JPH10178695A - 音響再生装置 - Google Patents

音響再生装置

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JPH10178695A
JPH10178695A JP9171217A JP17121797A JPH10178695A JP H10178695 A JPH10178695 A JP H10178695A JP 9171217 A JP9171217 A JP 9171217A JP 17121797 A JP17121797 A JP 17121797A JP H10178695 A JPH10178695 A JP H10178695A
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noise
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敦信 村瀬
Kazuhiro Nakamura
一啓 中村
Kazuhiro Iida
一博 飯田
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    • H03G3/32Automatic control in amplifiers having semiconductor devices the control being dependent upon ambient noise level or sound level

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  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
  • Control Of Amplification And Gain Control (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】騒音特性が時々刻々に変化してもソース信号を
常に騒音がないときと同じ大きさ及び音色で聴こえるよ
う再生する音響再生装置を提供すること。 【解決手段】周波数帯域毎に騒音信号の信号レベルを算
出する騒音分析手段102と、周波数帯域毎にソース信
号レベルを算出するソース信号分析手段104と、周波
数帯域毎の騒音信号レベルとソース信号レベルからマス
キング量を算出するマスキング量算出手段105と、マ
スキング量に応じてソース信号に対する補償量を設定す
る補償量設定手段106と、設定された補償量に従いソ
ース信号の周波数特性を制御する周波数特性制御手段1
07とからなり、周波数帯域毎に騒音によるマスキング
量を算出し、該マスキング量を補償するようソース信号
の周波数特性を変更してソース信号を無騒音時と同様に
再生することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、騒音による音楽の
マスキング量を算出し、それを補償量としてソース信号
の周波数特性を制御する等に利用する音響再生装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、騒音による再生音のマスキングを
補償する音響再生装置としては、特開平4−10820
7に開示されている。更に、図4及び図5には従来の騒
音によるマスキングを補償してオーディオ信号を再生す
る手段を示す。すなわち、図4は従来の騒音によるマス
キングを補償する車載用音響再生装置の構成を示すブロ
ック図、図5は図4に示す補償量設定手段による周波数
特性補償量の設定例を示すグラフ図である。
【0003】以下、図4を参照して、従来の騒音による
マスキングを補償する車載用音響再生装置の構成を説明
する。図4において、401は車室内に設置されたマイ
ク、センサ等の出力に接続され、マイク、センサ等で検
出され電気信号等に変換された騒音信号を入力する騒音
信号入力端子、402は騒音信号入力端子401に接続
され、騒音レベルを算出する騒音分析手段である。
【0004】また、403は騒音分析手段402に接続
され、マスキング量に応じてソース信号に対する信号レ
ベルの補償量を設定する補償量設定手段、404はCD
プレーヤ、カセットデッキ、チューナ等からオーディオ
信号を入力するソース信号入力端子、405はソース信
号入力端子404および補償量設定手段403に接続さ
れソース信号の周波数特性を補償する周波数特性制御手
段、406は出力レベルを増幅する増幅器、407は音
声を再生するスピーカである。
【0005】次に、図4及び図5を参照して、従来の騒
音によるマスキングを補償する車載用音響再生装置の動
作について説明する。図4において、車室内で検出され
た騒音信号が騒音信号入力端子401に入力されると、
騒音分析手段402により騒音信号の騒音レベルが検出
され、補償量設定手段403に通知される。補償量設定
手段403は、騒音分析手段402からの通知によりソ
ース信号に対する補償量を設定して周波数特性制御手段
405に通知する。
【0006】一方、ソース信号入力端子404から入力
されたソース信号(オーディオ信号)は、周波数特性制
御手段405によりその信号レベルの周波数特性が補償
され、増幅器406で適切なレベルに増幅されてスピー
カ407から再生される。ここで、ソース信号入力端子
404にはユーザにより音量を調整した後のソース信号
が入力されるものとする。次に、補償量設定手段403
におけるソース信号の補償量について述べる。
