JPH10181611A - ステアリングホイール構造 - Google Patents

ステアリングホイール構造

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JPH10181611A
JPH10181611A JP8346346A JP34634696A JPH10181611A JP H10181611 A JPH10181611 A JP H10181611A JP 8346346 A JP8346346 A JP 8346346A JP 34634696 A JP34634696 A JP 34634696A JP H10181611 A JPH10181611 A JP H10181611A
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Japan
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steering wheel
vibration
friction
wheel body
target value
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JP8346346A
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English (en)
Inventor
Noriyasu Murai
教恭 村井
Katsuyoshi Nagao
勝良 長尾
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 狙い値以外の領域についての振動特性は良好
に維持しつつ、狙い値の振動特性については改善する。 【解決手段】 ホイールカバー16のベース部34をス
テアリングホイール本体12のボス部22にビス38で
固定すると共に、ホイールカバー14の側部角部36A
に弾性体40を固着させ、当該弾性体40をステアリン
グホイール本体12のスポーク部26に摩擦係合させ
た。このため、ステアリングホイール本体12に生じる
振動を、弾性体40とスポーク部26との間での摩擦力
で摩擦減衰させることができ、狙い値の振動特性を改善
(振幅を小さく)することができる。しかも、ダイナミ
ックダンパを構成する訳ではないので、狙い値以外の振
動特性については従来通り良好に維持することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステアリングホイ
ール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ステアリングシャフトからス
テアリングホイールに伝達される振動を抑制させる目的
で種々の提案がなされている。その一例が実開昭57−
63776号公報に開示されており、以下にその構造を
説明する。
【0003】図7に示されるように、ステアリングシャ
フト100の先端部には、ボス部102A、スポーク部
102B、及びリム部102Cから成るステアリングホ
イール本体102がロックナット104で固定されてい
る。このステアリングホイール本体102の中央部に
は、所定質量を有するセーフティーパッド106が配置
されている。
【0004】より具体的には、セーフティーパッド10
6が備えているフレーム108には乗員側へ向けて凹む
凹部110が一体に形成されており、この凹部110の
底面とスポーク部102Bの乗員側の面との間に円柱状
の防振ゴム112が介在されている。図8に拡大して示
されるように、この防振ゴム112の一端部は凹部11
0の底面に固着されており、又他端部には円板状かつ雌
ねじ付のプレート114が固着されている。そして、こ
のプレート114をスポーク部102Bの乗員側の面に
密着させた状態で、スポーク部102Bの反乗員側から
ビス116をプレート114の雌ねじに螺合させること
により、セーフティーパッド106をステアリングホイ
ール本体102に弾性的に支持させている。
【0005】上記構成によれば、ステアリングホイール
本体102に対して、その中央部に配置されたセーフテ
ィーパッド106が質量体として機能すると共に、セー
フティーパッド106をスポーク部102Bに弾性的に
支持させている防振ゴム112がバネとして機能するこ
とから、両者相まってバネ−質量体系のダイナミックダ
ンパとして機能する。このため、ステアリングホイール
の振動特性が以下の如く改善される。
【0006】すなわち、通常のステアリングホイール構
造を採用した場合には図9の実線グラフで示されるよう
な振動特性となり、ある特定の共振周波数f0 のときに
振幅xが最大振幅x0 となる。これに対し、ダイナミッ
クダンパ機能を付加した上記構成のステアリングホイー
ル構造を採用した場合には図9の破線グラフで示される
