JPH10175544A - 鉄道車両用空調装置 - Google Patents

鉄道車両用空調装置

Info

Publication number
JPH10175544A
JPH10175544A JP34094396A JP34094396A JPH10175544A JP H10175544 A JPH10175544 A JP H10175544A JP 34094396 A JP34094396 A JP 34094396A JP 34094396 A JP34094396 A JP 34094396A JP H10175544 A JPH10175544 A JP H10175544A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
heat exchanger
compressor
heat
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP34094396A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Kobayashi
健治 小林
Haruo Hirakawa
治生 平川
Susumu Harada
原田  進
Keiji Tanaka
慶治 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP34094396A priority Critical patent/JPH10175544A/ja
Publication of JPH10175544A publication Critical patent/JPH10175544A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】空気冷凍サイクル式空調装置では、フロンを冷
媒とする従来の空調機と異なり、冷媒の大きな蒸発潜熱
を利用できないため、大きな熱交換器を選定する必要が
ある。このため、空調装置全体の容積、重量共に大きく
なる傾向がある。 【解決手段】車両8が搭載している換気装置7より排出
される冷温の排気空気を利用し、前述の排気空気密閉サ
イクル内に組み込まれている熱交換器5の間で熱を交換
し、密閉式サイクル内を循環する高温高圧空気の温度を
下げる。これにより、密閉式サイクル内に属する外部熱
交換器3での交換熱量を小さくすることができるので、
より小型な熱交換器3を選定できる。また、熱交換器4
の表面に接触回転するブラシ13を備えることにより、
熱交換器4への粉塵の堆積を防止でき、熱交換器4の定
期的な清掃作業が必要なくなるので、維持管理コストを
抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両用空調装
置に係わり、空気を冷媒として用いた冷凍サイクルによ
り構成される鉄道車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気を冷媒とした空気冷凍サイクル空調
機は、冷媒自身である空気をそのまま冷却対象物へ吹き
出す開放型の空気冷凍システムと、空気を所定の圧力で
封入した密閉サイクル内で循環させ、密閉式に属した熱
交換器と冷却対象の間の熱を交換する密閉型の空気冷凍
システムの2種類に大別される。開放型空気冷凍サイク
ルは、航空機用エンジンからの排気ガスを圧縮機の動力
とし用いるブーストラップ方式が広く採用されている。
主な機器構成については、冷凍機械工学ハンドブック
(朝倉書店)第505頁から第508頁において論じら
れている。
【0003】なお、この種の装置として関連するものに
は例えば、特開昭58-31236号、特開昭61-19
3998号等が挙げられる。
【0004】図12に従来型の空気冷凍サイクル空調機
の概略構成を示し、図13にその空気系統図従来より鉄
道車両に供されている密閉型空気冷凍サイクル車両用空
調機の概略構成を示す。
【0005】まず、空気冷凍サイクル空調機の密閉式内
を循環する作動流体(空気)の状態変化を示す。密閉型空
気冷凍サイクル(図2中太線)は、乾燥空気が所定の圧力
まで封入されている。第1の圧縮機1(モータコンプレ
ッサ)に流入した乾燥空気(作動流体)は、所定の圧力ま
で加圧された後、下流の第2の圧縮機2(タービンコン