【0007】図5は、補償量設定手段403による各騒
音レベル(この例では、90dB、75dB、70d
B)に対するソース信号の周波数特性補償量の設定例で
ある。この周波数特性は、アイドリング状態(例えば、
70dB)、中速走行状態(例えば、75dB)、高速
走行状態(例えば、90dB)の平均的な騒音特性(騒
音レベルの周波数特性)をもとに各周波数におけるソー
ス信号の増幅レベル(図5の縦軸)、すなわち、補償量
を算出するものである。そして、検出された騒音レベル
から、あらかじめ算出された補償量を選択し、補償量を
設定する。
【0008】このように、上記従来の車載用音響再生装
置においても、騒音信号を分析して、各周波数について
騒音レベルに応じた補償特性をオーディオ信号に施すこ
とができた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、騒音特
性は、例えば、車室内においては走行速度及び路面状態
等により騒音レベルとともに騒音の周波数特性も時々刻
々と変化する。騒音の周波数特性が異なれば、騒音によ
るソース信号に対するマスキング量の周波数特性も異な
るため、ソース信号の補償特性も周波数特性の異なるも
のを設定するべきであるが、上記従来の車載用音響再生
装置においては、騒音レベルのみを補償量設定のパラメ
ータとしており、異なる周波数特性をもった騒音でも、
騒音レベルが等しければ周波数特性の相違に関係なく、
同じ補償特性が設定されてしまうという問題があった。
【0010】また、上記従来の車載用音響再生装置のよ
うに、騒音レベルのみを補償量設定のパラメータとした
場合、ソース信号は、騒音が存在しない場合には、その
音量及び周波数特性が異なっても、マスキング量は常に
同一とされることになるのであるが、実際には、マスキ
ング量はソース信号のレベルおよび周波数特性によって
も異なるため、いつでも騒音が存在しないときと同じ大
きさ、音色で聴こえるわけではないという問題があっ
た。
【0011】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたもので、騒音信号とソース信号とをそれぞれ
周波数分析し、周波数帯域ごとに騒音によるソース信号
に対するマスキング量を算出して補償特性を設定するこ
とにより、騒音特性が時々刻々に変化しても、ソース信
号を常に騒音がないときと同じ大きさ及び音色で聴こえ
るよう再生する優れた音響再生装置を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による音響再生装
置は、少なくとも、周波数帯域毎に騒音信号の信号レベ
ルを算出する騒音分析手段と、周波数帯域毎にソース信
号レベルを算出するソース信号分析手段と、周波数帯域
毎の騒音信号レベルとソース信号レベルからマスキング
量を算出するマスキング量算出手段と、マスキング量に
応じてソース信号レベルの補償量を設定する補償量設定
手段と、設定された補償量に従いソース信号の周波数特
性を調整する周波数特性制御手段とを備え、周波数帯域
ごとの騒音及びソース信号のレベルを分析し、周波数帯
域ごとに騒音によるソース信号に対するマスキング量を
算出して、周波数帯域ごとにマスキングを補償する補償
特性を設定するようにしたものである。
【0013】本発明によれば、騒音特性が時々刻々に変
化しても、ソース信号を常に騒音がないときと同じ大き
さ及び音色で聴こえるように再生する音響再生装置が得
られる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、周波数帯域毎に騒音信号の信号レベルを算出する騒
音分析手段と、周波数帯域毎にソース信号の信号レベル
を算出するソース信号分析手段と、周波数帯域毎の騒音
信号レベルとソース信号レベルからマスキング量を算出
するマスキング量算出手段と、マスキング量に応じてソ
ース信号レベルの補償量を設定する補償量設定手段と、
前記設定された補償量に従いソース信号の周波数特性を
制御する周波数特性制御手段とからなり、周波数帯域毎
に騒音によるソース信号のマスキング量を算出し、該マ
スキング量を補償するようソース信号の周波数特性を変
更して再生するようにしたものであり、ソース信号を常
に騒音がないときと同じ大きさ及び音色で聴こえるよう
に再生することができるという作用を有する。
【0015】また、請求項2に記載の発明は、前記マス
キング量算出手段において、騒音信号レベルとソース信
号レベルの差の関数で表される近似式を用いてマスキン
グ量を算出するようにしたものであり、複雑な演算をす
ることなく、騒音レベルとソース信号レベルとからマス
キング量を算出することができるため、小規模なシステ
ムでソース信号を常に騒音がないときと同じ大きさ及び
音色で聴こえるように再生することができるという作用
を有する。また、請求項3に記載の発明は、前記マスキ
ング量算出手段において、2次の近似式を用い、騒音信
号レベルとソース信号レベルの差からマスキング量を算
出するようにしたものであり、複雑な演算をすることな
く、騒音レベルとソース信号レベルとからマスキング量
を算出することができるため、小規模なシステムでソー
ス信号を常に騒音がないときと同じ大きさ及び音色で聴
こえるように再生することができるという作用を有す
る。
【0016】また、請求項4に記載の発明は、更に、音
量制御手段を設け、周波数帯域毎のマスキング量を各周
波数帯域共通の補償量(音量の補償量)と各周波数帯域
に共通でない補償量とに分割し、前記周波数特性制御手
段及び音量制御手段において、前記分割した補償量に従
