JPH10169700A - 能動振動抑制装置 - Google Patents

能動振動抑制装置

Info

Publication number
JPH10169700A
JPH10169700A JP8330023A JP33002396A JPH10169700A JP H10169700 A JPH10169700 A JP H10169700A JP 8330023 A JP8330023 A JP 8330023A JP 33002396 A JP33002396 A JP 33002396A JP H10169700 A JPH10169700 A JP H10169700A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
adaptive
road surface
vehicle
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8330023A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisashi Sano
久 佐野
Jun Tanaka
潤 田中
Satoshi Nakamura
中村  聡
Mitsutake Nakamura
光勇 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP8330023A priority Critical patent/JPH10169700A/ja
Publication of JPH10169700A publication Critical patent/JPH10169700A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
  • Exhaust Silencers (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】制御性能を向上させ、かつ因果律をも満たすこ
とができる能動振動抑制装置を提供する。 【解決手段】振動源からの振動を検出した振動検出器1
からの信号を参照信号とし、参照信号に基づく車室内の
振動と逆位相の相殺信号を適応FIRデジタルフィルタ
によって生成してスピーカ5を駆動し、スピーカ5から
発生する相殺振動と振動源に基づく車室内の振動との相
殺誤差をマイクロフォン6にて検出し、マイクロフォン
6の出力信号に基づいて適応FIRデジタルフィルタの
適応パラメータを変更する能動振動抑制装置において、
路面状況認識部19にて車両前方の路面状況を検知し、
路面状況情報を参照して路面状況に対する適応パラメー
タをメモリ23から読み出し、該読み出した適応パラメ
ータを相殺誤差に基づく適応パラメータの変更に先行し
て適応パラメータとして設定するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両進行方向前方の
路面状況を検出し、検出された路面状況情報を用いて車
室内の振動を打ち消す能動振動抑制装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本明細書における「振動」の語は「騒
音」も含めた意味で使用する。
【0003】車室内振動対策の一つとして、車室内の振
動と逆位相の振動を発生させて車室内の振動を打ち消す
能動振動抑制装置(以下、“AVNC”とも記す)が知
られている。
【0004】従来の能動振動抑制装置として、例えば特
表平1−501344号に開示されたものがある。この
能動振動抑制装置では、振動源からの振動を振動検出器
によって検出し、振動検出器によって検出された振動が
参照信号として入力されてこの参照信号に基づき車室内
の振動と逆位相の相殺信号を適応制御回路によって生成
し、生成された相殺信号に基づいて発生される相殺振動
と前記振動源に基づく車室内の振動との残差である相殺
誤差を検出し、検出された相殺誤差信号に基づいて適応
制御回路に含まれている適応パラメータを変更するよう
にしたものがある。
【0005】上記した従来の能動振動抑制装置は、具体
的には、図6示すようにサスペンション、エンジンなど
による車両の振動源による発生振動を振動検出器1によ
って検出し電気信号に変換して参照信号とし、振動検出
器1から出力される参照信号をA/D変換器2によって
デジタルデータに変換する。A/D変換された参照信号
を、フィルタ係数可変のFIRデジタルフィルタ31に
供給してフィルタリングし、FIRデジタルフィルタ3
1の出力をD/A変換器4によってアナログ信号に変換
し、変換されたアナログ信号によって、相殺振動を発生
させるために車室に設けたスピーカ5を駆動する。
【0006】一方、車両の振動源によって発生した振動
とスピーカ5によって発生させた相殺振動との差である
