〜200℃/秒の条件でな
され、中間焼鈍後の最終圧延率が50〜85%とされて
なり、 板厚方向の平均結晶粒サイズが10〜70μmの範囲と
されてなることを特徴とする疲労強度と熱伝導性に優れ
た熱交換器用アルミニウム合金フィン材。 - 【請求項3】 Al合金芯材が、重量%で、Fe:1.
0〜3.0%、Zn:0.5〜3.0%、Zr:0.02〜
0.3%、を含み、更に、Si:0.1〜0.8%、T
i:0.02〜0.2%、In:0.005〜0.5%、S
n:0.01〜0.5%のうち、少なくとも1種または2
種以上を含有し、残部Alと不可避不純物からなること
を特徴とする請求項1または2記載の疲労強度と熱伝導
性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材。 - 【請求項4】 重量%で、Fe:1.0〜3.0%、Z
n:0.5〜3.0%、Zr:0.02〜0.3%を含み、
残部Alと不可避不純物からなるAl合金鋳造材を複数
回の圧延加工を経て最終圧延し所望の板厚とした後に、
コルゲート加工する熱交換器用アルミニウム合金フィン
材の製造方法であって、 前記最終圧延工程前の中間焼鈍を、昇温速度:5〜20
0℃/秒、保持温度:300〜500℃、保持時間:1
0〜150秒、冷却速度:5〜200℃/秒の条件で行
い、中間焼鈍後の最終圧延率を50〜85%とすること
を特徴とする疲労強度と熱伝導性に優れた熱交換器用ア
ルミニウム合金フィン材の製造方法。 - 【請求項5】 重量%で、Fe:1.0〜3.0%、Z
n:0.5〜3.0%、Zr:0.02〜0.3%を含み、
残部Alと不可避不純物からなるAl合金芯材の少なく
とも一面に、Al-Si系、または、Al-Si-Zn系
のろう材層をクラッド圧着したクラッド材を複数回の圧
延加工を経て最終圧延し所望の板厚とした後に、コルゲ
ート加工する熱交換器用アルミニウム合金フィン材の製
造方法であって、 前記最終圧延工程前の中間焼鈍を、昇温速度:5〜20
0℃/秒、保持温度:300〜500℃、保持時間:1
0〜150秒、冷却速度:5〜200℃/秒の条件で行
い、中間焼鈍後の最終圧延率を50〜85%とすること
を特徴とする疲労強度と熱伝導性に優れた熱交換器用ア
ルミニウム合金フィン材の製造方法。 - 【請求項6】 Al合金芯材が、重量%で、Fe:1.
0〜3.0%、Zn:0.5〜3.0%、Zr:0.02〜
0.3%、を含み、更に、Si:0.1〜0.8%、T
i:0.02〜0.2%、In:0.005〜0.5%、S
n:0.01〜0.5%のうち、少なくとも1種または2
種以上を含有し、残部Alと不可避不純物からなること
を特徴とする請求項5または6記載の疲労強度と熱伝導
性に優れた熱交換器用アルミニウム合金フィン材の製造
方法。
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---|---|---|---|
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US09/173,182 US5965313A (en) | 1997-10-17 | 1998-10-15 | Toners for electrophotography, developers for electrophotography and methods for forming images using the same |
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-
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