プレッサ)により再び加圧され高温高圧となる。高温高
圧の乾燥空気は、第1の熱交換器3(外部熱交換器)を通
過する過程で外気空気により常温まで冷却される。第1
の熱交換器3(外部熱交換器)で常温まで冷却された乾燥
空気は、膨張機6に流入し断熱膨張する。断熱膨張の過
程で乾燥空気自身の温度低下が生じる。膨張機6を通過
した後の低圧、低温の乾燥空気は、第2の熱交換器(内
部熱交換器)4を通過する過程で、車両内部へ吹き出す
空気から熱を吸い上げ、再び第1の圧縮機へ流入する。
膨張機6での外部仕事(断熱膨張)は、第2の圧縮機(タ
ービンコンプレッサ)2への動力回収して利用する。
【0006】一方、鉄道車両の多くは車内の二酸化炭素
濃度が所定の濃度を超えないように、換気装置7により
車内の空気を車外へ排出し、同量の新鮮空気を車内へ引
き込んでいる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】現在、冷熱を得るシス
テムとして蒸気圧縮式、吸収式、空気式などの冷凍サイ
クルを利用した冷凍、空調システムが幅広く利用されて
いる。それらの中でも、大きな潜熱を利用できるフロン
系冷媒を利用した蒸気圧縮式冷凍サイクルが主流となっ
ている。しかし、近年の地球環境保護の観点から、広く
使用されていたフロン22も、1996年以降の使用が
制限され、2020年には使用停止となる予定である。
これらの規制に対応するため、従来の冷凍、空調分野で
最も利用されていた蒸気圧縮式冷凍システムに使用され
るフロン系冷媒の代替として、より環境に優しい混合冷
媒あるいはアンモニア等の自然冷媒が再検討されてい
る。そこでフロンの代わりに自然冷媒である空気を用い
る空気冷凍サイクルを利用した車両用空調装置を開発す
る必要がある。空気冷凍サイクル空調機は、冷媒に空気
を用いるため顕熱しか利用出来ない。このため、単位容
積当たりの熱交換効率が蒸気圧縮式冷凍サイクルのそれ
に比較して劣り、空調システム全体の容積をはじめ消費
電力などが大きくなる欠点があった。
【0008】本発明の目的は、空調能力を低下させる事
なく、従来の空気冷凍サイクル空調機に比較して少ない
消費電力で稼動する空気冷凍サイクル空調機を提供する
ことにある。
【0009】本発明の他の目的は、空気冷凍サイクルに
限らず熱交換器を有す鉄道車両用空調装置の熱交換器の
維持管理コストを低減し得る鉄道車両用空調装置を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】空気冷凍サイクルを用い
た車両用空調機は、フロンを冷媒として用いる蒸気圧縮
式空調装置に比較して、消費電力が大きくなる傾向にあ
る。さらに、空気(作動流体)対空気(大気側)の熱を交換
するため熱交換器が大きくなるため、重量が増大する傾
向にある。また、空調装置としての所定の性能を維持す
るためには、熱交換器の手入れをかかすことが出来な
い。主に熱交換器の掃除等を含めたこれら作業が、空調
装置の維持管理コストを押し上げる傾向にある。
【0011】上記目的は、所定の圧力にて封入された空
気が循環する密閉型空気冷凍サイクル空調機及び、排気
手段と給気手段から構成される換気装置を備えた鉄道車
両用空調装置において、所定の圧力にて封入された空気
が循環する密閉サイクル内に設けた熱交換器により、密
閉サイクル内を循環する空気と換気装置により排気され
る低温の空気の間で熱を交換することにより達成でき
る。
【0012】上記目的は、所定の圧力にて封入された空
気が循環する密閉型空気冷凍サイクル空調機及び、排気
手段と給気手段から構成される換気装置を備えた鉄道車
両用空調装置において、換気装置により排気される空気
と、換気装置により給気する過程で断熱膨脹により温度
が上昇した給気空気の間で熱を交換することにより達成
できる。
【0013】上記目的は、密閉型空気冷凍サイクル空調
機及び、排気手段と給気手段から構成される換気装置を
備えた鉄道車両用空調装置において、換気装置により排
気される空気と、換気装置により給気する過程で断熱膨
脹により温度が上昇した給気空気の間で熱を交換する熱
交換器に樹脂製の熱交換器を用いることにより達成でき
る。
【0014】上記目的は、熱交換器の上流側に熱交換器
の表面に接触して回転するブラシを備えることにより達
成できる。また、熱交換器に備えられるフィルタの表面