ような振動特性となり、振動抑制の対象となる狙い値
(共振周波数f0 のときの振幅x0 )は振幅x1 に抑制
される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成による場合、ダイナミックダンパ機能を付加した構成
であることに起因して、狙い値の振幅については抑制す
ることができるが、それ以外の領域については振動特性
が悪化するという問題がある。より詳しくは、実線グラ
フにおけるF1 の部分の特性はバネ系で決定される曲線
であるが、ダイナミックダンパを用いると、防振ゴム1
12のバネ定数のバラツキが大きく又温度によっても変
化することから、特性F1 に対してF1 ’とずれる傾向
にある。また、実線グラフにおけるF2 の部分の特性は
質量系で決定される曲線であるが、ダイナミックダンパ
を用いると、セーフティーパッド106内に組み込まれ
るホーン機構やエアバッグ装置等によって質量及び重心
位置にバラツキが生じることから、特性F2 に対してF
2 ’とずれる傾向にある。これらのことから、前述した
如く、狙い値以外の領域については振動特性が悪化する
という問題が生じる。
【0008】本発明は上記事実を考慮し、狙い値以外の
領域についての振動特性は良好に維持しつつ、狙い値の
振動特性については改善することができるステアリング
ホイール構造を得ることが目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明に
係るステアリングホイール構造は、ステアリングシャフ
トの先端部に固定されるボス部と、このボス部に対して
略平行に配置されるリム部と、ボス部とリム部とを繋ぐ
スポーク部と、を含んで構成されるステアリングホイー
ル本体と、このステアリングホイール本体に取付けら
れ、ボス部及びスポーク部を覆うホイールカバーと、ス
テアリングホイール本体におけるリム部以外の部分とホ
イールカバーとのいずれか一方に固定的に支持され、ス
テアリングホイール本体におけるリム部以外の部分とホ
イールカバーとのいずれか他方に摩擦係合される摩擦体
と、を有することを特徴としている。
【0010】請求項2記載の本発明に係るステアリング
ホイール構造は、請求項1に記載の発明において、前記
摩擦体は、ステアリングホイール本体の軸線方向に沿う
方向への振動を抑制する第1摩擦面及びステアリングホ
イール本体の軸直角方向に沿う方向への振動を抑制する
第2摩擦面の少なくとも一方を備えている、ことを特徴
としている。
【0011】請求項1記載の本発明によれば、ステアリ
ングホイール本体におけるリム部以外の部分とホイール
カバーとのいずれか一方に摩擦体が固定され、ステアリ
ングホイール本体におけるリム部以外の部分とホイール
カバーとのいずれか他方に当該摩擦体が摩擦係合される
ことから、ステアリングホイール本体とホイールカバー
との間に摩擦体が介在される構造として捉えられる。従
って、本発明に係るステアリングホイール構造は、基本
的に、バネ−質量体系のダイナミックダンパを構成する
ものではない。
【0012】この点を踏まえて、以下に、本発明に係る
ステアリングホイール構造が、ステアリングシャフトか
らステアリングホイール本体に伝達される振動を如何に
して抑制するのか、又どの領域の振動を抑制するのかを
説明する。
【0013】本発明に係るステアリングホイール構造に
よれば、前述した如く、バネ−質量体系のダイナミック
ダンパ機能を付加する構成ではないので、振動特性にお
いてバネ系で決定される部分(狙い値に向かって上昇し
ていく部分)並びに質量系で決定される部分(狙い値か
ら下降していく部分)のいずれも、ステアリングホイー
ル本体が主たる要因となる。従って、この点においては
従来の技術の項で説明した通常のステアリングホイール
構造と共通しており、故に狙い値以外の部分の特性は従
来通り良好に維持されることになる。
【0014】一方、狙い値の特性については、以下の如
く改善される。すなわち、ステアリングシャフトからス
テアリングホイール本体に振動が伝達されると、ステア
リングホイール本体及びホイールカバーの各固有振動数
に起因して、ステアリングホイール本体の振動に対して
ホイールカバーの振動が180°ずれる領域(逆相に動
く領域)が生じる。この領域に共振周波数が含まれるこ
とになるが、本発明では、ステアリングホイール本体と
ホイールカバーとが逆相に動こうとすると、両者のいず
れか一方に固定的に支持された摩擦体が両者のいずれか
他方に対して摺動する。このため、摺動時に生じる摩擦
力によって、共振周波数における振幅が摩擦減衰され、
狙い値における特性が改善される。
【0015】請求項2記載の本発明の作用は、以下の通
りである。通常、ステアリングシャフトからステアリン
グホイールに伝達される振動は、ステアリングホイール
本体の軸線方向に沿う方向への振動及びステアリングホ
