JPH10182232A - 炭化ケイ素成形体の製造方法 - Google Patents

炭化ケイ素成形体の製造方法

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JPH10182232A
JPH10182232A JP8344754A JP34475496A JPH10182232A JP H10182232 A JPH10182232 A JP H10182232A JP 8344754 A JP8344754 A JP 8344754A JP 34475496 A JP34475496 A JP 34475496A JP H10182232 A JPH10182232 A JP H10182232A
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glassy carbon
sic
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molded body
cvr
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JP8344754A
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Akira Nogami
暁 野上
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Toyo Tanso Co Ltd
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Toyo Tanso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程の簡素化を実現しつつも、組織的に
より均質でかつ純度が高くしかも寸法精度の良い炭化ケ
イ素成形体を効率良く製造する方法を提供する。 【解決手段】 ガラス状炭素基材とSiOガスとを反応
させることにより炭化ケイ素成形体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製造工程の簡素化
を実現しつつも、組織的により均質でかつ純度が高くし
かも寸法精度の良い炭化ケイ素成形体を効率良く製造す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭化ケイ素は、高温での強度、伝導性、
耐酸化性に優れたセラミックスであり、例えば高温ガス
処理装置や電子機材用熱処理装置の部品等に使用されて
いる。特に純度の高いものは、IC製造プロセス中半導
体ウエハーを熱処理するために使用されている。
【0003】従来の炭化ケイ素成形体の製造方法として
は、次の3つの基本的な方法がある。即ち、炭化ケイ
素粉体に熱圧処理を施して炭化ケイ素粉体を直接焼結す
る方法、炭化ケイ素粉体を炭素質バインダーを用いて
成形し、これを熱処理し、さらにケイ素を含浸して炭化
したバインダーをケイ化させる再結晶方法、及び炭素
基材にSi源を直接導入し、ケイ化する方法である。
【0004】しかし、上記のいずれの方法においても、
次のような問題点がある。まず、の直接焼結方法にお
いては、炭化ケイ素はそれ自体焼結しにくいセラミック
スであるため、焼結助剤を添加する必要があるが、この
焼結助剤の使用時に不純物の混入を避けられず、しかも
元来炭化ケイ素粉体の製造段階で不純物を除去しにくい
という事情があるため、特に半導体分野における使用を
考えた場合には、致命的な欠点となる。また、この方法
で得られた焼結成形品は、その寸法精度も悪いため、再
度加工をしなければならない場合が多いが、炭化ケイ素
そのものはモース硬度9.5と非常に硬いため、複雑な
形状に加工できないという欠点がある。また、の再結
晶法については、の方法と同様にバインダー並びに未
反応ケイ素に基づく不純物の存在という難点と加工上の
難点があり、の方法においては未ケイ化炭素が残存す
るという難点がある。このように上記〜の従来方法
