JPH10176728A - ドラムブレーキ - Google Patents

ドラムブレーキ

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JPH10176728A
JPH10176728A JP35243296A JP35243296A JPH10176728A JP H10176728 A JPH10176728 A JP H10176728A JP 35243296 A JP35243296 A JP 35243296A JP 35243296 A JP35243296 A JP 35243296A JP H10176728 A JPH10176728 A JP H10176728A
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信之 武田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレーキ鳴きを防止することができるドラム
ブレーキを提供する。 【解決手段】 ブレーキドラム1に摺接するブレーキシ
ュー10のライニング13において、制動終期において
ブレーキシュー10に振動が生じるとすると振幅が大き
く現れる長手方向両側部であるライニング部分14は、
滑り速度が大きいほど摩擦係数が大きい特性を有する摩
擦材で形成され、長手方向に延びる中央部であるライニ
ング部分15は、従来の特性を有する摩擦材で形成され
ている。ライニング部分14は、制動終期においてブレ
ーキドラム1との摩擦係合力が小さく、振動を大きくし
ないので、ブレーキ鳴きが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ライニングをブ
レーキドラムに摺動させて制動力を得るドラムブレーキ
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ブレーキの一形式として、ブレー
キシューのリムに貼着したライニングをブレーキドラム
に摺動させて制動力を得るドラムブレーキが知られてい
る。ドラムブレーキは、一般に、図4に示されるよう
に、回転部材に設けられたブレーキドラム1、バッキン
グプレート2やアンカー3等の固定部材に支持され且つ
ブレーキドラム1の周面と対向する位置に設けられたブ
レーキシュー4,5、ブレーキシュー4,5をブレーキ
ドラム1の周面から離す方向に付勢する復帰手段として
のリターンスプリング6、前記固定部材に設けられ且つ
リターンスプリング6の力に抗してブレーキシュー4,
5をブレーキドラム1に押圧する作動機構としてのホイ
ールシリンダ7を備えている。ブレーキシュー4,5
は、ブレーキドラム1の周方向に延びるリム4a,5
a、リム4a,5aの内周側に一体構造に取り付けられ
たウェブ4b,5b、リム4a,5aの外周面に取り付
けられ且つブレーキドラム1の周面と摩擦係合するライ
ニング4c,5cを有している。ブレーキシュー4,5
がバッキングプレート2から浮き上がるのを防止するた
め、ブレーキシュー4,5をバッキングプレート2に対
して押さえるホールドダウン8が設けられている。通
常、ライニング4c,5cは、ブレーキシュー4,5の
リム4a,5aの外周面に対して同一の摩擦材が一面に
張られている。
【0003】ドラムブレーキにおいては、ライニングの
摩擦特性及びブレーキシューの剛性に起因して制動時に
ブレーキ鳴きが発生することがある。特に、車両に用い
られているブレーキの場合、ブレーキ鳴きは車両の運転
者や車両の周囲に居る人に不快感を与えるものである。
図5に示すブレーキシュー30は固定部材に対して回動
支持される形式のものであるが、ブレーキシュー30に
ついての振動モードの解析結果に示されているように、
ブレーキシュー30のリム31の長手方向に沿って延び
る中央部33ではウェブ32が設けられているため振幅
が小さく、リム31の長手方向に沿って延びる両側部で
あるリム側部34で振幅が大きいことが分かっている。
また、振動は1次から高次まで亘るモードが重畳したも
のとなっている。一般には、高次の振動モードよりも低
次の振動モード、即ちブレーキドラムの回転数が低いと
きの振動モードが人に対して最も耳障りなブレーキ鳴き
となっている。ブレーキ鳴きに対しては従来から種々の
対策が提案されており、その一つとして、ブレーキシュ
ーの剛性を増加させるためにブレーキシュー本体を全体
的に肉増とする対策がある。しかしながら、この対策
は、奏する効果に比較してブレーキシューの重量が増加
し過ぎるという不都合がある。
【0004】ライニングの摩擦特性に配慮することによ
