JPH10182862A - 合成紙の製造方法 - Google Patents

合成紙の製造方法

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JPH10182862A
JPH10182862A JP8355798A JP35579896A JPH10182862A JP H10182862 A JPH10182862 A JP H10182862A JP 8355798 A JP8355798 A JP 8355798A JP 35579896 A JP35579896 A JP 35579896A JP H10182862 A JPH10182862 A JP H10182862A
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weight
particles
synthetic paper
ether
layer
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JP8355798A
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Sanehiro Shibuya
修弘 渋谷
Masahiro Sato
正洋 佐藤
Hajime Kanbara
肇 神原
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Yupo Corp
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Yupo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸着性に優れ、インクの定着性の優れる水性
インクジェット記録用紙ならびに色沈みのない印刷用紙
に適した合成紙の製造方法を提供する。 【解決手段】 水酸基を有する粒子、多孔質シリカ粒子
より選ばれた充填剤を8〜65重量%および熱可塑性樹
脂を92〜35重量%含有する樹脂フィルムを、該熱可
塑性樹脂の融点より低い温度で延伸して得られた延伸フ
ィルムの表面に、下記の一般式(1)で示されるアルミ
ニウムアルコキシドを親水性溶媒に溶解した溶液をアル
ミニウムアルコキシドが0.3〜30g/m2 となる量
塗布し、次いで親水性溶媒を揮散させることを特徴とす
る合成紙の製造方法。 R1 (3-n) Al(OR2 ) n (1) (式中、R1 とR2 は、それぞれ独立して炭素数が1〜
6のアルキル基であり、nは1〜3の整数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゾル・ゲル法によ
り表面にベーマイトの薄層を設けた合成紙の製造方法に
関する。この合成紙は、オフセット印刷、グラビア印
刷、シルクスクリーン印刷等の印刷がなされる印刷用
紙、インクジェット記録用紙、鉛筆筆記用紙として有用
である。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、染料を水に溶解
した水性インクを用いる記録方式であり、近年その高速
性、低騒音性、多色印字の容易、記録パターンの融通性
が大きいこと、及び画像、定着が不要であること等を特
徴として、漢字を含むカラー図形情報のハードコピー装
置をはじめ、種々の用途において急速に普及している。
さらに、多色インクジェット方式により形成される画像
は通常の多色印刷、例えばオフセット印刷、によるもの
に比較して遜色なく、作成部数が少ない場合には通常の
製版方式によるより安価なことから、インクジェット記
録方式を単なる記録用途に留めず、多色印刷やカラー写
真の分野にまで応用する試みが為されている。
【0003】記録媒体として、普通紙、ピグメント塗工
紙、無機フィラー含有ポリプロピレンの延伸フィルムよ
りなる合成紙を使うべくインクジェット記録装置やイン
ク組成の面から努力が成されてきた。しかし、装置の高
速化、高精細化あるいはフルカラー化などインクジェッ
ト記録装置の性能の向上や用途の拡大に伴い、記録媒体
に対してもより高度な特性が要求されるようになった。
【0004】水性インクジェット記録用紙のインク受理
層は、水溶性あるいは水分散性樹脂バインダーに無機微
細粉末を配合(特開昭55−51683号公報、同62
−174182号公報、特開平3−284978号公
報、特開平7−89216号公報)した塗工剤を乾燥さ
せたもので、無機微細粉末としてはコロイダルシリカ、
酸化アルミナ、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、カ
オリン、酸化チタン等が知られている。
【0005】インクを吸着する粒子は、記録液の粒子へ
の浸透速度を速く(即ち、被記録材の乾燥速度を速く)
することが望ましく内部の空隙率の大きい多孔質粒子が
良いとされ、多孔質のシリカ粉末、アルミナゾルの使用
が良いとされていた。一方、記録液(インク)の発色性
を良くするためには、粒子表面だけで染料、顔料を含む
インクを定着することが望ましいが、従来の無機微細粉
末、特に多孔質粒子は、粒子内部でも定着しており、発
色性が問題である。本発明者等は、多孔質粒子の表面を
高級脂肪酸や脂肪酸ビスアミドで処理し、粒子内部への
インクの定着を少くしようと試みたが逆に乾燥速度が低
下することが判明した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、吸着性に優
れ、インクの定着性の優れる水性インクジェット記録用
紙ならびに色沈みのない印刷用紙に適した合成紙の製造
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、水酸基を有す
る粒子、多孔質シリカ粒子より選ばれた充填剤を8〜6
5重量%および熱可塑性樹脂を92〜35重量%含有す
る樹脂フィルムを、該熱可塑性樹脂の融点より低い温度
で延伸して得られた延伸フィルムの表面に、下記の一般
式(1)で示されるアルミニウムアルコキシドを親水性
溶媒に溶解した溶液をアルミニウムアルコキシドが0.
