JPH10182970A - 多層成形用ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物および多層成形品 - Google Patents
多層成形用ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物および多層成形品Info
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- JPH10182970A JPH10182970A JP30422097A JP30422097A JPH10182970A JP H10182970 A JPH10182970 A JP H10182970A JP 30422097 A JP30422097 A JP 30422097A JP 30422097 A JP30422097 A JP 30422097A JP H10182970 A JPH10182970 A JP H10182970A
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Abstract
性、耐ガス透過性、成形性品外観および層間の密着性が
均衡して優れた多層中空成形品を成形するために使用す
るポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、これを一方の
層とし、これ以外の熱可塑性樹脂を他方の層とした多層
成形品の提供。 【解決手段】 (A)ポリフェニレンスルフィド(P
PS)樹脂組成物からなる層と、(B)これ以外の熱可
塑性樹脂からなる層とが積層された多層成形品成形用樹
脂組成物であって、(A1)PPS100重量部に対
し、(A2)エポキシ基含有化合物0.1〜80重量
部、(A3)PPS以外の熱可塑性樹脂であって、上記
(B)と同種の熱可塑性樹脂5〜80重量部、および
(A4)エポキシ基を含有しないエラストマー0〜80
重量部を含有した樹脂組成物。
Description
性、耐薬品性、耐摩擦摩耗性、耐ガス透過性、成形性品
外観および層間の密着性などが均衡して優れた多層成形
品を成形するために使用するポリフェニレンスルフィド
樹脂組成物、およびこのポリフェニレンスルフィド樹脂
組成物を一方の層とし、ポリフェニレンスルフィド樹脂
以外の熱可塑性樹脂を他方の層として積層してなる上記
の優れた特性を具備した多層成形品に関するものであ
る。
PPS樹脂と略称する)は、耐熱性、耐熱水性、耐薬品
性、耐摩擦摩耗性、難燃性および電気特性などが優れた
エンジニアリングプラスチックであり、電気・電子部
品、自動車部品などの用途に対し、その需要が高まりつ
つある。また、最近では、このPPS樹脂の特長を活か
した中空成形材料が、特公平6−98673号公報など
により既に記載されている。
形温度が高く、また樹脂の固化速度が速いため、良好な
製品外観を得るためには、金型温度を高温に設定する必
要があり、この点で成形性および経済面であまり好まし
い材料といえるものではなかった。
ば自動車のエンジンルーム内のダクト類を中心に、ポリ
アミド系樹脂を使用したブロー成形によって製造する技
術や、チューブ類に飽和ポリエステル系樹脂を使用した
押出成形によって製造する技術が普及している。
和ポリエステル系樹脂などの熱可塑性樹脂からなる単層
中空成形品では、耐熱性、耐薬品性、耐摩擦摩耗性が不
十分であることから、適用する範囲が限定されてしまう
ため、耐熱性、耐熱水性、耐薬品性、および耐摩耗性な
どを一層を高めた製品が要求されている。
持つ耐熱性、耐熱水性、耐薬品性、耐ガス透過性などの
特性と、ポリアミド系樹脂、飽和ポリエステル樹脂など
熱可塑性樹脂が持つ成形性、経済性などの特性を併せて
持つ成形品を得るために、これらの両材料を積層して多
層中空成形品とすることが考えられる。
層とを単純に積層しても、両材料の間に密着性がないた
め、各樹脂層間で剥離が生じ、目的とする積層成形品を
得ることができなかった。
に接着層を介在させた方法が提案されており、例えばP
PS樹脂層とポリオレフィン樹脂層とを接着剤を介して
積層させた積層構造体が、特開平5−193060号公
報などにより提案されている。しかしながら、接着層を
介在させる方法は、例えば共押出成形により多層構造体
を得るに際して押出機の数が多くなるため、加工設備が
複雑となり、加工の手間がかかることから、経済的に不
利があり、工業的に望ましくないという問題があった。
る問題点の改良を課題として検討した結果、達成された
ものである。
熱水性、耐薬品性、耐摩擦摩耗性、耐ガス透過性、成形
性品外観および層間の密着性が均衡して優れた多層成形
品を成形するために使用するポリフェニレンスルフィド
樹脂組成物、およびこのポリフェニレンスルフィド樹脂
組成物を一方の層とし、ポリフェニレンスルフィド樹脂
以外の熱可塑性樹脂を他方の層として積層してなる上記
の優れた特性を具備した多層中空成形品を提供すること
にある。
に鋭意検討した結果、PPS樹脂に対し特定の化合物お
よび熱可塑性樹脂を特定量配合したPPS樹脂組成物、
および前記PPS樹脂組成物からなる層と、前記熱可塑
性樹脂と同種の熱可塑性樹脂層からなる層を積層した多
層成形品により、上記目的が効果的に達成できることを
見出し、本発明に到達した。
とおりである。
脂組成物からなる層と、(B)ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂以外の熱可塑性樹脂からなる層とが積層された多
層成形品を成形するために使用するポリフェニレンスル
フィド樹脂組成物であって、(A1)ポリフェニレンス
ルフィド樹脂100重量部に対し、(A2)エポキシ基
含有化合物0.1〜80重量部、(A3)ポリフェニレ
ンスルフィド樹脂以外の熱可塑性樹脂であって、上記
(B)ポリフェニレンスルフィド樹脂以外の熱可塑性樹
脂からなる層を構成する熱可塑性樹脂と同種の熱可塑性
樹脂5〜80重量部、および(A4)エポキシ基を含有
しないエラストマー0〜80重量部を含有せしめたこと
を特徴とする多層成形用ポリフェニレンスルフィド樹脂
組成物。
樹脂が、脱イオン化処理されたものであることを特徴と
する上記(1)記載の多層成形用ポリフェニレンスルフ
ィド樹脂組成物。
ポキシ基含有重合体であることを特徴とする上記(1)
または(2)記載の多層成形用ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂組成物。
くとも1個のエポキシ基を有するビニル系単量体を共重
合してなるエポキシ基含有オレフィン系共重合体である
ことを特徴とする上記(3)記載の多層成形用ポリフェ