イール本体の軸直角方向に沿う方向への振動といった二
方向の振動成分に分解することができる。
【0016】ここで、本発明では、前述した摩擦体が、
ステアリングホイール本体の軸線方向に沿う方向への振
動を抑制する第1摩擦面及びステアリングホイール本体
の軸直角方向に沿う方向への振動を抑制する第2摩擦面
の少なくとも一方を備えているので、ステアリングホイ
ール本体の軸線方向に沿う方向への振動に対しては、第
1摩擦面によって摩擦減衰される。また、ステアリング
ホイール本体の軸直角方向に沿う方向への振動に対して
は、第2摩擦面によって摩擦減衰される。従って、振動
成分に応じた摩擦減衰効果が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図6を用いて、本発
明の幾つかの実施形態について説明する。
【0018】図2には本実施形態に係るステアリングホ
イール構造の平面図が示されており、又図1には図2に
示されるステアリングホイール構造の横断構造が示され
ている。これらの図に示されるように、ステアリングホ
イール10は、ステアリングホイール本体12と、ホイ
ールカバー16と、を含んで構成されている。以下、こ
の順に説明する。
【0019】ステアリングホイール本体12は、アルミ
合金製又はマグネシウム合金製等の芯金18を備えてい
る。芯金18は、軸心部に貫通孔20(図1参照)が形
成されたボス部22と、このボス部22に対して平行に
配置された環状の芯金リム部24と、ボス部22の四隅
と芯金リム部24の内周所定位置とを繋ぐ四本のスポー
ク部26と、によって構成されている。この芯金18の
ボス部22の貫通孔20には、ステアリングシャフト2
8の先端部が嵌合されてロックナット30が螺合されて
いる。これにより、ステアリングシャフト28の先端部
にステアリングホイール本体12が固定されている。ま
た、芯金リム部24の外周部には、合成樹脂製の被覆部
32が設けられている。さらに、被覆部32の所定部位
からは、スポーク部26との接続部位を覆うパッド合わ
せ部32Aが一体に軸心側へ延出されている。なお、上
述した構成において、芯金リム部24及び被覆部32
が、請求項1記載の本発明における「リム部」に相当す
る。
【0020】一方、ホイールカバー16は、樹脂製とさ
れ、かつ、全体としては上面側(乗員側)が開放された
箱体形状に形成されている。より具体的に説明すると、
ホイールカバー16は、ボス部22の下面側に平行に配
置されるベース部34と、このベース部34の周縁部か
らスポーク部26の延出方向に沿って被覆部32側へ延
出される側部36と、によって構成されている。さら
に、側部36にあっては、スポーク部26を覆う部分の
みが絞り形状とされている(以下、この部分を「側部角
部36A」と称す)。上述した構成におけるベース部3
4によってステアリングホイール本体12のボス部22
が隠蔽され、又側部36によってスポーク部26や後述
するエアバッグ装置、ホーン機構等が隠蔽されるように
なっている。
【0021】また、図1及び図2では図示を省略してい
るが、上述したステアリングホイール本体12の中央部
には、エアバッグ装置を内蔵したセンタホーンタイプの
ホイールパッドが配設されるようになっている。なお、
上述したステアリングホイール10は、ステアリングホ
イール本体12、ホイールカバー16、及びホイールパ
ッドによって構成される。
【0022】ここで、本実施形態では、上述したホイー
ルカバー16のベース部34が、ステアリングホイール
本体12の芯金18のボス部22にビス38(図1参
照)等の取付手段によって取り付けられている。これに
より、ホイールカバー16の下端部がステアリングホイ
ール本体12の下端部に固定されている。これに対し、
ホイールカバー16の上端部は、ステアリングホイール
本体12に対して固定されていない。より具体的に説明
すると、ホイールカバー16の側部角部36Aとスポー
ク部26との上端部間には、ゴム、硬質ウレタン等によ
って構成された摩擦体としての弾性体40が介在されて
いる。
【0023】図3に拡大して示されるように、弾性体4
0は略蒲鉾形の断面形状を成しており、その外周面40
Aがホイールカバー16の側部角部36Aの内側面に接
着剤等の固着手段によって固着されている。さらに、弾
性体40の内側面の中央部には、矩形断面の凹部42が
形成されている。この凹部42には、矩形断面の前述し
たスポーク部26が所定のセット荷重(2〜3kg)で
嵌合されている。従って、凹部底面42Aはスポーク部
26の外側面26Aに圧接されており、又一対の凹部対
向面42Bはスポーク部26の両側面26Bに圧接され
ている。
【0024】次に、本実施形態の作用並びに効果につい
て説明する。本実施形態に係るステアリングホイール構
造によれば、ホイールカバー16における側部角部36
Aに凹部42を備えた弾性体40を接着剤等の固着手段
