JPH10168034A - 球状n−オクタデシル・3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートおよびその球状化方法 - Google Patents

球状n−オクタデシル・3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートおよびその球状化方法

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JPH10168034A
JPH10168034A JP32503896A JP32503896A JPH10168034A JP H10168034 A JPH10168034 A JP H10168034A JP 32503896 A JP32503896 A JP 32503896A JP 32503896 A JP32503896 A JP 32503896A JP H10168034 A JPH10168034 A JP H10168034A
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slurry
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spherical
hydroxyphenyl
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Kazuo Nakagawa
和生 中川
Keiichi Yasuda
慶一 安田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気輸送時の取り扱いに便利な均一な大きな
粒子径を有し、かつ表面が滑らかな球状のn−オクタデ
シル・3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート(以下、化合物Iという)、
およびその工業的に実施可能な簡便な球状化方法を提供
することを目的とする。 【解決手段】 化合物Iを溶融後、得られる溶融物から
48〜53℃の温度条件下でスラリーを生成させ、該ス
ラリーを10〜45℃の10〜60重量%の含水低級ア
ルコール中に滴下した後、固液分離し、乾燥することを
特徴とする化合物Iの球状化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸化防止剤として有
用な球状n−オクタデシル・3−(3,5−ジ第3級ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートおよび
その球状として工業的に安定に取得する造粒方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】n−オクタデシル・3−(3,5−ジ第
3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
(以下、化合物Iと称することもある)は種々の有機材
料の酸化防止剤として広く用いられている化合物であ
る。化合物Iは通常は粉末針状結晶として製造され、こ
れは粉塵を多量に含み、嵩比重が小さい、流動性が悪
い、飛散しやすい等の欠点があり、取扱いが不便である
ことに加え、これを使用するにあたっては作業能率を低
下させ、また作業環境上も問題があった。このような粉
体物性を改良する方法として造粒化する方法が一般的に
知られている。
【0003】造粒化の方法としては、バインダーによる
もの、および加圧や溶融固化などの物理的な方法による
ものが知られている。バインダーを用いた場合、目的物
以外の成分を混入することから、製品純度を低下させる
欠点を有する。一方、物理的方法では形状が不規則であ
ったり、その融点の低さから保存中にブロック状固形物
を生成することがあった。
【0004】これまで、化合物Iについては、物理的方
法のうち、特開平2−69435号公報に記載された溶
融固化により製造可能なフレーク状、あるいは溶融物を
ベルトコンベア等の固体表面上に滴下して製造できる半
球状が知られ、それぞれ製品として供給されている。一
方、特開平3−31242号公報には、立体障害性ヒド
ロキシフェニル基を含有する低融点アルキルエステルの
溶融体を水混和性の有機溶媒の撹拌された冷却水溶液中
に導入し、生成する顆粒を分離することからなる、前記
エステルの顆粒の製造方法が記載されている。当該明細
書中の実施例には、化合物Iを60〜65℃で溶融し、
この溶融物を15℃以下に冷却した含水メタノール中に
滴下した後、分散させることにより化合物Iの顆粒が得
られると記載されている。また、球状化方法として、特