3〜30g/m2 となる量塗布し、次いで親水性溶媒を
揮散させることを特徴とする合成紙の製造方法、を提供
するものである。 R1 (3-n) Al(OR2 ) n (1) (式中、R1 とR2 は、それぞれ独立して炭素数が1〜
6のアルキル基であり、nは1〜3の整数である。)
【0008】
【作用】合成紙のフィルムを形成する樹脂マトリックス
の表面より突出している充填剤の表面は多孔質のベーマ
イトの薄膜により被覆されているので、記録液やインク
中の染料や顔料は充填剤のベーマイト表面にだけ定着さ
れ、それにより発色が鮮明となる。インク中の染料や顔
料が核の多孔質シリカ粒子や水酸基含有粒子の内部まで
浸透、定着して発色が低減したり、色沈みするというこ
とがない。
【0009】更に、延伸により充填剤を核として微細な
ボイド(空孔)が延伸フィルム内部に生じ、合成紙の不
透明度が向上し、密度が低下して軽くなると共に、延伸
フィルム表面に微細な亀裂が形成されるので、この亀裂
と前記充填剤のベーマイト層の存在により記録液、イン
ク(オフセットインク、グラビアインク、溶融型感熱転
写インク、ホットメルト型インクジェット用インク等)
の転移性、乾燥性、密着性が向上する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の合成紙の製造方法
について説明する。延伸フィルム :延伸フィルムは、水酸基を有する粒子、
多孔質シリカ粒子より選ばれた充填剤を8〜65重量%
および熱可塑性樹脂を92〜35重量%含有する樹脂フ
ィルムを、該熱可塑性樹脂の融点より低い温度で延伸し
て得られるフィルム内部に微細なボイドを有するもので
ある。
【0011】原料の熱可塑性樹脂としては、ポリプロピ
レン、高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
充填剤としては、平均粒径0.1〜5μm、好ましくは
1〜3μm、BET法吸着面積150〜600m2 /g
の多孔質シリカ、および平均粒径0.1〜5μm、好ま
しくは0.8〜3μm、BET法吸着面積0.5〜60
0m2 /gの、分子構造中に水酸基を有する無機微細粒
子もしくは樹脂粒子が使用できる。
【0012】水酸基を有する粒子の具体例としては、水
酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ドーソナイト
〔NaAl(OH)2 CO3 〕の粉砕物、モンモリロナ
イト〔Al4 (Mg)〔Si8 (Al)O20〕(OH)
4 ・xH2 O、塩基性マグネシウム・アルミニウム・ハ
イドロオキシ・カーボネート・ハイドレート〔Mg6
2 (OH)16CO3 ・4H2 O〕、天然または合成の
ハイドロタルサイト〔Mg4.5 Al2 (OH)13CO3
・3.5H2 O〕、カルサイト(3CaO・Al2 3
・6H2 O)、水酸化アルミナ・マグネシウム共沈物、
水酸化アルミニウム・炭酸ナトリウム共沈物、無水リン
酸水素カルシウム等の無機微細粒子が挙げられる。さら
に、メタクリル酸メチル・メタクリル酸2−ヒドロキシ
エチル共重合体の架橋微粒子、スチレン・メタクリル酸
2−ヒドロキシエチル共重合体の架橋微粒子、ポリスチ
レン・エチレングリコールジアクリレート共重合体の架
橋微粒子等の水酸基を有する有機高分子粒子も使用可能
である。
【0013】また、これら充填剤と共に、他の無機微細
粉末を併用してもよい。他の無機微細粉末としては、炭
酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タル
ク、酸化チタン、硫酸バリウム等で、その粒径が0.0
3〜5ミクロンのものが使用される。又、延伸物は単層
構造であっても、多孔質シリカ粒子、水酸基を有する粒
子を充填剤として含む樹脂延伸物を最上層(表面層)と
し、これと他の層が積層された複層構造のものであって
もよい。
【0014】かかる微多孔性の延伸物としては、例えば
次のとのものが挙げられる。ここで、延伸物の表面
層の無機微細粉末は、多孔質シリカ粒子、水酸基含有粒
子の充填剤を含有するものであり、参考として記した先
行技術文献の製法とは、無機微細粉末としてかかる充填
剤がこれら文献には記載されていないか、後記するゾル
・ゲル法によりベーマイト薄膜を形成することが記載さ
れていない点で異なる。
【0015】 無機微細粉末を8〜65重量%の割合
で含有する微多孔を有する熱可塑性樹脂の二軸延伸フィ
ルム(特公昭54−31032号公報、米国特許第37
75521号明細書、米国特許第4191719号明細