り、ブレーキ鳴きを効果的に防止しようとするドラムブ
レーキのブレーキシューについては、特開平5−306
725号公報に開示されているものがある。このブレー
キシューは、回転する制動ブレーキドラムの回入側とな
るトウ部分のライニングを、滑り速度が高くなるほど摩
擦係数が大きくなる正の摩擦係数特性を有するカーボン
材から形成し、その他の部分のライニングを通常の摩擦
材を用いて形成したものであり、制動時の制動ブレーキ
ドラムの内周面に対するブレーキシューのトウ部分のラ
イニングの食い付きを弱めることにより、ブレーキ鳴き
を防止しようとするものである。
【0005】なお、ブレーキシューのブレーキ鳴き対策
としてではないが、ライニングの摩擦特性に配慮したも
のとして、実開平3−52436号公報、或いは特開平
4−125327号公報に開示のものがある。実開平3
−52436号公報に開示のものは、対向して配置され
たブレーキシューのうち、リーディング側のブレーキシ
ューには摩擦係数が車輪速に比例して変化する摩擦材を
用い、トレーリング側のブレーキシューには摩擦係数が
車輪速に反比例して変化する摩擦材を用いることによ
り、リーディング側のブレーキシューに作用する制動力
を抑えて、車輪のロックの防止を図ったものである。ま
た、特開平4−125327号公報に開示のものは、対
向して配置されたブレーキシューのうち、リーディング
側のブレーキシューのライニングに、周囲よりも耐摩耗
性の高い材料で成形されたライニング層を部分的に形成
して、リーディング側のブレーキシューとトレーリング
側のブレーキシューとの摩耗量をほぼ均等にして、安定
した制動機能を得ると共に、ライニングの寿命の延長を
図ったものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記両
公報に開示されたブレーキシューは、いずれも、ブレー
キシューに設けられるライニングの摩擦特性に着目した
ものではあるが、ブレーキシューの振動モード、即ち、
ブレーキシューのリムの側部の振幅が大となる振動モー
ドを考慮した上で、ブレーキ鳴きを生じる振動モードと
ライニングの摩擦特性とを関連付けた構造を開示するも
のではなく、図5に示すようなブレーキシューの振動モ
ードに対しては有効にブレーキ鳴きを防止することがで
きないという問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、上記
課題を解決することであり、ドラムブレーキにおいて、
ブレーキシューのうち自励振動が大きく出現し易い箇所
であるリムの側部に対応するライニングの長手方向両側
部を摩擦特性の良好な摩擦材で形成することによってブ
レーキドラムとの摩擦係合力を小さくし、それに伴う摩
擦係合力の変動も小さくすることにより、摩擦係合力の
変動に呼応して生じやすいブレーキシューの自励振動を
防止して、ブレーキ鳴きを防止するドラムブレーキを提
供することである。
【0008】摩擦特性の良好なライニングとは、次の二
つの特性を有するものを指す。 (1)摩擦係数が低い。 (2)滑り速度に対して摩擦係数が正の勾配を持つも
の。 即ち、図3のグラフに示すように、横軸に滑り速度Vを
取り、縦軸に摩擦係数μを取ると、良好な摩擦特性とさ
れるライニングは、実線で示すように、滑り速度Vが小
さい状態では摩擦係数μが小さく、滑り速度Vが大きく
なるにしたがって摩擦係数μが高くなるような正勾配を
有するライニングである。これに対して、従来の一般的
なライニングは、破線で示すように、滑り速度Vが大き
くなるにしたがって摩擦係数μが小さくなる負勾配の特
性を持っている。
【0009】この発明は、上記の目的を解決するため、
以下のように構成されている。即ち、この発明は、回転
部材に設けられたブレーキドラム、固定部材に支持され
且つ前記ブレーキドラムの周面と摩擦係合するライニン
グを有するブレーキシュー、前記ブレーキシューを前記
ブレーキドラムの周面から離す方向に付勢する復帰手
段、及び前記固定部材に設けられ且つ前記復帰手段の力
に抗して前記ブレーキシューを前記ブレーキドラムに押
圧する作動機構を具備するドラムブレーキにおいて、前
記ブレーキシューの前記ライニングの少なくとも長手方
向両側部は、滑り速度が大きいほど摩擦係数が大きい特
性(以下、「正の摩擦係数特性を有する摩擦材」とい
う)を有する摩擦材で形成されていることを特徴とする
ドラムブレーキに関する。
【0010】大きな騒音を出すブレーキ鳴きは、ブレー
キドラムとライニングとの滑り速度が低下して、滑り特
性が不安定、即ち摩擦係合力の変動が大きくなり易いと
