JPH10180481A - 耐酸化特性を有する無鉛はんだ - Google Patents
耐酸化特性を有する無鉛はんだInfo
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- JPH10180481A JPH10180481A JP6758497A JP6758497A JPH10180481A JP H10180481 A JPH10180481 A JP H10180481A JP 6758497 A JP6758497 A JP 6758497A JP 6758497 A JP6758497 A JP 6758497A JP H10180481 A JPH10180481 A JP H10180481A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】優れた酸化防止作用を有すると共に、酸化防止
の持続時間を高めたSn基無鉛はんだを提供する。 【解決手段】Sn基無鉛はんだに、GeとTeとを複合
添加することによって、Sn基無鉛はんだの耐酸化特性
と酸化防止の持続性を高めた。
の持続時間を高めたSn基無鉛はんだを提供する。 【解決手段】Sn基無鉛はんだに、GeとTeとを複合
添加することによって、Sn基無鉛はんだの耐酸化特性
と酸化防止の持続性を高めた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、はんだの溶融時
における酸化物の発生を抑制する耐酸化特性を有するS
n基無鉛はんだに関するものである。
における酸化物の発生を抑制する耐酸化特性を有するS
n基無鉛はんだに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子工業では、Sn系はんだ、特にSn
−Pb系はんだが最も多く使用され、使用に際しては、
殆どの場合溶融状態としている。しかして、この際に溶
融されたはんだは、空気中若しくは溶融はんだ中に含ま
れる酸素と反応して多量の酸化物が生成する。
−Pb系はんだが最も多く使用され、使用に際しては、
殆どの場合溶融状態としている。しかして、この際に溶
融されたはんだは、空気中若しくは溶融はんだ中に含ま
れる酸素と反応して多量の酸化物が生成する。
【0003】特に電子機器組み立ての際、プリント基板
のはんだ付けに利用される噴流型はんだ槽においては、
撹拌により多量の空気と接触することになるので、この
傾向が著しく、その結果酸化物の生成によるはんだの損
失のみならず、生成した酸化物が製品はんだに巻き込ま
れることによるはんだ付け不良の発生原因となってい
る。
のはんだ付けに利用される噴流型はんだ槽においては、
撹拌により多量の空気と接触することになるので、この
傾向が著しく、その結果酸化物の生成によるはんだの損
失のみならず、生成した酸化物が製品はんだに巻き込ま
れることによるはんだ付け不良の発生原因となってい
る。
【0004】このような問題を解決するため、Sn−P
b系はんだに、酸化防止の目的で種々の元素を添加する
ことが提案されている。
b系はんだに、酸化防止の目的で種々の元素を添加する
ことが提案されている。
【0005】一方、電子工業では、現在迄は、Sn−P
b系はんだが多く使用されていたが、環境対策として、
近い将来無鉛はんだの使用が義務付けられるようになっ
ている。
b系はんだが多く使用されていたが、環境対策として、
近い将来無鉛はんだの使用が義務付けられるようになっ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
無鉛はんだの耐酸化特性を改善することは、全く行われ
ていないし、知られてもいない。この発明は、このよう
な点に着目してなされたものであり、酸化防止効果を著
しく高めたSn基無鉛はんだを提供することを目的とす
る。
無鉛はんだの耐酸化特性を改善することは、全く行われ
