JPH10169780A - ゴムパッキンおよびその製造方法 - Google Patents

ゴムパッキンおよびその製造方法

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JPH10169780A
JPH10169780A JP33913496A JP33913496A JPH10169780A JP H10169780 A JPH10169780 A JP H10169780A JP 33913496 A JP33913496 A JP 33913496A JP 33913496 A JP33913496 A JP 33913496A JP H10169780 A JPH10169780 A JP H10169780A
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hardness
rubber
low
mold
groove
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JP33913496A
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Inventor
Hiroshi Matsumoto
博史 松本
Tsutomu Saga
努 佐賀
Masahide Takahashi
昌秀 高橋
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケースへの取付が容易に行え、また、細いパ
ッキンにも適用でき、さらに、強度等の信頼性に優れ、
かつ、安価に製造できるゴムパッキン、およびその製造
方法を提供する。 【解決手段】 携帯電話機等のケースCと接触する両側
部分にゴム硬度(JIS−A)10〜40°Hsの低硬
度シリコーンゴムからなる低硬度部分1aを、これら低
硬度部分1a間にゴム硬度(JIS−A)が50〜90
°Hsの高硬度部分1bを配してシリコーンゴムパッキ
ン1を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ゴムパッキンお
よびその製造方法、特に、携帯電話機のケース等に適し
た小径(細い)のゴムパッキンと、小径のゴムパッキン
の製造に適した製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気・電子機器のハウジング、例えば、
携帯電話機のケースには接合部分に防水等を目的として
ゴムパッキンが設けられる。一般に、このようなゴムパ
ッキンは、ケースとの密着性や追従性等に優れた低硬度
シリコーンゴムからなり、射出成形等で成形される。そ
して、ゴムパッキンのケースへの取付は、ケースの接合
部分に条溝を形成し、この条溝内にゴムパッキンを嵌着
する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たゴムパッキン、特に、低硬度のシリコーンゴム等から
なるゴムパッキンは、伸びやすく、かつ、捻れやすく、
取り扱いにくく、ケースの条溝への嵌着させる取付作業
が極めて困難であるという問題があった。そこで、本発
明者は、内部に金属線等の芯材を埋入させたゴムパッキ
ン(便宜上、比較技術1と称する)、低硬度ゴムで硬質
樹脂シートを挟み込んだサンドイッチ構造のゴムパッキ
ン(比較技術2)を試みた。
【0004】ところが、比較技術1にかかるゴムパッキ
ンは、射出成形等に際して高精度が求められるため、細
いパッキンに適用することが極めて困難で、仮に適用で
きたとしてもコストの増大が避けられないという欠点が
あった。特に、近年の電気・電子機器の小型化に伴い、
ゴムパッキンも細化が求められていることから、実用化
の利益も乏しいものである。
【0005】また、比較技術2にかかるゴムパッキン
は、シリコーンゴムを採用した場合、シリコーンゴムが
硬質樹脂シートとの接着性に劣るため、シリコーンゴム
を樹脂シートに強固に接着できず、強度的な信頼性に劣