きに生じやすい。この発明によるドラムブレーキでは、
上記のように、ブレーキ鳴きを生じている状態では振動
が大きくなるブレーキシューのリム側部に対応するライ
ニングの長手方向両側部を正の摩擦係数特性を有する摩
擦材で形成したので、回転するブレーキドラムにブレー
キシューが押圧されて制動が開始された制動初期におい
ては、摩擦係合力は安定していて且つブレーキドラムと
この摩擦材で形成されたライニング部分との間の摩擦係
数は大きく、充分な制動力が得られる。制動が進行して
ブレーキドラムの回転速度、即ちブレーキドラムとライ
ニングとの間の滑り速度が低下した状態では、上記摩擦
材の摩擦係数は低下する。そのため、ライニングがブレ
ーキドラムに対して摩擦的に係合する力が弱くなり、そ
れに伴って摩擦係合力の変動も小さくなって滑り特性の
不安定さが軽減され、ブレーキ鳴きの原因となる振動を
生じ難くなり、結果として、ブレーキ鳴きの発生が抑制
される。
【0011】リーディング側のブレーキシューは、ブレ
ーキドラムの周面に及ぼすライニングの摩擦力がトウ
部、即ち、回転するブレーキドラムが回入して来る側の
部分からヒール部、即ち、ブレーキシューが固定部材に
支持され且つ回転するブレーキドラムが回出する側の部
分へと、次第に大きくなるというサーボ効果を有してい
る。ブレーキ鳴きの原因の一つとして、ブレーキドラム
がブレーキ熱等で変形して、リーディング側のブレーキ
シューのトウ部がブレーキドラムに対して摩擦係合する
力が変動し、ブレーキシューが周方向中央部を節とする
曲げ振動を生じる現象が挙げられる。この発明によるド
ラムブレーキにおいては、ブレーキシューのライニング
の少なくとも長手方向一端部は、正の摩擦係数特性を有
する摩擦材で形成される。このような構成とすることに
より、ブレーキドラムの回転数が低下してきた制動終期
にブレーキシューがブレーキドラムに強く押圧されて
も、長手方向一端部においてはブレーキドラムに対する
摩擦係合力が弱いので摩擦係合力が変動してもその変動
幅は少ない。したがって、ブレーキシューが周方向中央
部を節とする曲げ振動の発生が抑えられ、この曲げ振動
に起因するブレーキ鳴きの発生が抑えられる。
【0012】正の摩擦係数特性を有する摩擦材で形成さ
れる部分以外のライニングの部分は、逆の摩擦係数特性
を有する摩擦材、即ち、従来のライニングとしてよく用
いられている滑り速度が大きいほど摩擦係数が小さい特
性を有する摩擦材で形成される。このように、ブレーキ
シューのライニングを従来のライニングと併用したハイ
ブリッドライニングとすることによって、上記(1)
(2)の特性を有するライニングが抱えているところ
の、特に滑り速度が低下してきたときのブレーキ効力が
低く、また、ライニング摩耗寿命が短く、機械的な強度
が低いという欠点が従来のライニングによって補われ、
ブレーキに要求されるブレーキ鳴き防止以外の特性、即
ち滑り速度が低下したときの充分な制動力、ライニング
の摩耗寿命、及び機械的な強度が確保される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ、こ
の発明の実施例を説明する。図1はこの発明によるドラ
ムブレーキの概略斜視図であり、ブレーキドラム、及び
このブレーキドラムからブレーキドラムの回転軸方向に
引出したブレーキシューのみを示した図である。図1で
は作動機構やアンカー等の諸部品を省略して記載してい
るが、ドラムブレーキ自体については図4について説明
したものと実質的に同等であり、再度の説明を省略す
る。なお、ブレーキシューのアンカーに対する図示の支
持構造は、アンカーピン(図示せず)を用いてブレーキ
シューを回動支持する形式のものである。アンカーピン
は、ブレーキシュー10のウェブ12の一端側に設けた
孔に通されて固定部材に取り付けられる。
【0014】図1に示されているドラムブレーキは、図
中の矢印の方向を主たる回転方向とするブレーキドラム
1の内周面に対して摩擦係合される一対のブレーキシュ
ー10,16を備えた内拡式ドラムブレーキである。ブ
レーキシュー10はリーディング側のブレーキシューで
あり、ブレーキシュー16はトレーリング側のブレーキ
シューである。ブレーキシュー10は、ブレーキドラム
1のブレーキ面に沿うように周方向に延びるように彎曲
した帯状の板からなるリム11と、リム11の内面に設
けられ且つ溶接等の手段によりリム11と一体構造とさ
れた弓形のウェブ12と、リム11の他方の周面に接着
等の手段により取り付けられ且つブレーキドラムの周面
と摩擦係合するライニング13を有している。
【0015】ライニング13は、ブレーキシュー10の
