JPH10176494A - セグメントの継手構造 - Google Patents

セグメントの継手構造

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JPH10176494A
JPH10176494A JP8340142A JP34014296A JPH10176494A JP H10176494 A JPH10176494 A JP H10176494A JP 8340142 A JP8340142 A JP 8340142A JP 34014296 A JP34014296 A JP 34014296A JP H10176494 A JPH10176494 A JP H10176494A
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Susumu Okayama
奨 岡山
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明彦 仲野
Kenta Matsubara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セグメント同士の接合作業の容易化を図り、
作業効率を向上させる。 【解決手段】 雄型セグメントの接合面に雄継手3を設
け、雌型セグメントの接合面に雌継手4を設ける。切欠
部12を有する係止板13から雌継手4を構成する。ベ
ース板6にボルト9を立設させて雄継手3を構成する。
雌継手4の係止板13を雄継手3への嵌入方向へ窄まる
クサビ状に形成する。雄継手3のベース板6に係止板1
3の外面側のテーパ面13aと略同一角度のテーパ面6
aを形成する。ボルト9のヘッド11の底部側に、係止
板13の内面側のテーパ面13bと略同一角度のテーパ
面10aを有するワッシャ10を取り付ける。セグメン
トの接合面同士をスライドさせて、雌継手4の係止板1
3の切欠部12にボルト9を嵌合させながら、ベース板
6とワッシャ10との間に係止板13を嵌入させて係合
させ、雄型セグメントと雌型セグメントとの接合面を強
固に接合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、相互に複数連結
することにより掘削穴の軸方向に筒状壁体を構成するセ
グメントの継手構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トンネルを構築する方法としては、掘削
穴の内面側にセグメント(主にコンクリート製あるいは
スチール製)を組み立てて筒状壁体を構築する、いわゆ
るシールド工法が一般的である。このシールド工法に用
いられるセグメントとしては平面視長方形状で円弧版状
のものが主流であり、これらセグメント同士をボルトに
よって接合していた。このボルトでセグメント同士を接
合する構造としては、セグメントの接合面の近傍に、セ
グメントの接合面同士を当接させた際に、互いに連通す
る孔部を有する継手板を埋め込んでおき、これら継手板
の孔部へボルトを挿通させ、このボルトへナットを締結
させて接合させる構造が一般的である。また、相互のセ
グメントにナット部材であるインサート金具を埋め込ん
でおき、隣接するセグメントに貫通させたボルトを締結
させて互いに接合させる構造もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
造では、構築現場にて継手の接合面に形成された孔部へ
ボルトを挿通させ、このボルトへナットを締結させた
り、相互のセグメントに埋め込んだインサート金具へボ
ルトを締結させるという極めて煩雑な作業を要するため
組立時間の短縮には限界があり、また、ロボットによる
自動組み付けへの適応が困難であった。さらには、二次
覆工を省略する場合にもボルト・ナットを取り付けるた
めにセグメントに形成したボルトボックスの閉塞作業を
行わなければならず、施工の高速化、省力化を目指す上
で新たな継手構造の開発が急務となっているのが現状で
あった。
【0004】この発明は、上記事情に鑑みてなされたも
ので、極めて容易にかつ確実にセグメント同士を相互に
接合させることが可能なセグメントの継手構造を提供す
ることを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載のセグメントの継手構造は、セグメン
トの互いの接合面同士をスライドさせることにより、こ
れら接合面同士を接合させるセグメントの継手構造であ
