JPH10166308A - 原木供給装置 - Google Patents
原木供給装置Info
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- JPH10166308A JPH10166308A JP35303296A JP35303296A JPH10166308A JP H10166308 A JPH10166308 A JP H10166308A JP 35303296 A JP35303296 A JP 35303296A JP 35303296 A JP35303296 A JP 35303296A JP H10166308 A JPH10166308 A JP H10166308A
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Abstract
ずれが生ずることが見込まれる場合に、その見込まれる
位置ずれを予め補正した状態で原木をベニヤレースに供
給できる原木供給装置を提供する。 【解決手段】 原木供給装置150は、旋削軸芯が決定
された原木1をその両端面において保持する原木保持手
段175と、その原木保持手段175に保持された原木
1を、該原木保持手段175とともにベニヤレース16
9の旋削中心部まで搬送する原木搬送手段195とを備
える。そして、原木1を該ベニヤレースの旋削保持部に
保持させたときに、当該原木に生ずることが見込まれる
その旋削軸芯の、ベニヤレース169の旋削中心からの
位置ずれが、位置ずれ量予測手段により例えば原木の重
量に基づいて予測され、さらに位置補正機構204,2
05が原木保持手段175を駆動して、上記見込まれる
位置ずれが解消されるように当該原木1の位置補正を行
う。
Description
って原木を回転切削(旋削)するために、旋削軸芯が決
定された後の該原木をベニヤレースのスピンドルチャッ
クまで供給する原木供給装置に関するものである。
旋削するには、原木の両木口(両端面)に対して進退自
在となるスピンドルチャックにより各木口の旋削軸芯を
把持させた後、スピンドルの回転に伴って鉋台を送りベ
ニヤ単板を得ていた。この場合、原木は、旋削工程に先
立って実施される芯出し工程において旋削軸芯が決定さ
れ、その旋削軸芯においてベニヤレースのスピンドル位
置に装着される。その装着方法の一例を図40に示して
いる。すなわち、(a)に示すように、予め断面が真円
形状となるように加工された原木1の断面中心を断面径
測定により求めてこれを旋削軸芯OLとするとともに、
その原木1を受台39に載せてこれを昇降させることに
より、ベニヤレーススピンドル170の中心OVと上記
旋削軸芯OLとが一致する高さに位置決めする。そして
その状態で、(b)に示すように原木1の両端面に搬送
爪(把持爪)70を食い込ませた後、(a)に示すよう
に受台39を下方に退避させ、さらに原木1を搬送爪7
0とともに平行移動させることにより、ベニヤレースス
ピンドル170への原木1の装着が行われる。
ように、原木1はベニヤレース169に対し、その旋削
軸芯OLがベニヤレーススピンドル170の中心線、す
なわち旋削中心OVと一致するように装着されることと
なるが、そのスピンドルチャック170aが原木1の端
面に食い込む際に、該原木1の旋削軸芯OLがベニヤレ
ースの旋削中心OVからずれてしまうことがある。ま
た、スピンドルチャック170aの食込み後において
は、原木1の自重により、食い込んだスピンドルチャッ
ク170aの上方に位置する部分が圧縮されて原木1が
垂下し、位置ずれを起こすことがある。さらに、図38
(a)に示すような、原木1の自重付加によるベニヤレ
ーススピンドル170の撓み、あるいは同図(b)に示
すような、原木1自体の撓みも位置ずれの原因となりう
る。いずれにしろ、このような位置ずれが生ずること
は、原木1の旋削の精度や歩留まり等に悪影響を及ぼす
ことにつながる。
において原木に位置ずれが生ずることが見込まれる場合
に、その見込まれる位置ずれを予め補正した状態で原木
をベニヤレースに供給でき、ひいては該ベニヤレースに
おける原木の旋削精度及び歩留まりを向上させることが
できる原木供給装置を提供することにある。
題を解決するために本発明の原木供給装置は、旋削軸芯
が決定された原木をその両端面において保持する原木保
持手段と、その原木保持手段に保持された原木を、該原
木保持手段とともにベニヤレースの旋削中心部まで搬送
する原木搬送手段と、旋削軸芯をベニヤレースの旋削中
心に位置決めした状態で原木を該ベニヤレースの旋削保
持部に保持させたときに、当該原木に生ずることが見込
まれるその旋削軸芯の旋削中心からの位置ずれ(旋削保
持位置ずれ)が解消されるように、原木保持手段を原木
の保持前又は保持後において駆動して、当該原木の位置
補正を行う位置補正機構とを備えたことを特徴とする。
時において原木に位置ずれが生ずることが見込まれる場
合に、原木供給手段に保持された該原木の位置が、その
見込まれる位置ずれが解消される方向に予め補正され、
その後ベニヤレースに供給されるので、原木の旋削精度
及び歩留まりが向上する。ここで、上記した通り原木保
持手段の駆動による原木の位置補正は、当該原木保持手
段が原木を保持する前に行っても保持した後に行っても
いずれでもよい。前者の場合には、原木保持手段による
原木の保持位置の変更により位置補正がなされ、後者の
場合には、原木保持手段により保持された状態の原木
を、当該原木保持手段と一体的に移動させることにより
