JPH1017469A - 新規フィブリノーゲン受容体拮抗物質 - Google Patents

新規フィブリノーゲン受容体拮抗物質

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JPH1017469A
JPH1017469A JP8175190A JP17519096A JPH1017469A JP H1017469 A JPH1017469 A JP H1017469A JP 8175190 A JP8175190 A JP 8175190A JP 17519096 A JP17519096 A JP 17519096A JP H1017469 A JPH1017469 A JP H1017469A
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JP
Japan
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group
compound
pharmaceutical preparation
mmol
oxyisoindole
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Withdrawn
Application number
JP8175190A
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English (en)
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Hiroshi Miyazaki
浩 宮崎
Atsushi Katada
淳 片田
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 下記の一般式(I)で表される化合物お
よび製薬上許容し得るその塩、ならびに前記化合物また
は製薬上許容し得るその塩を有効成分として含有する医
薬製剤。 〔式中、R、R及びRは水素原子、低級アルキル
基または生体内で分解可能なアミノ基の保護基を示し;
は水素原子又は生体内で分解可能なカルボキシル基
の保護基を示し;Xは鎖員原子が3〜6個の架橋部を示
す。又−NRが環状の第3級アミンを形成しても
よい〕 【効果】 式(I)の化合物はフィブリノーゲン受容体
に拮抗し、血小板凝集阻害剤として有用である。該製剤
は、血栓崩壊治療中及び治療後、あるいは冠動脈バイパ
ス処理後の血小板血栓症、血栓塞栓症及び再閉塞の予
防、また心筋梗塞の予防に有効に利用できる。また、体
外循環時の血液凝固を抑制するための体循環用血液凝固
阻害剤としても有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血小板凝集阻害作
用を有する新規化合物、および、該化合物を有効成分と
して含有する血小板凝集阻害剤、体循環用血液凝固阻害
制剤、および冠状動脈再閉塞阻害剤などの医薬製剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】血液中において、血小板は、損傷した血
管の表面に相互に吸着して、出血を防止するという大切
な役割を担っている。しかしながら、病的な環境下にお
いては、血小板の凝集は血栓が形成される主要な原因と
なり、この血栓が原因で血管が閉塞することが知られて
いる。そしてこの閉塞は、組織や臓器への酸素や栄養分
の十分な供給を妨げ、これが心筋梗塞や脳卒中に代表さ
れる循環器の虚血性疾患の重大な原因となっている。そ
して、今日においてかかる虚血性疾患は高い死亡率を示
し、大きな社会問題になっている。
【0003】また、外科手術時における人工心肺の使用
や腎不全患者の腎透析のように、体外への血液循環を伴
う医学的処置を行う場合、血液が体外に循環する際にも
血小板の活性化と血小板凝集に起因する血液凝固が起こ
ることがあり、当該医学的処置を実施する上で大きな障
害となっている。更に、心筋梗塞時の冠状動脈内血栓に
対する経皮的冠状動脈形成術(PTCA)後の急性再閉
塞にも血小板凝集の関与が示唆されている。
【0004】従って、血小板凝集を抑制することによっ
て、血栓や血液凝固や冠動脈の術後再閉塞を防止するこ
とは、虚血性疾患の発生の防止、治療もしくは体外循環
的処置の安全な実施のために非常に重要である。また、
最近では動脈硬化症の進行においても血小板凝集が重要
な役割を担っていることが知られている。
【0005】血小板の凝集は、血小板自身の活性化とそ
れに引き続いて起こる血漿中の架橋蛋白質「フィブリノ
ーゲン」を介した凝集の二つの過程に分けられるが、従
来用いられている血小板凝集阻害剤は前半の活性化過程
を標的としたものがほとんどである。これらの薬剤には
シクロオキシゲネース阻害剤であるアスピリン、アデニ
ル酸シクラーゼ活性化剤であるチクロピジン、またはフ
ォスフォジエステラーゼ阻害剤であるジピリダモール等
が挙げられるが、作用の特異性および凝集阻害活性が高
いとは言えず、より特異的で強い作用を有する薬剤の開
発が求められている。
【0006】一方、フィブリノーゲンを介した凝集の過
程を考察すると、血小板へのフィブリノーゲンの結合
は、血小板膜表面に存在するフィブリノーゲン受容体で
ある糖蛋白質「gpIIbIIIa」への非常に特異性の高
い結合に依っていることが知られている。このような血
小板特異的な結合を阻害することは、特異性の高い薬剤
の開発を望むことができ、さらに活性化された血小板で
もこの過程を阻害されれば凝集できないことから、フィ
ブリノーゲンの血小板への結合を阻害することは、特異
性が高く、効果の強い血小板凝集阻害剤を作り出せると
考えられる。
【0007】また、より分子的考察によれば、アンドリ
ューらはフィブリノーゲン受容体へのフィブリノーゲン
の結合は、フィブリノーゲンの分子中のアミノ酸配列、
アルギニン−グリシン−アスパラギン酸−フェニルアラ
ニン(RGDF)に主に依存していることを見いだして
いる。(アンドリュー(Andrieux)ら、ジャーナルオブバ
イオロジカルケミストリー(J.Biol.Chem.), 264巻, 92
58- 9265頁 ,1989年発行)。
【0008】そこでこの部分のペプチドおよびその類似
体を合成し、フィブリノーゲンの受容体アンタゴニスト
として利用しようとする試みがなされ、RGDペプチド
を有するテトラペプチド誘導体に関しては、特開平1−
190699号公報、特開平2−62892号公報、E
PO422937 AI号、及び米国特許495256
2号に記載されている。ペプチドからなる誘導体に関し
てはさらに、特開昭63−215696号公報に記載さ
れている。また、RGDペプチドの環状構造の誘導体に
ついては、特開平3−118331号公報、及び特開平
2−62892号公報あるいはW091/01331号
公報に記載されている。また、天然のアミノ酸のペプチ
ド構造から更に構造の誘導・改変を進めた、いわゆるペ
プチドミメティックスの報告もあり、それらはEP05
02536号公報、EP0445796公報およびEP
0505868公報に記載されている。
【0009】一般に持続作用が必要な薬剤では、生体内
で安定な化学構造を有する化合物が求められる。また、
経口投与型薬剤では、消化管内での化合物の安定性およ
び吸収性をも考慮されなくてはならない。これらの作用
を持たせるための試みは特表平7−500111号公
報、特公平7−116144号公報、W094/193
41号公報等に記載されているが、満足すべき化合物は
得られていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、フ
ィブリノーゲン受容体に拮抗し、高い血小板凝集阻害活
性と生体内安定性を有する新規化合物および該化合物を
有効成分とする新規血小板凝集阻害剤を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を受けて、高活性で生体内安定性の優れた薬剤を開発
するために、鋭意検討を行なった結果、血小板凝集阻害
活性および血液凝固阻害活性に優れた新規化合物を見出
し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明