って、一方の接合面には、ベース板と、このベース板に
立設された棒体と、この棒体の先端部に設けられた前記
棒体よりも大径に形成された係止部とからなる雄継手を
有し、他方の接合面には、前記棒体が側方から嵌合可能
な切欠部が形成され、該切欠部に前記棒体をスライドさ
せて嵌合させながら、前記棒体の係止部と前記ベース板
との間へ嵌入することにより、前記雄継手と係合する係
止板が設けられた雌継手を有し、該雌継手の前記係止板
は、前記雄継手への嵌入方向へ向かって次第に窄められ
たクサビ状に形成されていることを特徴としている。
【0006】請求項2記載のセグメントの継手構造は、
請求項1記載のセグメントの継手構造において、前記雄
継手のベース板及び係止部は、前記雌継手の係止板との
当接箇所がこの係止板のそれぞれの当接面と略同一角度
のテーパ面とされていることを特徴としている。請求項
3記載のセグメントの継手構造は、請求項1記載のセグ
メントの継手構造において、前記雄継手の係止部の底部
側にワッシャが設けられ、該ワッシャ及び前記ベース板
は、前記雌継手の係止板との当接箇所がこの係止板のそ
れぞれの当接面と略同一角度のテーパ面とされているこ
とを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明のセグメントの継手
構造の実施の形態を図によって説明する。図1〜図4に
おいて、符号1はセグメントである。このセグメント1
は、平面視台形状に形成されたコンクリート製のセグメ
ントであり、周方向への接合面2が、それぞれ掘削穴の
軸方向に対して傾斜された円弧版からなるもので、それ
ぞれ周方向へ接合させることにより、筒状壁体を構成す
るリングが構築されるようになっている。これらセグメ
ント1は、雄型セグメント1A、雌型セグメント1Bか
らなるもので、これら雄型セグメント1Aと雌型セグメ
ント1Bとが交互に周方向へ連結されている。雄型セグ
メント1Aには、雄継手3が設けられており、雌型セグ
メント1Bには、雄型セグメント1Aの雄継手3が接合
される雌継手4が設けられている。
【0008】雄継手3は、図5及び図6に示すように、
略中心に孔部5が形成されたベース板6と、このベース
板6の裏面側における前記孔部5との連通位置に固定さ
れた袋ナット7と、ベース板6の裏面側に固定された一
対の側板8と、ベース板6の表面側から孔部5へ挿通さ
れて袋ナット7へ締結させることによりベース板6から
突出された状態に固定されたボルト(棒体)9とを有す
るもので、側板8には、この雄継手3をセグメント1へ
固定するアンカー10が設けられている。そして、この
雄継手3のボルト9のヘッド11が係止部とされてお
り、このボルト9のヘッド11の底部側に、ワッシャ1
0が設けられている。また、この雄継手3を構成するボ
ルト9は、スペーサ22に挿通されており、このスペー
サ22によってボルト9のねじ込み量が規制されて、ボ
ルト9のヘッド11の底部側に設けられたワッシャ10
とベース6の表面との間隔が所定寸法にされている。上
記雄継手3を構成するベース板6はその表面がテーパ面
6aとされており、また、前記ボルト9のヘッド11の
底部側に設けられたワッシャ10の下面側もテーパ面1
0aとされている。
【0009】雌継手4は、図5及び図6に示すように、
切欠部12が形成された係止板13を有するもので、こ
の係止板13の裏面側には一対の側板14が固定され、
これら側板14間には、断面L形状の底板15が設けら
れている。また、側板14には、この雌継手4をセグメ
ント1へ固定するアンカー16が設けられている。この
雌継手4の係止板13の切欠部12は、その端部近傍が
端部方向へ次第に広がるテーパ状に形成されている。ま
た、この係止板13は、切欠部12の開口側へ向かって
その厚さが次第に薄くなって窄まるクサビ状に形成され
ており、これにより、その外面及び内面がそれぞれテー
パ面13a、13bとされている。ここで、この係止板
13の外面側のテーパ面13aと雄継手3のベース板6
のテーパ面6aとが略同一角度にて形成され、また、係
止板13の内面側のテーパ面13bと雄継手3のワッシ
ャ10のテーパ面10aとが略同一角度にて形成されて
いる。
【0010】上記構成の雄継手3を有する雄型セグメン
ト1Aと、雌継手4を有する雌型セグメント1Bとを接
合させるには、これら雄型セグメント1Aと雌型セグメ
ント1Bとを互いにスライドさせて、雌型セグメント1
Bの雌継手4を構成する係止板13の切欠部12に雄型
