JPH10180505A - すぐれた耐チッピング性を有する炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ型切削チップ - Google Patents
すぐれた耐チッピング性を有する炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ型切削チップInfo
- Publication number
- JPH10180505A JPH10180505A JP34099596A JP34099596A JPH10180505A JP H10180505 A JPH10180505 A JP H10180505A JP 34099596 A JP34099596 A JP 34099596A JP 34099596 A JP34099596 A JP 34099596A JP H10180505 A JPH10180505 A JP H10180505A
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- JP
- Japan
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- cutting
- hardness
- flank
- cutting tip
- throw
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- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 すぐれた耐チッピング性を有する炭窒化チタ
ン系サーメット製スローアウエイ型切削チップを提供す
る。 【解決手段】 結合相形成成分としてCoおよび/また
はNiを17.5〜27重量%含有し、かつ内部がH
v:1200〜1600の硬さを有する炭窒化チタン系
サーメット製スローアウエイ型切削チップの表面部に、
切刃稜線部における最高表面硬さがHv:2200〜2
600を示し、逃げ面およびすくい面における最高表面
硬さがHv:1400〜1800を示す表面硬化層を形
成する。
ン系サーメット製スローアウエイ型切削チップを提供す
る。 【解決手段】 結合相形成成分としてCoおよび/また
はNiを17.5〜27重量%含有し、かつ内部がH
v:1200〜1600の硬さを有する炭窒化チタン系
サーメット製スローアウエイ型切削チップの表面部に、
切刃稜線部における最高表面硬さがHv:2200〜2
600を示し、逃げ面およびすくい面における最高表面
硬さがHv:1400〜1800を示す表面硬化層を形
成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、切刃の逃げ面お
よびすくい面における表面硬さが、逃げ面とすくい面が
交わる切刃稜線部(以下、単に切刃稜線部と云う)の表
面硬さに比して相対的に低い硬さ分布を有する表面硬化
層を形成することによってすぐれた耐チッピング性を具
備せしめた炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ
型切削チップ(以下、単に切削チップと云う)に関する
ものである。
よびすくい面における表面硬さが、逃げ面とすくい面が
交わる切刃稜線部(以下、単に切刃稜線部と云う)の表
面硬さに比して相対的に低い硬さ分布を有する表面硬化
層を形成することによってすぐれた耐チッピング性を具
備せしめた炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ
型切削チップ(以下、単に切削チップと云う)に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に例えば特開平3−3250
2号公報などに記載されるように、結合相形成成分とし
てCoおよび/またはNiを3〜20重量%含有し、か
つ内部が1400〜1800のビッカース硬さを有し、
切刃の逃げ面、切刃稜線部、およびすくい面にかけての
表面部に、最高表面硬さがビッカース硬さで2400〜