相殺誤差信号を、車室に設けたマイクロフォン6によっ
て検出し、マイクロフォン6からの出力信号をA/D変
換器7によってデジタルデータに変換する。
【0007】A/D変換された参照信号は、振動に対す
る車室の伝達関数を同定のためのフィルタ係数固定のF
IRデジタルフィルタ8に供給してフィルタリングし、
FIRフィルタ8の出力と相殺誤差信号とに基づいて相
殺誤差信号の2乗の期待値(以下、単に期待値と記す)
が最小になる適応パラメータであるフィルタ係数の演算
を適応アルゴリズム演算部32において演算し、演算値
に基づくフィルタ係数にFIRデジタルフィルタ31の
フィルタ係数が修正される。ここで、FIRデジタルフ
ィルタ31と適応アルゴリズム演算部32とはFIR適
応フィルタを構成している。
【0008】ここで、適応制御回路として、LMSアル
ゴリズムにてフィルタ係数が修正されるFIR適応フィ
ルタによって構成されるのが普通である。
【0009】一方、車両走行中において車室内に発生す
る振動は、走行中の車両のタイヤが現に接している路面
の路面材質(アスファルト、コンクリート、石畳等の路
面)、路面粗さ、路面表面形状(段差、凹凸、継ぎ目、
わだち、マンホール、レイングルーブ、路面標識等)に
かかる路面状況などに起因しても発生し、走行中の車室
内の振動と上記の路面状況とは密接な相関がある。
【0010】しかるに、走行中の路面状況に起因して発
生する車室内の振動も、上記した従来の能動振動抑制装
置によって抑制しようとするときには、走行中の路面状
況に起因した車両の物理現象を参照信号として用いるた
め、適応アルゴリズムを用いた上記のフィードフォワー
ドAVNCでは制御対象である車室内の振動と参照信号
の因果律を満たす必要がある。
【0011】因果律を満たすためには、FIR適応デジ
タルフィルタに供給するデータを得るためのサンプリン
グ周波数を高くし、かつFIR適応デジタルフィルタの
クロック周波数をサンプリング周波数に基づき高くし
て、適応制御回路の適応制御動作を高速にて行わせる必
要がある。適応制御回路を高速にて動作させると、期待
値が速く0に収束する。
【0012】図7は、FIR適応デジタルフィルタの次
数を1とした場合のフィルタ係数(適応パラメータω
x、ωy)対期待値の関係を示す図であって、適応パラ
メータの収束の様子を矢印fによって模式的に示してい
る。図7において円状の曲線は等期待値の曲線であり、
その間隔はステップサイズである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の能動振動抑制装置においては、FIR適応デジ
タルフィルタに供給するデータを得るためのサンプリン
グ周波数を高くし、かつFIR適応フィルタのクロック
周波数をサンプリング周波数に基づき高くして、適応制
御回路の適応制御動作を高速にて行わせると、適応パラ
メータが速く収束するが、精度のよいシステム同定が困
難になって制御性能が劣化するという問題点が生ずる。
【0014】逆に、制御性能の向上を目的として低いサ
ンプリング周波数を用いてデータの変換を行い、適応制
御回路の動作クロック周波数を下げて制御動作を行わせ
るときは、因果律を満すことができないという問題点が
生ずるほかに、適応パラメータの収束が遅くなるという
問題点が生ずる。
【0015】本発明は、上記の背反的な問題点を解消し
て、制御性能を向上させ、かつ因果律をも満たすことが
できる能動振動抑制装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の能動振動抑制装
置は、振動源からの振動を検出する振動検出手段と、該
振動検出手段からの出力信号が参照信号として入力さ
れ、かつ該参照信号に基づく車室内の振動と逆位相の相
殺信号の生成を行う適応制御手段と、該適応制御手段に
より生成された相殺信号に基づいて相殺振動を発する相
殺振動発生手段と、該相殺振動発生手段により発生する
相殺振動と前記振動源に基づく車室内の振動との相殺誤
差を検出する誤差信号検出手段とを備え、該誤差信号検
出手段により検出された誤差信号に基づいて前記適応制
御手段の適応パラメータを変更する能動振動抑制装置に
おいて、車両前方の路面状況を検知する路面検知手段
と、路面状況情報に対する適応パラメータが記憶された
記憶手段と、前記路面検知手段により検知された路面状
況情報を参照して前記記憶手段から適応パラメータを読
み出し、該読み出した適応パラメータを前記誤差信号に
基づく適応パラメータの変更に先行して前記制御手段の
適応パラメータとして設定するようにしたことを特徴と
する。
【0017】本発明の能動振動抑制装置では、車両前方
の路面状況が路面検出手段によって検出され、検出され
た路面状況が参照されて記憶手段に記憶の適応パラメー
タが読み出され、誤差信号に基づく適応パラメータの設