い、ソース信号の音量及び周波数特性を変更して再生す
るようにしたものであり、簡単な演算手段による小規模
なシステムで、ソース信号を常に騒音がないときと同じ
大きさ及び音色で聴こえるように再生することができる
という作用を有する。
【0017】また、請求項5に記載の発明は、更に、補
償量更新手段を設け、マスキング量の変化が微小変動の
場合は補償量を更新せず、微小変動でない場合はマスキ
ング量を目標値として補償量を分割し該分割した補償量
づつ更新するようにしたものであり、違和感なく補償量
を変化させてソース信号を補償することができるという
作用を有する。
【0018】また、請求項6に記載の発明は、前記補償
量更新手段において、マスキング量の上昇時と下降時と
では、異なる補償量更新の時定数を有し、更新する量を
異なるようにしたものであり、マスキング量の変化に素
早く追従するために時間分解能を上げても、路面の継ぎ
目等を走行した際に発生する突発的なマスキング量の変
動には追従しないため、違和感なく補償量を変化させて
ソース信号を補償することができるという作用を有す
る。また、請求項7に記載の発明は、前記補償量更新手
段において、マスキング量の上昇時と下降時とでは、下
降時の補償量更新の時定数を上昇時の時定数より小さく
するようにしたものであり、マスキング量の上昇時には
突発的なマスキング量の変動に追従しないようにしたの
に対し、違和感が目立ちやすいマスキング量の下降時に
は素早く補償量を更新するため、違和感なく補償量を変
化させてソース信号を補償することができるという作用
を有する。また、請求項8に記載の発明は、前記補償量
更新手段において、マスキング量の上昇時と下降時とで
は、下降時の補償量更新の更新量を上昇時の更新量より
大きくするようにしたものであり、違和感が目立ちやす
いマスキング量の下降時には少ない更新回数で補償量を
更新することができるため、違和感なく補償量を変化さ
せてソース信号を補償することができるという作用を有
する。また、請求項9に記載の発明は、前記騒音を車室
内における走行騒音とし、車室内で使用するようにした
ものであり、走行速度や路面状態による騒音特性の変化
に追従して、ソース信号を常に騒音がないときと同じ大
きさ及び音色で聴こえるように再生することができると
いう作用を有する。
【0019】以下、添付図面、図1乃至図3及び図6乃
至図9に基づき、本発明の実施の形態を詳細に説明す
る。図1は本発明の第1の実施の形態における騒音によ
るマスキングを補償する音響再生装置の構成を示すブロ
ック図、図2は本発明の第2の実施の形態における騒音
によるマスキングを補償する音響再生装置の構成を示す
ブロック図、図3は本発明の第3の実施の形態における
騒音によるマスキングを補償する音響再生装置の構成を
示すブロック図、図6は本発明の実施の形態においてマ
スキング量を求めるための試聴試験結果の例を示すグラ
フ図、図7は本発明の第2の実施の形態における補償量
設定の説明のためのマスキング量の特性例を示すグラフ
図、図8は本発明の第2の実施の形態における補償量設
定の説明のための補償特性の特性例を示すグラフ図、図
9は本発明の第3の実施の形態における補償量更新処理
の動作手順を示すフローチャートである。
【0020】(実施の形態1)まず、図1を参照して、
本発明の第1の実施の形態における音響再生装置の構成
を詳細に説明する。尚、以下の説明では、車室内で実施
した場合を例として説明する。図1において、101は
車室内に設置されたマイク、センサ等の出力に接続さ
れ、マイク、センサ等で検出され電気信号等に変換され
た騒音信号を入力する騒音信号入力端子、102は騒音
信号入力端子101に接続され、騒音信号の周波数帯域
ごとの騒音信号レベルを算出する騒音分析手段である。
【0021】また、103はCDプレーヤ、カセットデ
ッキ、チューナ等からオーディオ信号を入力するソース
信号入力端子、104はソース信号入力端子103に接
続され、ソース信号の周波数帯域毎のソース信号レベル
を算出するソース信号分析手段、105は騒音分析手段
102及びソース信号分析手段104の出力に接続さ
れ、周波数帯域毎の騒音信号レベルとソース信号レベル
からマスキング量を算出するマスキング量算出手段であ
る。
【0022】また、106はマスキング量算出手段10
5の出力に接続され、マスキング量に応じてソース信号
レベルの補償量を設定する補償量設定手段、107はソ
ース信号入力端子103および補償量設定手段106に
接続され、設定された補償量に従いソース信号の周波数
特性を制御(補償量に従いソース信号を増幅)する周波
数特性制御手段、108は周波数特性制御手段107か
らのオーディオ信号を適切なレベルに増幅する増幅器、
109は音声を再生するスピーカである。
【0023】尚、騒音分析手段102、ソース信号分析
手段104、マスキング量算出手段105、補償量設定
手段106、周波数特性制御手段107はあらかじめ定
められた周波数帯域毎に処理を行うものであるが、以下
の説明では、いずれも臨界帯域(聴感上、その帯域内で
は信号のパワーが加算され、また個々の信号が識別でき
ないとされる周波数帯域)毎に処理するものとする。
【0024】次に、図1及び図6を参照して、上記のよ
うに構成された本発明の第1の実施の形態における音響
再生装置の動作を詳細に説明する。まず、騒音信号入力
端子101から入力された騒音信号は、騒音分析手段1
02における振幅周波数特性の分析により臨界帯域毎の
騒音レベルが算出され、マスキング量算出手段105に
通知される。ソース信号入力端子103には、CDプレ