書、米国特許第4377616号明細書等)。 二軸延伸熱可塑性フィルムを基材層とし、無機微細
粉末を8〜65重量%含有する熱可塑性樹脂の一軸延伸
フィルムを紙状層とする合成紙(特公昭46−4079
4号公報、特開昭57−149363号公報、同57−
181829号公報等)。
【0016】この合成紙は、2層構造であっても、基材
層の表裏面に一軸延伸フィルムの紙状層が存在する3層
構造(特公昭46−40794号公報、米国特許第43
18950号明細書)であっても、紙状層と基材層間に
他の樹脂フィルム層が存在する3層〜7層の合成紙(特
公昭50−29738号公報、特開昭57−14936
3号公報、同56−126155号公報、同57−18
1829号公報、米国特許第4472227号明細書)
であっても、裏面がプロピレン・エチレン共重合体、エ
チレン・(メタ)アクリル酸共重合体の金属塩(Na、
Li、Zn、K)、塩素化ポリエチレンなどの基材層樹
脂よりも低融点の樹脂よりなるヒートシール層を有する
3層以上の合成紙であってもよい(特公平3−1397
3号公報)。
【0017】3層構造の合成紙の製造方法は、例えば、
無機微細粉末を0〜30重量%、好ましくは8〜25重
量%含有する熱可塑性樹脂フィルムを、該樹脂の融点よ
り低い温度で一方向に延伸して得られる一軸方向に配向
したフィルムの両面に、無機微細粉末を8〜65重量%
含有する熱可塑性樹脂の溶融フィルムを積層し、次いで
前記方向と直角の方向にこの積層フィルムを延伸するも
のであり、それにより得られる合成紙は紙状層が一軸方
向に配向し、微細な空隙を多数有するフィルムであり、
基材層は二軸方向に配向した積層構造物である。
【0018】延伸倍率は縦、横方向とも4〜10倍が好
ましく、延伸温度は樹脂がホモポリプロピレン(融点1
64〜167℃)の場合は140〜162℃、高密度ポ
リエチレン(融点121〜134℃)の場合は110〜
130℃、ポリエチレンテレフタレート(融点246〜
252℃)の場合は104〜115℃である。また、延
伸速度は50〜350m/分である。これらの延伸物
は、その不透明度(JIS P−8138)が85%以
上、好ましくは90%以上であり、次式(1)で算出さ
れる空孔率が10〜60%、好ましくは15〜45%、
肉厚が30〜300μm、好ましくは50〜150μm
であり、密度が0.60〜1.12g/cm3 のもので
ある。
【0019】
【式1】
【0020】ゾル・ゲル処理法:上記延伸物の多孔質シ
リカ、水酸基含有粒子を含有する表面層側に、一般式
(1)で示されるアルミニウムアルコキシドを親水性溶
媒に溶解した溶液をアルミニウムアルコキシドが0.3
〜30g/m2 、好ましくは1〜15g/m2 となる量
塗布し、次いで親水性溶媒を揮散させて多孔質のベーマ
イトの薄膜(0.1〜20μm)を延伸物の樹脂マトリ
ックス表面より突出している充填剤の表面に形成させる
ことにより目的とする合成紙が製造される。
【0021】 R1 (3-n) Al(OR2 ) n (1) (式中、R1 とR2 は、それぞれ独立して炭素数が1〜
6のアルキル基であり、nは1〜3の整数である。) 多孔質シリカ粒子、水酸基を有する粒子は大気中の水
分、或いは水性有機有機溶媒中に微量に含有される水分
を吸収し、この水により、アルミニウムアルコキシドは
加水分解、重合し、水酸基を有する粒子の水酸基と反応
を行い(水酸基を有する粒子の表面において反応が進
む)、これにより、充填剤表面に多孔質のアルミニウム
酸化物、アルミニウム水酸化物などからなるベーマイト
層が形成される。アルミニウムアルコキシドとしてアル
ミニウムトリイソプロポキシドを、充填剤として多孔質
シリカを例(実施例1参照)に採ると、それらの反応は
次式で示される。
【0022】
【化1】
【0023】ここで、[3]のSi(OH)4 は多孔質
シリカ中のSi−OHを代表させて記述したものであ
り、シリカ粒子表面、内部表面のモノヒドロキシ、ジヒ
ドロキシ、トリヒドロキシシランであってもよい。
[1]のH2 Oは、多孔質シリカ中に吸収された水であ
り、従って本発明においてはこの加水分解は多孔質シリ
カ粒子表面で進む。水酸基を有する粒子として水酸化マ
グネシウムを用い、アルミニウムアルコキシドとしてア
ルミニウムトリイソプロポキシドを例(実施例2参照)
に採ると、それらの反応は次式で示される。
【0024】
【化2】 ここで、[3]のMg(OH)2 は水酸基を有する粒子
である水酸化マグネシウム表面のMg−OHを代表させ
て記述したものである。
【0025】前記の一般式(1)で示されるアルミニウ
ムアルコキシドとしては、アルミニウムトリイソプロポ
