JPH10180505A - すぐれた耐チッピング性を有する炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ型切削チップ - Google Patents

すぐれた耐チッピング性を有する炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ型切削チップ

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JPH10180505A
JPH10180505A JP34099596A JP34099596A JPH10180505A JP H10180505 A JPH10180505 A JP H10180505A JP 34099596 A JP34099596 A JP 34099596A JP 34099596 A JP34099596 A JP 34099596A JP H10180505 A JPH10180505 A JP H10180505A
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JP
Japan
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cutting
hardness
flank
cutting tip
throw
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Pending
Application number
JP34099596A
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English (en)
Inventor
Takashi Fujisawa
隆史 藤澤
Seiichiro Nakamura
清一郎 中村
Hisashi Tsujisaki
久史 辻崎
Katsuhisa Nonaka
勝尚 野中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 すぐれた耐チッピング性を有する炭窒化チタ
ン系サーメット製スローアウエイ型切削チップを提供す
る。 【解決手段】 結合相形成成分としてCoおよび/また
はNiを17.5〜27重量%含有し、かつ内部がH
v:1200〜1600の硬さを有する炭窒化チタン系
サーメット製スローアウエイ型切削チップの表面部に、
切刃稜線部における最高表面硬さがHv:2200〜2
600を示し、逃げ面およびすくい面における最高表面
硬さがHv:1400〜1800を示す表面硬化層を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、切刃の逃げ面お
よびすくい面における表面硬さが、逃げ面とすくい面が
交わる切刃稜線部(以下、単に切刃稜線部と云う)の表
面硬さに比して相対的に低い硬さ分布を有する表面硬化
層を形成することによってすぐれた耐チッピング性を具
備せしめた炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ
型切削チップ(以下、単に切削チップと云う)に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に例えば特開平3−3250
2号公報などに記載されるように、結合相形成成分とし
てCoおよび/またはNiを3〜20重量%含有し、か
つ内部が1400〜1800のビッカース硬さを有し、
切刃の逃げ面、切刃稜線部、およびすくい面にかけての
表面部に、最高表面硬さがビッカース硬さで2400〜
2800の均一な硬さ分布をもった表面硬化層を形成し
てなる切削チップが知られており、また、これが例えば
鋼などの切削に用いられている。さらに、上記切削チッ
プが、以下の条件、すなわち、 (a)焼結温度への昇温速度:1〜3℃/sec、 (b)室温から1200〜1350℃への昇温雰囲気:
0.1torr以下の真空、 (c)1200〜1350℃から焼結温度である148
0〜1560℃への昇温雰囲気:5〜30torrの窒
素雰囲気、 (d)上記焼結温度での保持時間および雰囲気:60〜
90分および5〜30torrの窒素雰囲気、 (e)冷却:0.1torr以下の真空雰囲気で炉冷、 以上(a)〜(e)の条件を満足する条件で、所定の配
合組成を有する圧粉体を焼結することによって製造され
ることも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削加工
のFA化および高性能化はめざましく、かつ省力化およ
び省エネ化に対する要求も強く、これに伴い連続切削は
勿論のこと、断続切削を高速で行なうことのできる切削
チップが望まれる傾向にあるが、上記の表面硬化層の硬
さ分布に変化のない従来切削チップにおいては、これを
特に高速断続切削に用いた場合、切刃の逃げ面およびす
くい面にチッピングが発生し易く、このチッピングが原
因で比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、表面部に表面硬化層を有する切
削チップに着目し、これの耐チッピング性向上をはかる
べく研究を行った結果、結合相形成成分であるCoおよ
び/またはNiの含有量を17.5〜27重量%と特定
した上で、上記の従来切削チップの焼結条件である
(a)〜(e)の条件のうちの(e)条件の冷却雰囲気
を1〜5torrの窒素雰囲気とした条件で焼結を行な
