JPH10172750A - 高周波加熱装置 - Google Patents

高周波加熱装置

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JPH10172750A
JPH10172750A JP33533796A JP33533796A JPH10172750A JP H10172750 A JPH10172750 A JP H10172750A JP 33533796 A JP33533796 A JP 33533796A JP 33533796 A JP33533796 A JP 33533796A JP H10172750 A JPH10172750 A JP H10172750A
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heated
electromagnetic wave
radiation
heating
radiating
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Koji Yoshino
浩二 吉野
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B6/00Heating by electric, magnetic or electromagnetic fields
    • H05B6/64Heating using microwaves
    • H05B6/72Radiators or antennas
    • H05B6/725Rotatable antennas
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B6/00Heating by electric, magnetic or electromagnetic fields
    • H05B6/64Heating using microwaves
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は高周波加熱装置に関するもので、被
加熱物の均一加熱、局所的加熱、複数の被加熱物の中で
の選択加熱などを簡単な構成で効率よく行おうとするも
のである。 【解決手段】 加熱室1内の被加熱物3を加熱するため
に、載置台2の下方から電磁波を放射する複数の放射ア
ンテナ5を切替制御手段7により複数の放射アンテナ5
からの電磁波の放射の有無を選択して切替、位置制御手
段8により適切な位置に位置制御するもので、被加熱物
3を所望の仕上がり状態にすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波による被加
熱物の誘電加熱分布を変更可能な放射アンテナを備えた
高周波加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】代表的な高周波加熱装置である電子レン
ジの、従来例は図42〜図50に示すような構成であっ
た。
【0003】図42の電子レンジはターンテーブル16
3を用いた一般的な構成である。ここでは電磁波発生手
段としてのマグネトロン10から出た電磁波は、導波管
13を介して伝送され、加熱室1形状と電磁波が放射さ
れる開口部164の位置で決まる定在波となって加熱室
1内に分布する。そして被加熱物である食品3の各部位
に与えられる電磁波の電界成分と、各部位の誘電損失に
応じて発熱する。食品の単位体積当たり吸収される電力
P[W/m3]は、加えられる電界の強さE[V/m]、
周波数f[Hz]、および食品3の比誘電率εr、誘電正
接tanδにより(1)式として表される。この従来例で
は、食品3の加熱分布は概ね電磁波の定在波分布によっ
て決まるため、加熱分布のむらを抑えるためにターンテ
ーブル163を回転駆動して同心円上の加熱分布の均一
化を図っている。
【0004】 P=(5/9)εr・tanδ・f・E2×10-10[W/m3] (1) また、特開平7−198147号公報のように、複数の
開口部を切替て加熱分布を変えるものがある。図43、
図44は加熱室の底面外部に20個の導波管13をマト
リクス状に配置し、それぞれの導波管13への給電を選
択的に制御するものである。どの導波管へ給電するか
は、加熱室1内の局所的な温度を検出する温度検出手段
165により制御するもので、各々の開口部164の鉛
直上方向に20個のミラー166を有し、5組の凹面ミ
ラー167を介して5組の温度検出手段165に赤外線
を導いている。また、図45、図46は、開口部164
を回転軸168を中心に回転可動にして加熱点を移動す
る構成で、ターンテーブル163と組み合わせて局所的
に加熱するものである。開口部164の位置を制御して
ターンテーブル163の半径方向の加熱部位を任意に変
化させ、ターンテーブル163の回転を制御して周方向
の加熱部位を任意に変化させている。
【0005】さらに、特開平7−161469号公報の
ように、回転位置を検出しながら開口部を回転させるも
のがある。本従来例では図47〜図50のように、環状
矩形導波管169、回転により位置の変化する開口部1
64、モータ170、171、回転軸172、173お
よび回転角検出器(アブソリュート・ロータリー・エン
コーダ)174を有し、回転角すなわち開口部164の
回転位置が検出できる構成である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、導波管と加熱室を接続して電磁波を加熱室
内に入れる場合、食品の材質や形状ごとに加熱分布を均
一にする適切な開口部の位置が異なり、一つの開口部で
すべての食品を均一に加熱することはできないという問
題があった。
【0007】例えば従来の電子レンジで平らな食品を加
熱すると、縁のほうから加熱が進み中心は冷たいままと
いう顕著な加熱むらが起こることが一般に知られてい
る。一例として、図51のように平らで5×5ますに区
切ったアクリル製の容器175に水を入れ、従来の電子
レンジ(開口部の位置は後ろ)で加熱したときのそれぞ
れのますの温度上昇を示すと、図52(a)となる。容
器175の形状は加熱室に丁度入る程度の大きさで回転
できないため、ターンテーブルよりもわずかに高い位置
に容器を固定して加熱した。開口部の位置が後ろなの
で、後ろ側のますでの温度上昇が高くなることがわか
る。また図52(b)は、図52(a)のデータを加工
したもので、中央のますを中心として対象位置(中心か
ら等距離)にあるますの温度上昇を平均化しており、タ
ーンテーブルの回転による平均化を想定したものであ
る。この結果から、前述の通り、縁のほうから加熱が進
み中心は冷たい加熱むらが生じることがわかる。
【0008】また開口部の位置による特徴として、加熱
室底面の中央に開口部を設ける場合、食品の底面が加熱
され、対流のある液体状の食品ならば均一に加熱できる
が、対流のない固体状の食品は底面ばかり温度が上がる
という問題があった。この時ターンテーブルを用いる
と、同心円上の加熱分布の均一化は図れるが、いくらタ
ーンテーブルを回転させたとしても、回転中心から見た
半径方向の分布や上下方向の分布は改善されない。
【0009】一方、図43、図44のように、定在波よ
りも放射に重点を置き、食品に近い下方からの電磁波の
放射位置を制御するものは、放射位置に近い食品の部位
を局所的に加熱することができる。しかしながら多数の
導波管13がマトリクス状に必要で、すべての導波管1
3への給電を切替る方法も必要なため、構成が極めて複
雑になるという問題があった。
【0010】また、図45〜図50のように、環状矩形
導波管169や環状の導波管176により開口部164
の位置を変える場合は、連続的に放射位置を変えること
ができる。しかしながら図46の環状の導波管176が
大きなスペースを有し、その外側にターンテーブル16
3の駆動軸を構成しなければならない。よって加熱室内
の水平面のうちターンテーブル163の占める面積の割
合が少ないので、食品を置けるスペースが限定されると
いう問題があった。またターンテーブルを一定回転で駆
動すると、駆動軸を中心とした同心円上の部位が連続的
に加熱されるので、同じ同心円上の位置の中での局所加
熱はできないという問題があった。
【0011】また図45〜図47では、食品の汁や水な
どを加熱室内でこぼした場合、環状の導波管176や環
状矩形導波管169や内に入り込んで電界の集中を引き
起こしたり、駆動部分を詰まらせて駆動停止しかねない
という問題があった。
【0012】さらに、図48、図50では、回転角検出
器174により開口部164の回転位置が検出でき、精
度よく開口部164位置を制御できる。しかし側方の開
口部164から励振するので、電磁波が食品3に到達す
るまでには距離があり、電磁波が拡散してしまうのであ
る。この拡散の度合いは、食品3の置き方による開口部
164から食品3までの距離の変化によっても大きく変
化し、加熱される部分が特定できないので、狙ったとこ
ろだけを加熱するという事はできない。よって回転角検
出器174で精度よく開口部164位置を制御しても効
果が少ないという問題があった。その上、電磁波が拡散
すると、食品以外のいろいろな部分(加熱室壁面など加
熱すべきでない部分)と衝突して損失が生じるため、加
熱効率を悪くするという問題もあった。その他にも、異
種の複数の食品を入れると、いずれかのみを選択して加
熱することはできず全てのものに電磁波が衝突し、軽い
ものや密度の小さいものや誘電損(比誘電率と誘電正接
の積)の大きなものが先に温度上昇してしまうという問
題があった。
【0013】本発明は上記課題を解決するもので、簡単
かつ信頼性の高い構成で、狙ったところを局所的に加熱
することにより、特定の部位の選択的な加熱、食品全体
の均一な加熱、効率的な加熱ができるようにするもので
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、被加熱物の下方から電磁波を放射する移動
自在の複数の放射アンテナと、この複数の放射アンテナ
から電磁波の放射の有無を選択して切替るとともに、放
射アンテナの位置を制御するものである。
【0015】本発明によれば、被加熱物の下方の複数の
放射アンテナからの電磁波を放射させたい放射アンテナ
を選択し、さらに所望の位置に制御するので、被加熱物
の底面側より狙ったところを選択的に加熱することがで
き、所望の仕上がり状態にすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、加熱室内の被加熱物の
下方に位置する移動自在の複数の放射アンテナと、この
複数の放射アンテナからの電磁波の放射の有無を選択し
て切替るとともに、放射アンテナの位置を制御して被加
熱物の所望の仕上がり状態が得られるようにしたもので
ある。
【0017】また、加熱室と、前記加熱室内で被加熱物
を載置する載置台と、前記載置台の下方より電磁波を放
射して前記被加熱物を加熱する複数の放射アンテナと、
前記複数の放射アンテナへの電磁波の伝送の有無を選択
して切替る伝送切替手段と、前記伝送切替手段を制御す
る切替制御手段と、前記放射アンテナの位置を制御する
位置制御手段を備えたものである。
【0018】そして、被加熱物の下方の複数の放射アン
テナから電磁波を放射させたい放射アンテナを選択し、
さらに所望の位置に制御するので、被加熱物の底面側よ
り狙ったところを選択的に加熱することができ、所望の
仕上がり状態にすることができる。
【0019】また、電磁波発生手段と、前記電磁波発生
手段が発生した電磁波を放射アンテナに伝送する伝送手
段を備え、伝送切替手段は、前記伝送手段内で電磁波の
伝送状態を変更するものである。
【0020】そして、伝送切替手段により伝送手段内で
電磁波の伝送状態を変更するので、電磁波を放射させた
い放射アンテナにのみ電磁波を伝送する事ができ、容易
に放射アンテナを選択できる。
【0021】また、加熱室と、前記加熱室内で被加熱物
を載置する載置台と、前記載置台の下方より電磁波を放
射して前記被加熱物を加熱する複数の放射アンテナと、
前記複数の放射アンテナに対応する複数の電磁波発生手
段と、前記複数の電磁波発生手段の電磁波の発生の有無
を選択して切替制御する電磁波発生制御手段と、前記放
射アンテナの位置を制御する位置制御手段を備えたもの
である。
【0022】そして、電磁波発生制御手段により電磁波
発生手段の電磁波の発生の有無を選択して切替るので、
電磁波を放射させたい放射アンテナにのみ電磁波を伝送
する事ができ、容易に放射アンテナを選択できる。