では、純度が高くて寸法精度の良い炭化ケイ素成形体を
製造することが非常に困難であった。
【0005】本出願人は、かねてより炭化ケイ素成形体
の製造技術の研究を進めており、その研究の一環とし
て、高純度のβ−炭化ケイ素成形体及びその製造方法を
開発した。このβ−炭化ケイ素成形体の製造方法は、黒
鉛基材をSiOガスと反応させると、ほとんど完全に黒
鉛基材が炭化ケイ素化することという、新しい知見が得
られたことにより開発された製造方法であり、その技術
的意義が認められたので先に出願している(特開平1−
264969号公報)。
【0006】即ち、上記β−炭化ケイ素成形体の製造方
法は、特定範囲の嵩密度及びポアー半径を有する黒鉛基
材とSiOガスとを反応せしめることによって、ほぼ1
00%に近い状態で黒鉛成形体をβ−炭化ケイ素化する
ものであり、高純度で加工性に優れた炭化ケイ素成形体
を得ることに成功したものである。なお、上記方法は、
広い意味で黒鉛基材を化学気相反応法(Chemical Vapor
Reaction)により炭化ケイ素化(SiC化)する技術で
あり、以下上記β−炭化ケイ素成形体の製造方法を従来
のCVR法又はCVR−SiC法と称する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
CVR−SiC法は、生産性という面で捉えると必ずし
も十分ではなく、製品のコスト低減化を促進する上で、
さらに製造工程を簡素化できる技術の開発が望まれてい
た。また、SiC成形体を厚みの薄い形状の製品に利用
する場合や、さらに鏡面加工が要求される製品に利用す
る場合等を考慮すると、SiC成形体の構造組織の面で
一層の均質性が求められるが、この要請に応えるには未
だ十分ではなく、より均質な組織を有するSiC成形体
の開発も併せて望まれていた。
【0008】具体例で説明すると、図3は従来のCVR
−SiC法により半導体ダミーウェハを製造する場合の
概略工程説明図である。まず、基材としては、理論的に
は製品ダミーウェハ36の厚み寸法(例えば、8インチ
のダミーウェハでは厚みが0.725mm)より僅かに
薄めの厚み、つまり最終工程としてCVD処理により表
面に形成されるSiC膜の厚み分を差し引いた分の厚み
を有する薄板状の炭素質基材を調製すればよいが、炭素
質基材ブロックから薄板状の基材を切り出すこと自体が
容易ではない。炭素質基材ブロックとして通常は、等方
性黒鉛ブロックを使用し、薄板状の黒鉛基材を切り出す
ので、以下、黒鉛基材について説明する。
【0009】即ち、100%CVR−SiC化するため
には、黒鉛基材としてかなりの多孔質のもの、いわばス
カスカ状態の黒鉛基材を使用して、内部までSiC化す
る必要がある。しかし、8インチのダミーウェハを得よ
うとすれば、厚みが0.5mm程度の非常に薄い黒鉛基
材を用意しなければならないが、このような薄い黒鉛基
材を黒鉛ブロックからいきなり切り出すと、基材の欠
け、いわゆるチッピング現象が生じやすく、無事に切り
出せたとしても、薄板状の黒鉛基材はスカスカ状態ゆえ
に非常に強度が弱く、取り扱いに十分注意しても黒鉛基
材の割れを完全には防ぎきれない。
【0010】このため、従来では図3に示すように、ま
ず黒鉛基材として黒鉛バルク材31から機械加工(図中
の段階)により厚め(8インチのダミーウェハでは3
mm程度)に切り出したものを純化処理した後、この純
化処理した黒鉛基材32に対してCVR処理を施し、1
00%SiC化した厚めのSiC成形体、つまりある程
度強度をもたせたSiC成形体33を得る。次に、この
SiC成形体33の厚みを機械加工(図中の段階)に
より薄く(8インチのダミーウェハでは0.5mm)し
て、ウエハ用粗基材34を得る。この場合、上記のよう
に当初、黒鉛基材31に対して純化処理(図中の段
階)をしていても、ウエハ用粗基材34を得るための機
械加工(図中の段階)の段階で不純物が混入するた
め、ウエハ用粗基材34に対して再び純化処理(図中
の段階)を行って、ウエハ用仕上げ基材35を得る。そ
して、最終的にこのウエハ用仕上げ基材35の全面に対
