JPH11143342A - ホログラム原版及びその作製方法 - Google Patents

ホログラム原版及びその作製方法

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JPH11143342A
JPH11143342A JP31241797A JP31241797A JPH11143342A JP H11143342 A JPH11143342 A JP H11143342A JP 31241797 A JP31241797 A JP 31241797A JP 31241797 A JP31241797 A JP 31241797A JP H11143342 A JPH11143342 A JP H11143342A
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Motoji Ono
元司 小野
Norihito Nakazawa
伯人 中沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】正確な所望の特性を持つ複製ホログラムを容易
に得るためのホログラム原版と、その原版を作製する方
法を提供する。 【解決手段】ホログラム原版作製時からホログラム複製
の完了時までにおける光学特性の変化に対し、その変化
を補償する光学系設定により原版用ログラム感光材料9
が露光されて作製されたホログラム原版を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホログラムの複製
に使用する原版及びその作製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ある所望の特性(回折波長、回折角度、
焦点距離等)を持つホログラムを作製するためには、ホ
ログラム感光材料及びレーザ光源の相対的な位置を決
め、その位置に正確に固定して露光する必要がある。そ
して、このホログラムと同一のホログラムを多数枚作製
するためには、この手間のかかる位置決めを何度も繰り
返して行わなければならず、時間と手数のかかる作業で
あった。
【0003】そこで、ホログラム原版を作製し、その原
版にフィルム状のホログラム感光材料を密着させ、感光
材料側から光を照射してホログラムの複製を行う方法が
提案されている(特開平9−90857等)。この方法
によると、面倒な位置決めを何度も行わずに、多数枚連
続して同一のホログラムが作製できるという利点があ
る。
【0004】ここで、ホログラム原版の作製としては、
まず、ホログラム記録用の感光材料が片面に貼付けられ
た透明基板(例えばガラス)の表裏面に対して、所定波
長の光を別々の所定角度で照射するように配置し、露光
を実施し、所定の光学特性を感光材料に与える。次に、
感光材料に与えられたホログラムに対し感光材料の特性
に合わせた定着工程が施される。最後に、特にこのホロ
グラム原版が樹脂材料である場合については、干渉縞を
よりハッキリさせるために加熱工程を実施する。
【0005】次に、複製ホログラムの作製では、上記公
報に記載のように、作製した原版に感光材料を貼付け、
片面から原版と同じ光学系で同じ波長の光により露光す
る。その後、複製側の感光材料は原版から剥離され、原
版の作製時と同様の工程により製品となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここで、従来の原版を
用いたホログラム複製方法においては、原版用ホログラ
ム作製時における加熱等に起因するホログラム原版の収
縮、膨張等が発生する。ところが従来の場合、原版作製
時の光学系と複製時のものとは同じ系を使用しており、
このような収縮・膨張等によるホログラム回折格子の変
形、回折波長のシフト等を考慮していない。従って、複
製ホログラムは回折格子や回折波長が変化した後のホロ
グラム原版の複製になり、所望の特性(回折波長、回折
角度、焦点距離等)の複製ホログラム製品を得ることは
困難であった。
【0007】このような特性変化の問題は、従来、上記
複製処理がよく利用されていたGA(グラフィックアー
ト)の分野では、ほとんど問題にならなかった。しか
し、ホログラムを光学素子(HOE)として用いる分野
においては、特定の回折波長や回折角度等を利用するの
が通常であるので特性の変化は非常に問題であり、上記
のような工程によるホログラム光学素子(HOE)の複
製は今まであまり行われていなかった。
【0008】本発明の目的は、前述の課題を解決すべく
なされたものであり、特に、ホログラムの複製におい
て、所望の特性を持つ複製ホログラムを得るための原版
