JPH10177107A - 回折格子及び光記録装置 - Google Patents

回折格子及び光記録装置

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JPH10177107A
JPH10177107A JP8337068A JP33706896A JPH10177107A JP H10177107 A JPH10177107 A JP H10177107A JP 8337068 A JP8337068 A JP 8337068A JP 33706896 A JP33706896 A JP 33706896A JP H10177107 A JPH10177107 A JP H10177107A
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JP
Japan
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diffraction grating
light
substrate
reflection coating
transmission type
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Application number
JP8337068A
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English (en)
Inventor
Keiji Kataoka
慶二 片岡
Yasuyuki Shibayama
恭之 柴山
Yoshinori Miyamura
芳徳 宮村
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Koki Holdings Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Koki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光利用効率が高く、かつ発生する複数ビーム
それぞれの光強度の一様性が良い回折格子を容易に生産
可能なものとする。 【解決手段】 ガラス基板2の表面に凹凸構造の回折格
子面3を有する光透過型の回折格子において、前記凹凸
構造がフォトポリマー24により形成されている。さら
に、光透過型回折格子1の基板2における回折格子面3
と反対側の非回折格子面にのみ光反射防止コーティング
を施すか、これに代わり、基板2の回折格子面3と反対
側の非回折格子面に、光反射防止コーティング付き透明
板が貼着したものも提案する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入射光を複数本に
分岐して出射させる光透過型の回折格子及びこれを利用
したレーザプリンタ等の光記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のレーザプリンタは1本の光ビーム
を回転多面鏡で光走査し、感光ドラム上に光記録してい
る。しかし、高速、高解像度で光記録するには、1本の
光ビーム走査による記録では回転多面鏡の回転速度およ
びデータの変調速度が装置の限界以上のものが要求され
るようになっている。
【0003】これを解決するために、レーザ光源からの
レーザ光を回折格子で分岐し、分岐した複数ビームを、
それぞれ独立に変調した後、回転多面鏡で感光材料上に
光記録するレーザプリンタが提案されている。
【0004】回折格子としては、例えば表面に凹凸構造
の回折格子面を有する光透過型のものが提案されてお
り、次のようなフォトレジストプロセスで作製してい
た。
【0005】まず、基板となる平面ガラス上にフォトレ
ジストを塗付し、このフォトレジスト面に予めマスクに
形成した所望のパターンを露光装置で転写,現像して、
フォトレジストパターンを作成する。このフォトレジス
トパターンから基板をエッチングするか、あるいはSi
O2を蒸着しフォトレジスト除去によりSiO2パター
ンを形成させることで、基板表面に凹凸構造の回折格子
面を作製する。
【0006】図11は、このようにして作製した従来の
光透過型回折格子の一例を示す縦断面図であり、基板と
