JPH1017560A - エポキシ化合物の製造方法並びに硬化性樹脂組成物および水性樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ化合物の製造方法並びに硬化性樹脂組成物および水性樹脂組成物

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JPH1017560A
JPH1017560A JP19296096A JP19296096A JPH1017560A JP H1017560 A JPH1017560 A JP H1017560A JP 19296096 A JP19296096 A JP 19296096A JP 19296096 A JP19296096 A JP 19296096A JP H1017560 A JPH1017560 A JP H1017560A
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JP
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epoxy
epoxy compound
resin composition
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fatty acid
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JP19296096A
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English (en)
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Masami Shinohara
雅美 篠原
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不飽和脂肪酸のエポキシ化合物の製造方法並
びにエポキシ化合物を配合した硬化性樹脂組成物および
水性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される不飽和脂肪
酸またはその誘導体を過酢酸もしくは過酸化水素によ
り、または金属化合物の存在下に酸素含有ガスと反応さ
せることによりエポキシすることを特徴とする。当該方
法により得られたエポキシ化合物から、エポキシ樹脂お
よび硬化剤を配合した硬化性樹脂組成物が得られる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不飽和脂肪酸また
はその誘導体をエポキシ化するエポキシ化合物の製造方
法、並びに得られたエポキシ化合物を配合した硬化性樹
脂組成物および水性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、エポキシ樹脂は種々の硬化系
樹脂に利用され、電気特性、接着性および耐食性に優れ
ることから、塗料、電気・電子、土木建築、接着剤また
は複合材料等の分野に多く用いられている。
【0003】一般にエポキシ樹脂には、グリシジルエー
テル型、グリシジルエステル型、ノボラック型、脂環型
等がある。また、天然物を利用したものには、エポキシ
化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等があり、ポリ塩化ビニ
ルの安定剤、架橋剤等としても用いられている。しか
し、これらのエポキシ樹脂は1〜3官能のものがほとん
どであり、架橋剤等に使用した場合に架橋密度が上がら
ない場合がある。
【0004】一方、イワシ、サバ、タラ等の魚油には、
エイコサペンタエン酸(以下、「EPA」と称す。)、
ドコサヘキサエン酸(以下、「DHA」と称す。)等の
二重結合を3〜6個含有する高度不飽和脂肪酸が多く含
まれ、EPAやDHAおよびそれらの誘導体の高純度品
は、医薬品、農薬等に利用されている。特開平7−16
5744号公報には、このEPAやDHAを蒸留精製し
た後の残査に含まれる高度不飽和脂肪酸を利用した新規
な高度不飽和脂肪酸のエポキシ化合物が開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報で開示された高度不飽和脂肪酸のエポキシ化合物は、
不飽和脂肪酸のエポキシ化に酸化剤として、過酸類の一
つであるm−クロロ過安息香酸を用い、過酸類が高価で
あるため得られたエポキシ化合物も高コストになる。ま
た、過酸類の取扱いも危険でもある。さらに、上記公報
では、不活性溶媒として塩化メチレン、クロロホルムま
たは四塩化炭素等のハロゲン系溶剤を用いており、環境
面から廃液を回収為の更なる設備コストが必要になる。
加えて、電子封止材料等の用途にエポキシ化合物を使用
する場合には、エポキシ化合物中の塩素量を下げる必要
がある。従ってエポキシ化合物の製造過程でハロゲン系
溶剤を用いることは大きな不利である。
【0006】また、有機過酸化物を使用せずにエポキシ
化合物を製造する方法として、不飽和化合物に次亜ハロ
ゲン酸を使用しハロヒドリンを生成させ、次いでこのハ
ロヒドリンをアルカリ処理し、エポキシ基を生成する方
法が知られている。しかしこの方法は、構造の複雑なオ
レフィン類には適用できず、加えて上述したエポキシ化
合物中の塩素量低減の問題も解決できない。
【0007】一方、魚油のような天然原料から得た高オ
