JPH10180504A - すぐれた耐摩耗性を有する炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ型切削チップ - Google Patents
すぐれた耐摩耗性を有する炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ型切削チップInfo
- Publication number
- JPH10180504A JPH10180504A JP34099496A JP34099496A JPH10180504A JP H10180504 A JPH10180504 A JP H10180504A JP 34099496 A JP34099496 A JP 34099496A JP 34099496 A JP34099496 A JP 34099496A JP H10180504 A JPH10180504 A JP H10180504A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hardness
- cutting
- flank
- cutting tip
- rake face
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 すぐれた耐摩耗性を有する炭窒化チタン系サ
ーメット製スローアウエイ型切削チップを提供する。 【解決手段】 結合相形成成分としてCoおよび/また
はNiを0.5〜6.5重量%含有し、かつ内部がH
v:1600〜2000の硬さを有する炭窒化チタン系
サーメット製スローアウエイ型切削チップの表面部に、
切刃稜線部における最高表面硬さがHv:3000〜3
400を示し、逃げ面およびすくい面における最高表面
硬さがHv:2200〜2600を示す表面硬化層を形
成する。
ーメット製スローアウエイ型切削チップを提供する。 【解決手段】 結合相形成成分としてCoおよび/また
はNiを0.5〜6.5重量%含有し、かつ内部がH
v:1600〜2000の硬さを有する炭窒化チタン系
サーメット製スローアウエイ型切削チップの表面部に、
切刃稜線部における最高表面硬さがHv:3000〜3
400を示し、逃げ面およびすくい面における最高表面
硬さがHv:2200〜2600を示す表面硬化層を形
成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、切刃の逃げ面と
すくい面が交わる切刃稜線部(以下、単に切刃稜線部と
云う)の硬さが、前記逃げ面およびすくい面における硬
さに比して相対的に高い硬さ分布の表面硬化層を形成す
ることによって、すぐれた耐摩耗性を具備せしめ、もっ
て長期に亘ってすぐれた切削性能を発揮するようにした
炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ型切削チッ
プ(以下、単に切削チップと云う)に関するものであ
る。
すくい面が交わる切刃稜線部(以下、単に切刃稜線部と
云う)の硬さが、前記逃げ面およびすくい面における硬
さに比して相対的に高い硬さ分布の表面硬化層を形成す
ることによって、すぐれた耐摩耗性を具備せしめ、もっ
て長期に亘ってすぐれた切削性能を発揮するようにした
炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ型切削チッ
プ(以下、単に切削チップと云う)に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に例えば特開平3−3250
2号公報などに記載されるように、結合相形成成分とし
てCoおよび/またはNiを3〜20重量%含有し、か
つ内部が1400〜1800のビッカース硬さを有し、
切刃の逃げ面、切刃稜線部、およびすくい面にかけての
表面部に、最高表面硬さがビッカース硬さで2400〜
2800の均一な硬さ分布をもった表面硬化層を形成し
てなる切削チップが知られており、これが例えば鋼など
の切削に用いられている。さらに、上記切削チップが、
以下の条件、すなわち、 (a)焼結温度への昇温速度:1〜3℃/sec、 (b)室温から1200〜1350℃への昇温雰囲気:
0.1torr以下の真空、 (c)1200〜1350℃から焼結温度である148
0〜1560℃への昇温雰囲気:5〜30torrの窒
素雰囲気、 (d)上記焼結温度での保持時間および雰囲気:60〜
90分および5〜30torrの窒素雰囲気、 (e)冷却:0.1torr以下の真空雰囲気で炉冷、 以上(a)〜(e)の条件を満足する条件で、所定の配