るという欠点があった。この欠点は、樹脂シートと接着
するシリコーンゴムを採用することで解決できるとも考
えられるが、射出成形等に際しての金型離型性等が悪化
し、生産性の低下をもたらすという欠点を生じる。この
発明は、上記問題および欠点に鑑みなされたもので、ケ
ースへの取付が容易に行え、また、細いパッキンにも適
用でき、かつ、信頼性に優れ安価に製造できるゴムパッ
キン、およびその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、2つの部材間に介装され
るゴムパッキンであって、部材と接触する部分に低硬度
の低硬度ゴム部を、これら低硬度ゴム部の間、または内
部に高硬度の高硬度ゴム部を配した、該高硬度ゴム部と
低硬度ゴム部を複合した。
【0007】そして、この発明にかかるゴムパッキン
は、前記低硬度ゴム部のゴム硬度が10〜40°Hs
(JIS−A)のシリコーンゴム、前記高硬度ゴム部の
ゴム硬度が50〜90°Hs(JIS−A)のシリコー
ンゴムからなる態様(請求項2)も、また、前記高硬度
ゴム部が前記低硬度ゴム部側へ突出して該低硬度ゴム部
内に埋没する突出部分を一体に備える態様(請求項3)
に構成することができる。
【0008】また、請求項4に記載の発明は、成形用の
条溝が形成された上型と、成形用の条溝が形成された下
型と、前記上型の条溝の開口部分および前記下型の条溝
の開口部分に嵌入可能な突条が上下面に形成された中間
型とを用いるゴムパッキンの製造方法であって、前記中
間型の上下に前記上型と下型とを配置し、該下型の条溝
上に加硫前低硬度ゴムシートを載置するとともに、前記
中間型の上面の突条上に粘土状の低硬度ゴム組成物から
なる加硫前低硬度ゴムシートを載置する第1の工程と、
前記上型および前記下型をそれぞれ前記加硫前低硬度ゴ
ムシートを介し前記中間型に圧接させて前記溝内の底部
分に前記加硫前低硬度ゴムシートを部分的に抜き取る第
2の工程と、前記中間型を前記上型と前記下型の間から
移動させた後、前記上型の条溝と前記下型の条溝との間
に粘土状の高硬度ゴム組成物からなる加硫前高硬度ゴム
シートを介装し、該加硫前高硬度ゴムシートを前記上型
と下型とにより挟圧して各条溝の開口部分に該条溝の底
部分の加硫前低硬度ゴムシートと固着させて前記加硫前
高硬度ゴムシートを部分的に抜き取る第4の工程と、前
記上型と下型により抜き取られて固着した加硫前高硬度
ゴムシートと加硫前低硬度ゴムシートとを加硫する第5
の工程と、を備える。
【0009】さらに、請求項5に記載の発明は、成型用
の条溝が形成された上型と、成型用の条溝が経営された
下型と、該下型の条溝または前記上型の条溝の少なくと
も一方の開口側部分に嵌入可能な突条が形成された中間
型とを用いるゴムパッキンの製造方法であって、前記中
間型の上面に前記上型の条溝開口面を、前記中間型の下
面に前記下型の条溝開口面を密着させて前記条溝に前記
突条を嵌入させ、各条溝内に一次成形キャビティを画成
する第1の工程と、前記一次成形キャビティ内に低硬度
ゴム組成物を注入する第2の工程と、前記一次成形キャ
ビティ内の低硬度ゴム組成物を加硫する第3の工程と、
前記上型の条溝開口面と前記下型の条溝開口面を密着さ
せて二次成形キャビティを画成し、該二次成形キャビテ
ィ内に高硬度ゴム組成物を注入する第4の工程と、前記
二次成形キャビティ内の高硬度ゴム組成物を加硫する第
5の工程と、を備える。
【0010】
【作用】この発明にかかるゴムパッキンは、低硬度ゴム
部の間に高硬度ゴム部を配した積層構造、いわゆるサン
ドイッチ構造で、低硬度ゴム層がケース等に弾接するた
め従来と同様にケース内を封止性が損なわれることがな
く、また、高硬度ゴム層が剛性の向上に寄与するため、
ケースへの取付に際して必要以上に伸びすぎたり、捻れ
ることがなく、取付を容易に行える。
【0011】そして、請求項2に記載のゴムパッキン
は、低硬度ゴム部にゴム硬度が10〜40°Hs(JI
S−A)のシリコーンゴム、高硬度ゴム部のゴム硬度に
50〜90°Hs(JIS−A)のシリコーンゴムを用