2800の均一な硬さ分布をもった表面硬化層を形成し
てなる切削チップが知られており、また、これが例えば
鋼などの切削に用いられている。さらに、上記切削チッ
プが、以下の条件、すなわち、 (a)焼結温度への昇温速度:1〜3℃/sec、 (b)室温から1200〜1350℃への昇温雰囲気:
0.1torr以下の真空、 (c)1200〜1350℃から焼結温度である148
0〜1560℃への昇温雰囲気:5〜30torrの窒
素雰囲気、 (d)上記焼結温度での保持時間および雰囲気:60〜
90分および5〜30torrの窒素雰囲気、 (e)冷却:0.1torr以下の真空雰囲気で炉冷、 以上(a)〜(e)の条件を満足する条件で、所定の配
合組成を有する圧粉体を焼結することによって製造され
ることも知られている。
2号公報などに記載されるように、結合相形成成分とし
てCoおよび/またはNiを3〜20重量%含有し、か
つ内部が1400〜1800のビッカース硬さを有し、
切刃の逃げ面、切刃稜線部、およびすくい面にかけての
表面部に、最高表面硬さがビッカース硬さで2400〜
2800の均一な硬さ分布をもった表面硬化層を形成し
てなる切削チップが知られており、また、これが例えば
鋼などの切削に用いられている。さらに、上記切削チッ
プが、以下の条件、すなわち、 (a)焼結温度への昇温速度:1〜3℃/sec、 (b)室温から1200〜1350℃への昇温雰囲気:
0.1torr以下の真空、 (c)1200〜1350℃から焼結温度である148
0〜1560℃への昇温雰囲気:5〜30torrの窒
素雰囲気、 (d)上記焼結温度での保持時間および雰囲気:60〜
90分および5〜30torrの窒素雰囲気、 (e)冷却:0.1torr以下の真空雰囲気で炉冷、 以上(a)〜(e)の条件を満足する条件で、所定の配
合組成を有する圧粉体を焼結することによって製造され
ることも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削加工
のFA化および高性能化はめざましく、かつ省力化およ
び省エネ化に対する要求も強く、これに伴い連続切削は
勿論のこと、断続切削を高速で行なうことのできる切削
チップが望まれる傾向にあるが、上記の表面硬化層の硬
さ分布に変化のない従来切削チップにおいては、これを
特に高速断続切削に用いた場合、切刃の逃げ面およびす
くい面にチッピングが発生し易く、このチッピングが原
因で比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
のFA化および高性能化はめざましく、かつ省力化およ
び省エネ化に対する要求も強く、これに伴い連続切削は
勿論のこと、断続切削を高速で行なうことのできる切削
チップが望まれる傾向にあるが、上記の表面硬化層の硬
さ分布に変化のない従来切削チップにおいては、これを
特に高速断続切削に用いた場合、切刃の逃げ面およびす
くい面にチッピングが発生し易く、このチッピングが原
因で比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、表面部に表面硬化層を有する切
削チップに着目し、これの耐チッピング性向上をはかる
べく研究を行った結果、結合相形成成分であるCoおよ
び/またはNiの含有量を17.5〜27重量%と特定
した上で、上記の従来切削チップの焼結条件である
(a)〜(e)の条件のうちの(e)条件の冷却雰囲気
を1〜5torrの窒素雰囲気とした条件で焼結を行な
うと、焼結後の切削チップの表面部には、切刃稜線部が
従来切削チップの表面硬化層に比して同等あるいは相対
的に低い硬さのビッカース硬さ(Hv)で2200〜2
600の最高表面硬さを示し、一方逃げ面およびすくい
面はこれより相対的に低いHv:1400〜1800の
最高表面硬さを示す表面硬化層が形成されるようにな
り、このような表面硬化層の形成された切削チップは、
これを高速連続切削は勿論のこと、高速断続切削に用い
ても相対的に高い硬さを有する切刃稜線部によってすぐ
れた耐摩耗性が確保され、かつ相対的に硬さの低い逃げ
面およびすくい面によってチッピングの発生が抑制さ
れ、すぐれた切削性能を長期に亘って発揮するようにな