は、下記の一般式(I)で表される化合物および製薬上
許容し得るその塩を提供する。
【0012】
【化3】
【0013】{式中,R1 、R2 およびR3 は、それぞ
れ独立に、水素原子、低級アルキル基、または生体にお
いて分解可能なアミノ基の保護基を表すか、あるいは、
1 とR2 が一緒になって、隣接する窒素原子ととも
に、環状の3級アミンを形成し;R4は、水素原子、ま
たは生体において分解可能なカルボキシル基の保護基を
表し;Xは、鎖員原子が3〜6個の架橋部を表す。}
【0014】また、本発明は、前記化合物または製薬上
許容し得るその塩をを有効成分として含有する血小板凝
集阻害剤、体循環用血液凝固阻害制剤、および冠状動脈
再閉塞阻害剤などの医薬製剤をも提供する。以下、本発
明について詳細に説明する。
【0015】一般にフィブリノーゲン受容体に拮抗する
化合物は空間的に一定の距離を隔てて分子内に酸性部位
と塩基性部位を有し、これらが受容体と結合することに
よりその作用を発現する。本発明の化合物は5員環ラク
タムとベンゼン環が縮合したジヒドロオキシイソインド
ール骨格上の窒素原子にアミジノ基のフェニル部位を直
接結合させたフェニル−ジヒドロオキシイソインドール
骨格を有し、本骨格の剛直性が塩基性部位に相当するア
ミジノ基の配座規制を行って受容体への結合をより有利
となるように設計したものである。
【0016】さらに、酸性部位に相当する末端脂肪酸は
前記の配座規制の効果から、一般式(I) における架橋部
Xを3から6原子を主鎖とする原子団とすることによ
り、適度な空間的な距離が保たれ高い活性が発現でき
る。一方、その架橋部Xは従来のアミド結合ではなく、
より疎水性のエーテル結合が使用でき、このことは生体
内での安定性や消化管内での化合物の安定性および吸収
性に優れた効果が期待される。これらの試みは前述の特
表平7−500111号公報、W094/19341号
公報、特公平7−116144号公報等とは明らかに一
線を画するものである。
【0017】一般式(I)において、R1 、R2 および
3 の低級アルキル基は、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、シクロプロピル、n−ブチル、イソ
ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソ
アミル、シクロペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シ
クロヘキシル、オクチル等を含む炭素数1〜10を有す
る直鎖アルキル、分岐状アルキル、または環状アルキル
を含んでもよく、好ましいアルキルはC1〜C4アルキ
ルである。
【0018】R1 、R2 およびR3 の生体において分解
可能なアミノ基の保護基には、生体において分解可能で
あることが知られているあらゆるアミノ基の保護基が含
まれるが、具体的には、「医薬品の開発」第13巻、
「薬物送達法」(瀬崎仁編集、広川書店、平成元年7月
発行)116頁の表2.29に記載されているような結
合による保護基であればよく、アセチル基などの脂肪酸
残基、遊離のカルボン酸を有するアミノ酸およびその保
護アミノ酸、もしくはベンジルオキシカルボニルなどの
カルバメート、1−アシロキシアルキルオキシカルボニ
ルなどを挙げることができる。特に、アセトキシメチル
オキシカルボニル基、1−アセトキシエチルオキシカル
ボニル基などが好ましい。
【0019】R1 とR2 は一緒になって、隣接する窒素
原子とともに、環状の3級アミンを形成してもよく、そ
のような環状の3級アミンの例としては、ピロリジン、
イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、モルホリ
ン、チアゾリン、ピペラジン等を挙げることができる。
これらの3級アミンは、水酸基、アミノ基、ニトロ基、
ハロゲン、メトキシなどのアルコキシ基、アルキル基、
アリール基などで置換されてもよい。
【0020】R4の生体において分解可能なカルボキシ
ル基の保護基には、生体において分解可能であることが
知られているあらゆるカルボキシル基の保護基が含まれ
るが、具体的には、前述の「医薬品の開発」第13巻、
「薬物送達法」(瀬崎仁編集、広川書店、平成元年7月
発行)116頁の表2.29に記載されているような結
合様式による保護基であればよく、メチルエステル、エ
チルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステ
ル、またはブチルエステルなどのエステルを形成するア
ルコキシ基、遊離のアミノ基を有するアミノ酸およびそ
の保護アミノ酸、もしくは1−アシロキシアルコキシな
どを挙げることができる。特に、エトキシ、プロポキ
シ、イソプロポキシ、ブトキシ、アシロキシメトキシ基
などが好ましい。
【0021】Xは、鎖員原子が3〜6個の架橋部を表
す。用語「鎖員原子」とは、フェニルと−CO24
つなぐ鎖を構成する原子をいうものとする。鎖員原子と
しては、O、C、SおよびNを挙げることができ、Xは
−O−C−C−、−C−C−C−、−N−C−C−、−
C−N−C−等の原子団を含むことが好ましい。XがC
および/またはNを含む基である場合、これらの鎖原子
は、水素、オキシ、チオ、アミノ、イミノ、水酸基もし
くは置換された水酸基、チオールもしくは置換されたチ
オール、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アル
キニル基、脂環式炭化水素基およびアリール基から成る
群より選択される原子または基を有することができる。
また、これらの基は、任意に、ヒドロキシ、低級アルコ
キシ、低級アルキル、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アジ
ド、ウレイド、ウレイレン、カルボキシル誘導体残基ま
たはカルボニル誘導体残基、トリフルオロメチル、アシ
ロキシ、低級アルキルチオ、アリールチオ、低級アルキ
ルスルフェニル、アリールスルフェニル、低級アルキル
スルホニル、アリールスルホニル、アミノ、低級アルキ
ルアミノ、トリアルキルシリル、アミノスルホニル、ジ
低級アルキルアミノ、フェニル、ナフチル、低級アルキ
ニルなどにより置換されてもよく、これらの置換基は、
任意に、ハロゲン、ニトロ、低級アルコキシ、低級アル
キル、トリアルキルシリル、アジド、フェニルなどによ
り置換されてもよい。
【0022】本明細書で使用される用語「低級アルキ
ル」は、単独または組み合わせで用いられても、1より
約10までの、好ましくは1より約8までの炭素原子
を、そして最も好ましくは1より約6までの炭素原子を
含む非環式アルキル基を意味する。そのような基の例は
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチ
ル、イソアミル、ヘキシル、オクチル等を含む。
【0023】用語「低級アルケニル」は、それが少なく
とも一つの二重結合を含む不飽和の非環式炭化水素基を
意味する。そのような基は約2より約10までの炭素原
子、好ましくは約2より約8までの炭素原子、そして最
も好ましくは2より約6までの炭素原子を含む。適当な
アルケニル基の例はプロピレン、ブテン−1−イル、イ
ソブテニル、ペンテン−1−イル、2ーメチルブテン−
1−イル、3−メチルブテン−1−イル、ヘキセン−1
−イル、ヘプテン−1−イル及びオクテン−1−イル等
を含む。
【0024】用語「低級アルキニル」は、それが一つ以
上の三重結合を含む不飽和の非環式炭化水素基を意味
し、そのような基は約2より約10までの炭素原子を含
む。、好ましくは約2より約8までの炭素原子を有し、
そして最も好ましくは2より約6までの炭素原子を有す
る基である。適当なアルキニル基の例はエチニル、プロ
ピニル、ブチン−1−イル、ブチン−2−イル、ペンチ
ン−1−イル、ペンチン−2−イル、3−メチルブチン
−1−イル、ヘキシン−1−イル、ヘキシン−2−イ
ル、ヘキシン−3−イル、3、3−ジメチルブチン−1
−イル等を含む。用語「脂環式炭化水素」は、3より約
10までの炭素原子、そして好ましくは3より約6まで
の炭素原子を含む環状をなす脂肪族基を意味する。適当
な脂環式炭化水素基の例としてはシクロプロピル、シク
ロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−シク
ロヘキセン−1−イレニル、シクロヘキセニル等を含
む。
【0025】用語「アリール」は、4より約16まで炭
素原子、好ましくは6より約12までの炭素原子、さら
に好ましくは6より約10までの炭素原子を意味する。
適当なアリール基はフェニル、ナフチル等を含む。用語
「アシロキシ」は、1より約8までの炭素原子のアシル
を包含する。適当な例はアルカノイルオキシ、ベンゾイ
ルオキシ等を含む。
【0026】用語「低級アルコキシ」は、単独または組
み合わせにおいて、低級アルキルエーテル基を意味し、
その際用語低級アルキルは前記の定義のとおりである。
最も好ましくは1より約4までの炭素原子を含むもので
ある。適当なアルキルエーテル基の例は、メトキシ、エ
トキシ、 n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキ
シ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等
を含む。用語「カルボキシル誘導体残基」は、次のよう
なカルボン酸誘導体残基を含む。
【0027】1.エステル(COOR5){式中、R5は、低
級アルキル基、脂環式炭化水素基、またはアリール基を
表す。} 2.アミド(CONR6R7){式中、R6とR7は、それぞれ独
立に、水素、鎖状もくしは脂環式炭化水素基、アリール
基、ヒドロキシ基またはアルコキシ基を表す。} 用語「カルボニル誘導体残基」は、次式のようなカルボ
ニル誘導体残基を含む。
【0028】
【化4】
【0029】{式中、R6は前に定義した通りであり、X'
は酸素、硫黄またはN-Rを表し、R8は直接結合、2価の
鎖状もくしは脂環式炭化水素基、2価のアリール基また
はOを表す。} 用語「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素
を意味する。
【0030】一般式(I)で表される化合物の中でも、
好ましい化合物としては、2−アミジノフェニル−5−
(3’−カルボキシプロポキシ)−2,3−ジヒドロ−
3−オキシイソインドール、2−アミジノフェニル−5
−(4’−カルボキシブトキシ)−2,3−ジヒドロ−
3−オキシイソインドール、2−アミジノフェニル−6
−(3’−カルボキシプロポキシ)−2,3−ジヒドロ
−3−オキシイソインドール、2−アミジノフェニル−
6−(4’−カルボキシブトキシ)−2,3−ジヒドロ
−3−オキシイソインドール、2−アミジノフェニル−
5−(4’−カルボキシブチル)−2,3−ジヒドロ−
3−オキシイソインドール、2−アミジノフェニル−5
−(5’−カルボキシペンチル)−2,3−ジヒドロ−
3−オキシイソインドール、2−アミジノフェニル−6
−(4’−カルボキシブチル)−2,3−ジヒドロ−3
−オキシイソインドール、2−アミジノフェニル−6−
(5’−カルボキシペンチル)−2,3−ジヒドロ−3
−オキシイソインドール、2−アミジノフェニル−5−
(2’−カルボキシエチルカルボアミノ)−2,3−ジ
ヒドロ−3−オキシイソインドール、2−アミジノフェ
ニル−5−(3’−カルボキシプロピルカルボアミノ)
−2,3−ジヒドロ−3−オキシイソインドール、2−
アミジノフェニル−6−(2’−カルボキシエチルカル
ボアミノ)−2,3−ジヒドロ−3−オキシイソインド
ール、2−アミジノフェニル−6−(3’−カルボキシ
プロピルカルボアミノ)−2,3−ジヒドロ−3−オキ
シイソインドール、2−アミジノフェニル−5−(2’
−カルボキシエチルアミノカルボニル)−2,3−ジヒ
ドロ−3−オキシイソインドール、2−アミジノフェニ
ル−5−(3’−カルボキシプロピルアミノカルボニ
ル)−2,3−ジヒドロ−3−オキシイソインドール、
2−アミジノフェニル−6−(2’−カルボキシエチル
アミノカルボニル)−2,3−ジヒドロ−3−オキシイ
ソインドール、2−アミジノフェニル−6−(3’−カ
ルボキシプロピルアミノカルボニル)−2,3−ジヒド
ロ−3−オキシイソインドール、2−アミジノフェニル
−5−(2’−カルボキシプロピルカルボニル)−2,
3−ジヒドロ−3−オキシイソインドール、2−アミジ
ノフェニル−5−(3’−カルボキシブチルカルボニ
ル)−2,3−ジヒドロ−3−オキシイソインドール、
2−アミジノフェニル−6−(2’−カルボキシプロピ
ルカルボニル)−2,3−ジヒドロ−3−オキシイソイ
ンドール、2−アミジノフェニル−6−(3’−カルボ
キシブチルカルボニル)−2,3−ジヒドロ−3−オキ
シイソインドール、2−アミジノフェニル−5−(3’
−カルボキシプロピルチオニル)−2,3−ジヒドロ−
3−オキシイソインドール、2−アミジノフェニル−5
−(4’−カルボキシブチルチオニル)−2,3−ジヒ
ドロ−3−オキシイソインドール、2−アミジノフェニ
ル−6−(3’−カルボキシプロピルチオニル)−2,
3−ジヒドロ−3−オキシイソインドール、2−アミジ
ノフェニル−6−(4’−カルボキシブチルチオニル)
−2,3−ジヒドロ−3−オキシイソインドール等が挙
げられ、以下の一般式(II)〜(V) で表される化合物が特
に好ましい。
【0031】
【化5】
【0032】一般に、本発明の化合物は以下の工程を包
含する手順によって製造しえる。
【0033】以下の一般式(1)
【0034】
【化6】
【0035】のアリールメチル基を臭素処理化して、一
般式(2)
【0036】
【化7】
【0037】の化合物を生成し、これを塩基性条件化、
一般式(4)
【0038】
【化8】
【0039】{式中、Yは、
【0040】
【化9】
【0041】と環化縮合して以下の一般式(5)
【0042】
【化10】
【0043】の化合物を生成する。保護化N−末端を脱
保護化、もしくはアミジノ化し、保護化C−末端を脱保
護化する。本発明の化合物の製薬上許容し得る適当な塩
類は、通常の無毒性塩類であり、無機塩基との塩、例え
ばアルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩な
ど)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩、マグ
ネシウム塩など);アンモニウム塩;有機塩基との塩、
例えば有機アミン(例えばトリエチルアミン塩、ピリジ
ン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノー
ルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N、N'−ジベ
ンジルエチレンジアミン塩など);無機酸付加塩(例え
ば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩など);有
機カルボン酸またはスルホン酸付加塩(例えばギ酸塩、
酢酸塩、プロピオン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイ
ン酸塩、リンゴ酸、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸
塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−
トルエンスルホン酸塩、グリコール酸塩など);塩基性
または酸性アミノ酸(例えばアルギニン、アスパラギン
酸、グルタミン酸など)との塩などのような塩基との塩
または酸付加塩を含んでもよい。
【0044】本発明の化合物は、血小板凝集阻害剤とし
て、血小板凝集に起因する、もしくはそれを一因とする
種々の疾患の治療もしくは予防に効果的である。特に心
筋梗塞や、脳梗塞などの、血栓形成による血管の閉塞を
阻害もしくは予防するする薬剤として有効である。ま
た、心筋梗塞時の冠状動脈内血栓に対する経皮的冠状動
脈形成術(PTCA)後の急性再閉塞阻害剤、ウロキナ
ーゼ等の血栓溶解剤による、梗塞巣への血栓溶解療法時
の放出血小板による再閉塞阻害剤として、さらに、体外
への血液循環を伴う医学的処置時の、血液凝固阻害剤と
して有効である。
【0045】本発明の化合物を血小板凝集阻害剤として
用いる場合には、その有効成分として、本発明の化合物
またはその製薬上許容し得る塩を固体若しくは液体の医