開昭59−104348号公報には、テトラキス(3−
(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシメチル)メタンの溶融物を平滑な固
体表面上に滴下するか、または水面上に滴下あるいは水
中に滴状に吐出して、冷却固化させることを特徴とする
球状もしくは半球状であるγ晶構造の該化合物の製造方
法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、製品の生産
過程において、製品を移送する手段として、高速気流に
よって製品を配管内に通し、製造施設から包装施設へ移
送する空気輸送が近年頻繁に使用されている。空気輸送
では製品が配管内を高速で移動するため、角や突起を有
する製品の場合、配管内壁と衝突して粉砕し、粉砕され
た製品の微細な結晶が粉塵として配管内壁に蓄積し、ま
た、粒子径の小さな製品の場合も同様に配管内壁に蓄積
するという問題点がある。その結果、配管内の清掃を頻
繁に行う必要性が生じ、作業能率が低下することに加
え、作業環境上も問題がある。
【0006】フレーク状の化合物Iは比較的小さな粒子
径を有する結晶である。また、特開平3−31242号
公報で得られる化合物Iの顆粒は粒子径が約0.25〜
約1.8mmの結晶であるが、空気輸送を行うには比較
的小さな粒子径の結晶である。したがって、化合物Iの
フレーク状あるいは顆粒は、いずれも空気輸送に有利な
大きな粒子径を有する結晶とはいえない。さらに、化合
物Iの半球状のような角を有する形状では、衝撃により
粉砕しやすいことから不利である。
【0007】したがって、粒子径が大きく、かつ表面が
滑らかな球状が、空気輸送を実施する場合の理想的な有
利な剤形であり、さらに、この剤形によって作業環境を
非常に良好に改善できると考えられる。一方、特開昭5
9−104348号公報に記載された球状化方法はテト
ラキス(3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオニルオキシメチル)メタンに特有
の方法であり、球状化あるいは半球状化に加え、当該方
法により得られる球状もしくは半球状品が従来知られて
いる製品と比較して低融点化した結晶を得ることを目的
としている。当該方法を化合物Iに適用すると水面上に
溶融物が浮遊し、水面上で固化するため、条件の設定に
よっては半球状として得られるものの、得られる形状は
不規則な塊状物となり、目的とするような球状化には至
らない。さらに、このような半球状や塊状物のような製
品では、前記した通り、空気輸送時に粉砕されやすい問
題点を有している。
【0008】さらに、化合物Iは、晶析によって得られ
る結晶は粉末針状結晶であり、前記方法によって得られ
るフレーク状、顆粒あるいは半球状の各剤形以外には粒
子径の大きな結晶を得ることはこれまで困難であったこ
とから、化合物Iにおいて均一な大きな粒子径を有し、
かつ、滑らかな表面を有する球状は全く知られていな
い。
【0009】したがって、空気輸送時の取り扱いに便利
な均一な大きな粒子径を有し、かつ、表面が滑らかな球
状の化合物Iが切望され、さらに工業的に実施可能な簡
便な方法により大きな粒子径かつ滑らかな表面を有する
化合物Iの球状化方法が切望されていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らは化合物Iの工業的規模で実施可能な簡
便な球状化方法を見出すべく鋭意研究した結果、化合物
Iを溶融後スラリーを生成させた後、特定の含水率の低
級アルコール中、特定の温度条件下で化合物Iのスラリ
ーを滴下することにより、化合物Iが従来知られていな
かった大きな粒子径を有し、かつ滑らかな表面を有する
球状で得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0011】すなわち、本発明は(1)化合物Iを溶融
後、得られる溶融物から48〜53℃の温度条件下でス
ラリーを生成させ、該スラリーを10〜45℃の10〜
60重量%の含水低級アルコール中に滴下した後、固液
分離し、乾燥することにより製造される球状化合物Iお
よび(2)化合物Iを溶融後、得られる溶融物から48
〜53℃の温度条件下でスラリーを生成させ、該スラリ
ーを10〜45℃の10〜60重量%の含水低級アルコ
ール中に滴下した後、固液分離し、乾燥することを特徴
とする化合物Iの球状化方法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明化合物Iの球状化方
法について、さらに詳細に説明する。本発明方法では、
化合物Iのスラリーを10〜45℃、好ましくは20〜
35℃の温度条件下の10〜60重量%含水低級アルコ