キシラン酸素濃度のエポキシ化合物を用いて、熱変性温
度が高く強度に優れた硬化性樹脂組成物や水性樹脂組成
物とした例はなく、かかる応用ができれば従来廃棄され
ていた高不飽和脂肪酸の利用分野が広がる。このような
現状から、簡易な方法による高不飽和脂肪酸をエポキシ
化する工業的な製造方法の開発、得られたエポキシ化合
物を用いた低粘度かつ硬化後に熱変形温度が高く強度に
優れた硬化物物性を有する硬化性樹脂組成物の開発が望
まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高不飽和
脂肪酸のエポキシ化について詳細に検討した結果、高価
な酸化剤およびハロゲン系溶剤を使用しないで十分使用
可能なエポキシ化合物が得られることを見出し、しかも
得られたエポキシ化合物を用いた水性樹脂組成物が、保
存安定性が良好で、各種硬化剤で架橋することができる
ことを見出し本発明を完成させた。
【0009】すなわち本発明は、下記一般式(1)で表
される不飽和脂肪酸またはその誘導体を過酢酸もしくは
過酸化水素により、または金属化合物の存在下に酸素含
有ガスと反応させることによりエポキシ化することを特
徴とするエポキシ化合物の製造方法を提供するものであ
る。また、一般式(1)で表される不飽和脂肪酸または
その誘導体中の不飽和基を一個以上エポキシ化すること
を特徴とする前記エポキシ化合物の製造方法を提供する
ものである。また、一般式(1)で表される高級不飽和
脂肪酸またはその誘導体が、魚油を精製して得られる高
度不飽和脂肪酸またはその誘導体であることを特徴とす
る前記エポキシ化合物の製造方法を提供するものであ
る。さらに、前記製造方法により得られるエポキシ化合
物10〜90重量部、(B)エポキシ樹脂10〜90重
量部(AとBの合計は100重量部)および(C)硬化
剤5〜50重量部からなる硬化性樹脂組成物を提供する
ものである。また、前記(B)エポキシ樹脂がビスフェ
ノールA型、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラ
ック型エポキシ樹脂または脂環型エポキシ樹脂のいずれ
かまたはこれらの混合物であることを特徴とする硬化性
樹脂組成物を提供するものである。また、前記(C)硬
化剤がアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール
系硬化剤またはアミノ樹脂硬化剤のいずれかであること
を特徴とする硬化性樹脂組成物を提供するものである。
また、前記製造方法により得られるエポキシ化合物また
はそれらのエポキシ基を開環した化合物のいずれかを含
むことを特徴とする水性樹脂組成物を提供するものであ
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
【化5】
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、上記一般式(1)で表
される高度不飽和脂肪酸またはその誘導体を過酢酸もし
くは過酸化水素でエポキシ化し、または金属化合物の存
在下に酸素含有ガスと高度不飽和脂肪酸またはその誘導
体とを反応させることによりエポキシ化し、エポキシ化
合物を製造する方法である。
【0012】(過酢酸によるエポキシ化合物の製造方
法)本発明のエポキシ化合物は、上記一般式(1)で表
される不飽和脂肪酸またはその誘導体を原料とする。式
中のR1およびR2が表すアルキル基としては、例えばメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基等が挙げられ、R2が表す炭素数1〜10のア
ルケニル基およびアルコキシシリル基のアルキコシ基と
しては、前記アルキル基に対応する基が各々例示され
る。中でもR1としては炭素数2〜5のアルキル基が好
ましく、R2としてはエチル基が好ましい。一般式
(1)で表される不飽和脂肪酸およびその誘導体の好ま
しいものとしては不飽和脂肪酸としての炭素数が16〜
22の範囲のものであり、特に好ましいものとしては炭
素数が20〜22のものであり、更にはmが4〜6、n
が1〜7のものである。具体的には、炭素数16のヘキ
サデカトリエン酸(6,10,14−ヘキサデカトリエ
ン酸、6,9,12−ヘキサデカトリエン酸、7,1
0,13−ヘキサデカトリエン酸)、ヘキサデカテトラ
エン酸、炭素数18のオクタデカテトラエン酸(4,
8,12,15−オクタデカテトラエン酸)、炭素数2
1のヘンエイコサペンタエン酸(6,9,12,15,
18−ヘンエイコサペンタエン酸)、炭素数20のエイ
コサテトラエン酸(5,8,11,14−エイコサテト
ラエン酸、4,8,12,16−エイコサテトラエン
酸)、エイコサペンタエン酸(5,8,11,14,1
7−エイコサペンタエン酸、4,8,12,15,18
−エイコサペンタエン酸)、炭素数22のドコサテトラ
エン酸(10,13,16,19−ドコサテトラエン
酸)、ドコサペンタエン酸(7,10,13,16,1
9−ドコサペンタエン酸)、ドコサヘキサエン酸(4,
7,10,13,16,19−ドコサヘキサエン酸、
4,8,12,15,18,21−ドコサヘキサエン
酸、4,8,11,14,17,20−ドコサヘキサエ
ン酸)の各不飽和脂肪酸またはその誘導体が例示され
る。本発明では、単独またはこれらを2種以上混合して
原料として使用することができる。
