JP2958610B2 - プラスチックの熱分解装置 - Google Patents

プラスチックの熱分解装置

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JP2958610B2
JP2958610B2 JP28779394A JP28779394A JP2958610B2 JP 2958610 B2 JP2958610 B2 JP 2958610B2 JP 28779394 A JP28779394 A JP 28779394A JP 28779394 A JP28779394 A JP 28779394A JP 2958610 B2 JP2958610 B2 JP 2958610B2
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    • Y02W30/20Waste processing or separation

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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえば廃プラスチ
ックを溶融して熱分解させ、発生した熱分解ガスを冷
却、凝縮させ、熱分解油として回収する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物および一般廃棄物として排気
される廃プラスチックは、年間550万トンに達し、そ
の大部分は、瀬戸物やゴムなどの他のごみと一緒に埋立
て処理されるか、焼却処理されるのが一般的であった。
しかし、埋立てに関しては用地の確保の問題があり、廃
プラスチックを直接焼却する方式については、プラスチ
ックの燃焼発生熱量が高く炉が損傷しやすい、プラスチ
ックの融点が低く炉床に付着しやすい、燃焼時黒煙が発
生しやすい、クリンカーが発生しやすい、ダイオキシン
が発生しやすい等の種々の問題がある。
【0003】そこで、上記問題を解決するために、本発
明者は、先に、原料プラスチックを溶融させるとともに
熱分解させる熱分解反応器を備えており、種々のプラス
チックの混合物である廃プラスチックから油化に適しな
いポリ塩化ビニル類を除いて、残りのいわゆる高品位プ
ラスチック(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レンなど)を油化して再利用するプラスチックの熱分解
装置を提案した。
【0004】このプラスチックの熱分解装置は、図3に
示すように、バーナ(63)により加熱される加熱炉(61)内
に配置されかつプラスチック供給管(64)および撹拌機(6
5)を備えた熱分解反応器(62)と、熱分解反応器(62)内で
発生した熱分解ガスを軽質分に分解する改質塔(66)と、
改質塔(66)に通された分解ガスより重質油分を分離する
KOポット(67)と、重質油分が除かれた分解ガスを冷却
する凝縮器(68)と、凝縮器(68)において得られた軽質油
分の一部をバーナ(63)の燃料用に貯蔵する燃料タンク(6
9)と、残りの軽質油分を回収油タンクに送る回収油排出
管(70)と、未凝縮のオフガスを水洗する水洗塔(71)と、
オフガスタンク(72)と、オフガス焼却炉(73)と、熱分解
反応器(62)内の溶融液を定期的にあるいは随時に抜き出
すための溶融液抜出し手段(74)とを備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、プラスチッ
クの熱分解において、原料となるプラスチックは、通常
産業廃棄物としてプラスチック生産業者から排出された
ものや、分別ごみとして排出されたものが多い。これら
の原料プラスチックには、無機質分が多量に含まれてい
るものがある。例えば、自動車バンパーには、Si、M
gを主成分とし、Ca、Feを含む約10%の無機質が
含まれており、プラスチック製茶碗には、Caを主成分
とする約40%の無機質が含まれている。これらの無機
