JP4526397B2 - 高速鉄道車両の空調換気システム - Google Patents

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Description

本発明は、空気サイクル式の冷却装置を用いる高速鉄道車両の空調換気システムに関するものである。
従来より、鉄道車両の空調換気システムとしては、大きな気化熱を利用できるフロン系冷媒を用いる圧縮式の冷凍サイクルが主流となっている。
しかし、このように広く利用されているフロン系冷媒(HCFC)も、近年地球環境の保護の観点から、1996年以降の消費量が制限され、2020年には全廃となる予定である。また、オゾン層を破壊するおそれがない代替フロン(HFC)も今後規制の動きが予想される。これらの規制に対応するために、従来の空調分野で最も利用されていた上記圧縮式の冷凍システムに使用されるフロン系冷媒の代替として、より環境に優しいアンモニア、二酸化炭素、空気などの自然冷媒を用いることが再検討されている。そこで、フロンの代わりに自然冷媒である空気を用いる空気冷凍サイクルを利用した車両空調システムが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
ところで、新幹線などの高速鉄道車両では、自然換気が困難であるため、車両を気密構造とすると共に、給気ファン及び排気ファンを備えた換気装置と空調装置を組み合わせて各車両を定員に応じた風量(空気量)で強制換気(常時換気)と空気調和とを実施することが一般に行われている(例えば、特許文献3,4参照)。
鉄道車両のフロン式空調換気システムにおいて、空気サイクル式の空調を採用する場合には、例えば図8に示すように、車両1の車室1a内の空気の一部を排気ファン5の回転により排気ダクト3を通じて排出し、車室1a内空気の一部を給気ファン4により取り入れた新鮮な空気と混合して、給気ダクト6’を通じて空気サイクル式の冷却装置7に供給し、冷却して、車室1aに戻すという構成が考えられる。冷却装置7は、モータ7Aによって回転駆動される圧縮機7B、熱交換器7D及び膨張機7Cが順にダクト接続されてなり、空気サイクルによって車両1の車室1a内に供給する空気を冷却する。なお、冷却装置7の熱交換器7Dにおいてにおいて熱交換された廃熱を外部に排出するための冷却ブロア8が廃熱送給ダクト9に設けられている。
このように、高速鉄道車両では、各車両の車室内は換気装置(排気ダクト、給気ダクト)を介して車両外部と連通されているため、例えば車両同士のすれ違いや車両のトンネルへの侵入により車外圧力が変動した場合は、そのままでは車内圧力が急激に変動することになる。その結果、乗客には、耳部にいわゆる「耳つん現象」という不快感を生ずる。これを防止するために、特許文献3の技術では、給気ファンの入り口及び排気ファンの出口に締切手段を設け、いずれかの車両について車外圧力変動による一定量以上の風量の増加を検出したときに、すべての車両の締切手段を閉じるように制御することによって、乗客の受ける「耳つん現象」を防止するようにしている。また、特許文献4の技術では、車両外部の気圧を検出し、該検出値により車内圧力の急激な変動を抑制するように、給気ファン及び排気ファンの回転数制御を行っている。
また、空気サイクル式の冷却装置において、空気と接触して吸湿と放湿とを行う湿度媒体を用い、空気サイクルの作動流体としての空気の除湿を圧縮機に供給する前に行うことは知られている(例えば特許文献5,6参照)。
特開平9−249023号公報(段落0014〜0018) 特開平10−175544号公報(段落0020〜0022) 特開平5−294236号公報(段落0010,0016,0020,0021) 特開2001−180484号公報(請求項2) 特開2000−257968号公報(段落0090,0095及び図1参照) 特開2004−226033号公報(段落0014〜0016及び図1参照)