定に先行して、記憶手段から読み出された適応パラメー
タが設定され、次いで誤差信号に基づく適応パラメータ
に変更される。
【0018】したがって、車両進行方向前方の路面状況
に基づいて先行して適応パラメータが設定されており、
続いて該適応パラメータに基づいて求められた誤差信号
に基づく適応パラメータに適応パラメータが変更される
ために、低いサンプリング周波数を用いてデータを得る
ようにし、かつ適応制御手段のクロック周波数をサンプ
リング周波数に基づき低くして制御を行う場合において
も、速く期待値に収束することが可能となり、制御性能
が向上し、かつ因果律を満たすことができる。
【0019】本発明の能動振動抑制装置は、振動源から
の振動を検出する振動検出手段と、該振動検出手段から
の出力信号が参照信号として入力され、かつ該参照信号
に基づく車室内の振動と逆位相の相殺信号の生成を行う
適応制御手段と、該適応制御手段により生成された相殺
信号に基づいて相殺振動を発する相殺振動発生手段と、
該相殺振動発生手段により発生する相殺振動と前記振動
源に基づく車室内の振動との相殺誤差を検出する誤差信
号検出手段とを備え、該誤差信号検出手段により検出さ
れた誤差信号に基づいて前記適応制御手段の適応パラメ
ータを変更する能動振動抑制装置において、車両位置お
よび車両進行方向を検出する車両位置・方向検出手段
と、車両位置・方向検出手段により検出された車両位置
および車両進行方向と車速とに基づいて車両進行方向前
方位置を推定する位置推定手段と、車両進行方向前方位
置情報に対する適応パラメータを記憶している記憶手段
と、位置推定手段によって推定された車両進行方向前方
位置情報を参照して記憶手段から適応パラメータを読み
出し、該読み出した適応パラメータを前記誤差信号に基
づく適応パラメータの設定に先行して前記制御手段の適
応パラメータとして設定するようにしたことを特徴とす
る。
【0020】本発明の能動振動抑制装置は、車両位置お
よび車両進行方向が車両位置・車両進行方向検出手段に
よって検出され、検出された車両位置および車両進行方
向と車速とに基づいて車両進行方向前方位置が位置推定
手段によって推定される。一方、推定された車両進行方
向前方位置が参照されて記憶手段に記憶の適応パラメー
タが読み出され、誤差信号に基づく適応パラメータの設
定に先行して、記憶手段から読み出された適応パラメー
タが設定され、次いで誤差信号に基づく適応パラメータ
に変更される。
【0021】したがって、車両進行方向前方位置に基づ
いて先行して適応パラメータが設定されており、続いて
該適応パラメータに基づいて求められた誤差信号に基づ
く適応パラメータに適応パラメータが変更されるため
に、低いサンプリング周波数を用いてデータを得るよう
にし、かつ適応制御手段のクロック周波数をサンプリン
グ周波数に基づき低くして制御を行う場合においても、
速く期待値に収束することが可能となり、制御性能が向
上し、かつ因果律を満たすことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる能動振動抑
制装置を実施の形態によって説明する。
【0023】図1は本発明の実施の一形態にかかる能動
振動抑制装置の構成を示すブロック図である。図1に示
した本発明の実施の一形態にかかる能動振動抑制装置に
おいて、図6に示した従来の能動振動抑制装置と同一の
構成要素については同一の符号を付して示し、重複を避
けるために、その説明は省略する。
【0024】本発明の実施の一形態にかかる能動振動抑
制装置においては、車両の速度が車速検出器10によっ
て検出される。
【0025】一方、車両のルーフ上、またはフロントグ
リル上などに投受光装置13が設けてあり、投受光装置
13から車両進行方向前方に対して投光し、車両進行方
向前方の路面から反射した受光出力を受けた路面状況認
識部19によって路面状況を認識する。
【0026】図2に示したように、投受光装置13は、
レーザ光を発生し発生レーザ光40を集光して路面に投
光し、かつ路面からの反射光を受光する投受光器11
と、投受光器11から路面に送出されるレーザ光40を
車速に応じた伏角で路面に照射させる投光角偏向器12
とを備え、投受光器11によって発生されかつ集光され
たレーザ光40を投光角偏向器12により車速に応じた
伏角で路面上に投光する。
【0027】また、図2に示したように、路面状況認識
部19は投受光器11から送出するレーザ光を変調する
変調器14と、投光角偏向器12を制御して、車速検出
器10によって検出された車速に比例して伏角を減少さ
せる偏向角演算器15と、投受光器11にて受光した反
射レーザ光を増幅する増幅器16と、増幅器16の出力
を復調して路面状況情報として出力する復調器17とを
備えている。
【0028】したがって、投受光器11から投光される
レーザ光は変調器14によって変調され、車速に応じた
