JP3619994B2 - 高速切削ですぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製エンドミル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、高熱発生を伴なう鋼などの高速切削に用いた場合に、すぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製エンドミル(以下、被覆超硬エンドミルという)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般に、鋼や鋳鉄などの被削材の面加工や溝加工、さらに肩加工などに、例えば図1(a)に概略正面図で、同(b)に切刃部の概略横断面図で例示される形状を有する被覆超硬エンドミルが用いられており、また前記被覆超硬エンドミルとして、超硬基体の表面に、TiとAlの複合窒化物[以下、(Ti,Al)Nで示す]層およびTiとAlの複合炭窒化物[以下、(Ti,Al)CNで示す]層のうちのいずれか、または両方で構成された硬質被覆層を0.8〜10μmの平均層厚で形成してなる被覆超硬エンドミルが知られている。
【0003】
さらに、上記の被覆超硬エンドミルの硬質被覆層である(Ti,Al)N層および(Ti,Al)CN層が、例えば図2に概略説明図で示される物理蒸着装置の1種であるアークイオンプレーティング装置を用い、ヒータで装置内を、例えば雰囲気を3Paの真空として、500℃の温度に加熱した状態で、アノード電極と所定組成を有するTi−Al合金がセットされたカソード電極(蒸発源)との間に、例えば電圧:35V、電流:90Aの条件でアーク放電を発生させ、同時に装置内に反応ガスとして窒素ガス、または窒素ガスとメタンガスを導入し、一方超硬基体には、例えばー200Vのバイアス電圧を印加する条件で形成されることも良く知られるところである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、近年の切削加工に対する省力化および省エネ化、さらに低コスト化の要求は強く、これに伴い、切削加工は切削機械の高性能化とも相俟って高速化の傾向にあるが、上記の従来被覆超硬エンドミルの場合、これを鋼や鋳鉄などの通常の条件での切削加工に用いた場合には問題はないが、これを高速切削条件で用いると、切削時に発生する高熱によって、特に切刃部の外周刃および底刃に、これがきわめて薄肉であることと相俟って、偏摩耗の原因となる熱塑性変形が発生するようになるばかりでなく、前記外周刃および底刃の高温硬さの著しい低下とも重なって、外周刃および底刃の摩耗進行が促進し、この結果比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、上記の従来被覆超硬エンドミルに着目し、これの耐熱塑性変形性の向上を図るべく研究を行った結果、
(a)例えば原料粉末として、Ti粉末およびAl粉末、さらに酸化アルミニウム(以下、Al2O3で示す)粉末を用い、これら原料粉末を所定の配合割合に配合し、混合した後、圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を、通常の条件、例えば真空雰囲気中、500〜600℃の範囲内の所定の温度に所定時間保持の条件で焼結して、所定の組成をもった焼結体を形成し、例えばアークイオンプレーティング装置にて、前記焼結体をカソード電極(蒸発源)として用い、反応ガスとして窒素ガス、または窒素ガスとメタンガスを導入して、上記超硬基体表面に硬質被覆層を形成すると、形成された硬質被覆層は、(Ti,Al)Nまたは(Ti,Al)CNからなる素地にAl2O3相が分散分布した組織をもつものとなること。
【0006】
(b)上記(a)の硬質被覆層の素地を、組成式:[Ti1−XAlX]Nおよび同[Ti1−XAlX]C1−mNmで表わした場合、厚さ方向中央部のオージェ分光分析装置による測定で、原子比で、X:0.30〜0.70、m:0.6〜0.99を満足する(Ti,Al)Nおよび(Ti,Al)CNに特定し、かつこの素地に分散分布するAl2O3相の割合を走査型電子顕微鏡による組織観察で5〜40面積%とすると、この結果の混合相組織層は、前記素地の作用によるすぐれた靭性と共に、前記Al2O3相の作用による高硬度とすぐれた耐熱性を具備するようになること。
【0007】