いるため、使用時にケースとの密着性に優れ、また、こ
れらシリコーンゴムの厚み(断面積比)を適当に調整す
ることでパッキンとして最適な伸び特性、圧縮特性等が
得られる。また、請求項3に記載のゴムパッキンは、高
硬度ゴム層の形状、すなわち、断面二次モーメントや断
面二次極モーメント等を変えて伸び剛性や捻り剛性を調
整でき、剛性の設定等に大きな自由度が得られる。
【0012】さらに、請求項4に記載の発明にかかる製
造方法は、加硫前低硬度ゴムシートを上型、下型中間型
を用いて抜き取り、この抜き取った加硫前低硬度ゴムシ
ートに加硫前高硬度ゴムシートを圧着した後、常温ある
いは加熱により硬化させるため、プライマ処理等を行う
ことなく強固に固着でき、また、成形する形状(断面形
状等)の自由度も大きく、種々の形状のゴムパッキンを
容易に製造できる。
【0013】またさらに、請求項5に記載の発明にかか
る製造方法は、上型と下型の条溝内に画成される一次成
形キャビティ内に低硬度ゴム組成物を注入し、この低硬
度ゴム組成物を加硫して型に保持した状態で二次成形キ
ャビティを画成し、この二次成形キャビティ内に高硬度
ゴム組成物を注入する。このため、一次成型品を型から
取り出す必要が無く、成形が容易に行え、また、一次成
形部分と二次成形部分を強固に固着できる。
【0014】
【実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面を参
照して説明する。図1から図はこの発明の一の実施の形
態にかかるゴムパッキンを示し、図1aがゴムパッキン
の全体斜視図、図1bが同ゴムパッキンの断面図、図2
a,b,cが同ゴムパッキンの他の態様を示す断面図、
図3および図4が同ゴムパッキンの製造工程における状
態を時系列的に示す断面図である。
【0015】図1a,bにおいて、1はシリコーンゴム
パッキンであり、シリコーンゴムパッキン1は、断面形
状が略楕円形状の矩形枠状をなし、携帯電話機のケース
C接合部分等に介装されてケースCに密着する。そし
て、このシリコーンゴムパッキン1は、ケースCと接触
する図中上下部分に低硬度部分1aを、これら低硬度部
分1a,1a間に高硬度部分1bを一体的に有する。
【0016】低硬度部分1aはそれぞれ、高硬度部分1
bの図中上下面に一体的に固着され、先端が断面略半円
弧面をなす。これら低硬度部分1aはゴム硬度(JIS
−A)が10〜40°Hsのシリコーンゴムからなり、
また、高硬度部分1bは、断面略矩形をなし、ゴム硬度
(JIS−A)が50〜90°Hsのシリコーンゴムか
らなる。具体的な数値を例示すれば、このシリコーンゴ
ムパッキン1は、低硬度部分1aのゴム硬度が20°、
高硬度部分1bのゴム硬度が80°で、低硬度部分1a
と高硬度部分1bの断面積比が1:2程度であれば、伸
び特性として全体がゴム硬度55°のシリコーンゴムに
相当する伸び特性が、また、圧縮特性としてゴム硬度が
25°のシリコーンゴムに相当する特性が得られる。
【0017】なお、低硬度部分1aおよび高硬度部分1
bのシリコーンゴムは、市販のシリコーンゴムを使用で
きるが、加工性等の観点からは過酸化物加硫型や付加硬
化型のシリコーンゴムが望ましく、具体的には、低硬度
部分1aのシリコーンゴムとしてKE520,KE53
0,KE931,KE1950−10,KE1950−
20(いずれも信越化学(株)製・商品名)等が、ま
た、高硬度部分1bのシリコーンゴムとしてKE95
1,KE961,KE971,KE981,KE89
1,KE1950−60,KE1950−60,KE1
938(いずれも信越化学(株)製・商品名)等が用い
られる。
【0018】そして、このシリコーンゴムパッキン1
は、図3,4に示すような上型11、下型12および中
間型13を有する金型装置10を用いて製造される。先
ず、金型装置10を説明すると、中間型13を水平移動
可能に支持し、中間型13の上方に上型11を上下動可
能に、中間型13の下方に下型12を上下動可能に配置
して構成される。
【0019】上型11には、中間型13と対向する上面