所定の伏角で路面に投光され、路面から反射してきたレ
ーザ光は投受光器11によって受光され、増幅の上復調
されて、路面状況信号として送出される。
【0029】車速検出器10から出力される車速信号は
A/D変換器20に供給してデジタル信号である車速デ
ータに変換する。一方、復調器17から出力される復調
出力はA/D変換器21に供給してデジタル信号である
路面状況データに変換する。
【0030】A/D変換器20によって変換された車速
データとA/D変換器21によって変換された路面状況
データとは適応パラメータ更新器22に送出し、路面状
況データに対応する路面状況適応パラメータが路面状況
適応パラメータデータベースとして格納してあるメモリ
23から、路面状況データに基づく路面状況適応パラメ
ータが読み出される。
【0031】車速データに基づく時間(車速をv、車両
位置からレーザ光40の路面到着位置までの距離をLと
したとき、L/v)経過時に、メモリ23から読み出さ
れた路面状況適応パラメータが適応パラメータ更新器2
2を介してFIRデジタルフィルタ31に供給されて、
FIRデジタルフィルタ31のフィルタ係数が、メモリ
23から読み出された路面状況適応パラメータに基づく
フィルタ係数に設定される。
【0032】続いて、適応アルゴリズム演算部32にお
いて、A/D変換器7から出力される相殺誤差データと
FIRデジタルフィルタ8から出力されるデータとに基
づき適応アルゴリズム演算部32において適応パラメー
タが演算され、演算された適応パラメータに基づくフィ
ルタ係数にFIRデジタルフィルタ31のフィルタ係数
が設定される。したがって、相殺誤差データはメモリ2
3から読み出された路面状況適応パラメータに基づくフ
ィルタ係数にフィルタ係数が設定された状態でのFIR
デジタルフィルタ31からの出力データによって駆動さ
れるスピーカ5からの出力音と振動検出器1によって検
出される振動源によって生じた車室内の差に基づく誤差
データであり、該誤差データに基づいて順次FIRデジ
タルフィルタ31のフィルタ係数が更新される。
【0033】この結果、先にメモリ23から読み出され
た路面状況適応パラメータに基づくフィルタ係数にFI
Rデジタルフィル31のフィルタ係数が設定されること
によって、粗調整の如く、路面状況に基づく振動の抑制
がなされ、次いで微調整の如く、すなわち振動検出器1
によって検出される振動源による振動とスピーカ5から
出力される振動との差に基づく振動が抑制されることに
なる。
【0034】次いでこの相殺誤差信号である誤差データ
に基づき演算された適応パラメータに基づくフィルタ係
数のFIRデジタルフィルタ31への設定に続いて、F
IRデジタルフィルタ31に設定されたフィルタ係数に
基づく適応パラメータに、メモリ23の当該路面状況に
基づく適応パラメータが更新される。この更新によって
適応パラメータがさらに誤差最小に更新されて、次の読
み出しに備えることになる。
【0035】ここで、本発明の実施の一形態にかかる能
動振動抑制装置では、制御性能を向上させるために低い
サンプリング周波数を用いてA/D変換によるデータの
変換を行い、FIRデジタルフィルタ31の動作クロッ
ク周波数および適応アルゴリズム演算部32の演算速度
を低くしてある。
【0036】しかしながら、上記したように路面状況検
出データに基づく路面状況適応パラメータに基づくフィ
ルタ係数がFIRデジタルフィルタ31に先行して設定
され、この状態に続いてA/D変換器7から出力される
相殺誤差データおよびFIRデジタルフィルタ8の出力
データに基づき適応アルゴリズム演算部32によって適
応パラメータが演算され、この演算された適応パラメー
タに基づくフィルタ係数がFIRデジタルフィルタ31
に設定される。
【0037】したがって、本発明の実施の一形態にかか
る能動振動抑制装置では、図3に示すように、路面状況
に応じて適応パラメータが設定されることによって直線
aにて示すように適応パラメータが収束し、次いで適応
アルゴリズム演算部32によって演算された適応パラメ
ータに設定が変更されて、適応パラメータは直線bにて
示すように順次収束されるために、全体として収束が速
く行われることになり、かつ制御性能も良好となって、
サンプリング周波数を低くしても、因果性を満たしかつ
制御性能も良好である。なお、図3において矢印fに示
した曲線は従来の収束を示す曲線である。
【0038】本発明の実施の一形態にかかる能動振動抑
制装置によるときは、レーザ光によって路面状況を検出
したが、レーザ光に代わって、レーダ、視覚センサ、音
波センサ等を用いることもできる。
【0039】次に、本発明の実施の他の形態にかかる能
動振動抑制装置について説明する。
【0040】図4は本発明の実施の他の形態にかかる能
動振動抑制装置の構成を示すブロック図である。
