JPH1017871A - 高分子系廃棄物の熱分解炉 - Google Patents

高分子系廃棄物の熱分解炉

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JPH1017871A
JPH1017871A JP8176095A JP17609596A JPH1017871A JP H1017871 A JPH1017871 A JP H1017871A JP 8176095 A JP8176095 A JP 8176095A JP 17609596 A JP17609596 A JP 17609596A JP H1017871 A JPH1017871 A JP H1017871A
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高分子系廃棄物の熱分解を連続的に行うことが
出来、かつ、熱分解対象物を容易に除去でき、構成が簡
単で、設備コストを抑え、装置自身の大きさも小さく抑
えることが出来る高分子系廃棄物の熱分解炉を提供す
る。 【解決手段】原料投入口101から投入された高分子系
廃棄物は原料溶解槽102内部でペースト状に溶解され
る。原料溶解槽102の底の部分には熱分解用傾斜管1
04が設けられ、内部に設けられたスクリューフィーダ
115によって、ペースト状になった高分子系廃棄物は
斜め上方に傾斜した熱分解用傾斜管104内部に導かれ
る。熱分解部103内部には上方に行くほど温度が高い
という温度勾配が作られ、ペースト状の高分子系廃棄物
が熱分解用傾斜管104を上るにしたがって、高い温度
に曝されるようになる。ペースト状の高分子系廃棄物は
さまざまな材質を含んでいるが、温度勾配を付けられた
熱分解用傾斜管104内部を運ばれていく内にガス化
し、分解ガスとして次の処理に回される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子系廃棄物の
熱分解炉に係り、特には、高分子系廃棄物のリサイクル
のためにリサイクル過程で行われる熱分解に使用される
熱分解炉に関する。
【0002】
【従来の技術】最近では、資源の枯渇問題やごみの大量
排出による公害の問題などが重視されてきており、一度
使用したものをそのまま捨てずに再利用しようとするリ
サイクルの動きが活発になってきている。
【0003】特に、石油等から作られるプラスチックに
代表される高分子系材料は、その用途が広く一般生活に
深く浸透しており、効率的なリサイクル施設が要望され
ている。
【0004】従来、高分子系廃棄物のリサイクルにおい
ては、バッチ方式とよばれる方式が広く行われている。
バッチ方式においては、熱分解される高分子系廃棄物が
破砕されたあと熱分解用の釜に入れられ、周囲からの加
熱により気化させる。この気化された高分子系廃棄物
は、気化されることによって分子のつながりが切られ、
より炭素含有量の少ない高分子系物質となる。このよう
にして炭素含有量が少なくなった高分子系物質は液体油
として回収される。また、高分子系廃棄物の種類によっ
ては1回の気化では液体化するほど分子の鎖が切れない
場合があり、バッチ方式においては、液化しなかった高
分子系廃棄物を別の釜に移して更に加熱を繰り返す。そ
して、全ての高分子系廃棄物が気化するように、何段階
かの熱分解用釜を用意しておき、段階的に加える温度を
変化させている。この後、様々な反応過程をへて、軽
油、重油等として回収される。
【0005】図5は、高分子系廃棄物のリサイクル過程
の一例を示した図である。先ず、前処理において高分子
系廃棄物を収集し、収集された廃プラスチック等の高分
子系廃棄物を破砕または減容固化(押し固めること)を
行い、貯留しておく。貯留された高分子系廃棄物は次に
本処理を行う装置に投入される。投入された高分子系廃
棄物は溶融分解炉の分解釜内で攪拌されながら、外部加
熱により溶融、分解、ガス化されて、反応塔に導かれ
る。反応塔では、分解ガスは反応塔内の金属触媒により
接触分解し、KOポットへ導かれる。KOポットでは、
分解ガスのうち、未分解のものや重質のガスはここで液
化して分解釜へ戻され、再度熱分解される。液化しない
ガスは凝縮(冷却)器へ導かれる。凝縮器では分解ガス
は、例えば多段式(温水冷、空冷、水冷)凝縮器によ
り、分子量の重いものから液化して回収タンクに蓄えら