にシリコーンゴムパッキン1の矩形枠状と対応して成形
溝11aが、この成形溝11aの両側に余肉収容溝11
bが形成される。同様に、下型12にも、中間型13と
対向する上面に成形溝12aと余肉収容溝12bが形成
される。中間型13には、上下面にそれぞれ上型11の
成形溝11aと下型12の成形溝12aの開口側部分に
嵌入可能な突条13aが、この突条13aの両側に余肉
収容溝13bが形成される。
【0020】次に、成形(製造)過程を説明すると、先
ず、図3aに示すように、中間型13の上下に上型11
と下型12を各突条13aと成形溝11a,12aを対
向させて配置し、下型12および中間型13上にそれぞ
れ加硫前低硬度シリコーンゴムシート21を載置する。
加硫前低硬度シリコーンゴムシート21は、完成状態の
シリコーンパッキン1(図1参照)と対応した枠形のシ
ート状をなし、粘土状の加硫前(未硬化)の低硬度シリ
コーンゴム組成物(前述したKE520等)からなる。
【0021】続いて、図3bに示すように、上型11を
下動、下型12を上動して上型11と下型12を中間型
13の上下面に密着・加圧する。このため、加硫前低硬
度シリコーンゴムシート21は、押し潰されて一部が成
形溝11a,12a内に充填され、突条13aにより押
圧されて成形される。そして、加硫前低硬度シリコーン
ゴムシート21の余剰の加硫前シリコーンゴム組成物が
余肉収容溝11b,12b,13b内に充満する。
【0022】次に、上型11を上動、下型12を下動さ
せて形開きを行い、中間型13を上型11と下型12の
間から移動させ、また、各余肉収容溝11b,12b,
13b内の加硫前低硬度シリコーンゴムを除去する。そ
して、所定の条件、例えば、150°C、2分間程度の
条件で、成形溝11a,12a内のシリコーンゴム組成
物を加熱し、低硬度部分1aを成形する。
【0023】なお、この段階での加熱は必ずしも行う必
要がなく、加硫前低硬度シリコーンゴム組成物が未加硫
の状態で次の段階に進むことも可能であり、また、常温
放置して加硫させることも可能である。また、加硫前シ
リコーンゴムシート21を用いることなく、成形溝11
a,12a内に溶融状態の加硫前低硬度シリコーンゴム
組成物を注入し、このシリコーンゴム組成物を硬化させ
て図4aに示す工程に進むことも可能である。
【0024】次いで、図4aに示すように、下型12上
に枠状の加硫前高硬度シリコーンゴムシート22を載せ
る。この加硫前高硬度シリコーンゴムシート22は、前
述した加硫前低硬度シリコーンゴムシート21と同様
に、粘土状であって、加硫前の高硬度シリコーンゴム組
成物(前述したKE951等)からなる。この後、図4
bに示すように、上型11と下型12を密着させて加硫
前高硬度シリコーンゴムシート22を挟圧する。このた
め、高硬度シリコーンゴムシート22は、一部の組成物
が各成形溝11a,12a内の低硬度部分1a上に充満
し、また、余剰の組成物が余肉収容溝11b,12b内
に充満する。
【0025】そして、この成形溝11a,12a内の高
硬度シリコーンゴム組成物を常温あるいは加熱し、例え
ば、150°C、5分間程度の条件で加熱し、低硬度部
分1aと一体に固着した高硬度部分1bを成形する。す
なわち、シリコーンゴムパッキン1が完成する。
【0026】なお、上述した実施の形態では、図3,4
に示す金型装置10を用いてシリコーンゴムパッキン1
を製造するが、以下に述べるように、いわゆる二色成形
により製造することも可能である。すなわち、低硬度部
分1aあるいは高硬度部分1bのいずれか一方を注入成
形、圧縮成形、射出成形、押出成形あるいはトランスフ
ァー成形等により成形し(一次成形)、この一次成形品
が硬化した後に金型に定置して他方を上述した注入成形
等で成形することも可能である。
【0027】この実施の形態にかかるシリコーンゴムパ
ッキン1は、ゴム硬度が10〜40°Hsの低硬度部分
1aとゴム硬度が50〜90°Hsの高硬度部分1bと
をサンドイッチ状に積層してなり、低硬度部分1aがケ