【0041】本発明の実施の他の形態にかかる能動振動
抑制装置においては、GPS衛星からの信号を車両に設
けたアンテナ24によって受けてGPS航法装置25に
導出し、GPS衛星からの信号を受けたGPS航法装置
25において車両の位置および車両進行方向を演算によ
って求める。
【0042】一方、車速検出器10から出力される車速
信号はA/D変換器20に供給してデジタル信号である
車速データに変換する。GPS航法装置25によって求
めた車両位置情報および車両進行方向情報と車速データ
とは進行方向前方位置推定器26に送出する。
【0043】進行方向前方位置推定器26では、車両位
置情報、車両進行方向情報および車速データとに基づい
て、車両の進行方向前方位置が推定される。この推定
は、車両位置から車両進行方向に車速データに基づく車
速で予め定めた所定期間走行したときの車両位置を演算
して前記所定期間走行後の車両位置を推測する。
【0044】進行方向前方位置推定器26によって求め
た推定進行方向前方位置情報は適応パラメータ更新器2
7に送出し、推定進行方向前方位置情報に対応する路面
状況適応パラメータを路面状況適応パラメータデータベ
ースとして格納したメモリ28から、推定進行方向前方
位置情報が参照されて推定進行方向前方位置情報に基づ
く路面状況適応パラメータが読み出される。本発明にか
かる実施の他の形態におけるメモリ28には地図情報と
路面状況適応パラメータが格納してあって、推定進行方
向前方位置情報を地図上の位置に対応させて、該地図上
の位置における路面状況適応パラメータが読み出され
る。
【0045】メモリ28から読み出された路面状況適応
パラメータは、適応パラメータ更新器27を介して車速
に基づく時間経過時にFIRデジタルフィルタ31に供
給されて、FIRデジタルフィルタ31のフィルタ係数
が、メモリ28から読み出された路面状況適応パラメー
タに基づくフィルタ係数に設定される。
【0046】続いて、適応アルゴリズム演算部32にお
いて、A/D変換器7から出力される相殺誤差データと
FIRデジタルフィルタ8からの出力データに基づき適
応アルゴリズム演算部32において適応パラメータが演
算され、演算されたこの適応パラメータに基づくフィル
タ係数にFIRデジタルフィルタ31のフィルタ係数が
設定される。したがって、相殺誤差データはメモリ28
から読み出された路面状況適応パラメータに基づくフィ
ルタ係数にフィルタ係数が設定された状態でのFIRデ
ジタルフィルタ31の出力データによって駆動されるス
ピーカ5からの出力音と振動検出器1によって検出され
る振動源によって生じた車室内の振動との差に基づく誤
差データであり、該誤差データに基づいて順次FIRデ
ジタルフィルタ31のフィルタ係数が更新される。
【0047】この結果、先にメモリ28から読み出され
た路面状況適応パラメータに基づくフィルタ係数にFI
Rデジタルフィル31のフィルタ係数が設定されること
によって、路面状況に基づく振動の抑制がなされ、次い
で振動検出器1によって検出される振動源による振動と
スピーカ5から出力される振動との差に基づく振動が抑
制されることになる。
【0048】次いでこの相殺誤差信号である誤差データ
に基づき演算された適応パラメータに基づくフィルタ係
数のFIRデジタルフィルタ31への設定に続いて、F
IRデジタルフィルタ31に設定されたフィルタ係数に
基づく適応パラメータに、メモリ28の当該路面状況に
基づく適応パラメータが更新される。この更新によって
適応パラメータがさらに誤差最小に更新されて、次の読
み出しに備えることになる。
【0049】ここで、本発明の実施の他の形態にかかる
能動振動抑制装置では、制御性能を向上させるために低
いサンプリング周波数を用いてA/D変換によるデータ
の変換を行い、FIRデジタルフィルタ31の動作クロ
ック周波数および適応アルゴリズム演算部32の演算速
度を低くしてある。
【0050】しかしながら、上記したように路面状況検
出データに基づく路面状況適応パラメータに基づくフィ
ルタ係数がFIRデジタルフィルタ31に先行して設定
され、この状態に続いてA/D変換器7から出力される
相殺誤差データおよびFIRデジタルフィルタ8の出力
データに基づき適応アルゴリズム演算部32によって適
応パラメータが演算され、この演算された適応パラメー
タに基づくフィルタ係数がFIRデジタルフィルタ31
に設定される。
【0051】したがって、本発明の実施の他の形態にか
かる能動振動抑制装置においても、図5に示すように、
路面状況に応じて適応パラメータが設定されることによ
って直線cにて示すように適応パラメータが収束し、次
いで適応アルゴリズム演算部32によって演算された適
応パラメータに設定が変更されて、適応パラメータは直
線dにて示すように順次収束されるために、全体として
収束が速く行われることになり、かつ制御性能も良好と