れ、油化装置のバーナの燃料に使用される。ガス洗浄塔
では、液化しない未凝縮のガスが、ガス洗浄塔で洗浄さ
れ燃焼器具により完全燃焼される。溶融分解炉の分解釜
の底には金属などの残さが残るが、これらは例えば、装
置が冷却した後、真空バキューム等によって排出され
る。溶融分解炉への熱の供給はバーナを燃焼させ、高温
の空気を発生させ、この空気を溶融分解炉の周囲に循環
させることにより行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
高分子系廃棄物処理においては、1つの溶融分解炉で分
解出来なかった廃棄物は他の溶融分解炉に移して、より
高い温度に曝すことにより未分解廃棄物を熱分解し、更
に、熱分解が不十分な廃棄物が残った場合には、更に別
の溶融分解炉の釜に移して更に高温の熱を加え分解する
という多段式の分解過程を行っていた。しかしながら、
このように分解されずに残った廃棄物をいちいち別の釜
に移して加熱するのでは作業の効率の面からいってもあ
まり好ましくなく、分解温度の異なる高分子系廃棄物を
1つの工程で連続して分解する連続運転が実現される方
が好ましい。また、上記のような方式では装置全体規模
が非常に大きく、かつ設備コストも膨大なものになって
しまうという問題点も有する。
【0007】また、従来において釜本体の底部及び側面
からの加熱方式では熱分解に要する時間が長くなるのみ
ならず、内部に充填した熱分解対象物が炭化してしま
い、これより回収する目的である油などの目的物の歩留
まりが低下するばかりか、この炭化物の処理にも困窮す
るという問題を有している。
【0008】更に、例えば市町村における塵処理の問題
が考えられるが、この際処理を行うべき対象物である高
分子系廃棄物には、金属はもとよりその他の無機物など
の熱分解対象外の物の混入が予測される。したがって、
このような熱分解対象物を容易に取り除く構成を有する
ことは作業の効率化の面から考えても有益である。
【0009】したがって、本発明の課題は、高分子系廃
棄物の熱分解を連続的に行うことが出来、かつ、熱分解
対象物を容易に除去でき、構成が簡単で、設備コストを
抑え、装置自身の大きさも小さく抑えることが出来る高
分子系廃棄物の熱分解炉を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の高分子系廃棄物
のリサイクルに使用する熱分解炉は、高分子系廃棄物が
投入される原料溶解槽と、原料溶解槽に投入された高分
子系廃棄物を溶解するために、原料溶解槽を周囲から加
熱するための第1の加熱手段と、原料溶解槽の下部に第
1の端が取り付けられ、第2の端が原料溶解槽の下部よ
りも上方に設けられた、溶解した高分子系廃棄物を導入
する熱分解用傾斜管と、熱分解用傾斜管の上方に設けら
れた第2の端の方が、原料溶解槽の下部に設けられた第
1の端よりも高温となるように、熱分解用傾斜管内の溶
解された高分子系廃棄物を熱分解するための熱を加える
第2の加熱手段とからなる。
【0011】また、本発明の別の構成によれば、高分子
系廃棄物が投入される原料溶解槽と、原料溶解槽に投入
された高分子系廃棄物を溶解するために、原料溶解槽を
周囲から加熱するための第1の加熱手段と、原料溶解槽
の下部に第1の端が取り付けられ、第2の端が原料溶解
槽の下部よりも上方に設けられた、溶解した高分子系廃
棄物を導入する熱分解用傾斜管と、熱分解用傾斜管は複
数の部屋に分割された熱分解室に収納され、複数の部屋
の温度が熱分解用傾斜管の第1の端から第2の端に行く
に従い次第に温度が高くなるように調整され、熱分解用
傾斜管内の溶解された高分子系廃棄物を熱分解するため
の熱を加える第2の加熱手段とからなる。
【0012】このような本発明の構成によれば、高分子
系廃棄物のリサイクル処理を連続して行うことが出来る
と共に、熱分解炉に投入する高分子系廃棄物を前処理す
る必要もない。
【0013】更に、従来のような釜を用いて多段式に処
理を行うのではなく、ペースト状になった高分子系廃棄
物を温度勾配を付けられた熱分解用傾斜管内部をスクリ
ューフィーダによって搬送するだけなので、小型の熱分
解炉を形成することが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の熱分解炉の一実
施例の側面図である。同図の熱分解炉は、原料投入口1