してCVD処理を施して、目的の製品ダミーウェハ36
を得ている。
【0011】上記のように従来の製造工程では、基材の
純度を高めるための純化処理及び基材の厚みを所定の薄
めに仕上げるための機械加工を繰り返し実施しており、
さらに後半の機械加工(図中の段階)時には切削の対
象であるSiC成形体33が非常に硬く、切削加工その
ものの困難性も加わって加工に手間取るため、生産性を
上げられず、結局製品コストを高くするという問題があ
った。
【0012】また、使用する黒鉛基材32が、たとえ等
方性黒鉛ブロックから切り出したものであるといって
も、その構造組織をミクロ的に、例えば数μmオーダー
で観察した場合、気孔の分布状態は必ずしも均一とは言
えないため、SiC成形体33をダミーウェハのように
厚みの薄い形状の製品に利用する場合や、鏡面加工が要
求される製品として利用する場合等においては、製品の
性能又は特性面で必ずしも満足できるものとはなってい
なかった。
【0013】また、図4は従来のCVR−SiC法によ
り拡散炉チューブを製造する場合の概略工程図である。
例えば、φ300mm×高さ1500mm×厚み3mm
の拡散炉チューブ用SiC成形体43を製造する場合で
あれば、まず機械加工によりφ300mm×高さ500
mm×厚み3mmに仕上げた分割黒鉛基材41を3個用
意し、これらを高さ方向につなぎ合わせて長尺黒鉛基材
42としたものを純化処理した後、CVR処理して、φ
300mm×高さ1500mm×厚み3mmの拡散炉チ
ューブ用SiC成形体43を得る。そして、最終的にこ
の拡散炉チューブ用SiC成形体43の全面に対してS
iを含浸させ、さらにその上からCVD処理を施して、
目的の製品としての拡散炉チューブ44を得ている。
【0014】上記の拡散炉チューブの製造工程において
も、分割黒鉛基材41を調製するための機械加工及び長
尺黒鉛基材42を得るための接着作業を行わなければな
らないため、やはり生産性の面で問題があった。
【0015】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、製造工程の簡素化を実現しつつ
も、組織的により均質でかつ純度が高くしかも寸法精度
の良い炭化ケイ素成形体を効率良く製造する方法を提供
しようとする点にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明の炭化ケイ素成形体の製造方法とは、ガラス状炭素
基材とSiOガスとを反応させることを基本的特徴とす
る。
【0017】以下、本発明を詳しく説明する。本発明者
らは、上記したように従来のCVR−SiC法で特に改
善を要望されていた製造工程の簡素化とSiC成形体の
組織の均質化を実現するためには、基材の最適な選択が
有効な手段になり得るはずとの見地に立って、種々検討
してきた。即ち、基材の段階で薄くてもある程度の強度
を有し、かつミクロ的に見て黒鉛の有する気孔より小さ
い気孔ができるだけ均一に分布しているようなものであ
れば、目的製品に応じた薄い厚みの基材を基材ブロック
からいきなり切り出すことができるので、従来の製造工
程における途中の機械加工による厚み調整を不要とする
ことができる。従って、従来のように途中の機械加工時
に生じていた不純物混入のおそれが無くなり、再度の純
化処理工程をも不要とすることができるので、製造工程
の簡素化を図ることができ、同時にSiC成形体の組織
の均質化も図ることができる。こうした知見を基に検討
を進めた結果、基材にガラス状炭素材を使用することに
より、満足のいく成果が得られたものである。
【0018】即ち、基材がガラス状炭素材であれば、ま
ず薄板状であっても曲げ強度が黒鉛基材に比べて少なく
とも2倍以上と非常に大きいため、基材として当初に製
品SiC成形体の厚み寸法に近い寸法に仕上げて純化処
理を一度施しておけば、あとはCVR処理を施すだけで
高純度の薄板状のSiC成形体を得ることができる。こ
の場合には、従来の製造工程における厚み調整のための
機械加工を不要とすることができ、必然的に不純物混入