薬用担体または希釈剤と共に、すなわち賦形剤や安定剤
等と共に含む製剤とするのが好ましい。該医薬製剤にお
いて、前記有効成分の担体成分に対する割合は、1〜9
0重量%の間で変動させることができる。当該製剤の剤
形及び投与形態としては、顆粒剤、細粒剤、散剤、錠
剤、カプセル剤、丸剤若しくは液剤等の剤形にして用い
ることができる。またさらに、原末のまま経口投与する
ことも可能であり、さらに、注射剤として、静脈内投
与、筋肉内投与、または皮下投与することもできる。な
お、注射剤として用いる場合には、本発明の化合物を注
射用の粉末として、用時調製することもできる。
【0046】経口、経腸もしくは非経口投与に適した有
機または無機の、さらに固体または液体の医薬用に用い
られる担体か希釈剤を、本発明血小板凝集阻害剤を調製
するために用いることができる。水、ゼラチン、乳糖、
デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、動植物
油脂、ベンジルアルコール、ガム、ポリアルキレングリ
コール、石油樹脂、やし油、ラノリンその他医薬に用い
られる他の担体は全て、本発明の血小板凝集阻害剤の担
体もしくは希釈剤として用いることができる。また、安
定剤や湿潤剤や乳化剤を加えたり、浸透圧調整剤または
pH調整剤として塩を補助薬として、適宜用いることが
できる。さらに、本発明血小板凝集阻害剤は、種々の疾
患の治療において、前記有効成分の他に、必要に応じて
他の医薬として有効な成分、例えば他の種類の血小板凝
集阻害成分を含有させることもできる。
【0047】顆粒剤、細粒剤、散剤、錠剤、またはカプ
セル剤の形態をとる場合には、前記有効成分を5〜80
重量%含有させるのが好ましい。液剤の場合には、前記
有効成分を1〜30重量%の割合で含有させるのが好ま
しい。さらに、非経口投与剤のうち、注射剤として用い
る場合には、前記有効成分を1〜10重量%の割合で含
有させるのが好ましい。
【0048】臨床投与量は、経口投与の場合、成人に対
し上記有効成分として、1日当たり500〜1000m
gを内服するのが好ましい。しかしながら、患者の年
令、症状等によって適宜投与量を増減させることもでき
る。前記の本発明の血小板凝集阻害剤は、1日1回投与
も可能であるが、適当な間隔を2〜3回に分けて投与す
ることもできる。さらに、注射剤として用いる場合に
は、上記有効成分として、成人に対し1回当たり量1〜
数100mg投与するのが好ましい。また、その投与は
1回で、あるいは、点滴等の手段によって継続的に行う
ことも可能である。なお、体外循環用に本発明の化合物
を用いる場合には、上記の注射剤の形態で用いることが
できる。投与量も上記の注射剤の投与量に準ずる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下に実施例により本発明につい
て具体的に説明するが、本発明はこれらの実施に限定さ
れるものではない。
【0050】
【実施例】
〈化合物の合成〉 〔実施例1〕 (1)2-メチル-5-ニトロ安息香酸(1−2)の合成 オルトトルイル酸(1-1)6.81g(50ミリモル)
を濃硫酸(15ml)中に溶解後、−20℃に冷却し
た。これに0℃で混合した濃硫酸(6ml)、濃硝酸
(4ml)を20分かけて滴下した。滴下後、15分間
−20℃を保持した後、反応液を200mlの氷に注い
だ。析出した結晶をろ過、水で洗浄し粗結晶物14.6
gを得た。得られた粗結晶をメタノールより2回再結晶
し純粋な1−2を得た。
【0051】NMR:1H (270MHz: CD3OD: 27℃) δ2.6
6, s, 3H: 7.47, d, 1H (J=8.48Hz):8.19, dd, 1H (J=
2.44, 8.48Hz):8.64, d, 1H (J=2.44Hz)
【0052】(2)2-メチル-5-アミノ安息香酸(1−
3)の合成 1−2の化合物3.6g(19.9ミリモル)を200
mlのメタノールに溶解し、触媒として0.15gの1
0%パラジウム−炭素を添加した後、水素雰囲気化14
時間室温で攪拌した。触媒を濾過し、濾液を濃縮して1
−3を得た。
【0053】NMR:1H (270MHz: CD3OD: 27℃) δ2.4
0, s, 3H: 6.79, dd, 1H (J= 2.44,7.81Hz): 6.99, d,
1H (J=7.81Hz): 7.28, d, 1H (J=2.44Hz) MS:[M+H]+ 計算値152.17、実測値151.9
【0054】(3)2-メチル-5-アミノ安息香酸メチル
(1−4)の合成 メタノール50mlを−20℃に冷却した後、塩化チオ
ニル10mlを15分かけて滴下した。反応液を−20
℃に10分間保った後、1−3(2.5g、16.5ミ
リモル)を投入した。冷浴を油浴に換え約90℃で3時
間加熱、還流した。室温まで冷却後、反応液を濃縮し粗
結晶物を得た。得られた粗結晶をメタノールより再結晶
し純粋な1−4を塩酸塩として得た。
【0055】NMR:1H (270MHz:CD3OD : 27℃) δ2.6
0, s, 3H: 3.91, s, 3H: 7.48, d, 1H(J=1.5Hz): 7.90,
dd, 2H(J=1.5Hz) MS:[M+H]+ 計算値166.20、実測値166.0
【0056】(4)2-メチル-5-ヒドロキシ安息香酸メ
チル(1−5)の合成 5%希硫酸38ml中に1−4の化合物の塩酸塩2.2
g(10.8ミリモル)を溶解し氷冷した。この溶液に
3mlの水に溶解した亜硝酸ナトリウム0.7g(1
0.8ミリモル)を滴下した。滴下後、氷浴を油浴に換
え100℃で30分加熱、攪拌した。室温まで放冷し反
応液を水で希釈した後ジエチルエーテルで抽出、得られ
た有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。溶媒を濃縮、除去して得られた残分をヘキサン
(10)/酢酸エチル(1)で溶出するシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製して純粋な1−5を油状物
質として得た。
【0057】Rf 0.7(シリカゲル、ヘキサン(5
0)/酢酸エチル(50)) NMR:1H (270MHz: CDCl3: 27℃) δ 2.50, s, 3H:
3.88, s, 3H: 6.90, dd,1H (J= 2.9, 8.3Hz): 7.10, d,
1H (J=8.3Hz): 7.40, d, 1H (J=2.9Hz)
【0058】(5)2-メチル-5-(3'- エトキシカルボニ
ルプロポキシ)安息香酸メチル(1−6)の合成 1−5の化合物1.3g(7.8ミリモル)をジメチル
ホルムアミド20mlに溶解し、これに炭酸カリウム
1.3g(9.4ミリモル)、4−ブロモ酪酸エチル
(アルドリッチ社)1.53g(7.8ミリモル)を順
に加え室温で18時間攪拌した。溶媒を減圧下除去した
後、残渣をジエチルエーテルに溶解し、水、飽和食塩水
の順で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を減
圧下除去し粗生成物を得た。得られた残分をヘキサン
(5)/酢酸エチル(1)で溶出するシリカゲルカラム
クロマトグラフィーで精製して純粋な1−6を油状物質
として得た。
【0059】Rf 0.8(シリカゲル、ヘキサン(5
0)/酢酸エチル(50)) NMR:1H (270MHz: CDCl3: 27℃) δ 1.25, t, 3H( J
=6.8Hz): 2.09, brt, 2H: 2.48, brt, 2H: 2.51, s, 3
H: 3.87, s, 3H: 4.01, t, 2H (J=6.4Hz): 4.14,q, 2H
(J=6.8Hz): 6.93, dd, 1H (J= 2.4, 8.3Hz): 7.12, d,
1H (J=8.3Hz): 7.42, d, 1H (J=2.4Hz)
【0060】(6)ベンジルオキシカルボニル 4-アミ
ノ−ベンズアミジン(1−8)の合成 4−アミノベンズアミジン 2塩酸塩15.0g(アル
ドリッチ社 72.1ミリモル)をジオキサン500m
l中にケン濁、これに氷冷下4M水酸化ナトリウム水溶
液36mlを滴下した。発熱が収まった後、クロロ蟻酸