質を含むプラスチックを原料とすると、無機質が熱分解
反応器内に徐々に蓄積していく。そして、熱分解反応器
内の溶融液のスラリー濃度が40%を越えると、熱分解
反応器内の伝熱効率が極端に低下し、しかも熱分解反応
器の底にコーキングが発生するという問題が生じる。し
たがって、溶融液を定期的にあるいは随時に抜き出すこ
とが必要であり、抜き出した溶融液は別途焼却処理して
いた。
【0006】また、図3に示したプラスチックの熱分解
装置では、バーナの燃料として、回収油または灯油等を
使用しており、エネルギー回収効率から考えて非常に効
率の悪いプロセスであった。
【0007】この発明の目的は、上記の点に鑑み、伝熱
効率の低下およびコーキングの発生の原因となる熱分解
反応器内の溶融液を抜き出すとともに、抜き出した溶融
液を有効に利用することにより、エネルギー回収効率が
優れたプラスチックの熱分解装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明によるプラス
チックの熱分解装置は、プラスチックを溶融させるとと
もに熱分解させる熱分解反応器と、熱分解反応器で発生
した熱分解ガスを凝縮する凝縮器と、熱分解反応器内の
溶融液の一部を抜き出す溶融液抜出し手段と、抜き出さ
れた溶融液の貯留タンクと、貯留タンク内の溶融液を燃
焼させ燃焼ガスを熱分解反応器の加熱源として供給する
溶融液燃焼炉とを備えているプラスチックの熱分解装置
において、溶融液燃焼炉が、溶融液散布用ノズルと、ノ
ズルの下方に設けられた燃焼床と、燃焼床面に空気を供
給する空気ヘッダと、燃焼炉内加熱用バーナとを備えて
いることを特徴とするものである。
【0009】第2の発明によるプラスチックの熱分解装
置は、プラスチックを溶融させるとともに熱分解させる
熱分解反応器と、熱分解反応器内に設けられた溶融液撹
拌器と、熱分解反応器で発生した熱分解ガスを凝縮する
凝縮器と、熱分解反応器内の溶融液の一部を抜き出す溶
融液抜出し手段と、抜き出された溶融液の貯留タンク
と、貯留タンク内の溶融液を燃焼させ燃焼ガスを熱分解
反応器の加熱源として供給する溶融液燃焼炉とを備えて
いるプラスチックの熱分解装置において、溶融液撹拌器
の垂直回転軸が中空状にされるとともに、その下端が熱
分解反応器の底面の下方に凹んだ部分に臨まされてお
り、溶融液抜出し手段が、溶融液撹拌器の中空状垂直回
転軸内に配置された吸引管と、吸引管に接続されかつポ
ンプにより吸気されている吸引タンクとを備えているこ
とを特徴とするものである。
【0010】第1の発明において、溶融液抜出し手段
が、熱分解反応器の底部に配置された残渣物沈殿管と、
残渣物沈殿管に接続された溶融液抜出しポンプとを備え
ていることがある。
【0011】また、第1および第2の発明において、
縮器の未凝縮ガス分を燃焼炉内加熱用バーナの燃料とし
て供給するオフガス供給管を備えていることが好まし
い。
【0012】
【作用】第1の発明のプラスチックの熱分解装置によれ
ば、伝熱効率の低下およびコーキングの発生の原因とな
る溶融液が抜き出され、また、熱分解反応器の加熱源と
して、熱分解反応器内の溶融液が使用される。そして、
溶融液燃焼炉が、溶融液散布用ノズルと、ノズルの下方
に設けられた燃焼床と、燃焼床面に空気を供給する空気
ヘッダと、燃焼炉内加熱用バーナとを備えていることか
ら、溶融液中の無機物質が燃焼してできた灰が、燃焼床
面で捕捉されて回収できるので、無機物質が熱分解反応
器、加熱炉内および煙道に付着して、伝熱効率を低下さ
せる心配が全くない。
【0013】第2の発明のプラスチックの熱分解装置に
よれば、伝熱効率の低下およびコーキングの発生の原因
となる溶融液が抜き出され、また、熱分解反応器の加熱
源として、熱分解反応器内の溶融液が使用される。そし
て、溶融液撹拌器の垂直回転軸が中空状にされるととも
に、その下端が熱分解反応器の底面の下方に凹んだ部分
に臨まされており、溶融液抜出し手段が、溶融液撹拌器
の中空状垂直回転軸内に配置された吸引管と、吸引管に
