JP2002187004A - 高速切削ですぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製エンドミル - Google Patents
高速切削ですぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製エンドミルInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高速切削ですぐれた耐摩耗性を発揮する被覆
超硬エンドミルを提供する。 【解決手段】 被覆超硬エンドミルが、質量%で、C
o:5〜15%、Cr3C2:0.1〜2%、VC:0.
1〜2%、必要に応じてTiC、NbC、TaC、(N
b,Ta)C、および(Ti,W)Cのうちの1種又は
2種以上:5〜25%、WC:残り、からなる配合組成
を有する圧粉体の焼結体で構成された超硬基体の表面
に、(a)内側層として、0.1〜3μmの平均層厚を
有し、かつ物理蒸着法で形成された、組成式:(Ti
1-XAlX)N(ただし、原子比で、Xは0.2〜0.6
を示す)を有する(Ti,Al)N層、(b)外側層と
して、0.1〜3μmの平均層厚を有し、かつ中温化学
蒸着法で形成された、κ型Al2O3層、以上(a)およ
び(b)で構成された硬質被覆層を形成してなる。
超硬エンドミルを提供する。 【解決手段】 被覆超硬エンドミルが、質量%で、C
o:5〜15%、Cr3C2:0.1〜2%、VC:0.
1〜2%、必要に応じてTiC、NbC、TaC、(N
b,Ta)C、および(Ti,W)Cのうちの1種又は
2種以上:5〜25%、WC:残り、からなる配合組成
を有する圧粉体の焼結体で構成された超硬基体の表面
に、(a)内側層として、0.1〜3μmの平均層厚を
有し、かつ物理蒸着法で形成された、組成式:(Ti
1-XAlX)N(ただし、原子比で、Xは0.2〜0.6
を示す)を有する(Ti,Al)N層、(b)外側層と
して、0.1〜3μmの平均層厚を有し、かつ中温化学
蒸着法で形成された、κ型Al2O3層、以上(a)およ
び(b)で構成された硬質被覆層を形成してなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、炭化タングステ
ン基超硬合金基体(以下、超硬基体という)がすぐれた
高温強度を有すると共に、硬質被覆層がすぐれた高温強
度と高温硬さを有し、したがって高熱発生を伴なう鋼な
どの高速切削に用いた場合に、すぐれた耐摩耗性を発揮
する表面被覆超硬合金製エンドミル(以下、被覆超硬エ
ンドミルという)に関するものである。
ン基超硬合金基体(以下、超硬基体という)がすぐれた
高温強度を有すると共に、硬質被覆層がすぐれた高温強
度と高温硬さを有し、したがって高熱発生を伴なう鋼な
どの高速切削に用いた場合に、すぐれた耐摩耗性を発揮
する表面被覆超硬合金製エンドミル(以下、被覆超硬エ
ンドミルという)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に、鋼や鋳鉄などの被削材の
面加工や溝加工、さらに肩加工などに、例えば図1
(a)に概略正面図で、同(b)に切刃部の概略横断面
図で示される形状を有する被覆超硬エンドミルが用いら
れており、また前記被覆超硬エンドミルとして、超硬基
体の表面に、TiとAlの複合窒化物[以下、(Ti,
Al)Nで示す]で構成された硬質被覆層を0.5〜1
0μmの平均層厚で形成してなる被覆超硬エンドミルが
知られている。
面加工や溝加工、さらに肩加工などに、例えば図1
(a)に概略正面図で、同(b)に切刃部の概略横断面
図で示される形状を有する被覆超硬エンドミルが用いら
れており、また前記被覆超硬エンドミルとして、超硬基
体の表面に、TiとAlの複合窒化物[以下、(Ti,
Al)Nで示す]で構成された硬質被覆層を0.5〜1
0μmの平均層厚で形成してなる被覆超硬エンドミルが
知られている。
【0003】さらに、上記の被覆超硬エンドミルの硬質
被覆層である(Ti,Al)N層が、例えば図2に概略
説明図で示される物理蒸着装置の1種であるアークイオ
ンプレーティング装置を用い、ヒータで装置内を、例え
ば雰囲気を3Paの真空として、500℃の温度に加熱
した状態で、アノード電極と所定組成を有するTi−A
l合金がセットされたカソード電極(蒸発源)との間
に、例えば電圧:35V、電流:90Aの条件でアーク
放電を発生させ、同時に装置内に反応ガスとして窒素ガ
スを導入し、一方超硬基体には、例えばー200Vのバ
イアス電圧を印加する条件で形成されることも良く知ら
れるところである。
被覆層である(Ti,Al)N層が、例えば図2に概略
説明図で示される物理蒸着装置の1種であるアークイオ
ンプレーティング装置を用い、ヒータで装置内を、例え
ば雰囲気を3Paの真空として、500℃の温度に加熱
した状態で、アノード電極と所定組成を有するTi−A
l合金がセットされたカソード電極(蒸発源)との間
に、例えば電圧:35V、電流:90Aの条件でアーク
放電を発生させ、同時に装置内に反応ガスとして窒素ガ
スを導入し、一方超硬基体には、例えばー200Vのバ
イアス電圧を印加する条件で形成されることも良く知ら