ベンジル12.3g(日産化学 71.8ミリモル)、
4M水酸化ナトリウム水溶液15.3mlを順に添加し
た。氷浴を外し反応液を室温で14時間攪拌した。ジオ
キサンを減圧下除去した後、残った水層を酢酸エチルで
抽出、得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た後溶媒を減圧下除去し粗生成物を得た。得られた粗生
成物をヘキサンで洗浄、濾過し1−8を得た。
【0061】NMR:1H (270MHz: CD3OD : 27℃) δ
4.89, s, 2H: 6.65, d, 2H (J=8.8Hz):7.27-7.42, m, 5
H: 7.67, d, 2H (J=8.8Hz)
【0062】(7)2-(4'- (ベンジルオキシカルボニ
ル−アミノ−イミノメチル)フェニル)-5-(3"- エト
キシカルボニルプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-3-オキシイ
ソインドール(1−9)の合成 20mlの四塩化炭素に1−6 570mg(2.0ミ
リモル)を溶解し、これにN−ブロモ琥珀酸イミド 3
99mg(2.2ミリモル)、過酸化ベンゾイル 49
mg(0.2ミリモル)を加え、2時間加熱、還流し
た。室温まで放冷した後、生じた琥珀酸イミドを濾過、
濾液を濃縮し臭素化体をえた。 Rf 0.6(シリカゲル、ヘキサン(2)/酢酸エチ
ル(1))
【0063】得られた臭素化体をアセトニトリル70m
lに溶解し、これに1−8の化合物577mg(2.2
ミリモル)、炭酸カリウム846mg(6.12ミリモ
ル)を加え6時間加熱、還流した。放冷後、溶媒を減圧
留去し残渣を酢酸エチルに溶解、酢酸エチル層を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸
ナトリウムで乾燥した後溶媒を減圧下除去し粗生成物を
得た。得られた残分をクロロホルムで溶出するシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで精製して1−9を得た。
【0064】NMR:1H (270MHz: CDCl3: 27℃) δ 1.
26, t, 3H( J=6.8Hz): 2.13, brt, 2H: 2.52, t, 2H
(J=7.3Hz): 4.04, brt, 2H : 4.14, q, 2H (J=6.8Hz):
4.71, s, 2H: 5.21, s, 2H: 7.10-7.43, m, 10H: 7.8
9, brs, 2H MS:[M]+ 計算値515.56、実測値516.0
【0065】(8)2-(4'-(ベンジルオキシカルボニル
アミノ−イミノメチル)フェニル)-5-(3"- カルボキ
シプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-3-オキシイソインドール
(1−10)の合成 1−9の化合物196mg(0.38ミリモル)をTH
F(1)/メタノール(1)/水(1)10mlに溶解
し水酸化リチウム1水和物48mg(1.14ミリモ
ル)を加え、室温で3時間攪拌した。溶媒を留去して残
分を水に溶解しこれをジエチルエーテルで洗浄した。水
層をクエン酸でpH2〜3に調節した後酢酸エチルで抽
出した。得られた酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄し無
水硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を減圧下除去1−1
0を得た。
【0066】Rf 0.6(シリカゲル、クロロホルム
(2)/メタノール(1)) MS:[M+H]+ 計算値488.52、実測値488.3
【0067】(9)2-アミジノフェニル-5-(3'- カル
ボキシプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-3-オキシイソインド
ール(1−11)の合成 1−10の化合物96mgをメタノール1mlに溶解し
触媒として10%パラジウム−炭素14mgを加えて水
素雰囲気下3時間攪拌した。触媒を濾去して濾液を減圧
下濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物を酢酸に
溶解し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC){カ
ラム;ODS 5C18(mbondsphere,f19x150mm)、移動相;
(A)0.1%TFA水溶液、(B)99.9%アセトニト
リル/0.1%TFA、グラジエントは(A):(B)=90:
10 から(A):(B)=70:30 、20分間、流速17 ml/m
in. }にて精製し、目的の画分を集めこれを凍結乾燥す
ることにより1−11を得た。
【0068】NMR:1H (270MHz: CD3OD: 27℃) δ 2.
12, m, 2H: 2.52, t, 2H (J=7.3Hz):4.12, t, 2H (J=
6.3Hz): 4.97, s, 2H: 7.28, dd, 1H (J=2.4,8.3Hz):
7.36, d, 1H (J=2.4Hz): 7.56, d, 1H (J=8.3Hz): 7.8
9, d, 2H (J=8.8Hz): 8.19, d, 2H (J=8.8Hz) MS:[M+H]+ 計算値354.384、実測値354.1
【0069】〔実施例2〕 (1)2-メチル-5-(4'-エトキシカルボニルブトキシ)
安息香酸メチル(2−1)の合成 1−5の化合物1.6g(9.5ミリモル)をジメチル
ホルムアミド40mlに溶解し、これに炭酸カリウム
1.6g(11.6ミリモル)、5−ブロモ吉草酸エチ
ル(アルドリッチ社)2.3g(10.7ミリモル)を
順に加え室温で20時間攪拌した。溶媒を減圧下除去し
た後、残渣をジエチルエーテルに溶解し、水、飽和食塩
水の順で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を
減圧下除去し粗生成物を得た。得られた残分をヘキサン
(5)/酢酸エチル(1)で溶出するシリカゲルカラム
クロマトグラフィーで精製して純粋な2−1を油状物質
として得た。
【0070】Rf 0.8(シリカゲル、ヘキサン(5
0)/酢酸エチル(50)) NMR:1H (270MHz: CDCl3: 27℃) δ 1.25, t, 3H( J
=6.8Hz): 1.81, brs, 2H: 2.09, brt, 2H: 2.38, brt,
2H: 2.51, s, 3H: 3.87, s, 3H: 3.97, brt, 2H:4.13,
q, 2H (J=6.8Hz): 6.93, dd, 1H (J= 2.4, 8.3Hz): 7.1
1, d, 1H (J=8.3Hz): 7.43, d, 1H (J=2.4Hz)
【0071】(2)2-(4'-(ベンジルオキシカルボニル
−アミノ−イミノメチル)フェニル)-5-(4"-エトキシ
カルボニルブトキシ)-2,3-ジヒドロ-3-オキシイソイン
ドール(2−2)の合成 20mlの四塩化炭素に2−1の化合物616mg
(2.1ミリモル)を溶解し、これにN−ブロモ琥珀酸
イミド 411mg(2.31ミリモル)、過酸化ベン
ゾイル 51mg(0.2ミリモル)を加え、2時間加
熱、還流する。室温まで放冷した後、生じた琥珀酸イミ
ドを濾過、濾液を濃縮し臭素化体をえた。 Rf 0.6(シリカゲル、ヘキサン(2)/酢酸エチ
ル(1))
【0072】得られた臭素化体をアセトニトリル60m
lに溶解し、これに1−8の化合物540mg(2.1
ミリモル)、炭酸カリウム871mg(6.3ミリモ
ル)を加え4時間加熱、還流した。放冷後、溶媒を減圧
留去し残渣を酢酸エチルに溶解、酢酸エチル層を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸
ナトリウムで乾燥した後溶媒を減圧下除去し粗生成物を
得た。得られた残分をクロロホルムで溶出するシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで精製して2−2を得た。
【0073】NMR:1H (270MHz: CDCl3: 27℃) δ 1.