と、それを作製する簡易な方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、ホログ
ラム感光材料に配設してホログラムの複製に用いるホロ
グラム原版であって、ホログラム原版作製時から複製ホ
ログラム完成時までの間でホログラム原版及び複製ホロ
グラムのうちの少なくとも一方の収縮・膨張に起因す
る、複製ホログラムの所望の光学特性からの光学特性の
変化に対応して、前記変化分だけ予めずらした光学系設
定により、原版用ホログラム感光材料が露光されて作製
されたものであることを特徴とするホログラム原版によ
り達成される。
【0010】このホログラム原版は、変化する光学特性
が回折波長のみであるとき、この変化分を補償した露光
波長でホログラム原版作製時に記録が行われる構成とす
ることができる。
【0011】更に、本発明の目的は、ホログラム感光材
料に配設してホログラムの複製に用いるホログラム原版
の作製方法であって、ホログラム原版作製時の露光にお
いて、ホログラム原版及び複製されるホログラムのうち
の少なくとも一方の収縮・膨張に起因する、複製ホログ
ラムの所望の光学特性からの光学特性の変化に対応し
て、前記変化分だけ予めずらした光学系設定により、原
版用ホログラム感光材料が露光することを特徴とするホ
ログラム原版の作製方法により達成される。
【0012】すなわち、上記のホログラム原版を使用す
ることで、ホログラム原版作製時から複製ホログラム完
成時までの間で、ホログラム原版及び複製ホログラムの
うちの少なくとも一方の収縮・膨張に起因して光学特性
(回折波長、回折角度、焦点距離等)が変化する場合で
も、作製されたホログラムの光学特性はホログラム原版
作製完了時の所定状態及びホログラム複製完了時の所定
状態のうちの少なくとも一方となる。
【0013】そして、このようなホログラム原版を作製
するに当たっては、まず、ホログラム記録用の感光材料
が片面に貼付けられた原版用の透明基板の表裏面に対し
て、ホログラム作製露光を実施するための光学系を配置
する。この光学系については、それにより実現されるホ
ログラム光学特性が目標であるホログラム利用時の所定
状態に対して、ホログラム原版作製時から複製ホログラ
ム完成時までの間での収縮・膨張に起因して変化するこ
とを考慮した構成とされる。
【0014】つまり、複製後の光学特性の変化分を補償
するために、予めホログラム原版作製時の光学系の各構
成に変更を与えるということであり、この変更される構
成としては、露光用波長、照射角度、照射距離等であ
る。そして、このような光学系により原版作製時の露光
を実施し、次に、ホログラム複製時、若しくはホログラ
ム使用時には所定状態の光学特性を与えるための構成を
有した光学系を使用する。
【0015】この後、特に感光材料が光硬化性樹脂の場
合、紫外線を照射して定着工程を実施し、次に、重合を
進ませるために加熱する。この加熱工程において収縮が
発生し、これが光硬化性樹脂での光学特性変化の主な原
因となっている。従って、特性変化に対する補償では、
原版作製時前に実際の露光と同様の光学系による予備露
光(加熱、定着工程を含むものとする)を実施して、特
性の変化状態を測定し、補償量を決定し、原版露光時の
光学系の構成設定を行う。実際には、予備露光を実施し
た後に回折波長、回折角度、焦点距離等の光学特性を測
定し、与えられるべき所定の光学特性からの変化から、
収縮・膨張が材料の厚み方向だけであるか、材料の面内
方向にも存在するかを判定し、この結果から補償すべき
条件を特定する。
【0016】具体的には、変化する光学特性が回折波長
のみである場合には、つまり、ホログラム全体が各方向
で均一の割合で収縮・膨張する場合には、収縮・膨張は
材料中で等方的に起こり、回折格子の格子間隔がその割
合x%狭く又は広くなるだけで、回折格子そのものの形
状(傾き、曲率)は変化しない。すなわち、回折波長の
みx%短波長又は長波長へ変化するだけで、回折角度や
焦点距離は変化しない。従って、ホログラム原版作製時
の露光波長をこのように調整することで、露光後の変化
を補償することができる。
【0017】また、例えば、厚み方向のみに収縮がある
場合、図5のような収縮モデルとなる。つまり作製され
たホログラムは、厚み方向の収縮を受けると図中の実線
から破線のように変化することになる。このとき、回折
格子の傾き角がθ1 からθ2へ、格子間隔がd1 からd2
へ、格子ベクトルがk1 からk2 へ変化する。材料が
x%収縮したとするとθ1 とθ2 、d1 とd2 、k1
2 との関係は以下になる。