なる平板ガラス(例えば石英ガラス)2の片側表面に
は、ピッチ単位で基準の凹凸構造のパターンが複数ピッ
チくり返し形成されて回折格子1が作製されている。こ
の凹凸構造のパターン面3が回折格子面となる。
【0007】このガラス基板2に紙面下方(非回折格子
面4側)から光7が入射すると、光出射面に形成されて
いる回折格子面3によって多数の回折光8に分岐され
る。
【0008】従来、この光透過型回折格子1において、
回折格子の光利用率(回折格子出射光強度/回折格子入
射光強度)を向上させるためには、ガラス基板2の回折
格子面3側及び非回折格子面4側の両面に光反射防止コ
ーティング5を施し、回折格子の光入射面および光出射
面での光反射ロスを低減させていた。一般に光反射防止
コーティングは、MgF2,TiO2,Al23等の硝材
からなる単層もしくは多層の蒸着膜により作製される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
(1)従来の光透過型の回折格子は、作製のために複雑
なフォトレジストプロセスを経由するので、プロセスを
終えるのに数日必要で、また、特性の良い回折格子を得
る良品率を上げることも困難であり、高価なものとなっ
ていた。
【0010】(2)上記の回路格子特性の良品率向上を
妨げる原因の一つとして、従来の光反射防止コーティン
グ方式があげられる。
【0011】すなわち、通常、光透過型の回折格子の場
合、回折格子面で分岐された各回折光の光強度分布は、
回折格子部材の屈折率と回折格子を形成している溝の形
状(溝幅と溝深さ)により決定されるが、上記の方法で
は、回折格子面3側に光反射防止コーティング5を施す
と、図12に示すように、光反射防止コーティング材が
回折格子の凹部と凸部のエッジに堆積して、溝幅寸法が
変わってしまうため、回折光強度分布にも変化が生じて
しまう。図12では、光反射防止コーティング前後で、
凹部の寸法がWからW−δに、凸部の寸法がW
δに変化することを示している。この溝幅寸法変化によ
る回折格子特性への影響は、回折格子ピッチが小さく高
精度の溝幅寸法精度が要求される回折格子になるに従っ
て顕著になる。
【0012】(3)また、製作プロセスにおいて、光反
射防止コーティング材にMgF2を使って蒸着膜を成膜
する場合は、成膜中の基板温度を200〜300℃に加
熱する必要があるため、ガラス基板表面に形成されてい
る回折格子がフォトレジスト等の樹脂膜により作製され
ているときは、樹脂の高温熱変形によって回折格子の凹
凸形状自体が変化してしまうため、回折格子特性特に回
折光強度分布に変化が生じてしまう。
【0013】本発明は以上の点に鑑みてなされ、その目
的は、製作プロセスに伴う諸問題(例えば、プロセスの
複雑化,回折格子特性に及ぼす悪影響)を解決して、プ
ロセスの合理化や回折格子特性の向上を図り得る回折格
子を提供することにある。
【0014】さらに、回折格子で分岐した複数ビームを
用いて光走査する光記録装置において、コスト低減を図
りつつ、光利用効率が高く、光強度の一様性を良くして
高速,高解像度の光記録、例えばレーザプリンタによる
高速,高解像度の印刷を可能にすることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、基本的には、次のような回折格子及び光記
録装置を提案する。
【0016】第1発明は、表面に凹凸構造の回折格子面
を有する光透過型の回折格子において、前記凹凸構造を
フォトポリマーにより形成したことを特徴とする。
【0017】第2発明は、透明基板の表面に凹凸構造の
回折格子面が形成されている光透過型の回折格子におい
て、前記透明基板の回折格子面と反対側の非回折格子面
にのみ光反射防止コーティングを施したことを特徴とす
る。
【0018】第3の発明は、透明基板の表面に凹凸構造
の回折格子面が形成されている光透過型の回折格子にお
いて、前記透明基板の回折格子面と反対側の非回折格子
面に、光反射防止コーティング付き透明板を貼着したこ
とを特徴とする。
【0019】第4の発明は、レーザ光源からのレーザ光
を光透過型の回折格子で分岐し、マルチチャネルAO変
調器で変調して感光体に光記録する光記録装置であっ
て、前記回折格子が請求項1ないし請求項5のいずれか