【0023】また、電磁波発生手段と伝送手段は、載置
台よりも下方に位置しているものである。
【0024】そして、加熱室の側方かつ載置台の上方に
は、電磁波発生手段や伝送手段の設置スペースを不要と
することができる。
【0025】放射アンテナを駆動する駆動手段を備え、
位置制御手段は、前記駆動手段を制御することにより前
記放射アンテナの位置を制御するものである。
【0026】そして、駆動手段を制御するので、容易に
放射アンテナの位置を制御できる。また、複数の放射ア
ンテナの軌跡が互いに重ならないようにしたものであ
る。
【0027】また、複数の放射アンテナを、前後、左右
または上下の少なくとも一方に距離を離して構成し、軌
跡が互いに重ならないようにしたものである。
【0028】また、少なくとも1つの放射アンテナの駆
動範囲を限定する限定手段を有し、前記限定手段によ
り、軌跡が互いに重ならないようにしたものである。
【0029】また、複数の放射アンテナは、軌跡の少な
くとも一部が他の放射アンテナの軌跡と重なる重複部を
有するが、前記重複部においても互いに接触しないよう
にしたものである。
【0030】また、位置制御手段は、第1の放射アンテ
ナが軌跡の重複部に位置するときは他の放射アンテナを
軌跡の重複部とは異なる位置に制御するものである。
【0031】そして、複数の放射アンテナを、接触する
ことなく所望の位置に制御することができる。
【0032】また、複数の放射アンテナは、それぞれの
軌跡の中心が載置台の中心から見て等距離になるように
したものである。
【0033】そして、複数の放射アンテナを、載置台の
中心に位置する被加熱物に対して対称に構成でき、複数
の放射手段の加熱効率を同等にすることができる。
【0034】また、複数の放射アンテナは、載置台との
それぞれの鉛直距離が等距離になるようにしたものであ
る。
【0035】そして、複数の放射アンテナにとって、真
上の被加熱物に対する加熱効率を同等にすることができ
る。
【0036】また、載置台の上方より電磁波を放射して
被加熱物を加熱する電磁波放射手段を有するものであ
る。
【0037】そして、下方からの加熱に加えて上方から
も被加熱物を加熱できるので、より自在に加熱分布を変
更することができ、所望の仕上がり状態を得ることがで
きる。
【0038】また、載置台の上方で被加熱物を載置する
焦げ目付皿と、前記焦げ目付皿は、電磁波を遮蔽する遮
蔽板と、前記遮蔽板の下面に放射アンテナからの電磁波
を吸収して発熱する発熱体とを有するものである。
【0039】そして、下方の放射アンテナからの電磁波
で発熱体の所望の部分に給電できるので、焦げ目付皿を
効果的に昇温させることができ、所望の焼き方ができ
る。
【0040】また、被加熱物の物理量を検出する物理量
検出手段を有し、前記物理量検出手段が検出した物理量
により、切替制御手段が伝送切替手段を制御するかまた
は電磁波発生制御手段が電磁波発生手段を制御するもの
である。
【0041】そして、被加熱物の物理量に応じて伝送切
替手段や電磁波発生手段を制御するので、適切な放射ア
ンテナを選択して被加熱物を加熱することができる。
【0042】使用者が被加熱物の名称、種類および加熱
前の状態に関する情報または加熱方法または加熱仕上が
り状態の少なくとも1つを設定できる設定手段を有し、
前記設定手段の設定により切替制御手段が伝送切替手段
を制御するかまたは電磁波発生制御手段が電磁波発生手
段を制御するものである。
【0043】そして、使用者の設定に応じて伝送切替手
段や電磁波発生手段を制御するので、所望の放射アンテ
ナを選択して被加熱物を加熱することができる。
【0044】被加熱物の物理量を検出する物理量検出手
段を有し、位置制御手段は、前記物理量検出手段が検出
した物理量により放射アンテナの位置を制御するもので
ある。
【0045】そして、被加熱物の物理量に応じて、放射
アンテナを適切な位置に制御できるので、被加熱物を適
切な仕上がり状態にすることができる。
【0046】使用者が被加熱物の名称、種類および加熱
前の状態に関する情報または加熱方法または加熱仕上が
り状態の少なくとも1つを設定できる設定手段を有し、
位置制御手段は、前記設定手段の設定により放射アンテ
ナの位置を制御するものである。
【0047】そして、使用者の設定に応じて、放射アン
テナの位置を制御できるので、被加熱物を所望の仕上が
り状態にすることができる。
【0048】物理量検出手段は、被加熱物の温度分布を
検出する温度分布検出手段としたものである。
【0049】そして、被加熱物の温度分布に応じて、適
切な放射アンテナを選択し、放射アンテナを適切な位置
に制御できるので、被加熱物を適切な仕上がり状態にす
ることができる。
【0050】以下本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。 (実施例1)図1は、本発明の実施例1の高周波加熱装
置のブロック図である。
【0051】図1において、加熱室1内で載置台2上の
被加熱物3を所望の仕上がり状態に加熱するために、被
加熱物3の下方より電磁波4を放射できる複数の放射ア
ンテナ5と、複数の放射アンテナ5の中で実際に電磁波
を放射する放射アンテナ5を選択して切替る伝送切替手
段6と、伝送切替手段6を制御する切替制御手段7と、
放射アンテナ5の位置を所望の加熱分布にとって適切な
位置に制御する位置制御手段8を有している。
【0052】また、制御手段9は、高周波加熱装置の制
御全体を司るもので、切替制御手段7、位置制御手段8
による制御シーケンスを決定している。たとえば、位置
制御手段8が放射アンテナ5を適切な位置に制御した直
後に、切替制御手段7が伝送切替手段6により実際に電
磁波を放射する放射アンテナを選択して切替るなどのシ
ーケンスを設定できる。このときは、制御手段9が、切
替制御手段7と位置制御手段8を連動してシーケンス制
御できるので、放射の不要な位置で電磁波を放射した
り、位置制御が終わってるのに放射の開始が遅れるとい
うようなことがない。
【0053】本実施例では、切替制御手段7が、被加熱
物3の下方の複数の放射アンテナ5から電磁波4を放射
させたい放射アンテナ5を伝送切替手段6により選択
し、位置制御手段8が、所望の位置に制御するので、被
加熱物3の底面側より狙ったところを局所的に加熱する
ことができ、簡単な構成で、被加熱物を均一加熱した
り、局所加熱したり、選択加熱したり、効率よく所望の
仕上がり状態にすることができる。
【0054】ここで載置台2は、比較的誘電損失が小さ
く電磁波4が透過しやすい材質(代表的にはガラスやセ
ラミック)で構成し、放射アンテナ5からの電磁波4で
被加熱物3をより効率的に加熱できるようにしている。
【0055】なお、放射アンテナ5、伝送切替手段6
は、加熱室1内、加熱室1外に限定するものではなく、
電磁波4の放射方向が切替られる構成であればよい。
【0056】なお、制御手段9は、切替制御手段7と位
置制御手段8を順次または同時に制御してもよいし、一
方だけを制御してもよい。
【0057】(実施例2)本実施例は、1つの電磁波発
生手段からの電磁波を、複数の放射アンテナの中で実際
に電磁波を放射する放射アンテナを選択して切替える構
成を示すものである。
【0058】図2は、本発明の実施例2の代表的な高周
波加熱装置である電子レンジの断面構成図である。
【0059】図2において、代表的な電磁波発生手段で
あるマグネトロン10から出た電磁波11が、代表的な
伝送手段12を構成する導波管13および導波管13と
同軸結合する結合部14a、14bを介して、放射アン
テナ15a、15bにより加熱室1内に放射され、代表
的な被加熱物である食品3を加熱するものである。ここ
で放射アンテナ15a、15bは、導体に電界をたてる
ことで電磁波を放射する構成である。
【0060】また結合部14a、14bと勘合し、結合
部14a、14bおよび放射アンテナ15a、15bを
回転駆動させる代表的な駆動手段であるステッピングモ
ータ16a、16bを構成している。
【0061】また導波管13内に代表的な伝送切替手段
である遮蔽板17a、17bを構成し、位置により導波
管13内の電磁波11の伝送状態を切替ている。図2の
場合、遮蔽板17aは電磁波11を結合部14aにまで
伝送させるので、放射アンテナ15aから電磁波4aを
放射することができる。一方、遮蔽板17bは電磁波1
1を遮蔽し、結合部14bにまで伝送させないので、放
射アンテナ15bから電磁波4bの放射を停止させた状
態である。
【0062】よって本実施例では、実施例1の効果に加
えて、遮蔽板17a、17b(伝送切替手段)により、
導波管13、結合部14a、14bからなる伝送手段1
2内で電磁波の伝送状態を変更するので、電磁波を放射
させたい放射アンテナ15a、15bのいずれかにのみ
または両方の放射アンテナ15a、15bに電磁波を伝
送など、容易に選択できる。
【0063】特に、本実施例では、複数の放射アンテナ
15a、15bへの電磁波の伝送の有無を選択して切替
るのに、1つのマグネトロン10(電磁波発生手段)だ
けで実現できる。
【0064】また、マグネトロン10(電磁波発生手
段)と導波管13、結合部14a、14bからなる伝送
手段12が載置台よりも下方に位置するので、加熱室1
の側方かつ載置台2の上方に電磁波発生手段や伝送手段
の設置スペースが不要であり、加熱室1の幅と奥行きを
広くすることができる。よって高周波加熱装置全体の外
観が同じでも、複数の被加熱物を同時に載置台に置いた
り、より大きな皿を出し入れすることができる。同様
に、マグネトロン10(電磁波発生手段)と伝送手段1
2が載置台2よりも下方に位置するので、重心が低くな
り、安定性を増すことができる効果がある。
【0065】また、ステッピングモータ16a、16b
(駆動手段)により放射アンテナ15a、15bの位置
を容易にかつ精度良く制御できる。
【0066】また、複数の放射アンテナ15a、15b
と載置台2との鉛直距離が等距離なので、それぞれの放
射アンテナ15a、15bの真上にある被加熱物である
食品3に対して、加熱効率を同等にすることができるの
で加熱シーケンスが共用化できて制御が容易となる。
【0067】また加熱室1の外部には、代表的な物理量
検出手段であり食品3の温度分布を検出する温度分布検
出手段18、使用者が設定入力する設定手段19および
制御手段9を構成している。
【0068】ここで設定手段19は、使用者が、食品3
の名称に関する情報(たとえば牛乳、酒など)、食品3
の種類に関する情報(たとえば根菜、葉菜など)、加熱
前の状態に関する情報(たとえば初期温度や保存状態な
ど)、加熱方法(たとえば強、弱など)または加熱仕上
がり状態(たとえば解凍、あたためなど)を入力するか
選択するかにより設定するものである。
【0069】また制御手段9は、ステッピングモータ1
6a、16bを制御して放射アンテナ15a、15bの
回転や停止を制御する位置制御手段8と、モータ20
a、20bを制御して遮蔽板17a、17bの位置によ
り電磁波を放射する放射アンテナ15a、15bを切替
るよう制御する切替制御手段7とを有し、温度分布検出
手段18および設定手段19などにより制御している。
また、マグネトロン10からの電磁波の発生や出力の大
きさを制御している。
【0070】本実施例では、制御手段9は、温度分布検
出手段18が検出した被加熱物の温度分布に応じて、切
替制御手段7により遮蔽板17a、17b(伝送切替手
段)を制御するので、適切な放射アンテナ15a、15
bを選択して、被加熱物である食品3を適切な仕上がり
状態にすることができる。
【0071】また、制御手段9は、使用者が設定した設
定手段19の内容に応じて、切替制御手段7により遮蔽
板17a、17b(伝送切替手段)を制御するので、所
望の放射アンテナ15a、15bを選択して、食品3を
適切な仕上がり状態にすることができる。
【0072】また、制御手段9は、温度分布検出手段1
8が検出した被加熱物3の温度分布に応じて、位置制御
手段8により放射アンテナ15a、15bを適切な位置
に制御するので、食品3を適切な仕上がり状態にするこ
とができる。
【0073】また、制御手段9は、使用者が設定した設
定手段19の内容に応じて、位置制御手段8により放射
アンテナ15a、15bを所望の位置に制御するので、
食品3を所望の仕上がり状態にすることができる。
【0074】さて、温度分布検出手段18は、食品の温
度を検出し、加熱分布を検出しているが、温度分布検出
手段18自身の構成について説明を加える。非接触で温
度を検出する一般的な温度分布検出手段18としては、