ースCと接触する。このため、このシリコーンゴムパッ
キン1は、ケースCに組み付けて用いた場合には従前の
シリコーンゴムパッキンと同様に優れた封止性が得ら
れ、また、高硬度部分1bにより伸びや捻れに対する剛
性が向上するためケースCへの取付作業も容易に行え
る。
【0028】すなわち、伸び特性を例に説明すれば、
【0029】そして、上述した金型装置10を用いたシ
リコーンゴムパッキン1の製造に際しては、成形溝11
a,12aや突条13aの形状を適宜変更することで低
硬度部分1aや高硬度部分1bの形状も任意に調整で
き、形状の設定に大きな自由度が得られ、また、加硫前
の高硬度シリコーンゴム組成物を成形された低硬度部分
1aと密着させて成形し、この状態で加硫させるため低
硬度部分1aと高硬度部分1bを強固に固着できる。
【0030】なお、述べるまでもないが、この発明にか
かるシリコーンゴムパッキン1は、上述した図1bの断
面形状に限定されるものではなく、図2aに示すように
高硬度部分1bを断面円形に成形して低硬度部分1a内
に埋没させることもでき、また、図2bに示すように外
周あるいは内周の一側等に断面矩形の高硬度部分1bを
形成することもでき、さらに、図2cに示すように高硬
度部分1bの一部を低硬度部分1a内に埋入させて剛性
のより向上を図ることも可能である。
【0031】図5はこの発明の他の実施の形態にかかる
ゴムパッキンの製造方法を示し、製造過程をアルファベ
ット順で時系列的に示す。なお、この実施の形態におい
ては、前述した金型装置10と対応する部分についての
一部の説明を省略する。先ず、製造に用いる金型装置5
0を説明すると、51は上型、52は下型、53は上型
51と下型52の間に配置された中間型である。上型5
1および下型52は上下動可能に、中間型53は水平移
動可能に支持される。
【0032】上型51は下面に成形溝51aを、下型5
2は上面に上型51の成形溝51aより深さが深い成形
溝52aを有し、また、中間型53は下面に下型52の
成形溝52aの開口側部分に嵌入可能な突条53aを有
する。これら上型51と中間型53は密着した状態で低
硬度部分1a成型用の一次キャビティ(成形溝と同一の
番号51aで示す)を画成し、また同様に、下型52と
中間型53は密着した状態で低硬度部分1a成型用の一
次キャビティ(成形溝と同一の番号52aを用いる)を
画成する。
【0033】そして、シリコーンゴムパッキン1の製造
に際しては、先ず、図5aに示すように、中間型53の
上下面にそれぞれ上型51と下型52を密着させて一次
キャビティ51a,52aを画成し、これら一次キャビ
ティ51a,52a内に低硬度シリコーンゴム組成物を
注入する。そして、この一次キャビティ51a,52a
内の低硬度シリコーンゴム組成物を加熱・硬化させて低
硬度部分1aを成形し、硬化後に上型51を上動、下型
52を下動させて型を開く。なお、「硬化」とは完全硬
化のみを意味するものではなく、後の高硬度シリコーン
ゴム組成物と混合しない程度、すなわち、界面が形成さ
れている状態を言う。
【0034】次に、中間型53を型51,52a間から
移動させ、図5bに示すように、上型51と下型52を
密着させて二次キャビティ(中間型53の突条53aと
同一の番号で示す)を画成する。すなわち、型51,5
2を密着させ、成形溝51a,52a間に突条53aと
対応した二次キャビティ53aを画成する。そして、二
次キャビティ53a内に高硬度シリコーンゴム組成物を
注入する。この後、この高硬度シリコーンゴム組成物を
加熱して硬化させ、低硬度部分1aと一体化した高硬度
部分1bを有するシリコーンゴムパッキン1が完成す
る。
【0035】なお、この実施の形態では、中間型53に
は一面にのみ突条53aを形成し、この突条53aを下
型52の成形溝52aの開口側部分に嵌入させるが、中
間型53に上型51の成形溝51aの開口側部分に嵌入
する突条と下型52の成形溝52aの開口側部分に嵌入
する突条の双方を形成することも可能である。
【0036】
【実施例】次に、この発明の実施例を比較例1,2と対