ていないし、知られてもいない。この発明は、このよう
な点に着目してなされたものであり、酸化防止効果を著
しく高めたSn基無鉛はんだを提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者等は、一連の基礎的研究の結果、Sn基無
鉛はんだに、GeとTeとを複合添加することによっ
て、Sn基無鉛はんだの酸化防止効果が著しく高められ
ることを見いだし、本発明に到達した。
め、本発明者等は、一連の基礎的研究の結果、Sn基無
鉛はんだに、GeとTeとを複合添加することによっ
て、Sn基無鉛はんだの酸化防止効果が著しく高められ
ることを見いだし、本発明に到達した。
【0008】即ち本発明は、Sn基無鉛はんだに、Ge
とTeとを複合添加することを特徴とする。しかして従
来、GeとTeとを、酸化防止の目的で、はんだに複合
添加することは全く知られていない。Ge及びTeの添
加量は、請求項2に記載のように、それぞれ0.01〜
0.1重量%とするのが好ましい。
とTeとを複合添加することを特徴とする。しかして従
来、GeとTeとを、酸化防止の目的で、はんだに複合
添加することは全く知られていない。Ge及びTeの添
加量は、請求項2に記載のように、それぞれ0.01〜
0.1重量%とするのが好ましい。
【0009】はんだが酸化されて生成する酸化物は、ド
ロスを少量含む酸化物が主体で、灰色、黒灰色等の外観
を呈し、粒状、粉状で比較的さらさらしている。この酸
化物は除去が容易であり、少量ならはんだ付け性を害さ
ない。
ロスを少量含む酸化物が主体で、灰色、黒灰色等の外観
を呈し、粒状、粉状で比較的さらさらしている。この酸
化物は除去が容易であり、少量ならはんだ付け性を害さ
ない。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明
する。本発明に使用するSn基無鉛はんだとしては、S
nはんだ(Sn単独のはんだ)、Sn−Ag系はんだ、
Sn−Sb系はんだ及びSn−Au系はんだが挙げら
れ、特にSnはんだ及びSn−Ag系はんだが好まし
い。
する。本発明に使用するSn基無鉛はんだとしては、S
nはんだ(Sn単独のはんだ)、Sn−Ag系はんだ、
Sn−Sb系はんだ及びSn−Au系はんだが挙げら
れ、特にSnはんだ及びSn−Ag系はんだが好まし
い。
【0011】本発明は、GeとTeとを複合添加するこ
とを特徴とするものであり、このようにすることによっ
て、Sn基無鉛はんだの耐酸化特性が著しく高められる
と共に、酸化防止時間の持続性が改善される。GeとT
eとは、特にSn基無鉛はんだの酸化防止効果を著しく
高めるものであり、Sn−Pb系はんだに添加した場合
と比べて、特に効果的な酸化防止効果が得られること
が、実験により確認されている。
とを特徴とするものであり、このようにすることによっ
て、Sn基無鉛はんだの耐酸化特性が著しく高められる
と共に、酸化防止時間の持続性が改善される。GeとT
eとは、特にSn基無鉛はんだの酸化防止効果を著しく
高めるものであり、Sn−Pb系はんだに添加した場合
と比べて、特に効果的な酸化防止効果が得られること
が、実験により確認されている。
【0012】Geの添加量は、0.01〜0.1重量%
とするのが好ましく、この下限を下回ると、本発明の耐
酸化特性効果が十分発揮されないし、この上限を上回る
と、Geが高価なことから経済性の点で問題がある。
とするのが好ましく、この下限を下回ると、本発明の耐
酸化特性効果が十分発揮されないし、この上限を上回る
と、Geが高価なことから経済性の点で問題がある。
【0013】Teは、酸化防止時間の持続性を改善する
ために添加するものであり、添加量は、0.01〜0.
1重量%とするのが良い。この下限を下回ると、添加の
効果が十分発揮されないし、この上限を上回っても効果
上あまり差がないので経済的でない
ために添加するものであり、添加量は、0.01〜0.