ーヤ、カセットテープ、ラジオ等のオーディオソース信
号が入力され、ソース信号分析手段104と周波数特性
制御手段107とに送られる。ここで、ソース信号入力
端子103にはユーザにより音量が調整された後のソー
ス信号が入力されるものとして説明する。
【0025】ソース信号分析手段104に送られたソー
ス信号は振幅周波数特性の分析により臨界帯域毎のソー
ス信号レベルが算出され、マスキング量算出手段105
に通知される。騒音分析手段102およびソース信号分
析手段104は、それぞれ数10ミリ秒から数秒の時間
間隔で各帯域のレベルを算出する。また、分析は、FF
T(高速フーリェ変換)により周波数振幅特性を求めた
のち、帯域ごとに周波数要素(周波数に応じて変化する
レベル要素)を加算してパワーを計算するか、あるい
は、所望の帯域幅を通過帯域とするBPF(帯域通過フ
ィルタ)を通過させた後、出力信号のパワーを計算する
ことによっても実現することができる。
【0026】マスキング量算出手段105は騒音分析手
段102およびソース信号分析手段104の通知によ
り、同じ帯域の騒音レベルとソース信号レベルからその
帯域におけるマスキング量を算出し、補償量設定手段1
06に通知する。補償量設定手段106はマスキング量
算出手段105の通知をもとに、ソース信号の周波数特
性を制御するためのイコライザゲインを設定し、周波数
特性制御手段107に通知する。
【0027】周波数特性制御手段107は、補償量設定
手段106の通知により設定されたイコライザゲインに
なるようソース信号入力端子103から送られたソース
信号の周波数特性を調整する。周波数特性制御手段10
7により周波数特性が調整されたソース信号は増幅器1
08で適切なレベルに増幅された後、スピーカ109か
ら車室内に再生される。
【0028】ここで、周波数特性制御手段107におけ
る周波数特性の調整または変更を実現する方法について
例をあげて説明する。まず、ソース信号をある時間間隔
で切り出し、FFTにより周波数特性に変換後、補償量
設定手段106で設定された補償量に従って振幅特性の
重み付けをする。すなわち、補償量に応じて周波数帯域
毎にソース信号の振幅を増幅する。再び、逆FFTによ
り時間特性に変換して、前後のブロックと滑らかに接続
することにより周波数特性の調整を行なう。あるいはI
IRフィルタ、FIRフィルタを多段備えたものにソー
ス信号を入力し、設定された補償量によってフィルタ係
数を切り替えるようにしても、周波数特性の調整を実現
することができる。
【0029】次にマスキング量算出手段105における
マスキング量算出方法について説明する。騒音による音
声信号の感覚的な大きさ(知覚的な大きさ)の変容とし
て、文献“聴覚ハンドブック”、難波精一郎編、ナカニ
シヤ出版(1984)に示されているように、〔数1〕
の予測式が知られている。また、騒音がない場合の音声
信号の感覚的な大きさの予測式は〔数2〕である。〔数
1〕及び〔数2〕は以下に示す。
【0030】
【数1】
【0031】
【数2】
【0032】〔数1〕および〔数2〕において、Smは
マスキングを受けた純音(単一周波数音)のラウドネス
(音の大きさ)、Sは無騒音時のラウドネス、Sthはマ
スキングによる最小可聴値相当のラウドネス、Iは純音
の強さ、Ioはマスキングレベルにより上昇した可聴閾
値相当の音の強さ、Kは測定系による係数、αは周波数
により異なる値をとる定数で、1kHzでは、α≒0.3
である。
【0033】これは、無騒音時にSの大きさで知覚され
ていた音が、騒音により最小可聴値相当のラウドネスが
Sth(可聴閾値相当の音の強さがIo)となったとき
に、Smの大きさで知覚されることを表している。これ
を無騒音時のSに等しい大きさにするためには、〔数
1〕ではIの強さで呈示していた音を〔数3〕のI´の
強さで呈示するようにすればよい。ここで、純音の強さ
IからI´に増幅する量I´/Iをマスキング量とする
と、それは〔数4〕で表される。すなわち、騒音レベル
からIoを算出し、ソース信号レベルをIとしてマスキ
ング量を求めればよいことが分かる。〔数3〕及び〔数
4〕は以下に示す。
【0034】
【数3】
【0035】
【数4】
【0036】〔数4〕による演算は、騒音レベルからの
可聴閾値相当の音の強さIoの算出と、べき数演算があ
るために演算量が多くなる。それを回避するため、騒音
レベルとソース信号レベルから直接マスキング量を求め
る方法がある。
【0037】以下、図6を参照して、直接マスキング量
を求める方法について説明する。図6は、文献 B.Sharf
の“Fundamentals of auditory masking”,Audiology
(10,30-40 (1971))に示されている、1kHzを中心
周波数とする臨界帯域雑音(狭帯域雑音)による1kH
z純音の各ラウドネスレベル毎にマスキング量を求めた
試聴試験結果(オーディオマスキング量の心理実験結
果)を示すグラフ図である。すなわち、図6は狭帯域雑
音によってマスクされた1kHz純音の各ラウドネスレ
ベル毎の雑音レベルの変化に対するマスキング量を表
す。
【0038】図6において、横軸は雑音のレベル(マス
キングノイズの音圧レベル)を、縦軸はマスキング量を
表しており、雑音レベルと純音のラウドネスレベルを変
化させたときのマスキング量をプロットしたものであ
る。ここで、雑音レベルを騒音レベル、純音レベルをソ
ース信号レベルと置き換えて考える。臨界帯域内におい
て、音楽信号のような複合音と純音とで、そのパワーレ