に接触して回転するブラシを備えることにより達成でき
る。
【0015】上記目的は、所定の圧力にて封入された空
気が循環する密閉型空気冷凍サイクル空調機及び、排気
手段と給気手段から構成される換気装置を備えた鉄道車
両用空調装置において、密閉サイクル内を循環する空気
を圧縮する遠心圧縮機のケーシングに冷却フィンを備え
ることにより達成できる。さらに、前記冷却フィンを備
えたケーシングを有す遠心圧縮機を排気装置から車外へ
排出される排気空気にさらされる位置に配置することに
より達成できる。
【0016】上記目的は、密閉型空気冷凍サイクル空調
機及び、排気手段と給気手段から構成される換気装置を
備えた鉄道車両用空調装置において、密閉サイクル内に
備えた熱交換器を冷却する冷却風を車体と、台車および
床下機器を覆うスカートの間から吸い込み、熱交換器を
通過してバラスト側へ吐き出す流路を形成することより
達成できる。
【0017】上記目的は、密閉型空気冷凍サイクル空調
機及び、排気手段と給気手段から構成される換気装置を
備えた鉄道車両用空調装置において、密閉サイクル内の
冷温空気と車内へ吹き込む空気の間で熱を交換する熱交
換器の下流に備えた水分分離器より排出される水を、密
閉サイクル内に備えられ膨脹機へ流入する高温の作動流
体の熱を除去する熱交換器に滴下することにより達成で
きる。
【0018】以上述べたように、密閉式空気冷凍サイク
ル内を循環する作動流体の温度を、換気装置を介して車
外へ排出される低温空気との熱交換、あるいは冷凍サイ
クルを構成する圧縮機のケーシングへの冷却フィンの付
加、さらに車内へ吹き出す空気から除湿した水分を密閉
式を構成する熱交換器へ滴下することなどにより、密閉
式冷凍サイクルを構成する熱交換器に要求される交換熱
量を小さくできるため、空気冷凍サイクル空調装置全体
を軽量化できる。さらに、前記熱交換器へ冷風を送風す
るファンも低容量のものを選択できるので、ファンを駆
動する電動機の小形化による重量および消費電力を低減
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1か
ら図11を用いて説明する。
【0020】図1に本発明による車両用空調装置の一実
施例を示し、図2に図1で示した空調機の空気系統図を
示す。本発明による空気冷凍サイクルは密閉型(図2中
太線)であるので、乾燥空気が所定の圧力まで封入され
ている。第1の圧縮機1(モータコンプレッサ)に流入し
た乾燥空気(作動流体)は、所定の圧力まで加圧された
後、下流の第2の圧縮機2(タービンコンプレッサ)によ
り再び加圧され高温高圧となる。加圧され高温高圧とな
った乾燥空気は、第1の熱交換器3(外部熱交換器)を通
過する過程で外気により常温まで冷却される。第1の熱
交換器3(外部熱交換器)で常温まで冷却された乾燥空気
は、膨張機6に流入し断熱膨張する。断熱膨張の過程で
乾燥空気自身の温度低下が生じる。膨張機6を通過した
後の低圧、低温の乾燥空気は、第2の熱交換器(内部熱
交換器)4を通過する過程で、車体8の内部へ室内ファ
ン9によって吹き出す空気から熱を吸い上げ、再び第1
の圧縮機へ流入する。膨張機6での外部仕事(断熱膨張)
は、第2の圧縮機(タービンコンプレッサ)2へ動力回収
して利用する。
【0021】一方、鉄道車両の多くは車内の二酸化炭素
濃度が所定の濃度を超えないように、一定時間に一定量
の割合(30m3/min)で、換気装置7により車内の空気を
換気している。図1及び図2中に示される第3の熱交換
器5により、空気冷凍サイクル11内の第2の圧縮機2
を通過した後の高温高圧の作動流体と、換気装置7によ
り車外へ排出される冷温空気との間で熱交換する第3の
熱交換器5を設ける。第3の熱交換器5を備えたことに
より、第2の熱交換器4に要求される交換熱量を第3の
熱交換器5が分担するため、第2の熱交換器4の容積を
小さくできると共に、第1の熱交換器3へ冷却風を送風
する室外ファン10の容量を小さくできるので空調装置
の消費電力を低減できる。
【0022】図3に本発明による車両用空調装置の一実
施例を示し、図4に図3で示した空調機の空気系統図を
示す。換気装置7により車端部より車内へ導入する新鮮
空気は、車外の圧力変動と同程度の圧力まで高められ、
車内へ給気される。この際、新鮮空気は断熱圧縮される
ため、新鮮空気自身の温度が換気装置7を通過する前後