【0018】 θ2 =tan-1[(1−x/100)tanθ1 ] (1) d1 =(sinθ2 /sinθ2 )d1 (2) k1 =(sinθ1 ,cosθ1 ,0)、 k2 =(sinθ2 ,cosθ2 ,0) (3)
【0019】これらの式から、収縮・膨張による格子ベ
クトル、格子間隔の変化が予想できる。すなわち、収縮
・膨張による回折方向と回折波長の変化が予想できるよ
うになる。そこで、ホログラム原版作製時に変化分だけ
予め光学系の設定に変更を加えることで、最終的には所
望の特性を有するホログラムを得ることができる。
【0020】このような光学特性の変化に対する補償量
については、上記のような予備露光の他に、この熱収縮
による光学特性変化を予め計算し、その後原版作製に移
ることもできる。
【0021】次に、複製ホログラムの作製では、上記工
程により作製されたホログラム原版に感光材料を貼付
け、今度は片面から所定の光学系で露光する。その後複
製側の感光材料は原版から剥離され、原版の作製時と同
様の工程処理を経て製品となる。なお、ホログラム原版
を複製用のホログラム感光材料に密着させることなく配
設しても、複製ホログラムの作製は可能であるが、露光
光源の光利用効率が良い点、及び、ノイズ光の低減等の
点から貼付け手段等により、密着して配設することが好
ましい。
【0022】ここで、複製ホログラムの作製において
も、少なくとも光硬化性樹脂であれば、加熱工程が実施
される。従って、原版と同様に収縮が発生し、光学特性
が変化する。そこで、原版作製の場合と同様に、製品と
なる複製ホログラムと対比した変化を予め計算又は測定
を行い、補償量を決定する。
【0023】以上のように、ホログラムの複製におい
て、所望の特性を持つ複製ホログラムが容易にかつ安定
的に得られるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を説明する。
【0025】図1は、本発明のホログラム原版を含んだ
基本層構成を示す断面図である。この図において、体積
位相型ホログラム1(ホログラム原版)は基板ガラス5
に張り付けられ、保護層4が基板ガラス5の反対側に備
えられる。更に、基板ガラス5側には接着層3を介して
黒色吸収体6が接着されている。また、保護層4にも接
着層3を介して、カバーガラス2が接着されている。
【0026】このホログラム原版1は、複製ホログラム
の作製が完了したときに、所定の特性を持った光学系に
よって使用できるように、複製完了までにホログラムに
発生する収縮や膨張を補償する変更が予め加えられてい
る。本実施形態では、ホログラム感光材料にはポリビニ
ルアルコール(PVA)カバーシート付きフォトポリマ
ーを、記録光源には、色素レーザを用いている。そし
て、ホログラムの面内9点について上記の計算を行い、
厚み方向のみの収縮による格子変形として、その変形を
見込んでホログラム原版の露光系を導出している。
【0027】次に、本発明のホログラム原版1の作製方
法を以下に説明する。
【0028】まず、図3を参照すると、基板ガラス5に
はホログラム原版1となる感光材料9が張り付けられ、
その上に保護層4が備えられて1セットとなり、反射防
止(AR)コートによって反射を抑えられたARコート
ガラス板10に挟まれた状態とされる。一方、この感光
材料に垂直の軸線Lを基準の光学系で、レーザ光を球面
波に変換するスペーシャルフィルタ11と、該フィルタ
にレーザ光を照射する色素レーザが後述の計算に沿って
設計・配置される。
【0029】この感光材料のセットは所定位置に置かれ
て、ホログラム記録のための露光が実施される。次に、
ARコートガラス10が取り除かれた後、紫外線の照射
により感光材料を硬化させ、ホログラムを定着させる。
その後、加熱して重合を進ませ、ホログラムの干渉縞を
より鮮明にさせる。最後に、基板ガラス5のホログラム
が備えられていない面に接着層3を介して黒色吸収体6
が接着され、保護層4にも接着層3を介して、カバーガ
ラス2が接着され、ホログラム原版が作製される。
【0030】ここで、図1のような形態に対して、基板
ガラス5は、ホログラム原版1の露光時の基板ガラスで
あり、省くこともでき、その層構成の断面図を図2に示
している。このなかで、基板ガラスを省く場合には、予
め、基板ガラスの表面を離型処理しておき、露光後、ホ
ログラム原版21が、容易に剥がせるようにしておく。
この場合、ホログラムは直接黒色吸収体26に貼り付け
られる。その他の構成は図1と同様で、ホログラム原版
21の保護層24には接着層23を介して、カバーガラ
ス22が接着されている。
【0031】本発明の特に重要である上述の光学系の構
成に関し、まず、実際に使用される時点での光学系の所
定特性について、例えば、図4に示したように露光光学