合組成を有する圧粉体を焼結することによって製造され
ることも知られている。
2号公報などに記載されるように、結合相形成成分とし
てCoおよび/またはNiを3〜20重量%含有し、か
つ内部が1400〜1800のビッカース硬さを有し、
切刃の逃げ面、切刃稜線部、およびすくい面にかけての
表面部に、最高表面硬さがビッカース硬さで2400〜
2800の均一な硬さ分布をもった表面硬化層を形成し
てなる切削チップが知られており、これが例えば鋼など
の切削に用いられている。さらに、上記切削チップが、
以下の条件、すなわち、 (a)焼結温度への昇温速度:1〜3℃/sec、 (b)室温から1200〜1350℃への昇温雰囲気:
0.1torr以下の真空、 (c)1200〜1350℃から焼結温度である148
0〜1560℃への昇温雰囲気:5〜30torrの窒
素雰囲気、 (d)上記焼結温度での保持時間および雰囲気:60〜
90分および5〜30torrの窒素雰囲気、 (e)冷却:0.1torr以下の真空雰囲気で炉冷、 以上(a)〜(e)の条件を満足する条件で、所定の配
合組成を有する圧粉体を焼結することによって製造され
ることも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削加工
のFA化および高速化はめざましく、かつ省力化および
省エネ化に対する要求も強く、これに伴い切削チップに
はより一段の耐摩耗性の向上が求められているが、上記
の表面硬化層の硬さ分布に変化のない従来切削チップに
おいては、これを例えば鋼の高速切削に用いた場合、切
刃の摩耗進行が速く、比較的短時間で使用寿命に至るの
が現状である。
のFA化および高速化はめざましく、かつ省力化および
省エネ化に対する要求も強く、これに伴い切削チップに
はより一段の耐摩耗性の向上が求められているが、上記
の表面硬化層の硬さ分布に変化のない従来切削チップに
おいては、これを例えば鋼の高速切削に用いた場合、切
刃の摩耗進行が速く、比較的短時間で使用寿命に至るの
が現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、表面部に表面硬化層を有する切
削チップの一段の耐摩耗性向上をはかるべく研究を行っ
た結果、結合相形成成分であるCoおよび/またはNi
の含有量を0.5〜6.5重量%と特定した上で、上記
の従来切削チップの焼結条件である(a)〜(e)の条
件のうちの(e)条件の冷却雰囲気を1〜5torrの
窒素雰囲気とした条件で焼結を行なうと、焼結後の切削
チップの表面部には、切刃稜線部が相対的に高い硬さの
ビッカース硬さ(Hv)で3000〜3400の最高表
面硬さを示し、一方逃げ面およびすくい面はこれより相
対的に低いHv:2200〜2600の最高表面硬さを
示す表面硬化層が形成されるようになり、このような表
面硬化層の形成された切削チップは、これを高速切削に
用いても相対的に高い硬さを有する切刃稜線部によって
すぐれた耐摩耗性が確保され、かつ相対的に硬さの低い
逃げ面およびすくい面によってチッピングの発生も抑制
され、すぐれた切削性能を長期に亘って発揮するという
研究結果を得たのである。
上述のような観点から、表面部に表面硬化層を有する切
削チップの一段の耐摩耗性向上をはかるべく研究を行っ
た結果、結合相形成成分であるCoおよび/またはNi
の含有量を0.5〜6.5重量%と特定した上で、上記
の従来切削チップの焼結条件である(a)〜(e)の条
件のうちの(e)条件の冷却雰囲気を1〜5torrの
窒素雰囲気とした条件で焼結を行なうと、焼結後の切削
チップの表面部には、切刃稜線部が相対的に高い硬さの
ビッカース硬さ(Hv)で3000〜3400の最高表
面硬さを示し、一方逃げ面およびすくい面はこれより相
対的に低いHv:2200〜2600の最高表面硬さを
示す表面硬化層が形成されるようになり、このような表
面硬化層の形成された切削チップは、これを高速切削に
用いても相対的に高い硬さを有する切刃稜線部によって
すぐれた耐摩耗性が確保され、かつ相対的に硬さの低い
逃げ面およびすくい面によってチッピングの発生も抑制
され、すぐれた切削性能を長期に亘って発揮するという
研究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果に基づいてな
されたものであって、結合相形成成分としてCoおよび
/またはNiを0.5〜6.5重量%含有し、かつ内部
がHv:1600〜2000の硬さを有する切削チップ