1重量%とするのが良い。この下限を下回ると、添加の
効果が十分発揮されないし、この上限を上回っても効果
上あまり差がないので経済的でない
【0014】本発明は、Ge及びTeに加えて、Ga、
Ag、S及びSb等の他の酸化物発生抑制効果を有する
元素を添加しても差し支えない。
Ag、S及びSb等の他の酸化物発生抑制効果を有する
元素を添加しても差し支えない。
【0015】
【実施例】次に、実施例、比較例を挙げて本発明を更に
説明するが、本発明はこの実施例に限定されない。 実施例1〜5及び比較例1 次表1に記載の酸化試験試料(はんだ)に、Ge0.05
重量%とTe0.05重量%とを添加した本発明のはん
だと、比較例のはんだについて、酸化試験を行った。
説明するが、本発明はこの実施例に限定されない。 実施例1〜5及び比較例1 次表1に記載の酸化試験試料(はんだ)に、Ge0.05
重量%とTe0.05重量%とを添加した本発明のはん
だと、比較例のはんだについて、酸化試験を行った。
【0016】
【表1】
【0017】酸化試験は、図1に示す装置を使用し、は
んだ浴に表1に記載の合金組成のはんだを2Kg投入
し、はんだ浴温度を260℃としてはんだを溶解し、撹
拌速度60rpmで連続的にはんだ浴の表面を撹拌し
て、30分毎に発生する酸化物量をすくいだして秤量す
る操作を3回(1.5時間)繰り返えし、ついでGe
0.05重量%とTe0.05重量%とを添加し、同様
に30分毎に3回(1.5時間)すくいだして秤量する
ことにより行った。結果を、30分当たりの平均酸化物
重量(g/30分)と共に次表2に示す。尚、表2中、
MAは、GeとTeとを添加しない場合のト−タルの平
均酸化物重量(g/30分)であり、MBは、GeとT
eとを添加した場合のト−タルの平均酸化物重量(g/
30分)である。
んだ浴に表1に記載の合金組成のはんだを2Kg投入
し、はんだ浴温度を260℃としてはんだを溶解し、撹
拌速度60rpmで連続的にはんだ浴の表面を撹拌し
て、30分毎に発生する酸化物量をすくいだして秤量す
る操作を3回(1.5時間)繰り返えし、ついでGe
0.05重量%とTe0.05重量%とを添加し、同様
に30分毎に3回(1.5時間)すくいだして秤量する
ことにより行った。結果を、30分当たりの平均酸化物
重量(g/30分)と共に次表2に示す。尚、表2中、
MAは、GeとTeとを添加しない場合のト−タルの平
均酸化物重量(g/30分)であり、MBは、GeとT
eとを添加した場合のト−タルの平均酸化物重量(g/
30分)である。
【0018】
【表2】
【0019】GeとTeを無添加の場合は、はんだ浴
は、黄土色の酸化色を呈したが、GeとTeとを複合添
加すると、はんだ浴は、灰色に変色すると共に、酸化物
の発生量が半減した。
は、黄土色の酸化色を呈したが、GeとTeとを複合添
加すると、はんだ浴は、灰色に変色すると共に、酸化物
の発生量が半減した。
【0020】表2の結果から明らかなように、本発明の
無鉛はんだのほうが、比較例のSn−Pb共晶はんだの
場合よりも、GeとTeとの複合添加の酸化防止効果が
大きい。また、GeとTeとを添加後、30分後の酸化
物量と、1.5時間後の酸化物量とは、あまり変わらな
いか減少していることから、酸化防止の持続時間が高め
られていることがわかる。
無鉛はんだのほうが、比較例のSn−Pb共晶はんだの
場合よりも、GeとTeとの複合添加の酸化防止効果が
大きい。また、GeとTeとを添加後、30分後の酸化
物量と、1.5時間後の酸化物量とは、あまり変わらな
いか減少していることから、酸化防止の持続時間が高め
られていることがわかる。
【0021】実施例6 純Sn(99.9%)の酸化試験試料(はんだ)に、Ge
0.05重量%とTe0.05重量%とを添加した本発
明のはんだと、比較例のはんだについて、酸化試験を行
った。
0.05重量%とTe0.05重量%とを添加した本発
明のはんだと、比較例のはんだについて、酸化試験を行
った。
【0022】酸化試験は、図1に示す装置を使用し、は
んだ浴に上記はんだを2Kg投入し、はんだ浴温度を2
60±5℃としてはんだを溶解し、Ge0.05重量%
とTe0.05重量%とを添加し、撹拌速度60rpm
で連続的にはんだ浴の表面を撹拌して、次表3に記載の
時間毎に発生する酸化物量をすくいだして秤量すること
により行った。尚、秤量測定毎に、酸化物重量相当量の
純Snを追加添加した。結果を、次表3に示す。比較の
ため、GeまたはTeを単独添加した場合と、いずれも
添加しない場合について、同様に酸化試験を行い、結果
を次表3に併記した。
んだ浴に上記はんだを2Kg投入し、はんだ浴温度を2
60±5℃としてはんだを溶解し、Ge0.05重量%
とTe0.05重量%とを添加し、撹拌速度60rpm
で連続的にはんだ浴の表面を撹拌して、次表3に記載の
時間毎に発生する酸化物量をすくいだして秤量すること
により行った。尚、秤量測定毎に、酸化物重量相当量の
純Snを追加添加した。結果を、次表3に示す。比較の
ため、GeまたはTeを単独添加した場合と、いずれも
添加しない場合について、同様に酸化試験を行い、結果
を次表3に併記した。
【0023】
【表3】
【0024】上記結果から明らかなように、Te単独で
は、無添加の場合と殆ど変わらず添加の効果はないが、
TeをGeと複合添加すると、Ge単独と比べて酸化防
止の持続時間が著しく向上する。この原因を究明したと
ころ、TeはGeの濃度減少を押える効果があること
が、元素分析の結果から確認された。
は、無添加の場合と殆ど変わらず添加の効果はないが、
TeをGeと複合添加すると、Ge単独と比べて酸化防
止の持続時間が著しく向上する。この原因を究明したと