27, t, 3H( J=7.2Hz): 1.85, brt, 2H: 2.41, brt, 2H:
4.01, brt, 2H: 4.14, q, 2H (J=7.3Hz): 4.75, s, 2
H: 5.21, s, 2H: 7.14, dd, 1H (J=2.4,8.3Hz): 7.30-
7.43, m, 9H: 7.89, brs, 2H
【0074】(3)2-(4'-(ベンジルオキシカルボニル
アミノ−イミノメチル)フェニル)-5-(4"-カルボキシ
ブトキシ)-2,3-ジヒドロ-3-オキシイソインドール(2
−3)の合成 2−2の化合物243mg(0.46ミリモル)をTH
F(1)/メタノール(1)/水(1)18mlに溶解
し水酸化リチウム1水和物58mg(1.38ミリモ
ル)を加え、室温で15時間攪拌した。溶媒を留去して
残分を水に溶解しこれをジエチルエーテルで洗浄した。
水層をクエン酸でpH2〜3に調節した後酢酸エチルで
抽出した。得られた酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄し
無水硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を減圧下除去2−
3を得た。
【0075】Rf 0.6(シリカゲル、クロロホルム
(2)/メタノール(1)) MS:[M]+ 計算値501.536、実測値501.9
【0076】(4)2-アミジノフェニル-5-(4'-カルボ
キシブトキシ)-2,3-ジヒドロ-3-オキシイソインドール
(2−4)の合成 2−3の化合物134mg(0.27ミリモル)をメタ
ノール10mlに溶解し触媒として10%パラジウム−
炭素13mgを加えて水素雰囲気下4時間攪拌した。触
媒を濾去して濾液を減圧下濃縮して粗生成物を得た。得
られた粗生成物を酢酸に溶解し、実施例1と同様に高速
液体クロマトグラフィー(HPLC)にて精製し、目的
の画分を集めこれを凍結乾燥することにより2−4を得
た。
【0077】NMR:1H (270MHz: CD3OD: 27℃) δ 1.
84, m, 4H: 2.40, t, 2H (J=6.8Hz):4.10, t, 2H (J=
5.9Hz): 4.98, s, 2H: 7.28, dd, 1H (J=2.4,8.3Hz):
7.36, d, 1H (J=2.4Hz): 7.56, d, 1H (J=8.3Hz): 7.9
0, d, 2H (J=8.8Hz): 8.20, d, 2H (J=8.8Hz) MS:[M]+ 計算値368.411、実測値 367.9
【0078】〔実施例3〕 (1)2-メチル-4-ヒドロキシ安息香酸(3−2)の合成 20重量%水酸化ナトリウム水溶液400gにメタクレ
ゾール(関東化学)30g(277.4ミリモル)、四
塩化炭素60ml、銅粉(メルク社)2gを加え80℃
で8時間加熱、攪拌した。得られた反応液を室温まで放
冷した後、ジエチルエーテルで洗浄した。水層を濃塩酸
で酸性化した後酢酸エチルで抽出、得られた酢酸エチル
層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後溶媒を減圧下除去し粗生成物を得た。得られた残分を
ヘキサン(1)/酢酸エチル(1)で溶出するシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで精製して3−2を得た。
【0079】Rf 0.4(シリカゲル、ヘキサン(5
0)/酢酸エチル(50)) NMR:1H (270MHz: CDCl3: 27℃) δ 2.51, s, 3H:
6.62, dd, 1H (J= 2.4, 8.3Hz): 6.64, d, 1H (J=2.4H
z): 7.83, d, 1H (J=8.3Hz)
【0080】(2)2-メチル-4-ヒドロキシ安息香酸メ
チル(3−3)の合成 メタノール250mlを−20℃に冷却した後、塩化チ
オニル50mlを20分かけて滴下した。反応液を−2
0℃に10分間保った後、3−2(10.4g、68.
4ミリモル)を投入した。冷浴を油浴に換え約90℃で
3時間加熱、還流した。室温まで冷却後、反応液を濃縮
し粗結晶物を得た。得られた粗結晶をクロロホルムより
再結晶し純粋な3−3を塩酸塩として得た。
【0081】NMR:1H (270MHz: CDCl3: 27℃) δ 2.
51, s, 3H: 3.87, S, 3H: 6.71-6.73, m, 2H: 7.88,
d, 1H (J=8.8Hz)
【0082】(3)2-メチル-4-(3'-エトキシカルボニ
ルプロポキシ)安息香酸メチル(3−4)の合成 3−3の化合物1.6g(9.6ミリモル)をジメチル
ホルムアミド40mlに溶解し、これに炭酸カリウム
1.6g(11.6ミリモル)、4−ブロモ酪酸エチル
(アルドリッチ社)2.1g(10.6ミリモル)を順
に加え室温で21時間攪拌した。溶媒を減圧下除去した
後、残渣をジエチルエーテルに溶解し、水、飽和食塩水
の順で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を減
圧下除去し粗生成物を得た。得られた残分をヘキサン
(5)/酢酸エチル(1)で溶出するシリカゲルカラム
クロマトグラフィーで精製して純粋な3−4を油状物質
として得た。
【0083】Rf 0.8(シリカゲル、ヘキサン(5
0)/酢酸エチル(50)) NMR:1H (270MHz: CDCl3: 27℃) δ 1.25, t, 3H( J
=7.3Hz): 2.04-2.14, m,2H: 2.51, t, 2H( J=7.3Hz):
2.59, s, 3H: 3.85, s, 3H: 4.05, t, 2H (J=6.4Hz):
4.14, q, 2H (J=7.3Hz): 6.71, d, 1H (J= 8.8Hz): 6.7
3, s, 1H: 7.88,d, 1H (J=8.8Hz)
【0084】(4)2-(4'-(ベンジルオキシカルボニル
−アミノ−イミノメチル)フェニル)-4-(3"-エトキシ
カルボニルプロポキシ)-2,3- ジヒドロ-3-オキシイソイ
ンドール(3−5)の合成 20mlの四塩化炭素に3−4の化合物628mg
(2.2ミリモル)を溶解し、これにN−ブロモ琥珀酸
イミド 439mg(2.5ミリモル)、過酸化ベンゾ
イル 54mg(0.2ミリモル)を加え、3時間加
熱、還流する。室温まで放冷した後、生じた琥珀酸イミ
ドを濾過、濾液を濃縮し臭素化体をえる。Rf0.5
(シリカゲル、ヘキサン(2)/酢酸エチル(1))得
られた臭素化体をアセトニトリル60mlに溶解し、こ
れに1−8 576mg(2.2ミリモル)、炭酸カリ
ウム929mg(6.7ミリモル)を加え16時間加
熱、還流した。放冷後、溶媒を減圧留去し残渣を酢酸エ
チルに溶解、酢酸エチル層を飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液、飽和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た後溶媒を減圧下除去し粗生成物を得た。得られた残分
をクロロホルムで溶出するシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで精製して3−5を得た。
【0085】NMR:1H (270MHz: CDCl3: 27℃) δ 1.