接続されかつポンプにより吸気されている吸引タンクと
を備えていることから、溶融液中の金属、ガラス等の異
物残渣が溶融液撹拌器で中心に集められ、この中心から
溶融液が抜き出されるので、抜き出された溶融液中に
は、異物残渣が多く含まれ、熱分解反応器内には、異物
含有量の少ない溶融液が保持される。
【0014】
【実施例】以下、この発明の実施例を、図面を参照して
説明する。
【0015】図1はこの発明によるプラスチックの熱分
解装置を示す。
【0016】図1において、プラスチックの熱分解装置
は、廃プラスチック(36)を溶融させるとともに熱分解さ
せる熱分解反応器(3) と、熱分解反応器(3) 内から抜き
出された溶融液を燃焼させて熱分解反応器(3) の加熱源
とする溶融液燃焼炉(23)とを備えている。
【0017】熱分解反応器(3) は、加熱炉(1) 内に配置
されており、加熱炉(1) には、溶融液燃焼炉(23)内の燃
焼ガスの煙道(24)が接続されるとともに、スタート時の
加熱用等に使用されるオフガスバーナ(2) が設けられて
いる。熱分解反応器(3) の底面は中央部で下方に凹んだ
凹球面状となっている。熱分解反応器(3) には、原料の
廃プラスチック(36)を供給する原料ホッパ(8) と、熱分
解ガスの排出管(4) とが設けられている。排出管(4)
は、改質塔(11)に接続されている。改質塔(11)には、熱
分解ガスをさらに低炭素鎖の炭化水素に分解する触媒層
(10)が設けられている。熱分解反応器(3) の加熱用とし
て使用された燃焼排ガスは改質塔(11)の煙突(12)より廃
棄される。改質塔(11)は、KOポット(13)を介して凝縮
器(14)に接続されている。KOポット(13)を経て凝縮器
(14)内に導入された分解ガスは冷却されて凝縮し、凝縮
分すなわち高品位の回収油は、回収油移送ポンプ(15)に
より、回収油タンク(16)に送られてここに貯蔵される。
一方、凝縮器(14)内において凝縮されなかった未凝縮ガ
スは、オフガスタンク(17)に送られ、さらに、バーナ(1
8)を備えたオフガス焼却炉(19)に送られて、ここで焼却
される。
【0018】撹拌機(5) は、熱分解反応器(3) の蓋を貫
通した中空状の垂直回転軸(6) を備えており、垂直回転
軸(6) は、図示省略したが、歯車を介して駆動モータに
連結されている。図1に示すように、垂直回転軸(6) の
下端は、熱分解反応器(3) の底面の中央部の下方に凹ん
だ部分に臨まされている。
【0019】垂直回転軸(6) 内に吸引管(7) が配置され
ている。吸引管(7) の上端部は垂直回転軸(6) の上端よ
りも上方に伸びており、吸引管(7) の下端は垂直回転軸
(6)の下端とほぼ同一高さ位置にある。吸引管(7) は、
導管(32)を介して吸引タンク(20)に接続されている。吸
引タンク(20)内は図示省略したポンプにより吸気されて
いる。そして、吸引管(7) 、導管(32)および吸引タンク
(20)により溶融液抜出し用手段(31)が構成され、これに
より、熱分解反応器(3) の底面中央部の溶融液(37)が抜
き出される。
【0020】吸引タンク(20)は溶融液貯留タンク(21)に
接続されている。溶融液貯留タンク(21)は温度が低下し
ないように電気ヒータ等で強制保温されている。溶融液
貯留タンク(21)内の溶融液は、ポンプ(22)により溶融液
燃焼炉(23)に送られる。溶融液貯留タンク(21)から溶融
液燃焼炉(23)に至る導管の途中にはフィルタ(30)が設け
られており、溶融液(37)中に蓄積された金属、ガラス等
の異物がここで除去される。
【0021】溶融液燃焼炉(23)は、溶融液散布用ノズル
(25)と、ノズル(25)の下方に設けられた燃焼床(26)と、
燃焼床(26)面に空気を供給する空気ヘッダ(27)と、燃焼
床(26)下方に設けられた燃焼灰排出装置(28)と、燃焼炉
内加熱用バーナ(29)とを備えている。
【0022】このような構成において、廃プラスチック
(36)は、一対のボール弁(9) を交互に作動させることに