食品3から放射される赤外線量を電気信号に変換する赤
外線センサがある。赤外線センサとしては、内部に熱接
点と冷接点を有するサーモパイル型や、チョッパを有す
る焦電型などがあり、本発明ではどちらを採用してもよ
い。
【0075】なお、放射アンテナ15a、15bは、位
置により電磁波の放射の指向性が変化するものであれば
よい。
【0076】なお、他の放射駆動手段として、ステッピ
ングモータ以外にも様々なモータで実現可能である。た
とえば、モータの種類に関わらず、放射手段を停止させ
たい位置の数だけスイッチを設け、押されたスイッチに
より位置を決定する方法がある。この場合、モータをス
テッピングモータにしなくても低価格の汎用品で実現で
きる。
【0077】なお、他の放射駆動手段として、磁石など
の磁力を利用し電気的に磁界の強さや向きを制御して、
放射アンテナを駆動してもよい。
【0078】また、他の放射駆動手段として、バネやゴ
ムなどの弾性を利用して放射アンテナを駆動する方法で
もよい。
【0079】なお、他の放射駆動手段として、形状記憶
合金に見られるような温度による変形を利用して放射ア
ンテナを駆動する方法もある。
【0080】なお、駆動の方向としては回転に限定する
ものではなく、上下動、往復運動など放射手段の位置を
変えるものであればよい。
【0081】(実施例3)図3は、本発明の実施例3の
高周波加熱装置の要部ブロック図である。伝送切替手段
6は複数の電磁波発生手段79を有し、それぞれの電磁
波発生手段79が発生した電磁波80を、対応する伝送
手段81を介して、対応する放射アンテナ82に伝送す
るもので、切替制御手段7が有する電磁波発生制御手段
83により電磁波発生手段79を切替ることで、実際に
電磁波を放射する放射アンテナ82を切替るものであ
る。
【0082】本実施例では、電磁波発生制御手段83に
より複数の電磁波発生手段79の電磁波の発生の有無を
選択して切替えるので、電磁波を放射させたい放射アン
テナ82にのみ確実に電磁波を伝送する事ができ、容易
に電磁波を放射する放射アンテナ82を選択できる。
【0083】また本実施例では、複数の放射アンテナ8
2に1対1に対応する電磁波発生手段79を有してお
り、いくつかの放射アンテナから同時に電磁波を放射し
たい場合に、いずれの放射アンテナ82の出力の低下が
ない。さらにそれぞれの電磁波発生手段79からの出力
を独立して制御できるので、こまやかな制御ができる。
【0084】(実施例4)本実施例は、複数の電磁波発
生手段を切替ることで、複数の放射アンテナからの電磁
波の放射の有無を切替る構成を示すものである。
【0085】図4は、本発明の実施例4の電子レンジの
断面構成図である。図4において、放射アンテナ15
a、15bそれぞれに独立して電磁波を供給できる構成
で、マグネトロン21a、21b、導波管13a、13
bを有し、電磁波発生制御手段22によりマグネトロン
21a、21bの電磁波の発生を制御している。
【0086】また位置制御手段8は、1つのステッピン
グモータ16cを制御することで放射アンテナ15a、
15bの回転や停止を制御するもので、歯車23、24
により結合部14a、14bに動力を伝達している。
【0087】また制御手段9の位置制御手段8と電磁波
発生制御手段22は、温度分布検出手段18および設定
手段19などにより、マグネトロン21a、21bの電
磁波の発生とステッピングモータ16cの動作を制御し
ている。
【0088】本実施例は、実施例3の効果に加えて、複
数の放射アンテナ15a、15bと載置台2との鉛直距
離が等距離なので、それぞれの放射アンテナの真上にあ
る被加熱物である食品3に対して、加熱効率を同等にす
ることができるので加熱シーケンスが共用化できて制御
しやすくなる。
【0089】また、制御手段9は、温度分布検出手段1
8が検出した被加熱物の温度分布に応じて、電磁波発生
制御手段22によりマグネトロン21a、21b(電磁
波発生手段)を制御するので、結果として適切な放射ア
ンテナ15a、15bを選択して、食品3を適切な仕上
がり状態にすることができる。
【0090】また、制御手段9は、使用者が設定した設
定手段19の内容に応じて、電磁波発生制御手段22に
よりマグネトロン21a、21b(電磁波発生手段)を
制御するので、結果として所望の放射アンテナ15a、
15bを選択して、食品3を適切な仕上がり状態にする
ことができる。
【0091】また、制御手段9は、温度分布検出手段1
8が検出した被加熱物3の温度分布に応じて、位置制御
手段8により放射アンテナ15a、15bを適切な位置
に制御するので、食品3を適切な仕上がり状態にするこ
とができる。
【0092】また、制御手段9は、使用者が設定した設
定手段19の内容に応じて、位置制御手段8により放射
アンテナ15a、15bを所望の位置に制御するので、
食品3を所望の仕上がり状態にすることができる。
【0093】(実施例5)図5は、本発明の実施例5の
高周波加熱装置の要部構成図である。載置台2に対する
2つの放射アンテナ15a、15bの軌跡を破線で示し
ている。放射アンテナ15aの回転駆動による軌跡25
aと、放射アンテナ15bの回転駆動による軌跡25b
は、左右に距離が離れているので重ならない構成であ
る。よって互いに自在に回転及び停止ができ、正確な位
置制御ができる。また、回転中心(軌跡の中心)を26
a、26bで示している。
【0094】本実施例は、放射アンテナ15aと15b
を左右に離して構成するので、軌跡が互いに重ならず、
接触しないので、安全かつ正確に放射アンテナ15a、
15bを位置制御することができる効果がある。また、
複数の放射アンテナ15a、15bの軌跡の中心26
a、26bが載置台2の中心から見て等距離なので、載
置台2の中心に位置する被加熱物(一般的に被加熱物は
中心に置くことが多い)に対して複数の放射アンテナ1
5a、15bを対称に構成できる。よって複数の放射ア
ンテナ15a、15bを同形状にすれば、どちらの放射
アンテナ15a、15bからも被加熱物に対する加熱効
率を同等にすることができ、加熱シーケンスが共用化で
きるため制御が容易であるとか、部品の共用化を図るこ
とができる。
【0095】また、加熱室内を2分割した領域を選択し
て加熱することができる。まず、加熱室全域に被加熱物
が配置されたとき、放射アンテナ15a、15bからの
電磁波の放射を組み合わせることで、均一に加熱するこ
とができる。
【0096】また、加熱室全域に被加熱物が配置された
としても、左(右)側の部分を局所的に加熱したいとき
は、放射アンテナ15a(15b)のみで加熱すれば局
所加熱ができる。
【0097】また、加熱したい被加熱物を左(右)側に
置き、加熱したくないものを右(左)側に置いたとき、
左(右)側の被加熱物のみを選択加熱することができ
る。
【0098】また、被加熱物が左(右)側に置かれた
ら、放射アンテナ15a(15b)のみで加熱すれば、
電磁波が加熱室内に拡散する前に近接した位置からの加
熱ができるので、効率的に加熱できる。
【0099】(実施例6)図6は、本発明の実施例6の
高周波加熱装置の要部構成図である。載置台2に対する
4つの放射アンテナ(図示なし)の軌跡を破線25a、
25b、25c、25d、回転中心を26a、26b、
26c、26dで示している。互いの軌跡は、前後、左
右に距離が離れているので重ならない構成である。
【0100】本実施例では、実施例5の効果に加えて、
加熱室内を4分割した領域を最小単位として加熱するこ
とができる。よって選択性が広がるとともに、加熱室を
正方形に構成できるので、大きな皿なども使用できる。
【0101】(実施例7)図7は、本発明の実施例7の
高周波加熱装置の要部構成図である。載置台2に対する
9つの放射アンテナ(図示なし)の軌跡を破線25a、
25b、25c、25d、25e、25f、25g、2
5h、25i、回転中心を26a、26b、26c、2
6d、26e、26f、26g、26h、26iで示し
ている。互いの軌跡は、前後、左右に距離が離れている
ので重ならない構成である。
【0102】本実施例では、実施例5、6の効果に加え
て、加熱室内を9分割した領域を最小単位として加熱す
ることができる。よって選択性をさらに広げることがで
きる。
【0103】(実施例8)図8は、本発明の実施例8の
高周波加熱装置の要部構成図で、図8(a)は上面から
見た図、図8(b)は側面図である。放射アンテナ27
a、27b、それぞれの軌跡28a、28b、それぞれ
の回転中心(軌跡の中心)29a、29b、結合部30
a、30bである。
【0104】本実施例では、結合部30a、30bの長
さの違いにより放射アンテナ27a、27bが上下にず
れているため、軌跡が互いに重ならず、接触しないの
で、安全かつ正確に放射アンテナ27a、27bを位置
制御することができる。
【0105】また本実施例では、結合部30a、30b
を近接させて構成しているので、複数の放射アンテナ2
7a、27bも近接し、電磁波をより局所的に集中させ
ることができる。
【0106】また結合部を近接させられるので、電磁波
発生手段などの部品の配置に自由度が増し、構成しやす
くなる。
【0107】(実施例9)図9は、本発明の実施例9の
高周波加熱装置の要部構成図で、図9(a)は上面図、
図9(b)は側面図である。放射アンテナ27c、27
d、それぞれの軌跡28c、28d、それぞれの回転中
心(軌跡の中心)29c、29d、結合部30c、30
dである。結合部30c、30dの長さは同じである
が、放射アンテナの先端部31c、31dが逆方向に曲
がっているため、互いの軌跡は重ならない構成である。
【0108】本実施例では、実施例8の効果に加えて、
結合部30c、30dの長さの同一化、放射アンテナ2
7c、27dを同形状で構成して上下逆に取り付けるよ
うにできるなど、部品の共用化を図ることができる。
【0109】なお、複数の放射アンテナ27c、27d
の両者を曲げなくても、一方だけを曲げても良い。この
場合、曲げない放射アンテナについては、曲げる工程を
少なくできる。
【0110】(実施例10)図10は、本発明の実施例
10の高周波加熱装置の要部構成図で、図10(a)は
上面図、図10(b)は側面図である。放射アンテナ2
7e、27f、それぞれの軌跡28e、28f、それぞ
れの回転中心(軌跡の中心)29e、29f、結合部3
0e、30fである。結合部30e、30fの長さは同
じであり、放射アンテナの先端も平らであるが、結合部
30e、30fの角度が傾斜しているため、互いの軌跡
は重ならない構成である。
【0111】本実施例では、実施例9の効果に加えて、
放射アンテナ27e、27fの先端をまったく曲げなく
てもよいので、より曲げる工程を少なくできる。
【0112】なお、複数の結合部30e、30fの両者
を傾斜させなくても、一方だけを傾斜させても良い。
【0113】(実施例11)図11は、本発明の実施例
11の高周波加熱装置の要部構成図である。放射アンテ
ナ27g、27h、それぞれの軌跡28g、28h、そ
れぞれの回転中心(軌跡の中心)29g、29hであ
る。放射アンテナ27g、27hの駆動範囲を限定する
代表的な限定手段であるストッパ(図示なし)を設け、
それ以上には駆動できない構成としている。よって回転
駆動ではあるが一回転させないため、軌跡28g、28
hは円にはならず、互いの軌跡は重ならない構成であ
る。
【0114】本実施例では、放射アンテナ27g、27
hの駆動範囲を限定することにより、軌跡が互いに重な
らず、接触しないので、安全かつ正確に放射アンテナ2
7g、27hを位置制御することができる。
【0115】なお、限定手段は、ストッパの代わりにス
イッチや各種の位置検出センサで構成しても良い。
【0116】なお、放射アンテナ27g、27hの両者
とも駆動範囲を限定しなくても、一方だけを限定しても
良い。
【0117】(実施例12)図12は、本発明の実施例
12の高周波加熱装置の要部構成図で、図12(a)は
上面図、図12(b)は側面図である。放射アンテナ2
7i、27j、それぞれの軌跡28i、28j、それぞ
れの回転中心(軌跡の中心)29i、29j、結合部3
0i、30j、導波管32i、32j、歯車33i、3
3j、ステッピングモータ34、軌跡の重複部35aで
ある。本実施例は、重複部35aで軌跡が重複している
が、常に放射アンテナ27iと27jが接触しないよう
以下の構成としている。
【0118】放射アンテナ27i、27jは、1つのス
テッピングモータ34で歯数の等しい歯車33i、33
jを介して駆動されており、両者は常に同じ速度で反対
方向に回転するものである。よって最初の位置関係で接