のおそれが無くなり、再度の純化処理工程をも不要とす
ることができるので、製造工程の簡素化を図ることがで
きる。
【0019】なお、本発明方法で使用するガラス状炭素
材としては特別の限定条件はなく、通常のプロセス、つ
まり熱硬化性樹脂を成型して重合・硬化させた後、機械
加工し、加工品を炭素化し、さらに高温処理して得られ
るガラス状炭素材はもちろん、高緻密性,高強度性,等
方性等の特性を有するものである限り、すべて有効に適
用することができる。また、熱硬化性樹脂に黒鉛粉や炭
素繊維等を混入したガラス状炭素複合材も適用可能であ
る。
【0020】しかしながら、本発明者らは、上記の諸効
果を有しつつもSiC成形体の組織の均質化の面でも最
大の改善を図り得るようなガラス状炭素材を選定すべく
種々調べた結果、ガラス状炭素材としては、2000°
焼成品基準で1.20〜1.60g/cm3 の嵩密度を有
すると共に1μm以下の気孔半径を1cm3 /g以上有
し、かつ気孔率が1〜8容積%である物性を有するもの
が好ましいことが判明し、請求項2記載の発明の構成要
件とし得たものである。
【0021】即ち、このような物性のガラス状炭素材で
あれば、ガラス状炭素材が本来的に有する高緻密性,高
強度性,等方性等の利点を十分保持しつつ、ミクロ的に
見て黒鉛のもつ気孔より小さな気孔が多量にしかも均一
に分布した状態の組織を確実に呈するガラス状炭素材と
することができる。従って、これを基材としてCVR処
理すれば、黒鉛基材をCVR処理する場合に比べてはる
かに均質な組織のSiC成形体を得ることができる。即
ち、上述の請求項1記載の発明により得られる効果に加
えて、さらに組織の均質化という面で一層確実,顕著な
効果を得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係る炭化ケイ
素成形体の製造方法に従ってダミーウェハを製造する場
合の概略工程説明図であり、図3(従来例)に対応した
図である。まず、基材としては、黒鉛基材に比べて曲げ
強度の大きいガラス状炭素材を使用するので、ガラス状
炭素バルク材1から機械加工によりいきなり薄板状(例
えば8インチのダミーウェハ用基材としてであれば0.
5mmの厚み形状)のガラス状炭素基材を切り出した
後、純化処理してガラス状炭素基材2を得る。次に、こ
のガラス状炭素基材2についてCVR処理を行って10
0%SiC化したSiC成形体3を得る。得られたSi
C成形体3に対してCVD処理を施して、目的の製品ダ
ミーウェハ4を得る。
【0023】従って、図3に示す従来の製造工程と比べ
ると、機械加工及び純化処理の工程は共に一つであり、
特に加工が難しいとされる従来工程中のSiC成形体3
3の機械加工の部分を省略できる点で、生産性に跳ね返
る利益は単純な工程数の減少以上のものがある。さら
に、ガラス状炭素バルク材1として、所定の厚み寸法に
設定されたガラス状炭素シート材を使用すれば、基材調
製時の機械加工そのものも省略できるので、生産性を一
層高めることができる。
【0024】また、ウェハ用仕上げガラス状炭素基材3
は、従来工程中(図3)におけるウェハ仕上げ用黒鉛基
材34に比べてより均質な組織をしているので、黒鉛基
材から出発したダミーウェハ36よりもガラス状炭素基
材から出発したダミーウェハ4の方が性能又は特性面で
より優れており、またより寿命の長いダミーウェハとす
ることができる。また、ガラス状炭素基材は黒鉛に比べ
て熱膨張係数CTEが炭化ケイ素(CTE=3.5)に
近いものを調製できるので、それぞれCVR処理したも
のどうしを比べた場合、ウェハ用仕上げガラス状炭素基
材3は、ウェハ仕上げ用黒鉛基材34に比べて反りが少
なく、寸法精度の良いものが得られるという利点があ
る。
【0025】また、図2は本発明に係る炭化ケイ素成形
体の製造方法に従って拡散炉チューブを製造する場合の
概略工程図であり、図4に対応した図である。図4と同
様に、φ300mm×高さ1500mm×厚み3mmの
拡散炉チューブ用SiC成形体22(図4の43に相
当)を製造する場合には、まずガラス状炭素材を原料と