ール中へ滴下することにより、従来知られていない大き
な粒子径かつ滑らかな表面を有する球状の化合物Iを得
ることができる。本発明方法では化合物Iのスラリーを
用いることが特徴であり、単に溶融した化合物Iを低級
アルコール中へ滴下しても化合物Iの球状化は工業的に
は達成できない。ここで、スラリーとは細かい固体粒子
が液体中に懸濁している流動性のある泥状の混合物を意
味し、その粘度範囲はB型粘度計により50〜1000
0cP(センチポイズ)の値、好ましくは50〜100
0cPの値を示す。さらに、本発明方法により得られる
球状の化合物Iは均一な大きな粒子径かつ滑らかな表面
を有し、さらに粉塵となる微細な結晶をほとんど含有し
ないことも特徴である。なお、本発明において球状とは
直径2〜10mm、好ましくは2〜6mmの球を意味す
る。
【0013】本発明方法で使用される化合物Iはエステ
ル交換反応により得られる反応混合物を用いてもよい
し、公知の晶出方法により得られた粉末状品あるいはそ
の他公知の造粒法により得られる化合物Iを用いること
もできる。本発明方法で使用される化合物Iの製造法は
特に限定されるものではないが、純度の高い化合物Iが
得られる好ましい製造法としては、メチル・3−(3,
5−ジ−t−ブチルフェニル−4−ヒドロキシ)プロピ
オネートとn−オクタデカノールを必要に応じてトルエ
ン中、ナトリウムメトキシド、リチウムアミド等のアル
カリ触媒またはモノブチル錫オキサイド、ジブチル錫オ
キサイド等の有機錫化合物を触媒として用いてエステル
交換反応を行った後、必要に応じて触媒除去処理を行
う。なお、触媒を除去する際、反応溶液の流動性を向上
させる目的で、トルエンなどの溶媒を加えることもでき
る。その後、適当な溶媒を加えて晶出させ、分離乾燥す
ることにより、粉末状の化合物Iが得られる。
【0014】本発明で用いられる低級アルコールとして
は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ
プロピルアルコール等が用いられ、これらは単独でも2
種以上の混合物でもよい。このうち好ましくはメタノー
ル、エタノールである。含水率は低級アルコールの種類
によって異なるが、メタノールでは10〜60重量%が
好ましく、30〜55重量%がより好ましい。なお、含
水率は低すぎると球状にならず、不規則な形状のかたま
りを生じて堆積し、含水率が高すぎると水面に化合物I
が浮遊し、球状にならずに半球状または円盤状、あるい
は不規則なかたまりとなってしまう。
【0015】含水低級アルコールの温度は10〜45℃
が好ましく、20〜35℃がより好ましい。含水低級ア
ルコールの温度が低いと、化合物Iのスラリーは過冷却
状態となり、固形物表面は固化するものの内部まで十分
に固化できないため、不規則なかたまりとなって堆積す
るか、得られる固形物は球状とならずに細かな結晶にな
ったり、いぼ状の突起を有する固形物となるため、空気
輸送の衝撃によって突起部分が粉砕されて粉塵の起きや
すい状態となる。また、含水低級アルコールの温度が高
い場合、固化速度が低下するため、固液分離作業に手間
取るとともに、固形物表面も滑らかさを欠いて粉塵の起
きやすい状態となったり、不規則なかたまりとなって堆
積してしまう。
【0016】滴下時の化合物Iはスラリーであることが
好ましく、該スラリーは48〜53℃の温度条件で生成
する。より詳細には、この温度条件下で化合物Iの溶融
物に種晶を添加するか、または化合物Iの溶融物を48
℃まで冷却して自発的に結晶を析出させた後、50〜5
3℃まで昇温することにより、化合物Iをスラリー化す
ることができる。なお、場合によっては化合物Iの溶融
物を48〜53℃で放置することによってもスラリー化
することができる。この温度よりも低い場合は化合物I
は固化してしまい、滴下不能となる。またこの温度より
も高い場合、すなわち溶融状態では含水低級アルコール
中での固化速度が極端に遅くなり、球状化は不可能とな
る。
【0017】化合物Iのスラリーの滴下は、含水低級ア
ルコールの静置またはゆるやかな撹拌条件下で行うこと
ができるが、固化した球状の化合物Iが含水低級アルコ
ール中で接触せずに移動する程度の適度な攪拌条件下で
行うことが好ましい。本発明の球状化合物Iは、滴下装
置のノズルの口径または形状の違いによって得られる球
の直径を種々調節することができる。なお、滴下装置と
してはピペットでもよいし、一定量を連続して滴下可能
な定量ポンプでもよい。また、本発明で用いる滴下装置
のノズルの口径は、好ましくは1〜4mmである。
【0018】本発明においては、含水低級アルコールの
所望の温度条件に保持した槽(以下、冷却槽という)中
で行うが、そのような冷却槽としては、本発明の化合物