触するか接触しないかは決まり、一回転させてみて接触
しなければ常に接触しない構成となる。図12の場合、
放射アンテナ27i、27jの一方が重複部35aに位
置するとき、他方は重複部35aに位置しない配置とし
ているため常に接触しない構成である。
【0119】本実施例では、放射アンテナ27i、27
jの軌跡の一部が重複するが、同時には重複部35aに
存在しないので、互いに接触せず、安全かつ正確に放射
アンテナ27i、27jを位置制御することができる。
【0120】なお、複数の放射アンテナが同時に重複部
に位置しても接触しない構成としてもよい。図12の場
合、A−A´に対して放射アンテナ27i、27jが線
対称な配置であれば接触するが、線対称より少しずらせ
ば同時に重複部35aに位置しても接触しない構成が実
現できる。
【0121】(実施例13)図13(a)、(b)は、
本発明の実施例13の高周波加熱装置の要部構成図で、
図13(a)は放射アンテナとその軌跡を示し、図13
(b)は放射アンテナと連動して動作するカムとスイッ
チを示す。放射アンテナ27k、27ι、それぞれの軌
跡28k、28ι、それぞれの回転中心(軌跡の中心)
29k、29ι、放射アンテナと連動して動作するカム
36k、36ι、スイッチ37a、37b、37c、3
7d、軌跡の重複部35b、放射アンテナとカムの回転
方向は実矢線38k、38ιとする。本実施例は、位置
制御手段(図示なし)により放射アンテナ27k、27
ιが別々に制御されるものであり、以下のような制御を
行う。
【0122】図13(a)、(b)の状態、すなわちカ
ム36ιがスイッチ37cを押してからスイッチ37d
を押すまでの期間は、放射アンテナ27ιが重複部35
b内に位置すると判断し、カム36kがスイッチ37a
を押した時点で放射アンテナ27kを停止させるように
制御する。その後、カム36ιがスイッチ37dを押し
たら、再び放射アンテナ27kを駆動する。この方法に
より、放射アンテナ27k、27ιは接触しない。また
放射アンテナ27kが重複部35b内に位置する場合
や、回転方向が異なる場合でも、同様の考え方で接触を
避けることができる。
【0123】本実施例では、放射アンテナ27k、27
ιの軌跡の一部が重複するが、同時には重複部35bに
存在しないよう制御するので、互いに接触せず、安全か
つ正確に放射アンテナ27k、27ιを位置制御するこ
とができる。
【0124】なお、回転方向が常に決まっており、回転
速度が一定であるならば、スイッチは1つづつで良い。
【0125】なお、スイッチでなくても、他の位置検出
センサを用いても良い。 (実施例14)図14は、本発明の実施例14の高周波
加熱装置の要部構成図である。4つの放射アンテナ(図
示なし)のそれぞれの軌跡39a、39b、39c、3
9d、それぞれの回転中心(軌跡の中心)40a、40
b、40c、40d、載置台2の中心41とする。また
本実施例では、それぞれの軌跡の中心40a、40b、
40c、40dと中心41との距離である破線の矢線4
2a、42b、42c、42dを等距離としている。一
般に、図14のように、被加熱物である食品3は載置台
2の中心41上に置くことがほとんどであると考える
と、42a、42b、42c、42dを等距離とするこ
とで、それぞれの放射アンテナと食品3との距離を同じ
にすることができる。よって、食品3に対して複数の放
射アンテナが対称関係になり、同形状の放射アンテナを
使って加熱効率を同等レベルにすることができる。この
ため部品の共用化が図れるとか、それぞれの放射アンテ
ナで加熱するときの加熱シーケンスを共用化できる。
【0126】なお、前述の図5、図6も本実施例と同様
に、各放射アンテナの軌跡の中心が載置台の中心と等距
離に構成している。
【0127】(実施例15)図15は、本発明の実施例
15の高周波加熱装置の要部構成図で、図15(a)は
上面図、図15(b)は側面図である。6つの放射アン
テナ43の軌跡44、回転中心(軌跡の中心)45と
し、それぞれの放射アンテナ43の上面と載置台2の上
面との鉛直距離46を等距離としている。このとき、図
15のように、食品3がそれぞれの軌跡の中心45の真
上に置かれた場合、それぞれの放射アンテナ43は、真
上にある食品3に対して等距離となり加熱効率を同等に
することができる。たとえば、すべての放射アンテナ4
3で真上の食品3を同時に加熱開始し、同時に終了させ
ると、すべての食品2のできばえを同じにできる。
【0128】なお、前述の図2、図4、図12も本実施
例と同様に、各放射アンテナと載置台との鉛直距離を等
距離に構成している。
【0129】(実施例16)図16は、本発明の実施例
16の高周波加熱装置の構成図で、図16(a)は断面
図、図16(b)上面図である。マグネトロン47、導
波管48、結合部49、放射アンテナ50は、載置台2
より下方に構成している。制御手段9は、ステッピング
モータ51を制御することにより、放射アンテナ50を
回転および位置制御(回転中心は52で軌跡は53)
し、同時にマグネトロン47からの電磁波54の発生を
制御することにより、放射アンテナ50からの電磁波5
4を制御するものである。また制御手段9は、マグネト
ロン47を冷却するファン56の動作も制御している。
【0130】本実施例では、代表的な電磁波発生手段で
あるマグネトロン47と、伝送手段である導波管48、
結合部49が載置台2よりも下方に位置するので、加熱
室1の側方または載置台2の上方に電磁波発生手段用と
伝送手段用のスペースが不要なため、加熱室1の幅と奥
行きを広くできる効果がある。また、重心が低くなり安
定性が増す。
【0131】(実施例17)図17は、本発明の実施例
17の高周波加熱装置の要部構成図である。T字型に分
岐した導波管62により、マグネトロン63のアンテナ
64から放射された電磁波65は二手に分かれて進み、
2つの結合部66a、66bに接続された2つの放射ア
ンテナ(図示なし)に伝送される。しかし導波管62の
分岐部に電磁波を反射する反射板67を構成し、実矢線
68の範囲で基準点69を中心に駆動することで、電磁
波の伝送状態を変更できるものである。図17の状態で
は、電磁波65のほとんどが結合部66aに進み、結合
部66bには伝送されない。よって結合部66aに接続
された放射アンテナからのみ電磁波を放射することにな
る。もちろん、反射板67を移動させて、結合部66b
に接続された放射アンテナからのみ電磁波を放射するよ
うに切替ることが可能である。つまり反射板67は、伝
送切替手段の機能を有する。
【0132】よって本実施例では、実施例2同様、反射
板67(伝送切替手段)により、導波管62、結合部6
6a、66bからなる伝送手段内で電磁波の伝送状態を
変更するので、電磁波を放射させたい放射アンテナ(図
示なし)にのみ電磁波を伝送する事ができ、容易に放射
アンテナを選択できる。
【0133】また実施例2では2つの伝送切替手段(遮
蔽板17a、17b)で2つの放射アンテナを切替てい
たが、本実施例では1つの伝送切替手段(反射板67)
で2つの放射アンテナからの電磁波の放射の有無を切替
えることができる。
【0134】(実施例18)図18は、本発明の実施例
18の高周波加熱装置の要部構成図である。本実施例
は、実施例17と類似した構成であるが、反射板67が
回転板70に接続され、導波管62の分岐部にへこみ部
分71を形成している。
【0135】本実施例では、実施例17の効果に加え
て、反射板67を回転駆動する際に余分に回転させても
導波管62壁面に衝突しないので、より安全な構成にで
きる効果がある。
【0136】また実施例17では反射板67を往復運動
させるため、どこかで運動の向きを反転しなければなら
なかったが、本実施例では回転運動のため、反転させる
必要はなくそのための別部品(ストッパーなど)が不要
で構成をより簡単にできる。
【0137】(実施例19)図19は、本発明の実施例
19の高周波加熱装置の要部構成図である。本実施例
は、実施例17、実施例18と目的は同じであるが、導
波管62内での電磁波の伝送状態を変更するために、2
つの反射板72a、72bを有している。反射板72
a、72bは、副導波管73a、73b内を実矢線74
a、74bの範囲で駆動するように制御しており、高周
波回路のインピーダンス反転の考え方を採用している。
図19の状態では、導波管壁面75a、76aを結ぶラ
インと、反射板72aの位置が一致しており、電磁波6
5が結合部66aに進むことに関する妨げはない。一
方、導波管壁面75b、76bを結ぶラインと、反射板
72bの位置との距離77は、波長の1/4の長さ
(2.45GHzの周波数の場合、約30mm)の奇数倍に
選んでいる。このため電磁波65が結合部66bに進も
うとしても、反射板72bのインピーダンス0が、領域
78で反転してインピーダンス無限大(=1/0)とな
り、伝送を妨げる作用をする。よって図19の状態で
は、電磁波65のほとんどが結合部66aに進み、結合
部66bには伝送されない。よって結合部66aに接続
された放射アンテナ(図示なし)からのみ電磁波を放射
することになる。もちろん、反射板72a、72bを移
動させて正反対の位置関係にすれば、結合部66bに接
続された放射アンテナ(図示なし)からのみ電磁波を放
射するように切替ることが可能である。つまり反射板7
2a、72bは、伝送切替手段の機能を有する。
【0138】よって本実施例では、実施例2、17、1
8同様、反射板72a、72b(伝送切替手段)によ
り、導波管62、結合部66a、66bからなる伝送手
段内で電磁波の伝送状態を変更するので、電磁波を放射
させたい放射アンテナ(図示なし)にのみ電磁波を伝送
する事ができ、容易に放射アンテナを選択できる。
【0139】なお、導波管内のインピーダンスを変える
方法としてスタブチューナーなどのいわゆる整合素子で
構成しても良い。この場合は、反射板72a、72bを
動かすのに比べコンパクトな構成にできる。
【0140】なお、導波管の分岐の方向は、図17ない
し図19にとらわれることはなく、いろいろな方向に分
岐させて実現することができる。
【0141】なお、導波管を分岐させなくても、図2の
ようにマグネトロンを中心に反対方向に延ばしても良
い。この場合、導波管を分岐させないので、構成が簡単
にできる。
【0142】(実施例20)図20は、本発明の実施例
20の高周波加熱装置の断面構成図である。本実施例で
は、載置台2の下方の複数の放射アンテナ15a、15
bに加えて、加熱室1の上方に他の電磁波放射手段84
を有している。他の電磁波放射手段84は、マグネトロ
ン21cが発生した電磁波を、伝送手段を構成する導波
管13cおよび導波管13cと同軸結合する結合部14
cを介して、放射手段である放射アンテナ15cから電
磁波4cとして加熱室1内に放射して、食品3を加熱す
るものである。また結合部14cと勘合し、結合部14
cおよび放射アンテナ15cを回転駆動させる駆動手段
であるステッピングモータ16dや、電磁波が透過しや
すい材質からなるカバー85を構成している。
【0143】また制御手段9は、他の電磁波放射手段8
4にまつわる制御として、マグネトロン21cからの電
磁波の発生や出力の大きさを制御したり、ステッピング
モータ16dを制御して放射アンテナ15cの回転や停
止を制御したり、温度分布検出手段18の検出信号およ
び設定手段19の設定内容などに基づいて制御してい
る。
【0144】さて、特に食品3の大きさが大きい(厚み
が厚い)場合、載置台2の下方からの加熱だけでは、上
下方向の加熱むらが生じる。しかし、本実施例では、下
方からの加熱だけでなく上方からの加熱ができるので、
上下方向の加熱むらを無くしたり、目的によっては上面
だけを加熱したりすることが可能となる。図20の場
合、傾向としては、放射アンテナ15aからの電磁波4
aで食品3の部位86aが加熱でき、放射アンテナ15
bからの電磁波4bで部位86bが加熱でき、放射アン
テナ15cからの電磁波4cで部位86cが加熱でき
る。
【0145】また、温度分布検出手段18やその他の物
理量検出手段により、上下方向の加熱むらを検出し、そ
れに応じた適切な制御(加熱不足の部位だけを加熱する
ように制御する選択加熱)ができるし、設定手段19の
設定内容によって所望の部位だけを加熱することができ
るなど、より自在に加熱分布を変更することができる。
【0146】なお、上方からの電磁波放射手段84は、
図20の構成(導体に電界をのせることで電磁波を放射
する構成)に限定されるものではなく他にも閉空間内に
閉じこめた電磁波を移動可能な開口より放出する構成、