【0013】本発明では、アジ、サバ等の多獲性回遊魚
から得た魚油を原料として使用できる。高度不飽和脂肪
酸の含量が30〜100重量%である場合には、天然魚
油をそのまま、または特定の成分を抽出した後の蒸留残
留物を使用することができる。また、高度不飽和脂肪酸
以外の成分は、エポキシ化後の中和もしくは水洗後低沸
成分の溜去の工程により未反応の高度不飽和脂肪酸等と
共にこれらを除去することができる。なお、高度不飽和
脂肪酸以外の成分の含量が0〜50重量%の範囲であれ
ば、得られたエポキシ化合物と分離せずに、硬化性樹脂
組成物や水性樹脂組成物にそのまま使用することができ
る。
【0014】エポキシ化に過酢酸を用いる場合、一般式
(1)で表される高度不飽和脂肪酸またはその誘導体中
の二重結合と過酢酸とのモル比(過酢酸/二重結合)
は、二重結合の全てをエポキシ化するための理論的なモ
ル比は1であるが、本発明では、0.05〜10の範囲
であることが好ましく、特に好ましくは0.05〜2の
範囲である。モル比が10より大きい場合は、高度不飽
和脂肪酸またはその誘導体中の二重結合の転化率が高
く、反応時間が短縮される点で好ましいが、過剰の過酢
酸による副反応を生じる場合がある。また、未反応の過
酢酸の回収に多大な費用を要するため好ましくない。逆
にモル比が0.05未満の場合は、過酢酸の転化率、選
択率が共に向上し、過酢酸による生成物の副反応を防ぐ
という点で好ましいが、エポキシ基導入率が低くなりす
ぎる。なお、エポキシ化率、エポキシ基数は、過酢酸の
使用量、反応時間を適宜選択し、過剰の過酢酸を処理す
ることにより任意に選択できる。
【0015】エポキシ化の反応温度は、20〜70℃の
範囲、特には30〜50℃の範囲であることが好まし
い。70℃を越えると過酢酸の分解反応がエポキシ化反
応に優先し、20℃を下回ると、反応に長時間を要する
からである。
【0016】反応には、溶媒を使用することができる。
使用できる溶媒としては、過酢酸の希釈による安定化等
のために、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族
類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル化合物、アセ
トン、メチルイソブチルケトン等のケトン化合物、1,
2−ジメトキシエタン等のエーテル化合物等を用いるこ
とができる。
【0017】反応は、原料および製品の着色を防ぐため
窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
【0018】得られた反応粗液は、エポキシ化合物の開
環を防ぐために、水洗または中和して低沸成分を除去す
ることが好ましい。中和に用いるアルカリ水溶液として
は、例えば、NaOH、KOH、K2CO3、NaC
3、NaHCO3、NH3等の水溶液を使用することが
でき、濃度は特に限定されない。また、中和した後は、
水洗することが好ましい。水洗せずに低沸分を除去し製
品化すると製品中に中和塩が残存するからである。中和
あるいは水洗を行った反応粗液から低沸成分を除去する
には、薄膜式蒸発器を用いることが好ましい。
【0019】(過酸化水素によるエポキシ化合物の製造
方法)過酸化水素を用いる場合は、過酸化水素と有機
酸を反応させ、生成する有機過酸で二重結合を酸化する
方法、タングステン酸と苛性ソーダの混合物等の中和
金属触媒と過酸化水素水溶液とを反応器に仕込み、系中
で金属過酸化錯体を生成し二重結合を酸化する方法その
他の方法があり、どの方法を用いても構わない。特に好
ましくは上記の方法である。例えば、酢酸、蟻酸、コ
ハク酸またはマレイン酸等の有機酸と、硫酸等の酸(触
媒)、および原料である高度不飽和脂肪酸またはその誘
導体との混合溶液に過酸化水素を滴下し、反応系中で生
成する有機過酸によって高度不飽和脂肪酸またはその誘
導体中の二重結合をエポキシ化する。
【0020】一般式(1)で表される高度不飽和脂肪酸
またはその誘導体中の二重結合と過酸化水素のモル比
(過酸化水素/二重結合)は、上記過酢酸を使用する場
合と同様に、0.01〜10の範囲であること、特には
0.05〜2の範囲であることが好ましい。10より大
きい場合は、過酸化水素による副反応や選択率及び未反
応の過酸化水素の回収に多大な費用を要し、逆にモル比
が0.01未満の場合は、エポキシ基導入率が低すぎる
からである。
【0021】エポキシ化率、エポキシ基数は、過酸化水
素の使用量や反応時間を調節することにより任意に選択
することができる。なお、エポキシ化の反応温度、使用
できる溶媒、中和、脱低沸物の除去は、過酢酸を用いる
場合と同様の条件を設定することができる。
【0022】(酸素含有ガスによるエポキシ化合物の製
造方法)本発明の製造方法は、金属化合物の存在下に酸
素含有ガスを用いて一般式(1)の化合物をエポキシ化
する。金属化合物を構成する金属元素としては、周期表
のIVB〜VIB(Mo、V、W、Cr、Ti)またはI
B、VIIB、VIIIB(Co、Ni、Mn、Cu、Ag、
Ir、Rh、Pt、Ru)のいずれの金属でもよい。本
発明で用いる金属化合物は、これら金属とジケトン化合
物等の無機・有機置換基の1または2以上の分子が共有
結合、配位結合、イオン結合等により結合したものであ
れば、いずれの方法によって得られたものでも特に限定
されず、市販品を使用することもできる。具体的には、