ニレンスルフィド樹脂組成物。 (5)(A2)エポキシ基含有オレフィン系共重合体
が、αーオレフィンとα、βー不飽和酸のグルシジルエ
ステルとを主構成成分とする、エポキシ基含有変性オレ
フィン系共重合体であることを特徴とする上記(4)記
載の多層成形用ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
系共重合体が、α−オレフィンとα、β−不飽和酸のグ
ルシジルエステルと共に、前記一般式([化1])で示
される単量体を必須成分とするエポキシ基含有変性オレ
フィン系共重合体(A2´)であることを特徴とする上
記(4)記載の多層成形用ポリフェニレンスルフィド樹
脂組成物。
ド樹脂または飽和ポリエステル樹脂であることを特徴と
する上記(1)〜(6)記載の多層成形用ポリフェニレ
ンスルフィド樹脂組成物。
ラストマーの配合量が5〜80重量部であることを特徴
とする上記(1)〜(7)記載の多層成形用ポリフェニ
レンスルフィド樹脂組成物。
樹脂100重量部に対し、(A2)エポキシ基含有化合
物0.1〜80重量部、(A3)熱可塑性樹脂5〜80
重量部、および(A4)エポキシ基を含有しないエラス
トマーを0〜80重量部と共に、さらに(A5)繊維状
および/または非繊維状の充填材5〜200重量部を含
有することを特徴とする上記(1)〜(8)記載の多層
成形用ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
多層中空成形用ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を
一方の層とし、(B)ポリフェニレンスルフィド樹脂以
外の熱可塑性樹脂を他方の層として成形されたことを特
徴とする多層成形品。
成形であることを特徴とする上記(10)記載の多層成
形品。
とを特徴とする上記(11)記載の多層成形品。
樹脂以外の熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂またはポリ
エステル樹脂であり、かつ(A)多層成形用ポリフェニ
レンスルフィド樹脂組成物に含まれる(A3)熱可塑性
樹脂と同種の熱可塑性樹脂であることを特徴とする上記
(10)〜(12)記載の多層成形品。
樹脂以外の熱可塑性樹脂が、熱可塑性樹脂100重量部
に対し、繊維状および/または非繊維状の充填材を5〜
200重量部配合した熱可塑性樹脂組成物であることを
特徴とする上記(10)〜(13)記載の多層成形品。
成をとることにより、接着層を介在させることなく、層
間に優れた密着性を発現させることができ、しかも、P
PS樹脂の優れた特性と、PPS樹脂以外の熱可塑性樹
脂の優れた特性とを兼備するものである。
樹脂組成物の構成成分、およびその組成物を用いて成形
した多層成形品の構造について具体的に説明する。
下記構造式で示される繰り返し単位を70モル%以上、
好ましくは90モル%以上含む重合体であり、下記繰り
返し単位が70モル未満では、耐熱性が損なわれるため
好ましくない。
公報で代表される製造方法より得られる比較的分子量の
小さい重合体と、特公昭52−12240号公報で代表
される製造方法により得られる本質的に線状で比較的に
高分子量の重合体などがあり、前記特公昭45−336
8号公報記載の方法で得られた重合体においては、重合
後酸素雰囲気下において加熱することにより、あるいは
過酸化物などの架橋剤を添加して加熱することにより高
重合化して用いることも可能である。
られたPPS樹脂を用いることも可能であるが、本質的
に線状で比較的高分子量の重合体が好ましく使用され
る。
し単位の30モル%未満を、下記の構造式を有する繰り
返し単位などで構成することが可能である。
へて生成した後、酸水溶液洗浄処理、熱水洗浄処理およ
び有機溶剤洗浄処理などにより、脱イオン化処理を施さ
れたものであることが望ましい。
のとおりである。すなわち、本発明でPPS樹脂の酸水
溶液洗浄処理に用いる酸としては、PPS樹脂を分解す
る作用を有しないものであれば特に制限はなく、酢酸、
塩酸、硫酸、リン酸、珪酸、炭酸およびプロピル酸など
が挙げられ、なかでも酢酸および塩酸がより好ましく用
いられ得るが、硝酸のようなPPS樹脂を分解、劣化さ
せるものは好ましくない。
PPS樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必要によ
り適宜撹拌または加熱することも可能である。たとえ
ば、酢酸を用いる場合、pH4の水溶液を80〜90℃
に加熱した中に、PPS樹脂粉末を浸漬し、30分間撹
拌することにより十分な効果が得られる。酸処理を施さ
れたPPS樹脂は残留している酸または塩などを物理的
に除去するため、水または温水で数回洗浄することが必
要である。
脂の好ましい化学的変性の効果を損なわない意味で、蒸
留水あるいは脱イオン水であることが好ましい。
おりである。すなわち、本発明において使用するPPS
樹脂を熱水処理するにあたっては、熱水の温度を100
℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましく
は150℃以上、特に好ましくは170℃以上とするこ
とが重要であり、100℃未満ではPPS樹脂の好まし
い化学的変性効果が小さいため好ましくはない。
好ましい化学的変性の効果を発現するため使用する水
は、蒸留水あるいは脱イオン水であることが好ましい。
熱水処理の操作は、通常、所定量のPPS樹脂を投入
し、圧力容器内で加熱、撹拌することにより行なわれ
る。PPS樹脂と水の割合は、水が多い方が好ましい
が、通常、水1リットルに対し、PPS樹脂200g以
下の浴比が選択される。
好ましくないので、これを回避するため不活性雰囲気下
とすることが好ましい。さらに、この熱水処理操作を終
えたPPS樹脂を、残留している成分を物理的に除去す
るために温水で数回洗浄するのが好ましい。
おりである。すなわち、本発明でPPS樹脂の洗浄に用
いる有機溶媒としては、PPS樹脂を分解する作用など
を有しないものであれば特に制限はなく、例えばNーメ
チルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、1,3ージメチルイミダゾリジノン、ヘキサ
メチルホスホラスアミド、ピベラジノン類などの含窒素
極性溶媒、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、
スルホランなどのスルホキシド、スルホン系溶媒、アセ
トン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセトフ
ェノンなどのケトン系溶媒、ジメチルエーテル、ジプロ
ピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの
エーテル系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、トリク
ロロエチレン、2塩化エチレン、パークロルエチレン、
モノクロルエタン、ジクロルエタン、テトラクロルエタ
ン、パークロルエタン、クロルベンゼンなどのハロゲン
系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタ
ノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、フェノール、クレゾール、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコールなどのアルコー
ル、フェノール系溶媒、およびベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。
これらの有機溶媒のうちでも、Nーメチルピロリドンア
セトン、ジメチルホルムアミドおよびクロロホルムなど
の使用が特に好ましい。また、これらの有機溶媒は、1
種類または2種類以上の混合系で使用される。
媒中にPPS樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必
要により適宜撹拌または加熱することも可能である。
温度については特に制限はなく、常温〜300℃程度の
任意の温度が選択できる。ここで、洗浄温度が高くなる
ほど洗浄効率が高くなる傾向があるが、通常は常温〜1
50℃の洗浄温度で十分な効果が得られる。
の温度で加圧下に洗浄することも可能である。洗浄時間
についても特に制限はなく、洗浄条件にもよるが、バッ
チ式洗浄の場合は、通常5分間以上洗浄することにより
十分な効果が得られる。なお、連続式で洗浄することも
可能である。
で洗浄するのみで十分な効果が得られるが、洗浄効果を
さらに発揮させるためには、水洗浄または温水洗浄と組
み合せることが好ましい。また、Nーメチルピロリドン
などの高沸点水溶性有機溶媒を用いた場合は、有機溶媒
洗浄後、水または温水で洗浄することにより、残存有機
溶媒の除去が容易に行なえるため好ましい。これらの洗
浄に用いる水は蒸留水、脱イオン水であることが好まし
い。
溶融粘度はとくに制限なく、配合する(A2)エポキシ
基含有化合物および(A3)熱可塑性樹脂と混練が可能
であれば、いかなる溶融粘度のものでも用いることがで
きるが、通常は320℃、せん断速度10sec -1におけ
る溶融粘度が100〜10,000ポイズのものが用い
られる。
有化合物としてはエチレングリコールのビスエポキシジ
シクロペンタジエチルエーテル、ブタジエンジエポキシ
ノイド等の脂肪族ジエポキシ化合物、ビスフェノールA
ジグリシジルエーテル等の芳香族ジエポキシ化合物、α
−オレフィンとα、β−不飽和酸のグリシジルエステル
を主構成成分とする変性オレフィン系共重合体等のエポ
キシ基含有重合体(このときのα−オレフィンの具体例
としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、4−メ
チルペンテン−1、ヘキセン1、デセン−1、およびオ
クテン−1などが挙げられるが、中でもエチレンが好ま
しく用いられる)等が挙げられるが、好ましくはエポキ
シ基含有重合体であり、さらに好ましくはα−オレフィ
ンとα、β−不飽和酸のグリシジルエステルを主構成成
分とする変性オレフィン系共重合体である。
モノマー成分であるα、β−不飽和酸グリシジルエルテ
ルとは、一般的に下記一般式で表される化合物であり、
具体的にはアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシ
ジル、およびエタクリル酸グルシジルなどが挙げられ、
中でも特にメタクリル酸グリシジルが好ましく用いられ
る。
ルキル基を示す。) かかる(A2)エポキシ基含有オレフィン系共重合体
は、上記α−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジ
ルエステルとのランダム、ブロック、グラフト共重合体
いずれの共重合様式であってもよい。
飽和酸のグリシジルエステルを主構成成分とするオレフ
ィン系共重合体におけるα、β−不飽和酸のグリシジル
エステルの共重合量は、1〜50重量%、好ましくは3
〜40重量%の範囲が好適である。共重合量が1重量%
未満では目的とする効果が不十分であり、50重量%を
超えるとPPS樹脂との溶融混練時にゲルが生じ、押出
し安定性、成形性、機械的強度などに悪影響を及ぼすた
め好ましくない。
配合量は、(A)PPS樹脂100重量部に対して、
0.1〜80重量部、好ましくは1〜50重量部、さら
に好ましくは3〜40重量部の範囲である。配合量が
0.1重量部未満では溶融粘度が低く成形性が劣り、8
0重量部を越えると(A1)PPS樹脂との溶融混連時
にゲルが生じ、押出安定性、成形性、機械的強度、耐熱
性などに悪影響を及ぼすため好ましくない。
有化合物、好ましくはオレフィン系共重合体として、α
−オレフィンとα、β−不飽和酸のグリシジルエステル
に加えて、更に下記一般式で表示される単量体を必須成
分とする、(A2´)変性オレフィン系共重合体もまた
好適に用いられる。
は−COOR2 基、−CN基あるいは芳香族基から選ば
れた1種または2種以上の基を示す。またR2は炭素数
1〜10のアルキル基を示す。) ここで使用する上記一般式で示される単量体の具体例と
しては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル
酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソ
ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、
メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メ
タクリル酸イソブチルなどのα,β−不飽和カルボン酸
アルキルエステル、アクリロニトリル、スチレン、α−
メチルスチレン、芳香環がアルキル基で置換されたスチ
レンなどが挙げられ、これらは2種以上を同時に使用す
ることもできる。
オレフィンと、α,β−不飽和酸のグリシジルエステル
と、上記単量体とのランダム、ブロック、グラフト共重
合体のいずれの共重合様式であってもよく、例えばα−
オレフィンとα,β−不飽和酸グリシジルエステルとの