れるところである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削加工
に対する省力化および省エネ化、さらに低コスト化の要
求は強く、これに伴い、切削加工は切削機械の高性能化
とも相俟って高速化の傾向にあるが、従来提案されてい
る各種の被覆超硬エンドミルの場合、これを鋼や鋳鉄な
どの通常の条件での切削加工に用いた場合には問題はな
いが、これを高速切削条件で用いると、切削時に発生す
る高熱によって、特に切刃部の外周刃に、これがきわめ
て薄肉であることと相俟って、偏摩耗の原因となる熱塑
性変形が発生するようになるばかりでなく、前記外周刃
の高温硬さの著しい低下とも重なって、外周刃の摩耗進
行が促進し、この結果比較的短時間で使用寿命に至るの
が現状である。
に対する省力化および省エネ化、さらに低コスト化の要
求は強く、これに伴い、切削加工は切削機械の高性能化
とも相俟って高速化の傾向にあるが、従来提案されてい
る各種の被覆超硬エンドミルの場合、これを鋼や鋳鉄な
どの通常の条件での切削加工に用いた場合には問題はな
いが、これを高速切削条件で用いると、切削時に発生す
る高熱によって、特に切刃部の外周刃に、これがきわめ
て薄肉であることと相俟って、偏摩耗の原因となる熱塑
性変形が発生するようになるばかりでなく、前記外周刃
の高温硬さの著しい低下とも重なって、外周刃の摩耗進
行が促進し、この結果比較的短時間で使用寿命に至るの
が現状である。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、すぐれた高温強度および高温硬
さを具備した被覆超硬エンドミルを開発すべく研究を行
った結果、(a)原料粉末として、炭化タングステン
(以下、WCで示す)粉末、炭化クロム(以下、Cr3
C2で示す)粉末、炭化バナジウム(以下、VCで示
す)粉末、およびCo粉末を用いて、配合組成を、質量
%で(以下、%は質量%を示す)、Co:5〜15%、
Cr3C2:0.1〜2%、VC:0.1〜2%、WC:
残り、としてなる圧粉体の焼結体においては、これを構
成する結合相が、焼結時にCo中にCr3C2およびVC
が固溶し、さらにCr3C2の固溶によって硬質相を形成
するWCの一部の固溶も促進されることから、Co−C
r−V−W系合金で構成されるようになり、このCo−
Cr−V−W系合金はすぐれた高温強度をもつことか
ら、焼結体の高温強度が向上するようになること。
上述のような観点から、すぐれた高温強度および高温硬
さを具備した被覆超硬エンドミルを開発すべく研究を行
った結果、(a)原料粉末として、炭化タングステン
(以下、WCで示す)粉末、炭化クロム(以下、Cr3
C2で示す)粉末、炭化バナジウム(以下、VCで示
す)粉末、およびCo粉末を用いて、配合組成を、質量
%で(以下、%は質量%を示す)、Co:5〜15%、
Cr3C2:0.1〜2%、VC:0.1〜2%、WC:
残り、としてなる圧粉体の焼結体においては、これを構
成する結合相が、焼結時にCo中にCr3C2およびVC
が固溶し、さらにCr3C2の固溶によって硬質相を形成
するWCの一部の固溶も促進されることから、Co−C
r−V−W系合金で構成されるようになり、このCo−
Cr−V−W系合金はすぐれた高温強度をもつことか
ら、焼結体の高温強度が向上するようになること。
【0006】(b)上記(a)の焼結体を基体(超硬基
体)とし、これの表面に硬質被覆層として物理蒸着法を
用いて形成した、組成式:(Ti1-XAlX)N(ただ
し、Xは、原子比で0.2〜0.6)を有する(Ti,
Al)N層はすぐれた高温強度をもつこと。
体)とし、これの表面に硬質被覆層として物理蒸着法を
用いて形成した、組成式:(Ti1-XAlX)N(ただ
し、Xは、原子比で0.2〜0.6)を有する(Ti,
Al)N層はすぐれた高温強度をもつこと。
【0007】(c)上記(b)の(Ti,Al)N層
は、上記の通りすぐれた高温強度をもつものの、高速加
工時の高温下で十分な高温硬さを維持するものではない
が、これを内側層とし、この内側層の上に外側層とし
て、反応ガス雰囲気温度を750〜850℃とした中温
化学蒸着法で結晶構造がκ型の酸化アルミニウム(以
下、Al2O3で示す)層を形成すると、このκ型Al2
O3層は高い高温硬さもつことから、前期内側層の(T
i,Al)N層と前記外側層のκ型Al2O3層との積層
からなる硬質被覆層はすぐれた高温強度と高温硬さを具
備するようになること。
は、上記の通りすぐれた高温強度をもつものの、高速加
工時の高温下で十分な高温硬さを維持するものではない
が、これを内側層とし、この内側層の上に外側層とし
て、反応ガス雰囲気温度を750〜850℃とした中温
化学蒸着法で結晶構造がκ型の酸化アルミニウム(以
下、Al2O3で示す)層を形成すると、このκ型Al2
O3層は高い高温硬さもつことから、前期内側層の(T
i,Al)N層と前記外側層のκ型Al2O3層との積層
からなる硬質被覆層はすぐれた高温強度と高温硬さを具
備するようになること。
【0008】(d)したがって、上記(a)の超硬基体
の表面に上記(b)および(c)の硬質被覆層を蒸着形
成してなる被覆超硬エンドミルは、前記超硬基体によっ
てすぐれた耐熱塑性変形性を具備し、かつ前記(Ti,