下記式(2)で示すニッケル化合物、バナジルアセチル
アセトナト(VO(AcAc)2)等が例示できる。な
お、本発明で用いる金属化合物は、所望の金属化合物に
対応するジケトン化合物と、硫化金属、塩化金属または
金属アセテートとを用いて、脱塩法で製造することがで
きる。これらは、単独または2種以上を混合して使用し
てもよい。なお、本発明で使用できる特に好ましい金属
化合物は、下記式(2)示すニッケル化合物である。
【0023】
【化6】
【0024】本発明の製造方法において、金属化合物の
使用量は、高度不飽和脂肪酸またはその誘導体に対して
0.005〜10モル%の割合であり、特にエポキシ化
合物の収率が高い点で、0.0096〜4モル%の割合
が望ましい。
【0025】本発明により酸素含有ガスを用いてエポキ
シ化合物を製造する場合には、アルデヒド化合物を配合
することができる。アルデヒド化合物の配合により、エ
ポキシ化率が向上する。配合できるアルデヒド化合物と
して、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチ
ルアルデヒド、バレルアルデヒド、ヘキシルアルデヒ
ド、ヘプチルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ノニル
アルデヒド、デシルアルデヒド、ウンデシルアルデヒ
ド、ドデシルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、2−
メチルブチルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒ
ド、2−メチルバレルアルデヒド、イソバレルアルデヒ
ド、ピバルアルデヒド、2−フェニルプロピオンアルデ
ヒド、3−フェニルプロパナール、シクロヘキサンカル
バルデヒド等が挙げられる。本発明において、アルデヒ
ド化合物は、単独または2種以上を組合せて用いること
ができる。アルデヒド化合物は、高度不飽和脂肪酸また
はその誘導体1モルに対して、1モル以上、より好まし
くは1〜10モル配合することが好ましい。この範囲で
エポキシ化率が十分に高くなるからである。
【0026】本発明では、アルデヒド化合物1モルに対
して、前記金属化合物の内のニッケル化合物を0.05
モル以下、好ましくは0.001〜0.005モルの割
合で配合すると、エポキシ化合物の収率が向上し、また
使用する金属化合物当りの収率が向上し、高効率でエポ
キシ化合物を得ることができる。なお、この場合の収率
は、〔エポキシ化合物の収量(mol)/ニッケル化合
物の使用量(mol)〕×100%で表す。
【0027】本発明で用いる酸素含有ガスは、純酸素ガ
スの他、例えば空気のような酸素含有窒素ガス、また
は、酸素含有アルゴンガス等の酸素含有不活性ガスでも
よい。エポキシ化に使用する酸素含有ガス中の酸素の分
圧は、好ましくは0.1〜10atm、より好ましくは
0.2〜1.0atmである。酸素の分圧がこの範囲内
にあると、反応速度が速く反応収率もよい。
【0028】また、本発明の反応は、原料を溶媒中に懸
濁または溶解して行うことができる。溶媒は、反応に対
して不活性な溶媒を使用することができ、具体的な例と
しては前記過酢酸によりエポキシ化する場合に記載した
溶媒を使用することができる。
【0029】反応温度は、0〜100℃の範囲、特には
20〜50℃の範囲であることが好ましい。この範囲で
あれば高いエポキシ基含有化合物の収率を得ることがで
きる。また、反応圧力は特に制限されず、常圧下で十分
である。なお、本発明によるエポキシ化は、液相中で連
続的に行ってもよいし、回分的に行ってもよい。
【0030】酸素含有ガスを使用することによって得ら
れたエポキシ化合物は、反応溶媒等を除去した後、乾燥
してそのまま使用してもよく、有機溶媒で抽出した精製
物として、また、減圧下に昇華精製した後使用してもよ
く、さらにこれらの精製法を組合わせて精製し使用に供
してもよい。
【0031】(硬化性樹脂組成物)本発明の硬化性樹脂
組成物は、上記方法により得たエポキシ化合物(A)、
エポキシ樹脂(B)、硬化剤(C)とからなる。硬化性
樹脂組成物中のエポキシ化合物(A)の配合量は、エポ
キシ樹脂(B)との合計100重量部に対して10〜9
0重量部、特には20〜80重量部の範囲であることが
好ましい。10重量部未満の場合には、硬化性樹脂組成
物の粘度が高くなりすぎ、90重量部を越える場合は、
硬化物の架橋間密度が高くなりすぎ脆い硬化物になる場
合がある。
【0032】本発明で使用するエポキシ樹脂(B)は、
例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂または
脂環型エポキシ樹脂を使用することができる。これらは
単独でも、2種以上を混合してもよい。ビスフェノール
A型エポキシ樹脂とは、例えばビスフェノールAとビス
フェノールAのエピクロルヒドリン付加物の縮合生成物
またはビスフェノールAの水添物等の多価アルコールと
の縮合生成物である。例えば、油化シェル(株)製の
「エピコート828」等が挙げられる。ビスフェノール
F型エポキシ樹脂とは、例えばビスフェノールFとビス
フェノールFのエピクロルヒドリン付加物の縮合生成物
またはビスフェノールFの水添物等の多価アルコールと
の縮合生成物である。ノボラック型エポキシ樹脂とは、
エピクロルヒドリンとフェノールノボラック、クレゾー