キシド、アルミニウムジエチルモノイソプロポキシド、
アルミニウムエチルジイソプロポキシド、アルミニウム
トリブトキシド、アルミニウムメチルエチルイソプロポ
キシド、アルミニウムエチルジエトキシド、アルミニウ
ムトリエトキシド、アルミニウムエチルジブトキシド、
アルミニウムイソプロピルジエトキシド、アルミニウム
メチルジエトキシド、アルミニウムジブチルエトキシ
ド、アルミニウムジイソプロピルメトキシド等が挙げら
れる。
【0026】親水性溶媒としては、メタノール、エタノ
ール、1−プロパノール、2−プロパノール、イソブチ
ルアルコール、tert−ブチルアルコール、ジメチル
エーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジ
イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソー
ル、フェネトール、メトキシトルエン、ジオキサン、ト
リオキサン、フラン、2−メチルフラン、テトラヒドロ
フラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジエチルエーテル、アセトン、メチル
エチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−
ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸プロピル、ホルムアミド、メチルホルム
アミド、ジメチルホルムアミドが利用でき、これらは単
独で、又は二種以上混合して用いられる。
【0027】これらの中でもテトラヒドロフラン、ブタ
ノール、イソプロピルアルアルコール、エチルアルコー
ル、ジメチルホルムアミド、ジメチルエーテル、ジエチ
ルエーテル、メチルエチルエーテル等が好ましい。必要
により、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロー
ス、スチレン・無水マレイン酸共重合体、スチレン・ア
クリル酸アルキルエステル共重合体、ポリビニルアルコ
ール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、シラノー
ル基を含むエチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリ
ビニルピロリドン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、メ
チルエチルセルロース、ポリアクリル酸ソーダ、でんぷ
ん、ポリエチレンポリアミン、ポリエステル、ポリアク
リルアミド、ビニルピロリドン、酢酸ビニル共重合体、
カチオン変性ポリウレタン樹脂、第3級窒素含有アクリ
ル系樹脂(特開昭62−148292号公報)等のバイ
ンダーが0.1〜2重量%の割合で、安定化剤として酢
酸、塩酸等の酸が0.1〜5重量%の割合で配合され
る。溶液中のアルミニウムアルコキシドの濃度は、3〜
25重量%、好ましくは5〜15重量%である。アルミ
ニウムアルコキシド溶液の延伸物表面上の塗布量は、固
型分量で0.3〜30g/m2 、好ましくは0.5〜1
5g/m2 、特に好ましくは0.8〜5g/m2 であ
る。
【0028】延伸物に塗布されたアルミニウムアルコキ
シドは、30〜150℃、好ましくは50〜100℃で
乾燥される。図1は、得られた合成紙の部分拡大断面図
である。図中、1は合成紙、1aは表面層、1bは基材
層、2は充填剤、2aはベーマイト層、3は亀裂、4は
空孔である。このようにして得られた合成紙は、グラビ
ア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、水性インク
ジェット記録が可能であり、色沈みの少ない鮮明な印
刷、印字を与える。
【0029】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。 (実施例1) (1) MFR1.0g/10分、融点165℃のポリ
プロピレン81重量%に、高密度ポリエチレン3重量%
及び平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム16重量%を
混合した組成物(A)を270℃に設定した押出機にて
混練した後、シート状に押し出し、冷却装置により冷却
して、無延伸シートを得た。そして、このシートを14
0℃の温度にまで再度加熱した後、縦方向に5倍延伸し
た。
【0030】(2) MFRが4.0g/10分、融点
164℃のポリプロピレン80重量%と、平均粒径3.