発明者は、前述したように、冷媒である空気をそのまま車室内に供給する空気サイクルを利用した空調換気システムとすれば、空気サイクルの圧縮機の回転数が高く、高い圧力が得られるので、前述したような締切手段を設けたり回転数制御をすることなく、前記「耳つん現象」を防止することができるが、車室内空気の残部が給気ファン4により取り入れられた新鮮な空気と混合されて、空気サイクル式の冷却装置の圧縮機に供給されるので、冷却装置に高い冷房能力が求められ、装置の大型化のおそれがある。
また、冷房負荷に応じた温度制御を行おうとすると、空気サイクル式の冷却装置7のON−OFFの運転制御若しくはモータ7Aの回転数制御を行う必要があるが、これらの制御を行うと、冷却装置7を流れる空気の量が変化(増減)し、換気量を一定に保つ要求があるにもかかわらず、その要求を満たすことができない。一定に保とうとすれば、複雑な制御機構を設ける必要がある。
そこで、発明者らは、空気サイクル式の冷却装置で車室からの(循環)空気のみを冷却し、この冷却された空気に外部からの新鮮な空気を混合して、車室に送り込めば、空気サイクル式の冷却装置を通過する空気流量を減少させ、冷却装置の小型化が図れると共に冷房能力にかかわらず一定量の換気が可能となることに着想して、本発明を開発するに至った。
この発明は、高速鉄道車両において、冷却装置の小型化が図れると共に冷房能力にかかわらず一定量の換気が可能となる空調換気システムを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、給気ファンの回転により車両外部から車両の車室内に空気を取り込む給気ダクトと、排気ファンの回転により前記車室内から車両外部に空気を排出する排気ダクトとを有し、常時換気を行う高速鉄道車両の空調換気システムにおいて、前記車室に上流側部分及び下流側部分が接続される空気ダクトと、前記空気ダクトに設けられる空気サイクル式の冷却装置と、前記空気ダクトの、前記冷却装置上流側のダクト部分に設けられる除湿装置と、前記空気サイクル式の冷却装置の熱交換器から廃熱を含む空気を前記除湿装置に冷却ブロアにて送給する廃熱送給ダクトとを備え、前記給気ダクトを通じて取り込まれる空気が、前記冷却装置の下流側に供給される構成とすることを特徴とする。ここで、空気ダクトの上流側部分及び下流側部分は、1個ずつである場合だけでなく、複数個ずつある場合も含まれる。また、「前記給気ダクトを通じて取り込まれる空気が、前記冷却装置の下流側に供給される構成とされている」とは、(i)空気ダクトの、冷却装置下流側のダクト部分に供給される場合と、(ii)車室内に直接に供給される場合とが含まれる。
この場合、請求項2に記載のように、前記車室内の圧力を検出する第1の圧力センサと、前記車室外の圧力を検出する第2の圧力センサとを備え、前記調整手段は、前記第1及び第2の圧力センサからの信号を受け、前記第1及び第2の圧力センサからの信号に基づき前記排気ファンのファン回転数を調整することが望ましい。
そして、車室内からの空気を除湿する除湿装置(例えば回転式の除湿装置)において熱交換器から排出される廃熱を利用するようにしているので、冷却装置下流側でドレンにより除湿していた従来の場合に比べて、除湿効率の改善が図られる。
それに加えて、冷却装置下流側のドレンにより除湿する必要がなくなるので、冷却装置(膨張機)の出口付近で発生する水分(ドレン)の分離のための複雑な装置が必要なくなり、また、その膨張機の出口付近で発生する水分によるエロージョン・コロージョンの心配がなくなり、信頼性が高いシステムとなる。
また、請求項に記載のように、前記空気ダクトの、前記冷却装置上流側のダクト部分と、前記排気ダクトとの間に、補助熱交換器を設けたり、請求項に記載のように、前記給気ダクトと、前記排気ダクトとの間に、補助熱交換器を設けたりすることが望ましい。
このようにすれば、請求項の場合には、除湿装置により温度上昇した顕熱分を補助熱交換器により冷却するので、また、請求項の場合には、給排気ダクトを流れる空気の間で熱交換するので、さらに消費電力の低減が図れる。
請求項に記載のように、前記空気サイクル式の冷却装置を通過した空気と、前記給気ダクトからの空気とが混合された空気を加熱する位置にヒータを設け、ヒータによる暖房時には、前記冷却装置を低速回転させることで、車室内の空気を循環させる送風ファンとして機能させるとともに、前記冷却ブロアの運転を停止させ、前記冷却装置の機械ロス分を暖房エネルギーとして利用する構成とすることができる。