ルノボラック等のノボラックとの縮合生成物である。脂
環型エポキシ樹脂とは、例えば、ダイセル化学工業製の
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート「セロキサイ
ド2021」等が挙げられる。
【0033】これらのエポキシ樹脂(B)の配合量は、
硬化性樹脂組成物中にエポキシ化合物(B)との合計1
00重量部に対して、10〜90重量部の範囲、特には
20〜85重量部の範囲で配合することが好ましい。1
0重量部未満の場合は、架橋密度が上がりすぎ硬化物が
脆くなる場合があり、その一方、90重量部以上の場合
は、硬化性樹脂組成物の粘度希釈効果が充分でなく好ま
しくない。
【0034】本発明で使用する硬化剤(C)は、アミン
系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、ア
ミノ樹脂硬化剤を使用することができる。これらは単独
でも2種以上を混合して使用してもよい。アミン系硬化
剤としては、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリ
アミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペン
タミン、ジプロピレンジアミン、ジエチルアミノプロピ
ルアミン、ヘキサメチレンジアミン、メンセンジアミ
ン、イソホロンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロ
ヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビス
(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ(5,5)ウンデカン、m−キシリレンジア
ミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニル
スルホン、ジアミノジエチルジフェニルメタン等の芳香
族ポリアミン、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチ
ルアミノメチル)フェノール、テトラメチルグアニジ
ン、N,N−ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミ
ン、1,8−ジアザビスシクロ[5.4.0]ウンデセ
ン、トリエタノールアミン、ピペラジン、ピロリジン、
ポリアミドアミン、フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体
等の第2級または第3級アミン等が挙げられる。
【0035】酸無水物系硬化剤としては、無水メチルナ
ジック酸、ドデセニル無水コハク酸、テトラヒドロ無水
フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルコンドメ
チレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水クロトン酸、エ
チレングリコール無水トリメリット酸エステル、メチル
テトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フ
タル酸等が挙げられる。
【0036】フェノール系硬化剤としてはノボラック型
やレゾール型のフェノール樹脂等が使用できる。市販の
フェノール樹脂としては、群栄化学工業製の「PS−2
980」、「PS−4900」等が挙げられる。
【0037】アミノ樹脂硬化剤としては、例えばメラミ
ン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステ
ログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等
のアミノ成分とアルデヒドとの反応によって得られるメ
チロール化アミノ樹脂を、メタノール、エタノール、n
−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、
イソプロパノール、2−エチルブタノール、2−エチル
ヘキサノール等の適当なアルコールによってエーテル化
したもの等を挙げることができる。
【0038】本発明においては、エポキシ基と反応する
他の硬化剤を使用することができる。例えば、ポリメル
カプタン系硬化剤、ユリア樹脂、ポリイソシアネート、
シラノール基または加水分解性(アルコキシシラノール
基)を有する化合物、さらに紫外線硬化触媒である芳香
族ジアゾニウム塩、スルフォニウム塩、ヨードニウム塩
等を使用することができる。なお、エポキシ基と反応し
得る官能基は、同時に2種類以上用いてもよい。
【0039】本発明における硬化剤の使用量は、硬化性
樹脂組成物中に、エポキシ化合物(A)とエポキシ樹脂
(B)の合計100重量部に対して5〜50重量部の範
囲に配合することが好ましく、より好ましくは、これら
の硬化剤が有する活性水素基が、エポキシ基とほぼ等モ
ル量となる量である。また、エポキシ化合物の硬化促進
剤は、その種類、硬化条件等に応じ適正量が使用され
る。なお、エポキシ基と反応し得る官能基は、同時に2
種類以上用いてもよい。かかる硬化剤は、エポキシ組成
物の硬化タイプ、例えば二液型、一液型、熱硬化型、光
硬化型等のタイプに応じて選択することができる。