1μm、BET法吸着表面積302.9m2 /g、多孔
率70.2%の多孔質シリカ(S350,富士シリシア
社製:商品名)20重量%を混合した組成物(B)を別
の押出機にて250℃で混練させた後、これをダイより
シート状に押し出し、これを上記(1)の5倍延伸フィ
ルムの両面に積層し、三層構造の積層フィルムを得た。
次いで、この三層構造の積層フィルムを60℃まで冷却
した後、再び約160℃の温度にまで加熱して、テンタ
ーを用いて横方向に5倍延伸し、165℃の温度でアニ
ーリング処理して、60℃の温度にまで冷却し、コロナ
放電処理した。
【0031】ついで、この延伸物の片面(B)に、アル
ミニウムイソプロポキシド32.3重量部、ヒドロキシ
プロピルセルロース(日本曹達株式会社製HPC−M;
商品名)0.5重量部を、テトラヒドロフラン100重
量部に溶解した液に酢酸を1重量部加えた溶液を固型分
量で2g/m2 となる量塗布した後、60℃で乾燥した
後、耳部をスリットして、三層構造(一軸延伸/二軸延
伸/一軸延伸)の、肉厚112μm(B/A/B=27
μm/60μm/25μm)、白色度94%、不透明度
96%の合成紙を得た。また、各層のボイド率は、(B
/A/B=26%/33%/28%)であった。さら
に、この合成紙の肉厚27μmの表面層(B)のベック
平滑度(JISP−8119)は100秒であった。
【0032】(比較例1) (1) MFR1.0g/10分、融点164℃のポリ
プロピレン81重量%に、高密度ポリエチレン3重量%
及び平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム16重量%を
混合した組成物(A)を270℃に設定した押出機にて
混練した後、シート状に押し出し、冷却装置により冷却
して、無延伸シートを得た。そして、このシートを14
0℃の温度にまで再度加熱した後、縦方向に5倍延伸し
た。
【0033】(2) MFRが4.0g/10分、融点
164℃のポリプロピレン80重量%と、実施例1の多
孔質シリカ粒子20重量%を混合した組成物(B)を別
の押出機にて260℃で混練させた後、これをダイより
シート状に押し出し、これを(1)の5倍延伸フィルム
の両面に積層し、三層構造の積層フィルムを得た。次い
で、この三層構造の積層フィルムを60℃まで冷却した
後、再び約160℃の温度にまで加熱して、テンターを
用いて横方向に7.5倍延伸し、165℃の温度でアニ
ーリング処理して、60℃の温度にまで冷却し、コロナ
放電処理した後、耳部をスリットして三層構造(一軸延
伸/二軸延伸/一軸延伸)の、肉厚110μm(B/A
/B=25μm/60μm/25μm)、白色度95
%、不透明度94%の合成紙を得た。また、各層のボイ
ド率は、(B/A/B=22%/33.7%/22%)
であった。また、この合成紙の表面層(B)のベック平
滑度(JIS P−8119)は350秒であった。
【0034】(実施例2) (1) MFR1.0g/10分のポリプロピレン80
重量%に、高密度ポリエチレン2重量%及び平均粒径
1.5μmの炭酸カルシウム18重量%を混合した組成
物(A)を240℃に設定した押出機にて混練した後、
シート状に押し出し、冷却装置により冷却して、無延伸
シートを得た。そして、このシートを140℃の温度に
まで再度加熱した後、縦方向に5倍延伸した。
【0035】(2) MFRが4.0g/10分のポリ
プロピレン65重量%と、平均粒径0.8μm、BET
法吸着表面積5m2 /gの水酸化マグネシウム(キスマ
5、協和化学工業社製:商品名)20重量%および粒径
1.2μmの炭酸カルシウム粉末15重量%を混合した
組成物(B)を別の押出機にて250℃で混練させた
後、これをダイよりシート状に押し出し、これを(1)
の5倍延伸フィルムの両面に積層し、三層構造の積層フ
ィルムを得た。次いで、この三層構造の積層フィルムを
60℃まで冷却した後、再び約155℃の温度にまで加
熱して、テンターを用いて横方向に7倍延伸し、162
℃の温度でアニーリング処理して、50℃の温度にまで
冷却し、コロナ放電処理した。
【0036】ついで、この延伸物の片面(B)に、アル
ミニウムイソプロポキシド20重量部を水分含量5pp