電磁波を撹拌するスタラーなど、電磁波の放射の指向性
が変化するものでよい。
【0147】なお、下方からの電磁波放射手段による加
熱をわずかに補うだけでよいという場合には、上方から
の電磁波の放射の指向性が変化しなくてもよく単に、上
方に固定の電磁波を放射する開口があるとか、マグネト
ロンを直接加熱室天面に取り付ける構成でもよい。
【0148】(実施例21)図21は、本発明の実施例
21の高周波加熱装置の断面構成図である。本実施例で
は、載置台2の下方の複数の放射アンテナ15a、15
b、15cに加えて、載置台2よりも上方に焦げ目付皿
87を有している。焦げ目付皿87は、電磁波を遮蔽す
る材料(たとえば鉄、アルミ、ステンレスなどの導体)
からなる遮蔽板88と、遮蔽板の下面に電磁波を吸収し
て発熱する材料(たとえばフェライトなど)からなる発
熱体89とを有している。そして下方からの電磁波4
a、4b、4cを照射された部位の発熱体89が発熱
し、熱伝導により遮蔽板88を昇温させ、遮蔽板88の
上に置かれた被加熱物である食品3を焼いて焦げ目を付
ける構成としている。焦げ目付皿87は、加熱室1の壁
面のレール90に沿って着脱可能であり、焦げ目を付け
たい場合にのみ使用すればよい。この構成により、電磁
波による誘電加熱と、焦げ目付皿による焦げ目付けとを
目的に応じて使い分けることができる。
【0149】また、放射アンテナは、電磁波発生手段
(図示なし)が発生した電磁波を、伝送手段を構成する
導波管13a、13b、13cおよび同軸結合する結合
部14a、14b、14cを介して、放射アンテナ15
a、15b、15cから電磁波4a、4b、4cとして
加熱室1内の発熱体89に放射するものである。さらに
結合部14a、14b、14cと勘合し、結合部14
a、14b、14cおよび放射アンテナ15a、15
b、15cを回転駆動させる放射駆動手段であるステッ
ピングモータ16a、16b、16c、加熱室1の上方
より被加熱物である食品3を焼くためのヒータ91など
を備えている。
【0150】また制御手段9は、切替制御手段7が有す
る電磁波発生制御手段83で電磁波発生手段であるマグ
ネトロン(図示なし)からの電磁波の発生や出力の大き
さを制御したり、位置制御手段8でステッピングモータ
16a、16b、16cを制御して放射アンテナ15
a、15b、15cの回転や停止位置を制御したり、ヒ
ータ制御手段92でヒータ91を制御するなど、温度分
布検出手段18の検出信号および設定手段19の設定内
容などに基づいて最適な制御を行う。
【0151】特に焦げ目付皿87を使用する場合、遮蔽
板88や発熱体89の構成にもよるが、マグネトロン
(図示なし)からの電磁波の発生や出力の大きさ、およ
び放射アンテナ15a、15b、15cの位置により、
発熱体89を局所的に発熱させたり、均一に発熱させた
りすることができ、遮蔽板88上の温度分布をコントロ
ールする事が可能である。よって焦げ目の付け方(焼き
方)の分布や、焼くスピードを自在に変更することがで
きる。また、食品3が小さい場合、必要な部分の発熱体
89のみに給電すれば、無駄な加熱をせず効率的に加熱
することができる。
【0152】(実施例22)図22〜図27は、本発明
の実施例22の高周波加熱装置の要部構成および特性を
示す。
【0153】図22(a)は要部の上面から見た図で、
導電性を有する板体からなる放射アンテナ93と、誘電
損失の少ない誘電材料から成り、放射アンテナ93を支
える支持部94とを示す。図22(b)は図22(a)
のB−B´断面図で、導波管13内の電磁波を放射アン
テナ93に伝送する導電性を有する結合部95、結合部
95と回転軸96により勘合して回転駆動するステッピ
ングモータ97を示す。支持部94は、放射アンテナ9
3と結合部95とを導波管13に対して位置規制してお
り、回転駆動の際のがたつきが起こりにくい構成であ
る。図22(c)は放射アンテナ93と結合部95の側
面図である。
【0154】図23は、図22の放射アンテナの特性図
で、横軸に位置x、縦軸に放射アンテナの上方に放射さ
れる電界E、または電界Eによる放射アンテナの上方に
載置された水負荷の温度上昇△Tを特性aとして示す。
特性aでもっとも電界E(温度上昇△T)が大きいのは
結合部95の中心の位置すなわち回転中心(軌跡の中
心)の位置x1であり、次に大きいのは放射アンテナ9
3の先端の位置x2である。
【0155】図24は同特性図で、図23の放射アンテ
ナ93の特性aと、放射アンテナ93を180度回転し
た特性bと、両者を加算した時の特性cを示す。つまり
単に放射アンテナ93を回転駆動すると、位置x1に対
して極めて高い指向性が得られることがわかる。
【0156】図25は、図23の放射アンテナ93と、
同等の特性を有する放射アンテナ98を相対する位置に
構成したときの特性図で、放射アンテナ98の特性d、
特性aと特性dとを加算した時の特性eを示す。特性e
でもっとも電界E(温度上昇△T)が大きいのは放射ア
ンテナ93、98の先端が向き合う位置x2となり、次
に大きいのは位置x1と位置x3である。よって複数の
放射アンテナの組み合わせ方によって、指向性を変更で
きることがわかる。
【0157】図26は、図23〜図25の特性をもとに
構成した高周波加熱装置の加熱分布を示す特性図であ
る。載置台2上の被加熱物である食品3に対して、2つ
の放射アンテナ(図示なし)のそれぞれの回転中心(軌
跡の中心)99a、99b、それぞれの軌跡100a、
100bである。まず、回転中心99aの放射アンテナ
のみ電磁波を放射しながら連続的に回転させると、回転
中心99aの真上の部位101の領域が集中的に加熱さ
れる。逆に、回転中心99bの放射アンテナのみ電磁波
を放射しながら連続的に回転させると、回転中心99b
の真上の部位102の領域が集中的に加熱される。さら
に、2つの放射アンテナを互いに向き合わせて両者から
電磁波を放射すると、2つの放射アンテナの先端が向き
合う位置の真上の部位103が集中的に加熱される。結
局、図23のような特性を持つnケの放射アンテナを1
列に並べた場合、1つの放射アンテナから電磁波を出し
て回転させる場合と、隣り合う2つの放射アンテナを向
かい合わせて電磁波を出す場合の組み合わせだけを考え
ると、2n−1箇所を局所的に選択して加熱することが
できる。
【0158】以上述べた、単純な3パターンの動作を組
み合わせるだけでも被加熱物の加熱分布をコントロール
できることがわかる。
【0159】図27は、図26の構成で、被加熱物を変
えた場合を示す。被加熱物104aを回転中心99aの
真上、被加熱物104bを回転中心99bの真上、被加
熱物104cを両者の中間の位置に置けば、3つの被加
熱物を前述の3パターンにより選択加熱することができ
る。すなわち、回転中心99aの放射アンテナのみ電磁
波を放射しながら連続的に回転させると、回転中心99
aの真上の被加熱物104aの部位101の領域を局所
的に加熱できる。回転中心99bの放射アンテナのみ電
磁波を放射しながら連続的に回転させると、回転中心9
9bの真上の被加熱物104bの部位102の領域を局
所的に加熱できる。さらに、2つの放射アンテナを互い
に向き合う位置で停止させて両者から電磁波を放射する
と、放射アンテナの先端が向き合う位置の真上の被加熱
物104cの部位103を局所的に加熱できる。
【0160】なお、被加熱物104a、104b、10
4cのどれか1つだけが置かれた場合や、2つだけ置か
れた場合もいずれかのパターンで加熱すれば適切な加熱
ができる。これは、加熱分布をコントロールできるだけ
でなく、無駄なところに電磁波を放射しないようにし
て、加熱の効率化を図ることもできる。
【0161】なお、上記のパターン以外にも、複数の放
射アンテナの位置と電磁波の放射を制御すれば、いろい
ろな加熱分布が得られることは容易に考えられる。
【0162】ただし、本実施例で述べたことは、物理量
(被加熱物の温度分布、被加熱物の配置、被加熱物の有
無など)を検出する手段や、いろいろな情報(加熱すべ
き場所、加熱終了させるべきできばえなど)を設定でき
る設定手段と組み合わせることで大きな効果を発揮する
ものである。
【0163】(実施例23)図28〜図30は、本発明
の実施例23の高周波加熱装置の要部構成および特性を
示す。
【0164】図28は、高周波加熱装置の要部構成図
で、載置台2および、実施例22と同様の特性を持つ4
つの放射アンテナ105a、105b、105c、10
5d、を回転中心(軌跡の中心)106a、106b、
106c、106dで駆動した軌跡107a、107
b、107c、107dを示す。ここでそれぞれの回転
中心(軌跡の中心)106a、106b、106c、1
06dは、載置台2の中心108と4つのコーナー10
9a、109b、109c、109dのおおよそ中間に
位置している。
【0165】図29は、図28の高周波加熱装置の加熱
分布を示す特性図である。載置台2上の被加熱物3に対
して、まず、それぞれの放射アンテナを電磁波を放射し
ながら連続的に回転させると、回転中心106a、10
6b、106c、106dの真上の部位110a、11
0b、110c、110dの領域が局所的に加熱され
る。また、4つの放射アンテナのうち2つの放射アンテ
ナを互いに向き合わせて両者から電磁波を放射すると、
2つの放射アンテナの先端が向き合う位置の真上の部位
111a、111b、111c、111dが局所的に加
熱される。さらに、4つの放射アンテナをすべて中心1
08に向けて電磁波を放射すると、中心108の真上の
部位112をもある程度加熱することができる。よって
4つの放射アンテナを2×2のマトリクスに配置して、
放射アンテナの位置と電磁波の放射を制御することで、
9カ所の部位を任意に局所的に選択して加熱する事がで
きる。
【0166】結局、実施例22と同様の特性を持つ放射
アンテナをm×nのマトリクスに配置すると、(2m−
1)×(2n−1)箇所を集中的に加熱することができ
る。
【0167】図30は、代表的な被加熱物3として、幕
の内弁当のように1つの器にいろいろな食品を配置した
ものを想定して加熱した時の加熱分布の特性図である。
幕の内弁当の中には加熱したくないもの(刺身、漬け
物、生野菜、その他冷製のもの)が含まれる場合が多
い。たとえば一例として位置113が刺身で位置114
が漬け物とすれば、位置113、114には加熱部位を
形成しないようにする。つまり、図29で示した9つの
加熱部位のうち、110b、111bには加熱部位を形
成しないように制御する。そのために、第1に回転中心
106aと回転中心106cの2つの放射アンテナを互
いに向き合わせて両者から電磁波を放射するようなこと
はしない。第2に回転中心106bの放射アンテナは電
磁波を放射しながら連続的に回転させることをしない。
【0168】なお、常に同じ配置で同じ材質の被加熱物
3を加熱する場合は、あらかじめ制御プログラムを組ん
でおけばよい。なお、被加熱物の配置や材質が特定でき
ない場合は、物理量(被加熱物の温度分布、被加熱物の
配置、被加熱物の有無など)を検出する手段や、いろい
ろな情報(加熱すべき場所、加熱終了させるべきできば
えなど)を設定できる設定手段と組み合わせることで必
要な加熱分布に対応することができる。
【0169】(実施例24)図31は、本発明の実施例
24の高周波加熱装置の要部構成図で、放射アンテナ9
3と結合部95の構成を示す。図31(a)は上面図、
図31(b)は側面図である。放射アンテナ93の先端
に曲げ部115を形成し、上下方向に関して先端部11
6が被加熱物に近くなる構成としている。曲げ部115
に電界が集中しやすく、先端部116の真上の被加熱物
に加熱部位を形成しやすいので、実施例22の構成と比
較して先端側に指向性が高い構成となり、より局所的な
加熱がしやすい。
【0170】(実施例25)図32は、本発明の実施例
25の高周波加熱装置の要部構成図で、放射アンテナ9
3と結合部95の構成を示す。図32(a)は上面図、
図32(b)は側面図である。放射アンテナ93の先端
側に曲げ部115を形成し、実施例24と同様、上下方
向に関して先端部116が被加熱物に近くなる構成とし
ている。よって実施例22の構成と比較して先端側に指
向性の高い構成となり、より局所的な加熱がしやすい効
果がある。
【0171】また実施例24の構成と比較して、放射ア
ンテナ93が簡単に曲げられるので、作りやすく、製造
コストを安くできる。
【0172】(実施例26)図33、図34は、本発明
の実施例26の高周波加熱装置の要部構成および特性を
示す。
【0173】図33(a)は上面図で、同軸状の放射ア
ンテナ117を構成し、同軸線路から成る同軸部118