1項記載の回折格子であることを特徴とする。
【0020】第1の発明によれば、回折格子面となる凹
凸構造体を原版を用いて型成形することが可能となり、
従来のような複雑なフォトレジストプロセスを不要とし
て簡易な型成形プロセスにより回折格子が作製される。
【0021】第2の発明によれば、回折格子面(凹凸構
造面)側には光反射防止コーティングが施されないの
で、回折格子溝幅寸法がコーティング材により変化する
ことが無いので、回折格子特性の劣化を招くことなく非
回折格子面に施した光反射防止コーティング分だけ光利
用効率を向上させる。
【0022】第3の発明によれば、上記した第2発明と
同様に回折格子特性保持と光利用効率向上の双方の要求
に応えるほかに、次のような製造プロセスを採用するこ
とで、回折格子面をフォトレジストや上記したフォトポ
リマーのような樹脂等で形成した場合であっても、光反
射防止コーティング作製時の熱的影響を回避できる。
【0023】すなわち、回折格子面(表面凹凸構造)の
形成された透明基板の非回折格子面側に貼着される光反
射防止コーティング付き透明板は、透明基板と別個に作
製されるため、透明基板に貼着される前に予め光反射防
止コーティングを施すことが可能である。このようにす
れば、回折格子に熱的影響を与えることなく光反射防止
コーティングを最終的には回折格子の基板に取り付ける
ことができ、例えば、回折格子の凹凸構造面(回折格子
面)をフォトレジストやフォトポリマーで作製した場合
であっても、これらが熱変形をきたすことはない。
【0024】第4の発明によれば、回折格子を透過して
走査系に導かれる複数光ビームの光強度の一様性が向上
し、光記録装置の高速,高解像度(例えばレーザプリン
タの印刷品質向上)を実現できる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面により
説明する。
【0026】〔実施形態1〕図1は第1の実施形態の製
造プロセスの一部を示す説明図、図2〜図4はその製造
プロセスに付随する回折格子特性設定のための説明図で
ある。
【0027】表面凹凸構造の光透過型回折格子は、片面
に所定の表面凹凸パターンが基板上に繰り返し形成され
ている。
【0028】図2にピッチpで繰り返される回折格子の
表面凹凸パターンの設計手順を示す。この例では2種類
の凹凸パターン10,11を重ね合せて、複数段の厚さ
を有する一つのパターン12を形成している。このパタ
ーン12を繰り返しピッチpで形成することで、回折格
子の原版20(図1参照)を予め作製しておく。この原
版に基づき作製される回折格子は、離散的なマルチレベ
ルをもつ位相回折格子と称されている。ここで、ayお
よびazは位相高さであり、位相高さaと実際の凹凸の
高さeとは次の関係がある。
【0029】
【数1】 a=(2π/λ)(n−1)e …(1) ここで、nは回折格子形成材料の屈折率、λは光の波長
である。
【0030】図2に示した回折格子のパラメータy
(1),y(2),…、およびz(1),z(2),
…、位相高さay、azを適当に設計すると、図4に示
すように、特定の回折光だけが一様に大きな光強度をも
つような特性設定が可能である。すなわち、図4は、回
折格子の出力側の光強度分布を示すもので、回折格子に
レーザ光1を入射させると、−1次から+2次からなる
4本の回折光のみがほぼ一様な大きな光強度をもち(図
3にこの回折光の出射状態を示す)、この複数ビームを
後述するレーザプリンタに用いることができる。
【0031】ここで、図2の設計仕様に基づく本例の回
折格子の製造プロセスを図1により説明する。
【0032】20は回折格子の型成形に用いる凹凸構造
の原版であり、石英ガラス基板22上に図2の設計仕様
に基づく凹凸構造のSiO2蒸着膜21を形成して成
り、回折格子の型成形(複製)プロセス前に予め用意さ
れる。
【0033】回折格子を複製する場合には、図1(a)
に示すように、複製対象の石英ガラス基板2上にプライ
マ23を塗付する。プライマ23は、フォトポリマー2
4と石英ガラス基板2間の接着力を強くするためのもの
である。
【0034】次いで、フォトポリマー24を少量,滴下
し、回折格子原版20と石英ガラス基板2とを密着さ