ランダム共重合体に対し、上記単量体がグラフト共重合
したような2種以上の共重合様式が組み合わされた共重
合体であってもよい。
レフィン系共重合体における共重合割合は、目的とする
効果への影響、重合性、ゲル化、耐熱性、流動性、強度
への影響などの観点から、α−オレフィン/α,β−不
飽和酸グリシジルエステル=60〜99重量%/40〜
1重量%の範囲が選択される。また、上記単量体の共重
合割合は、α−オレフィンとα、β−不飽和酸グリシジ
ルエステルとの合計量95〜40重量%に対し、上記単
量体5〜60重量%の範囲が好ましく選択される。
´)変性オレフィン系共重合体の配合量は、(A1)P
PS樹脂100重量部に対して、0.1〜80重量部、
好ましくは1〜50重量部、さらに好ましくは3〜40
重量部の範囲である。0.1重量部未満では溶融粘度が
低く成形性が低下し、80重量部を越えると(A1)P
PS樹脂との成形性、機械的強度、耐熱性などに悪影響
を及ぼすため好ましくない。
と、(A2´)の変性オレフィン系共重合体とを併用し
てもよい。
ニレンスルフィド樹脂以外の熱可塑性樹脂であって、
(B)ポリフェニレンスルフィド樹脂以外の熱可塑性樹
脂からなる層を構成する熱可塑性樹脂と同種の熱可塑性
樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、およびポリフェニレンオキシド樹
脂などが挙げられるが、なかでもポリアミド樹脂および
ポリエステル樹脂が好ましい。
ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる構成
成分とするポリアミドである。その主要構成成分の代表
例としては、6ーアミノカプロン酸、11ーアミノウン
デカン酸、12ーアミノドデカン酸、パラアミノメチル
安息香酸などのアミノ酸、εーアミノカプロラクタム、
ωーラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジ
アミン、ヘキサメレンジアミン、ウンデカメチレンジア
ミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4ー/2,
4,4ートリメチルヘキサメチレンジアミン、5ーメチ
ルノナメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、パラ
キシリレンジアミン、1,3ービス(アミノメチル)シ
クロヘキサン、1,4ービス(アミノメチル)シクロヘ
キサン、1ーアミノー3ーアミノメチルー3,5,5ー
トリメチルシクロヘキサン、ビス(4ーアミノシクロヘ
キシル)メタン、ビス(3ーメチルー4ーアミノシクロ
ヘキシル)メタン、2,2ービス(4ーアミノシクロヘ
キシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジ
ン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳
香族のジアミン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、
イソフタル酸、2ークロロテレフタル酸、2ーメチルテ
レフタル酸、5ーメチルイソフタル酸、5ーナトリウム
スルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキ
サヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族の
ジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、これらの
原料から誘導されるポリアミドホモポリマまたはコポリ
マを各々単独または混合物の形で用いることができる。
樹脂としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリ
ヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテト
ラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメ
チレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチ
レンドデカミド(ナイロン612)、ポリドデカンアミ
ド(ナイロン12)、ポリウンデカンアミド(ナイロン
11)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロ
ン6T)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD
6)およびこれらの混合物ないし共重合体などが挙げら
れる。
制限がなく、1%の濃硫酸溶液中、25℃で測定した相
対粘度が、1.5〜7.0の範囲、特に2.0〜6.5
の範囲のものが好ましい。
しては、特に限定されないが、テレフタル酸由来の骨格
を有するものであり、少なくとも60モル%がテレフタ
ル酸であるジカルボン酸と脂肪族ジオールとから得られ
る芳香族ポリエステルが特に好ましい。
は、アゼライン酸、セバシン酸、アジピン酸、ドデカン
ジカルボン酸などの炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香
族ジカルボン酸、またはシクロヘキサンジカルボン酸な
どの脂環式ジカルボン酸の単独ないし混合物が挙げられ
る。脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4ーブタンジオール、トリメ
チレングリコール、およびヘキサメチレングリコールな
どが挙げられる。
例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレ
ンジメチレンテレフタレートなどが挙げられるが、中で
も適度な機械的強度を有するポリブチレンテレフタレー
トまたはテレフタル酸を60モル%以上、好ましくは7
0モル%以上とドデカンジカルボン酸および/またはイ
ソフタル酸を含有するジカルボン酸成分と1,4ーブタ
ンジオール成分からなる共重合ポリエステルが特に好ま
しく使用される。
使用されるポリブチレンテレフタレート(以下PBT樹
脂と略称する)および共重合ポリエステルの重合度には
特に制限無く、0.5%オルトクロロフェノール溶液を
25℃で測定した相対粘度が0.5〜2.5の範囲,特
に0.8〜2.0の範囲のものが好ましい。また、ポリ
エチレンテレフタレートについても重合度には特に制限
無く、0.5%オルトクロロフェノール溶液を25℃で
測定した極限粘度が0.54〜1.5の範囲、特に0.