Iが球状として冷却固化できるものであればいかなるも
のでもよい。本発明で使用する冷却槽としては、たとえ
ば、直径が50cm〜2m程度、深さが50cm〜3m
程度の円筒形の冷却槽、あるいは幅50cm〜1m程
度、長さ1〜3m程度、深さ50cm〜3m程度の角形
の冷却槽を使用することができる。
【0019】得られた球状の化合物Iは、遠心分離また
は溶媒を濾過することにより固液分離し、その後、45
℃以下の温度または減圧下室温で乾燥させる。本発明方
法により得られる球状の化合物Iは滑らかな球表面を有
し、直径2〜10mm、好ましくは2〜6mmの球状品
である。なお、化合物Iの滴下方法、含水低級アルコー
ルの含水率または温度条件の選択によって、球が複数接
触した重なり粒あるいは集合粒になったり、たまご型の
ような回転楕円状になることもある。
【0020】このようにして得られた本発明の球状化合
物Iは、低融点であるため別途粉砕する必要がなく、球
状のまま高分子重合体、油脂、鉱油等の有機材料に添加
して使用することができる。なお、前記有機材料のう
ち、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレンなどのポ
リオレフィン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン樹脂、ポリカーボネート、変性ポリ
フェニレンオキサイド等の高分子重合体である。
【0021】
【実施例】以下、参考例、実施例および比較例により本
発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。 参考例1 粉末のn−オクタデシル・3−(3,5−ジ第3級ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(商品
名:トミノックス−SS)を攪拌装置付の500mlの
フラスコに仕込み、80℃まで加熱して完全に溶解さ
せ、n−オクタデシル・3−(3,5−ジ第3級ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートの淡黄色の
飴状物質を得た。
【0022】実施例1 参考例1で得られた飴状物質を48〜53℃まで冷却
し、これに種晶を加えてスラリーを生成させた。直径2
0cm、深さ50cmの円筒形の容器を使用して、ゆる
やかな撹拌条件下で20℃に保温した50重量%含水メ
タノール中にこのスラリーを口径2mmのピペットを用
いて100g滴下した。その後、沈降固化した結晶を濾
過した後、45℃で8時間乾燥することにより、n−オ
クタデシル・3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネートの球状品99.1gを
得た。なお、得られた球状品の平均粒子径は4〜6mm
であった。
【0023】実施例2 50重量%含水メタノールの温度を30℃に変えて実施
例1と同様にして行い、球状品99.3gを得た。な
お、得られた球状品の平均粒子径は4〜6mmであっ
た。 実施例3 50重量%含水メタノールを40重量%含水エタノール
に変えて実施例1と同様にして行い、球状品99.0g
を得た。なお、得られた球状品の平均粒子径は4〜6m
mであった。
【0024】実施例4 参考例1で得られた飴状物質を48℃まで冷却して結晶
が析出していることを確認後、ついで50〜53℃まで
昇温してスラリーを生成させた。このスラリーを用いて
実施例1と同様にして行い、球状品を得た。なお、得ら
れた球状品の平均粒子径は4〜6mmであった。
【0025】実施例5 参考例1で得られた飴状物質50kgを48〜53℃ま
で放置し、スラリーを生成させた。このスラリーおよび
口径2mmの定量ポンプを用いて実施例1と同様にして
行い、球状品を得た。なお、得られた球状品の平均粒子
径は4〜6mmであった。
【0026】実施例6 口径1mmのピペットを用いて実施例1と同様にして行
い、球状品を得た。なお、得られた球状品の平均粒子径
は2〜4mmであった。 比較例1 50%含水メタノールを70重量%含水メタノールに変
えて実施例1と同様にして行ったところ、水面で固化し
て大きな塊状物となった。
【0027】比較例2 50%含水メタノールをメタノールに変えて実施例1と
同様にして行ったところ、メタノール中で不規則な微細
な塊状物となった。 比較例3 含水メタノールの温度を5℃に変えて実施例1と同様に
して行ったところ、大きな塊状物となった。
【0028】比較例4 スラリーを生成させずに55℃の溶融物を滴下して実施
例1と同様にして行ったところ、大きな塊状物となっ
た。実施例、比較例で得られた化合物Iは各試料50g
を100メッシュ(目開き0.149mm)および3.