して射出成形によりφ300mm×高さ1500mm×
厚み3mmの長尺ガラス状炭素基材21を一体的に調製
する。得られた長尺ガラス状炭素基材21は、純化処理
した後、CVR処理して拡散炉チューブ用SiC成形体
22を得る。以降、このSiC成形体22に対してSi
を含浸させ、さらにその上からCVD処理を施して拡散
炉チューブ23(図4の44に相当)を得る点は同じで
ある。従って、図4に示す従来の製造工程と比べると、
従来必要とされていた、分割黒鉛基材41を調製するた
めの機械加工及び長尺黒鉛基材42を得るための接着作
業を省略することができるので、生産性を高めることが
できる。
【0026】また、ダミーウェハ4の製造例で説明した
組織の均質化及び寸法精度の向上という効果は、拡散炉
チューブの場合にも当てはまる。即ち、拡散炉チューブ
用SiC成形体22は、従来品に比べてより均質な組織
をしているので、最終的に黒鉛基材製の拡散炉チューブ
44よりもガラス状炭素基材製の拡散炉チューブ23の
方が性能又は特性面でより優れており、またより寿命の
長い拡散炉チューブとすることができる。
【0027】次に、他の実施の形態について説明する。
上記のように図1及び図2に示す実施形態では、CVR
−SiC成形体に対して最終的にCVD処理してダミー
ウェハを得る例をとり挙げた。しかしながら、要求され
る製品の仕様はまちまちであり、例えば全体的な強度を
要するが表面が特別緻密でなくてもよいような製品か
ら、全体的な強度に加えて緻密な表面も必要とされる製
品等がある。
【0028】前者の製品仕様に応える一手段としては、
ガラス状炭素基材とSiOガスとを反応させた後、ケイ
素を含浸させる方法が有効である。後者の製品仕様に応
える一手段としては、ガラス状炭素基材とSiOガスと
を反応させた後、一旦ケイ素を含浸させ、その後CVD
しょりにより緻密質のSiC膜を表面に形成する方法が
有効である。特にこの方法によれば、表面に存在する不
安定な金属ケイ素を化学的に安定なSiCに転化するこ
とができ、製品全体の強度も向上できる点で有益であ
る。
【0029】
【実施例】 (実施例1)まず図1に示すガラス状炭素基材2を、以
下の要領で調製した。即ち、熱硬化性フェノール樹脂液
10kgと熱硬化性フェノール樹脂粉末10kgを30
リットル用加圧ニーダー内で5分間混練した。この混練
物を真空押出装置に通してエア抜きした後、120kg
/cm2 の圧力でロール圧延し、1200×1200×
厚み0.5mmのシート状成形体を得た。このシートに
ついて目的の製品(8インチのダミーウェハ)に合った
形状に加工したものを200°Cまで5°C/hの昇温
速度で硬化した後、(高純度)黒鉛板により挟み込んで
300〜400°Cまで1°C/h、それ以降の温度で
は平均4〜5°C/hの昇温速度で不活性ガス雰囲気下
での焼成(約1000°C)を行った。その後、真空炉
にて平均10〜15°C/hの昇温速度で2000°C
焼成することにより、かさ密度1.5g/cm3 ,気孔
率5%,曲げ強度100MPa程度のガラス状炭素を得
た。このガラス状炭素をさらに高純度処理することによ
り、表層部純度10ppm以下の高純度ガラス状炭素基
材を得た。
【0030】次に、この高純度ガラス状炭素基材に対し
て、CVR処理(条件は1800°Cで10時間)を行
って100%SiC化したCVR−SiC成形体を得た
後、さらにCVD処理を行ってCVR−SiC成形体の
表面全体に緻密質のCVD−SiC膜を形成し、厚みが
0.725mm、つまり8インチのSiCダミーウェハ
を得た。CVR−SiC成形体については、曲げ試験
(JIS−R1601−1981)や三次元測定機によ
る寸法測定を行うと共に、組織構造を走査型電子顕微鏡
でで観察した。曲げ試験の結果及び寸法測定により得ら
れた反り量の結果を表1に示す。また、最終加工品であ
るSiCダミーウェハについては、製品として要求され
る性能又は特性を十分満たすものであった。
【0031】(実施例2)実施例1と同様、まずガラス