6〜1.2の範囲のものが好ましい。
記(A3)PPS樹脂以外の熱可塑性樹脂の配合割合
は、(A1)PPS樹脂100重量部に対し5〜80重
量部、好ましくは10〜50重量部の範囲である。上記
(A3)熱可塑性樹脂の配合量が5重量部に満たない場
合には、十分な層間密着強度が得られず、一方配合量が
80重量部を越える場合には、PPS樹脂本来の耐熱性
および耐薬品性などの低下が起こるため好ましくない。
対し、さらに(A4)エポキシ基を含有しないエラスト
マーを配合すると、より優れた表面外観性を得ることが
でき、さらには成形性向上などの面でも有効である。
ラストマーとしては、例えばポリオレフィン系エラスト
マー、ジエン系エラストマー、アクリル系エラストマー
などが挙げられる。
マーの具体例としては、エチレンープロピレン共重合
体、エチレンーブテン共重合体、ポリブテン、エチレン
ープロピレンージエン共重合体、およびエチレンー酢酸
ビニル共重合体などが挙げられる。
ては、スチレンーブタジエン共重合体、ポリブタジエ
ン、ブタジエンーアクリロニトリル共重合体、ポリイソ
プレン、ブテンーイソプレン共重合体、およびスチレン
ーエチレンーブタジエンースチレン共重合体のようなこ
れらの水添物などが挙げられる。
は、エチレンーアクリル酸メチル共重合体、エチレンー
アクリル酸エチル共重合体、エチレンーアクリル酸nー
プロピル共重合体、エチレンーアクリル酸イソプロピル
共重合体、エチレンーアクリル酸nーブチル共重合体、
エチレンーアクリル酸tーブチル共重合体、エチレンー
アクリル酸イソブチル共重合体、エチレンーメタクリル
酸メチル共重合体、エチレンーメタクリル酸エチル共重
合体、エチレンーメタクリル酸nープロピル共重合体、
エチレンーメタクリル酸イソプロピル共重合体、エチレ
ンーメタクリル酸nーブチル共重合体、エチレンーメタ
クリル酸tーブチル共重合体、エチレンーメタクリル酸
イソブチル共重合体などのオレフィンー(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル共重合体、
アクリル酸メチルーアクリロニトリル共重合体、メタア
クリル酸メチルーアクリロニトリル共重合体、アクリル
酸プロピルーアクリロニトリル共重合体、メタアクリル
酸プロピルーアクリロニトリル共重合体、アクリル酸ブ
チルーアクリロニトリル共重合体、メタアクリル酸ブチ
ルーアクリロニトリル共重合体などの、(メタ)アクリ
ル酸エステルーアクリロニトリル共重合体、エチレンー
(メタ)アクリル酸共重合体およびそのNa、Zn、
K、Ca、Mgなどの金属塩、上述のブタジエンーアク
リロニトリル共重合体などが挙げられる。
いエラストマーとしては、反応性を付与する意味で、ア
クリル酸や(メタ)アクリル酸、マレイン酸などの不飽
和カルボン酸、あるいは無水マレイン酸、無水メチルマ
レイン酸、無水シトラコ酸などの不飽和カルボン酸無水
物を変性剤成分として共重合させたものを用いてもよ
い。
マーを用いる場合の、その好適な配合量は、(A)PP
S樹脂組成物100重量部、(B)PPS樹脂以外の熱
可塑性樹脂100重量部のいずれか一方又は両方に対し
て、5〜80重量部の範囲であり、特に10〜50重量
部の範囲がより好ましい。
層に用いられる(B)PPS樹脂以外の熱可塑性樹脂
は、上記(A3)として説明した熱可塑性樹脂と重複す
るため説明を省略する。
以外の熱可塑性樹脂と、(A)PPS樹脂組成物に含ま
れる(A3)PPS樹脂以外の熱可塑性樹脂とは、例え
ば、ポリアミド樹脂に例をとれば、上記(B)層におけ
る熱可塑性樹脂がポリアミド樹脂であれば、(A3)の
熱可塑性樹脂も同種のポリアミド樹脂であり、異種樹脂
との組み合せでは層間の密着性が得られない。さらにポ
リアミド樹脂の中でも、例えば上記(B)層における熱
可塑性樹脂がナイロン6であれば、(A3)の熱可塑性
樹脂もナイロン6であることが、密着性の点でより好ま
しいが、ナイロン66、ナイロン11など他のポリアミ
ド樹脂であっても良好な密着性を得ることができる。
PS樹脂組成物に、(A2)エポキシ基含有化合物と
(A3)熱可塑性樹脂を併用して配合することにより、
(B)熱可塑性樹脂層との強固な密着強さが得られ、
(A2)エポキシ基含有オレフィン共重合体と(A3)
とをそれぞれ単独で配合しても、層間の実用的な密着強
さは得られない。
/または非繊維状充填材を、必要に応じて(A)PPS
樹脂組成物と(B)熱可塑性樹脂層のいずれか一方、ま
たは両方に(A1)PPS樹脂100重量部、または
(B)熱可塑性樹脂100重量部に対して、それぞれ5
〜200重量部の範囲で配合することが可能である。通
常は10〜150重量部の範囲で配合することにより、
強度、剛性、耐熱性、寸法安定性などの一層の向上を図
ることが可能である。
維状充填材としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭化
珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊
維、金属繊維および炭素繊維などの繊維状充填材、ワラ
ステナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイ
カ、クレー、パイロフェライト、ベントナイト、アスベ
スト、タルク、アルミナシリケートなどの珪酸塩、アル
ミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジリコニウ
ム、酸化チタンなどの金属化合物、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、ガラス・ビーズ、窒
化ホウ素、炭化珪素およびシリカなどの非繊維状充填材
などが挙げられ、これらは中空であってもよく、また2
種以上を併用することも可能である。
は非繊維状充填材を、イソシアネート系化合物、有機シ
ラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系
化合物、およびエポキシ系化合物などのカップリング材
で予備処理して使用することは、より優れた機械的強度
を得る意味において推奨される。
脂、(A2)エポキシ基含有化合物、および(A3)熱
可塑性樹脂からなる(A)PPS樹脂組成物、およびこ