で約10℃前後上昇する。車両を冷房する際、断熱圧縮
により昇温した新鮮空気と、車内からの循環空気が混合
した後、第2の熱交換器4を通過する過程で熱を排出
し、再び冷温の空気となって車内へ吹きこまれる。この
新鮮空気自身の温度に断熱圧縮による温度上昇を加えた
時の冷房負荷は、車両全体の冷房負荷の約半分を占める
ため、第2の熱交換器4の大きな容積を確保し、且つ図
示はしないが車内へ冷風を吹き込む室内ファンの容量も
大きくなる傾向にあった。本発明では、換気装置7によ
り車外へ排出される比較的温度の低い空気と、昇温した
新鮮空気の間で熱を交換する第3の熱交換器5を備える
ので、車内からの循環空気と混合する前に新鮮空気の温
度を低下させることが可能となる。その結果、第2の熱
交換器3の容積をはじめ、室内へ冷風を吹き込む室内フ
ァンの容量も低減できるため、重量および消費電力を抑
えることができる。昇温した新鮮空気と排出空気とを熱
交換する第3の熱交換器5は、所定の圧力で乾燥空気を
封入した密閉式の空気冷凍サイクルに組まれる熱交換器
と異なり、大気圧に対して数%の昇圧の下で供されるの
で、樹脂製の熱交換器を採用することにより重量とコス
トを低減できる。
【0023】図5に、本発明の一実施例を示す。蒸気圧
縮式、空気冷凍式に限らず、熱空調装置は熱交換器を有
している。熱交換器に埃が体積すると熱抵抗となり所定
の交換熱量を確保できなくなるため、結果的に所定の性
能を発揮できない場合がある。そのため、定期的に熱交
換器表面に堆積する埃を除去したり、熱交換器の上流側
に備えられたフィルタを交換している。本発明による埃
体積防止装置は、熱交換器3を通過する空気の流れによ
り回転する羽車12の同軸に、埃を除去するブラシ13
を備えたものである。熱交換器3に流入する大気空気の
流れを利用して、常に熱交換器3の表面に備えたフィル
タ14の表面に接触回転するブラシ13により埃などの
体積を防止でき、維持管理コストを低減できる。図6
は、熱交換器の表面に直接回転接触するブラシ13を備
えたものである。前述したものと同様の効果が期待でき
るだけでなく、フィルタ14そのものを備える必要がな
くなるメリットがある。ブラシ13が接触回転するた
め、熱交換器3への埃の堆積が防止できる。本装置のメ
リットは、ブラシ13を回転させる動力を備える必要が
なく基本的にメンテナンスフリーな点にある。空調装置
の維持管理費の多くを占める熱交換器3の埃を除去する
手間を省くことが出来れば、ランニングコストを低減す
ることができる。
【0024】図7に、本発明の別の実施例を示し、図8
に本発明の効果を記した温度-エントロピー線図を示
す。前述したように本空気冷凍サイクル空調システム
は、第1の熱交換器3、第2の熱交換器4、第1の圧縮
機1、第2の圧縮機2を主な構成要素としている。一般
に空気を圧縮すると空気自身の温度が上昇する。例え
ば、本空気冷凍サイクルでは、第1の圧縮機1へ流入す
る前の温度が33℃であるのに対し、流出時には77℃
(T1)前後まで上昇する。さらに、この空気を圧縮する
第2の圧縮機2の出口では約120℃(T2)前後まで空
気の温度が上昇する。この温度上昇は、後の断熱圧縮の
工程に入る前に第1の熱交換器3により約40℃(T3)
程度まで温度を下げる。本発明では、第2の圧縮機2の
ケーシングに空冷用冷却フィンを備えることにより、図
8に示されるT23-T2'3に相当するΔTだけ圧縮過程
における温度上昇を抑制することが可能となる。つま
り、これは第1の熱交換器3における交換熱量を小さく
できることを意味するので、第1の熱交換器3の容積を
小さくし、空気冷凍システム全体として容積、重量を小
さくできる。さらに、第1の圧縮機1のケーシングへも
同様の冷却フィンを備えることにより、軽量コンパクト
な車両用空調システムを構成できる。
【0025】図9に、エアサイクル空調機の機器配置の
概略を示す。本概略図は、現行の空調機の例と同じ容積
(a×b×c=1950×2400×650)に、前述の第1
の圧縮機(モータコンプレッサ)1、第2の圧縮機(ター
ビンコンプレッサ)2、第1の熱交換器(外部熱交換器)
3、第2の熱交換器(内部熱交換器)4を配置したもので
ある。換気装置7から車外へ排出される空気の排気空気
ダクト16を、第1の圧縮機1または第2の圧縮機2が