このようにすれば、ヒータによる暖房時には、空気サイクル式の冷却装置を低速回転させることで、車室内の空気を循環させる送風ファンとして機能させることができ、暖房運転のための複雑なダクト切替や送風ファンの追加などが必要なくなる。また、冷却ブロアを運転停止させることにより、空気サイクル式の冷却装置による機械ロス分を暖房エネルギーとして利用して、それによる暖房効果を見込むことができる。従って、暖房用のヒータの容量も低減可能となる。
それに加えて、ヒートポンプ方式ではないので、寒冷地における室外機の凍結のおそれがない。
以上のように、本発明は、空気サイクル式の冷却装置で車室内の空気の一部を冷却し、この冷却された空気に外部からの新鮮な空気を混合して、車室に送り込むようにしているので、空気サイクル式の冷却装置を通過する空気流量を減少させ、冷却装置の小型化を図ることができる。それと共に冷房能力にかかわらず、一定量の換気が可能となり、また、冷房負荷が低いときは、空気サイクル式の冷却装置を通過する風量を低下させることにより騒音の低減を図ることができる。
以下、本発明に係る実施の形態を図面に沿って詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る高速鉄道車両の空調換気システムの概略構成図である。
本発明に係る高速鉄道車両の空調換気システムは、車両1の車室1a内の常時換気を行うものであって、車室1aに、車両1の外部から車室1a内に空気を取り込むための給気ダクト2及び車室1a内から車両1の外部に空気を排出するための排気ダクト3がそれぞれ接続されている。
この給気ダクト2には給気ファン4が、排気ダクト3には排気ファン5がそれぞれ設けられている。給気ファン4は、車両1の外部から車両1の車室1a内に給気ダクト2を通じて空気を取り込ませる。一方、排気ファン5は、車室1a内から車両1の外部に排気ダクト3を通じて空気を排出させる。
また、車室1aに対して、その車室1a内の空気の一部を循環させる空気ダクト6が設けられている。この空気ダクト6の上流側部分6aは車室1aに接続され、下流側部分6bは上流側部分6aとは離れた位置で車室1aに接続されている。
この空気ダクト6には、車室1aから取り出される空気を冷却して、再び車室1a内に供給する空気サイクル式の冷却装置7が設けられている。この冷却装置7は、モータ7Aによって回転駆動される圧縮機7B及び膨張機7C、熱交換器7Dを備え、空気サイクルによって車両1の車室1a内に供給する空気を冷却するように構成されている。なお、冷却装置7の下流側においてドレンにより水分の分離(除湿)が行われる(図1において6c参照)。
また、空気ダクト6の、冷却装置7の下流側のダクト部分6dであって下流側部分6b付近に給気ダクト2の下流側部分2aが接続されている。そして、例えばマイクロコンピュータからなる制御装置31によって、圧縮機7B及び膨張機7Cを回転駆動するモータ7Aの回転を制御して、冷却装置7を流れる空気量を調整し、車両1の車室内に送給される冷却風の温度を調整(最適化)するように構成されている。この調整は、例えば車両1の車室1a内の温度を検出する温度センサ32よりの温度信号に基づいて行われる。
冷却装置7の圧縮機7B、熱交換器7D及び膨張機7Cはこの順にダクト接続されてなり、熱交換器7Dで熱交換により得られた廃熱は、冷却ブロア8によって、廃熱送給ダクト9を通じて外部に排出される。この冷却ブロア8も制御装置31によって回転数制御される。
また、制御装置31によって、給気ファン4及び排気ファン5のファン回転数を調整して車内圧を制御するように構成されている。この調整は、車室1a内の圧力を検出する車内圧力センサ33及び車室外の圧力を検出する車外圧力センサ34よりの圧力信号に基づいて、車内圧がほぼ一定圧に維持され、いわゆる「耳つん現象」を防止するように行われる。