によって固着すると共に、この凹部42内にステアリン
グホイール本体12におけるスポーク部26を摩擦係合
させる構成を採ったので、ステアリングホイール本体1
2とホイールカバー16との間に弾性体40が介在され
る構造として捉えられる。従って、本実施形態に係るス
テアリングホイール構造は、基本的に、バネ−質量体系
のダイナミックダンパを構成するものではない。
【0025】この点を踏まえて、本実施形態に係るステ
アリングホイール構造によって、ステアリングシャフト
28からステアリングホイール本体12に伝達される振
動が如何にして抑制されるのか、又どの領域の振動が抑
制されるのかを、図4に示される振動特性を表すグラフ
を用いて以下に説明する。
【0026】発明が解決しようとする課題の欄の記載と
若干重複するが、まず図4(B)に示される振動特性の
グラフについて補足説明する。図4(B)に実線で示さ
れるグラフが通常のステアリングホイール構造を採用し
た場合の振動特性を表しており、このグラフはバネ系で
決定される曲線F1 と質量系で決定される曲線F2 の複
合体として把握される。ここにいうバネ系とはステアリ
ングシャフトからステアリングホイール本体に振動が伝
達されてステアリングホイール本体が共振することから
ステアリングホイール本体自体を一つのバネ系として捉
えることができるという意味であり、又ここにいう質量
系とはホイールパッドの質量も加味する必要があるがス
テアリングホイール本体自体が所定質量を有することか
らステアリングホイール本体を一つの質量系として捉え
ることができるという意味である。従って、通常のステ
アリングホイール構造の場合、バネ系で決定される曲線
1 及び質量系で決定される曲線F2 のいずれもステア
リングホイール本体に依存し、両者を複合させると実線
グラフで示されるようなステアリングホイール本体の振
動特性が得られる。そして、問題となるのは、共振周波
数f0 の振幅x0 である。なお、二点鎖線で示される振
動特性は、ホイールカバー16単体の振動特性を表して
いる。
【0027】これに対し、従来構造のようにダイナミッ
クダンパ機能を付加すると、破線グラフのような振動特
性となり、狙い値である共振周波数f0 のところでの振
幅は小さくなり、その意味では初期の目的は達成される
が、その代わりに共振周波数f0 の前後に新しい2つの
共振周波数f’、f”が現れる。従って、ダイナミック
ダンパを用いると、狙い値での振幅は小さくすることが
できるものの、バネ系で決定される曲線にあっては弾性
体のバネ定数のバラツキ等に起因してF1 からF1 ’に
ずれる傾向があり、又質量系で決定される曲線にあって
もホイールパッド内に組み込まれるホーン機構やエアバ
ッグ装置等の質量及び重心位置等のバラツキに起因して
2 からF2 ’にずれる傾向があることから、狙い値以
外の領域の振動特性が悪化するというものであった。
【0028】一方、本実施形態に係るステアリングホイ
ール構造によれば、前述した如く、バネ−質量体系のダ
イナミックダンパ機能を付加する構成ではないので、ス
テアリングホイール本体12の基本的な振動特性は通常
のステアリングホイール構造と同様になる。すなわち、
バネ系で決定される曲線F1 並びに質量系で決定される
曲線F2 はいずれも、ステアリングホイール本体12が
主たる要因となるため、通常のステアリングホイール構
造と同様の振動特性(即ち、曲線F1 、F2 )を得るこ
とができる。
【0029】しかし、それだけでは、通常のステアリン
グホイール構造の振動特性と何ら変わらないということ
になるが、本実施形態によれば、狙い値の振動特性のみ
を以下の如く改善することができる。すなわち、ステア
リングシャフト28からステアリングホイール本体12
に振動が伝達されると、ステアリングホイール本体12
及びホイールカバー16の単体の各固有振動数(ちなみ
に、通常は、「ステアリングホイール本体12単体の固
有振動数>ホイールカバー16単体の固有振動数」であ
る)に起因して、図4(A)に示される如く、ステアリ
ングホイール本体12の振動に対してホイールカバー1
6の振動が180°ずれる領域(逆相に動く領域)が生
じる。この領域に問題となる共振周波数が含まれること
になるが、本実施形態では、ステアリングホイール本体
12とホイールカバー16とが逆相に動こうとすると、
ホイールカバー16の側部角部36Aに固着された弾性
体40がステアリングホイール本体12のスポーク部2
6に対して摺動する。このため、摺動時に生じる摩擦力
によって摩擦減衰効果が得られ、当該摩擦減衰効果は共
振周波数f0 付近で有効に発揮される性質があることか
ら、連成時の振動特性(即ち、本実施形態に係るステア
リングホイール構造を用いた場合の振動特性)は図4
(B)の一点鎖線で示される如くとなり、問題となる共
振周波数f0 における振幅がx2 と小さくなる。