れに積層させる(B)熱可塑性樹脂層には、本発明の効
果を損なわない範囲で、ポリアルキレンオキサイドオリ
ゴマ系化合物、チオエーテル系化合物、エステル系化合
物、有機リン化合物などの可塑剤、タルク、カオリン、
有機リン化合物などの結晶核剤、離型剤、酸化防止剤、
熱安定剤、滑剤、紫外線防止剤、着色剤および難燃剤な
どの通常の添加剤を添加することができる。
調製方法、つまり(A1)PPS樹脂に対して、(A
2)エポキシ基含有化合物、(A3)熱可塑性樹脂、
(A4)エポキシ基を含有しないエラストマーおよび
(A5)繊維状および/または非繊維状充填剤を混合す
る方法については、特に限定されるものではない。
し、押出機に供給して溶融混練しペレット化した後に、
これを成形機に直接供給する方法および混合機でドライ
ブレンドしたものを成形機に直接供給する方法などが挙
げられるが、必ずしもこれに限らない。
の1例を図面に基づき詳述する。
ー成形法による多層中空品の製造方法の1例を示すもの
で、一方の押出機1にて上記のようにして得られたPP
S樹脂組成物を、他方の押出機2にて熱可塑性樹脂を溶
融混練する。各々の押出機内にて溶融混練されたPPS
樹脂組成物と熱可塑性樹脂は、共押出ダイ3に圧入供給
され、共押出ダイ3内の接合部4にて多層状に溶着接合
されて、その先端のダイフェイス5から多層パリソン6
として共押出される(図1(A))。
6を分割形式の金型7にて狭持し、パリソン内にノズル
8より圧縮空気などの圧力流体を吹き込み、パリソン6
を吹膨して金型のキャビティ9に対応した形状に成形さ
れる(図1(B))。
放して余剰のバリを除去することにより、目的とする多
層成形品10が得られる。
空成形品10を製造する場合には、押出機を適宜に増設
してそれぞれの押出機を共押出ダイ3に接続し、多層状
のパリソンを押出すことにより得られる。
例にすぎずこれに限定されるものではない。
樹脂組成物と(B)熱可塑性樹脂の層構成は、用途によ
って種々要求特性が異なるため選択が自由であり、たと
えば2層の場合には、1方の樹脂が成形品の内層、外層
どちらにの層になってもよいし、3層の場合にも中間層
として何れか樹脂を選ぶことができる。積層の数につい
ては2層以上であり当然4層以上でもよい。
と(B)熱可塑性樹脂との層間の強固な密着強さを得る
ためには、両樹脂の成形温度をできる限り同一温度に近
づけて設定するのが好ましい。(A)PPS樹脂組成物
の溶融温度に対し、(B)熱可塑性樹脂の温度が極端に
低いと、共押出の際に(A)PPS樹脂組成物の表面が
固化する傾向となり、密着強さが低下するため好ましく
ない。好ましい成形温度は、(A)PPS樹脂組成物が
280〜310℃、熱可塑性樹脂が260〜290℃、
より好ましくは(A)PPS樹脂組成物が230〜30
0℃、(B)熱可塑性樹脂が250〜290℃である。
品は、耐熱性、耐熱水性、耐薬品性、耐摩耗性および成
形品外観に優れると共に、特にPPS樹脂組成物層と熱
可塑性樹脂層との密着強さが強固で優れており、ボト
ル、タンクおよびダクトなどのブロー成形品、シート、
パイプ、チューブなどの押出成形品として、ウォーター
パイプなどの自動車部品、電気・電子部品、および薬品
用途に有効である。
る。
記された多層中空成形品の表面外観、耐熱水性、低温衝
撃性、耐フレオンガス透過性、層間の密着性は、以下の
方法により測定した。
(B)熱可塑性樹脂を、ブローおよびチューブ成形法に
より、各々押出機内部で溶融混練し共押出ダイに供給
し、共押出ダイ内の接合部にて多層状に溶融接合し、そ
の先端のダイフェイスから多層パリソンまたは多層管状
体として共押出す。これをブロー成形の場合は、金型内
に空気を吹き込み、1辺80mm、高さ200mmの正
四角柱型容器を成形した。また、チューブ成形の場合
は、サイジングダイで冷却固化させ、外径φ14mm、
内径φ12mmおよび外径φ6mm、内径φ4mmの2
層チューブを成形した。得られた成形品の評価は次の方
法に従って行った。
た正四角柱型容器の胴部を切断し、その内外表面の平滑
性を観察し、良好な順に「優(びびりなし)」、「良
(びびり中)」、「可(びびり大」と等級付けした。
加圧下、温度130℃で、1,000時間処理した後、
容器胴部から引張試験片を作成し、引張強度とその強度
保持率を測定することにより、保持率50%以上を○、
50%以下を×とした。
径φ14mm、内径φ12mmのチューブを8cm長に
切断し、−30℃の雰囲気下で平面上に置き、0.5k
gの球状重錘を30cmの高さから落下させ、n数10
個の破壊個数を調べ、試験数に対する破壊個数の比率と
して表した。
m、内径12mmのチューブを30cm長に切断し、チ
ューブ内にフロンガスRー134aを1立方センチ当り
0.6±0.1g封入し、100℃の空気恒温槽内に9
6時間放置し、重量変化を測定することにより透過量
(gr/m/72hr)を算出した。
φ6mm、内径φ4mmの2層チューブを1m長に切断
し、チューブ内にφ3.8mmのスチールワイヤーを通
し、シリコーン系グリスを充填した。次いで半径100
mmRで360°巻(1重巻)し、ワイヤーの一端に1
0kgfの荷重(W)をかけ、他端ワイヤーから3cm
/secの速度で引張/押しの摺動を100回繰り返た
後、他端からの引張力(F)を測定し、次式で摺動荷重
効率を求めた。◎ 摺動荷重効率(%)=(W/F)
×100 [成形品層間の密着強度]2層チューブを短冊状にカッ
トし、短冊の端部のPPS樹脂組成物層と熱可塑性樹脂
層を剥離させ、各層を引張試験機のチャックに挟み、下
記条件下で180度剥離強さ(gf/10mm)を測定
した。
トリウム3.20Kg(25モル、結晶水40%を含
む)、水酸化ナトリウム4g、酢酸ナトリウム三水和物
1.36Kg(約10モル)およびN−メチル−2−ピ
ロリドン(以下、NMPと略称する)7.9Kgを仕込
み、撹拌しながら徐々に205℃まで昇温し、水1.3
6Kgを含む留出水約1.5リットルを除去した。
3.75Kg(25.5モル)およびNMP2Kgを加
え、265℃で3時間加熱した。反応生成物を70℃の
温水で5回洗浄し、80℃で24時間減圧乾燥して、溶
融粘度約1,500ポイズ(320℃、剪断速度10se
c -1)の粉末状PPS樹脂(P−1)約2Kgを得た。
同様な操作を繰り返し、以下に記載の実施例に供した。