ベルが等しければ感覚的な大きさは等しいことが知られ
ており、純音レベルをソース信号レベルで置き換えても
よいことにした。
【0039】騒音レベルN(dB)とソース信号レベルS(d
B)の差(N−S)(dB)に着目し、図6のグラフ図におけ
る騒音レベルおよびソース信号レベルの適切な範囲のマ
スキング量データ(グラフの曲線)を用いて、(Nー
S)を変数としたマスキングレベルM(dB)の予測式を求
める(グラフから定数a、b、cを求める)。この予測
式は、例えば、下記〔数5〕に示すような2次の方程式
(近似式)となり、これで充分精度よく近似値を算出す
ることができる。このようにして求めた近似式を用いる
ことにより、臨界帯域毎の騒音レベルとソース信号レベ
ルを用いて複雑な演算をせずにマスキング量を算出する
ことができる。〔数5〕を次に示す。
【0040】
【数5】
【0041】以上のように本発明の第1の実施の形態に
よれば、騒音分析手段とソース信号分析手段とマスキン
グ量算出手段と補償量設定手段と周波数特性制御手段と
を設けることにより、騒音およびソース信号の周波数帯
域毎に、騒音信号レベルとソース信号レベルとの差から
マスキング量を算出し、マスキング量を補償するように
ソース信号の周波数特性(周波数帯域毎の信号レベル)
を変更して再生するようにしたことにより、ソース信号
を常に騒音がないときと同じ大きさ及び音色で聴こえる
よう再生することができるという効果を有する。
【0042】また、マスキング量算出手段においては、
2次の近似式を用いることにより、複雑な演算をするこ
となく、騒音レベルとソース信号レベルとからマスキン
グ量を算出することができるため、小規模なシステムで
も本実施の形態における音響再生装置を実現できるとい
う効果を有する。
【0043】(実施の形態2)以下、図2を参照して、
本発明の第2の実施の形態における音響再生装置の構成
を詳細に説明する。図2において、騒音信号入力端子2
01、騒音分析手段202、ソース信号入力端子20
3、ソース信号分析手段204、マスキング量算出手段
205、補償量設定手段206、周波数特性制御手段2
07、増幅器209及びスピーカ210は、上記第1の
実施の形態におけるものと同様のため、更に詳細な説明
は省略する。すなわち、図2は図1に示す増幅器108
(図2の増幅器209)の前に、補償量設定手段206
および周波数特性制御手段207に接続され、補償量設
定手段206からの補償量に従い周波数特性制御手段2
07で調整されたソース信号を増幅するようにした音量
制御手段208を設けたものである。
【0044】次に、図2、図7及び図8を参照して、上
記のように構成された本発明の第2の実施の形態におけ
る音響再生装置の動作を詳細に説明する。まず、図2に
おいて、マスキング量算出手段205によるマスキング
量算出までは上記第1の実施の形態で説明したものと同
じ動作である。
【0045】そこで、補償量設定手段206はマスキン
グ量算出手段205において算出されたマスキング量を
ソース信号の補償量とし、その補償を周波数特性制御手
段207および音量制御手段208で実現するために、
周波数特性制御手段207で用いるイコライザゲインと
音量制御手段208で用いる音量補償量とをそれぞれ設
定する。ソース信号の補償量を各周波数帯域で共通の補
償量、すなわち、音量の補償量と、ソース信号補償量か
ら音量補償量を差し引いた残りの補償量、すなわち、周
波数帯域毎に異なる補償量とに分割する。ここでは、各
周波数帯域で共通の補償量として、各周波数帯域の補償
量の平均値を用いた場合について説明する。
【0046】まず、補償量設定手段206においてマス
キング量をソース信号の補償量とし、各周波数帯域の補
償量の平均値を算出する。その平均値を音量補償量とし
て音量制御手段208に通知する。次に、ソース信号の
補償量から平均値を差し引いた残りの補償量をイコライ
ザゲインとして周波数特性制御手段207に通知する。
そして、ソース信号は、周波数特性制御手段207でイ
コライザゲインに従って周波数特性が調整された後、音
量制御手段208において音量補償量に従い音量が増加
され、増幅器209に出力される。
【0047】以下、図7及び図8を参照して、それら算
出動作の具体例を説明する。図7はマスキング補償量算
出手段205で算出された各周波数帯域のマスキング量
を表わすグラフ図である。横軸は周波数であり、縦軸は
マスキング量、すなわち、補償量となる。図7において
破線は補償量の平均値であり、この値が音量制御手段2
08に通知される。
【0048】図8は図7に示した補償量から平均値を差
し引いたものを示したものであり、この平均値を差し引
いた補償量が周波数特性制御手段207に通知される。
周波数特性制御手段207においては、図8に示した周
波数特性となるようソース信号の周波数特性を変更し
(ソース信号を補償量に従い増幅する)、音量制御手段
208において、補償量設定手段206から通知された
補償量の平均値(図7の破線で示した値)だけ音量を増
加させる。その結果、図7の実線で示したマスキング量
が補償されたことになる。
【0049】このようにして、本実施の形態において
も、上記第1の実施の形態の場合と同様に、騒音および
ソース信号の周波数帯域毎のマスキング量を算出し、マ
スキング量を補償するよう、そのマスキング量に従いソ
ース信号の周波数特性を変更して再生するため、ソース
信号を常に騒音がないときと同じ大きさ、音色で聴こえ
るように再生することができる。
【0050】更に、マスキング量が様々に変化した場
合、周波数特性制御手段207における補償量設定値は