せ、フォトポリマー24が充分にそれら隙間に充填され
るようにする。
【0035】この後、石英ガラス基板2側から紫外光を
含む光を照射し、フォトポリマー24を光硬化させる。
その後、石英ガラス基板2と原版20を剥離すると、図
1(b)に示すように、石英ガラス基板2側に光硬化し
たフォトポリマー24の凹凸構造面(回折格子面)3が
形成され、このようにして回折格子1が複製される。図
1(b)のものは、図1(a)の基板2を裏返した状態
である。複製したものは原版の凹に対して凸の表面形状
を持つものとなるが、光の位相の正負は回折格子の特性
に影響しないので、問題ない。
【0036】本例によれば、1枚の原版20から簡易な
製造プロセスにより多数の回折格子1を複製することが
できるので、安価な回折格子を入手することができる。
【0037】また、回折格子1の基板2はその表面が一
般に良く研磨された平面精度の良いものが用いられる
が、必ずしもその様な基板を用いなくてもフォトポリマ
ーが原版に忠実に平坦な面を複製してくれる。
【0038】また、回折格子の作成される石英ガラス基
板の裏面が面精度の悪い面の場合も、この裏面に平坦な
フォトポリマーを形成するようにすれば、透過する光の
品質も劣化することはない。このように面精度の悪い石
英基板も使用できるので、非常に安価に回折格子を作成
できることになる。
【0039】〔実施形態2〕図5に本発明の第2の実施
形態に係る光透過型回折格子の縦断面図を示す。
【0040】本例は石英ガラス基板(透明基板)2の片
側表面3は、ピッチ単位の基準となる凹凸構造のパター
ンが複数ピッチにわたりくり返し形成されて回折格子面
となっている。この回折格子面3は、基板2のエッチン
グ,基板表面に形成されたSiO2等の蒸着膜等により作
製される。ここでの凹凸構造パターンは実施形態同様の
ものであってもよい。
【0041】本例では、回折格子1の基板2のうち、回
折格子面3と反対側の非回折格子面4にのみ光反射防止
コーティング5が施される。
【0042】本例によれば、回折格子面3側は、コーテ
ィングが施されないので回折格子溝幅寸法が変化するこ
とが無く、回折格子特性を良好に保持し(特に、回折格
子で分岐された回折光の光強度分布に変化を生じさせな
いで、回折格子の光利用効率を向上させる)、しかも、
非回折格子面4側に施した光反射防止コーティング分だ
け確実に光利用効率を向上させることができる。一般に
光反射防止コーティング5は、MgF2,TiO2,Al
23等の硝材からなる単層もしくは多層の蒸着膜により
作製され、ガラス基板2表面での反射率を0.5%以下
に低下させることができる。
【0043】〔実施形態3〕図6は本発明の第3の実施
形態に係る回折格子の縦断面図である。
【0044】透明基板となる平板ガラス(石英ガラス)
2の片側表面には、ピッチ単位の基準となる凹凸構造の
パターンが複数ピッチにわたりくり返し形成されて、回
折格子面3が形成される。この基板表面の回折格子面3
は、基板のエッチング,基板表面に形成されたSiO2
等の蒸着膜やフォトレジスト,紫外線硬化樹脂(例えば
実施形態1のフォトポリマー24)等のいずれかで形成
してある。
【0045】基板2の回折格子面3と反対側の非回折格
子面4に、光反射防止コーティング5付きの透明板6が
接着剤50を介して貼着されている。
【0046】透明板6は、回折格子のガラス基板2と同
一材質でその片面に既述した如き光反射防止コーティン
グ5が施され、そのコーティング5面と反対側の面(非
光反射防止コーティング面)9がガラス基板2の非回折
格子面4に接着剤50を介して接合されている。
【0047】接着剤50は、ガラス基板2及び平板ガラ
ス6の屈折率に対して0.1以下の屈折率差であるもの
が使用される。このようにすれば、基板2と平板ガラス
6に1.4〜1.6程度の屈折率をもつ材質を使用して
いる限り、平板ガラス6と接着剤層50との境界面、及
び接着剤層50と基板2との境界面での反射戻り光の割
合を0.1%程度以下に抑えることができ、光損失を極
力小さくすることができる。このような用途に適してい
るガラス材との屈折率整合のとれた、且つ光透過率の高
い接着剤としては、市販されている紫外線硬化樹脂等で
容易に満足でき、また、入手も簡単である。
【0048】本例の回折格子の製造プロセスは、ガラス