るという研究結果を得たのである。
上述のような観点から、表面部に表面硬化層を有する切
削チップに着目し、これの耐チッピング性向上をはかる
べく研究を行った結果、結合相形成成分であるCoおよ
び/またはNiの含有量を17.5〜27重量%と特定
した上で、上記の従来切削チップの焼結条件である
(a)〜(e)の条件のうちの(e)条件の冷却雰囲気
を1〜5torrの窒素雰囲気とした条件で焼結を行な
うと、焼結後の切削チップの表面部には、切刃稜線部が
従来切削チップの表面硬化層に比して同等あるいは相対
的に低い硬さのビッカース硬さ(Hv)で2200〜2
600の最高表面硬さを示し、一方逃げ面およびすくい
面はこれより相対的に低いHv:1400〜1800の
最高表面硬さを示す表面硬化層が形成されるようにな
り、このような表面硬化層の形成された切削チップは、
これを高速連続切削は勿論のこと、高速断続切削に用い
ても相対的に高い硬さを有する切刃稜線部によってすぐ
れた耐摩耗性が確保され、かつ相対的に硬さの低い逃げ
面およびすくい面によってチッピングの発生が抑制さ
れ、すぐれた切削性能を長期に亘って発揮するようにな
るという研究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果に基づいてな
されたものであって、結合相形成成分としてCoおよび
/またはNiを17.5〜27重量%含有し、かつ内部
がHv:1200〜1600の硬さを有する切削チップ
の表面部に、切刃稜線部における最高表面硬さがHv:
2200〜2600を示し、逃げ面およびすくい面にお
ける最高表面硬さがHv:1400〜1800を示す表
面硬化層を形成してなる、すぐれた耐チッピング性を有
する切削チップに特徴を有するものである。
されたものであって、結合相形成成分としてCoおよび
/またはNiを17.5〜27重量%含有し、かつ内部
がHv:1200〜1600の硬さを有する切削チップ
の表面部に、切刃稜線部における最高表面硬さがHv:
2200〜2600を示し、逃げ面およびすくい面にお
ける最高表面硬さがHv:1400〜1800を示す表
面硬化層を形成してなる、すぐれた耐チッピング性を有
する切削チップに特徴を有するものである。
【0006】なお、この発明の切削チップの表面硬化層
における硬さ分布は、結合相形成成分であるCoおよび
/またはNiの含有量を17.5〜27重量%に特定し
た上で、上記の通り従来切削チップの焼結条件である
(a)〜(e)の条件のうちの(e)条件の冷却雰囲気
を1〜5torrの窒素雰囲気とした条件で焼結を行な
うことにより調整される、すなわち、Coおよび/また
はNiの含有量を前記範囲内で低くし、かつ前記(e)
条件における窒素雰囲気の圧力を前記範囲内で高くする
ほど切刃稜線部と逃げ面およびすくい面の硬さはともに
高くなり、反対にCoおよび/またはNiの含有量を前
記範囲内で高くし、かつ窒素雰囲気の圧力を低くするほ
ど前記硬さは低くなるものであり、したがって前記結合
相形成成分の含有量が27重量%を越え、かつ前記窒素
雰囲気が1torr未満になると、切刃稜線部の最高表
面硬さがHv:2200未満、逃げ面およびすくい面の
最高表面硬さがHv:1400未満となってしまい、所
望の耐摩耗性を確保することができなくなり、一方前記
結合相形成成分の含有量が17.5重量%未満にして前
記窒素雰囲気が5torrを越えると、切刃稜線部の最
高表面硬さがHv:2600を越え、かつ逃げ面および
すくい面の最高表面硬さがHv:1800を越えるよう
になり、特に例えば鋼の高速断続切削で切刃にチッピン
グが発生し易くなるという理由により表面硬化層の硬さ
分布を上記の通りに定めたのである。また、Coおよび
/またはNiの含有量を17.5〜27重量%としたの
は、その含有量が17.5重量%未満では、切削チップ
の内部硬さがHv:1600を越えて高くなって、靭性
に低下傾向が現れるようになり、一方その含有量が27
重量%を越えると、切削チップの内部硬さがHv:12
00未満となってしまい、急激に強度が低下するように
なるという理由によるものである。