比して説明する。 ・実施例 実施例は、図5に示す金型装置10を用いて製造した。
製造に際しては、上型11の成形溝11aおよび下型1
2の成形溝12a内に低硬度シリコーンゴム組成物KE
1950−20を注入し、150°Cで2分間加熱・硬
化させて低硬度部分1aを成形した後、中間形3を外
し、下型12の成形溝12a内の低硬度部分1a上に高
硬度シリコーンゴム組成物KE981を注入し、上型1
1と下型12を閉じて150°Cで5分間加熱して硬化
させ、低硬度部分1aと一体化した高硬度部分1bを成
形した。
【0037】・比較例1 実施例と同様に、低硬度シリコーン組成物KE1950
−20のみで全体を成形した。 ・比較例2 実施例と同様に、高硬度シリコーン組成物KE981の
みで全体を成形した。
【0038】そして、実施例1、比較例1,2をケース
Cに組み込んで作業性の良否を評価し、また、組み込ん
だケースCの水没試験を行った。作業性については、実
施例はパッキンの不要な伸びや捻れが無く、良好であっ
たが、比較例1はゴムの不要な伸びや捻れが起き、実施
例と比較して約5倍の時間を要し、また、比較例2は実
施例と同様に良好であった。水没試験に付いては、実施
例および比較例1はともにケースC内に水漏れが生じる
ことはなかったが、比較例2はケースC内に水漏れが生
じた。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明にかかるゴムパッキンによれば、ケース等と接触す
る部位にゴム硬度が低い低硬度ゴム部を、これら低硬度
ゴム部の間にゴム硬度が高い高硬度ゴム部を配した積層
構造としたため、ケースに組み付けた際の封止性を損な
うこと無く伸びや捻りに対する剛性を改善でき、ケース
への組み付け作業が容易に行えるという効果が得られ
る。特に、請求項3に記載のゴムパッキンは、全体の形
状や大きさを変えることなく捻り等に対する剛性を改善
でき、ケースへの組み付け等がより容易に行える。
【0040】また、請求項4に記載の発明にかかるゴム
パッキンの製造方法によれば、上型と下型の間に中間型
を配置し、上型と下型をそれぞれ粘土状の低硬度ゴム組
成物からなるシートを介して圧接して上型の成形溝内の
底部分および下型の成形溝内の底部分に低硬度ゴム組成
物で低高度ゴム部を成形した後、これら上型と下型を粘
土状の高硬度ゴム組成物からなるシートを介して圧接さ
せ、上型の成形溝の開口側部分と下型の成形溝の開口側
部分に高硬度ゴム部を成形し、これら成形されたゴム部
を加硫してゴムパッキンを製造するため、高硬度ゴム部
等の形状に大きな自由度が得られ、また、低硬度ゴム部
と高硬度ゴムを強固に密着できるという効果が得られ
る。
【0041】さらに、請求項5に記載の発明にかかるゴ
ムパッキンの製造方法によれば、上型と下型の条溝内に
画成される一次成形キャビティ内に低硬度ゴム組成物を
注入し、この低硬度ゴム組成物を加硫して低硬度ゴム部
を成形し、次いで、下型と上型を低硬度ゴム部を保持し
た状態で密着させて二次成形キャビティを画成し、この
二次成形キャビティ内に高硬度ゴム組成物を注入して高
硬度ゴム部を成形するため、一次成型品である低硬度ゴ
ム部を型から取り出す必要が無く、成形が容易に行え、
また、二次成型品である高硬度ゴム部低硬度ゴム部を強
固に密着できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一の実施の形態にかかるシリコーン
ゴムパッキンを示し、aが全体斜視図、bが断面図であ
る。
【図2】a,b,cがそれぞれ他の態様にかかるシリコ
ーンゴムパッキンの断面図である。
【図3】同シリコーンゴムパッキンの製造過程をアルフ
ァベット順で時系列に示す模式断面図である。
【図4】図3bに続く製造過程をアルファベット順で時
系列的に示す模式断面図である。
【図5】同シリコーンゴムパッキンの他の製造方法によ
る製造過程をアルファベット順で時系列的に示す模式断
面図である。
【符号の説明】