mのN,N−ジメチルホルムアミド100重量部に溶解
した液を固型分量で1.5g/m2 となる量塗布し、5
0℃で乾燥した後、耳部をスリットして、三層構造(一
軸延伸/二軸延伸/一軸延伸)の、肉厚107μm(B
/A/B=22μm/65μm/20μm)、白色度9
5%、不透明度95%の合成紙を得た。また、各層のボ
イド率は、(B/A/B=28%/33%/30%)で
あった。また、この合成紙の肉厚22μmの表面層
(B)のベック平滑度は120秒であった。
【0037】(実施例3)B層を構成する組成物(B)
中の水酸化マグネシウムに代えて合成ハイドロタルサイ
ト(DHT−4A,協和化学工業製、水分含量0.34
%)を用いる他は実施例2と同様にして、三層構造(一
軸延伸/二軸延伸/一軸延伸)の、肉厚107μm(B
/A/B=22μm/65μm/20μm)、白色度9
4%、不透明度95%の合成紙を得た。また、各層のボ
イド率は、(B/A/B=30%/33%/32%)で
あった。また、この合成紙の表面層(B)のベック平滑
度は105秒であった。
【0038】(比較例2) (1) MFR1.0g/10分のポリプロピレン80
重量%に、高密度ポリエチレン2重量%及び平均粒径
1.5μmの炭酸カルシウム18重量%を混合した組成
物(A)を240℃に設定した押出機にて混練した後、
シート状に押し出し、冷却装置により冷却して、無延伸
シートを得た。そして、このシートを140℃の温度に
まで再度加熱した後、縦方向に4.5倍延伸した。
【0039】(2) MFRが4.0g/10分のポリ
プロピレン80重量%と、水酸化マグネシウム粒子(キ
スマ5)20重量%を混合した組成物(B)を別の押出
機にて混練させた後、これをダイよりシート状に押し出
し、これを(1)の4.5倍延伸フィルムの両面に積層
し、三層構造の積層フィルムを得た。次いで、この三層
構造の積層フィルムを60℃まで冷却した後、再び約1
60℃の温度にまで加熱して、テンターを用いて横方向
に7倍延伸し、165℃の温度でアニーリング処理し
て、60℃の温度にまで冷却し、コロナ放電処理した
後、耳部をスリットして三層構造(一軸延伸/二軸延伸
/一軸延伸)の、肉厚105μm(B/A/B=20μ
m/65μm/20μm)、白色度95%、不透明度9
2%の合成紙を得た。また、各層のボイド率は、(B/
A/B=24%/32%/24%)であった。また、こ
の合成紙の表面層(B)のベック平滑度(JIS P−
8119)は380秒であった。
【0040】グラビア印刷適性評価:実施例1〜3およ
び比較例1〜2で得た合成紙の表面にグラビア印刷赤イ
ンクをベタ印刷し、得られた印刷面を100倍に電子顕
微鏡で拡大し、網点を調べたところ、実施例1〜3の合
成紙は網点がほぼ完全で、赤色が鮮明であったが、比較
例1〜2の合成紙は実施例のものに対し、約25%網点
が欠けており、ところどころ色沈みが見受けられた。 水性インクジェット記録性評価:キャノン(株)製の水
性インクジェットプリンターを用い、上記合成紙のB層
側にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー印
字を施し、インクの乾燥するまでの時間を調べた。
【0041】ついで、いずれの色も発色が十分であるこ
とを確認した後、印字された記録用紙の一部に、ニチバ
ン(株)製粘着テープ「セロテープ」(商品名)を印字
面上に強く接着させ、次いで接着面に沿ってすばやく粘
着テープを剥離し、紙面上のインクの残留程度を目視判
定した。 結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】ホットメルトインクジェット記録評価:実
施例1〜3で得た合成紙に、ソニーテクトロニクス
(株)製のフェイズ・チェンジ・インクジェット方式の
カラープリンタ“Phaser 300IS”(商品
名)を用いて、ホットメルト型インクとして同社の墨イ
ンク(016−1123−00)、シアンインク(01
6−1124−00)、マゼンタインク(016−11
25−00)およびイエローインク(016−1126
−00)を用い、インク溶解温度(78〜85℃)で噴