01の設けられた原料溶解槽102、内部にスクリュー
フィーダ115を備え、原料溶解槽102の底の部分か
ら斜め上方に向かって配置された熱分解用傾斜管10
4、高分子系廃棄物に混入していた無機物や金属などの
ごみを排出するためのごみ排出用パイプ113、ごみ分
離用水封タンク114、原料溶解槽102の周囲に熱風
を循環させるための溶解槽用熱風発生炉、熱分解用傾斜
管104を収納し、熱風を循環させる熱分解部103、
及び熱分解部103に熱風を送り込み循環させるための
熱分解用熱風発生炉105からなっている。
【0015】溶解槽用熱風発生炉111には、熱風を発
生させ、循環させるためのファン110と溶解槽用バー
ナ109が設けられている。同様に、熱分解用熱風発生
炉105にも熱風を発生させるためのファン106と熱
分解用バーナ107とが設けられている。
【0016】溶解槽用熱風発生炉111によって生成さ
れた熱風は、溶解槽熱風循環用ブロワー108を介して
原料溶解槽102の周囲を循環させられ、原料投入口1
01から供給される高分子系廃棄物に熱を加え、少なく
とも溶解出来るものについては溶解してペースト状にす
る。この原料投入口101から供給される高分子系廃棄
物を部分的にペースト状(以下、単にペースト状とい
う)にするために必要とされる温度は250゜C程度で
あり、必要以上に高くする必要はない。
【0017】原料溶解槽102の温度は、原料溶解槽1
02の近くの熱風循環路に設けられた溶解用熱風温度セ
ンサによって監視し、常に最適な温度に保たれるように
調整する。
【0018】原料溶解槽102の底の部分には熱分解用
傾斜管104が取り付けられており、ペースト状になっ
た高分子系廃棄物を搬送する。ペースト状になった高分
子系廃棄物を搬送するために、熱分解用傾斜管104内
部には不図示の駆動装置によって駆動されるスクリュー
フィーダ115が入れ込まれており、回転しながら原料
溶解槽102に溜まっているペースト状の高分子系廃棄
物を熱分解用傾斜管104の中を上方に向かって搬送し
ていく。熱分解用傾斜管104を収納する熱分解部10
3内には熱分解用バーナ107とファン106によって
生成された熱風が循環している。
【0019】熱分解部103内部の熱風の循環速度は、
熱分解部103の上部に行くにつれて温度が高くなるよ
うに調整する。この調整は熱分解部103に設けられた
不図示の温度センサによる測定値を監視しながら、適切
な循環速度となるように調整することによって達成す
る。このように、熱分解用傾斜管104が上方に行くに
つれ高温となることにより、ガス化する温度の違う高分
子系廃棄物を全てガス化するようにできる。
【0020】高分子系廃棄物は高温状態で空気と接する
と爆発を起こす可能性があるので、熱分解用傾斜管10
4の中には空気が入り込まないように構成される。熱分
解用傾斜管104の上方部分にはごみ排出用パイプ11
3が設けられており、熱分解用傾斜管104を上方に上
ってくるに従って、高い温度に曝されても依然ガス化し
ない金属や無機物等を取り除く構成とされている。ごみ
分離用水封タンク114には水が入れられており、ごみ
排出用パイプ113の先端が水の中に入れ込まれてい
る。このようにすることによって、熱分解用傾斜管10
4からガス化されずに残った金属や無機物がごみ排出用
パイプ113を通ってごみ分離用水封タンク114に落
ち込み、ごみをリサイクル目的物の高分子系廃棄物から
分離することができる。また、ごみ排出用パイプ113
の先端が水の中に入れ込まれているため、ごみ排出用パ
イプ113から空気が熱分解用傾斜管104に入ること
がなく、したがって、ガス化した高分子系廃棄物が爆発
することを防ぐことが出来る。
【0021】ガス化した高分子系廃棄物は不図示の次の
装置に導かれ、油として回収される。図2は、本発明の
図1の実施例の熱分解炉の平面図である。
【0022】同図に示されるように、溶解槽用熱風発生
炉111から送出された熱風は矢印に示されるように原
料溶解槽102の周囲を循環し、中に入れられている高
分子系廃棄物を溶解し、溶解槽熱風循環用ブロワー20
4を通って、一部は排ガスとして放出され、残りは再び
溶解槽用熱風発生炉111に循環され、再び熱せられて
原料溶解槽102を熱するために溶解槽熱風循環用ブロ
ワー108から送出される。
【0023】同様に、熱分解部103内部を循環する熱