長手方向、即ちドラムブレーキ1に装着された状態では
ブレーキドラム1の回転方向に沿う方向の両側部のライ
ニング部分14と、ライニング部分14間に挟まれた長
手方向中央部のライニング部分15とから構成されてい
る。ライニング部分14は、ブレーキシュー10が図5
に示すような振動モードで振動したとすると振幅が大き
くなるリム11の側部に対応して設けられている。ライ
ニング部分14は、正の摩擦係数特性を有する摩擦材で
あり、例えば、カーボン繊維が主体でガラス繊維を極力
少なくした材料で成形されている。
【0016】一方、ライニング部分15は、ブレーキシ
ュー10が図5に示すような振動モードで振動したとす
ると振幅が比較的小さく維持されるブレーキシュー10
のリム11の長手方向中央部に対応して設けられてい
る。ライニング部分15は、従来の摩擦特性、即ち滑り
速度が大きいほど摩擦係数が小さくなる負の摩擦係数特
性を有する摩擦材であり、例えば、ガラス繊維が主体の
材料で成形されている。なお、正の摩擦係数特性を有す
るライニング部分14がライニング13の全面積に占め
る割合は、制動力を確保しつつブレーキ鳴きを抑制する
ためには、20〜30%(したがって、負の摩擦係数特
性を有するライニング部分15が占める面積の割合は7
0〜80%)であることが好ましい。
【0017】ブレーキドラム1の回転数が高い制動初期
には、ブレーキシュー10のライニング13のうち長手
方向中央部のライニング部分15は摩擦係数が小さい
が、長手方向両側部のライニング部分14は摩擦係数が
大きいので充分な制動力を確保することができる。ま
た、ブレーキドラム1の回転数が高い状態では、摩擦係
数が高くなるライニング部分14であっても大きなブレ
ーキ鳴きが生じる可能性は低い。
【0018】ブレーキドラム1の回転数が低下する制動
終期においては、ブレーキシュー10のリム11の長手
方向中央部の振動の規模は、振動が生じたとしてもリム
11の側部の振動よりも少ない。したがって、ライニン
グ部分15とブレーキドラム1との間の摩擦係数が大き
くなっていても、ブレーキシュー10はブレーキ鳴きを
生じることはなく、却ってライニング部分15が分担す
る制動力が大となって制動力を確保することができる。
【0019】一方、ライニング部分14は、制動終期に
はブレーキドラム1との間の摩擦係数が小さくなるので
制動力の分担は小さくなるが、それに応じて、ブレーキ
シュー10のリム11を図5に示すように振動させる力
も小さくなくなる。即ち、ブレーキシュー10が図5に
示すように振動するとしたときに振幅が大きくなるリム
11の側部に対応するライニング部分14は、正の摩擦
係数特性を有する摩擦材で形成されていて、ブレーキド
ラム1の回転数が低下してブレーキ鳴きを生じやすい制
動終期においてブレーキドラム1との摩擦係合力が小さ
い。そのため、摩擦係合力の変動は、生じても小さな変
動に抑えられ、ブレーキシュー10に振動を生じさせる
ものとはならず、結果として、ブレーキ鳴きが防止され
る。
【0020】図2には、この発明によるドラムブレーキ
に適用されるブレーキシューの別の例が示されている。
図2は、ブレーキシューをライニング側から見た正面図
である。このブレーキシュー20は、リム21のブレー
キドラム側の面にライニング22を設けたものである。
ブレーキシュー20の幅方向両側のライニング部分23
のみならず、ライニング22の長手方向一端部であるラ
イニング部分24も、前記ブレーキシューのライニング
の正の摩擦係数特性を有する摩擦材で形成されている。
【0021】ライニング部分24は、ブレーキシュー2
0のトウ部分に対応して配置されている。ライニング部
分23とライニング部分24とを除くライニング部分2
5は、従来の負の摩擦係数特性を有する摩擦材で形成さ
れている。ブレーキドラムの回転数が低下する制動終期
において、長手方向両側部のライニング部分23のブレ
ーキドラム1に対する摩擦係合力は、図1に示した実施
例の場合と同様に小さく、したがってその摩擦係合力の
変動も小さく、ブレーキシュー20に振動を生じさせる
ことがない。また、ライニング22の長手方向一端部で
あるライニング部分24がブレーキドラム1に強く押圧
されても、ライニング部分24とブレーキドラム1との
間に生じる摩擦係合力は弱く、したがってその摩擦係合
力の変動も少ない。その結果、従来のブレーキシューで
生じていたような、ブレーキシューの周方向中央部を節
とする曲げ振動は、大きくなることがなく、ブレーキシ
ューのトウ部分の振動を原因とするブレーキ鳴きの発生
も抑えられる。
【0022】この発明によるドラムブレーキを、内拡式