より、ホッパー(8) より熱分解反応器(3) に供給され
る。このプラスチック(36)は、溶融液燃焼炉(23)の燃焼
熱により加熱、溶融され、溶融液(37)となる。ここで、
反応を促進するために、熱分解反応器(3) 内の溶融液(3
7)を撹拌器(5) により撹拌する。例えばポリプロピレン
系プラスチックでは、390〜400℃に加熱された溶
融液(37)と撹拌器とによって均一に混合され、分解蒸発
する。このとき発生する熱分解ガスは炭素数1〜40の
炭化水素ガスを主成分とするものであり、排出管(4) を
通って改質塔(11)に送られ、ここで触媒層(10)によって
さらに低炭素鎖の炭化水素に分解され、分解ガス送り管
(34)によりKOポット(13)に送られる。KOポット(13)
では、重質油分が分離され、この重質油分は重質油戻し
管(35)により熱分解反応器(3) に戻される。重質油分が
除かれた分解ガスは、凝縮器(14)に送られここで冷却さ
れて凝縮させられ、軽質油として回収される。回収油は
回収油移送ポンプ(15)で回収油タンク(16)に送られる。
凝縮器(14)において凝縮できなかった未凝縮ガス分は、
平均分子量32のプロピレン系可燃オフガスで、オフガ
スタンク(17)に貯留される。オフガスタンク(17)には、
未凝縮ガス分を燃焼炉内加熱用バーナ(29)の燃料として
供給するためのオフガス供給管(33)が設けられており、
オフガスの循環利用が図られている。このオフガス供給
管(33)は、熱分解反応器(3) の加熱炉(1) に付属の追焚
きバーナ(2) にも接続されている。燃焼炉内加熱用バー
ナ(29)および加熱炉(1) の追焚きバーナ(2) によって燃
焼し切れない過剰オフガス分は、オフガス焼却炉(19)付
属のバーナ(18)によって焼却処分される。
【0023】一方、廃プラスチック(36)には、通常2〜
4%の無機質添加剤が含有されているので、熱分解反応
器(3) 中の溶融液(37)中には、この無機物質が次第に蓄
積されていく。そのため、溶融液(37)の粘度上昇による
伝熱効率の低下およびこれに起因する油化分解率の低下
が起こり、さらにこれが進むと熱分解反応器(3) の底に
コーキングが発生し、油化効率が極端に落ちるという問
題が生じる。これを防止するには、この溶融液(37)の一
定割合の抜出しが必要であり、この装置においては、溶
融液撹拌器(5) の中空状垂直回転軸(6) 内に配置された
吸引管(7) と、吸引管(7) に接続された吸引タンク(20)
とにより、熱分解反応器(3) 内の溶融液(37)が抜き出さ
れている。抜き出された溶融液は、貯留タンク(21)に一
旦貯えられて、溶融液燃焼炉(23)の燃料として有効利用
される。
【0024】溶融液燃焼炉(23)は、未凝縮ガス分を燃料
とするバーナ(29)により強制加熱されているので、高温
雰囲気中にあり、溶融液ノズル(25)より溶融液を燃焼床
(26)上に均一に散布するとともに、空気ヘッダ(27)より
空気を燃焼床(26)面より均一に供給することにより、円
滑に溶融液を焼却できる。このとき無機質分は灰分とな
り、排出装置(28)より炉(23)外へ無害化排出される。一
方溶融液が燃焼して生じた燃焼ガスは、煙道(24)により
熱分解反応器(3) の加熱炉(1) に炉へ送られ、プラスチ
ック(36)の溶融および熱分解のための加熱源となる。熱
分解反応器(3)の加熱炉(1) は、溶融液燃焼炉(23)の2
次燃焼室となり、ここでカーボン、CO等が再燃焼され
ることになり、燃焼効率が極めて高いものとなる。
【0025】以上のように本発明によるプラスチックの
熱分解装置では、溶融液および未凝縮ガス分という自己
燃料による熱分解方式であり、エネルギー回収率の高い
ものである。
【0026】表1に、ポリプロピレン系の廃プラスチッ
クの油化および溶融液燃焼熱回収時の物質収支および熱
収支を示す。
【0027】
【表1】 表1よりわかるように、廃プラスチック処理量は、1ト
ン/hで、回収油は廃プラスチック投入量の65%、排