なって、サンプリング周波数を低くしても、因果性を満
たしかつ制御性能も良好である。なお、図5において矢
印fに示した曲線は従来の収束を示す曲線である。
【0052】また、メモリ28は、書き換え型光ディス
クを用いたCD−ROM、または半導体記録素子であっ
てもよい。
【0053】さらに無線通信、または、無線放送等によ
る道路情報に基づいて、適応パラメータを求めて、求め
た適応パラメータをメモリ28に格納してもよい。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかる能動
振動抑制装置によれば、車両進行方向前方の路面状況に
対応する最適な適応パラメータを事前に取得することが
可能になるため、車両のAVNCにおいて、制御性能の
向上を目的に、因果律を満たす範囲でサンプリング周波
数を低く設定する制御の場合においても、適応パラメー
タの速い収束を行うことができ、相反する2つの性能、
すなわち制御性能の向上と速い適応アルゴリズムの収束
を両立できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態にかかる能動振動抑制装
置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の一形態にかかる能動振動抑制装
置における投受光装置および路面状況認識部の構成を示
すブロック図である。
【図3】本発明の実施の一形態にかかる能動振動抑制装
置における適応パラメータの収束状態の説明に供する模
式図である。
【図4】本発明の実施の他の形態にかかる能動振動抑制
装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の他の形態にかかる能動振動抑制
装置における適応パラメータの収束状態の説明に供する
模式図である。
【図6】従来の能動振動抑制装置の構成を示すブロック
図である。
【図7】従来の能動振動抑制装置における適応パラメー
タの収束状態の説明に供する模式図である。
【符号の説明】
1…振動検出器 5…スピーカ 6…マイクロフォン 8および31…FIRデジタルフィルタ 10…車速検出器 13…投受光装置 19…路面状況認識部 22…適応パラメータ更新器 23および28…メモリ 25…GPS航法装置 26…進行方向前方位置推定器 32…適応アルゴリズム演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 光勇 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】振動源からの振動を検出する振動検出手段
    と、 該振動検出手段からの出力信号が参照信号として入力さ
    れ、かつ該参照信号に基づく車室内の振動と逆位相の相
    殺信号の生成を行う適応制御手段と、 該適応制御手段により生成された相殺信号に基づいて相
    殺振動を発する相殺振動発生手段と、 該相殺振動発生手段により発生する相殺振動と前記振動
    源に基づく車室内の振動との相殺誤差を検出する誤差信
    号検出手段とを備え、 該誤差信号検出手段により検出された誤差信号に基づい
    て前記適応制御手段の適応パラメータを変更する能動振
    動抑制装置において、車両前方の路面状況を検知する路
    面検知手段と、 路面状況情報に対する適応パラメータが記憶された記憶
    手段と、 前記路面検知手段により検知された路面状況情報を参照
    して前記記憶手段から適応パラメータを読み出し、 該読み出した適応パラメータを前記誤差信号に基づく適
    応パラメータの変更に先行して前記制御手段の適応パラ
    メータとして設定するようにしたことを特徴とする能動
    振動抑制装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の能動振動抑制装置におい
    て、路面検知手段は、車両走行前方の路面に対して照射
    した信号光の路面からの反射信号に基づいて路面状況を
    検知する路面検知手段であることを特徴とする能動振動
    抑制装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の能動振動抑制装置におい
    て、記憶装置から読み出した適応パラメータの設定に続
    き設定される誤差信号に基づく適応パラメータの設定終
    了により、誤差信号に基づく適応パラメータに、記憶手
    段に記憶の路面状況に対応する適応パラメータを更新す
    る記憶内容更新手段を備えたことを特徴とする能動振動
    抑制装置。
  4. 【請求項4】振動源からの振動を検出する振動検出手段
    と、 該振動検出手段からの出力信号が参照信号として入力さ