状炭素基材を以下の要領で調製した。即ち、熱硬化性フ
ェノール樹脂液10kgと熱硬化性フェノール樹脂粉末
17kg及び人造黒鉛粉4kgを30リットル用加圧ニ
ーダー内で5分間混練した。この混練物を真空押出装置
に通してエア抜きした後、120kg/cm2 の圧力で
ロール圧延し、1200×1200×厚み0.5mmの
シート状成形体を得た。このシートについて目的の製品
(8インチのダミーウェハ)に合った形状に加工したも
のを200°Cまで5°C/hの昇温速度で硬化した
後、(高純度)黒鉛板により挟み込んで300〜400
°Cまで1°C/h、それ以降の温度では平均4〜5°
C/hの昇温速度で不活性ガス雰囲気下での焼成(約1
000°C)を行った。その後、真空炉にて平均10〜
15°C/hの昇温速度で2000°C焼成することに
より、かさ密度1.6g/cm3 ,気孔率8%,曲げ強
度90MPa程度のガラス状炭素複合体を得た。このガ
ラス状炭素複合体をさらに高純度処理することにより、
表層部純度10ppm以下の高純度ガラス状炭素複合体
基材を得た。
【0032】次に、この高純度ガラス状炭素複合体基材
に対して、CVR処理(条件は1800°Cで10時
間)を行って100%SiC化したCVR−SiC成形
体を得た後、さらにCVD処理を行ってCVR−SiC
成形体の表面全体に緻密質のCVD−SiC膜を形成
し、厚みが0.725mm、つまり8インチのSiCダ
ミーウェハを得た。CVR−SiC成形体については、
実施例1と同様に評価し、好結果が得られた。なお、曲
げ試験の結果及び寸法測定(反り量測定)の結果を表1
に示す。
【0033】(実施例3)実施例1と同様、まずガラス
状炭素基材を以下の要領で調製した。即ち、熱硬化性フ
ェノール樹脂粉末100kgを180°Cに温めた内径
φ250mmの金型に入れ、ガス抜きのために数回の予
備加圧を行った後、150kg/cm2 の加圧下で30
分保持することによりφ250×厚み1mmのガラス状
炭素成形体を得た。この成形体について目的の製品(8
インチのダミーウェハ)に合った形状に加工したものを
200°Cまで5°C/hの昇温速度で硬化した後、
(高純度)黒鉛板により挟み込んで300〜400°C
まで1°C/h、それ以降の温度では平均4〜5°C/
hの昇温速度で不活性ガス雰囲気下での焼成(約100
0°C)を行った。その後、真空炉にて平均10〜15
°C/hの昇温速度で2000°C焼成することによ
り、かさ密度1.5g/cm3 ,気孔率1%,曲げ強度
120MPa程度のガラス状炭素を得た。このガラス状
炭素をさらに高純度処理することにより、表層部純度1
0ppm以下の高純度ガラス状炭素基材を得た。
【0034】次に、この高純度ガラス状炭素基材に対し
て、CVR処理(条件は1800°Cで10時間)を行
って100%SiC化したCVR−SiC成形体を得た
後、さらにCVD処理を行ってCVR−SiC成形体の
表面全体に緻密質のCVD−SiC膜を形成し、所定の
厚みのCVD−SiC製品を得た。CVR−SiC成形
体については、実施例1と同様に評価し、好結果が得ら
れた。なお、曲げ試験の結果及び寸法測定(反り量測
定)の結果を表1に示す。
【0035】(比較例1)ガラス状炭素基材として、2
000°C焼成品基準で1.10g/cm3 の嵩密度、
気孔率5%のものを使用し、実施例1と同様のCVR処
理をして得られたCVR−SiC成形体について実施例
1と同様の曲げ試験及び寸法測定(反り量の調査)を行
った。この場合の基材とCVR−SiC成形体の曲げ強
度を表1に示す。 (比較例2)ガラス状炭素基材として、2000°C焼
成品基準で1.70g/cm3 の嵩密度、気孔率5%の
ものを使用し、実施例1と同様のCVR処理をして得ら
れたCVR−SiC成形体について実施例1と同様の曲
げ試験及び寸法測定(反り量の調査)を行った。この場
合の基材とCVR−SiC成形体の曲げ強度を表1に示
す。 (比較例3)従来のCVR−SiC法により得られたC
VR−SiC成形体(図3中の35に相当)について
も、実施例1と同様の曲げ試験及び及び寸法測定(反り