うと、焼結後の切削チップの表面部には、切刃稜線部が
従来切削チップの表面硬化層に比して同等あるいは相対
的に低い硬さのビッカース硬さ(Hv)で2200〜2
600の最高表面硬さを示し、一方逃げ面およびすくい
面はこれより相対的に低いHv:1400〜1800の
最高表面硬さを示す表面硬化層が形成されるようにな
り、このような表面硬化層の形成された切削チップは、
これを高速連続切削は勿論のこと、高速断続切削に用い
ても相対的に高い硬さを有する切刃稜線部によってすぐ
れた耐摩耗性が確保され、かつ相対的に硬さの低い逃げ
面およびすくい面によってチッピングの発生が抑制さ
れ、すぐれた切削性能を長期に亘って発揮するようにな
るという研究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果に基づいてな
されたものであって、結合相形成成分としてCoおよび
/またはNiを17.5〜27重量%含有し、かつ内部
がHv:1200〜1600の硬さを有する切削チップ
の表面部に、切刃稜線部における最高表面硬さがHv:
2200〜2600を示し、逃げ面およびすくい面にお
ける最高表面硬さがHv:1400〜1800を示す表
面硬化層を形成してなる、すぐれた耐チッピング性を有
する切削チップに特徴を有するものである。
【0006】なお、この発明の切削チップの表面硬化層
における硬さ分布は、結合相形成成分であるCoおよび
/またはNiの含有量を17.5〜27重量%に特定し
た上で、上記の通り従来切削チップの焼結条件である
(a)〜(e)の条件のうちの(e)条件の冷却雰囲気
を1〜5torrの窒素雰囲気とした条件で焼結を行な
うことにより調整される、すなわち、Coおよび/また
はNiの含有量を前記範囲内で低くし、かつ前記(e)
条件における窒素雰囲気の圧力を前記範囲内で高くする
ほど切刃稜線部と逃げ面およびすくい面の硬さはともに
高くなり、反対にCoおよび/またはNiの含有量を前
記範囲内で高くし、かつ窒素雰囲気の圧力を低くするほ
ど前記硬さは低くなるものであり、したがって前記結合
相形成成分の含有量が27重量%を越え、かつ前記窒素
雰囲気が1torr未満になると、切刃稜線部の最高表
面硬さがHv:2200未満、逃げ面およびすくい面の
最高表面硬さがHv:1400未満となってしまい、所
望の耐摩耗性を確保することができなくなり、一方前記
結合相形成成分の含有量が17.5重量%未満にして前
記窒素雰囲気が5torrを越えると、切刃稜線部の最
高表面硬さがHv:2600を越え、かつ逃げ面および
すくい面の最高表面硬さがHv:1800を越えるよう
になり、特に例えば鋼の高速断続切削で切刃にチッピン
グが発生し易くなるという理由により表面硬化層の硬さ
分布を上記の通りに定めたのである。また、Coおよび
/またはNiの含有量を17.5〜27重量%としたの
は、その含有量が17.5重量%未満では、切削チップ
の内部硬さがHv:1600を越えて高くなって、靭性
に低下傾向が現れるようになり、一方その含有量が27
重量%を越えると、切削チップの内部硬さがHv:12
00未満となってしまい、急激に強度が低下するように
なるという理由によるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の切削チップを
実施例により具体的に説明する。原料粉末として、いず
れも0.5〜2μmの範囲内の所定の平均粒径を有する
TiCN[重量比で(以下同じ)、TiC/TiN=5
0/50]粉末、TiN粉末、TaC粉末、NbC粉
末、WC粉末、Mo2 C粉末、VC粉末、ZrC粉末、
Cr32 粉末、(Ti,W,Mo)CN[Ti/W/
Mo=80/10/10、C/N=70/30]粉末、
(Ti,Ta,V)CN[Ti/Ta/V=70/20
/10、C/N=50/50]粉末、(Ti,Ta,N
b)CN[Ti/Ta/Nb=70/15/15、C/
N=60/40]粉末、(Ti,W,Nb)CN[Ti
/W/Nb=80/10/10、C/N=70/30]
粉末、(Ti,Nb,Mo)CN[Ti/Nb/Mo=
60/30/10、C/N=60/40]粉末、(T
i,W)CN[Ti/W=80/20、C/N=70/
30]粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意し、これ
ら原料粉末を表1に示される配合組成に配合し、ボール
ミルで24時間湿式混合し、乾燥した後、1ton/c
2 の圧力で圧粉体A〜Mをプレス成形し、ついでこれ
ら圧粉体A〜Mを、以下に示す条件、すなわち室温から
1350℃までを0.05torrの真空雰囲気中、
1.5℃/minの昇温速度で昇温し、1350℃に昇
温後、雰囲気を10torrの窒素雰囲気に変えて同じ
昇温速度で1520℃まで昇温し、同じ雰囲気で152
0℃に60分間保持し、最終的にそれぞれ1〜5tor
rの範囲内の所定の窒素雰囲気中で炉冷、の条件で焼結
し、焼結体に0.05mmの丸ホーニングを施すことに
よりISO規格SNMG120408のスローアウエイ
チップ形状をもった本発明切削チップ1〜9をそれぞれ
製造した。また、比較の目的で、上記の圧粉体A〜Mを
用い、これの焼結を、上記の焼結条件のうちの最終工程
である炉冷をいずれも0.05torrの真空雰囲気中
で行なう以外は同じ条件、すなわち、上記の従来切削チ
ップの焼結条件と同じ条件で、上記の従来切削チップに
おけるCoおよび/またはNiの含有量に比して相対的
に高いが、本発明切削チップ1〜9のそれと同じ17.