基板2に回折格子面(表面凹凸構造)を形成する。この
ガラス基板2に平板ガラス6を貼着する前に、予め平板
ガラス6に光反射防止コーティング5を施しておく。そ
して、光反射防止コーティング5付の平板ガラス6を上
記のガラス基板2に貼着する。
【0049】このような回折格子によれば、第2実施形
態同様に回折格子特性保持と光利用効率向上の双方の要
求に応えるほかに、回折格子に熱的影響を与えることな
く光反射防止コーティングを回折格子の基板に取り付け
ることができる。例えば、回折格子の凹凸構造面(回折
格子面)をフォトレジストやフォトポリマー等の樹脂膜
で作製した場合であっても、これらが光反射防止コーテ
ィングのプロセスに要する熱で変形をきたすような機会
にさらされない。
【0050】〔実施形態4〕上記のような実施形態1〜
実施形態3のいずれかの回折格子1を用いたレーザプリ
ンタ光学系(光記録装置)を図7に示す。
【0051】レーザ31から出射したレーザ光7を、例
えば、フォトポリマーで作製された回折格子1に入射さ
せる。
【0052】回折格子1から回折された複数の分岐光
(出射光)8は、レンズ32を介してマルチチャネルA
O(音響光学)変調器33に入射する。この図では簡単
にするため2ビームで光記録する場合を示している。
【0053】マルチチャネルAO変調器33の電極34
に制御回路40からのデータ信号が印加されると、この
信号に応じてレーザ光は光変調され、変調された複数の
レーザ光は回転多面鏡36を介して感光ドラム39上を
一度に光走査する。
【0054】37はFΘレンズである。38は走査する
光ビームを検出するための光検出器である。
【0055】感光ドラム39を走査する複数の光ビーム
は図9に示すように、複数の光スポット41が密接した
走査線を形成するように走査方向に対して斜めに設定さ
れている。この斜めの角度の調整はダブプリズム35で
行う。図10はダブプリズム35の動作原理を示してい
る。
【0056】ダブプリズム35に例えば符号42で示す
矢印の像が入射したとすると、出力像43が得られる。
ダブプリズム35を矢印45のように回転させたとする
と、出力像43も矢印45に示すように回転する。この
原理で感光ドラム39上の光スポット列の斜め角度を調
整する。
【0057】図8はマルチチャネルAO変調器の動作を
説明する図である。この図では4ビームが入射している
場合を示している。電極34に信号が印加していない場
合、光ビーム8は符号8bのように透過するのみであ
る。電極34に信号が印加されると、光ビームは音響光
学結晶33内を通過する音波のため、8aのように回折
することになる。透過するビーム列8bは感光ドラム3
9に達しないように適当なところで遮られ、音響光学結
晶33で回折される光8aが光記録に用いられている。
【0058】本例において、第1実施形態の回折格子を
用いた場合には、コスト低減を図りつつ、回折格子を透
過して走査系が導かれる複数光ビームの光強度の一様性
が向上し、光記録装置の高速,高解像度を図ることで、
レーザプリンタの印刷速度と印刷品質向上を実現でき
る。
【0059】また、第2実施形態,第3実施形態の回折
格子を用いた場合には、上記効果に加えて、さらに、光
利用効率が高く、省エネルギー効果を達成できる。
【0060】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、透過型回
折格子の製作プロセスに伴う諸問題を解決して、プロセ
スの合理化と回折格子特性の向上を双方の要求を満足さ
せることができる。
【0061】すなわち、第1の発明によれば、簡易な型
成形(転写)プロセスにより回折格子特性の良好な回折
格子を多数複製でき、コスト低減を図りつつ精度の良い
光透過型の回折格子を提供することができる。
【0062】第2の発明によれば、光反射防止コーティ
ングを基板の片面だけに施すので、プロセスの合理化を
図り、しかも光反射防止コーティングに起因する回折格
子特性劣化を無くし、光利用効率も高めるといった効果
を奏する。
【0063】第3の発明によれば、上記第2発明と同様
の効果を奏するほかに、光反射防止コーティングを樹脂
製凹凸構造の回折格子にも施すことができ、第1発明の
メリットを光反射防止コーティング付き回折格子に活か