Al)N層とκ型Al2O3層の積層からなる硬質被覆層
によってすぐれた高温強度と高温硬さをもつようになる
ことから、これを高熱発生を伴なう高速加工に用いても
外周刃における偏摩耗の発生が著しく抑制され、長期に
亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮すること。
の表面に上記(b)および(c)の硬質被覆層を蒸着形
成してなる被覆超硬エンドミルは、前記超硬基体によっ
てすぐれた耐熱塑性変形性を具備し、かつ前記(Ti,
Al)N層とκ型Al2O3層の積層からなる硬質被覆層
によってすぐれた高温強度と高温硬さをもつようになる
ことから、これを高熱発生を伴なう高速加工に用いても
外周刃における偏摩耗の発生が著しく抑制され、長期に
亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮すること。
【0009】(e)上記(a)で示した原料粉末に加え
て、さらに原料粉末として、炭化チタン(以下、TiC
で示す)粉末、炭化ニオブ(以下、NbCで示す)粉末、
炭化タンタル(以下、TaCで示す)粉末、NbとTaの
複合炭化物[以下、(Nb,Ta)Cで示す]粉末、お
よびTiとWの複合炭化物[以下、(Ti,W)Cで示
す]粉末を用いて、配合組成を、Co:5〜15%、C
r3C2:0.1〜2%、VC:0.1〜2%、TiC、
NbC、TaC、(Nb,Ta)C、および(Ti,
W)Cのうちの1種又は2種以上:5〜25%、WC:
残り、としてなる圧粉体の焼結体は、硬質相として存在
するようになる上記TiC、NbC、TaC、(Nb,
Ta)C、および(Ti,W)Cの作用によって一段と
高い高温硬さをもつようになり、したがって、この焼結
体で超硬基体を構成してなる被覆超硬エンドミルは上記
の硬質被覆層の作用とも相俟って、高速加工できわめて
すぐれた耐摩耗性を発揮するようになること。以上
(a)〜(e)に示される研究結果が得られたのであ
る。
て、さらに原料粉末として、炭化チタン(以下、TiC
で示す)粉末、炭化ニオブ(以下、NbCで示す)粉末、
炭化タンタル(以下、TaCで示す)粉末、NbとTaの
複合炭化物[以下、(Nb,Ta)Cで示す]粉末、お
よびTiとWの複合炭化物[以下、(Ti,W)Cで示
す]粉末を用いて、配合組成を、Co:5〜15%、C
r3C2:0.1〜2%、VC:0.1〜2%、TiC、
NbC、TaC、(Nb,Ta)C、および(Ti,
W)Cのうちの1種又は2種以上:5〜25%、WC:
残り、としてなる圧粉体の焼結体は、硬質相として存在
するようになる上記TiC、NbC、TaC、(Nb,
Ta)C、および(Ti,W)Cの作用によって一段と
高い高温硬さをもつようになり、したがって、この焼結
体で超硬基体を構成してなる被覆超硬エンドミルは上記
の硬質被覆層の作用とも相俟って、高速加工できわめて
すぐれた耐摩耗性を発揮するようになること。以上
(a)〜(e)に示される研究結果が得られたのであ
る。
【0010】この発明は、上記の研究結果に基づいてな
されたものであって、Co:5〜15%、Cr3C2:
0.1〜2%、VC:0.1〜2%、必要に応じてTi
C、NbC、TaC、(Nb,Ta)C、および(T
i,W)Cのうちの1種又は2種以上:5〜25%、W
C:残り、からなる配合組成を有する圧粉体の焼結体で
構成された超硬基体の表面に、(a)内側層として、
0.1〜3μmの平均層厚を有し、かつ物理蒸着法で形
成された、組成式:(Ti1-XAlX)N(ただし、原子
比で、Xは0.2〜0.6を示す)を有する(Ti,A
l)N層と、(b)外側層として、0.1〜3μmの平
均層厚を有し、かつ中温化学蒸着法で形成された、κ型
Al2O3層、以上(a)および(b)で構成された硬質
被覆層を形成してなる、高速切削ですぐれた耐摩耗性を
発揮する被覆超硬エンドミルに特徴を有するものであ
る。
されたものであって、Co:5〜15%、Cr3C2:
0.1〜2%、VC:0.1〜2%、必要に応じてTi
C、NbC、TaC、(Nb,Ta)C、および(T
i,W)Cのうちの1種又は2種以上:5〜25%、W
C:残り、からなる配合組成を有する圧粉体の焼結体で
構成された超硬基体の表面に、(a)内側層として、
0.1〜3μmの平均層厚を有し、かつ物理蒸着法で形
成された、組成式:(Ti1-XAlX)N(ただし、原子
比で、Xは0.2〜0.6を示す)を有する(Ti,A
l)N層と、(b)外側層として、0.1〜3μmの平
均層厚を有し、かつ中温化学蒸着法で形成された、κ型
Al2O3層、以上(a)および(b)で構成された硬質
被覆層を形成してなる、高速切削ですぐれた耐摩耗性を
発揮する被覆超硬エンドミルに特徴を有するものであ
る。
【0011】つぎに、この発明の被覆超硬エンドミルに
おいて、これを構成する超硬基体(焼結体)の配合組
成、硬質被覆層のうちの内側層のX値、さらに硬質被覆
層の平均層厚を上記の通りに限定した理由を説明する。 (1)超硬基体の配合組成 (a)Co Co成分には、焼結性を向上させ、かつ焼結体の常温強
度を向上させる作用があるが、その割合が5%未満で
は、前記作用に所望の向上効果が得られず、一方その割
合が15%を越えると、焼結体の高温強度が急激に低下