26, t, 3H( J=6.8Hz): 2.13, brt, 2H: 2.53, t, 2H
(J=7.3Hz): 4.07-4.20, m, 4H : 4.14, q, 2H (J=6.8 H
z): 4.75, s, 2H: 5.11, s, 2H: 6.90-7.90, m, 12H
【0086】(5)2-(4'-(ベンジルオキシカルボニル
アミノ−イミノメチル)フェニル)-4-(3"-カルボキシ
プロポキシ)-2,3-ジヒドロ-3-オキシイソインドール
(3−6)の合成 3−5の化合物141mg(0.27ミリモル)をTH
F(1)/メタノール(1)/水(1)18mlに溶解
し水酸化リチウム1水和物57mg(1.37ミリモ
ル)を加え、室温で4時間攪拌した。溶媒を留去して残
分を水に溶解しこれをジエチルエーテルで洗浄した。水
層をクエン酸でpH2〜3に調節した後酢酸エチルで抽
出した。得られた酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄し無
水硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を減圧下除去3−6
を得た。
【0087】Rf 0.6(シリカゲル、クロロホルム
(2)/メタノール(1)) MS:[M+H]+ 計算値 488.52 、実測値 488.3
【0088】(6)2-アミジノフェニル-4-(3'- カルボ
キシプロポキシ)-2,3- ジヒドロ-3-オキシイソインドー
ル(3−7)の合成 3−6の化合物88mgをメタノール10mlに溶解し
触媒として10%パラジウム−炭素9mgを加えて水素
雰囲気下3時間攪拌した。触媒を濾去して濾液を減圧下
濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物を酢酸に溶
解し、実施例1と同様に高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)にて精製し、目的の画分を集めこれを凍結
乾燥することにより3−7を得た。
【0089】NMR:1H (270MHz: CD3OD: 27℃) δ 2.
12, m, 2H: 2.52, t, 2H (J=7.3Hz):4.12, t, 2H (J=
6.3Hz): 4.97, s, 2H: 7.09, dd, 1H (J=8.3 Hz): 7.1
5, d, 1H: 7.77, d, 1H (J=8.3 Hz): 7.89, d, 2H (J=
8.8 Hz): 8.16, d, 2H (J=8.8 Hz)MS:[M+H]+
計算値354.384、実測値354.1
【0090】〔実施例4〕 (1)2-メチル-4-(4'- エトキシカルボニルブトキシ)
安息香酸メチル(4−1)の合成 3−3の化合物1.6g(9.6ミリモル)をジメチル
ホルムアミド40mlに溶解し、これに炭酸カリウム
1.6g(11.6ミリモル)、5−ブロモ吉草酸エチ
ル(アルドリッチ社)2.22g(10.6ミリモル)
を順に加え室温で21時間攪拌した。溶媒を減圧下除去
した後、残渣をジエチルエーテルに溶解し、水、飽和食
塩水の順で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒
を減圧下除去し粗生成物を得た。得られた残分をヘキサ
ン(5)/酢酸エチル(1)で溶出するシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーで精製して純粋な4−1を油状物
質として得た。
【0091】Rf 0.8(シリカゲル、ヘキサン(5
0)/酢酸エチル(50)) NMR:1H (270MHz: CDCl3: 27℃) δ 1.25,
t, 3H( J=6.8Hz): 1.81, br
s, 4H: 2.38, brt, 2H: 2.
59, s, 3H: 3.84, s, 3H:
3.99, brt, 2H: 4.13, q, 2
H (J=6.8Hz): 6.70, d, 1H
(J= 8.8Hz): 6.73, s, 1H:
7.90, d, 1H (J=8.8Hz)
【0092】(2)2−(4'-(ベンジルオキシカルボニ
ル−アミノ−イミノメチル)フェニル)-4-(4"- エトキ
シカルボニルブトキシ)-2,3- ジヒドロ-3-オキシイソイ
ンドール(4−2)の合成 18mlの四塩化炭素に4−1の化合物515mg
(1.75ミリモル)を溶解し、これにN−ブロモ琥珀
酸イミド 343mg(1.93ミリモル)、過酸化ベ
ンゾイル 42mg(0.17ミリモル)を加え、2時
間加熱、還流した。室温まで放冷した後、生じた琥珀酸
イミドを濾過、濾液を濃縮し臭素化体をえた。 Rf 0.6(シリカゲル、ヘキサン(2)/酢酸エチ
ル(1))
【0093】得られた臭素化体をアセトニトリル60m
lに溶解し、これに1−8の化合物450mg(1.7
5ミリモル)、炭酸カリウム726mg(5.26ミリ
モル)を加え18時間加熱、還流した。放冷後、溶媒を
減圧留去し残渣を酢酸エチルに溶解、酢酸エチル層を飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し無水
硫酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を減圧下除去し粗生成
物を得た。得られた残分をクロロホルムで溶出するシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーで精製して4−2を得
た。
【0094】NMR:1H (270MHz: CDCl3: 27℃) δ 1.
18, t, 3H( J=7.3Hz): 1.76, brt, 4H: 2.34, t, 2H( J
=6.8Hz): 3.97-4.09, m, 4H: 4.71, s, 2H: 5.12, s,
2H: 6.90, s, 1H: 6.92, d, 1H( J=8.8Hz): 7.20-7.37,
m, 6H: 7.69-7.87, m, 4H
【0095】(3)2-(4'-(ベンジルオキシカルボニル
アミノ−イミノメチル)フェニル)-4-(4"- カルボキ
シブトキシ)-2,3- ジヒドロ-3-オキシイソインドール
(4−3)の合成 4−2の化合物105mg(0.2ミリモル)をTHF
(1)/メタノール(1)/水(1)9mlに溶解し水
酸化リチウム1水和物20mg(0.48ミリモル)を
加え、室温で18時間攪拌した。溶媒を留去して残分を
水に溶解しこれをジエチルエーテルで洗浄した。水層を
クエン酸でpH2〜3に調節した後酢酸エチルで抽出し
た。得られた酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄し無水硫
酸ナトリウムで乾燥した後溶媒を減圧下除去4−3を得
た。
【0096】Rf 0.6(シリカゲル、クロロホルム
(2)/メタノール(1)) MS:[M+H]+ 計算値 501.536、実測値 501.9
【0097】(4)2-アミジノフェニル-4-(4'-カルボ
キシブトキシ)-2,3- ジヒドロ-3-オキシイソインドール
(4−4)の合成 4−3の化合物26mgをメタノール5mlに溶解し触
媒として10%パラジウム−炭素5mgを加えて水素雰
囲気下3時間攪拌した。触媒を濾去して濾液を減圧下濃
縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物を酢酸に溶解
し、実施例1と同様に、高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)にて精製し、目的の画分を集めこれを凍結
乾燥することにより4−4を得た。
【0098】NMR:1H (270MHz: CD3OD: 27℃) δ 1.