排気空気にさらされるように配置することにより、圧縮
機の昇温を防止すると共に、圧縮機で断熱圧縮される空
気の温度上昇を低減することができる。前述したよう
に、これも第1の熱交換器3に要求される交換熱量を小
さくすることにつながるので、車両用の小形軽量の空気
冷凍サイクル空調機を構成することができる。
【0026】図10に、本発明による他の実施例を示
す。車外からの新鮮空気と車内からの循環空気の混合空
気が、第2の熱交換器(内部熱交換器)にて、密閉サイク
ル内の膨張機6を通過し、低温度となった乾燥空気と熱
交換する。車外からの新鮮空気と車内からの循環空気の
温度低下により、空気中の飽和蒸気量が低下するため、
水分が結露する。この結露した水分を除去するため、第
2の熱交換器4の下流に水分除去器17を備えている。
外気温度33℃、相対湿度65%前後と仮定すると、第
2の熱交換器を通過した空気から1時間当たり140kg
前後の水が生じる。通常、第2の熱交換器を通過する際
に除湿された水分は車外へ捨てられていた。本発明で
は、この水を第1の熱交換器3上に配管を通じて滴下す
ることにより、熱交換器の汚損を防止する。前述の熱交
換器3を表面を回転するブラシ13の防塵効果と合わせ
て、熱交換器3の汚損を効果的に防止することができ
る。さらに、熱交換器表面に滴下した水が蒸発する際
に、熱交換器から奪う蒸発潜熱により、密閉サイクル内
を循環する乾燥空気から効率良く熱を交換することがで
きるので、第1の熱交換器3をより小形化でき軽量化に
寄与できる。
【0027】図11に、本発明による別の実施例を示
す。第1の熱交換器を冷却するための大気は、冷却風量
を確保するために、車両と床下機器を塞ぐスリット19
の隙間(車体側面)から空気を吸い込んで、第1の熱交換
器3を通過しバラスト上へ吹き出す流れとしている。こ
れは、高速で走行する車両の床下下部は、車間部および
台車などによる複雑な流れのため負圧となりやく、バラ
スト側から吸込み車体側面へ吹き出す流れとした場合、
第1の熱交換器3への冷却風量を確保するために、冷却
空気を送風する冷却ファンの容量を大きくする必要が生
じ、結果的に、空調装置の負荷の増大を招く怖れがある
ためである。したがって、第1の熱交換器への冷却空気
の流れは、車体側より吸い込み、熱交換器を通過しバラ
スト上へ吐き出す流れすることにより室外ファン10へ
の負担を軽減するとともに冷却風量を確保できる。
【0028】
【発明の効果】空気冷凍サイクルを用いた車両用空調装
置において、車両が搭載する換気装置から排気される冷
温と前述の空気冷凍サイクルの間で熱交換することによ
り、空気冷凍サイクルの欠点である消費電力の増大と熱
交換器の大きさに起因する空調装置自身の容積の大型化
を抑制できる。さらに、従来より空調装置の性能を維持
するために実施していた定期的な熱交換器の清掃を省略
できる汚損防止装置を各熱交換器に備えることにより維
持管理コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用空調装置の一実施例の概略
構成図である。
【図2】図1に示した車両用空調装置の空気系統図であ
る。
【図3】本発明による車両用空調装置の一実施例の概略
構成図である。
【図4】図3に示した車両用空調装置の空気系統図であ
る。
【図5】本発明による車両空調用熱交換器に設けられた
埃除去装置の一実施例を示す側面図である。
【図6】本発明による車両空調用熱交換器に設けられた
埃除去装置の一実施例を示す側面図である。
【図7】本発明による車両用空調装置に備えた冷却フィ
ン付き圧縮機の一実施例を示す斜視図である。
【図8】本発明による効果を示す温度-エントロピー線
図である。
【図9】本発明による車両用空調装置の機器配置を示す
一実施例の平面図である。
【図10】本発明による車両用空調装置の空気系統図で
ある。
【図11】本発明による車両用空調装置の一実施例の正
面図である。
【図12】従来型の空気冷凍サイクルを用いた車両用空
調装置の概略構成図である。
【図13】図12に示した車両用空調装置の空気系統図
である。
【符号の説明】 1…第1の圧縮機、2…第2の圧縮機、3…第1の熱交
換器、4…第2の熱交換器5…第3の熱交換器、6…膨
張機、7…換気装置、8…車体、9…室内ファン、10
…室外ファン、11…空気冷凍サイクル、12…羽車、