【0040】本発明の硬化性樹脂組成物では、エポキシ
基とカルボキシル基の反応の硬化触媒として、ベンジル
トリエチルアンモニウムクロライドあるいはブロマイ
ド、テトラメチルアンモニウムクロライドあるいはブロ
マイド等の4級アンモニウム塩、ジメチルスズビス(メ
チルマレート)、ジメチルスズビス(エチルマレー
ト)、ジメチルスズビス(ブチルマレート)、ジブチル
スズビス(メチルマレート)等のスズ系触媒、あるいは
トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム
クロライドあるいはブロマイド等のリン化合物、イミダ
ゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メ
チルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウ
ンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾー
ル、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シア
ノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル
−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−
エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−
2−ウンデシルイミダゾール等のイミダゾール類、アル
ミニウムイソプロポキサイド等のアルミ系触媒を使用す
ることができる。
【0041】本発明の硬化性樹脂組成物は、塗料、接着
剤、封止材、安定剤に使用することができる。
【0042】(水性樹脂組成物)本発明の水性樹脂組成
物は、上記方法により得られたエポキシ化合物からな
り、そのエポキシ化合物のエポキシ開環化合物を含んで
いてもよい。エポキシ化合物およびエポキシ化合物のエ
ポキシ基を開環した化合物は、水100重量部に対して
10〜200重量部の範囲、好ましくは10〜100重
量部の範囲含有することが好ましい。
【0043】本発明の水性樹脂組成物に配合できる他の
成分として、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、セルロース
誘導体、ポリエーテル樹脂、ポエステル樹脂、シリコン
樹脂を配合することができる。これらは、エポキシ化合
物100重量部に対し、0〜200重量部を配合するこ
とができる。本発明の水性樹脂組成物に配合できる他の
成分として、メラミン樹脂、ポリイソシアネート樹脂等
の硬化剤を配合することができる。これらは、エポキシ
化合物100重量部に対し、0〜100重量部を配合す
ることができる。更に、本発明の水性樹脂組成物中に
は、酸化チタン等の顔料を配合することもできる。
【0044】本発明の水性樹脂組成物の製造は、例え
ば、アセトン等の溶媒にエポキシ化合物100gを懸濁
または溶解し、これにN2を吹き込みながら、反応系内
の温度を30〜50℃にし、例えばジエタノールアミン
2gを滴下し、その後に水200gを加え系内の温度を
50〜70℃にし、前記溶媒であるアセトンを溜去し、
エポキシエマルジョンとして水性樹脂組成物を得ること
ができる。
【0045】本発明により得られる不飽和脂肪酸または
その誘導体のエポキシ化物は水中における安定性に優れ
ており、かつ容易に水中に分散できる。更に本発明によ
り得られるエポキシ化合物のエポキシ基と反応する化合
物、例えば水、アルコール、アミン等で開環した化合物
はより優れた水への分散性を示す。このために本発明の
水性樹脂組成物を塗料、接着剤、サイジング剤に使用し
た場合にも極めて優れた保存安定性を得ることができ
る。
【0046】本発明の水性樹脂組成物は、他の成分とし
て、アクリルエマルジョン、ウレタンエマルジョン、本
発明のエポキシ化合物以外のエポキシエマルジョン等他
のエマルジョンと混合して使用することができる。ま
た、本発明の水性樹脂組成物単独で、または上記他のエ
マルジョンと併用して塗料、接着剤、サイジング剤等と
して使用することができる。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお
「%」は、特に示す場合を除くほか「重量%」を示す。
【0048】(実施例1)2リットルのジャケット付フ
ラスコに魚油から有効成分を蒸留した後の残渣(ドコサ
ヘキサエン酸エチルエステル;GC純度70%;ヨウ素
価373)300g、酢酸エチル300gを仕込み、N
2を吹き込みながら、反応系内の温度を40℃になるよ
うに約3時間かけて29.1%過酢酸の酢酸エチル溶液
1,267gを滴下した。過酢酸滴下終了後、40℃で
2時間熟成し反応を終了した。40℃で粗液を水洗し、
70℃/10mmHgで脱低沸を行い、ヘキサエポキシ
ドコサン酸エチルエステルを含む分画(D−1)を34
0g得た。得られたD−1は、オキシラン酸素濃度15
%、粘度600cP/25℃であり、1H−NMRから
δ5.3〜5.7付近の二重結合に由来するピークが消
失し、δ2.9〜3.1付近にエポキシ基に由来するプ
ロトンのピークの生成が確認された。
【0049】(実施例2)2リットルのジャケット付フ
ラスコに魚油から有効成分を蒸留した後の残渣(ドコサ
ヘキサエン酸エチルエステル;GC純度70%;ヨウ素