風も熱分解用熱風発生炉105で熱せられて熱分解部1
03に送られ、熱分解用熱風循環ブロワー202を通っ
て再び熱分解用熱風発生炉105に送られてくる。前述
したように、熱分解部103内を循環する熱風は、熱分
解部103の下方ほど温度が低く、上方に行くほど温度
が高くなるように温度勾配をつけられるように、循環速
度が調整される。この温度勾配は、様々な高分子系廃棄
物をガス化するために必要な温度を与えるように調整さ
れる。例えば、高分子系廃棄物をガス化する温度を、3
50゜Cから500゜Cとすると、熱分解傾斜管104
の上方では、熱分解部103の温度を約500゜Cにな
るように調整する。この調整には、熱分解部103ある
いは、熱分解用熱風循環ブロワー202に設けられる不
図示の温度センサが用いられ、この温度センサを常時監
視して温度の変化などを読みとる。
【0024】原料溶解槽102にため込まれた高分子系
廃棄物の溶解物は、同図に示されるように、4本の熱分
解用傾斜管104に不図示のスクリューフィーダによっ
て導かれ、熱分解用傾斜管104を上方に進むに従っ
て、順次ガス化されていき、分解ガス集合管201に至
るまでにガス化できるものは全てガス化される。ガス化
された高分子系廃棄物は分解ガス集合管201によって
集められ、熱分解ガス出口203から次の装置へと導か
れる。
【0025】このように、温度勾配を付けた熱分解用傾
斜管104内を高分子系廃棄物が通るようにすることに
より、熱分解温度の違いにより、分解生成物の性状変化
を行うことができ、分解生成物の再利用の方法の違いに
よりガソリン、灯油、軽油から重油に至るまでの変化
を、分解温度の変化のみで可能にすることが出来る。
【0026】更に、本発明の熱分解炉によれば、高分子
系廃棄物の投入段階において高分子系廃棄物の形状並び
に性状に一切の制約を受けない。従来からある装置にお
いては多段式であるが故の欠点から、高分子系廃棄物の
分別が必要である。本発明の熱分解炉によれば、投入す
る高分子系廃棄物を熱分解用傾斜管104で搬送可能な
程度に粉砕するだけでよく、分別などの前処理が不要と
なる。
【0027】図3は、本発明の熱分解炉の他の実施例の
側面図である。同図において、図1と同じ参照番号を有
する構成要素は、図1と同じ構成要素を示す。
【0028】同図に示されるように、本実施例では、図
1の熱分解部103を3つの熱分解室301、302、
303に分けている。それぞれの熱分解室には、熱分解
用熱風発生炉304、305、306が設けられてお
り、第1熱分解用熱風発生炉304は、第1熱分解室3
01内部の熱風の循環を行っており、以下同様に、第2
熱分解用熱風発生炉305は第2熱分解室302内部の
循環を、第3熱分解用熱風発生炉306は第3熱分解室
303内部の循環を行っている。
【0029】熱分解用傾斜管104は、これら第1〜第
3熱分解室を貫いて、斜め上方に傾斜するように設けら
れている。第1〜第3の熱分解室はそれぞれ異なる温度
に保たれており、第1熱分解室の温度が一番低く、第3
熱分解室の温度が一番高くなるように設定する。設定温
度の範囲は、前述したように高分子系廃棄物をガス化す
る温度を350゜C〜500゜Cと設定してあるので、
例えば、第1熱分解室の温度を350゜C程度、第3熱
分解室の温度を500゜Cとし、第2熱分解室の温度を
これらの温度の間の適当な温度に設定する。
【0030】このように熱分解用傾斜管104を温度の
異なる部屋を貫くように設けることによって、熱分解用
傾斜管104の場所により異なる温度に確実に設定でき
る。不図示のスクリューフィーダによって、熱分解用傾
斜管104内を搬送される高分子系廃棄物は、あるもの
は第1熱分解室301の部分でガス化され、ここで、ガ
ス化されずに残ったものの内、あるものは第2熱分解室
302でガス化される。第2熱分解室302でガス化さ
れないものは第3熱分解室303に送られ、ガス化され
る。第3熱分解室303でガス化されないもの、例え
ば、金属や無機物などはごみ排出用パイプ113を通っ
てごみ分離用水封タンク114に導かれ、ごみとして分
離される。
【0031】なお、同図においては、溶解槽用熱風発生
炉111や第1〜第3熱分解用熱風発生炉304〜30
6には図示していないが、熱風を発生するためにバーナ
やファン等が設けられているのは勿論である。