    れ、かつ該参照信号に基づく車室内の振動と逆位相の相
    殺信号の生成を行う適応制御手段と、 該適応制御手段により生成された相殺信号に基づいて相
    殺振動を発する相殺振動発生手段と、 該相殺振動発生手段により発生する相殺振動と前記振動
    源に基づく車室内の振動との相殺誤差を検出する誤差信
    号検出手段とを備え、 該誤差信号検出手段により検出された誤差信号に基づい
    て前記適応制御手段の適応パラメータを変更する能動振
    動抑制装置において、車両位置および車両進行方向を検
    出する車両位置・方向検出手段と、 車両位置・方向検出手段により検出された車両位置およ
    び車両進行方向と車速とに基づいて車両進行方向前方位
    置を推定する位置推定手段と、 車両進行方向前方位置情報に対する適応パラメータを記
    憶している記憶手段と、 位置推定手段によって推定された車両進行方向前方位置
    情報を参照して記憶手段から適応パラメータを読み出
    し、 該読み出した適応パラメータを前記誤差信号に基づく適
    応パラメータの設定に先行して前記制御手段の適応パラ
    メータとして設定するようにしたことを特徴とする能動
    振動抑制装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載の能動振動抑制装置におい
    て、車両位置・方向検出手段は、GPS衛星からの信号
    を受信して該受信信号に基づき車両位置および車両進行
    方向を検出する車両位置・方向検出手段であることを特
    徴とする能動振動抑制装置。
JP8330023A 1996-12-10 1996-12-10 能動振動抑制装置 Pending JPH10169700A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8330023A JPH10169700A (ja) 1996-12-10 1996-12-10 能動振動抑制装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8330023A JPH10169700A (ja) 1996-12-10 1996-12-10 能動振動抑制装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10169700A true JPH10169700A (ja) 1998-06-23

Family

ID=18227918

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8330023A Pending JPH10169700A (ja) 1996-12-10 1996-12-10 能動振動抑制装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10169700A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006109798A1 (ja) * 2005-04-11 2006-10-19 Yoshihiro Suda 車両、車両側システム、道路構造情報報知装置、カーナビゲーションシステムおよび道路情報管理システム
WO2018099765A1 (en) * 2016-12-02 2018-06-07 Jaguar Land Rover Limited Apparatus and method for noise cancellation
JP2018169525A (ja) * 2017-03-30 2018-11-01 株式会社Subaru 車両用消音装置
CN109065014A (zh) * 2018-07-13 2018-12-21 广州小鹏汽车科技有限公司 一种汽车主动降噪方法、系统及装置
CN110166023A (zh) * 2018-02-16 2019-08-23 通用汽车环球科技运作有限责任公司 基于滤波器系数的路面表征
CN111816152A (zh) * 2019-04-10 2020-10-23 现代自动车株式会社 用于主动噪声控制的车载装置和方法以及包括该车载装置的车辆
DE102018118418B4 (de) 2017-07-31 2023-09-28 GM Global Technology Operations LLC Geräuschunterdrückungssystem für ein fahrzeug und fahrzeug

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006109798A1 (ja) * 2005-04-11 2006-10-19 Yoshihiro Suda 車両、車両側システム、道路構造情報報知装置、カーナビゲーションシステムおよび道路情報管理システム