すことができる。
【0064】第4の発明によれば、レーザプリンタのレ
ーザ光源の光パワーを小さく抑制でき、レーザ光源の寿
命を長く、かつ安価なものとすることができる。また、
光強度の一様性が良くなるのでレーザプリンタの印刷品
質も向上することになる。これらのことから高速、高解
像度のレーザプリンタを信頼性高く、かつ安価に実現で
きるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の製造プロセスを示す説明
図。
【図2】回折格子の設計手順を示す説明図。
【図3】光透過型回折格子を通過する回折光の説明図。
【図4】光透過型回折格子の光強度分布を示す説明図。
【図5】本発明の第2実施例に係る回折格子の縦断面
図。
【図6】本発明の第3実施例に係る回折格子の縦断面
図。
【図7】上記各光透過型回折格子を採用した光記録装置
(レーザプリンタ)の構成図。
【図8】上記レーザプリンタに用いるマルチチャネルA
O変調器の動作例を示す説明図。
【図9】感光ドラム上で複数ビームを走査する方式の一
例を示す説明図。
【図10】ダブプリズムの動作を示す説明図。
【図11】従来の光透過型回折格子の一例を示す説明
図。
【図12】従来の光透過型回折格子の問題点を指摘した
説明図。
【符号の説明】 1…回折格子、2…ガラス基板、3…回折格子面(表面
凹凸構造)、4…非回折格子面、5…光反射防止コーテ
ィング、6…ガラス板(光反射防止コーティング付透明
板)、24…フォトポリマー、31…レーザ光源、33
…マルチチャネルAO(音響光学)変調器、39…感光
体(感光ドラム)、50…接着剤。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮村 芳徳 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に凹凸構造の回折格子面を有する光
    透過型の回折格子において、前記凹凸構造がフォトポリ
    マーにより形成されていることを特徴とする回折格子。
  2. 【請求項2】 前記凹凸構造のフォトポリマーは、ガラ
    ス基板の表面に型成形されている請求項1記載の回折格
    子。
  3. 【請求項3】 透明基板の表面に凹凸構造の回折格子面
    が形成されている光透過型の回折格子において、前記透
    明基板の回折格子面と反対側の非回折格子面にのみ光反
    射防止コーティングが施されていることを特徴とする回
    折格子。
  4. 【請求項4】 透明基板の表面に凹凸構造の回折格子面
    が形成されている光透過型の回折格子において、前記透
    明基板の回折格子面と反対側の非回折格子面に、光反射
    防止コーティング付き透明板が貼着されていることを特
    徴とする回折格子。
  5. 【請求項5】 前記透明基板と前記光反射防止コーティ
    ング付き透明板とが同一材質のガラス板により形成さ
    れ、 前記透明板はその片面に光反射防止コーティングが施さ
    れて、その反対側の非反射防止コーティング面側が前記
    透明基板の非回折格子面に接着剤を介して接合され、前
    記接着剤が前記ガラス板の屈折率に対して0.1以下の
    屈折率差である請求項4記載の回折格子。
  6. 【請求項6】 レーザ光源からのレーザ光を光透過型の
    回折格子で分岐し、マルチチャネルAO変調器で変調し
    て感光体に光記録する光記録装置であって、前記回折格
    子が請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の回折
    格子であることを特徴とする光記録装置。
JP8337068A 1996-12-17 1996-12-17 回折格子及び光記録装置 Pending JPH10177107A (ja)

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JPWO2004081620A1 (ja) * 2003-03-13 2006-06-15 旭硝子株式会社 回折素子および光学装置
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