理)]参考例1で得られたPPS樹脂粉末約2Kgを、
90℃に加熱されたpH4の酢酸水溶液20リットル中
に投入し、約30分間撹拌し続けた後ろ過し、ろ液のp
Hが7になるまで約90℃の脱イオン水で洗浄し、12
0℃で24時間減圧乾燥して粉末状とし、酸溶液洗浄処
理PPS樹脂(P−2)を得た。
理)]参考例1で得られたPPS樹脂粉末約2Kgと、
脱イオン水10リットルとをオートクレーブに仕込み、
常圧で密封した後、175℃まで昇温し、撹拌しながら
約30分間保温した後冷却した。内容物を取り出してろ
過し、さらに、70℃の脱イオン水約10リットルの中
にPPS樹脂を浸漬、撹拌し、ろ過する操作を5回繰り
返した。その後120℃で24時間減圧乾燥して熱水洗
浄処理PPS樹脂(P−3)を得た。
理)]参考例1で得られたPPS樹脂粉末約2Kgを、
100℃に加熱したNMP20リットル中に投入し、約
30分間撹拌した後ろ過し、続いて約90℃のイオン交
換水で洗浄した。このものを120℃で24時間減圧乾
燥してNMP洗浄処理PPS樹脂(P−4)を得た。
洗浄処理PPS樹脂(P−2)100重量部、相対粘度
4.2のナイロン6樹脂35重量部、およびエポキシ基
含有変性オレフィン系共重合体としてエチレン/グリシ
ジルメタクリレート(E/GMA)=88/12(重量
%)共重合体35重量部をヘンシェルミキサでドライブ
レンドした後、40mmφ単軸押出機のホッパーに供給
し、シリンダ温度300℃、スクリュー回転数80rp
mの条件で溶融混練を行いペレット化した。
30℃で4時間乾燥した後、図1に示すようなブロー成
形方式により、30mmφ押出機に供給し、シリンダー
温度300℃にて溶融混練し、共押出ダイ内で内層を形
成させた。
脂(東レ(株)製CM1046X04:100重量部/
ガラス繊維(長さ:3mm×φ13μm):43重量
部)を50φmm押出機に供給し、シリンダー温度28
0℃にて溶融混練し、共押出ダイ内で外層を形成させ
た。
きた2層パリソンを、市販のブロー成形装置を使用して
ブロー成形することにより、通常の方法で、1辺80m
m、高さ200mmの正四角柱型容器を成形した。得ら
れた容器の肉厚は外層2.65mm、内層0.35mm
であった。
間の密着強度を測定した結果を表1に示す。表1の結果
から明らかなように、成形品外観、耐熱水性が均衡して
優れており、さらに10mm幅当り5.0kgの高い密
着強度が得られた。
を形成するPPS樹脂組成物中のPPS樹脂、熱可塑性
樹脂(ポリアミド樹脂)、エポキシ基含有オレフィン系
共重合体、エポキシ基を含有しないエラストマー、ガラ
ス繊維の配合量と、外層を形成するポリアミド樹脂、ガ
ラス繊維の配合量を表1に示したように変更し、実施例
1と同様の手順で成形を行い、得られたブロー成形品の
成形品外観、耐熱水性、層間の密着強度を測定して、結
果を表1に併せて示した。
は次のとおりである。 ナイロン6 :東レ(株)製CM1046X04 ナイロン66:東レ(株)製CM3006 エラストマー:三井石油化学(株)製“タフマー”A4
085(エチレン/ブテン−1共重合体 ガラス繊維 :長さ:3mm×φ13μm。
リアミド樹脂、エチレン/グリシジルメタクリレート共
重合体、エラストマを併用して配合すると,PPS樹脂
組成物層とポリアミド樹脂層間に強固な密着強さが認め
られ、配合する熱可塑性樹脂の配合量が増加するにつれ
密着強度の向上が認められた。また、各ブロー成形品と
もに、成形品外観、耐熱水性が均衡して優れており、高
機能の成形品が得られた。
S樹脂組成物中のポリアミド樹脂およびエチレン/グリ
シジルメタクリレート共重合体のいずれか一方を省略す
るか、ポリアミド樹脂またはエチレン/グリシジルメタ
クリレート共重合体の配合量を表2に示したように変更
した以外は、実施例1と同様に成形を行い、得られたブ
ロー成形品について同様に評価した。
層間の密着強さは得られなかった。また、PPS樹脂組
成物中のポリアミド樹脂またはエチレン/グリシジルメ
タクリレート共重合体の添加量が多くなると、耐熱水性
が不十分であった。
用した、ガラス繊維強化ナイロン6樹脂およびナイロン
66樹脂をそれぞれ単独でブロー成形し、実施例1と同
様形状の肉厚3.0mmの単層の正四角柱型容器を成形
した。得られた容器を実施例1と同様に評価した結果を
表2に併せて示す。
単独で成形したものは、成形品外観および耐熱水性が不
十分であり、満足なブロー成形品ではなかった。
樹脂(ナイロン11またはナイロン12樹脂)、エチレ
ン/グリシジルメタクリレート共重合体およびエポキシ
基を含有しないエラストマを、表3に示した配合割合で
配合し、実施例1と同様にペレット化した。
30℃で4時間乾燥した後、通常の多層チューブ成形方
式により30mmφ押出機に供給し、シリンダー温度2
95℃にて溶融混練し、共押出ダイ内で内層を形成させ
た。
脂を40mmφ押出機に供給し、シリンダー温度270
℃にて溶融混練し、共押出ダイ内で外層を形成させた。
きた2層管状体から、市販のチューブ成形装置を用い
て、通常の方法により、外径φ14mm、内径φ12m
mの2層チューブを成形した。このチューブの肉厚は外
層0.8mm、内層0.2mmであった。
に示すとおり、10mm幅当り1.9〜2.7kgの高
い値を示した。また、このチューブの低温衝撃性および
耐フレオンガス透過性も非常に優れたものであった。
PPS樹脂組成物中のナイロン11およびナイロン12
樹脂またはエチレン/グリシジルメタクリレート共重合
体を、それぞれ省略した以外は実施例7〜8と同様に多
層チューブを作成した。
チューブの低温衝撃性および耐フレオンガス透過性は優
れているが、層間の密着強度はほとんど得られなく、実
用面で不十分であった。
使用したナイロン11およびナイロン12樹脂、PPS
樹脂組成物から、それぞれ単独でチューブ成形し、実施
例7〜8と同形状の単層チューブを成形した。
1およびナイロン12単層チューブはフレオンガス透過
性が大きく、またPPS樹脂組成物単層チューブは低温
衝撃性が悪く、いずれも実用面で不十分なものであっ
た。
るナイロン11樹脂および内層を形成するPPS樹脂組
成物中のナイロン11樹脂を、それぞれPBT樹脂に変
えて外径φ6mm、内径φ4mmの2層チューブを作成
した。このチューブの肉厚は外層0.7mm、内層0.