における硬さ分布は、結合相形成成分であるCoおよび
/またはNiの含有量を17.5〜27重量%に特定し
た上で、上記の通り従来切削チップの焼結条件である
(a)〜(e)の条件のうちの(e)条件の冷却雰囲気
を1〜5torrの窒素雰囲気とした条件で焼結を行な
うことにより調整される、すなわち、Coおよび/また
はNiの含有量を前記範囲内で低くし、かつ前記(e)
条件における窒素雰囲気の圧力を前記範囲内で高くする
ほど切刃稜線部と逃げ面およびすくい面の硬さはともに
高くなり、反対にCoおよび/またはNiの含有量を前
記範囲内で高くし、かつ窒素雰囲気の圧力を低くするほ
ど前記硬さは低くなるものであり、したがって前記結合
相形成成分の含有量が27重量%を越え、かつ前記窒素
雰囲気が1torr未満になると、切刃稜線部の最高表
面硬さがHv:2200未満、逃げ面およびすくい面の
最高表面硬さがHv:1400未満となってしまい、所
望の耐摩耗性を確保することができなくなり、一方前記
結合相形成成分の含有量が17.5重量%未満にして前
記窒素雰囲気が5torrを越えると、切刃稜線部の最
高表面硬さがHv:2600を越え、かつ逃げ面および
すくい面の最高表面硬さがHv:1800を越えるよう
になり、特に例えば鋼の高速断続切削で切刃にチッピン
グが発生し易くなるという理由により表面硬化層の硬さ
分布を上記の通りに定めたのである。また、Coおよび
/またはNiの含有量を17.5〜27重量%としたの
は、その含有量が17.5重量%未満では、切削チップ
の内部硬さがHv:1600を越えて高くなって、靭性
に低下傾向が現れるようになり、一方その含有量が27
重量%を越えると、切削チップの内部硬さがHv:12
00未満となってしまい、急激に強度が低下するように
なるという理由によるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の切削チップを
実施例により具体的に説明する。原料粉末として、いず
れも0.5〜2μmの範囲内の所定の平均粒径を有する
TiCN[重量比で(以下同じ)、TiC/TiN=5
0/50]粉末、TiN粉末、TaC粉末、NbC粉
末、WC粉末、Mo2 C粉末、VC粉末、ZrC粉末、
Cr3 C2 粉末、(Ti,W,Mo)CN[Ti/W/
Mo=80/10/10、C/N=70/30]粉末、
(Ti,Ta,V)CN[Ti/Ta/V=70/20
/10、C/N=50/50]粉末、(Ti,Ta,N
b)CN[Ti/Ta/Nb=70/15/15、C/
N=60/40]粉末、(Ti,W,Nb)CN[Ti
/W/Nb=80/10/10、C/N=70/30]
粉末、(Ti,Nb,Mo)CN[Ti/Nb/Mo=
60/30/10、C/N=60/40]粉末、(T
i,W)CN[Ti/W=80/20、C/N=70/
30]粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意し、これ
ら原料粉末を表1に示される配合組成に配合し、ボール
ミルで24時間湿式混合し、乾燥した後、1ton/c
m2 の圧力で圧粉体A〜Mをプレス成形し、ついでこれ
ら圧粉体A〜Mを、以下に示す条件、すなわち室温から
1350℃までを0.05torrの真空雰囲気中、
1.5℃/minの昇温速度で昇温し、1350℃に昇
温後、雰囲気を10torrの窒素雰囲気に変えて同じ
昇温速度で1520℃まで昇温し、同じ雰囲気で152
0℃に60分間保持し、最終的にそれぞれ1〜5tor
rの範囲内の所定の窒素雰囲気中で炉冷、の条件で焼結
し、焼結体に0.05mmの丸ホーニングを施すことに
よりISO規格SNMG120408のスローアウエイ
チップ形状をもった本発明切削チップ1〜9をそれぞれ
製造した。また、比較の目的で、上記の圧粉体A〜Mを
用い、これの焼結を、上記の焼結条件のうちの最終工程
である炉冷をいずれも0.05torrの真空雰囲気中
で行なう以外は同じ条件、すなわち、上記の従来切削チ
ップの焼結条件と同じ条件で、上記の従来切削チップに
おけるCoおよび/またはNiの含有量に比して相対的
に高いが、本発明切削チップ1〜9のそれと同じ17.