系の構成が、参照光入射角θ3 、参照光発散点11から
の距離F1 、物体光入射角θ4 、物体光発散点11から
の距離F2 、露光波長λ1 によって設定される。この図
4の場合、この所定特性として、θ3 =0°、F1 =2
00mm、θ4 =20°、F2 =1000mmの構成
で、波長555nmの光により露光する光学系であり、
この光学系で利用できるホログラムとなることが目標で
ある。
【0032】そこで、本実施形態においては、感光材料
として、上述のようにPVAカバーシート付きフォトポ
リマーを使用している。この感光材料を予備露光するこ
とによって、収縮の度合いを予め定める。測定の結果、
この感光材料は、上記の露光、加熱プロセスで通常2%
の収縮が起きるものであった。この収縮は、感光材料フ
ィルムの厚さ方向のみに起き、面内方向には起きないで
あった。従って回折格子の格子間隔、傾き角、曲率が変
化してしまう。
【0033】このことから、図5を基に説明した式
(1)、(2)、(3)を利用し、x=2とおくと、本
実施形態での原版用のホログラム感光材料は、図3の露
光系(参照光入射角θ3 =0.16°、参照光発散点1
1からの距離F1 =199.4mm、物体光入射角θ4
=20.57°、物体光発散点11からの距離F2 =1
064.0mm)で、波長566nmの光で記録される
こととなる。これにより、上述した工程を経ると、ホロ
グラムに変形が加わり、結果として目標であるところの
図4の露光系(θ3 =0°、F1 =200mm、θ4
20°、F2 =1000mm)で波長555nmの光で
記録されているホログラムと同一の光学特性を持つホロ
グラムを得ることができる。
【0034】ここで、ホログラム材料としては、上記の
他にポリビニルカルバゾール系などのフォトポリマー、
重クロム酸ゼラチン、光レジスト、銀塩などの種々の感
光材料を用いることができる。各感光材料により収縮・
膨張状態はことなるので、予め確認する必要がある。記
録光源としては、発振波長を自由に変えられる色素レー
ザが特に有効である。
【0035】このようにして得られたホログラム原版の
回折効率は95%以上あり、複製用ホログラム原版とし
ては十分な効率が得られた。このホログラム原版で、カ
バーガラス2は、厚さ1.1mmのガラス、保護層4
は、PVA、接着層3は、紫外線硬化型光学接着剤(米
国ノーランド社製NOA−61)を用いた。
【0036】この原版のカバーガラス上に、複製用感光
材料(米国デュポン社製カバーシート付きフォトポリマ
ー)を直接貼り付け、原版と反対側に屈折率整合液(キ
シレン等)を介して、ARコートガラスを設置して、A
Rコートガラス側から、入射角20°、発散点1000
mmで波長555nmのレーザ光を照射して複製を行っ
た。その結果、回折効率95%以上の複製が得られ、そ
の光学特性は、図4の露光系で作製されたホログラムと
全く同じものであった。なお、図4中図3と同じ構成要
素には図3と同じ符号を付与した。
【0037】以上は、収縮が材料の厚み方向のみに起こ
る場合であるが、収縮が等方的に起こる場合、図4の露
光系の複製を得るためのホログラム原版の露光系は、以
下のようになる。
【0038】この収縮は、材料中で等方的に起こり、回
折格子の格子間隔が2%狭くなるだけで、回折格子その
ものの形状(傾き、曲率)は変化しない。すなわち、回
折波長のみ2%短波長へ変化するだけで、回折角度や焦
点距離は変化しない。そこで、図4の露光系で波長55
5nmの光で記録されているホログラムと同一の光学特
性を持つ複製ホログラムを得るためには、ホログラム原
版の露光系は、図4と同一で記録波長のみ考慮すればよ
い。すなわち、複製時に555nmの光で記録するため
には、2%の収縮分を見込んで、ホログラム原版を作製
する際の露光用光の波長を555nmの2%長波長(5
66nm)にすればよいだけである。
【0039】本実施例では、図4の露光系で露光したホ
ログラムと同一の複製を得るための、ホログラム原版の
作製方法を実施したが、光学設計結果と同一の特性を持
つ複製ホログラムを最終的に得るためには、ホログラム
原版作製時と複製時両方におけるホログラム回折格子の
変形を二重に考慮すればよく、2回分の収縮を見込ん
で、ホログラム原版の露光系と、複製時の露光系を導き
出せばよい。
【0040】また、本実施例では、単色ホログラムを用
いたが、多色ホログラムでも、同様である。
【0041】さらに、本実施例では、反射型ホログラム
を用いたが、透過型ホログラムでも同様である。この場
合、ホログラム原版を複製用ホログラム感光材料に配設
してある状態で、ホログラム原版側から露光用光源から