5〜27重量%の範囲内の所定の含有量の比較切削チッ
プ1〜9をそれぞれ製造した。
【0008】この結果得られた各種の切削チップについ
て、表面を研磨した状態で、逃げ面およびすくい面のビ
ッカース硬さ(荷重:300g)をそれぞれ任意箇所1
0箇所について測定し、また切刃稜線部は正確な表面硬
さの測定ができないので、任意箇所10箇所の研磨断面
におけるホーニング面から0.05mm内側の位置のビ
ッカース硬さ(荷重:300g)を測定して表面硬さと
し、これから最高表面硬さを選び出し、この結果を表
2、3に内部硬さ(Hv)とともに示した。また、本発
明切削チップ1〜9および比較切削チップ1〜9につい
て、 被削材:JIS・S45Cの長さ方向等間隔4本縦溝入
り丸棒、 切削速度:200m/min、 送り:0.15mm/rev、 切込み:1mm、 切削時間:5分、 の条件で鋼の高速断続切削試験を行ない、切刃の逃げ面
摩耗幅を測定した。これらの測定結果を表2、3に示し
た。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】
【表3】
【0012】
【発明の効果】表2、3に示される結果から、本発明切
削チップ1〜9は、いずれもこれを構成する表面硬化層
における相対的に硬さの低い逃げ面およびすくい面によ
って、苛酷な条件での切削となる鋼の高速断続切削にも
かかわらず、すぐれた耐チッピング性を示し、かつ相対
的に高い硬さの切刃稜線部によってすぐれた耐摩耗性が
確保されることから、すぐれた切削性能を示すのに対し
て、表面硬化層に相対的硬さ変化のない比較切削チップ
1〜9においては、いずれもCoおよび/またはNiの
含有量が本発明切削チップ1〜9のそれぞれに対応して
同じであるにもかかわらず、表面硬化層における逃げ面
およびすくい面にチッピングが発生し、これが原因で比
較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。上述
のように、この発明の切削チップは、これを構成する表
面硬化層の切刃稜線部の有するHv:2200〜260
0の最高表面硬さによって耐摩耗性が確保され、かつ最
高表面硬さがHv:1400〜1800の相対的に硬さ
の低い逃げ面およびすくい面によってすぐれた耐チッピ
ング性を有するようになるので、例えば鋼の高速連続切
削は勿論のこと、特に高速断続切削において切刃にチッ
ピングの発生なく、長期に亘ってすぐれた切削性能を発
揮するのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野中 勝尚 茨城県結城郡石下町大字古間木1511番地 三菱マテリアル株式会社筑波製作所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結合相形成成分としてCoおよび/また
    はNiを17.5〜27重量%含有し、かつ内部が12
    00〜1600のビッカース硬さを有する炭窒化チタン
    系サーメット製スローアウエイ型切削チップの表面部
    に、切刃の逃げ面とすくい面が交わる切刃稜線部におけ
    る最高表面硬さがビッカース硬さで2200〜2600
    を示し、逃げ面およびすくい面における最高表面硬さが
    ビッカース硬さで1400〜1800を示す表面硬化層
    を形成したことを特徴とする、すぐれた耐チッピング性
    を有する炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ型
    切削チップ。
JP34099596A 1996-12-20 1996-12-20 すぐれた耐チッピング性を有する炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ型切削チップ Pending JPH10180505A (ja)

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