第1の実施の形態の場合の周波数特性制御手段107の
補償量設定値と比較すると、本実施の形態では、補償平
均値が差し引かれているため、設定値のとり得る範囲を
狭くすることができる。従って、IIRフィルタとかF
IRフィルタを用いて周波数特性制御手段207を構成
し、フィルタ係数の入れ換えによって周波数特性を制御
する場合に、あらかじめ準備するフィルタ係数の量を少
なくすることができるので、第1の実施の形態の場合に
比較して演算手段が簡単となり、小規模なシステムに採
用して同等の効果を実現することができるものである。
【0051】以上のように、本実施の形態によれば、補
償量設定手段の後に音量制御手段を設け、先ず、補償量
設定手段において、周波数帯域毎のマスキング量を各周
波数帯域共通の補償量すなわち音量の補償量と、各周波
数帯域に共通でない補償量すなわち周波数特性の補償量
に分割し、分割した補償量に従いソース信号の音量及び
周波数特性を変更して再生するようにしたため、簡単な
演算手段により、小規模なシステムにおいて、ソース信
号を常に騒音がないときの大きさ及び音色で再生するこ
とができるという効果を有する。
【0052】(実施の形態3)以下、図3を参照して、
本発明の第3の実施の形態における音響再生装置の構成
を詳細に説明する。図3において、騒音信号入力端子3
01、騒音分析手段303、ソース信号入力端子30
2、ソース信号分析手段304、マスキング量算出手段
305、補償量設定手段306、周波数特性制御手段3
07、音量制御手段308、増幅器309及びスピーカ
310は、上記第2の実施の形態におけるものと同様の
ため、更に詳細な説明は省略する。すなわち、図3は図
2に示すマスキング量算出手段205(図3の305)
と補償量設定手段206(図3の306)の間に接続さ
れ、マスキング量算出手段305からのマスキング量の
大きさにより補償量を更新するか否かを制御する補償量
更新手段311を設けたものである。
【0053】次に、図3及び図9を参照して、上記のよ
うに構成された本発明の第3の実施の形態における音響
再生装置の動作を詳細に説明する。まず、図3におい
て、マスキング算出手段305のマスキング量算出まで
は上記第2の実施の形態における動作と同様である。
【0054】そこで、補償量更新手段311はマスキン
グ量算出手段305において算出されたマスキング量を
受け取ると、その周波数帯域における前の補償量設定値
と比較した上で更新量を決定し、補償量の更新を行う
(その詳細は後述する)。そして、更新された補償量を
補償量設定手段306に通知する。補償量設定手段30
6は補償量更新手段311の通知を受け取ると上記第2
の実施例と同じ動作により、ソース信号に対してマスキ
ング量を補償したのちスピーカからその音声を再生す
る。
【0055】次に、補償量更新手段311における補償
量の更新について説明する。まず、考慮するべき分析時
間間隔について説明する。第1に、騒音信号およびソー
ス信号は時々刻々変動しているため、分析時間間隔を数
百ミリ秒以下とすると時間間隔ごとに算出されるマスキ
ング量が微小変動する。このように微小変動しているマ
スキング量を補償量として設定した場合、ソース信号が
揺らいで再生されてしまうことになる。
【0056】第2に、分析時間間隔を数秒のように長く
すると、次にマスキング量が算出されるまでの間補償量
は一定値とはなるが、騒音特性の変化に対する追従性が
低下する。第3に、マスキング量が前のブロックの値と
著しく異なる場合、急激に補償量が変化してしまうこと
になるが、そうすると、ソース信号が補償量の変化点で
不自然に再生されることになる。他方、時間分解能を上
げるためには分析時間間隔を短く設定する必要がある。
【0057】以上の理由から、本実施の形態では、時間
分解能を上げるために分析時間間隔を短く設定し、短く
設定したことにより生ずる騒音や音楽の微小変動に起因
する補償の不自然さをなくすため、現在算出されたマス
キング量を前に算出された補償量と比較して、現在のマ
スキング量が単に微小変動である場合は補償量を更新せ
ず、微小変動でない場合にはマスキング量に向けて、補
償量を少しずつ、たとえば、0.5dBから2.0dB
の範囲内で補償量を更新するようにして、急激な補償量
の変化を押さえるようにした。尚、この範囲内で現在の
補償量Cから差し引く補償量をLdownとし、現在の補償
量Cに加える補償量をLupで表わす(詳細は後述す
る)。
【0058】以上のように、本実施の形態によれば、騒
音分析手段とソース信号分析手段とマスキング量算出手
段と補償量更新手段と補償量設定手段と周波数特性制御
手段と音量制御手段を設けたことにより、騒音およびソ
ース信号の周波数帯域毎のマスキング量を算出し、マス
キング量を補償するようにソース信号の音量と周波数特
性を変更して再生するため、ソース信号を常に騒音がな
いときと同じ大きさ、音色で聴こえるように再生するこ
とができるという効果を有する。
【0059】さらに、本実施の形態では、補償量更新手
段を設けることにより、時々刻々変動する騒音およびソ
ース信号から算出されたマスキング量の変化に対し、微
小変動である場合には補償量を更新せず、大きく変化し
ている場合にはマスキング量を目標値として少しずつ補
償量を更新するようにしたことにより、ソース信号に対
する補償量を違和感なく変化させてソース信号を補償す
ることができるという効果を有する。
【0060】図9は、本発明の第3の実施例における補
償量更新手段の処理フローを示したフローチャートであ
る。図9を用いて補償量更新手段の動作手順を説明す