13…ブラシ、14…フィルタ、15…冷却フィン、1
6…排気空気ダクト、17…水分除去器、18…ヒー
タ、19…スリット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 慶治 山口県下松市大字東豊井794番地 株式会 社日立製作所笠戸工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気を吸入して圧縮する電動モータ駆動の
    第1の圧縮機、前記第1の圧縮機により圧縮されて昇
    圧、昇温した空気を再度圧縮する第2の圧縮機、前記第
    2の圧縮機により圧縮され、昇圧、昇温した空気を冷却
    する第1の熱交換器、前記第1の熱交換器を通過し、冷
    却された高圧の空気を断熱膨張させる膨張タービン、前
    記膨張タービンを通過し冷温化した空気と熱交換する第
    2の熱交換器を備えた密閉式空気冷凍サイクルを採用し
    且つ給気手段、排気手段から構成される換気装置を備え
    た鉄道車両用空調装置において、 前記密閉式空気冷凍サイクル内を循環する空気と排気空
    気の間で熱交換する第3の熱交換器を備えたことを特徴
    とする鉄道車両用空調装置。
  2. 【請求項2】空気を吸入して圧縮する電動モータ駆動の
    第1の圧縮機、前記第1の圧縮機により圧縮されて昇
    圧、昇温した空気を再度圧縮する第2の圧縮機、前記第
    2の圧縮機により圧縮され、昇圧、昇温した空気を冷却
    する第1の熱交換器、前記第1の熱交換器を通過し、冷
    却された高圧の空気を断熱膨張させる膨張タービン、前
    記膨張タービンを通過し冷温化した空気と熱交換する第
    2の熱交換器を備えた密閉式空気冷凍サイクルを採用し
    且つ給気手段、排気手段から構成される換気装置を備え
    た鉄道車両用空調装置において、 前記換気装置の排気空気と給気空気の間で熱交換するこ
    とを特徴とする鉄道車両用空調装置。
  3. 【請求項3】空気を吸入して圧縮する電動モータ駆動の
    第1の圧縮機、前記第1の圧縮機により圧縮されて昇
    圧、昇温した空気を再度圧縮する第2の圧縮機、前記第
    2の圧縮機により圧縮され、昇圧、昇温した空気を冷却
    する第1の熱交換器、前記第1の熱交換器を通過し、冷
    却された高圧の空気を断熱膨張させる膨張タービン、前
    記膨張タービンを通過し冷温化した空気と熱交換する第
    2の熱交換器を備えた密閉式空気冷凍サイクルを採用し
    且つ給気手段、排気手段から構成される換気装置を備え
    た鉄道車両用空調装置において、 前記換気装置の排気空気と給気空気の間の熱交換器に樹
    脂製の熱交換器を使用したことを特徴とする請求項2記
    載の鉄道車両用空調装置。
  4. 【請求項4】空気を吸入して圧縮する電動モータ駆動の
    第1の圧縮機、前記第1の圧縮機により圧縮されて昇
    圧、昇温した空気を再度圧縮する第2の圧縮機、前記第
    2の圧縮機により圧縮されて昇温した空気を空冷により
    常温まで冷却する第1の熱交換器、前記第1の熱交換器
    で冷却された高圧の空気を断熱膨張させる膨張タービ
    ン、前記膨張タービンを通過する際の断熱膨張により低
    温化した空気と車内の循環空気および、新鮮空気との間
    で熱交換させる第2の熱交換器等を主な構成要素とする
    密閉式空気冷凍サイクル空調機において、 前記第1の圧縮機または第2の圧縮機のケーシングに冷
    却フィンを備えたことを特徴とする空気冷凍サイクル空
    調機。
  5. 【請求項5】空気を吸入して圧縮する電動モータ駆動の
    第1の圧縮機、前記第1の圧縮機により圧縮されて昇
    圧、昇温した空気を再度圧縮する第2の圧縮機、前記第
    2の圧縮機により圧縮されて昇温した空気を空冷により
    常温まで冷却する第1の熱交換器、前記第1の熱交換器
    で冷却された高圧の空気を断熱膨張させえる膨張タービ
    ン、前記膨張タービンを通過する際の断熱膨張により低
    温化した空気と車内の循環空気および、新鮮空気との間
    で熱交換させる第2の熱交換器等を主な構成要素とする
    クローズドループ空気冷凍サイクル空調機において、 第1の熱交換器を通過する大気空気は、車体と台車およ