価373)300g、酢酸エチル300g、蟻酸50
g、硫酸1gを仕込み、N2を吹き込みながら、反応系
内の温度を60℃になるように約3時間かけて80.0
%過酸化水素溶液520gを滴下した。過酸化水素溶液
滴下終了後、60℃で4時間熟成し反応を終了した。粗
液から酢酸エチル相を分離抽出し、70℃/10mmH
gで脱低沸を行い、ヘキサエポキシドコサン酸エチルエ
ステルを含む分画(D−2)を340g得た。得られた
D−2の性状は、オキシラン酸素濃度14%、粘度70
0cP/25℃であり、1H−NMRからδ5.3〜
5.7付近の二重結合に由来するピークが消失し、δ
2.9〜3.1付近にエポキシ基に由来するプロトンの
ピークの生成が確認された。
【0050】(実施例3)2リットルのジャケット付フ
ラスコに魚油から有効成分を蒸留した後の残渣(ドコサ
ヘキサエン酸エチルエステル;GC純度70%;ヨウ素
価373)300g、酢酸エチル300gを仕込み、イ
ソブチルアルデヒド0.5g(6mmol)および下記
式(2)のニッケル化合物0.035g(0.06mm
ol)を仕込んだ。次いで反応容器内に、1atmの酸
素ガスを充填し、室温で13時間反応させた。反応終了
後、粗液を水洗し、70℃/10mmHgで脱低沸を行
い、ヘキサエポキシドコサン酸エチルエステルそ含む分
画(D−3)を300g得た。得られたD−3の性状
は、オキシラン酸素濃度13%、粘度500cP/25
℃であり、1H−NMRからδ5.3〜5.7付近の二
重結合に由来するピークが消失し、δ2.9〜3.1付
近にエポキシ基に由来するプロトンのピークの生成が確
認された。得られた反応混合物の分析結果を表−1に示
す。
【0051】
【化7】
【0052】(比較例1)2リットルのジャケット付フ
ラスコに魚油から有効成分を蒸留した後の残渣(ドコサ
ヘキサエン酸エチルエステル;GC純度70%;ヨウ素
価373)300g、塩化メチレン300gを仕込み、
2を吹き込みながら、反応系内の温度を40℃になる
ように約3時間かけてm−クロロ過安息香酸834gを
滴下した。滴下終了後、40℃で2時間熟成し反応を終
了した。40℃で粗液を水洗し、70℃/10mmHg
で脱低沸を行い、ヘキサエポキシドコサン酸エチルエス
テルを含む分画(D−4)を340g得た。得られたD
−4の性状は、オキシラン酸素濃度15%、粘度600
cP/25℃であり、1H−NMRからδ5.3〜5.
7付近の二重結合に由来するピークが消失し、δ2.9
〜3.1付近にエポキシ基に由来するプロトンのピーク
の生成が確認された。
【0053】
【表1】
【0054】(実施例4)実施例1で得たD−1に、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社製「エピ
コート828」:エポキシ当量184)、硬化剤として
フェノール系樹脂(群栄化学工業社製「PS−298
0」)、および硬化触媒としてアルミニウムイソプロポ
キサイドを添加混合した。硬化剤はエポキシ基に対して
硬化剤の活性水素当量が1になるように、触媒は樹脂1
00部に対して1部になるように配合した。その後に1
0cm×10cm×1cmの金型に流し込み、110℃
で1時間プレキュアさせた後、型から取り外し150℃
×2時間ポストキュアさせた。硬化物はJIS−K69
11に準じて切削・成形した後に、JIS−K6911
に準じて引っ張り強度(kgf/cm2)、引っ張り伸
度(%)、曲げ弾性率(kgf/cm2)、およびアイ
ゾット衝撃強度(kg−cm/cm2)を測定した。配
合比率(重量部)、配合物性状および硬化物性状の測定
結果と合わせ表−2に示す。
【0055】(実施例5、6および比較例2)エポキシ
樹脂および硬化剤を表−2に示す化合物に変更した以外
は、実施例4と同様にして硬化性樹脂組成物を作成し、
その物性を測定した。なお、硬化剤はエポキシ基に対し
て硬化剤の活性水素当量が1になるように、触媒は樹脂
100部に対して1部になるように配合した。測定結果
を表−2に示す。
【0056】
【表2】
【0057】(実施例7)1リットルのジャケット付フ
ラスコに、実施例1で得たD−1を100g、アセトン
100gを仕込み、N2を吹き込みながら、反応系内の
温度を40℃になるように約3時間かけてジエタノール
アミン2gを滴下した。滴下終了後に水200gを加え
系内の温度を60℃に上げ、アセトンを溜去し、エポキ
シエマルジョンを得た。得られたエマルジョンの安定性
を評価し、表−2に示す。このエポキシエマルジョン2
00gに、ウレタンエマルジョン(大日本印刷インキ製
造(株)「ハイドランHW−311」)300g、メラ
ミン樹脂(三井サイナミッド(株)製「サイメル30
3」10g、パラトルエンスルフォン酸0.01gを室
温で混合し、塗料を得た。この塗料を、バーコーターで
燐酸亜鉛鋼板に塗布した。塗布物は120℃で20分間
焼き付けを行い、塗膜を得た。硬化物(塗膜)の鉛筆硬
度、光沢、屈曲性、密着性を測定し、その結果を表−3
に示す。
【0058】(比較例3)D−1の代わりに脂環型エポ
キシ樹脂(ダイセル化学工業「3150」)、脂環型エ
ポキシ樹脂を用いた以外は、実施例7と同様に操作し、
塗料を得た。実施例7と同様にして塗膜を得、物性を測
定した。
【0059】
【表3】
【0060】(測定項目) (1)保存安定性 保存安定性は、室温で2ヶ月保存し、塗料の沈殿、ゲル