る。補償量更新手段311は、まず、ステップ901に
おいて、マスキング量算出手段305から算出された現
在のマスキング量Ccalcを入力する。次に、ステップ9
02において、現在のCcalcと前の補償値Cとの差を評
価し、その差を評価値としてマスキング量の微小変動に
対する判定を実行する。すなわち、更新条件の下限値Th
reLow と上限値ThreUp とを用いて〔数6〕が成立する
か否か判定する。〔数6〕を次に示す。
【0061】
【数6】
【0062】〔数6〕が成立している場合にはマスキン
グ量が微小変動していると認められ、補償量を更新せず
処理を終了する。〔数6〕が成立していない場合はマス
キング量が大きく変化していると認められ、処理はステ
ップ903に進む。ステップ903では、マスキング量
が下降しているのか上昇しているのかを判断するため、
下記〔数7〕が成立するか否か判定する。〔数7〕が成
立している場合はマスキング量が下降していると認めら
れるため、ステップ904に進み、現在の補償量Cより
Ldownだけ補償量を小さくした新補償量Cnew を設定す
る。〔数7〕を次に示す。
【0063】
【数7】
【0064】ステップ903に戻り、〔数7〕が成立し
ていない場合はマスキング量が上昇していると認められ
る。その場合、ステップ905に進み、カウンタ等を用
いて連続してマスキング量が上昇していると認められる
か否かを判定する。すなわち、カウンタ等により計測し
てマスキング量の下降判定時より長い一定の期間経過後
に、マスキング量が上昇しているか否かを判定する。そ
の時点で、マスキング量が上昇していれば、マスキング
量が連続して上昇していると判定される。マスキング量
の上昇が連続していると認められない場合は、そのマス
キング量の変動は突発的であると認められ、補償量を更
新せずに処理は終了する。マスキング量の上昇が連続し
ていると認められた場合には、ステップ905に進み、
現在の補償量Cに対しLupだけ補償量を大きくした新補
償量Cnew が設定される。このように、マスキング量の
上昇時の判定時間を遅くする、すなわち、補償量更新の
時定数を下降時の場合より大きくしたことにより、マス
キング量の突発的な変動には追従しないようにした。そ
の反面、マスキング量の下降時には素早く補償量を更新
して違和感なく補償量を変化させることができる。
【0065】そして、ステップ907に進み、補償量C
を新補償量Cnew に更新してその処理を終了する。尚、
マスキング量の上昇時よりも下降時の追従性を良くする
ためには、Lup<Ldownとすればよい。すなわち、下降
時の補償量更新の更新量Ldownを上昇時の更新量Lupよ
り大きくして、違和感が目立ちやすいマスキング量の下
降時には少ない更新回数で補償量を更新するようにした
ことにより、違和感なく補償量を変化させができる。こ
のように、マスキング量の上昇時と下降時とでは、補償
量更新の時定数および更新量について、異なる値に設定
することができる。
【0066】このようにして、現在のマスキング量と前
の補償量とを比較した上で補償量を更新するようにし、
マスキング量の変化に対し時間分解能を上げるために分
析時間間隔を短く設定した上で、マスキング量が微小変
動している場合には補償量を更新しないようにしたこと
により、ソース信号が揺らいでいるように聴こえること
なく再生することができる。
【0067】また、マスキング量が下降している場合に
は直ちにLdownだけ補償量が小さくなるように更新され
る。また、マスキング量が上昇している場合には、連続
している場合に限りLupだけ補償量が大きくなるように
更新される。したがって、マスキング量の変化に素早く
追従するために時間分解能を上げても、路面の継ぎ目等
を走行した際に発生する突発的なマスキング量の変動に
は追従せず、なおかつ補償量の変化点で不自然にならず
にソース信号が再生される。
【0068】なお、以上の説明では、周波数分析をFF
Tで行う例で説明したが、その他の周波数分析方法であ
るFHT(高速ハートレイ変換、Fast Hartley Transfo
rm)とかVFT(可変時間長フーリエ変換、Variable F
ourier Transform)(Proceedings of the IEEE, Vol.7
2, No.8 (Aug.1984))を用いても同様に実施可能であ
る。
【0069】
【発明の効果】本発明による音響再生装置は、騒音分析
手段とソース信号分析手段とマスキング量算出手段とを
設けて、騒音およびソース信号の周波数帯域毎のマスキ
ング量を算出するようにしたことにより、周波数帯域毎
のマスキング量を補償するようソース信号の周波数特性
(周波数帯域毎の音量)を変更して音声を再生するよう
にしたため、ソース信号を常に騒音がないときの大きさ
及び音色で再生することができる。
【0070】また、本発明による音響再生装置は、補償
量設定手段及び周波数特性制御手段とともに補償量制御
手段を設け、周波数帯域毎のマスキング量を周波数帯域
共通の補償量と各周波数帯域毎の補償量とに分割した上
でソース信号の周波数特性を変更して音声を再生するよ
うにしたことにより、簡単な演算手段により、ソース信
号を常に騒音がないときの大きさ及び音色で再生するこ
とができる。
【0071】また、本発明による音響再生装置は、補償
量設定手段の前に補償量更新手段を設けて、分析時間間
隔を短くした場合に生じる補償量の微小変動と突発的な
急激変動とを押さえるようにしたことにより、ソース信
号の揺らぎとか補償量の不自然な変化が起こらず、ソー