【0032】図4は、図3の実施例の熱分解炉の平面図
である。同図において、図2及び図3と同じ参照番号を
付された構成要素は、図2及び図3の構成要素と同じも
のである。
【0033】同図から明らかなように、第1〜第3熱分
解室301〜303には第1〜第3熱分解用熱風発生炉
304〜306で生成された熱風がそれぞれ第1〜第3
熱分解用熱風循環ブロワー401〜403を介して循環
される。第1〜第3熱分解室の温度は前述したように第
1熱分解室301が最も低く、第3熱分解室303がも
っとも高くなるように調整する。特に、第3熱分解室3
03の温度は、リサイクル対象である高分子系廃棄物が
充分にガス化する温度に設定する。
【0034】原料溶解槽102に蓄えられるペースト状
となった高分子系廃棄物は不図示のスクリューフィーダ
によって熱分解用傾斜管104内に導かれ第1〜第3熱
分解室301〜303を通過するに従い、次第に高い温
度に曝されるようになり、様々な材質を含んだ高分子系
廃棄物がガス化されていく。第3熱分解室303で分解
されない金属や無機物は自動的に分離され、高分子系廃
棄物がガス化したものだけが分解ガス集合管201に集
められ、熱分解ガス出口203から次の処理を行うため
の装置へと導かれていく。
【0035】図1および図2の実施例の場合には、熱分
解部103内部に生じる温度差を利用して熱分解用傾斜
管104に熱勾配を与えていた。これは、熱分解部10
3の上方に温度の高い空気が溜まり、下方に行くほど空
気の温度が低くなるという現象を利用したものである。
これに対し、図3及び図4の実施例の場合には、熱分解
部103を第1〜第3熱分解室301〜303に分け
て、それぞれを異なる温度にすることによって、熱分解
用傾斜管104に与えられる熱量を変化させ、温度勾配
を生成している。これによれば、図1及び図2よりも温
度の制御が簡単になり、確実に熱分解用傾斜管104に
温度勾配を生成することが可能になる。ただし、このた
めに、第1〜第3熱分解室301〜303のそれぞれに
第1〜第3熱分解用熱風発生炉304〜306および、
第1〜第3熱分解用熱風循環ブロワー401〜403を
設けて、それぞれ独自に熱風を循環させることが必要と
なるので、熱分解炉としては構成がやや複雑かつ大型化
する傾向がある。
【0036】なお、図3、4では熱分解室の数は3室と
したが、必ずしもこのように構成する必要はなく、温度
設定の仕方に合わせて必要な数の熱分解室を設ければよ
い。また、上述した実施の形態において、図2及び図4
に示すように、いずれも熱分解用傾斜管を4本配設して
いるが、熱分解用傾斜管の配設は4本に限ることなく適
宜の数で構成して良い。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、高分子系廃棄物のリサ
イクル処理を連続して行うことが出来ると共に、熱分解
炉に投入する高分子系廃棄物を前処理する必要もない。
【0038】更に、従来のような釜を用いて多段式に処
理を行うのではなく、ペースト状になった高分子系廃棄
物を温度勾配を付けられた熱分解用傾斜管内部をスクリ
ューフィーダによって搬送するだけなので、小型の熱分
解炉を形成することが出来る。
【0039】また、熱分解対象物以外の金属や無機物は
ガス化されないまま、ごみ排出用パイプによって分離さ
れるので、熱分解対象物以外のものを取り除く手間を省
くことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱分解炉の一実施例の側面図である。
【図2】本発明の図1の実施例の熱分解炉の平面図であ
る。
【図3】本発明の熱分解炉の他の実施例の側面図であ
る。
【図4】図3の実施例の熱分解炉の平面図である。
【図5】高分子系廃棄物のリサイクル過程の一例を示し
た図である。
【符号の説明】
101 原料投入口 102 原料溶解槽 103 熱分解部 104 熱分解用傾斜管 105 熱分解用熱風発生炉 106、110 ファン 107 熱分解用バーナ 108、204 溶解槽熱風循環用ブロワー 109 溶解槽用バーナ 111 溶解槽用熱風発生炉 112 溶解用熱風温度センサ 113 ごみ排出用パイプ 114 ごみ分離用水封タンク 115 スクリューフィーダ 201 分解ガス集合管 202 熱分解用熱風循環ブロワー 203 熱分解ガス出口 301 第1熱分解室 302 第2熱分解室 303 第3熱分解室 304 第1熱分解用熱風発生炉 305 第2熱分解用熱風発生炉 306 第3熱分解用熱風発生炉 401 第1熱分解用熱風循環ブロワー 402 第2熱分解用熱風循環ブロワー 403 第3熱分解用熱風循環ブロワー