セグメント1Aの雄継手3を構成するボルト9を係合さ
せる。即ち、雄継手3のボルト9を雌継手4の係止板1
3の切欠部12へ嵌め込みながら、雄継手3のボルト9
のヘッド11の底部側に設けたワッシャ10とベース板
6との間に、雌継手4の係止板13を嵌め込むように雄
型セグメント1Aと雌型セグメント1Bとをスライドさ
せる。このようにすると、雌継手4の係止板13のクサ
ビ効果によって、この係止板13が雄継手3のベース板
6とワッシャ10との間へ強固に食い込み、これによ
り、雄継手3と雌継手4とが互いに強固に接合され、雄
型セグメント1Aと雌型セグメント1Bとが、図7に示
すように、互いの接合面2が強固に圧接された状態に接
合される。
【0011】ここで、雄継手3のベース板6の表面及び
ワッシャ10の下面がそれぞれテーパ面6a、10aと
されているので、雌継手4との接合時に、この雌継手4
の係止板13の表面側のテーパ面13a及び裏面側のテ
ーパ面13bと面接触するので、この係止板13のそれ
ぞれのテーパ面13a、13bを傷つけることなく、係
止位置へ円滑に案内することができる。つまり、ワッシ
ャ10として通常のワッシャを用いたり、ベース板6と
して単なる平板を用いた場合、ワッシャあるいはベース
板6の角部によって係止板13の表面あるいは裏面側の
テーパ面13a、13bが削られて、腐食し易い状態と
なってしまうが、本実施の形態の例によれば、ワッシャ
10あるいはベース板6が、係止板13を削ってしまう
ようなことなく係止板13が係止位置へ円滑に案内され
る。
【0012】以上、説明したように、本実施の形態のセ
グメントの継手構造によれば、雌型セグメント1Bの雌
継手4の係止板13に形成された切欠部12へ、雄型セ
グメント1Aの雄継手3に設けられたボルト9を差し込
みながら、係止板13をベース板6とワッシャ10との
間の係止位置へ嵌合させることにより、極めて容易に、
雄継手3と雌継手4とを係合させて、その係合力によっ
て雄型セグメント1Aと雌型セグメント1Bとを周方向
へ接合させてリングを構築することができる。これによ
り、従来のボルト・ナットによる締結構造あるいはイン
サート金具へボルトを締結させる締結構造と比較して、
セグメント同士の接合作業にかかる労力を大幅に低減さ
せることができるとともにロボットによる自動組立の容
易化を図ることができ、さらには、ボルトボックス等が
ないので、ボルトボックスの閉塞作業を省略することが
できる。
【0013】また、雄継手3のベース板6とワッシャ1
0との間へ嵌合される雌継手4の係止板13がクサビ状
に形成されているので、この係止板13のクサビ効果に
よって雄継手3と雌継手4とを極めて大きな力にて係合
させることができ、これにより、雌型セグメント1Bの
接合面2と雄型セグメント1Aの接合面2とを極めて強
固に接合させることができる。
【0014】また、雄継手3のベース板6の表面及びワ
ッシャ10の下面がそれぞれ係止板13の表面側及び裏
面側のテーパ面13a、13bと略同一角度のテーパ面
6a、10aとされているので、雄継手3と雌継手4と
の接合時に、係止板13を、雄継手3のベース板6とワ
ッシャ10との間の係止位置へ極めて円滑に案内させる
ことができ、また、ワッシャ10として通常のワッシャ
を用いたり、ベース板6として単なる平板を用いた場合
のように、ワッシャあるいはベース板6の角部によって
係止板13の表面あるいは裏面側のテーパ面13a、1
3bが削られて、腐食し易い状態となってしまうような
ことがない。
【0015】なお、上記の雄継手3では、平面視矩形状
のワッシャ10を用いたが、このワッシャ10の平面形
状としては、例えば、円形等であっても良く、また、セ
グメント1としては、コンクリート製に限らず、スチー
ル製であっても良いことは勿論である。
【0016】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明のセグメ
ントの継手構造によれば、下記の効果を得ることができ
る。請求項1記載のセグメントの継手構造によれば、雌
継手の係止板に形成された切欠部へ雄継手に設けられた
棒体を差し込みながら、係止板をベース板と係止部との
間へ嵌合させることにより、極めて容易に、雄継手と雌
継手とを係合させて、その係合力によってセグメント同
士を接合させることができる。これにより、従来のボル
ト・ナットによる締結構造あるいはインサート金具へボ
ルトを締結させる締結構造と比較して、セグメント同士
の接合作業にかかる労力を大幅に低減させることができ