ス信号を常に騒音がないときの大きさ及び音色で再生す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における騒音による
マスキングを補償する音響再生装置の構成を示すブロッ
ク図
【図2】本発明の第2の実施の形態における騒音による
マスキングを補償する音響再生装置の構成を示すブロッ
ク図
【図3】本発明の第3の実施の形態における騒音による
マスキングを補償する音響再生装置の構成を示すブロッ
ク図
【図4】従来の騒音によるマスキングを補償する車載用
音響再生装置の構成を示すブロック図
【図5】図4に示す補償量設定手段による周波数特性補
償量の設定例を示すグラフ図
【図6】本発明の実施の形態においてマスキング量を求
めるための試聴試験結果の例を示すグラフ図
【図7】本発明の第2の実施の形態における補償量設定
の説明のためのマスキング量の特性例を示すグラフ図
【図8】本発明の第2の実施の形態における補償量設定
の説明のための補償特性の特性例を示すグラフ図
【図9】本発明の第3の実施の形態における補償量更新
処理の動作手順を示すフローチャート
【符号の説明】
101 騒音信号入力端子 102 騒音分析手段 103 ソース信号入力端子 104 ソース信号分析手段 105 マスキング量算出手段 106 補償量設定手段 107 周波数特性制御手段 108 増幅器 109 スピーカ 201 騒音信号入力端子 202 騒音分析手段 203 ソース信号入力端子 204 ソース信号分析手段 205 マスキング量算出手段 206 補償量設定手段 207 周波数特性制御手段 208 音量制御手段 209 増幅器 210 スピーカ 301 騒音信号入力端子 302 ソース信号入力端子 303 騒音分析手段 304 ソース信号分析手段 305 マスキング量算出手段 306 補償量設定手段 307 周波数特性制御手段 308 音量制御手段 309 増幅器 310 スピーカ 311 補償量更新手段 401 騒音信号入力端子 402 騒音分析手段 403 補償量設定手段 404 ソース信号入力端子 405 周波数特性制御手段 406 増幅器 407 スピーカ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周波数帯域毎に騒音信号の信号レベルを算
    出する騒音分析手段と、周波数帯域毎にソース信号の信
    号レベルを算出するソース信号分析手段と、周波数帯域
    毎の騒音信号レベルとソース信号レベルからマスキング
    量を算出するマスキング量算出手段と、マスキング量に
    応じてソース信号レベルの補償量を設定する補償量設定
    手段と、前記設定された補償量に従いソース信号の周波
    数特性を制御する周波数特性制御手段とからなり、周波
    数帯域毎に騒音によるソース信号のマスキング量を算出
    し、該マスキング量を補償するようソース信号の周波数
    特性を変更して再生するようにしたことを特徴とする音
    響再生装置。
  2. 【請求項2】前記マスキング量算出手段において、騒音
    信号レベルとソース信号レベルの差の関数で表される近
    似式を用いてマスキング量を算出することを特徴とする
    請求項1記載の音響再生装置。
  3. 【請求項3】前記マスキング量算出手段において、2次
    の近似式を用い、騒音信号レベルとソース信号レベルの
    差からマスキング量を算出することを特徴とする請求項
    1または2記載の音響再生装置。
  4. 【請求項4】更に、音量制御手段を設け、周波数帯域毎
    のマスキング量を各周波数帯域共通の補償量(音量の補
    償量)と各周波数帯域に共通でない補償量とに分割し、
    前記周波数特性制御手段及び音量制御手段において、前
    記分割した補償量に従い、ソース信号の音量及び周波数
    特性を変更して再生することを特徴とする請求項1、2
    または3記載の音響再生装置。
  5. 【請求項5】更に、補償量更新手段を設け、マスキング
    量の変化が微小変動の場合は補償量を更新せず、微小変
    動でない場合はマスキング量を目標値として補償量を分
    割し該分割した補償量づつ更新するようにしたことを特
    徴とする請求項1、2、3または4記載の音響再生装
    置。
  6. 【請求項6】前記補償量更新手段において、マスキング
    量の上昇時と下降時とでは、異なる補償量更新の時定数
    を有し、更新する量を異なるようにしたことを特徴とす
    る請求項1、2、3、4または5記載の音響再生装置。
  7. 【請求項7】前記補償量更新手段において、マスキング
    量の上昇時と下降時とでは、下降時の補償量更新の時定
    数を上昇時の時定数より小さくしたことを特徴とする請
    求項1、2、3、4、5または6記載の音響再生装置。
  8. 【請求項8】前記補償量更新手段において、マスキング
    量の上昇時と下降時とでは、下降時の補償量更新の更新
    量を上昇時の更新量より大きくしたことを特徴とする請
    求項1、2、3、4、5、6または7記載の音響再生装
    置。
  9. 【請求項9】前記騒音を車室内における走行騒音とし、
    車室内で使用することを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、7または8記載の音響再生装置。
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