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子系廃棄物のリサイクルに使用する熱
    分解炉において、 高分子系廃棄物が投入される原料溶解槽と、 前記原料溶解槽に投入された前記高分子系廃棄物を溶解
    するために、前記原料溶解槽を周囲から加熱するための
    第1の加熱手段と、 前記原料溶解槽の下部に第1の端が取り付けられ、第2
    の端が前記原料溶解槽の下部よりも上方に設けられた、
    溶解した前記高分子系廃棄物を導入する熱分解用傾斜管
    と、 前記熱分解用傾斜管の上方に設けられた前記第2の端の
    方が、前記原料溶解槽の下部に設けられた前記第1の端
    よりも高温となるように、前記熱分解用傾斜管内の溶解
    された前記高分子系廃棄物を熱分解するための熱を加え
    る第2の加熱手段と、 からなることを特徴とする熱分解炉。
  2. 【請求項2】前記熱分解用傾斜管の内部には、溶解した
    前記高分子系廃棄物を導入するためのスクリューフィー
    ダが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の
    熱分解炉。
  3. 【請求項3】前記熱分解用傾斜管には、熱分解されなか
    った物質をごみとして排出するごみ排出用パイプが設け
    られていることを特徴とする請求項1に記載の熱分解
    炉。
  4. 【請求項4】前記ごみ排出用パイプの一端は水の中に浸
    けられており、前記ごみ排出用パイプの前記一端から前
    記熱分解用傾斜管内に空気が入り込まないように構成さ
    れていることを特徴とする請求項3に記載の熱分解炉。
  5. 【請求項5】高分子系廃棄物のリサイクルに使用する熱
    分解炉において、 高分子系廃棄物が投入される原料溶解槽と、 前記原料溶解槽に投入された前記高分子系廃棄物を溶解
    するために、前記原料溶解槽を周囲から加熱するための
    第1の加熱手段と、 前記原料溶解槽の下部に第1の端が取り付けられ、第2
    の端が前記原料溶解槽の下部よりも上方に設けられた、
    溶解した前記高分子系廃棄物を導入する熱分解用傾斜管
    と、 前記熱分解用傾斜管は複数の部屋に分割された熱分解室
    に挿通して収納され、前記複数の部屋の温度が前記熱分
    解用傾斜管の第1の端から第2の端に行くに従い次第に
    温度が高くなるように調整され、前記熱分解用傾斜管内
    の溶解された前記高分子系廃棄物を熱分解するための熱
    を加える第2の加熱手段と、 からなることを特徴とする熱分解炉。
  6. 【請求項6】前記熱分解用傾斜管の内部には、溶解した
    前記高分子系廃棄物を導入するためのスクリューフィー
    ダが設けられていることを特徴とする請求項5に記載の
    熱分解炉。
  7. 【請求項7】前記熱分解用傾斜管には、熱分解されなか
    った物質をごみとして排出するごみ排出用パイプが設け
    られていることを特徴とする請求項5に記載の熱分解
    炉。
  8. 【請求項8】前記ごみ排出用パイプの一端は水の中に浸
    けられており、前記ごみ排出用パイプの前記一端から前
    記熱分解用傾斜管内に空気が入り込まないように構成さ
    れていることを特徴とする請求項7に記載の熱分解炉。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11315162A (ja) * 1998-03-02 1999-11-16 Toshiba Corp 熱処理方法、および熱処理装置
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JP2009167274A (ja) * 2008-01-15 2009-07-30 Kankyo Sozo:Kk 廃プラスチック油化還元装置
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