5〜27重量%の範囲内の所定の含有量の比較切削チッ
プ1〜9をそれぞれ製造した。
実施例により具体的に説明する。原料粉末として、いず
れも0.5〜2μmの範囲内の所定の平均粒径を有する
TiCN[重量比で(以下同じ)、TiC/TiN=5
0/50]粉末、TiN粉末、TaC粉末、NbC粉
末、WC粉末、Mo2 C粉末、VC粉末、ZrC粉末、
Cr3 C2 粉末、(Ti,W,Mo)CN[Ti/W/
Mo=80/10/10、C/N=70/30]粉末、
(Ti,Ta,V)CN[Ti/Ta/V=70/20
/10、C/N=50/50]粉末、(Ti,Ta,N
b)CN[Ti/Ta/Nb=70/15/15、C/
N=60/40]粉末、(Ti,W,Nb)CN[Ti
/W/Nb=80/10/10、C/N=70/30]
粉末、(Ti,Nb,Mo)CN[Ti/Nb/Mo=
60/30/10、C/N=60/40]粉末、(T
i,W)CN[Ti/W=80/20、C/N=70/
30]粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意し、これ
ら原料粉末を表1に示される配合組成に配合し、ボール
ミルで24時間湿式混合し、乾燥した後、1ton/c
m2 の圧力で圧粉体A〜Mをプレス成形し、ついでこれ
ら圧粉体A〜Mを、以下に示す条件、すなわち室温から
1350℃までを0.05torrの真空雰囲気中、
1.5℃/minの昇温速度で昇温し、1350℃に昇
温後、雰囲気を10torrの窒素雰囲気に変えて同じ
昇温速度で1520℃まで昇温し、同じ雰囲気で152
0℃に60分間保持し、最終的にそれぞれ1〜5tor
rの範囲内の所定の窒素雰囲気中で炉冷、の条件で焼結
し、焼結体に0.05mmの丸ホーニングを施すことに
よりISO規格SNMG120408のスローアウエイ
チップ形状をもった本発明切削チップ1〜9をそれぞれ
製造した。また、比較の目的で、上記の圧粉体A〜Mを
用い、これの焼結を、上記の焼結条件のうちの最終工程
である炉冷をいずれも0.05torrの真空雰囲気中
で行なう以外は同じ条件、すなわち、上記の従来切削チ
ップの焼結条件と同じ条件で、上記の従来切削チップに
おけるCoおよび/またはNiの含有量に比して相対的
に高いが、本発明切削チップ1〜9のそれと同じ17.
5〜27重量%の範囲内の所定の含有量の比較切削チッ
プ1〜9をそれぞれ製造した。
【0008】この結果得られた各種の切削チップについ
て、表面を研磨した状態で、逃げ面およびすくい面のビ
ッカース硬さ(荷重:300g)をそれぞれ任意箇所1
0箇所について測定し、また切刃稜線部は正確な表面硬
さの測定ができないので、任意箇所10箇所の研磨断面
におけるホーニング面から0.05mm内側の位置のビ
ッカース硬さ(荷重:300g)を測定して表面硬さと
し、これから最高表面硬さを選び出し、この結果を表
2、3に内部硬さ(Hv)とともに示した。また、本発
明切削チップ1〜9および比較切削チップ1〜9につい
て、 被削材:JIS・S45Cの長さ方向等間隔4本縦溝入
り丸棒、 切削速度:200m/min、 送り:0.15mm/rev、 切込み:1mm、 切削時間:5分、 の条件で鋼の高速断続切削試験を行ない、切刃の逃げ面
摩耗幅を測定した。これらの測定結果を表2、3に示し
た。
て、表面を研磨した状態で、逃げ面およびすくい面のビ
ッカース硬さ(荷重:300g)をそれぞれ任意箇所1
0箇所について測定し、また切刃稜線部は正確な表面硬
さの測定ができないので、任意箇所10箇所の研磨断面
におけるホーニング面から0.05mm内側の位置のビ
ッカース硬さ(荷重:300g)を測定して表面硬さと
し、これから最高表面硬さを選び出し、この結果を表
2、3に内部硬さ(Hv)とともに示した。また、本発
明切削チップ1〜9および比較切削チップ1〜9につい
て、 被削材:JIS・S45Cの長さ方向等間隔4本縦溝入
り丸棒、 切削速度:200m/min、 送り:0.15mm/rev、 切込み:1mm、 切削時間:5分、 の条件で鋼の高速断続切削試験を行ない、切刃の逃げ面
摩耗幅を測定した。これらの測定結果を表2、3に示し
た。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】
【表3】
【0012】
【発明の効果】表2、3に示される結果から、本発明切
削チップ1〜9は、いずれもこれを構成する表面硬化層
における相対的に硬さの低い逃げ面およびすくい面によ
って、苛酷な条件での切削となる鋼の高速断続切削にも
かかわらず、すぐれた耐チッピング性を示し、かつ相対
的に高い硬さの切刃稜線部によってすぐれた耐摩耗性が
確保されることから、すぐれた切削性能を示すのに対し
て、表面硬化層に相対的硬さ変化のない比較切削チップ
1〜9においては、いずれもCoおよび/またはNiの
含有量が本発明切削チップ1〜9のそれぞれに対応して
同じであるにもかかわらず、表面硬化層における逃げ面
およびすくい面にチッピングが発生し、これが原因で比