気オフガスは投入量の4%で、非常に回収効率の良い収
支となっている。なお、排出灰は投入量の7.5%(7
5kg/h)で、白色さらさらの灰であった。表1にお
いて、燃焼Ig-loss (イグ−ロス)残とは、試料を磁性
のルツボに入れて600〜800℃の電気炉内にて、酸
化雰囲気で加熱燃焼させ、このときの燃焼残量(ほとん
どが無機質の灰分)の重量%をいうものであり、投入プ
ラスチック中の灰分は、800℃電気炉内での燃焼Ig-l
oss 残分析値が7.5%であり、この灰分量を差し引い
たプラスチック量に換算すると、純プラスチック投入量
は925kg、油回収量は投入量の70%になることが
分かる。所要熱量は、溶融液の発熱量175kg/h
と、有効利用されるオフガスの発熱量60kg/hとに
よってまかなわれ、熱収支概算は、投入廃プラスチック
量のわずか4%で、他のオフガスおよび抜出し溶融液は
すべて自己加熱のために消費するので、エネルギーの回
収効率が高いプロセスであるといえる。
【0028】また、溶融液は、熱分解反応器中で廃プラ
スチックが分解し、ガソリン、灯油、経由相当分が抽出
された後の残渣であり、さらに発熱量は、スラリー濃度
が30〜40%の溶融液で、5000〜6000kca
l/kgと低く、処理前の廃プラスチック発熱量約10
000kcal/kgに比べて約半分に低下している。
そして、この溶融液は、スラリー粘度100〜250c
pの比較的安定した液状物である。このことから、通常
の液体噴霧燃焼方式による噴霧燃焼が可能で、発熱量も
低いことから、溶融液燃焼炉の損傷もなく、燃焼過程に
おける局部酸素不足による黒煙発生が比較的少ない。
【0029】したがって、従来の直接廃プラスチックを
燃焼させる方式に比べて、黒煙の発生が抑えられる、噴
霧液滴燃焼が可能である、炉内局部高温部の発生がな
く、炉の損傷やシンタリングおよびクリンカーの発生が
ない等の特徴を有している。
【0030】また、熱分解反応器内の溶融液中には、廃
プラスチック未分解物、発生コーク(カーボン)および
無機物質が含まれており、そのままでは無害化投棄が難
しいが、溶融液燃焼炉内で発生する灰は、タルク(S
i、Mg)、石灰(Ca)その他Fe等で、無害化投棄
が可能である。
【0031】なお、図1に示した溶融液燃焼炉(23)は、
いわゆる溶融液散布床燃焼方式のもので、溶融液中の無
機物質が燃焼してできた灰が、燃焼床(26)面で捕捉され
て回収できるので、無機物質が熱分解反応器(3) 、加熱
炉(1) 内および煙道(24)に付着して、伝熱効率を低下さ
せる心配が全くない。ただし、溶融液散布床燃焼方式の
溶融液燃焼炉の代わりに、公知の噴霧燃焼方式の溶融液
燃焼炉を使用しても勿論よい。
【0032】図2に、熱分解反応器(3) 内の溶融液を抜
出す溶融液抜出し手段(41)の他の実施例を示す。この実
施例の溶融液抜出し手段(41)は、熱分解反応器(3) の底
面中央部に配置され加熱炉(1) の底壁を貫通して下方に
のびる残渣物沈殿管(42)と、残渣物沈殿管(42)に接続さ
れた溶融液抜出しポンプ(43)とを備えている。加熱炉
(1) の底壁には、残渣物沈殿管(42)の周りを取り囲む筒
状突出部(44)が設けられており、残渣物沈殿管(42)の均
一加熱が図られている。残渣物沈殿管(42)を介して抜き
出された溶融液は、溶融液燃焼炉(23)の燃料として使用
するために溶融液貯留タンク(21)に送られるが、一部
は、熱分解反応器(3) に戻される。
【0033】
【発明の効果】第1の発明のプラスチックの熱分解装置
によれば、溶融液中の無機物質が燃焼してできた灰が、
燃焼床面で捕捉されて回収できるので、無機物質が熱分
解反応器、加熱炉内および煙道に付着して、伝熱効率を
低下させる心配が全くない。
【0034】また、第2の発明のプラスチックの熱分解
装置によれば、伝熱効率の低下およびコーキングの発生
の原因となる溶融液が抜き出されるとともに、抜き出さ
れた溶融液中には、異物残渣が多く含まれ、熱分解反応
器内には、異物含有量の少ない溶融液が保持されるの