(c)上記の(Ti,Al)N層および(Ti,Al)CN層からなる単一相組織層のうちのいずれか、または両方と、上記(b)の混合相組織層のうちのいずれか、または両方との交互積層とすると共に、これらの個々の層厚を平均層厚で0.01〜0.1μmのきわめて薄い薄層とした状態で、0.8〜10μmの全体平均層厚の硬質被覆層を構成すると、この硬質被覆層は前記両薄層による薄膜化交互積層構造によってそれぞれの薄層のもつ特性、すなわち上記単一相組織層(以下、第1薄層という)によるすぐれた靭性(耐欠損性)、上記混合相組織層(以下、第2薄層という)による高硬度とすぐれた耐熱性(耐熱塑性変形性)を具備するようになることから、この結果の被覆超硬エンドミルは、これを特に鋼や鋳鉄などの高熱発生を伴なう高速切削加工に用いても、切刃部の外周刃や底刃に欠けやチッピングの発生がなく、かつ偏摩耗の原因となる熱塑性変形の発生も著しく抑制されるようになることから、すぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮するようになること。
以上(a)〜(c)に示される研究結果を得たのである。
【0008】
この発明は、上記の研究結果に基づいてなされたものであって、
超硬基体の表面に、0.8〜10μmの全体平均層厚で物理蒸着した硬質被覆層が、個々の平均層厚が0.01〜0.1μmの第1薄層と第2薄層の交互積層からなり、
上記第1薄層を、アークイオンプレーティング装置にて、Ti−Al合金をカソード電極(蒸発源)として用い、窒素ガス、または窒素ガスとメタンガスからなる反応雰囲気中で形成され、かつ、組成式:[Ti1−XAlX]Nおよび同[Ti1−XAlX]C1−mNmで表わした場合、厚さ方向中央部のオージェ分光分析装置による測定で、原子比で、X:0.30〜0.70、m:0.6〜0.99を満足する(Ti,Al)N層および(Ti,Al)CN層からなる単一相組織層のうちのいずれか、または両方で構成し、
上記第2薄層を、アークイオンプレーティング装置にて、TiとAlとAl2O3 の焼結体をカソード電極(蒸発源)として用い、窒素ガス、または窒素ガスとメタンガスからなる反応雰囲気中で形成され、かつ、組成式:[Ti1−XAlX]Nおよび同[Ti1−XAlX]C1−mNmで表わした場合、厚さ方向中央部のオージェ分光分析装置による測定で、原子比で、X:0.30〜0.70、m:0.6〜0.99を満足する(Ti,Al)N層および(Ti,Al)CN層からなる素地に、Al2O3相が、走査型電子顕微鏡による組織観察で5〜40面積%の割合で分散分布した組織を有する混合相組織層のうちのいずれか、または両方で構成してなる、高速切削ですぐれた耐摩耗性を発揮する被覆超硬エンドミルに特徴を有するものである。
【0009】
なお、この発明の被覆超硬エンドミルにおいて、硬質被覆層の交互積層を構成する第1薄層および第2薄層の個々の平均層厚をそれぞれ0.01〜0.1μmとしたのは、いずれの薄層においても、その平均層厚が0.01μm未満になると、それぞれの薄層のもつ特性、すなわち第1薄層によるすぐれた靭性、第2薄層による高硬度とすぐれた耐熱性を硬質被覆層に十分に具備せしめることができず、一方その平均層厚がそれぞれ0.1μmを越えると、それぞれの薄層のもつ問題点、すなわち第1薄層による熱塑性変形および第2薄層による耐欠損性低下が硬質被覆層に現われるようになるという理由によるものである。
【0010】
また、この発明の被覆超硬エンドミルにおいて、硬質被覆層の第1薄層の単一相組織層および第2薄層の混合相組織層の素地を構成する(Ti,Al)N層および(Ti,Al)CN層におけるAlはTiNおよびTiCNに対して硬さを高め、もって耐摩耗性を向上させるために固溶するものであり、したがって組成式:(Ti1−XAlX)Nおよび同(Ti1−XAlX)C1−mNm、のX値が原子比(以下同じ)で、0.3未満では所望の耐摩耗性を確保することができず、一方その値が0.7を越えると、切刃部の外周刃や底刃に欠けやチッピングが発生し易くなると云う理由によりX値を0.3〜0.7と定めた。望ましくはX値を0.35〜0.65とするのがよい。
【0011】
上記の(Ti,Al)CN層におけるC成分には、硬さを向上させる作用があるので、(Ti,Al)CN層は上記(Ti,Al)N層に比して相対的に高い硬さをもつが、この場合上記の組成式におけるC成分の割合が0.01未満、すなわちm値が0.99を越えると所定の硬さ向上効果が得られず、一方C成分の割合が0.4を越える、すなわちm値が0.6未満になると靭性が急激に低下するようになることから、m値を0.6〜0.99と定めた。望ましくはm値を0.8〜0.9とするのがよい。
【0012】
さらに、上記の硬質被覆層の第2薄層の混合相組織層の素地に分散分布するAl2O3相には、上記の通り高硬度とすぐれた耐熱性を付与し、もって高い発熱を伴なう、高速切削でも切刃部の外周刃や底刃に偏摩耗の原因となる熱塑性変形が発生するのを著しく抑制する作用があるが、第2薄層の混合相組織層におけるAl2O3相の割合が、走査型電子顕微鏡による組織観察で5面積%未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方同割合が40面積%を超えると素地によってもたらされる靭性が急激に低下するよになることから、Al2O3相の割合を5〜40面積%、望ましくは10〜30面積%と定めた。