し、外周刃に塑性変形が発生し易くなり、この結果摩耗
進行促進の原因となる偏摩耗が発生するようになること
から、その割合を5〜15%と定めた。
おいて、これを構成する超硬基体(焼結体)の配合組
成、硬質被覆層のうちの内側層のX値、さらに硬質被覆
層の平均層厚を上記の通りに限定した理由を説明する。 (1)超硬基体の配合組成 (a)Co Co成分には、焼結性を向上させ、かつ焼結体の常温強
度を向上させる作用があるが、その割合が5%未満で
は、前記作用に所望の向上効果が得られず、一方その割
合が15%を越えると、焼結体の高温強度が急激に低下
し、外周刃に塑性変形が発生し易くなり、この結果摩耗
進行促進の原因となる偏摩耗が発生するようになること
から、その割合を5〜15%と定めた。
【0012】(b)Cr3C2およびVC Cr3C2およびVC成分には、上記の通り焼結時に結合
相を形成するCo中に共に完全に固溶し、この固溶によ
ってWCのCoへの固溶も促進して耐熱性のすぐれたC
o−Cr−V−W系合金からなる結合相を形成し、もっ
て焼結体の高温強度を向上させるほか、前記Cr3C2成
分には硬質相を形成するWCの粒成長を抑制して焼結体
の強度低下を防止する作用があるが、Cr3C2およびV
Cのいずれの成分でも、その割合が0.1%未満になる
と、前記作用に所望の向上効果が得られず、一方その割
合がいずれかでも2%を越えると、結合相の常温強度が
低下するようになることから、その割合をそれぞれCr
3C2:0.1〜2%、VC:0.1〜2%と定めた。
相を形成するCo中に共に完全に固溶し、この固溶によ
ってWCのCoへの固溶も促進して耐熱性のすぐれたC
o−Cr−V−W系合金からなる結合相を形成し、もっ
て焼結体の高温強度を向上させるほか、前記Cr3C2成
分には硬質相を形成するWCの粒成長を抑制して焼結体
の強度低下を防止する作用があるが、Cr3C2およびV
Cのいずれの成分でも、その割合が0.1%未満になる
と、前記作用に所望の向上効果が得られず、一方その割
合がいずれかでも2%を越えると、結合相の常温強度が
低下するようになることから、その割合をそれぞれCr
3C2:0.1〜2%、VC:0.1〜2%と定めた。
【0013】(c)TiC、NbC、TaC、(Nb,
Ta)C、および(Ti,W)C これらの成分には、硬質相を形成して焼結体の高温硬さ
を向上させる作用があるので、必要に応じて配合される
が、その割合が5%未満では、所望の高温硬さ向上効果
が得られず、一方その割合が25%を越えると、焼結体
の高温強度が急激に低下するようになることから、その
割合を5〜25%と定めた。
Ta)C、および(Ti,W)C これらの成分には、硬質相を形成して焼結体の高温硬さ
を向上させる作用があるので、必要に応じて配合される
が、その割合が5%未満では、所望の高温硬さ向上効果
が得られず、一方その割合が25%を越えると、焼結体
の高温強度が急激に低下するようになることから、その
割合を5〜25%と定めた。
【0014】(2)硬質被覆層のうちの内側層のX値 (Ti,Al)N層におけるAlは常温強度の高いTi
Nに対して耐熱性を付与し、もってすぐれた高温強度を
具備するようにするために固溶するものであり、したが
って組成式:(Ti1-XAlX)NのX値が0.2未満で
は所望のすぐれた高温強度を確保することができず、一
方その値が0.6を越えると、具備せしめた高温強度に
低下傾向が現れるようになることから、X値を0.2〜
0.6と定めた。
Nに対して耐熱性を付与し、もってすぐれた高温強度を
具備するようにするために固溶するものであり、したが
って組成式:(Ti1-XAlX)NのX値が0.2未満で
は所望のすぐれた高温強度を確保することができず、一
方その値が0.6を越えると、具備せしめた高温強度に
低下傾向が現れるようになることから、X値を0.2〜
0.6と定めた。
【0015】(3)硬質被覆層の平均層厚 硬質被覆層の上記内側層を構成する(Ti,Al)N層
の平均層厚を、0.1〜3μmとしたのは、その平均層
厚が0.1μm未満では、硬質被覆層に所望の高温強度
を付与することができず、この結果切刃にチッピング
(微小欠け)が発生し易くなり、一方その層厚が3μm
を越えると、切刃における摩耗進行が局部的になり、こ
れが原因で切刃に欠けが発生し易くなるという理由から
である。また、同じく外側層を構成するκ型Al2O3層
の平均層厚を0.1〜3μmとしたのは、その層厚が
0.1μm未満では硬質被覆層に所望の高温硬さを付与
することができないので、切刃の耐摩耗性に所望の向上
効果が得られず、一方その層厚が3μmを越えると、切
刃に欠けやチッピングが発生し易くなるという理由によ
るものである。
の平均層厚を、0.1〜3μmとしたのは、その平均層
厚が0.1μm未満では、硬質被覆層に所望の高温強度
を付与することができず、この結果切刃にチッピング
(微小欠け)が発生し易くなり、一方その層厚が3μm
を越えると、切刃における摩耗進行が局部的になり、こ
れが原因で切刃に欠けが発生し易くなるという理由から
である。また、同じく外側層を構成するκ型Al2O3層
の平均層厚を0.1〜3μmとしたのは、その層厚が
0.1μm未満では硬質被覆層に所望の高温硬さを付与
