JP2754912B2 - 耐欠損性のすぐれた表面被覆セラミックス製切削工具 - Google Patents

耐欠損性のすぐれた表面被覆セラミックス製切削工具

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、硬質被覆層がきわめて微細な結晶粒で構
成され、かつこれの基体に対する密着性も高く、これに
よって苛酷な条件下での切削にもすぐれた耐欠損性を発
揮するようになる表面被覆セラミックス製切削工具に関
するものである。
〔従来の技術〕
従来、例えば特開昭55−48503号公報に記載される通
り、 酸化アルミニウム(以下Al2O3で示す)基セラミック
スからなる基体の表面に、通常の物理蒸着法および化学
蒸着法にて、Tiの炭化物、窒化物、および炭窒化物(以
下、それぞれTiC,TiN,およびTiCNで示す)のうちの1種
の単層または2種以上の複層からなる硬質被覆層を3〜
20μmの平均層厚で形成してなる表面被覆セラミックス
製切削工具が知られている。
また、上記従来表面被覆セラミックス製切削工具にお
ける物理蒸着法にて形成した硬質被覆層が、通常400〜5
00Åの平均結晶粒径をもつことも知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
一方、近年の切削機械の高性能化はめざましく、より
一層の高速切削や、高送りおよび高切込みなどの重切削
が行なわれる傾向にあり、これに伴なって切削工具にも
これに対応した特性向上が要求されるが、上記の従来表
面被覆セラミックス製切削工具は、上記のような苛酷な
条件下での切削では、切刃にチッピングや欠けが発生し
易く、これに十分満足して対応することができないのが
現状である。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、苛酷
な条件下での切削でも、これに十分に対応することがで
きる表面被覆セラミックス製切削工具を開発すべく研究
を行なった結果、基体を、重量%で(以下%は重量%を
示す)、 TiCN:20〜40% Mg,Y,およびZrの酸化物(以下、それぞれMgO,Y2O3,お
よびZrO2で示し、これらを総称して金属酸化物という)
のうちの1種または2種以上:0.1〜10%、 を含有し、残りがAl2O3と不可避不純物からなる組成を
有するAl2O3基セラミックスに特定した上で、この基体
表面に、 例えば特開昭63−26356号公報に記載されるような物
理蒸着装置の1つである電子ビームを利用した活性化反
応性蒸着装置を用い、特に反応を抑制し、もって蒸着速
度を著しく低くした条件、すなわち長時間の反応で所定
厚さに蒸着させる条件、さらに詳述すれば、上記の物理
蒸着装置では、通常約2μm(厚さ)/hrの速度で蒸着
が行なわれているが、これを0.1〜0.6μm(厚さ)/hr
の速度で蒸着を行なう条件で、TiC,TiN,およびTiCNのう
ちの1種の単層または2種以上の複層からなる硬質被覆
層を形成すると、 この結果形成された硬質被覆層は、その結晶粒が微細
となり、この結晶粒は蒸着速度が低くなればなるほど細
かく、かつその粒径が平均結晶粒径で300Å以下になる
と、基体を構成するTiCN成分が上記硬質被覆層の基体表
面に対する密着性を著しく向上させることと相まって、
苛酷な条件下での切削に際しても切刃に欠けやチッピン
グの発生がなくなり、すぐれた耐欠損性を長期に亘って
発揮するようになるという研究結果を得たのである。
この発明は、上記の研究欠格にもとづいてなされたも
のであって、 TiCN:20〜40% 上記金属酸化物のうちの1種または2種以上:0.1〜10
%、 を含有し、残りがAl2O3と不可避不純物からなる組成を
有するセラミックスの基体の表面に、 いずれも150〜300Åの平均結晶粒径を有するTiC,TiN,
およびTiCNのうちの1種の単層または2種以上の複層か
らなる硬質被覆層を0.3〜20μmの平均層厚で物理蒸着
してなる耐欠損性のすぐれた表面被覆セラミックス製切
削工具に特徴を有するものである。
つぎに、この発明の切削工具において、基体を構成す
るAl2O3基セラミックスの組成、並びに硬質被覆層の平
均結晶粒径および平均層厚を上記の通りに限定した理由
を説明する。
A.基体の組成 (a) TiCN この成分には、基体の耐熱衝撃性を向上させると共
に、上記硬質被覆層の基体表面に対する密着性を向上さ
せる作用があるが、その含有量が20%未満では前記の作
用に所望の効果が得られず、一方その含有量が40%を越
えると、相対的にAl2O3の含有量が低くなりすぎ、Al2O3
によってもたらされるすぐれた耐熱耗性が低下するよう
になることから、その含有量を20〜40%と定めた。な
お、TiCNはCとNの割合が、N/(C+N)の原子比で0.