1 シリコーンゴムパッキン 1a 低硬度部分(低硬度ゴム部) 1b 高硬度部分(高硬度ゴム部) 10 金型装置 11 上型 11 成形溝 12 下型 12a 成形溝 13 中間型 13a 突条 21 加硫前低硬度シリコーンゴムシート 22 加硫前高硬度シリコーンゴムシート 50 金型装置 51 上型 51a 成形溝 52 下型 52a 成形溝 53 中間型 53a 突条 C ケース

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの部材間に介装されるゴムパッキン
    であって、部材と接触する部分に低硬度の低硬度ゴム部
    を、これら低硬度ゴム部の間、または内部に高硬度の高
    硬度ゴム部を配した、該高硬度ゴム部と低硬度ゴム部の
    複合からなることを特徴とするゴムパッキン。
  2. 【請求項2】 前記低硬度ゴム部のゴム硬度が10〜4
    0°Hs(JIS−A)のシリコーンゴム、前記高硬度
    ゴム部のゴム硬度が50〜90°Hs(JIS−A)の
    シリコーンゴムからなる請求項1に記載のゴムパッキ
    ン。
  3. 【請求項3】 前記高硬度ゴム部が前記低硬度ゴム部側
    へ突出して該低硬度ゴム部内に埋入する突出部分を一体
    に備える請求項1または請求項2に記載のゴムパッキ
    ン。
  4. 【請求項4】 成形用の条溝が形成された上型と、成形
    用の条溝が形成された下型と、前記上型の条溝の開口部
    分および前記下型の条溝の開口部分に嵌入可能な突条が
    上下面に形成された中間型とを用いるゴムパッキンの製
    造方法であって、 前記中間型の上下に前記上型と下型とを配置し、該下型
    の条溝上に加硫前低硬度ゴムシートを載置するととも
    に、前記中間型の上面の突条上に粘土状の低硬度ゴム組
    成物からなる加硫前低硬度ゴムシートを載置する第1の
    工程と、 前記上型および前記下型をそれぞれ前記加硫前低硬度ゴ
    ムシートを介し前記中間型に圧接させて前記溝内の底部
    分に前記加硫前低硬度ゴムシートを部分的に抜き取る第
    2の工程と、 前記中間型を前記上型と前記下型の間から移動させた
    後、前記上型の条溝と前記下型の条溝との間に粘土状の
    高硬度ゴム組成物からなる加硫前高硬度ゴムシートを介
    装し、該加硫前高硬度ゴムシートを前記上型と下型とに
    より挟圧して各条溝の開口部分に該条溝の底部分の加硫
    前低硬度ゴムシートと密着させて前記加硫前高硬度ゴム
    シートを部分的に抜き取る第4の工程と、 前記上型と下型により抜き取られて密着した加硫前高硬
    度ゴムシートと加硫前低硬度ゴムシートとを加硫する第
    5の工程と、を備えることを特徴とするゴムパッキンの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 成型用の条溝が形成された上型と、成型
    用の条溝が経営された下型と、該下型の条溝または前記
    上型の条溝の少なくとも一方の開口側部分に嵌入可能な
    突条が形成された中間型とを用いるゴムパッキンの製造
    方法であって、 前記中間型の上面に前記上型の条溝開口面を、前記中間
    型の下面に前記下型の条溝開口面を密着させて前記条溝
    に前記突条を嵌入させ、各条溝内に一次成形キャビティ
    を画成する第1の工程と、 前記一次成形キャビティ内に低硬度ゴム組成物を注入す
    る第2の工程と、 前記一次成形キャビティ内の低硬度ゴム組成物を加硫す
    る第3の工程と、 前記上型の条溝開口面と前記下型の条溝開口面を密着さ
    せて二次成形キャビティを画成し、該二次成形キャビテ
    ィ内に高硬度ゴム組成物を注入する第4の工程と、 前記二次成形キャビティ内の高硬度ゴム組成物を加硫す
    る第5の工程と、を備えることを特徴とするゴムパッキ
    ンの製造方法。
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