ころ、TeはGeの濃度減少を押える効果があること
が、元素分析の結果から確認された。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、GeとTeとを複合添
加することによって、Sn基無鉛はんだの酸化防止効果
と酸化防止の持続時間が著しく高められるので、長時間
プリント基板等のはんだ付けに使用しても、酸化物の生
成を効果的に防止することができるから、はんだ付け不
良の発生を回避することができ、結果として、はんだ付
け作業の作業効率を高めることができると共に、無鉛は
んだであるので、環境汚染対策の要請にも合致するもの
である。
加することによって、Sn基無鉛はんだの酸化防止効果
と酸化防止の持続時間が著しく高められるので、長時間
プリント基板等のはんだ付けに使用しても、酸化物の生
成を効果的に防止することができるから、はんだ付け不
良の発生を回避することができ、結果として、はんだ付
け作業の作業効率を高めることができると共に、無鉛は
んだであるので、環境汚染対策の要請にも合致するもの
である。
【0026】
【図1】実施例の酸化試験に使用した装置の概略図であ
る。
る。
【図2】表3の結果を示すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】Sn基無鉛はんだに、GeとTeとを複合
添加することを特徴とする耐酸化特性を有する無鉛はん
だ。 - 【請求項2】前記GeとTeとを、それぞれ0.01〜
0.1重量%添加する請求項1に記載のはんだ。 - 【請求項3】前記Sn基無鉛はんだが、Snはんだ若し
くはSn−Ag系はんだである請求項1または2に記載
のはんだ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06758497A JP3600899B2 (ja) | 1996-11-05 | 1997-03-21 | 耐酸化特性を有する無鉛はんだ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8-307500 | 1996-11-05 | ||
JP30750096 | 1996-11-05 | ||
JP06758497A JP3600899B2 (ja) | 1996-11-05 | 1997-03-21 | 耐酸化特性を有する無鉛はんだ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10180481A true JPH10180481A (ja) | 1998-07-07 |
JP3600899B2 JP3600899B2 (ja) | 2004-12-15 |
Family
ID=26408800
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06758497A Expired - Fee Related JP3600899B2 (ja) | 1996-11-05 | 1997-03-21 | 耐酸化特性を有する無鉛はんだ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3600899B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999048639A1 (fr) * | 1998-03-26 | 1999-09-30 | Nihon Superior Sha Co., Ltd. | Soudure sans plomb |
EP4056311A1 (en) * | 2021-03-10 | 2022-09-14 | Senju Metal Industry Co., Ltd. | Solder alloy, solder powder, solder paste and solder joint |
-
1997
- 1997-03-21 JP JP06758497A patent/JP3600899B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999048639A1 (fr) * | 1998-03-26 | 1999-09-30 | Nihon Superior Sha Co., Ltd. | Soudure sans plomb |
EP4056311A1 (en) * | 2021-03-10 | 2022-09-14 | Senju Metal Industry Co., Ltd. | Solder alloy, solder powder, solder paste and solder joint |
US11904416B2 (en) | 2021-03-10 | 2024-02-20 | Senju Metal Industry Co., Ltd. | Solder alloy, solder powder, solder paste and solder joint |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3600899B2 (ja) | 2004-12-15 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040824 |
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TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
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