2〜0.7をもつものが望ましい。
(b) 金属酸化物 これらの成分には、基体の焼結性を高めて、強度を向
上させる作用があるが、その含有量が0.1%未満では、
ホットプレス法での焼結は可能であるが、普通焼結法
や、熱間静水圧プレス法(HIP法)を併用する焼結法で
は焼結が不十分となり、所望の高強度を確保することが
できず、一方その含有量が10%を越えると、耐摩耗性が
低下するようになることから、その含有量を0.1〜10%
と定めた。
B.硬質被覆層 (a) 平均結晶粒径 平均結晶粒径が300Åを越えると、耐欠損性が急激に
低下し、特に苛酷な切削条件下では、切刃に欠けやチッ
ピングが発生し易くなるので300Å以下の平均結晶粒径
にする必要があり、したがって結晶粒が細かければ細か
いほど耐欠損性にとっては望ましいものとなるが、平均
結晶粒径が150Å未満になると、その硬質被覆層の形成
速度が急激に低下し、所定厚さに形成するのに長時間を
要するようになり、経済的でないことから、その平均結
晶粒径を150〜300Åと定めた。
(b) 平均層厚 平均層厚が0.3μm未満では、硬質被覆層形成による
所望の耐摩耗性向上効果が得られず、一方平均層厚が20
μmを越えると耐熱衝撃性が低下するようになることか
ら、その平均層厚を0.3〜20μmと定めた。
〔実 施 例〕
つぎに、この発明の表面被覆セラミックス製切削工具
を実施例により具体的に説明する。
原料粉末として、平均粒径:1μmのTiCN粉末、同0.5
μmのAl2O3粉末、同1μmのMgO粉末、同2μmのY2O3
粉末、および同2μmのZrO2粉末を用意し、これら原料
粉末をそれぞれ第1表に示される配合組成に配合し、ア
トライターにて10時間湿式粉砕混合し、乾燥した後、圧
粉体にプレス成形し、この圧粉体を、Ar雰囲気中、温
度:1750℃に2時間保持の条件で普通焼結し、さらにAr
ガス雰囲気中、圧力:1500気圧、湿度:1600℃、保持時
間:1時間の条件でHIP処理を施して、上記配合組成と同
一の組成をもったAl2O3基セラミックスの基体を成形
し、ついで、これらの基体を、上記の特開昭63−26356
号公報の第2図に示される通常の電子ビームを利用した
活性化反応性物理蒸着装置にそれぞれ装入し、この装置
での基体表面への硬質被覆層の蒸着速度を調整すること
により前記硬質被覆層の平均結晶粒径を変化させつつ、
同じく第1表に示される組成、平均結晶粒径、および平
均層厚を有する硬質被覆層を形成することにより、いず
れもSNGN432のチップ形状をもった本発明表面被覆セラ
ミックス製切削工具(以下本発明被覆切削工具という)
1〜10、並びに硬質被覆層の平均結晶粒径が、この発明
のそれより粗い比較表面被覆セラミックス製切削工具
(以下比較被覆切削工具という)1〜10をそれぞれ製造
した。
この結果得られた各種の被覆切削工具について、 A.被削材 :SNCM439製丸棒、 切削速度:350m/min、 送 り:0.3mm/rev.、 切込み :1.5mm、 切削時間:20分 の条件(A切削条件という)での鋼の高速乾式連続切削
試験、 B.被削材 :長さ方向にそって等間隔に設けた4本の縦
溝を有するSNCM439製丸棒、 切削速度:250m/min、 送 り:0.1mm/rev.、 切込み :1.0mm、 切削時間:15分 の条件(B切削条件という)での鋼の高送り乾式断続切
削試験、 を行ない、切刃の逃げ面摩耗幅とすくい面摩耗深さを測
定した。これらの測定結果を第2表に示した。
〔発明の効果〕
第1表および第2表に示される結果から、本発明被覆
切削工具1〜10は、いずれもこれを構成する硬質被覆層
の平均結晶粒径が150〜300Åと微細なので、高速切削や
高送り切削などの苛酷な条件での切削においてもすぐれ
た耐欠損性を示し、切刃にチッピングや欠けなどの発生
なく、すぐれた耐摩耗性を発揮し、長時間の使用寿命を
示すのに対して、硬質被覆層の平均結晶粒径がこの発明
の範囲から外れて大きい比較被覆切削工具1〜10におい
ては、いずれも切削途中でチッピングが発生し、使用寿
命に至ることが明らかである。
上述のように、この発明の表面被覆セラミックス製切
削工具は、これを構成する硬質被覆層がすぐれた耐欠損
性を有し、かつ基体の構成成分であるTiCNが前記硬質被
覆層の基体表面に対する密着性向上に寄与することと相
まって、苛酷な条件下での高速切削や重切削などに用い
た場合にも切刃にピッチングや欠けなどの発生なく、す
ぐれた耐摩耗性を著しく長期に亘って発揮するなど工業
上有用な特性を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 聡夫 東京都品川区西品川1―27―20 三菱金 属株式会社東京製作所内 (56)参考文献 特開 昭63−157873(JP,A) 特公 昭61−48582(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭窒化チタン:20〜40%、 Mg,Y,およびZrの酸化物のうちの1種または2種以上:0.
    1〜10%、 を含有し、残りが酸化アルミニウムと不可避不純物から
    なる組成(以上重量%)を有するセラミックスの基体の
    表面に、 いずれも150〜300Åの平均結晶粒径を有するTiの炭化
    物、窒化物、および炭窒化物のうちの1種の単層または
    2種以上の複層からなる硬質被覆層を0.3〜20μmの平
    均層厚で物理蒸着してなる耐欠損性のすぐれた表面被覆
    セラミックス製切削工具。
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