上記のように構成すれば、冷却装置7が作動を開始することで、上流側部分6aを通じて車室1a内から空気が空気ダクト6を通じて取り込まれる。それから、空気ダクト6を取り込まれた空気が圧縮機7Bによって圧縮され、空気の温度及び圧力が上昇する。圧縮された空気は熱交換器7Dに流れ、廃熱送給ダクト9を流れる空気と熱交換されて冷却される。冷却された空気は膨張機7Cで膨張し、空気の温度及び圧力が低下する。そして低温となった空気が、空気ダクト6の下流側部分6bから車室1a内に供給される。このように冷却装置7の制御により、車室1a内に最終的に供給される空気の温度が制御される。よって、空気サイクル式の冷却装置7により冷却された空気が車室1a内に常時供給されるが、温度制御がなされるので、車室1a内の過冷却が回避される。
このとき、車室1a内に供給されるのに先立って、給気ダクト2を通じて供給される空気と混合される。つまり、冷却装置7で車室1a内の空気の一部が冷却され、この冷却された空気に外部からの新鮮な空気が混合されて、冷却風が車室内に送り込まれることになるので、図8に示す空調換気システムの場合に比較して空気サイクル式の冷却装置7を通過する空気流量を減少させることができる。よって、冷却装置7の小型化が図れる。それと共に車両外部から車室1a内に空気を取り込む給気ダクト2の下流側部分2aを冷却装置7の下流側のダクト部分6dに接続しているので、給気ダクト2を通じて取り込まれる空気の流量を独立して制御することができ、冷房能力にかかわらず、一定量の換気が可能となる。
それに加えて、冷房負荷が低いときは、給気ファン4による外気の取り込み量を一定に保つ一方、空気サイクル式の冷却装置7を通過する空気流量を低下させることにより、冷却装置7のモータ回転数を低減して、騒音の減少を図ることができる。
一方、車室1a内の空気は、排気ダクト3を通じて排出される。その排出量は、排気ファン5のファン回転数を調整することにより調整される。
車内圧力の制御は、圧力センサ33,34からの信号に基づき、制御装置31にて給気ファン4及び排気ファン5のファン回転数を制御して、車室1a内に取り込まれる空気量及び車室1a内から排出されたりする空気量を調整することで行われる。つまり、2つのファン(給気ファン4及び排気ファン5)のファン回転数を調整することで、車内圧力制御が実行され、いわゆる「耳つん現象」が回避される。
(第2の実施の形態)
図2は本発明の第2の実施の形態に係る高速鉄道車両の空調換気システムの概略構成図である。
この実施の形態においては、図2に示すように、空気ダクト6において、冷却装置7の上流側のダクト部分6eに、除湿部11Aと加湿部11B(放湿部)とを有する除湿装置11の除湿部11Aが設けられている。加湿部11Bは、廃熱送給ダクト9に設けられている。除湿装置11としては、具体的に図示していないが、前述した特許文献5,6に記載の除湿手段やデシカント装置と同様なものである。すなわち、円板状で厚さ方向に空気が通過可能に形成され通過する空気と周知の水分吸着剤(水分吸着機能を有すると共に加熱されることで再生される水分吸着剤)とを接触させるロータを有する。そして、このロータが除湿部11Aと加湿部11Bとの間で移動するように駆動機構(図示せず)にて回転駆動され、除湿部11Aでロータが空気ダクト6を流れる空気と接触してその空気中の水分を除湿する一方、加湿部11Bでロータが廃熱送給ダクト9を流れる空気と接触してその空気を加湿するように構成されている。
冷却装置7の熱交換器7Dから熱交換により得られた廃熱は、冷却ブロア8によって、廃熱送給ダクト9を通じて除湿装置11(加湿部11B)に空気と共に送られ、除湿装置11の除湿作用を促進させるようになっている。この冷却ブロア8も制御装置31によって回転数制御される。
そして除湿装置11による除湿量を調整する(例えば除湿装置11の回転数を変化させる)ことで、車室1a内に送給される冷却風の湿度を調整する構成とされている。この調整は、例えば車両1の車室1a内の湿度を検出する湿度センサ35よりの湿度信号に基づいて行われる。
上記のように構成すれば、冷却装置7が作動を開始することで、上流側部分6aを通じて車室内から一部の空気が取り入れられる。
この一部の空気は、まず、除湿装置11の除湿部11Aで除湿される。特に、除湿装置1が、熱交換器7Dから排出される廃熱を利用して車室1aからの空気を除湿するので、冷却装置7下流側のドレンにより除湿していた従来の場合に比べて、効率の改善が図られる。