することができないので、切刃の耐摩耗性に所望の向上
効果が得られず、一方その層厚が3μmを越えると、切
刃に欠けやチッピングが発生し易くなるという理由によ
るものである。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の被覆超硬エン
ドミルを実施例により具体的に説明する。原料粉末とし
て、平均粒径:5.5μmを有する中粗粒WC粉末、同
0.8μmの微粒WC粉末、同2.3μmのCr3C2粉
末、同1.2μmのVC粉末、同1.5μmのTiC粉
末、同1.3μmのTaC粉末、同1.2μmのNbC
粉末、同1.0μmの(Ta,Nb)C[質量比で、T
aC/NbC=50/50]粉末、同1.0μmの(T
i,W)C[質量比で、TiC/WC=70/30]粉
末、おとび同1.8μmのCo粉末を用意し、これら原
料粉末をそれぞれ表1に示される配合組成に配合し、さ
らにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル
混合し、減圧乾燥した後、100MPaの圧力で所定形
状の各種の圧粉体にプレス成形し、これらの圧粉体を、
6Paの真空雰囲気中、7℃/分の昇温速度で1370
〜1470℃の範囲内の所定の温度に昇温し、この温度
に1時間保持後、炉冷の条件で焼結して、直径が8m
m、13mm、および26mmの3種の超硬基体形成用
丸棒焼結体を形成し、さらに前記の3種の丸棒焼結体か
ら、研削加工にて、表1に示される組合せで、切刃部の
直径×長さがそれぞれ6mm×13mm、10mm×2
2mm、および20mm×45mmの寸法をもった超硬
基体a〜lをそれぞれ製造した。
ドミルを実施例により具体的に説明する。原料粉末とし
て、平均粒径:5.5μmを有する中粗粒WC粉末、同
0.8μmの微粒WC粉末、同2.3μmのCr3C2粉
末、同1.2μmのVC粉末、同1.5μmのTiC粉
末、同1.3μmのTaC粉末、同1.2μmのNbC
粉末、同1.0μmの(Ta,Nb)C[質量比で、T
aC/NbC=50/50]粉末、同1.0μmの(T
i,W)C[質量比で、TiC/WC=70/30]粉
末、おとび同1.8μmのCo粉末を用意し、これら原
料粉末をそれぞれ表1に示される配合組成に配合し、さ
らにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル
混合し、減圧乾燥した後、100MPaの圧力で所定形
状の各種の圧粉体にプレス成形し、これらの圧粉体を、
6Paの真空雰囲気中、7℃/分の昇温速度で1370
〜1470℃の範囲内の所定の温度に昇温し、この温度
に1時間保持後、炉冷の条件で焼結して、直径が8m
m、13mm、および26mmの3種の超硬基体形成用
丸棒焼結体を形成し、さらに前記の3種の丸棒焼結体か
ら、研削加工にて、表1に示される組合せで、切刃部の
直径×長さがそれぞれ6mm×13mm、10mm×2
2mm、および20mm×45mmの寸法をもった超硬
基体a〜lをそれぞれ製造した。
【0017】ついで、これらの超硬基体a〜lにホーニ
ングを施し、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態
で、それぞれ図2に例示される通常のアークイオンプレ
ーティング装置に装入し、一方カソード電極(蒸発源)
として種々の成分組成をもったTi−Al合金を装着
し、装置内を排気して0.5Paの真空に保持しなが
ら、ヒーターで装置内を500℃に加熱した後、Arガ
スを装置内に導入して10PaのAr雰囲気とし、この
状態で超硬基体に−800vのバイアス電圧を印加して
超硬基体表面をArガスボンバート洗浄し、ついで装置
内に反応ガスとして窒素ガスを導入して6Paの反応雰
囲気とすると共に、前記超硬基体に印加するバイアス電
圧を−200vに下げて、前記カソード電極とアノード
電極との間にアーク放電を発生させ、もって前記超硬基
体a〜lのそれぞれの表面に、表2に示される目標組成
(X値)および目標層厚の(Ti,Al)N層を硬質被
覆層の内側層として形成し、さらに前記内側層の表面
に、通常の化学蒸着装置を用い、反応ガス組成を、容量
%で、AlCl3:2%、CO2:3%、H2S:0.3
%、HCl:1%、H2:残り、からなる通常の反応ガ
ス組成とし、かつ反応雰囲気圧力も同じく通常の7KP
aとするが、反応雰囲気温度は通常の反応雰囲気温度で
ある1000〜1050℃に比して相対的に低い800
℃とした中温化学蒸着条件で、同じく表2に示される目
標層厚のκ型結晶構造のAl2O3層を硬質被覆層の外側
層として形成することにより、図1(a)に概略正面図
で、同(b)に切刃部の概略横断面図で示される形状を
有する本発明被覆超硬エンドミル1〜12をそれぞれ製
造した。
ングを施し、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態
で、それぞれ図2に例示される通常のアークイオンプレ
ーティング装置に装入し、一方カソード電極(蒸発源)
として種々の成分組成をもったTi−Al合金を装着
し、装置内を排気して0.5Paの真空に保持しなが
ら、ヒーターで装置内を500℃に加熱した後、Arガ
スを装置内に導入して10PaのAr雰囲気とし、この