WO2018099765A1 (en) * 2016-12-02 2018-06-07 Jaguar Land Rover Limited Apparatus and method for noise cancellation
GB2558411A (en) * 2016-12-02 2018-07-11 Jaguar Land Rover Ltd Apparatus and method for noise cancellation
GB2558411B (en) * 2016-12-02 2020-04-01 Jaguar Land Rover Ltd Apparatus and method for noise cancellation
JP2018169525A (ja) * 2017-03-30 2018-11-01 株式会社Subaru 車両用消音装置
US10360896B2 (en) 2017-03-30 2019-07-23 Subaru Corporation Vehicle noise canceller
DE102018118418B4 (de) 2017-07-31 2023-09-28 GM Global Technology Operations LLC Geräuschunterdrückungssystem für ein fahrzeug und fahrzeug
CN110166023A (zh) * 2018-02-16 2019-08-23 通用汽车环球科技运作有限责任公司 基于滤波器系数的路面表征
CN110166023B (zh) * 2018-02-16 2023-08-04 通用汽车环球科技运作有限责任公司 基于滤波器系数的路面表征
CN109065014A (zh) * 2018-07-13 2018-12-21 广州小鹏汽车科技有限公司 一种汽车主动降噪方法、系统及装置
CN111816152A (zh) * 2019-04-10 2020-10-23 现代自动车株式会社 用于主动噪声控制的车载装置和方法以及包括该车载装置的车辆

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9646596B2 (en) Active noise reduction device, instrument using same, and active noise reduction method
JP2002314637A (ja) 雑音低減装置
WO2011030422A1 (ja) 雑音低減装置
EP1508505A2 (en) Driving control device for vehicle
KR980003482A (ko) 항행장치
JPWO2007043479A1 (ja) レーダ装置
CN109642955B (zh) 列车位置检测装置以及方法
JPH10169700A (ja) 能動振動抑制装置
US20230060935A1 (en) Method and Control Unit for Operating a Noise Suppression Unit of a Vehicle
JPH11295419A (ja) 送受信分離型反射方式の超音波距離測定方法とその装置
JP2008062804A (ja) 能動騒音制御装置
EP1122990A2 (en) Information processing apparatus of on-vehicle type
JPH06110474A (ja) 消音装置
CN111105775B (zh) 噪音控制装置、噪音控制方法以及存储介质
CN118230704A (zh) Rnc系统的更新方法及装置
JP3545082B2 (ja) アクティブ型騒音低減装置
JPH08219799A (ja) 車両の進行路推定装置
JP2019119375A (ja) タイヤ騒音低減装置
JPH0719155B2 (ja) 車室内騒音の低減装置
JP3181629B2 (ja) 能動型騒音制御装置
JP2001022380A (ja) ノイズ/オーディオ音キャンセル装置
CN118238744A (zh) 车辆降噪系统控制方法、装置、设备、存储介质及车辆
CN111028822A (zh) 一种对车辆抑噪声波进行修正补偿的控制方法及系统
JPH0659684A (ja) 能動振動制御装置
WO2024203149A1 (ja) 騒音抑制装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040706

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040906

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050719