の表面部に、切刃稜線部における最高表面硬さがHv:
3000〜3400を示し、逃げ面およびすくい面にお
ける最高表面硬さがHv:2200〜2600を示す表
面硬化層を形成してなる、すぐれた耐摩耗性を有する切
削チップに特徴を有するものである。
されたものであって、結合相形成成分としてCoおよび
/またはNiを0.5〜6.5重量%含有し、かつ内部
がHv:1600〜2000の硬さを有する切削チップ
の表面部に、切刃稜線部における最高表面硬さがHv:
3000〜3400を示し、逃げ面およびすくい面にお
ける最高表面硬さがHv:2200〜2600を示す表
面硬化層を形成してなる、すぐれた耐摩耗性を有する切
削チップに特徴を有するものである。
【0006】なお、この発明の切削チップの表面硬化層
における硬さ分布は、結合相形成成分であるCoおよび
/またはNiの含有量を0.5〜6.5重量%に特定し
た上で、上記の通り従来切削チップの焼結条件である
(a)〜(e)の条件のうちの(e)条件の冷却雰囲気
を1〜5torrの窒素雰囲気とした条件で焼結を行な
うことにより調整される、すなわち、Coおよび/また
はNiの含有量を前記範囲内で低くし、かつ前記(e)
条件における窒素雰囲気の圧力を前記範囲内で高くする
ほど切刃稜線部と逃げ面およびすくい面の硬さは高くな
り、反対にCoおよび/またはNiの含有量を前記範囲
内で高くし、かつ窒素雰囲気の圧力を低くするほど前記
硬さは低くなるものであり、したがって前記結合相形成
成分の含有量が6.5重量%を越え、かつ前記窒素雰囲
気が1torr未満になると、切刃稜線部の最高表面硬
さがHv:3400未満、逃げ面およびすくい面の最高
表面硬さがHv:2600未満となってしまい、所望の
すぐれた耐摩耗性を確保することができなくなり、一方
前記結合相形成成分の含有量が0.5重量%未満にして
前記窒素雰囲気が5torrを越えると、切刃稜線部の
最高表面硬さがHv:3400を越え、かつ逃げ面およ
びすくい面の最高表面硬さがHv:2600を越えるよ
うになって、切刃にチッピングが発生し易くなるという
理由により表面硬化層の硬さ分布を上記の通りに定めた
のである。また、Coおよび/またはNiを0.5〜
6.5重量%としたのは、その含有量が0.5重量%未
満では、焼結性が低下し、切削チップに所望の強度を確
保するのが困難になるばかりでなく、切削チップの内部
硬さがHv:2000を越えて高くなりすぎ、所望の靭
性を確保することができなくなり、一方その含有量が
6.5重量%を越えると、内部硬さがHv:1600未
満となってしまい、耐摩耗性の低下が避けられなくなる
という理由によるものである。
における硬さ分布は、結合相形成成分であるCoおよび
/またはNiの含有量を0.5〜6.5重量%に特定し
た上で、上記の通り従来切削チップの焼結条件である
(a)〜(e)の条件のうちの(e)条件の冷却雰囲気
を1〜5torrの窒素雰囲気とした条件で焼結を行な
うことにより調整される、すなわち、Coおよび/また
はNiの含有量を前記範囲内で低くし、かつ前記(e)
条件における窒素雰囲気の圧力を前記範囲内で高くする
ほど切刃稜線部と逃げ面およびすくい面の硬さは高くな
り、反対にCoおよび/またはNiの含有量を前記範囲
内で高くし、かつ窒素雰囲気の圧力を低くするほど前記
硬さは低くなるものであり、したがって前記結合相形成
成分の含有量が6.5重量%を越え、かつ前記窒素雰囲
気が1torr未満になると、切刃稜線部の最高表面硬
さがHv:3400未満、逃げ面およびすくい面の最高
表面硬さがHv:2600未満となってしまい、所望の
すぐれた耐摩耗性を確保することができなくなり、一方
前記結合相形成成分の含有量が0.5重量%未満にして
前記窒素雰囲気が5torrを越えると、切刃稜線部の
最高表面硬さがHv:3400を越え、かつ逃げ面およ
びすくい面の最高表面硬さがHv:2600を越えるよ
うになって、切刃にチッピングが発生し易くなるという
理由により表面硬化層の硬さ分布を上記の通りに定めた
のである。また、Coおよび/またはNiを0.5〜
6.5重量%としたのは、その含有量が0.5重量%未
満では、焼結性が低下し、切削チップに所望の強度を確
保するのが困難になるばかりでなく、切削チップの内部
硬さがHv:2000を越えて高くなりすぎ、所望の靭
性を確保することができなくなり、一方その含有量が
6.5重量%を越えると、内部硬さがHv:1600未
満となってしまい、耐摩耗性の低下が避けられなくなる