【0013】
また、硬質被覆層の全体平均層厚を0.8〜10μmとしたのは、その層厚が0.8μmでは所望のすぐれた耐摩耗性を確保することができず、一方その層厚が10μmを越えると、切刃部の外周刃や底刃に欠けやチッピングが発生し易くなるという理由によるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の被覆超硬エンドミルを実施例により具体的に説明する。
原料粉末として、表1に示される通りのWC粉末、TiC粉末、ZrC粉末、VC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr 3 C 2 粉末、TiN粉末、TaN粉末、およびCo粉末を用意し、これら原料粉末をそれぞれ表1に示される配合組成に配合し、さらにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、100MPaの圧力で所定形状の各種の圧粉体にプレス成形し、これらの圧粉体を、6Paの真空雰囲気中、7℃/分の昇温速度で1370〜1470℃の範囲内の所定の温度に昇温し、この温度に1時間保持後、炉冷の条件で焼結して、直径が8mm、13mm、および26mmの3種の超硬基体形成用丸棒焼結体を形成し、さらに前記の3種の丸棒焼結体から、研削加工にて、表1に示される組合せで、かつ同じく表1に示される寸法(切刃部の直径×長さ)および形状をもった超硬基体A−1〜A−10をそれぞれ製造した。
【0015】
また、原料粉末として、Ti粉末およびAl粉末、さらにAl2O3粉末を用い、これら原料粉末を所定の配合組成に配合し、ボールミルで72時間湿式混合し、乾燥した後、100MPa の圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を6Paの真空中、500〜600℃の範囲内の所定の温度に1時間保持の条件で焼結して、Ti、Al、およびAl2O3の含有割合を所定の含有割合とした種々の第2薄層形成用焼結体を製造した。
さらに、別途第1薄層形成用としてTiとAlの含有割合が異なる各種のTi−Al合金も用意した。
【0016】
ついで、これらの超硬基体A−1〜A−10のそれぞれを、アセトン中で超音波洗浄し、乾燥した状態で、同じく図2に例示される通常のアークイオンプレーティング装置内の回転テーブル上に装着し、一方カソード電極(蒸発源)として、種々の成分組成をもった第1薄層形成用Ti−Al合金と第2薄層形成用焼結体を装置内の所定位置に装着し、またボンバート洗浄用金属Tiも装着し、まず装置内を排気して0.5Paの真空に保持しながら、ヒーターで装置内を700℃に加熱した後、前記回転テーブル上で回転する超硬基体に−1000Vのバイアス電圧を印加して、カソード電極の前記金属Tiとアノード電極との間にアーク放電を発生させ、もって超硬基体表面をTiボンバート洗浄し、ついで装置内に反応ガスとして窒素ガス、または窒素ガスとメタンガスを導入して4Paの反応雰囲気とすると共に、前記超硬基体に印加するバイアス電圧を、第1薄層形成時には−100V、第2薄層形成時には−300vとする条件で行い、かつ前記第1薄層形成と第2薄層形成の間には反応ガス排出のための真空引きを10秒間行う条件で、前記カソード電極(第1薄層形成用Ti−Al合金または第2薄層形成用焼結体)とアノード電極との間にアーク放電を発生させ、もって前記超硬基体の表面に、表2、3に示される目標組成および目標層厚の第1薄層と第2薄層とを表4に示される組み合わせで、同じく表4に示される交互積層数からなる硬質被覆層を蒸着することにより、本発明被覆超硬エンドミル1〜16をそれぞれ製造した。
【0017】
また、比較の目的で、同じく上記のアークイオンプレーティング装置にて、カソード電極(蒸発源)として、種々の成分組成をもったTi−Al合金を装着する以外は同一の条件で、上記超硬基体の表面に表5に示される通りの目標組成および目標層厚の(Ti,Al)N層または(Ti,Al)CN層で構成された硬質被覆層を蒸着することにより、従来被覆超硬エンドミル1〜13をそれぞれ製造した。
【0018】
さらに、この結果得られた各種の被覆超硬エンドミルについて、これを構成する各種硬質被覆層の組成および層厚を、エネルギー分散型X線測定装置およびオージェ分光分析装置、さらに走査型電子顕微鏡を用いて測定したところ、表2〜5の目標組成および目標層厚と実質的に同じ組成および平均層厚(任意5ヶ所測定の平均値との比較)を示した。
【0019】