状態で超硬基体に−800vのバイアス電圧を印加して
超硬基体表面をArガスボンバート洗浄し、ついで装置
内に反応ガスとして窒素ガスを導入して6Paの反応雰
囲気とすると共に、前記超硬基体に印加するバイアス電
圧を−200vに下げて、前記カソード電極とアノード
電極との間にアーク放電を発生させ、もって前記超硬基
体a〜lのそれぞれの表面に、表2に示される目標組成
(X値)および目標層厚の(Ti,Al)N層を硬質被
覆層の内側層として形成し、さらに前記内側層の表面
に、通常の化学蒸着装置を用い、反応ガス組成を、容量
%で、AlCl3:2%、CO2:3%、H2S:0.3
%、HCl:1%、H2:残り、からなる通常の反応ガ
ス組成とし、かつ反応雰囲気圧力も同じく通常の7KP
aとするが、反応雰囲気温度は通常の反応雰囲気温度で
ある1000〜1050℃に比して相対的に低い800
℃とした中温化学蒸着条件で、同じく表2に示される目
標層厚のκ型結晶構造のAl2O3層を硬質被覆層の外側
層として形成することにより、図1(a)に概略正面図
で、同(b)に切刃部の概略横断面図で示される形状を
有する本発明被覆超硬エンドミル1〜12をそれぞれ製
造した。
【0018】また、比較の目的で、表3に示される通り
上記の中温化学蒸着条件でのκ型結晶構造のAl2O3層
の形成を行なわない以外は同一の条件で、硬質被覆層が
内側層の(Ti,Al)N層だけからなる比較被覆超硬
エンドミル1〜12をそれぞれ製造した。
上記の中温化学蒸着条件でのκ型結晶構造のAl2O3層
の形成を行なわない以外は同一の条件で、硬質被覆層が
内側層の(Ti,Al)N層だけからなる比較被覆超硬
エンドミル1〜12をそれぞれ製造した。
【0019】なお、本発明被覆超硬エンドミル1〜12
および比較被覆超硬エンドミル1〜12の硬質被覆層に
ついて、その構成層のそれぞれの厚さ方向中央部の組成
をオージェ分光分析装置を用いて測定すると共に、その
厚さを、走査型電子顕微鏡を用いて断面測定したとこ
ろ、いずれも目標組成および目標層厚と実質的に同じ値
を示した。
および比較被覆超硬エンドミル1〜12の硬質被覆層に
ついて、その構成層のそれぞれの厚さ方向中央部の組成
をオージェ分光分析装置を用いて測定すると共に、その
厚さを、走査型電子顕微鏡を用いて断面測定したとこ
ろ、いずれも目標組成および目標層厚と実質的に同じ値
を示した。
【0020】つぎに、上記本発明被覆超硬エンドミル1
〜12および比較被覆超硬エンドミル1〜12のうち、
本発明被覆超硬エンドミル1〜4および比較被覆超硬エ
ンドミル1〜4については、 被削材:100mm×250の平面寸法、50mmの厚
さを有するJIS・NAK55の板材、 回転速度:7000r.p.m.、 溝深さ(切り込み):3mm、 テーブル送り:500mm/分、 の条件での合金鋼の湿式高速溝切削加工試験(水溶性切
削油使用)、本発明被覆超硬エンドミル5〜8および比
較被覆超硬エンドミル5〜8については、 被削材:100mm×250の平面寸法、50mmの厚
さを有するJIS・SCM440の板材、 回転速度:6000r.p.m.、 溝深さ(切り込み):5mm、 テーブル送り:700mm/分、 の条件での合金鋼の湿式高速溝切削加工試験(水溶性切
削油使用)、本発明被覆超硬エンドミル9〜12および
比較被覆超硬エンドミル9〜12については、 被削材:100mm×250の平面寸法、50mmの厚
さを有するJIS・FC250の板材、 回転速度:5000r.p.m.、 溝深さ(切り込み):10mm、 テーブル送り:3000mm/分、 の条件での鋳鉄の湿式高速溝切削加工試験(水溶性切削
油使用)、をそれぞれ行い、いずれの湿式高速溝切削加
工試験でも切刃部先端面の直径が使用寿命の目安とされ
る0.2mm減少するまでの切削溝長を測定した。この
測定結果を表2、3にそれぞれ示した。
〜12および比較被覆超硬エンドミル1〜12のうち、
本発明被覆超硬エンドミル1〜4および比較被覆超硬エ
ンドミル1〜4については、 被削材:100mm×250の平面寸法、50mmの厚
さを有するJIS・NAK55の板材、 回転速度:7000r.p.m.、 溝深さ(切り込み):3mm、 テーブル送り:500mm/分、 の条件での合金鋼の湿式高速溝切削加工試験(水溶性切
削油使用)、本発明被覆超硬エンドミル5〜8および比
較被覆超硬エンドミル5〜8については、 被削材:100mm×250の平面寸法、50mmの厚
さを有するJIS・SCM440の板材、 回転速度:6000r.p.m.、 溝深さ(切り込み):5mm、 テーブル送り:700mm/分、 の条件での合金鋼の湿式高速溝切削加工試験(水溶性切
削油使用)、本発明被覆超硬エンドミル9〜12および
比較被覆超硬エンドミル9〜12については、 被削材:100mm×250の平面寸法、50mmの厚
さを有するJIS・FC250の板材、 回転速度:5000r.p.m.、 溝深さ(切り込み):10mm、 テーブル送り:3000mm/分、 の条件での鋳鉄の湿式高速溝切削加工試験(水溶性切削
油使用)、をそれぞれ行い、いずれの湿式高速溝切削加
工試験でも切刃部先端面の直径が使用寿命の目安とされ
る0.2mm減少するまでの切削溝長を測定した。この