という理由によるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の切削チップを
実施例により具体的に説明する。原料粉末として、いず
れも0.5〜2μmの範囲内の所定の平均粒径を有する
TiCN[重量比で(以下同じ)、TiC/TiN=5
0/50]粉末、TiN粉末、TaC粉末、NbC粉
末、WC粉末、Mo2 C粉末、VC粉末、ZrC粉末、
Cr3 C2 粉末、(Ti,W,Mo)CN[Ti/W/
Mo=80/10/10、C/N=70/30]粉末、
(Ti,Ta,V)CN[Ti/Ta/V=70/20
/10、C/N=50/50]粉末、(Ti,Ta,N
b)CN[Ti/Ta/Nb=70/15/15、C/
N=60/40]粉末、(Ti,W,Nb)CN[Ti
/W/Nb=80/10/10、C/N=70/30]
粉末、(Ti,Nb,Mo)CN[Ti/Nb/Mo=
60/30/10、C/N=60/40]粉末、(T
i,W)CN[Ti/W=80/20、C/N=70/
30]粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意し、これ
ら原料粉末を表1に示される配合組成に配合し、ボール
ミルで24時間湿式混合し、乾燥した後、1ton/c
m2 の圧力で圧粉体A〜Iをプレス成形し、ついでこれ
ら圧粉体A〜Iを、以下に示す条件、すなわち室温から
1350℃までを0.05torrの真空雰囲気中、
1.5℃/minの昇温速度で昇温し、1350℃に昇
温後、雰囲気を10torrの窒素雰囲気に変えて同じ
昇温速度で1520℃まで昇温し、同じ雰囲気で152
0℃に60分間保持し、最終的にそれぞれ1〜5tor
rの範囲内の所定の窒素雰囲気中で炉冷、の条件で焼結
し、焼結体に0.05mmの丸ホーニングを施すことに
よりISO規格SNMG120408のスローアウエイ
チップ形状をもった本発明切削チップ1〜9をそれぞれ
製造した。また、比較の目的で、上記の圧粉体A〜Iを
用い、これの焼結を、上記の焼結条件のうちの最終工程
である炉冷をいずれも0.05torrの真空雰囲気中
で行なう以外は同じ条件、すなわち上記の従来切削チッ
プの焼結条件と同じ条件で、上記の従来切削チップにお
けるCoおよび/またはNiの含有量に比して相対的に
低いが、上記本発明切削チップ1〜9のそれと同じ0.
5〜6.5重量%の範囲内の所定の含有量の比較切削チ
ップ1〜9をそれぞれ製造した。
実施例により具体的に説明する。原料粉末として、いず
れも0.5〜2μmの範囲内の所定の平均粒径を有する
TiCN[重量比で(以下同じ)、TiC/TiN=5
0/50]粉末、TiN粉末、TaC粉末、NbC粉
末、WC粉末、Mo2 C粉末、VC粉末、ZrC粉末、
Cr3 C2 粉末、(Ti,W,Mo)CN[Ti/W/
Mo=80/10/10、C/N=70/30]粉末、
(Ti,Ta,V)CN[Ti/Ta/V=70/20
/10、C/N=50/50]粉末、(Ti,Ta,N
b)CN[Ti/Ta/Nb=70/15/15、C/
N=60/40]粉末、(Ti,W,Nb)CN[Ti
/W/Nb=80/10/10、C/N=70/30]
粉末、(Ti,Nb,Mo)CN[Ti/Nb/Mo=
60/30/10、C/N=60/40]粉末、(T
i,W)CN[Ti/W=80/20、C/N=70/
30]粉末、Co粉末、およびNi粉末を用意し、これ
ら原料粉末を表1に示される配合組成に配合し、ボール
ミルで24時間湿式混合し、乾燥した後、1ton/c
m2 の圧力で圧粉体A〜Iをプレス成形し、ついでこれ
ら圧粉体A〜Iを、以下に示す条件、すなわち室温から
1350℃までを0.05torrの真空雰囲気中、
1.5℃/minの昇温速度で昇温し、1350℃に昇
温後、雰囲気を10torrの窒素雰囲気に変えて同じ
昇温速度で1520℃まで昇温し、同じ雰囲気で152
0℃に60分間保持し、最終的にそれぞれ1〜5tor
rの範囲内の所定の窒素雰囲気中で炉冷、の条件で焼結
し、焼結体に0.05mmの丸ホーニングを施すことに
よりISO規格SNMG120408のスローアウエイ
チップ形状をもった本発明切削チップ1〜9をそれぞれ
製造した。また、比較の目的で、上記の圧粉体A〜Iを
用い、これの焼結を、上記の焼結条件のうちの最終工程
である炉冷をいずれも0.05torrの真空雰囲気中
で行なう以外は同じ条件、すなわち上記の従来切削チッ
プの焼結条件と同じ条件で、上記の従来切削チップにお
けるCoおよび/またはNiの含有量に比して相対的に
低いが、上記本発明切削チップ1〜9のそれと同じ0.