また、除湿された空気が圧縮機7Bによって圧縮され、空気の温度及び圧力が上昇する。圧縮された空気は、熱交換器7Dに流れ、廃熱送給ダクト9を流れる空気との間で熱交換されて冷却される。冷却された空気は膨張機7Cで膨張し、空気の温度及び圧力がさらに低下する。そして低温となり適度な湿度を有する空気が車室1a内に供給される。このときも、温度センサ32からの信号に基づき、制御装置31によって空気サイクル式の冷却装置7を制御し、空気ダクト6を通じて流れる空気量が調整されることで、車室1a内に供給される空気の温度が制御される。このように温度制御が行われるので、空気サイクル式の冷却装置7により冷却された空気が車室1a内に常時供給されるが、結果として車室内の過冷却は回避される。
一方、給気ダクト2を通じて車室1a内に空気が取り込まれ、車室1a内の空気は排気ダクト3を通じて排出される。その空気取込量及び空気排出量は、給気ファン4及び排気ファン5のファン回転数を調整することにより調整される。車内圧力の制御は、圧力センサ33,34からの信号に基づき、制御装置31にて給気ファン4及び排気ファン5のファン回転数が調整され、車室内に供給される空気量及び車室内から排出される空気量を調整することで行われる。このように2つのファン(給気ファン4及び排気ファン5)のファン回転数を調整することで、車内圧力制御が実行され、いわゆる「耳つん現象」が回避される。
前述した第2の実施の形態は、さらに補助熱交換器を設けて、その補助熱交換器によって除湿装置11により温度上昇した顕熱分を冷却する構成とすることも可能である。例えば図3に示すように、空気ダクト6の、除湿装置11下流側であって冷却装置7の上流側のダクト部分6eと排気ダクト3との間に補助熱交換器12を設ければよい。これにより、排気ダクト3を流れる空気の温度が冷房により低くなっているので、空気ダクト6を流れ冷却装置7に供給される空気は、補助熱交換器12を通過する際の熱交換により温度が低くなる。したがって空気サイクル式の冷却装置7の負担を少なくし、効率改善及び冷却装置7の小型化を図ることができる。
また、給気ダクト2と排気ダクト3を流れる空気の間で、熱交換を行い、効率改善を図ることも可能である。この場合には、図4に示すように、給気ダクト2において、給気ファン4の下流側のダクト部分2と排気ダクト3の間に補助熱交換器13を設ければよい。これにより、排気ダクト3を流れる空気の温度が冷房により低くなっているので、給気ダクト2を流れ車室1aに供給される空気は、補助熱交換器13を通過する際の熱交換により温度が低くなる。したがって空気サイクル式の冷却装置7の負担を少なくし、効率改善及び冷却装置7の小型化を図ることができる。
ところで、上述した第1及び第2の実施の形態に係る空調換気システムは、暖房について配慮されていないが、第1の実施の形態について、例えば図5に示すように、冷却装置7をバイパスするバイパスダクト21を空気ダクト6に設け、そのバイパスダクト21に送風ファン22を設け、空気ダクトの下流側部分6b付近にヒータ23を設け、バイパスダクト21を通過した空気と給気ダクト2からの空気とが混合された空気を加熱する位置に、ヒータ23を配置する構成とすれば、冷却装置7及び冷却ブロア8を停止し、送風ファン22を回転することで、ヒータ23による暖房を実現することができる。しかしながら、そのようにすると、送風ファン22が必要になる。
また、図6に示すように、暖房時には、空気ダクト6の上流側部分6aを、接続ダクト24を通じて廃熱送給ダクト9の冷却ブロア8の上流側のダクト部分6fに接続する一方、廃熱送給ダクト9の下流側部分を、別の接続ダクト25を通じて空気ダクト6の下流側部分6dに接続するようにダクト配管を変更し、熱交換器7Dで熱交換により得られた廃熱を利用して暖房することも考えられる。このダクト接続の切替えは、作業者が手作業によってダクト配管の変更を行うようにしたり、周知の機構を利用して機械的にダクト配管の変更を行うようにすることができるが、非常に煩雑である。
(第3の実施の形態)
図7は本発明の第3の実施の形態に係る高速鉄道車両の空調換気システムの概略構成図である。