【0030】以上を総括すると、本実施形態によれば、
ステアリングホイール本体12とホイールカバー16と
の間に摩擦減衰効果を生じさせる構成であるため、狙い
値以外の領域についての振動特性は従来通り良好に維持
しつつ、狙い値の振動特性についてのみ改善することが
できる。
【0031】さらに、本実施形態によれば、弾性体40
に凹部42を設けると共にこの凹部42にスポーク部2
6を嵌合させる構成を採ったので、ステアリングホイー
ル本体12に生じる振動成分に応じた摩擦減衰効果を得
ることができる。つまり、通常、ステアリングシャフト
28からステアリングホイール本体12に伝達される振
動は、ステアリングホイール本体12の軸線方向に沿う
方向(図1の矢印A方向)への振動及びステアリングホ
イール本体12の軸直角方向に沿う方向(図2の矢印B
方向)への振動といった二成分(二方向)の振動に分解
することができる。ここで、本実施形態によれば、ステ
アリングホイール本体12の軸線方向に沿う方向への振
動については、弾性体40の凹部底面42Aとスポーク
部26の外側面26Aとの摩擦並びに弾性体40の凹部
対向面42Bとスポーク部26の両側面26Bとの摩擦
によって減衰される。また、ステアリングホイール本体
12の軸直角方向に沿う方向への振動については、弾性
体40の凹部底面42Aとスポーク部26の外側面26
Aとの摩擦によって減衰される。従って、本実施形態に
よれば、振動成分に応じた摩擦減衰効果が得られ、その
結果狙い値の特性についての改善効果の確実化を期すこ
とができる。
【0032】なお、本実施形態では、弾性体40に凹部
42を形成すると共に、この凹部42に断面矩形のスポ
ーク部26を嵌合させることで両者を摩擦係合させる構
成を採ったが、これに限らず、図5に示されるように断
面形状が「凸」字形とされた摩擦体としての弾性体50
をホイールカバー16の側部角部36Aに取付けると共
に、この弾性体50に断面形状が「凹」字形とされたス
ポーク部52を嵌合させることで両者を摩擦係合させる
構成を採ってもよい。この場合、ステアリングホイール
本体12の軸線方向に沿う方向への振動については、弾
性体50の凸部頂面50Aとスポーク部52の凹部底面
52Aとの摩擦及び弾性体50の凸部底面50Bとスポ
ーク部52の凹部頂面52Bとの摩擦更に弾性体50の
凸部側面50Cとスポーク部52の凹部対向面52Cと
の摩擦によって減衰される。また、ステアリングホイー
ル本体12の軸直角方向に沿う方向への振動について
は、弾性体50の凸部頂面50Aとスポーク部52の凹
部底面52Aとの摩擦及び弾性体50の凸部底面50B
とスポーク部52の凹部頂面52Bとの摩擦によって減
衰される。従って、この実施形態によれば、振動を減衰
させる摩擦面が前述した実施形態よりも増加するので、
狙い値における振動抑制効果を高めることができる。
【0033】また、上述した実施形態では、弾性体4
0、50をホイールカバー16の側部角部36Aに固着
させてスポーク部26、52との間に介在させる構成を
採ったが、これに限らず、図6に示されるように、ホイ
ールカバー16の側部角部36Aの内側面にスポーク部
26に摩擦係合される摩擦体としての樹脂製の爪60を
一体形成する構成を採ってもよい。この場合、爪60の
表面60Aがスポーク部26の外側面26Aに弾性復元
力で圧接される構成になるため、当該表面60Aと当該
外側面26Aとの摩擦によって、ステアリングホイール
本体12の軸線方向に沿う方向への振動並びにステアリ
ングホイール本体12の軸直角方向に沿う方向への振動
が減衰されることになる。また、この実施形態による場
合、別部品を追加する必要がないため、構造の簡素化を
図ることができる。なお、爪60の形状を断面略コ字形
にして矩形断面のスポーク部26に弾性的に摩擦係合さ
せるようにしてもよい。
【0034】さらに、図3及び図5に示される実施形態
では、弾性体40、50をホイールカバー16側に接着
等の取付手段によって固着させてスポーク部26、52
に摩擦係合させる構成を採ったが、逆に、スポーク部2
6、52側に弾性体40、50を固着させてホイールカ
バー16と摩擦係合させるようにしてもよい。
【0035】また、上述した実施形態では、弾性体4
0、50並びに爪60が、ステアリングホイール本体1
2の軸線方向に沿う方向への振動を抑制する第1摩擦面
(弾性体40にあっては、凹部底面42A及び凹部対向
面42B;弾性体50にあっては、凸部頂面50A及び
凸部底面50B更に凸部側面50C;爪60にあっては
表面60A)と、ステアリングホイール本体12の軸直
角方向に沿う方向への振動を抑制する第2摩擦面(弾性
体40にあっては、凹部底面42A;弾性体50にあっ
ては、凸部頂面50A及び凸部底面50B;爪60にあ
っては、表面60A)との双方を具備していたが、これ
に限らず、第1摩擦面及び第2摩擦面の少なくとも一方