の光を照射することになる。
【0042】なお、カバーガラス2の最表面からホログ
ラム原版1の基板ガラス側の面までの厚さは作製時に用
いる露光光源(通常はレーザ)の可干渉距離に依存す
る。具体的には光源の可干渉距離の1/2以下にするこ
とが必要である。しかし、その厚さが薄すぎると、機械
的強度に問題が生じる。この厚さは、好ましくは、1m
mから10mm程度である。複製時の露光光源として
は、干渉フィルタを透過した単色光源でも可能である
が、可干渉距離の大きいレーザが好ましい。特に、エタ
ロンにより発振線幅を狭くしたレーザが好ましい。
【0043】ここで、図1、2のような形態において、
黒色吸収体6は、基板ガラス5又はホログラム原版1の
カバーガラスと反対側の空気との界面での内部反射によ
る迷光を低減する効果がある。接着層3は、透明度が高
く光の散乱が小さい(低ヘイズ)ものが望ましい。ま
た、泡の抱き込みが少なく、かつ、凸凹面に充填しやす
い粘性をもつものが好ましい。接着の際には、泡の除去
や接着層を均一な厚みにするために、重しを載せ数時間
静置した方がよい。接着層3の硬化形式としては、熱硬
化型、紫外線硬化型、2液混合硬化型、熱溶融硬化型
(ホットメルト)等が好ましい。また、接着層3の材料
としては、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ホット
メルト系等があげられる。
【0044】接着層3の成分がホログラム原版1に悪影
響を与えることを防止するために、保護層4をホログラ
ム原版1と接着層3との界面に介在させる。保護層4と
しては、PVAフィルムやPETフィルム等が使用可能
であるが、なるべく複屈折性を持たず、屈折率が1.5
付近のものがよい。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、ホログラム原版及びそ
の作製において、作製後の光学特性の変化分を補償する
ために、予めホログラム原版作製時の光学系の各構成に
変更を与えるという構成により、正確に所望の特性を持
つ複製ホログラムを容易にかつ安定的に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態であるホログラム原版の基本
構成断面図
【図2】本発明の他の実施形態であるホログラム複製用
原版の基本構成断面図
【図3】本発明の実施形態における原版用ホログラムの
露光系を示す概略図
【図4】本発明の実施形態における所望のホログラム露
光系を示す概略図
【図5】ホログラム収縮のモデルを示す図
【符号の説明】
1、21:体積位相型ホログラム(ホログラム原版) 2、22:カバーガラス 3、23:接着層 4、24:保護層 5:基板ガラス 6、26:黒色吸収体 10:ARコートガラス 11:スペーシャルフィルタ 12:ホログラム回折格子面 θ3 :参照光入射角 θ4 :物体光入射角

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホログラム感光材料に配設してホログラム
    の複製に用いるホログラム原版であって、 ホログラム原版作製時から複製ホログラム完成時までの
    間でホログラム原版及び複製ホログラムのうちの少なく
    とも一方の収縮・膨張に起因する、複製ホログラムの所
    望の光学特性からの光学特性の変化に対応して、前記変
    化分だけ予めずらした光学系設定により、原版用ホログ
    ラム感光材料が露光されて作製されたものであることを
    特徴とするホログラム原版。
  2. 【請求項2】前記変化する光学特性が回折波長のみであ
    るとき、この変化分を補償した露光波長によって原版用
    ホログラム感光材料が露光されて作製されたものである
    ことを特徴とする請求項1に記載のホログラム原版。
  3. 【請求項3】ホログラム感光材料に配設してホログラム
    の複製に用いるホログラム原版の作製方法であって、 ホログラム原版作製時の露光において、ホログラム原版
    及び複製されるホログラムのうちの少なくとも一方の収
    縮・膨張に起因する、複製ホログラムの所望の光学特性
    からの光学特性の変化に対応して、前記変化分だけ予め
    ずらした光学系設定により、原版用ホログラム感光材料
    が露光することを特徴とするホログラム原版の作製方
    法。
JP31241797A 1997-11-13 1997-11-13 ホログラム原版及びその作製方法 Pending JPH11143342A (ja)

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