化が生じた場合は×、変化が無い場合○とした。 (2)鉛筆硬度 鉛筆硬度は、JIS K5400 8.4に従い、三菱
ユニ(三菱鉛筆(株)製)を用いて、塗膜が傷付き始め
る時点の鉛筆の硬度で表示した。 (3)光沢 光沢は、JIS K5400 7.6に従い、60度鏡
面反射率(%)で表示した。 (4)屈曲性 屈曲性は、JIS K5400 8.1に準じて、心棒
の直径が2mmとして、塗膜を折り曲げたときの塗膜外
観を目視で観察し、割れ・はがれを認めない場合は○、
認められる場合は×と表示した。 (5)密着性 密着性は、JIS K5400 8.5の碁盤目テープ
法に準じて、隙間間隔1mmの切り傷を碁盤目状に付
け、この碁盤目の上に粘着テープをはり、はがした後の
塗膜の付着状態を目視で観察し10段階の評価をおこな
った。
【0061】
【発明の効果】本発明の不飽和脂肪酸またはその誘導体
のエポキシ化合物の製造方法は、安価な触媒を使用して
容易に製造することができる。かつ得られたエポキシ化
合物はハロゲン化合物を含まず、低粘度であり、高いエ
ポキシ基濃度を持つ。このため、電子封止材料等の反応
性希釈剤や硬化物の強靭化剤として用いることができ
る。更に、本発明の不飽和脂肪酸またはその誘導体のエ
ポキシ化物は、水中保存安定性が良好であり、本発明の
水性樹脂組成物を用いた塗料は、強度および耐久性に優
れた塗膜を得ることができ、しかも貯蔵安定性に優れて
いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C09D 163/00 PJR C09D 163/00 PJR C09J 163/00 JFN C09J 163/00 JFN

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される不飽和脂肪
    酸またはその誘導体を過酢酸によりエポキシ化すること
    を特徴とするエポキシ化合物の製造方法。 【化1】
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表される不飽和脂肪酸ま
    たはその誘導体を過酸化水素によりエポキシ化すること
    を特徴とするエポキシ化合物の製造方法。 【化2】
  3. 【請求項3】 一般式(1)で表される不飽和脂肪酸ま
    たはその誘導体を金属化合物の存在下に酸素含有ガスと
    反応させることによりエポキシ化することを特徴とする
    エポキシ化合物の製造方法。 【化3】
  4. 【請求項4】 一般式(1)で表される不飽和脂肪酸ま
    たはその誘導体中の不飽和基を一個以上エポキシ化する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエポ
    キシ化合物の製造方法。 【化4】
  5. 【請求項5】 一般式(1)で表される高級不飽和脂肪
    酸またはその誘導体が、魚油を精製して得られる高度不
    飽和脂肪酸またはその誘導体であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ化合物の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 (A)請求項1〜5のいずれかに記載の
    製造方法により得られるエポキシ化合物10〜90重量
    部、(B)エポキシ樹脂10〜90重量部(AとBの合
    計は100重量部)および(C)硬化剤5〜50重量部
    からなる硬化性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載される(B)エポキシ樹
    脂がビスフェノールA型、ビスフェノールF型エポキシ
    樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂または脂環型エポキシ
    樹脂のいずれかまたはこれらの混合物であることを特徴
    とする硬化性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載される(C)硬化剤がア
    ミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤
    またはアミノ樹脂硬化剤のいずれかであることを特徴と
    する硬化性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方
    法により得られるエポキシ化合物またはそれらのエポキ
    シ基を開環した化合物のいずれかを含むことを特徴とす
    る水性樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013531095A (ja) * 2010-06-08 2013-08-01 ザ・ステート・オブ・オレゴン・アクティング・バイ・アンド・スルー・ザ・ステート・ボード・オブ・ハイヤー・エデュケーション・オン・ビハーフ・オブ・オレゴン・ステート・ユニバーシティ 植物油ベースの感圧接着剤
JP2013538891A (ja) * 2010-08-18 2013-10-17 エーブリー デニソン コーポレイション 再生可能資源をベースとする感圧接着剤および関連方法

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