と、実際に電磁波を放射する心線露出部119を有して
いる。図33(b)は図33(a)のC−C′断面図
で、導波管13内の電磁波を同軸状の放射アンテナ11
7に伝送する結合部95、結合部95と回軸96により
勘合して回転駆動するステッピングモータ97を示す。
支持部94は、同軸状の放射アンテナ117と結合部9
5とを導波管13に対して位置規制している。ここで同
軸部118は、同軸線路を形成する内導体120と外導
体121を有し、この内導体120と外導体121は電
気絶縁物を介して固定されておりステッピングモータ9
7により回転駆動される。結合部95より同軸部118
内に伝送された電磁波は、外導体121より外部には漏
れにくい構成である。また心線露出部119は、内導体
120と一体に形成されるかあるいは接続され、同軸部
118内に伝送された電磁波のほとんどを放射する目的
で構成されている。実施例24、25と同様に、曲げ部
115のために上下方向に関して先端部116が被加熱
物に近くなる構成としている。さらに本実施例では、先
端部116が鍵型の曲線をなし、中央位置122を囲む
ような形状である。この形状により、電磁波が広範囲に
分散するのを防ぎ、中央位置122近傍の狭い領域に電
磁波を集中させるものである。図33(c)は同軸状の
放射アンテナ117と結合部95の側面図である。
【0174】図34は、図33の同軸状の放射アンテナ
117の特性図で、横軸に位置x、縦軸に同軸状の放射
アンテナ117の上方に放射される電界E、または電界
Eによる同軸状の放射アンテナ117の上方に載置され
た水負荷の温度上昇△Tを特性fとして示す。特性fで
もっとも電界E(温度上昇△T)が大きいのは、中央位
置122の位置x4であり、結合部95の中心の位置す
なわち回転中心(軌跡の中心)の位置x1ではない。こ
れは、実施例22の図23とは全く異なるものであり、
先端側に極めて指向性の高い特性を有し、より局所的な
加熱がしやすい。
【0175】(実施例27)図35〜図36は、本発明
の実施例27の高周波加熱装置の要部構成および特性を
示す。
【0176】図35は、高周波加熱装置の要部構成図
で、載置台2および、実施例26と同様の特性を持つ2
つの同軸状の放射アンテナ123a、123bを回転中
心(軌跡の中心)124a、124bで駆動した軌跡1
25a、125bを示す。ここで鍵型の中央位置126
a、126bが相手の回転中心124a、124b上を
通る構成としている。
【0177】図36は、図35の高周波加熱装置の加熱
分布を示す特性図である。載置台2上の全域にわたる大
きさの食品3を考える。2つの同軸状の放射アンテナ1
23a、123b(図示なし)のそれぞれの回転中心
(軌跡の中心)124a、124bにおいて、まず、回
転中心124aの同軸状の放射アンテナのみ電磁波を放
射しながら連続的に回転させると、鍵型の通る真上の部
位126aの領域がドーナツ状に集中的に加熱される。
逆に、回転中心124bの同軸状の放射アンテナのみ電
磁波を放射しながら連続的に回転させると、部位126
bの領域がドーナツ状に集中的に加熱される。よって両
者を組み合わせることで、ほとんど全域を局所的に加熱
することができる。ただし図36において、両者を一定
出力かつ一定速度で制御すると、部位126a、126
bの交差する部位127が加熱しすぎになる。よって、
部位127を加熱しているときの、どちらかの出力を低
下させるとか、移動速度を早くするとかの工夫により、
全体を均一に加熱することができる。
【0178】(実施例28)図37〜図39において、
本発明の実施例28の電子レンジの温度分布検出手段1
8と、温度分布検出手段18による制御手段9の動作に
ついて説明する。
【0179】図37は、電子レンジの温度分布検出手段
の断面構成図を示している。加熱室1の壁面に開口12
8を設け、2種の板金129aと129bで電磁波を妨
げるチョーク構造を構成している。129aは光路を形
成するもので壁面に広がりを持った筒状の金属部品で壁
面に密接している。129bは小孔130を持った箱状
の金属部品で壁面に密接している。このチョーク構造1
29a、129bにより加熱室1内から赤外線は小孔1
30より外部に出るが、加熱室1内の電磁波は遮断され
外部にはほとんど漏れない。図37において寸法Lを電
磁波の波長をλとしてλ/4に設計する、即ち周波数が
2.45GHzであれば約30mmにすることで、小孔13
0でのインピーダンスが無限大となり電磁波の遮断効果
は最も大きい。
【0180】図37において、131は焦電型の赤外線
検出素子で、入光する赤外線量、即ち視野となる加熱室
1内の位置の温度に相関を持った出力をするものであ
る。赤外線検出素子131は固定部材132内部に固定
し、固定部材132に取り付けたレンズ133を通して
視野を絞って狭い範囲の温度を検出している。レンズ1
33はフレネルレンズで赤外線の透過する材料で構成し
ている。134はステッピングモータであり、135を
第1の回転軸として小歯車136とチョッパ137を回
転する。
【0181】チョッパ137はスリットを形成していて
赤外線検出素子131に至る光路を開閉しながら回転す
る。小歯車136は大歯車138と接し大歯車138に
は第2の回転軸139を取り付け、第2の回転軸139
は受け部140により回転自在に取り付けている。ま
た、第2の回転軸139にはプリント基板141を取り
付け、プリント基板141には赤外線検出素子131の
他、増幅回路等の電子回路(図示せず)を取り付けてい
る。これらは赤外線の光路となる位置に小孔142を持
った金属ケース143に収納され金属蓋144で覆い金
属蓋49でチョーク構造34bに固定している。
【0182】この構成でステッピングモータ134は赤
外線検出素子131を図37の手前から奥に首振りし、
同時にチョッパ137による光路の開閉の両方を行って
いる。この赤外線検出素子131の首振りの周期はモー
タ134の回転周期の整数分の1に設定、即ちモータ1
34の回転周期を赤外線検出素子131の回転周期の整
数倍としていて、モータ134の回転ごとに同じ位置の
温度を検出できる構成としている。
【0183】以上により、載置台上の温度分布を一方向
(一次元)に検出できることになる。しかし載置台上の
全体の温度分布を平面的にとらえるには、少なくとも二
方向(二次元)に検出する必要があり、その時は、温度
分布検出手段を異なる方向にも首振りさせるとか、温度
分布検出手段を複数個設けるとか、いろいろな構成が考
えられる。ただし、ターンテーブルのように食品を駆動
させる機構を有する場合は、上記構成の温度分布検出手
段で充分である。
【0184】次に制御手段9の制御動作について図38
のブロック図により説明する。制御手段9は、温度分布
検出手段18で検出した温度分布により、伝送切替手段
6で複数の放射アンテナ145のうち適切な放射アンテ
ナ145を選び出し、また駆動手段146を制御するこ
とで選び出した放射アンテナ145を適切な位置に制御
するのであるが、まず検出した温度が食品3の温度なの
か、または載置台や皿や加熱室の壁面の温度であるのか
を各検出位置ごとに区別するのが被加熱物抽出手段14
7である。加熱初期には食品3がどのような大きさのも
のであるか、どの位置に置かれているかなどわからない
ので、まず均一加熱制御手段148で、伝送切替手段6
と駆動手段146により均一加熱用の放射アンテナ14
5を制御する。均一加熱制御手段148は、モータ13
4の回転周期に比べて十分早い周期で駆動手段146に
より放射アンテナ5を往復させる、あるいはランダムに
駆動するなど連続的に制御して、加熱室1内に下方から
の電磁波を撹拌しおおよそ均一に分布させる。また、こ
の均一加熱制御手段148で駆動手段146により放射
アンテナ145を制御している間に各検出位置ごとの温
度上昇により食品3であるかそうでないかを区別する。
【0185】図39に均一加熱制御手段148で駆動手
段146により放射アンテナ145を制御しているとき
の食品3の表面温度変化と載置台、皿など食品3ではな
い部分の温度変化の特性図を示す。横軸は加熱開始から
の経過時間、縦軸は加熱開始からの温度変化であり、斜
線で示したgの領域が載置台や皿など食品3でない部分
の温度変化を示し、hの領域が食品3の温度変化を示し
ている。このように載置台や皿は食品3に比べて誘電損
失が小さいので電磁波が吸収されにくくほとんど温度上
昇しないので明確に区別ができる。温度変化演算手段1
49は例えばモータ134の駆動開始から1周目の各検
出位置に対応した温度を記憶しておき、それからt1時
間経過後の各検出位置に対応した温度から1周目の温度
との温度差ΔTを演算する。温度変化比較手段150は
温度変化演算手段149の演算結果である温度差ΔTが
予め定めた判定曲線iの所定値ΔT1より大きければ食
品3、小さければ載置台や皿として区別するのである。
【0186】被加熱物抽出手段147で各検出位置が食
品3であるか、載置台や皿であるかの区別ができれば加
熱モード切替手段151a、151bにより放射アンテ
ナ145の制御を均一加熱制御手段148から局所加熱
制御手段152に切替る。局所加熱制御手段152は、
適切な放射アンテナ145を選び、適当な位置で止めな
がら電磁波の集中する箇所を制御するものである。15
3は低温部分抽出手段であり、被加熱物抽出手段147
で食品3と判定した検出位置の中から温度の低い箇所を
抽出する。局所加熱制御手段152は、低温部分抽出手
段153で抽出された温度の低い箇所に電磁波が放射さ
れるように、適切な放射アンテナ145を選び、その位
置を制御するのである。また、局所加熱制御手段152
で食品3の低温部分に電磁波を放射することで食品3か
ら低温部分がなくなり全体が均一温度になれば、再度均
一加熱制御手段148で均一加熱用の放射アンテナ14
5を制御しても良い。
【0187】低温部分抽出手段153は赤外線検出素子
131の首振り1往復の間で被加熱物抽出手段147が
食品3と判定した検出位置の中で最も検出温度の低い検
出位置を加熱位置として記憶しておく。モータ134の
1回転の間に赤外線検出素子131の首振りの往復は繰
り返されるが、それぞれの首振り1往復における加熱位
置を記憶する。そして局所加熱制御手段152が、加熱
位置に適した放射アンテナ5に切替、その放射アンテナ
5の位置を調節し、加熱位置、即ち食品3の中での低温
部分を加熱するのである。この制御を繰り返すことで食
品3から低温部分がなくなり全体に均一に加熱されるこ
とになる。
【0188】以上のように、本実施例では、温度分布検
出手段18で食品3の温度分布(特に低温部分)を精度
良く検出し、低温部分に向けて放射アンテナ145の位
置を調節するので、全体に均一に加熱できる。
【0189】なお、本実施例の均一加熱制御手段148
の均一という意味は、局所加熱に対して広域加熱を表現
しているものであり、万遍にムラなく加熱することを条
件とするものではない。
【0190】また、上記実施例の説明では温度分布検出
手段18を物理量検出手段として用いていたが、本発明
はこれに限定するものではない。例えば食品の形状や色
を認識できるCCDイメージセンサと呼ばれる固体撮像
素子を使っても可能である。この場合には加熱の進行に
従って変化する色とその分布を基に、制御手段が適切な
放射アンテナに切替て適切な位置に制御すればよく、例
えば肉であれば赤から薄茶を経て白っぽく変化する色に
合わせ全体が薄茶の色に仕上がるように制御する。また
形状の変化を基に制御してもよく、例えば餅であれば柔
らかくなり膨らむ変化があるので全体が同じように膨ら
みかけるように制御する。複数の発光素子と受光素子を
使って光路の遮断パターンから形状認識しても同様の効
果が得られる。また形状に合わせて最適な放射アンテナ
の切替と位置制御パターンを予め記憶しておけば、固体
撮像素子や複数の発光素子と受光素子で認識できる初期
の形状認識で制御手段が制御することも可能である。ま
たメニューと重量に合わせて最適な放射アンテナの制御
パターンを予め記憶しておけば重量検出手段により制御
することも可能である。
【0191】以上、さまざまな物理量を検出することに
よって、局所的な選択加熱、均一な加熱などを実現する
ことができる。
【0192】(実施例29)図40において、本発明の
実施例29の電子レンジの設定手段19による制御手段
9の動作について説明する。
【0193】図40は電子レンジの制御手段のブロック
図で、図22の放射アンテナ(図示なし)と、図33の
同軸状の放射アンテナ(図示なし)とを有し、それぞれ
を回転中心154a、154bで一定回転駆動すると、