を備えていれば、程度の差はあるが摩擦減衰効果そのも
のは得られる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の本発
明に係るステアリングホイール構造は、ステアリングホ
イール本体におけるリム部以外の部分とホイールカバー
とのいずれか一方に摩擦体を固定的に支持させると共
に、ステアリングホイール本体におけるリム部以外の部
分とホイールカバーとのいずれか他方に摩擦体を摩擦係
合されたので、狙い値以外の領域についての振動特性は
良好に維持しつつ、狙い値の振動特性については改善す
ることができるという優れた効果を有する。
【0037】請求項2記載の本発明に係るステアリング
ホイール構造は、請求項1に記載の発明において、摩擦
体が、ステアリングホイール本体の軸線方向に沿う方向
への振動を抑制する第1摩擦面及びステアリングホイー
ル本体の軸直角方向に沿う方向への振動を抑制する第2
摩擦面の少なくとも一方を備えているので、振動成分に
応じた摩擦減衰効果が得られ、これにより狙い値の特性
についての改善効果の確実化を期すことができるという
優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るステアリングホイール構造を
示す横断面図である。
【図2】本実施形態に係るステアリングホイール構造を
示す平面図である。
【図3】図1の3−3線に沿う要部拡大断面図である。
【図4】本実施形態に係るステアリングホイール構造を
用いた場合の振動特性を従来構造との対比において示す
グラフである。
【図5】摩擦体とスポーク部との嵌合構造を変更した実
施形態を示す図3に対応する要部拡大断面図である。
【図6】摩擦体の代わりにホイールカバー一体の爪を設
けた実施形態を示す図1に対応する横断面図である。
【図7】従来例に係るステアリングホイール構造を示す
横断面図である。
【図8】図7に示されるステアリングホイール構造にお
ける弾性支持構造を示す要部拡大図である。
【図9】図7に示される従来構造を用いた場合のステア
リングホイールの振動特性を示すグラフである。
【符号の説明】
10 ステアリングホイール 12 ステアリングホイール本体 16 ホイールカバー 22 ボス部 24 芯金リム部(リム部) 26 スポーク部 28 ステアリングシャフト 32 被覆部(リム部) 38 ビス 40 弾性体(摩擦体) 42A 凹部底面(第1摩擦面、第2摩擦面) 42B 凹部対向面(第1摩擦面) 50 弾性体(摩擦体) 50A 凸部頂面(第1摩擦面、第2摩擦面) 50B 凸部底面(第1摩擦面、第2摩擦面) 50C 凸部側面(第1摩擦面) 52 スポーク部 60 爪(摩擦体) 60A 表面(第1摩擦面、第2摩擦面)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングシャフトの先端部に固定さ
    れるボス部と、このボス部に対して略平行に配置される
    リム部と、ボス部とリム部とを繋ぐスポーク部と、を含
    んで構成されるステアリングホイール本体と、 このステアリングホイール本体に取付けられ、ボス部及
    びスポーク部を覆うホイールカバーと、 ステアリングホイール本体におけるリム部以外の部分と
    ホイールカバーとのいずれか一方に固定的に支持され、
    ステアリングホイール本体におけるリム部以外の部分と
    ホイールカバーとのいずれか他方に摩擦係合される摩擦
    体と、 を有することを特徴とするステアリングホイール構造。
  2. 【請求項2】 前記摩擦体は、ステアリングホイール本
    体の軸線方向に沿う方向への振動を抑制する第1摩擦面
    及びステアリングホイール本体の軸直角方向に沿う方向
    への振動を抑制する第2摩擦面の少なくとも一方を備え
    ている、 ことを特徴とする請求項1に記載のステアリングホイー
    ル構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6921066B2 (en) 2002-09-27 2005-07-26 Tokai Rubber Industries, Ltd. Connector assembly and connecting device for steering wheel
JP2006076533A (ja) * 2004-09-13 2006-03-23 Favess Co Ltd 車両用操舵装置

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JP4506368B2 (ja) * 2004-09-13 2010-07-21 トヨタ自動車株式会社 車両用操舵装置

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