較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。上述
のように、この発明の切削チップは、これを構成する表
面硬化層の切刃稜線部の有するHv:2200〜260
0の最高表面硬さによって耐摩耗性が確保され、かつ最
高表面硬さがHv:1400〜1800の相対的に硬さ
の低い逃げ面およびすくい面によってすぐれた耐チッピ
ング性を有するようになるので、例えば鋼の高速連続切
削は勿論のこと、特に高速断続切削において切刃にチッ
ピングの発生なく、長期に亘ってすぐれた切削性能を発
揮するのである。
削チップ1〜9は、いずれもこれを構成する表面硬化層
における相対的に硬さの低い逃げ面およびすくい面によ
って、苛酷な条件での切削となる鋼の高速断続切削にも
かかわらず、すぐれた耐チッピング性を示し、かつ相対
的に高い硬さの切刃稜線部によってすぐれた耐摩耗性が
確保されることから、すぐれた切削性能を示すのに対し
て、表面硬化層に相対的硬さ変化のない比較切削チップ
1〜9においては、いずれもCoおよび/またはNiの
含有量が本発明切削チップ1〜9のそれぞれに対応して
同じであるにもかかわらず、表面硬化層における逃げ面
およびすくい面にチッピングが発生し、これが原因で比
較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。上述
のように、この発明の切削チップは、これを構成する表
面硬化層の切刃稜線部の有するHv:2200〜260
0の最高表面硬さによって耐摩耗性が確保され、かつ最
高表面硬さがHv:1400〜1800の相対的に硬さ
の低い逃げ面およびすくい面によってすぐれた耐チッピ
ング性を有するようになるので、例えば鋼の高速連続切
削は勿論のこと、特に高速断続切削において切刃にチッ
ピングの発生なく、長期に亘ってすぐれた切削性能を発
揮するのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野中 勝尚 茨城県結城郡石下町大字古間木1511番地 三菱マテリアル株式会社筑波製作所内
Claims (1)
- 【請求項1】 結合相形成成分としてCoおよび/また
はNiを17.5〜27重量%含有し、かつ内部が12
00〜1600のビッカース硬さを有する炭窒化チタン
系サーメット製スローアウエイ型切削チップの表面部
に、切刃の逃げ面とすくい面が交わる切刃稜線部におけ
る最高表面硬さがビッカース硬さで2200〜2600
を示し、逃げ面およびすくい面における最高表面硬さが
ビッカース硬さで1400〜1800を示す表面硬化層
を形成したことを特徴とする、すぐれた耐チッピング性
を有する炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ型
切削チップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34099596A JPH10180505A (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | すぐれた耐チッピング性を有する炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ型切削チップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34099596A JPH10180505A (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | すぐれた耐チッピング性を有する炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ型切削チップ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10180505A true JPH10180505A (ja) | 1998-07-07 |
Family
ID=18342236
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34099596A Pending JPH10180505A (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | すぐれた耐チッピング性を有する炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ型切削チップ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10180505A (ja) |
-
1996
- 1996-12-20 JP JP34099596A patent/JPH10180505A/ja active Pending
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