5〜6.5重量%の範囲内の所定の含有量の比較切削チ
ップ1〜9をそれぞれ製造した。
【0008】この結果得られた各種の切削チップについ
て、表面を研磨した状態で、逃げ面およびすくい面のビ
ッカース硬さ(荷重:300g)をそれぞれ任意箇所1
0箇所について測定し、また切刃稜線部は正確な表面硬
さの測定ができないので、任意箇所10箇所の研磨断面
におけるホーニング面から0.05mm内側の位置のビ
ッカース硬さ(荷重:300g)を測定して表面硬さと
し、これから最高表面硬さを選び出し、この結果を表
2、3に内部硬さ(Hv)とともに示した。また、本発
明切削チップ1〜9および比較切削チップ1〜9につい
て、 被削材:JIS・S45Cの丸棒、 切削速度:400m/min、 送り:0.2mm/rev、 切込み:1mm、 切削時間:5分、 の条件で鋼の高速切削試験を行ない、切刃の逃げ面摩耗
幅を測定した。これらの測定結果を表2、3に示した。
て、表面を研磨した状態で、逃げ面およびすくい面のビ
ッカース硬さ(荷重:300g)をそれぞれ任意箇所1
0箇所について測定し、また切刃稜線部は正確な表面硬
さの測定ができないので、任意箇所10箇所の研磨断面
におけるホーニング面から0.05mm内側の位置のビ
ッカース硬さ(荷重:300g)を測定して表面硬さと
し、これから最高表面硬さを選び出し、この結果を表
2、3に内部硬さ(Hv)とともに示した。また、本発
明切削チップ1〜9および比較切削チップ1〜9につい
て、 被削材:JIS・S45Cの丸棒、 切削速度:400m/min、 送り:0.2mm/rev、 切込み:1mm、 切削時間:5分、 の条件で鋼の高速切削試験を行ない、切刃の逃げ面摩耗
幅を測定した。これらの測定結果を表2、3に示した。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】
【表3】
【0012】
【発明の効果】表2、3に示される結果から、本発明切
削チップ1〜9は、いずれもこれを構成する表面硬化層
における相対的に高い硬さの切刃稜線部によってすぐれ
た耐摩耗性が確保され、かつ相対的に硬さの低い逃げ面
およびすくい面によってチッピングの発生が抑制される
ようになることから、苛酷な条件での切削となる鋼の高
速切削でも切刃にチッピングの発生なく、すぐれた切削
性能を長期に亘って発揮するのに対して、表面硬化層に
相対的硬さ変化のない比較切削チップ1〜9において
は、いずれもCoおよび/またはNiの含有量が本発明
切削チップ1〜9のそれぞれに対応して同じであるにも
かかわらず、表面硬化層の耐摩耗性不足が原因で摩耗進
行が促進されるようになることが明らかである。上述の
ように、この発明の切削チップは、これを構成する表面
硬化層の切刃稜線部の有する相対的に高いHv:300
0〜3400の最高表面硬さによってすぐれた耐摩耗性
が確保され、かつ最高表面硬さがHv:2200〜26
00の相対的に硬さの低い逃げ面およびすくい面によっ
てチッピングの発生が抑制されるようになるので、例え
ば鋼の通常の条件での切削は勿論のこと、高速切削にお
いても切刃にチッピングの発生なく、長期に亘ってすぐ
れた耐摩耗性を示し、使用寿命の延命化に寄与するもの
である。
削チップ1〜9は、いずれもこれを構成する表面硬化層
における相対的に高い硬さの切刃稜線部によってすぐれ
た耐摩耗性が確保され、かつ相対的に硬さの低い逃げ面
およびすくい面によってチッピングの発生が抑制される
ようになることから、苛酷な条件での切削となる鋼の高
速切削でも切刃にチッピングの発生なく、すぐれた切削
性能を長期に亘って発揮するのに対して、表面硬化層に
相対的硬さ変化のない比較切削チップ1〜9において
は、いずれもCoおよび/またはNiの含有量が本発明
切削チップ1〜9のそれぞれに対応して同じであるにも
かかわらず、表面硬化層の耐摩耗性不足が原因で摩耗進
行が促進されるようになることが明らかである。上述の
ように、この発明の切削チップは、これを構成する表面
硬化層の切刃稜線部の有する相対的に高いHv:300
0〜3400の最高表面硬さによってすぐれた耐摩耗性
が確保され、かつ最高表面硬さがHv:2200〜26
00の相対的に硬さの低い逃げ面およびすくい面によっ
てチッピングの発生が抑制されるようになるので、例え
ば鋼の通常の条件での切削は勿論のこと、高速切削にお
いても切刃にチッピングの発生なく、長期に亘ってすぐ
れた耐摩耗性を示し、使用寿命の延命化に寄与するもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野中 勝尚 茨城県結城郡石下町大字古間木1511番地 三菱マテリアル株式会社筑波製作所内
Claims (1)
- 【請求項1】 結合相形成成分としてCoおよび/また
はNiを0.5〜6.5重量%含有し、かつ内部が16
00〜2000のビッカース硬さを有する炭窒化チタン
系サーメット製スローアウエイ型切削チップの表面部
に、切刃の逃げ面とすくい面が交わる切刃稜線部におけ
る最高表面硬さがビッカース硬さで3000〜3400
を示し、逃げ面およびすくい面における最高表面硬さが