射させて、インクジェット印刷を行った。
【0044】(評価) (1)ベタ均一印刷性:イエロー、マゼンタ、シアン、
ブラックのカラーインクで発色させたベタ部分について
倍率100倍の光学顕微鏡で均一度合を観察したとこ
ろ、いずれの合成紙もベタ部分に抜けが無く鮮明な画像
であった。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、インクの定着の良好な
合成紙が得られ、鮮明な画像、印刷を与える記録用紙を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造法により得られた合成紙の部分断
面図である。
【符号の説明】
1 合成紙 1a 表面層 1b 基材層 2 充填剤 2a ベーマイト層 3 亀裂 4 空孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸基を有する粒子、多孔質シリカ粒子
    より選ばれた充填剤を8〜65重量%および熱可塑性樹
    脂を92〜35重量%含有する樹脂フィルムを、該熱可
    塑性樹脂の融点より低い温度で延伸して得られた延伸フ
    ィルムの表面に、下記の一般式(1)で示されるアルミ
    ニウムアルコキシドを親水性溶媒に溶解した溶液をアル
    ミニウムアルコキシドが0.3〜30g/m2 となる量
    塗布し、次いで親水性溶媒を揮散させることを特徴とす
    る合成紙の製造方法。 R1 (3-n) Al(OR2 ) n (1) (式中、R1 とR2 は、それぞれ独立して炭素数が1〜
    6のアルキル基であり、nは1〜3の整数である。)
  2. 【請求項2】 親水性溶媒が、メタノール、エタノー
    ル、1−プロパノール、2−プロパノール、イソブチル
    アルコール、tert−ブチルアルコール、ジメチルエ
    ーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイ
    ソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、
    フェネトール、メトキシトルエン、ジオキサン、トリオ
    キサン、フラン、2−メチルフラン、テトラヒドロフラ
    ン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
    ングリコールジエチルエーテル、アセトン、メチルエチ
    ルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキ
    サノン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エ
    チル、酢酸プロピル、ホルムアミド、メチルホルムアミ
    ド、ジメチルホルムアミドからなる群より選ばれたもの
    であることを特徴とする請求項1記載の合成紙の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999059813A1 (fr) * 1998-05-20 1999-11-25 Oji-Yuka Synthetic Paper Co., Ltd. Film etire en resine thermoplastique
JP2020203451A (ja) * 2019-06-18 2020-12-24 旭化成株式会社 防曇性多層シュリンクフィルム及び包装体

Cited By (3)

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US6534150B1 (en) 1998-05-20 2003-03-18 Oji-Yuka Synthetic Paper Co., Ltd. Stretched film of thermoplastic resin
JP2020203451A (ja) * 2019-06-18 2020-12-24 旭化成株式会社 防曇性多層シュリンクフィルム及び包装体

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