JPH10179694A - 熱湯冷却器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】沸騰して高温状態にある熱湯を、短時間で乳幼
児用ミルクを調乳するための適温状態にまで冷却するこ
と。 【解決手段】熱湯を収容する貯湯槽（１）と、該貯湯槽
（１）に連結する導管（２）と、該導管（２）を通過す
る熱湯を冷却すための冷却槽（３）と、上記導管（２）
の出口に設けた注ぎ口（５）とを具備し、貯湯槽（１）
に収容した熱湯を適温状態に冷却して、注ぎ口から流下
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、沸騰して高温状態
にある熱湯を、短時間で乳幼児用ミルクを調乳するため
の適温状態にまで冷却することを目的とした熱湯冷却器
に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、粉ミルクを使用しての乳幼児用
ミルクの調乳作業は、次の順序により行われている。 安心で清潔なお湯を作る為に、飲料水を１００℃で沸
騰させて、殺菌及びカルキ抜きをする。 沸騰させたお湯を調乳適温である約５０℃まで冷却す
るが、その必要性は、約５０℃のお湯が粉ミルクの栄養
分を損なわないで、しかもスム−ズに溶ける温度に他な
らないからである。 約５０℃に冷却したお湯を哺乳瓶に少し入れ、所要量
の粉ミルクを哺乳瓶に入れて攪拌してミルクをお湯に溶
かした後、さらにお湯を適量入れる。 哺乳瓶を放置又は水冷によって、人肌の温度、即ち約
３７℃まで冷やすことによって、乳幼児用には飲み頃の
ミルクが作られ、ミルク作りは完了する。 このようなミルク調乳作業は、乳幼児を持つ親にとって
は、お湯を沸騰させたり、調乳適温になるまで冷やした
りと思った以上に面倒で、時間と労力を必要とし、非常
な負担となっていた。特に、真夜中の調乳作業は、親と
いえども苦痛を伴うものであった。

【０００３】そこで、このような乳幼児を持つ親の負担
を少しでも軽減するために、約５０℃に調乳適温された
お湯を常時保温しておくのに最適な湯沸かしポットを、
先に出願人は提案した（実公平４−２３４７１，４３１
７５，５−３５８１８，４３７１９号）。この湯沸かし
ポットは、ポット内の飲料水を沸騰させた後、調乳適温
である約５０℃に保温しておき、乳幼児がミルクを欲し
がった時に、すぐさま調乳作業に取り掛かれることが大
きな特徴であった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、出願人が提
案した上記湯沸かしポット（調乳用ポット）において、
すぐに調乳作業に着手ができるという優れた効果を有す
るものの、調乳用ポットで沸騰させたお湯を、約５０℃
の調乳適温に冷却するのに長時間（例えば、７００ｍｌ
のお湯を、１００℃の沸騰状態から約５０℃の調乳適温
まで冷却するのに要する時間は、約７５分である）を要
するのが、唯一の欠点となっていた。本発明は上記欠点
を解消し、沸騰から約５０℃の調乳適温に達する時間を
極めて短い時間とすることによって、調乳作業をより一
段と簡便にすることを課題とするものである。

【０００５】

【課題を解消するための手段】上記課題を解決するため
に、熱湯を収容する貯湯槽と、該貯湯槽に連結する導管
と、該導管を通過する熱湯を冷却するための冷却槽と、
上記導管の出口に設けた注ぎ口とを具備し、貯湯槽に収
容した熱湯を適温状態に冷却して、注ぎ口から流下する
ことを特徴としてなる熱湯冷却器を提供するものであ
る。本発明によれば、調乳用ポットで沸騰させ、貯湯槽
に収容したお湯を、冷却槽に充填した水道水又は氷によ
って調乳適温である約５０℃にまで冷却することによ
り、今まで空冷のみに頼っていた状態から脱するので、
冷却まちのイライラから解消される。

【０００６】本発明は上述のように調乳適温である約５
０℃にまで冷却するのみならず、適宜に冷却温度を設定
することが可能である。例えば、お湯が導管の注ぎ口か
ら流下する流下量によってお湯の冷却度が加減できる。
即ち、流下量を速くすればお湯の温度は高くなるが、逆
に、流下量を遅くすれば低い温度のお湯が流下されるの
で、調節コックの調節によって自由に温度設定ができ、
希望する温度に冷却されたお湯を得ることができる。さ
らに、本発明において、冷却されたお湯の注ぎ口に形状
記憶合金を使用し、一定の温度に達すると注ぎ口が開口
する構成とすることにより、設定された温度のお湯の供
給が可能である。なお、冷却槽内の冷却物質を各種変え
ることにより、例えば、空気、常温の水道水、氷等、使
用する物質によって、冷却槽を通過するお湯の温度を変
えることも可能である。