3mmであった。
効率)は、表4に示すように、75〜80%と優れてお
り、また層間の密着強度は10mm幅当り4.9〜5.
6kgの高い値を示した。
樹脂組成物中のPBT樹脂を省略した以外は、実施例1
2と同様に多層チューブを作成した。
示すように10mm幅当り0.5kgと低く、摺動荷重
効率の測定で層間の剥離が認められ、実用評価ができな
かった。
PBT樹脂から、単独でチューブ成形し、実施例12〜
13と同形状の単層チューブを成形した。
示すように、摺動荷重効率が低く、実用面で不十分であ
った。
用PPS樹脂組成物は、接着層を介在させずとも、他の
層を形成する熱可塑性樹脂との間に強固な密着性を持
ち、さらにそのPPS樹脂組成物をいずれかの1層とし
て使用して得られる本発明の多層成形品は、PPS樹脂
の優れた耐薬品性、耐熱性、耐熱水性、耐ガス透過性、
および熱可塑性樹脂の優れた成形性、経済性を兼備して
おり、各種タンク、ボトル、自動車他のダクト、パイプ
などの用途に有益に使用することができる。
成形品の製造方法の一例を示す一部破断概略説明図であ
る。
Claims (14)
- 【請求項1】 (A)ポリフェニレンスルフィド樹脂
組成物からなる層と、(B)ポリフェニレンスルフィド
樹脂以外の熱可塑性樹脂からなる層とが積層された多層
成形品を成形するために使用するポリフェニレンスルフ
ィド樹脂組成物であって、(A1)ポリフェニレンスル
フィド樹脂100重量部に対し、(A2)エポキシ基含
有化合物0.1〜80重量部、(A3)ポリフェニレン
スルフィド樹脂以外の熱可塑性樹脂であって、上記
(B)ポリフェニレンスルフィド樹脂以外の熱可塑性樹
脂からなる層を構成する熱可塑性樹脂と同種の熱可塑性
樹脂5〜80重量部、および(A4)エポキシ基を含有
しないエラストマー0〜80重量部を含有せしめたこと
を特徴とする多層成形用ポリフェニレンスルフィド樹脂
組成物。 - 【請求項2】 (A1)ポリフェニレンスルフィド樹
脂が、脱イオン化処理されたものであることを特徴とす
る請求項1記載の多層成形用ポリフェニレンスルフィド
樹脂組成物。 - 【請求項3】 (A2)エポキシ基含有化合物がエポ
キシ基含有重合体であることを特徴とする請求項1また
は2記載の多層成形用ポリフェニレンスルフィド樹脂組
成物。 - 【請求項4】 重合体が、分子中にビニル基と少なく
とも1個のエポキシ基を有するビニル系単量体を共重合
してなるエポキシ基含有オレフィン系共重合体であるこ
とを特徴とする請求項3記載の多層成形用ポリフェニレ
ンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項5】 (A2)エポキシ基含有オレフィン系
共重合体が、αーオレフィンとα、βー不飽和酸のグル
シジルエステルとを主構成成分とする、エポキシ基含有
変性オレフィン系共重合体であることを特徴とする請求
項4記載の多層成形用ポリフェニレンスルフィド樹脂組
成物。 - 【請求項6】 (A2)エポキシ基含有オレフィン系
共重合体が、α−オレフィンとα、β−不飽和酸のグル
シジルエステルと共に、下記一般式で示される単量体を
必須成分とするエポキシ基含有変性オレフィン系共重合
体(A2´)であることを特徴とする請求項4記載の多
層成形用ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。 【化1】 (ここで、R1 は水素または低級アルキル基を示し、X
は−COOR2 基、−CN基あるいは芳香族基から選ば
れた1種または2種以上の基を示す。またR2は炭素数
1〜10のアルキル基を示す。) - 【請求項7】 (A3)熱可塑性樹脂が、ポリアミド
樹脂または飽和ポリエステル樹脂であることを特徴とす
る請求項1〜6のいずれか1項記載の多層成形用ポリフ
ェニレンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項8】 (A4)エポキシ基を含有しないエラ
ストマーの配合量が5〜80重量部であることを特徴と
する請求項1〜7のいずれか1項記載の多層成形用ポリ
フェニレンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項9】 (A1)ポリフェニレンスルフィド樹
脂100重量部に対し、(A2)エポキシ基含有化合物
0.1〜80重量部、(A3)熱可塑性樹脂5〜80重
量部、および(A4)エポキシ基を含有しないエラスト
マーを0〜80重量部と共に、さらに(A5)繊維状お
よび/または非繊維状の充填材5〜200重量部を含有
することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載
の多層成形用ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項記載の
(A)多層中空成形用ポリフェニレンスルフィド樹脂組
成物を一方の層とし、(B)ポリフェニレンスルフィド
樹脂以外の熱可塑性樹脂を他方の層として成形されたこ
とを特徴とする多層成形品。 - 【請求項11】 成形が、押出し成形またはブロー成
形であることを特徴とする請求項10記載の多層成形
品。 - 【請求項12】 多層成形品が中空成形品であること
を特徴とする請求項11記載の多層成形品。 - 【請求項13】 (B)ポリフェニレンスルフィド樹
脂以外の熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂またはポリエ
ステル樹脂であり、かつ(A)多層成形用ポリフェニレ
ンスルフィド樹脂組成物に含まれる(A3)熱可塑性樹
脂と同種の熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項
10〜12いずれか1項記載の多層成形品。 - 【請求項14】 (B)ポリフェニレンスルフィド樹
脂以外の熱可塑性樹脂が、熱可塑性樹脂100重量部に
対し、繊維状および/または非繊維状の充填材を5〜2
00重量部配合した熱可塑性樹脂組成物であることを特
徴とする請求項10〜13いずれか1項記載の多層成形
品。
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Cited By (4)
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