部位155a(円形の領域)、部位155b(ドーナツ
型の領域)を加熱することができる構成である。またこ
の電子レンジにおいては、常に食品(図示せず)を載置
台2の中央に置くものとする。また、設定手段19は、
少なくとも、食品の名称に関するキーとして牛乳、酒の
かんのキーと、種類に関するキーとして根菜のキーと、
加熱前の状態に関するキーとして初期温度を設定できる
キーと、加熱方法に関するキーとして弱のキーと、加熱
仕上がり状態に関するキーとして解凍のキーとを有し、
使用者が入力あるいは選択できる構成である。
【0194】まず、使用者が、設定手段19の牛乳、酒
のかんのキーを押した場合について説明する。牛乳や酒
はカップやとっくりに入れられることが多く、高さが高
い形状となるということと、両者とも液体であり、対流
が起こる食品であるということから、全体に均一に電磁
波を放射すると、対流により上部が熱く下部が冷たいむ
らが生じる。よってできばえを均一にするには、下部を
重点的に加熱する方が良いことがわかっている。設定手
段19の牛乳、酒のかんのキーが押されると、制御手段
9は、いろいろな加熱制御パターンを決定する加熱制御
手段156により中央加熱制御手段157で載置台2の
中央下方より電磁波を放射して加熱することを決定す
る。中央加熱制御手段157により、切替制御手段7
は、伝送切替手段6を制御して、放射アンテナ(図示な
し)のみから電磁波を放射するよう制御する。また中央
加熱制御手段157により、位置制御手段8は、駆動手
段146を制御して、放射アンテナを回転駆動するよう
制御する。よって、載置台2の中央下方から電磁波を放
射して部位155a(円形の領域)に位置する牛乳また
は酒の下部を集中的に加熱できるので、できばえを均一
にすることができる。
【0195】次に、使用者が根菜のキーを押した場合
は、じゃがいもなどの根菜は固体でかつある程度高さが
あるので、下方より電磁波を放射すると、下部が熱く上
部が冷たいむらが生じる。よってできばえを均一にする
には、下部からの加熱を避けて周囲から加熱する方が良
いことがわかっている。設定手段19の根菜のキーが押
されると、制御手段9は、加熱制御手段156により周
囲加熱制御手段158で載置台2のなるべく周囲より電
磁波を放射して加熱することを決定する。周囲加熱制御
手段158により、切替制御手段7は、伝送切替手段6
を制御して、同軸状の放射アンテナ(図示なし)のみか
ら電磁波を放射するよう制御する。また周囲加熱制御手
段158により、位置制御手段8は、駆動手段146を
制御して、同軸状の放射アンテナを回転駆動するよう制
御する。よって、載置台2の周囲から電磁波を放射して
部位155b(ドーナツ型の領域)を集中的に加熱する
ように、つまり中央下部を加熱しないようにできるの
で、できばえをある程度均一にすることができる。
【0196】さらに、使用者が、初期温度を0℃以下に
設定したり、弱のキーを押したり、解凍のキーを押した
場合について説明する。初期温度0℃以下に設定される
食品、あるいは解凍キーを押すときの食品は、冷凍食品
であり、平らな形状をしていることが多い。また加熱出
力の弱は、加熱出力を小さくすることを意味し、大部分
は冷凍食品の解凍のために(例外的には長時間の煮込み
料理のために)使用する。よって平らな冷凍食品の解凍
をむらなく実現するためには、平面的に均一に加熱でき
ることが重要となる。つまり、下部の中央からと周囲か
らとを同等に加熱する方が良いことがわかっている。設
定手段19のキーが押されると、制御手段9は、加熱制
御手段156により均一加熱制御手段159で載置台2
の中央と周囲より同等に電磁波を放射して加熱すること
を決定する。均一加熱制御手段159により、切替制御
手段7は、伝送切替手段6を制御して、放射アンテナ
(図示なし)と同軸状の放射アンテナ(図示なし)の両
方から電磁波を放射するよう制御する。また均一加熱制
御手段159により、位置制御手段8は、駆動手段14
6を制御して、放射アンテナと同軸状の放射アンテナを
回転駆動するよう制御する。よって、載置台2の中央と
周囲から電磁波を放射して部位155a(円形の領域)
から155b(ドーナツ型の領域)にかけて全体的に広
域に加熱するようにできるので、できばえをある程度均
一にすることができる。
【0197】以上の様に、本実施例では、設定手段19
により電磁波を放射する放射アンテナを切替て位置を制
御することで、中央に置かれた食品の所望の部位を局所
的に加熱でき、目的に応じた均一な加熱分布が得られ
る。
【0198】なお放射アンテナと同軸状の放射アンテナ
とより電磁波を同時に放射しても良いし、交互に放射し
ても良い。
【0199】(実施例30)図41において、本発明の
実施例30の電子レンジの設定手段19と位置検出手段
160による制御手段9の動作について説明する。
【0200】図41は電子レンジの制御手段のブロック
図で、図28と同様の4つの放射アンテナを用いた構成
であり、それぞれの回転中心106a、106b、10
6c、106d、軌跡107a、107b、107c、
107dである。またこの電子レンジにおいては、食品
(図示せず)が載置台2のどこに置かれたか位置検出手
段160で検出する構成とする。また、設定手段19
は、実施例30に記載したものと同等のキーを有し、使
用者が入力あるいは選択できる構成であるとする。
【0201】まず、使用者が、牛乳を載置台の中央位置
108上に置き、設定手段19の牛乳キーを押した場合
について説明する。前述の通り、できばえを均一にする
には、下部を重点的に加熱する方が良いことがわかって
いる。設定手段19の牛乳キーが押され、位置検出手段
160で牛乳が位置108上にあることを検出すると、
制御手段9は、加熱制御手段156により真下加熱制御
手段161で牛乳の真下(すなわち位置108の真下)
より電磁波を放射して加熱することを決定する。真下加
熱制御手段161により、切替制御手段7は、伝送切替
手段6を制御して、4つの放射アンテナ(図示なし)の
すべてから電磁波を放射するよう制御する。また真下加
熱制御手段161により、位置制御手段8は、駆動手段
146を制御して、4つの放射アンテナが載置台2の中
央(位置108)を向いて停止するよう制御する。よっ
て、載置台2の中央下方から電磁波を放射して牛乳の下
部を集中的に加熱できるので、できばえを均一にするこ
とができる。
【0202】次に、使用者が、牛乳を回転中心106a
の真上に置き、設定手段19の牛乳キーを押した場合に
ついて説明する。設定手段19の牛乳キーが押され、位
置検出手段160で牛乳が回転中心106a上にあるこ
とを検出すると、制御手段9は、加熱制御手段156に
より真下加熱制御手段161で牛乳の真下(すなわち回
転中心106a)より電磁波を放射して加熱することを
決定する。真下加熱制御手段161により、切替制御手
段7は、伝送切替手段6を制御して、回転中心106a
の放射アンテナ(図示なし)のみから電磁波を放射する
よう制御する。また真下加熱制御手段161により、位
置制御手段8は、駆動手段146を制御して、回転中心
106aの放射アンテナが回転するよう制御する。よっ
て、回転中心106aから電磁波を放射して牛乳の下部
を集中的に加熱できるので、できばえを均一にすること
ができる。
【0203】次に、使用者が、じゃがいもを載置台の中
央位置108上に置き、根菜のキーを押した場合は、前
述の通り下部からの加熱を避けて周囲から加熱する方が
良いことがわかっている。設定手段19の根菜のキーが
押され、位置検出手段160でじゃがいもが位置108
上にあることを検出すると、制御手段9は、加熱制御手
段156により真下加熱抑制制御手段162でじゃがい
もの真下より電磁波を放射しない(加熱しない)ことを
決定する。真下加熱抑制制御手段162により、切替制
御手段7は、伝送切替手段6を制御して、4つの放射ア
ンテナ(図示なし)のすべてから電磁波を放射するよう
制御する。また真下加熱抑制制御手段162により、位
置制御手段8は、駆動手段146を制御して、4つの放
射アンテナのそれぞれがなるべく中央を向かないよう
(図29で言えば加熱部位112が発生しないように)
制御する。よって、載置台2の中央下方からは電磁波を
放射しないようにできるので、できばえをある程度均一
にすることができる。
【0204】さらに、使用者が、初期温度を0℃以下に
設定したり、弱のキーを押したり、解凍のキーを押した
場合、冷凍食品を載置台2上のどこに置くかに関わら
ず、下部の全域から同等に加熱する方が良いことがわか
っている。設定手段19のキーが押されると、位置検出
手段160からの信号によらず、制御手段9は、加熱制
御手段156により均一加熱制御手段159で載置台2
の全域から同等に電磁波を放射して加熱することを決定
する。均一加熱制御手段159により、切替制御手段7
は、伝送切替手段6を制御して、4つの放射アンテナ
(図示なし)から電磁波を放射するよう制御する。また
均一加熱制御手段159により、位置制御手段8は、駆
動手段146を制御して、4つの放射アンテナを位置制
御する。このとき、たとえば図29の9カ所の部位11
0a、110b、110c、110d、111a、11
1b、111c、111d、112が過不足無く同等に
加熱が進むよう、適切に位置制御しなければならない。
4つの放射アンテナを一定回転させるだけでは部位11
0a、110b、110c、110dの加熱が早く進む
ので、隣り合う2つの放射アンテナを向かい合わせて停
止させる時間(部位111a、111b、111c、1
11dの加熱が進む時間)や、4つの放射アンテナを中
央に向けて停止させる時間(部位112の加熱が進む時
間)を適切に配分するべきである。またこの配分は放射
アンテナの特性によって最適化が必要と考えられる。以
上により、全体的に広域に加熱するようにできるので、
できばえをある程度均一にすることができる。
【0205】以上の様に、本実施例では、設定手段19
と位置検出手段160により電磁波を放射する放射アン
テナを切替て位置を制御することで、あらゆる位置に置
かれた食品の所望の部位を局所的に加熱でき、目的に応
じた均一な加熱分布が得られる。
【0206】なお、位置検出手段は、光センサ(発光素
子と受光素子)、荷重による判別、温度による判別な
ど、食品の位置が検出できればよい。
【0207】なお、設定手段は、位置検出手段以外に
も、食品の材質(液体かどうか)や温度(冷凍かどう
か)、形状などの状態を検出する手段と組み合わせるこ
とで、同様のことが実現できる。
【0208】
【発明の効果】以上説明したように本発明の高周波加熱
装置によれば以下の効果がある。
【0209】被加熱物の下方の複数の放射アンテナから
電磁波を放射させたい放射アンテナを選択し、所望の位
置に制御するので、被加熱物の底面側より狙ったところ
を選択的に加熱することができ、簡単な構成で、被加熱
物を所望の仕上がり状態にすることができる。
【0210】また、伝送切替手段により伝送手段内で電
磁波の伝送状態を変更したり、電磁波発生制御手段によ
り電磁波発生手段を切替るので、電磁波を放射させたい
放射アンテナにのみ電磁波を伝送する事ができ、容易に
放射アンテナを選択できる。
【0211】また、電磁波発生手段と伝送手段が載置台
よりも下方に位置するので、加熱室の側方かつ載置台の
上方に電磁波発生手段や伝送手段の設置スペースが不要
であり、加熱室の幅と奥行き(面積)を広くすることが
できる。よって高周波加熱装置全体の外観が同じでも、
複数の被加熱物を同時に載置台に置いたり、より大きな
皿を出し入れすることができる。同様に、電磁波発生手
段と伝送手段が載置台よりも下方に位置するので、重心
が低くなり、安定性を増すことができる。
【0212】また、駆動手段により放射アンテナを制御
するので、容易に放射アンテナの位置を制御できる。
【0213】また、複数の放射アンテナの軌跡が互いに
重ならないか、または、一部で軌跡が重なる重複部を有
するが互いに接触しないので、安全かつ正確に放射アン
テナを位置制御することができる。
【0214】また、複数の放射アンテナの軌跡の中心が
載置台の中心から見て等距離なので、載置台の中心に位
置する被加熱物に対して複数の放射アンテナを対称に構
成できる。よって複数の放射アンテナを同形状にすれ
ば、どの放射アンテナからの加熱効率をも同等にするこ
とができ、加熱シーケンスが共用化できるため制御が容
易であるとか、部品の共用化が図れる。
【0215】また、複数の放射アンテナと載置台との鉛
直距離が等距離なので、それぞれの放射アンテナの真上