ビッカース硬さで2200〜2600を示す表面硬化層
を形成したことを特徴とする、すぐれた耐摩耗性を有す
る炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ型切削チ
ップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34099496A JPH10180504A (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | すぐれた耐摩耗性を有する炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ型切削チップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34099496A JPH10180504A (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | すぐれた耐摩耗性を有する炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ型切削チップ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10180504A true JPH10180504A (ja) | 1998-07-07 |
Family
ID=18342226
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34099496A Withdrawn JPH10180504A (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | すぐれた耐摩耗性を有する炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ型切削チップ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10180504A (ja) |
-
1996
- 1996-12-20 JP JP34099496A patent/JPH10180504A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH0455801B2 (ja) | ||
JPH10110234A (ja) | 耐欠損性のすぐれた炭窒化チタン系サーメット製切削工具 | |
JP3161346B2 (ja) | すぐれた耐摩耗性と耐チッピング性を有する炭窒化チタン基サーメット製スローアウエイ型切削チップ | |
JP2775298B2 (ja) | サーメット工具 | |
JP3359221B2 (ja) | TiCN基サーメット工具とその製造方法 | |
JP3850085B2 (ja) | 切削工具用被覆サーメット | |
JPH10180504A (ja) | すぐれた耐摩耗性を有する炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ型切削チップ | |
JP5561607B2 (ja) | 表面被覆wc基超硬合金製インサート | |
JPS6059195B2 (ja) | すぐれた耐摩耗性と靭性を有する硬質焼結材料の製造法 | |
JP3451949B2 (ja) | 基体が高靭性を有する表面被覆超硬合金製エンドミル | |
JPH10180505A (ja) | すぐれた耐チッピング性を有する炭窒化チタン系サーメット製スローアウエイ型切削チップ | |
JP2910293B2 (ja) | 硬質層被覆炭化タングステン基超硬合金製切削工具の製造法 | |
JP2020033597A (ja) | TiN基焼結体及びTiN基焼結体製切削工具 | |
JP4284153B2 (ja) | 切削方法 | |
JP3227751B2 (ja) | 耐酸化性のすぐれたTi系炭窒硼酸化物基サーメット製切削工具 | |
JP3368794B2 (ja) | 硬質被覆層がすぐれた耐欠損性を有する表面被覆サーメット製スローアウエイ型切削チップ | |
JP3067514B2 (ja) | サーメット製切削工具 | |
JP3463502B2 (ja) | 硬質被覆層がすぐれた耐欠損性を有する表面被覆サーメット製スローアウエイ型切削チップ | |
JP3677374B2 (ja) | 切削加工用サーメット工具 | |
JP3850086B2 (ja) | 硬質層被覆サーメット | |
JPH07243024A (ja) | 硬質被覆層がすぐれた密着性を有する表面被覆炭窒化チタン系サーメット製切削工具 | |
JPS6245293B2 (ja) | ||
JP2754912B2 (ja) | 耐欠損性のすぐれた表面被覆セラミックス製切削工具 | |
JP2000073136A (ja) | 耐欠損性のすぐれたTi系複合金属炭窒化物サーメット製切削工具の製造方法 | |
JPH0517298B2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040302 |