ドラムブレーキに適用されるブレーキシュー、特に、ブ
レーキドラムが回入して来る側のブレーキシューである
リーディング側ブレーキシューのライニングに正の摩擦
係数特性を有する摩擦材を適用した例を挙げて説明した
が、この発明によるドラムブレーキは、ブレーキドラム
が回出する側のブレーキシューであるトレーリング側ブ
レーキシューのライニングに同様の対策を施したもので
あってもよい。また、この発明によるドラムブレーキ
は、リーディングトレーリング式のドラムブレーキにか
かわらず、ツーリーディング等の他の形式のドラムブレ
ーキに適用することができるのも明らかである。ブレー
キシューの固定部材に対する支持については、アンカー
ピンを用いた固定式として説明したが、図4に示すよう
な浮動式の構造による支持としてもよい。また、ブレー
キシューのライニングの長手方向一端部をブレーキシュ
ーのトウの部分に対応しているものとして説明したが、
ブレーキドラムの回転方向(例えば、車両の後進時には
逆の回転方向となる)や、ドラムブレーキの形式等を考
慮すれば、ブレーキシューのライニングの長手方向一端
部はブレーキシューのヒール部分に対応するものを除外
するものではない。更に、この発明によるドラムブレー
キは、ブレーキドラムの外周面をブレーキ面とする外締
式のドラムブレーキにも適用可能である。
【0023】
【発明の効果】この発明は、上記のように構成されてい
るので、次のような効果を奏する。即ち、この発明によ
るドラムブレーキは、ブレーキシューのライニングの少
なくとも長手方向両側部は、滑り速度が大きいほど摩擦
係数が大きい特性を有する摩擦材で形成されているの
で、ブレーキ鳴きを生じやすい制動の終期では、振動が
大きく現れ易いブレーキシューのリムの側部において、
ブレーキシューのライニングとブレーキドラムとの間の
摩擦係合力を小さくし、それによって摩擦係合力の変動
も小さくして、ブレーキシューの振動が大きくならない
ようにした。したがって、ブレーキ鳴きを防止でき、運
転者等の車両の周囲にいる人に不快感を与えることがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるドラムブレーキの一実施例を示
す概略斜視図である。
【図2】この発明によるドラムブレーキに適用されるブ
レーキシューの別の例を示す正面図である。
【図3】ライニングの滑り速度に対する摩擦特性を示す
グラフである。
【図4】ドラムブレーキの一例を示す正面図である。
【図5】従来のブレーキシューの振動モードを示す図で
ある。
【符号の説明】
1 ブレーキドラム 2 バッキングプレート 3 アンカー 4,5 ブレーキシュー 6 リターンスプング 7 ホイールシリンダ 10,20 ブレーキシュー 13 ライニング 14,15 ライニング部分 22 ライニング 23,24,25 ライニング部分

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転部材に設けられたブレーキドラム、
    固定部材に支持され且つ前記ブレーキドラムの周面と摩
    擦係合するライニングを有するブレーキシュー、前記ブ
    レーキシューを前記ブレーキドラムの周面から離す方向
    に付勢する復帰手段、及び前記固定部材に設けられ且つ
    前記復帰手段の力に抗して前記ブレーキシューを前記ブ
    レーキドラムに押圧する作動機構を具備するドラムブレ
    ーキにおいて、前記ブレーキシューの前記ライニングの
    少なくとも長手方向両側部は、滑り速度が大きいほど摩
    擦係数が大きい特性を有する摩擦材で形成されているこ
    とを特徴とするドラムブレーキ。
  2. 【請求項2】 前記ブレーキシューの前記ライニングの
    少なくとも長手方向一端部は、前記摩擦材で形成されて
    いることを特徴とする請求項1に記載のドラムブレー
    キ。
  3. 【請求項3】 前記ブレーキシューの前記摩擦材で形成
    されている部分以外の前記ライニングの部分は、滑り速
    度が大きいほど摩擦係数が小さい特性を有する摩擦材で
    形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載
    のドラムブレーキ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113738790A (zh) * 2021-08-10 2021-12-03 陕西理工大学 一种减振降噪制动器

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