5メッシュ(目開き5.6mm)のJIS標準篩にか
け、100メッシュを通過した化合物Iの重量で粉塵の
発生について評価した。また、3.5メッシュの篩い上
に残った化合物Iの重量で粒径の均一性について評価を
行った。篩を通過する化合物Iが1g未満のものは粉塵
がないとして○とし、1g以上のものは、粉塵が発生す
るものとして×として評価した。同様に3.5メッシュ
を通過しなかった化合物Iが10g以上のものは、均一
性がないとして×として評価した。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】上記実施例から明らかなように、10〜4
5℃の10〜60重量%含水低級アルコール中にn−オ
クタデシル・3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネートのスラリーを滴下した
後、分離・乾燥することにより、球状のn−オクタデシ
ル・3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネートを製造することができる。
【0031】これに対し、比較例1に示したように、含
水率が低すぎた場合、比重の関係上、滴下した溶融物は
水面で浮遊して球状にならない。また、比較例2に示し
たように含水率が高すぎても、また比較例3に示したよ
う含水メタノール温度が低すぎても塊状結晶として固化
してしまい、本発明の目的とする球状化に至らない。さ
らに、比較例4のように、滴下する溶融物の温度が高い
場合も、目的とする球状化に至らないことは明らかであ
る。
【0032】
【発明の効果】n−オクタデシル・3−(3,5−ジ第
3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
を溶融後、得られる溶融物から48〜53℃の温度条件
下でスラリーを生成させ、該スラリーを10〜45℃の
10〜60重量%含水低級アルコール中に滴下した後、
固液分離し、乾燥することにより、球状のn−オクタデ
シル・3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネートを製造することができる。
【0033】さらに、得られた球状n−オクタデシル・
3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネートは均一な大きな粒子径かつ滑らかな
表面を有する球状であり、さらに、粉塵となる微細な結
晶をほとんど含まないことから、空気輸送を利用した生
産においても非常に有用である。また、得られる球状品
は、これまで知られていない形状であり、空気輸送の
際、化合物の取り扱いを容易にし、作業性および作業環
境の向上を図ることができるという点で非常に有用であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n−オクタデシル・3−(3,5−ジ第
    3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
    を溶融後、得られる溶融物から48〜53℃の温度条件
    下でスラリーを生成させ、該スラリーを10〜45℃の
    10〜60重量%の含水低級アルコール中に滴下した
    後、固液分離し、乾燥することにより製造される球状n
    −オクタデシル・3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−
    ヒドロキシフェニル)プロピオネート。
  2. 【請求項2】 n−オクタデシル・3−(3,5−ジ第
    3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
    を溶融後、得られる溶融物から48〜53℃の温度条件
    下でスラリーを生成させ、該スラリーを10〜45℃の
    10〜60重量%の含水低級アルコール中に滴下した
    後、固液分離し、乾燥することを特徴とするn−オクタ
    デシル・3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキ
    シフェニル)プロピオネートの球状化方法。
JP32503896A 1996-12-05 1996-12-05 球状n−オクタデシル・3−(3,5−ジ第3級ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートおよびその球状化方法 Pending JPH10168034A (ja)

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