るとともにロボットによる自動組立の容易化を図ること
ができ、さらには、ボルトボックス等がないので、ボル
トボックスの閉塞作業を省略することができる。また、
雄継手のベース板と係止部との間へ嵌合される雌継手の
係止板がクサビ状に形成されているので、この係止板の
クサビ効果によって雄継手と雌継手とを極めて大きな力
にて係合させることができ、これにより、セグメントの
接合面同士を極めて強固に接合させることができる。
【0017】請求項2記載のセグメントの継手構造によ
れば、雄継手のベース板及び係止部の、雌継手の係止板
との当接箇所が、雌継手の係止板の当接面と略同一角度
のテーパ面とされているので、雄継手と雌継手との接合
時に、係止板を、雄継手のベース板と係止部との間へ極
めて円滑に案内させることができ、また、係止板の当接
面に対してベース板及び係止部がそれぞれ面接触するの
で、係止板の当接面が削られて、腐食し易い状態となっ
てしまうようなことがない。請求項3記載のセグメント
の継手構造によれば、棒体にワッシャを取り付けるだけ
で、係止板の当接面と面接触するテーパ面を係止部に設
けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態のセグメントの継手構造
を説明する互いに接合されるセグメントの平面図であ
る。
【図2】 本発明の実施の形態のセグメントの継手構造
を説明するセグメントの接合箇所の断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態のセグメントの継手構造
を説明する雄継手を有する雄型セグメントの斜視図であ
る。
【図4】 本発明の実施の形態のセグメントの継手構造
を説明する雌継手を有する雌型セグメントの斜視図であ
る。
【図5】 本発明の実施の形態のセグメントの継手構造
を説明する雌継手及び雄継手の斜視図である。
【図6】 本発明の実施の形態のセグメントの継手構造
を説明する雄継手及び雌継手の断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態のセグメントの継手構造
を説明するセグメントの接合箇所の断面図である。
【符号の説明】
1 セグメント 1A 雄型セグメント 1B 雌型セグメント 2 接合面 3 雄継手 4 雌継手 6 ベース板 6a テーパ面 9 ボルト(棒体) 10 ワッシャ 10a テーパ面 11 ヘッド(係止部) 12 切欠部 13 係止板 13a、13b テーパ面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仲野 明彦 東京都千代田区神田司町2丁目3番地 株 式会社大林組東京本社内 (72)発明者 松原 健太 東京都千代田区神田司町2丁目3番地 株 式会社大林組東京本社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セグメントの互いの接合面同士をスライ
    ドさせることにより、これら接合面同士を接合させるセ
    グメントの継手構造であって、 一方の接合面は、ベース板と、このベース板に立設され
    た棒体と、この棒体の先端部に設けられた前記棒体より
    も大径に形成された係止部とからなる雄継手を有し、 他方の接合面は、前記棒体が側方から嵌合可能な切欠部
    が形成され、該切欠部に前記棒体をスライドさせて嵌合
    させながら、前記棒体の係止部と前記ベース板との間へ
    嵌入することにより、前記雄継手と係合する係止板が設
    けられた雌継手を有し、 該雌継手の前記係止板は、前記雄継手への嵌入方向へ向
    かって次第に窄められたクサビ状に形成されていること
    を特徴とするセグメントの継手構造。
  2. 【請求項2】 前記雄継手のベース板及び係止部は、前
    記雌継手の係止板との当接箇所がこの係止板のそれぞれ
    の当接面と略同一角度のテーパ面とされていることを特
    徴とする請求項1記載のセグメントの継手構造。
  3. 【請求項3】 前記雄継手の係止部には、その底部側に
    ワッシャが設けられ、該ワッシャ及び前記ベース板は、
    前記雌継手の係止板との当接箇所がこの係止板のそれぞ
    れの当接面と略同一角度のテーパ面とされていることを
    特徴とする請求項1記載のセグメントの継手構造。
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