にある被加熱物に対して、加熱効率を同等にすることが
できるので加熱シーケンスが共用化できて制御しやす
い。
【0216】また、載置台の上方の電磁波放射手段によ
り上方からも被加熱物を加熱できるので、被加熱物上面
の加熱遅れを無くしたり、上面だけを加熱したり、より
自在に加熱分布を変更することができる。
【0217】また、載置台の上方で被加熱物を載置する
焦げ目付皿は、遮蔽板の下面に電磁波を吸収して発熱す
る発熱体を有するので、所望の放射アンテナからの電磁
波で発熱体の所望の部分に給電できる。よって放射アン
テナの位置により発熱体の所望の部分のみを昇温させ、
遮蔽板を介して被加熱物を局部的に焼くなど所望の焼き
方ができる。同様に、放射アンテナの位置により発熱体
の所望の部分のみを昇温させることができるので、無駄
な加熱をせず、効率的に加熱することができる。
【0218】また、被加熱物の物理量に応じて伝送切替
手段や電磁波発生手段を制御するので、適切な放射アン
テナを選択して、被加熱物を適切な仕上がり状態にする
ことができる。
【0219】また、使用者の設定に応じて伝送切替手段
や電磁波発生手段を制御するので、所望の放射アンテナ
を選択して、被加熱物を適切な仕上がり状態にすること
ができる。
【0220】また、被加熱物の物理量に応じて、放射ア
ンテナを適切な位置に制御するので、被加熱物を適切な
仕上がり状態にすることができる。
【0221】また、使用者の設定に応じて、放射アンテ
ナを所望の位置に制御するので、被加熱物を所望の仕上
がり状態にすることができる。
【0222】さらに、被加熱物の温度分布に応じて、適
切な放射アンテナを選択し、放射アンテナを適切な位置
に制御できるので、被加熱物を適切な仕上がり状態にす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の高周波加熱装置のブロック
【図2】本発明の実施例2の電子レンジの断面構成図
【図3】本発明の実施例3の高周波加熱装置の要部ブロ
ック図
【図4】本発明の実施例4の電子レンジの断面構成図
【図5】本発明の実施例5の高周波加熱装置の要部構成
【図6】本発明の実施例6の高周波加熱装置の要部構成
【図7】本発明の実施例7の高周波加熱装置の要部構成
【図8】(a)本発明の実施例8の高周波加熱装置の要
部上面構成図 (b)同高周波加熱装置の要部側面構成図
【図9】(a)本発明の実施例9の高周波加熱装置の要
部上面構成図 (b)同高周波加熱装置の要部側面構成図
【図10】(a)本発明の実施例10の高周波加熱装置
の要部上面構成図 (b)同高周波加熱装置の要部側面構成図
【図11】本発明の実施例11の高周波加熱装置の要部
構成図
【図12】(a)本発明の実施例12の高周波加熱装置
の要部上面構成図 (b)同高周波加熱装置の要部側面構成図
【図13】(a)本発明の実施例13の高周波加熱装置
の要部構成図 (b)同高周波加熱装置の要部構成図
【図14】本発明の実施例14の高周波加熱装置の要部
構成図
【図15】(a)本発明の実施例15の高周波加熱装置
の要部上面構成図 (b)同高周波加熱装置の要部側面構成図
【図16】(a)本発明の実施例16の高周波加熱装置
の断面構成図 (b)同高周波加熱装置の上面構成図
【図17】本発明の実施例17の高周波加熱装置の要部
構成図
【図18】本発明の実施例18の高周波加熱装置の要部
構成図
【図19】本発明の実施例19の高周波加熱装置の要部
構成図
【図20】本発明の実施例20の高周波加熱装置の断面
構成図
【図21】本発明の実施例21の高周波加熱装置の断面
構成図
【図22】(a)本発明の実施例22の高周波加熱装置
の要部上面構成図 (b)同要部断面構成図 (c)同要部側面構成図
【図23】同放射アンテナの特性図
【図24】同放射アンテナの特性図
【図25】同放射アンテナの特性図
【図26】同高周波加熱装置の特性図
【図27】同高周波加熱装置の特性図
【図28】本発明の実施例23の高周波加熱装置の要部
構成図
【図29】同高周波加熱装置の特性図
【図30】同高周波加熱装置の特性図
【図31】(a)本発明の実施例24の高周波加熱装置
の要部上面構成図 (b)同要部側面構成図
【図32】(a)本発明の実施例25の高周波加熱装置
の要部上面構成図 (b)同要部側面構成図
【図33】(a)本発明の実施例26の高周波加熱装置
の要部上面構成図 (b)同要部断面構成図 (c)同要部側面構成図
【図34】同放射アンテナの特性図
【図35】本発明の実施例27の高周波加熱装置の要部
構成図
【図36】同高周波加熱装置の特性図
【図37】本発明の実施例28の電子レンジの温度分布
検出手段の断面構成図
【図38】同電子レンジの制御手段のブロック図
【図39】同電子レンジの特性図
【図40】本発明の実施例29の電子レンジの制御手段
のブロック図
【図41】本発明の実施例30の電子レンジの制御手段
のブロック図
【図42】従来の高周波加熱装置の断面構成図
【図43】従来の他の高周波加熱装置の構成図
【図44】同高周波加熱装置の断面構成図
【図45】従来の他の高周波加熱装置の要部構成図
【図46】同高周波加熱装置の要部構成図
【図47】従来の他の高周波加熱装置の断面構成図
【図48】従来の他の高周波加熱装置の断面構成図
【図49】同高周波加熱装置の要部構成図
【図50】同高周波加熱装置の要部断面構成図
【図51】容器の構成図
【図52】(a)従来の他の高周波加熱装置の特性図 (b)同特性図
【符号の説明】
1 加熱室 2 載置台 3、104a、104b、104 食品(被加熱物) 5、15a、15b、15c、27a、27b、27
c、27d、27e、27f、27g、27c、27
j、27k、27ι、43、50、82、93、98、
105a、105b、105c、105d、117、1
23a、123b、145 放射アンテナ 6 伝送切替手段 7 切替制御手段 8 位置制御手段 10、21a、21b、21c、47、63、79 マ
グネトロン(電磁波発生手段) 12、81 伝送手段 16a、16b、16c、16d、34、51、97、
146 ステッピングモータ(駆動手段) 17a、17b 遮蔽板(伝送切替手段) 18 温度分布検出手段(物理量検出手段) 19 設定手段 22、83 電磁波発生制御手段 35a、35b 重複部 67、72a、72b 反射板(伝送切替手段) 84 他の電磁波放射手段 87 焦げ目付皿 88 遮蔽板 89 発熱体

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱室内の被加熱物の下方に位置する移動
    自在の複数の放射アンテナと、この複数の放射アンテナ
    からの電磁波の放射の有無を選択して切替るとともに、
    放射アンテナの位置を制御して被加熱物の所望の仕上が
    り状態が得られるようにしたことを特徴とする高周波加
    熱装置。
  2. 【請求項2】加熱室と、前記加熱室内で被加熱物を載置
    する載置台と、前記載置台の下方より電磁波を放射して
    前記被加熱物を加熱する複数の放射アンテナと、前記複
    数の放射アンテナへの電磁波の伝送の有無を選択して切
    替る伝送切替手段と、前記伝送切替手段を制御する切替
    制御手段と、前記放射アンテナの位置を制御する位置制
    御手段を備えた請求項1記載の高周波加熱装置。
  3. 【請求項3】電磁波発生手段と、前記電磁波発生手段が
    発生した電磁波を放射アンテナに伝送する伝送手段を備
    え、伝送切替手段は、前記伝送手段内で電磁波の伝送状
    態を変更するようにした請求項2記載の高周波加熱装
    置。
  4. 【請求項4】加熱室と、前記加熱室内で被加熱物を載置
    する載置台と、前記載置台の下方より電磁波を放射して
    前記被加熱物を加熱する複数の放射アンテナと、前記複
    数の放射アンテナに対応する複数の電磁波発生手段と、
    前記複数の電磁波発生手段の電磁波の発生の有無を選択
    して切替制御する電磁波発生制御手段と、前記放射アン
    テナの位置を制御する位置制御手段を備えた請求項1記
    載の高周波加熱装置。
  5. 【請求項5】電磁波発生手段と伝送手段は、載置台より
    も下方に位置させた請求項3または4記載の高周波加熱
    装置。
  6. 【請求項6】放射アンテナを駆動する駆動手段を備え、
    位置制御手段は、前記駆動手段を制御することにより前
    記放射アンテナの位置を制御する請求項2ないし5のい
    ずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  7. 【請求項7】複数の放射アンテナの軌跡が互いに重なら
    ないようにした請求項2ないし6のいずれか1項に記載
    の高周波加熱装置。
  8. 【請求項8】複数の放射アンテナを、前後、左右または
    上下の少なくとも一方に距離を離した請求項7記載の高
    周波加熱装置。
  9. 【請求項9】少なくとも1つの放射アンテナの駆動範囲
    を限定する限定手段を有した請求項7記載の高周波加熱
    装置。
  10. 【請求項10】複数の放射アンテナは、軌跡の少なくと
    も一部が他の放射アンテナの軌跡と重なる重複部を有す
    るが、前記重複部においても互いに接触しないようにし
    た請求項2ないし6のいずれか1項に記載の高周波加熱
    装置。
  11. 【請求項11】位置制御手段は、第1の放射アンテナが
    軌跡の重複部に位置するときは他の放射アンテナを軌跡
    の重複部とは異なる位置に制御する請求項10記載の高
    周波加熱装置。
  12. 【請求項12】複数の放射アンテナは、それぞれの軌跡
    の中心が載置台の中心から見て等距離に位置させた請求
    項2ないし11のいずれか1項に記載の高周波加熱装
    置。
  13. 【請求項13】複数の放射アンテナは、載置台とのそれ
    ぞれの鉛直距離を等距離とした請求項2ないし12のい
    ずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  14. 【請求項14】載置台の上方より電磁波を放射して被加
    熱物を加熱する電磁波放射手段を有する請求項2ないし
    13のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  15. 【請求項15】載置台の上方に位置し被加熱物を載置す
    る焦げ目付皿と、前記焦げ目付皿は、電磁波を遮蔽する
    遮蔽板と、前記遮蔽板の下面に放射アンテナからの電磁
    波を吸収して発熱する発熱体とを有する請求項2ないし
    14のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  16. 【請求項16】被加熱物の物理量を検出する物理量検出
    手段を有し、前記物理量検出手段が検出した物理量によ
    り、切替制御手段が伝送切替手段を制御するかまたは電
    磁波発生制御手段が電磁波発生手段を制御する請求項2
    ないし15のいずれか1項に記載の高周波加熱装置。
  17. 【請求項17】使用者が被加熱物の名称、種類および加
    熱前の状態に関する情報または加熱方法または加熱仕上
    がり状態の少なくとも1つを設定できる設定手段を有
    し、前記設定手段の設定により切替制御手段が伝送切替
    手段を制御するかまたは電磁波発生制御手段が電磁波発
    生手段を制御する構成とした請求項2ないし16のいず
    れか1項に記載の高周波加熱装置。
  18. 【請求項18】被加熱物の物理量を検出する物理量検出
    手段を有し、位置制御手段は、前記物理量検出手段が検
    出した物理量により放射アンテナの位置を制御する構成
    とした請求項2ないし17のいずれか1項に記載の高周
    波加熱装置。
  19. 【請求項19】使用者が被加熱物の名称、種類および加
    熱前の状態に関する情報または加熱方法または加熱仕上
    がり状態の少なくとも1つを設定できる設定手段を有
    し、位置制御手段は、前記設定手段の設定により放射ア
    ンテナの位置を制御する請求項2ないし18のいずれか
    1項に記載の高周波加熱装置。
  20. 【請求項20】物理量検出手段は、被加熱物の温度分布
    を検出する温度分布検出手段とした請求項16または1
    8記載の高周波加熱装置。
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