量の調査)を行った。この場合の基材とCVR−SiC
成形体の曲げ強度を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1から明らかなように、本発明方法で得
られたCVR−SiC成形体(実施例1〜実施例3)
は、曲げ強度が200MPa以上となっており、80M
Paにすぎない比較例1と比べてSiC成形体の組織の
均質化が十分に進行していることが分かる。また、本発
明方法で得られたCVR−SiC成形体(実施例1〜実
施例3)は、すべて反り量が0.1mm程度であり、2
mm程度もある比較例1と比べて寸法精度が良いことが
分かる。
【0038】さらに、比較例2、比較例3では本発明に
おけるガラス状炭素基材としての特性要件を満たしてい
ないために、CVR−SiC成形体の曲げ強度も低く、
反り量も大きく、比較例1よりも有利であるが、実施例
1〜実施例3に比べると改善の効果があまりない。特に
比較例3では、ほぼ100%のSiC成形体そのものが
得られない結果となった。
【0039】
【発明の効果】本発明のうち請求項1記載の発明によれ
ば、製造工程の簡素化を実現しつつも、組織的により均
質でかつ純度が高くしかも寸法精度の良い炭化ケイ素成
形体を効率良く製造することができる。また、請求項2
記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加え
て、特に組織の均質化という面でより一層確実,顕著な
効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る炭化ケイ素成形体の製造方法に従
ってダミーウェハを製造する場合の概略工程図である。
【図2】本発明に係る炭化ケイ素成形体の製造方法に従
って拡散炉チューブを製造する場合の概略工程図であ
る。
【図3】従来のCVR−SiC法によりダミーウェハを
製造する場合の概略工程図である。
【図4】従来のCVR−SiC法により拡散ろチューブ
を製造する場合の概略工程図である。
【符号の説明】
1 ガラス状炭素バルク材 2 純化処理したガラス状炭素基材 3 CVR−SiC成形体 4 ダミーウェハ 21 長尺ガラス状炭素基材 22 拡散炉チューブ用SiC成形体 23 拡散炉チューブ 31 黒鉛バルク材 32 純化処理した黒鉛基材 33 SiC成形体 34 ウェハ用粗基材 35 ウェハ用仕上基材 36 ダミーウェハ 41 分割黒鉛基材 42 長尺黒鉛基材 43 拡散炉チューブ用SiC成形体 44 拡散炉チューブ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス状炭素基材とSiOガスとを反応
    させることを特徴とする炭化ケイ素成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ガラス状炭素基材が、2000°C
    焼成品基準で1.20〜1.60g/cm3 の嵩密度を有
    し、かつ気孔率が1〜8容積%である請求項1記載の炭
    化ケイ素成形体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007145665A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Tokai Konetsu Kogyo Co Ltd 多孔質SiC焼結体の製造方法
JP2007290939A (ja) * 2006-03-27 2007-11-08 Kyocera Corp 装飾部品用セラミックス
WO2015041871A1 (en) * 2013-09-19 2015-03-26 United Technologies Corporation Method of producing a ceramic article, intermediate article and composition therefor

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