84, m, 4H: 2.39, t, 2H (J=7.3Hz):4.10, t, 2H (J=
6.3Hz): 4.98, s, 2H: 7.09, dd, 1H (J=8.3Hz): 7.17,
d, 1H: 7.79, d, 1H (J=8.3Hz): 7.89, d, 2H (J=8.8H
z): 8.16, d, 2H (J=8.8Hz) MS:[M+H]+ 計算値 368.411、実測値 368.1
【0099】〔試験例〕 本発明の化合物の血小板凝集
阻害能 (PRPを用いたin-vitroヒト血小板凝集)少なくとも2
週T間以上いかなる薬も服用していない健康な男性を被
験者とした。採血は、19号の注射針と1/10容量の3.8%
クエン酸ナトリウム溶液を予め入れておいたプラスチッ
クシリンジを用い、空腹時に下はく部の静脈から採血を
行った。採血後速やかに、シリンジを軽く撹拌して両液
を混合した。この血液を室温で15分間遠心分離し(110
0rpm, 250g)、ブレーキをかけずに回転を止めた後、上清
を駒込ピペットで取り、多血小板血漿(PRP)とし室温
で保存した。遠心後の残りの血液をさらに室温で15分
間遠心分離し(3500rpm, 1500g)、ブレーキをかけずに停
止させた後の上清を取り、寡血小板血漿(PPP)とし
た。PRP調整後血小板数を計測し、血小板数が2x1
8 /ml以上のものについてのみ以下に述べる実験を
行った。
【0100】血小板の凝集は、8チャンネルの血小板凝
集測定機(Hematracer, Nikoh Bioscience, Tokyo, Japa
n)を用いてPRPの光の透過度の変化から測定した。ま
ず、200μlのPPP,PRPをガラスキュベットにい
れ、37℃でインキュベート後、透過度を測定しPPP
の透過度を100%、PRPの透過度を0%とした。次
に、生理食塩水またはサンプルを含む生理食塩水をPR
Pに10μl 加え37℃で1分間インキュベートした後、
さらに 100μg/mlのコラーゲン溶液を10μl 加え(終濃
度 5μg/ml)凝集を誘発し、以後7分間透過度を測定し
た。実験は、最初にコラーゲンとADPを用いて凝集が
起こることを確認し、コラーゲンの最大凝集率が70%
以上のものについてのみ、実験に用いた。
【0101】サンプルは2.2 x 10-2 Mになるように生理
食塩水に溶解し、これを基に2倍の希釈系列を調整し実
験に用いた。生理食塩水に不溶のサンプルについては1
0%のDMSO(Dimethyl sulfoxide)を含む生理食塩水
に溶解した。結果は次のように計算する。
【0102】
【数1】
【0103】サンプルの濃度に対し凝集抑制率をプロッ
トした図を作図し、この図から凝集を50%抑制する濃
度(IC50)を計算した。表1に各サンプルのIC50を示
す。
【0104】
【表1】
【0105】本発明ペプチドの血小板凝集抑制活性は、
比較例として表1に挙げたフィブリノーゲン分子中のア
ミノ酸配列であるRGDS-OH(ペプチド研究所(箕面市)
より購入)に比べて、本発明化合物の血小板凝集阻害能
力が著しく向上していることが判明した。
【0106】〔製剤例1〕実施例1で得られた本発明の
化合物100mgを生理的食塩水100mlに溶解し、
得られた溶液を無菌的に2.5ml容のアンプルに充
填、封入し、注射液製剤とした。 〔製剤例2〕実施例で得られた本発明の化合物500m
g、結晶セルロース50mg、乳糖450mgからなる
混合物に、エタノールと水の混液1mlを加え練合し
た。この練合物を常法に従って造粒して、顆粒剤とし
た。
【0107】
【発明の効果】本発明により、フィブリノーゲン受容体
に拮抗し、高い血小板凝集阻害活性と生体内安定性を有
する新規化合物が提供された。本発明の化合物は、構造
中にあるアミジノ基が5員環ラクタムにより高度に立体
規制され、これにより高い活性を発現すると考えられ
る。さらに持続性薬剤として重要な安定性を、生体内で
蛋白質分解酵素に分解を受けやすいペプチド結合からエ
ーテル結合等に置換することにより与えられ、さらに疎
水的性質を有する官能基の導入で、経口投与剤として重
要な吸収性が高められていると考えられる。本発明の化
合物は、血小板凝集阻害剤として有用である。該製剤
は、血栓崩壊治療中及び治療後の血小板血栓症、血栓塞
栓症及び再閉塞の予防及び冠動脈や他の動脈の血管形成
術後及び冠動脈バイパス処理後の血小板血栓症、血栓塞
栓症及び再閉塞の予防、また心筋梗塞の予防に有効に利
用できる。また、本発明の化合物は、体外循環時の血液
凝固を抑制するための体循環用血液凝固阻害剤としても
有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、2-アミジノフェニル-5-(3'- カルボキ
シプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-3-オキシイソインドール
(1−11)の合成(実施例1)のスキームを示す。
【図2】図2は、2-アミジノフェニル-5-(4'-カルボキ
シブトキシ)-2,3-ジヒドロ-3-オキシイソインドール
(2−4)の合成(実施例2)のスキームを示す。
【図3】図3は、2-アミジノフェニル-4-(3'- カルボキ
シプロポキシ)-2,3-ジヒドロ-3-オキシイソインドール
(3−7)の合成(実施例3)のスキームを示す。
【図4】図4は、2-アミジノフェニル-4-(4'-カルボキ
シブトキシ)-2,3-ジヒドロ-3-オキシイソインドール
(4−4)の合成(実施例4)のスキームを示す。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I)で表される化合物お
    よび製薬上許容し得るその塩。 【化1】 {式中,R1 、R2 およびR3 は、それぞれ独立に、水
    素原子、低級アルキル基、または生体において分解可能
    なアミノ基の保護基を表すか、あるいは、R1 とR2
    一緒になって、隣接する窒素原子とともに、環状の3級
    アミンを形成し;R4は、水素原子、または生体におい
    て分解可能なカルボキシル基の保護基を表し;Xは、鎖
    員原子が3〜6個の架橋部を表す。}
  2. 【請求項2】 Xの鎖員原子がO、C、SまたはNのい
    ずれかである請求項1記載の化合物および製薬上許容し
    得るその塩。
  3. 【請求項3】 Xが、水素、オキシ、チオ、アミノ、イ
    ミノ、水酸基もしくは置換された水酸基、チオールもし
    くは置換されたチオール、低級アルキル基、低級アルケ
    ニル基、低級アルキニル基、脂環式炭化水素基およびア
    リール基から成る群より選択される原子または基を有す
    るCおよび/またはNを含む基である請求項2記載の化
    合物および製薬上許容し得るその塩。
  4. 【請求項4】 下記の一般式(II)〜(V) から成る群より
    選択される一般式で表される請求項1記載の化合物およ
    び製薬上許容し得るその塩。 【化2】
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の化合物
    または製薬上許容し得るその塩を有効成分として含有す
    る医薬製剤。
  6. 【請求項6】 医薬製剤が血小板凝集阻害剤である請求
    項5記載の医薬製剤。
  7. 【請求項7】 医薬製剤が体外循環用血液凝固阻害剤で
    ある請求項5記載の医薬製剤。
  8. 【請求項8】 医薬製剤が冠状動脈再閉塞阻害剤である
    請求項5記載の医薬製剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005035495A2 (en) 2003-10-08 2005-04-21 Nicholas Piramal India Limited Fibrinogen receptor antagonists and their use
CN102190585A (zh) * 2010-03-16 2011-09-21 上海药明康德新药开发有限公司 高纯度5-羟基-2-甲基苯甲酸甲酯的合成方法

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