【０００７】

【発明の実施の形態】図面は本発明の一実施例を示すも
ので、第１図は本発明の斜視図を示すもので、（１）は
調乳用ポット・電気ポット等によって沸騰された熱湯を
収容するための貯湯槽、該貯湯槽（１）の底部の略中央
部から熱湯を通過させる螺旋状の導管（２）を連結させ
る。（３）は前記導管（２）内を通過する熱湯を冷却す
るための冷却槽で、該冷却槽（３）には、氷または水道
水等の冷却物質（４）を充填させておくものである。前
記導管（２）の終端部にはお湯を流下するための注ぎ口
（５）を設けてなり、（６）は該注ぎ口（５）から流下
されるお湯の流出量を調節するための調節コックであ
る。（７）は流出量を計測するための流量メ−タ−であ
る。

【０００８】しかして、本発明は第２図に示すように、
まず冷却槽（３）を、調乳用ポットのガラス容器（Ｍ）
の上部に冠させた状態で、電気ポット（Ｐ）の注ぎ口の
直下に配置せしめる。 電気ポット（Ｐ）で沸騰された
熱湯は、電気ポット（Ｐ）の注ぎ口から貯湯槽（１）に
収容され、徐々に導管（２）を介して流下していくが、
冷却槽（３）の冷却物質（４）によって熱湯は冷却さ
れ、調乳適温である約５０℃に冷却されたお湯が、注ぎ
口（５）から調乳用ポットのガラス容器（Ｍ）に流下さ
れていくものである。調乳用ポットのガラス容器（Ｍ）
に適当量のお湯が収容されれば、調乳用ポットで約５０
℃に保温するものである。

【０００９】上記導管（２）は上述の通り螺旋状でもよ
いが、清潔性を考慮して直線状の導管とすることによ
り、分解掃除を可能とする設計とすることもできる。ま
た、調節コック（６）に形状記憶合金を使用し、一定の
温度、例えば５０℃で開状態となり、注ぎ口（５）から
お湯が流下するように設定することにより、調乳作業に
最も適したお湯が調乳用ポットのガラス容器（Ｍ）に収
容されるものである。表１は、沸騰水の流水速度と流水
湯温度の関係を示すものである。

【００１０】

【表１】

【００１１】即ち、２００ｍｌの沸騰したお湯を貯湯槽
（１）に収納し、冷却槽（３）の冷却水温度を２０℃に
設定し、調節コックを操作して適宜の流出速度を決定す
るものである（このとき、冷却槽（３）の冷却物質
（４）として、５００ｍｌの冷却水を使用した）。例え
ば、流量メ−タ−（７）によって、流出速度を２ｍｌ／
秒に設定すると、３９℃に冷却されたお湯が、注ぎ口
（５）から流下され、貯湯槽（１）に収納されたお湯が
流出するのに要する時間は、１００秒である。また、流
出速度を２０ｍｌ／秒に設定すると、５９℃に冷却され
たお湯が、１０秒の所要時間の後に、注ぎ口（５）から
流下される。

【００１２】調乳温度に最適な５０℃のお湯を所望する
場合、貯湯槽（１）に収納したお湯が２００ｍｌのと
き、冷却水温度が２０℃であれば、流出速度を６ｍｌ／
秒に流量メ−タ−（７）の表示によって調節コック
（６）を操作し、冷却水温度が７℃であれば、流出速度
を１０ｍｌ／秒に調節することにより、３３秒後、２０
秒後にそれぞれ調乳適温のお湯が得られる。貯湯槽
（１）に収納したお湯が５００ｍｌのときであっても、
１２５秒後、８３秒後に、それぞれ調乳温度に最適な５
０℃のお湯が得られる。

【００１３】

【発明の効果】以上のように、本発明は調乳用ポット・
電気ポット等の熱湯を簡単、手軽しかも短時間で冷却す
ることができるので、本発明を調乳用お湯として使用す
るときは、沸騰から調乳適温までの待ち時間が非常に短
縮され、調乳作業が楽になるという効果を有する。ま
た、冷却手段が水道水か家庭内の冷蔵庫の氷を使用する
ものであるから、電気代が不要であり、経済的である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す斜視図である。

【図２】本発明の使用状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 貯湯槽 ２ 導管 ３ 冷却槽 ４ 冷却物質 ５ 注ぎ口 ６ 調節コック ７ 流量メ−タ− Ｐ 電気ポット Ｍ 調乳用ポットのガラス容器

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】熱湯を収容する貯湯槽と、該貯湯槽に連結
   する導管と、該導管を通過する熱湯を冷却すための冷却
   槽と、上記導管の出口に設けた注ぎ口とを具備し、貯湯
   槽に収容した熱湯を適温状態に冷却して、注ぎ口から流
   下することを特徴としてなる熱湯冷却器。