つぎに、上記本発明被覆超硬エンドミル1〜16よび従来被覆超硬エンドミル1〜13のうち、本発明被覆超硬エンドミル1〜6および従来被覆超硬エンドミル1〜5については、
被削材:100mm×250の平面寸法、50mmの厚さを有するJIS・SNCM439の板材、
回転速度:1800r.p.m.、
溝深さ(切り込み):4mm、
テーブル送り:650mm/分、
の条件での合金鋼の湿式高速溝切削加工試験(水溶性切削油使用)、本発明被覆超硬エンドミル7〜11および従来被覆超硬エンドミル6〜9については、
被削材:100mm×250の平面寸法、50mmの厚さを有するJIS・S50Cの板材、
回転速度:3800r.p.m.、
溝深さ(切り込み):4.5mm、
テーブル送り:400mm/分、
の条件での炭素鋼の湿式高速溝切削加工試験(水溶性切削油使用)、本発明被覆超硬エンドミル12〜16および従来被覆超硬エンドミル10〜13については、
被削材:100mm×250の平面寸法、50mmの厚さを有するJIS・FC250の板材、
回転速度:6000r.p.m.、
溝深さ(切り込み):3mm、
テーブル送り:420mm/分、
の条件での鋳鉄の湿式高速溝切削加工試験(水溶性切削油使用)、
をそれぞれ行い、いずれの湿式高速溝切削加工試験でも外周刃の逃げ面摩耗量が使用寿命の目安とされる0.1mmに至るまでの切削長を測定した。この測定結果を表4、5にそれぞれ示した。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
【表5】
【0025】
【発明の効果】
表4、5に示される結果から、硬質被覆層が第1薄層と第2薄層の交互多重積層からなる本発明被覆超硬エンドミル1〜16は、いずれも鋼の切削加工を高い発熱を伴う高速で行っても、高硬度とすぐれた耐熱性を有する前記第2薄層による作用で耐熱塑性変形性が著しく向上し、切刃部の外周面や底刃に偏摩耗の原因となる熱塑性変形の発生がなく、すぐれた靭性(耐欠損性)を有する前記第1薄層の作用とも相俟って、欠けやチッピングなどの発生なく、すぐれた耐摩耗性を発揮するのに対して、硬質被覆層の組成が実質的に前記第1薄層と同じ従来被覆超硬エンドミル1〜13においては、いずれも高速切削時に発生する高熱によって偏摩耗の原因となる熱塑性変形を起し、このため摩耗進行が著しく促進し、比較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。
上述のように、この発明の被覆超硬エンドミルは、各種の鋼や鋳鉄などの通常の条件での面加工や溝加工、さらに肩加工などの切削加工は勿論のこと、特にこれらの高速切削加工においてもすぐれた耐摩耗性を発揮するものであるから、エンドミルによる切削加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対応できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は被覆超硬エンドミルを例示する概略正面図、(b)は同切刃部の概略横断面図である。
【図2】アークイオンプレーティング装置の概略説明図である。
Claims (1)
- 炭化タングステン基超硬合金基体の表面に、0.8〜10μmの全体平均層厚で物理蒸着した硬質被覆層が、個々の平均層厚が0.01〜0.1μmの第1薄層と第2薄層の交互積層からなり、
上記第1薄層を、アークイオンプレーティング装置にて、Ti−Al合金をカソード電極(蒸発源)として用い、窒素ガス、または窒素ガスとメタンガスからなる反応雰囲気中で形成され、かつ、組成式:[Ti1−XAlX]Nおよび同[Ti1−XAlX]C1−mNmで表わした場合、厚さ方向中央部のオージェ分光分析装置による測定で、原子比で、X:0.30〜0.70、m:0.6〜0.99を満足するTiとAlの複合窒化物およびTiとAlの複合炭窒化物からなる単一相組織層のうちのいずれか、または両方で構成し、
上記第2薄層を、アークイオンプレーティング装置にて、TiとAlと酸化アルミニウムの焼結体をカソード電極(蒸発源)として用い、窒素ガス、または窒素ガスとメタンガスからなる反応雰囲気中で形成され、かつ、組成式:[Ti1−XAlX]Nおよび同[Ti1−XAlX]C1−mNmで表わした場合、厚さ方向中央部のオージェ分光分析装置による測定で、原子比で、X:0.30〜0.70、m:0.6〜0.99を満足するTiとAlの複合窒化物およびTiとAlの複合炭窒化物からなる素地に、酸化アルミニウム相が、走査型電子顕微鏡による組織観察で5〜40面積%の割合で分散分布した組織を有する混合相組織層のうちのいずれか、または両方で構成したこと、
を特徴とする高速切削ですぐれた耐摩耗性を発揮する表面被覆超硬合金製エンドミル。
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