測定結果を表2、3にそれぞれ示した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【発明の効果】表1〜3に示される結果から、本発明被
覆超硬エンドミル1〜12は、いずれもすぐれた高温強
度および高温硬さを有することから、鋼や鋳鉄の溝切削
加工を高い発熱を伴う高速で行っても、外周刃に偏摩耗
の発生なく、すぐれた耐摩耗性を発揮するのに対して、
硬質被覆層が(Ti,Al)N層だけからなる、すなわ
ち中温化学蒸着条件でのκ型結晶構造のAl2O3層の形
成のない比較被覆超硬エンドミル1〜12においては、
高温硬さ不足が原因で摩耗進行がきわめて速く、比較的
短時間で使用寿命に至ることが明らかである。上述のよ
うに、この発明の被覆超硬エンドミルは、各種の鋼や鋳
鉄などの通常の条件での切削加工は勿論のこと、特に切
削加工を高速で行なった場合にもすぐれた耐摩耗性を発
揮するものであるから、エンドミルによる切削加工の省
力化および省エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対
応できるものである。
覆超硬エンドミル1〜12は、いずれもすぐれた高温強
度および高温硬さを有することから、鋼や鋳鉄の溝切削
加工を高い発熱を伴う高速で行っても、外周刃に偏摩耗
の発生なく、すぐれた耐摩耗性を発揮するのに対して、
硬質被覆層が(Ti,Al)N層だけからなる、すなわ
ち中温化学蒸着条件でのκ型結晶構造のAl2O3層の形
成のない比較被覆超硬エンドミル1〜12においては、
高温硬さ不足が原因で摩耗進行がきわめて速く、比較的
短時間で使用寿命に至ることが明らかである。上述のよ
うに、この発明の被覆超硬エンドミルは、各種の鋼や鋳
鉄などの通常の条件での切削加工は勿論のこと、特に切
削加工を高速で行なった場合にもすぐれた耐摩耗性を発
揮するものであるから、エンドミルによる切削加工の省
力化および省エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対
応できるものである。
【図1】(a)は被覆超硬エンドミルの概略正面図、
(b)は同溝形成部の概略横断面図である。
(b)は同溝形成部の概略横断面図である。
【図2】アークイオンプレーティング装置の概略説明図
である。
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植田 稔晃 埼玉県大宮市北袋町1−297 三菱マテリ アル株式会社総合研究所内 (72)発明者 大鹿 高歳 埼玉県大宮市北袋町1−297 三菱マテリ アル株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 3C046 FF03 FF10 FF13 FF16 FF19 FF22 FF25 4K029 AA02 AA04 BA44 BA58 BB02 BB07 BC10 BD05 EA01
Claims (2)
- 【請求項1】 質量%で、 Co:5〜15%、 炭化クロム:0.1〜2%、 炭化バナジウム:0.1〜2%、 炭化タングステン:残り、 からなる配合組成を有する圧粉体の焼結体で構成された
炭化タングステン基超硬合金基体の表面に、 (a)内側層として、0.1〜3μmの平均層厚を有
し、かつ物理蒸着法で形成された、組成式:(Ti1-X
AlX)N(ただし、原子比で、Xは0.2〜0.6を
示す)を有するTiとAlの複合窒化物層と、 (b)外側層として、0.1〜3μmの平均層厚を有
し、かつ中温化学蒸着法で形成された、κ型結晶構造の
酸化アルミニウム層、以上(a)および(b)で構成さ
れた硬質被覆層を形成してなる、高速切削ですぐれた耐
摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製エンドミル。 - 【請求項2】 質量%で、 Co:5〜15%、 炭化クロム:0.1〜2%、 炭化バナジウム:0.1〜2%、 炭化チタン、炭化ニオブ、炭化タンタル、NbとTaの
複合炭化物、およびTiとWの複合炭化物のうちの1種
又は2種以上:5〜25%、 炭化タングステン:残り、 からなる配合組成を有する圧粉体の焼結体で構成された
炭化タングステン基超硬合金基体の表面に、 (a)内側層として、0.1〜3μmの平均層厚を有
し、かつ物理蒸着法で形成された、組成式:(Ti1-X
AlX)N(ただし、原子比で、Xは0.2〜0.6を
示す)を有するTiとAlの複合窒化物層と、 (b)外側層として、0.1〜3μmの平均層厚を有
し、かつ中温化学蒸着法で形成された、κ型結晶構造の
酸化アルミニウム層、以上(a)および(b)で構成さ
れた硬質被覆層を形成してなる、高速切削ですぐれた耐
摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製エンドミル。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000390039A JP2002187004A (ja) | 2000-12-22 | 2000-12-22 | 高速切削ですぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製エンドミル |