で、長時間の連続運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の熱分解装置を示すフロー図
で、要部を垂直断面図で示している。
【図2】この発明の実施例の熱分解装置の変形例を示す
垂直断面図である。
【図3】従来の熱分解装置を示すフロー図である。
【符号の説明】
(3) 熱分解反応器 (5) 撹拌器 (7) 吸引管 (14) 凝縮器 (20) 吸引タンク (21) 燃焼用溶融液貯留タンク (23) 溶融液燃焼炉 (25) 溶融液散布用ノズル (26) 燃焼床 (27) 空気ヘッダ (29) 燃焼炉内加熱用バーナ (31) 溶融液抜出し手 (4 1) 溶融液抜出し手段 (42) 残渣物沈殿管 (43) 溶融液抜出しポンプ
フロントページの続き (72)発明者 長井 健一 大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日 立造船株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−206058(JP,A) 特開 平6−116567(JP,A) 実開 昭52−156769(JP,U) 特公 昭56−22688(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10G 1/10 C10J 3/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック(36)を溶融させるとともに
    熱分解させる熱分解反応器(3) と、熱分解反応器(3) で
    発生した熱分解ガスを凝縮する凝縮器(14)と、熱分解反
    応器(3) 内の溶融液(37)の一部を抜き出す溶融液抜出し
    手段(31)(41)と、抜き出された溶融液の貯留タンク(21)
    と、貯留タンク(21)内の溶融液を燃焼させ燃焼ガスを熱
    分解反応器(3) の加熱源として供給する溶融液燃焼炉(2
    3)とを備えているプラスチックの熱分解装置において、
    溶融液燃焼炉(23)が、溶融液散布用ノズル(25)と、ノズ
    ル(25)の下方に設けられた燃焼床(26)と、燃焼床(26)面
    に空気を供給する空気ヘッダ(27)と、燃焼炉内加熱用バ
    ーナ(29)とを備えていることを特徴とするプラスチック
    の熱分解装置。
  2. 【請求項2】 プラスチック(36)を溶融させるとともに
    熱分解させる熱分解反応器(3) と、熱分解反応器(3) 内
    に設けられた溶融液撹拌器(5) と、熱分解反応器(3) で
    発生した熱分解ガスを凝縮する凝縮器(14)と、熱分解反
    応器(3) 内の溶融液(37)の一部を抜き出す溶融液抜出し
    手段(31)と、抜き出された溶融液の貯留タンク(21)と、
    貯留タンク(21)内の溶融液を燃焼させ燃焼ガスを熱分解
    反応器(3) の加熱源として供給する溶融液燃焼炉(23)と
    を備えているプラスチックの熱分解装置において、溶融
    液撹拌器(5) の垂直回転軸(6) が中空状にされるととも
    に、その下端が熱分解反応器(3) の底面の下方に凹んだ
    部分に臨まされており、溶融液抜出し手段(31)が、溶融
    液撹拌器(5) の中空状垂直回転軸(6) 内に配置された吸
    引管(7) と、吸引管(7) に接続されかつポンプにより吸
    気されている吸引タンク(20)とを備えていることを特徴
    とするプラスチックの熱分解装置。
  3. 【請求項3】 溶融液抜出し手段(41)が、熱分解反応器
    (3) の底部に配置された残渣物沈殿管(42)と、残渣物沈
    殿管(42)に接続された溶融液抜出しポンプ(43)とを備え
    ていることを特徴とする請求項1記載のプラスチックの
    熱分解装置。
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