この実施の形態においては、図7に示すように、空気ダクト6の、冷却装置7の下流側のダクト部分6dと給気ダクト2の下流側部分2aとの接続部分より下流側(車室側)に、暖房加熱用のヒータ23が設けられている。
このようにすれば、暖房時には、空気サイクル式の冷却装置7を低速回転させることで、車室1a内の空気を循環させる送風ファンとして機能させ、ヒータ23により、車室1a内に供給する空気を加熱することができる。よって暖房運転のための複雑なダクト切替や送風ファンの追加などが必要なくなる。また、冷却ブロア8の運転を停止させることにより、空気サイクル式の冷却装置7による機械ロス分の暖房効果が見込むことができる。従って、暖房加熱用のヒータ23の容量も低減可能となる。それに加えて、暖房はヒートポンプ方式ではないので、寒冷地における室外機の凍結のおそれがない。
なお、第2及び第3の実施の形態においては、制御系については具体的に説明していないが、図1に示す第1の実施の形態と同様な制御系が設けられている。
本発明の第1の実施の形態に係る高速鉄道車両の空調換気システムの概略構成図である。 本発明の第2の実施の形態に係る高速鉄道車両の空調換気システムの概略構成図である。 変形例についての図2と同様の図である。 他の変形例についての図2と同様の図である。 比較例の説明図である。 他の比較例の説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係る高速鉄道車両の空調換気システムの概略構成図である。 一例として考えられる高速鉄道車両の空調換気システムの概略構成図である。
符号の説明
1 車両
1a 車室
2 給気ダクト
2a 給気ダクトの下流側部分
3 排気ダクト
4 給気ファン
5 排気ファン
6 空気ダクト
6a 上流側部分
6b 下流側部分
6d 下流側のダクト部分
6e 上流側のダクト部分
6f 上流側のダクト部分
7 空気サイクル式の冷却装置
7A モータ
7B 圧縮機
7C 膨張機
7D 熱交換器
8 冷却ブロア
9 廃熱送給ダクト
11 除湿装置
12,13 補助熱交換器
21 バイパスダクト
22 送風ファン
23 ヒータ
24,25 接続ダクト
31 制御装置
32 温度センサ
33 車内圧センサ
34 車外圧センサ
35 湿度センサ

Claims (4)

  1. 給気ファンの回転により車両外部から車両の車室内に空気を取り込む給気ダクトと、排気ファンの回転により前記車室内から車両外部に空気を排出する排気ダクトとを有し、常時換気を行う高速鉄道車両の空調換気システムにおいて、
    前記車室に上流側部分及び下流側部分が接続される空気ダクトと、
    前記空気ダクトに設けられる空気サイクル式の冷却装置と、
    前記空気ダクトの、前記冷却装置上流側のダクト部分に設けられる除湿装置と
    前記空気サイクル式の冷却装置の熱交換器から廃熱を含む空気を前記除湿装置に冷却ブロアにて送給する廃熱送給ダクトとを備え、
    前記給気ダクトを通じて取り込まれる空気が、前記冷却装置の下流側に供給される構成とすることを特徴とする高速鉄道車両の空調換気システム。
  2. 前記空気ダクトの、前記冷却装置上流側のダクト部分と、前記排気ダクトとに対し、それらの間を流れる空気の間で熱交換を行う補助熱交換器が設けられている請求項記載の高速鉄道車両の空調換気システム。
  3. 前記給気ダクトと、前記排気ダクトとに対し、それらを流れる空気の間で熱交換を行う補助熱交換器が設けられている請求項記載の高速鉄道車両の空調換気システム。
  4. 前記空気サイクル式の冷却装置を通過した空気と、前記給気ダクトからの空気とが混合された空気を加熱する位置にヒータを設け、ヒータによる暖房時には、前記冷却装置を低速回転させることで、車室内の空気を循環させる送風ファンとして機能させるとともに、前記冷却ブロアの運転を停止させ、前記冷却装置の機械ロス分を暖房エネルギーとして利用することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の高速鉄道車両の空調換気システム。
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