DE10115390A DE10115390A1 (de) | 2000-12-22 | 2001-03-29 | Beschichtetes Schneidwerkzeug |
US09/820,838 US6565957B2 (en) | 2000-12-22 | 2001-03-30 | Coated cutting tool |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000390039A JP2002187004A (ja) | 2000-12-22 | 2000-12-22 | 高速切削ですぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製エンドミル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002187004A true JP2002187004A (ja) | 2002-07-02 |
Family
ID=18856478
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000390039A Pending JP2002187004A (ja) | 2000-12-22 | 2000-12-22 | 高速切削ですぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製エンドミル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002187004A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2487843A (en) * | 2011-02-07 | 2012-08-08 | Kennametal Inc | Cutting tools having coatings comprising aluminium titanium nitride |
US9103036B2 (en) | 2013-03-15 | 2015-08-11 | Kennametal Inc. | Hard coatings comprising cubic phase forming compositions |
US9168664B2 (en) | 2013-08-16 | 2015-10-27 | Kennametal Inc. | Low stress hard coatings and applications thereof |
US9896767B2 (en) | 2013-08-16 | 2018-02-20 | Kennametal Inc | Low stress hard coatings and applications thereof |
CN116000301A (zh) * | 2022-12-13 | 2023-04-25 | 南京理工大学 | 一种碳化钨-氮化硅陶瓷复合立铣刀及其制备方法 |
-
2000
- 2000-12-22 JP JP2000390039A patent/JP2002187004A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2487843A (en) * | 2011-02-07 | 2012-08-08 | Kennametal Inc | Cutting tools having coatings comprising aluminium titanium nitride |
US8409702B2 (en) | 2011-02-07 | 2013-04-02 | Kennametal Inc. | Cubic aluminum titanium nitride coating and method of making same |
US9103036B2 (en) | 2013-03-15 | 2015-08-11 | Kennametal Inc. | Hard coatings comprising cubic phase forming compositions |
US9168664B2 (en) | 2013-08-16 | 2015-10-27 | Kennametal Inc. | Low stress hard coatings and applications thereof |
US9896767B2 (en) | 2013-08-16 | 2018-02-20 | Kennametal Inc | Low stress hard coatings and applications thereof |
US10184187B2 (en) | 2013-08-16 | 2019-01-22 | Kennametal Inc. | Low stress hard coatings and applications thereof |
CN116000301A (zh) * | 2022-12-13 | 2023-04-25 | 南京理工大学 | 一种碳化钨-氮化硅陶瓷复合立铣刀及其制备方法 |
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