    び床下機器を覆うスカートの間に設けられたスリットよ
    り空気を吸い込まれ、前記熱交換器を通過してバラスト
    側に吐き出される流路を流れることを特徴とする鉄道車
    両用空気冷凍サイクル空調装置。
JP34094396A 1996-12-20 1996-12-20 鉄道車両用空調装置 Pending JPH10175544A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34094396A JPH10175544A (ja) 1996-12-20 1996-12-20 鉄道車両用空調装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34094396A JPH10175544A (ja) 1996-12-20 1996-12-20 鉄道車両用空調装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10175544A true JPH10175544A (ja) 1998-06-30

Family

ID=18341734

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34094396A Pending JPH10175544A (ja) 1996-12-20 1996-12-20 鉄道車両用空調装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10175544A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106740931A (zh) * 2016-11-25 2017-05-31 深圳沃海森科技有限公司 自动检测的高铁恒温恒湿恒氧恒净空调器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106740931A (zh) * 2016-11-25 2017-05-31 深圳沃海森科技有限公司 自动检测的高铁恒温恒湿恒氧恒净空调器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7340912B1 (en) High efficiency heating, ventilating and air conditioning system
JP2009275955A (ja) デシカント空調装置
WO2008069559A1 (en) Air conditioning system with heat recovery function
JP2008111643A (ja) エンジン廃熱利用液体デシカント装置
CN201391956Y (zh) 一种户式新风除湿机
JPH10175544A (ja) 鉄道車両用空調装置
JP3056105U (ja) 空調副冷却器
CN212204822U (zh) 一种循环式转轮除湿装置
JP3190824B2 (ja) 鉄道車両用空調装置
US4175403A (en) Heat recovery system
JP2004243873A (ja) 車両用換気及び空気調和装置
JP2009287866A (ja) 空気サイクル冷凍装置
JP4526397B2 (ja) 高速鉄道車両の空調換気システム
JP5311734B2 (ja) 空気調和装置
JP2009210163A (ja) ダブルエアーワッシャー型冷温水機
JPH1163871A (ja) 除湿空調システム
JP4207370B2 (ja) 空調システム
JP2004009900A (ja) 車両用換気装置
JP2006116981A (ja) 車両用空調装置
JP2004106709A (ja) 鉄道車両用空調換気装置
JPS6146368Y2 (ja)
Novosel Advances in desiccant technologies
JP2003004388A (ja) ヒートポンプ式空調機及び冷温風発生方法
CN210088979U (zh) 一种利用空调新风热回收原理的空调新风热回收系统
US20210148587A1 (en) Dehumidifiier cascade system and process