位置補正がなされることとなる。
め予測する位置ずれ量予測手段を設けることができ、位
置補正機構を、その位置ずれ量予測手段が予測する位置
ずれ量が減少する方向に原木保持手段を駆動して、原木
の位置補正を行うものとすることができる。
位置ずれは、前述の通り原木の自重付加による原木自身
の垂下、撓み、あるいはスピンドルチャックの撓みなど
がその主な原因として考えられ、一般には原木の重量が
増加するほど大きくなる傾向にある。そこで、原木の重
量を反映した情報(重量反映情報)を検出する重量反映
情報検出手段を設け、位置ずれ量予測手段を、少なくと
もその検出された重量反映情報に基づいて旋削保持位置
ずれの量を予測するものとすることができる。これによ
り、原木の重量応じて旋削保持位置ずれ量を正確に予測
することができ、ひいては位置ずれ補正の精度を高める
ことができる。
の値を重量反映情報の値と対応付けて記憶する位置ずれ
量記憶手段を設けておき、位置ずれ量予測手段は、検出
された重量反映情報の値に対応する旋削保持位置ずれの
量を、その位置ずれ量記憶手段の記憶値に基づいて予測
するものとすることができる。一方、旋削保持位置ずれ
量の値と重量反映情報の値との間に一定の関係式が成立
する場合には、旋削保持位置ずれ量予測手段は、その関
係式と検出された重量反映情報とに基づいて旋削保持位
置ずれ量を算出するものとして構成することもできる。
の測定手段により測定した原木重量の値を用いてもよい
が、原木の重量を反映するものであればそれ以外の情報
を使用することも可能である。例えば、位置補正機構の
駆動手段が、原木保持手段を介して原木を重力に抗して
保持又は移動する際の、当該駆動手段に作用する負荷を
重量反映情報として用いることができる。そして位置補
正機構が、原木保持手段が原木を保持した後にこれを駆
動して原木の位置補正を行うものである場合、重量反映
情報検出手段は上記駆動手段の負荷を重量反映情報とし
て検出することとなる。このようにすれば、原木重量を
直接測定しなくとも、原木重量に応じた位置ずれの補正
を精度よく行うことができる。なお、駆動手段がモータ
である場合、そのモータの駆動電圧又は駆動電流を重量
反映情報として重量反映情報検出手段により検出するこ
とができる。
るいは原木自体の撓みに基づく位置ずれ量は、原木の重
量以外に、原木の長さWにも依存して変化することがあ
る。例えば、ベニヤレーススピンドルがシリンダ等の駆
動により、所定長伸長して原木の端面に食い込むことに
よりこれを保持するようになっている場合、原木の長さ
が短くなるとベニヤレーススピンドルの伸長量が増大
し、該スピンドルに撓みが生じやすくなる。そこで、旋
削保持位置ずれ量予測手段を、該原木の長さ情報に基づ
いて旋削保持位置ずれの量を予測するものとしておけ
ば、そのような原木長さの影響も考慮した正確な位置補
正を行うことができる。この場合、位置ずれ量記憶手段
には、旋削保持位置ずれ量の値を原木の重量及び長さと
対応付けて記憶させておくことができ、位置ずれ量予測
手段は、原木長さの値と前述の重量反映情報の値とのそ
れぞれに対応する旋削保持位置ずれの量を、上記位置ず
れ量記憶手段の記憶値に基づいて予測するものとするこ
とができる。
に示すいくつかの実施例を参照して説明する。 (実施例1)図1は、本発明の一実施例としての芯出し
機能付原木供給装置(以下、単に原木供給装置という)
150の全体を模式的に示す側面図である。すなわち原
木供給装置150においては、原木1を搬送するログホ
ールコンベア2の終端部に近接して第一受枠4及び第二
受枠5が互いに近接して設けられている。第一受け枠4
はその後端が垂直状で、上面が搬送方向に対して下り勾
配である。第二受け枠5はその上面が搬送方向に対して
上り勾配となり、その上面には近接スイッチ、リミット
スイッチ、リードスイッチ等の図示しない原木検知器が
取り付けられている。これら第一受枠4と第二受枠5と
は、図示しない昇降機構により互いに逆方向に昇降する
ようになっており、ログホールコンベヤ2側からの原木
1を下流側の受渡コンベア13に向けて1本ずつ繰り出
す繰出装置を構成している。なお、原木1は、予め皮剥
きされた後、切削等により断面がほぼ真円形状となるよ
うに加工された状態でログホールコンベア2に供給され
る。
て、該受渡コンベア13から供給される原木1を下側で
受け止めてこれを支持するVブロック状の受台39(補
助保持手段)が、昇降可能に設けられている。この受台
39は、図2(a)に示すように、2つのものが原木1
の長手方向において互いに対向するように配置されてお
り、それぞれこれと一体に外向きに張り出して形成され
た張出部151,152を有している。そして、それら
張出部151,152には、それぞれこれを上下に貫通
するガイド挿通孔151a、152aが形成されてい
る。また一方の張出部151には、ガイド挿通孔151
aとほぼ平行に雌ねじ孔154が形成されている。そし
て、図2(b)に示すように、この雌ねじ孔154にね
じ軸155が螺合するとともに、フレーム156に固定
されたサーボモータ157が該ねじ軸155を正方向又
は逆方向に回転駆動することで、両受台39は、ガイド
挿通孔151a,152aにそれぞれ挿通されたガイド
部材151b,152bにより、リニアブロック151
c,152cを介してガイドされつつ昇降することとな
る。なお、図1及び図2に示すように、受渡コンベア1
3の末端側は、両受台39の間に入り込むように配置さ
れている。
受渡コンベア13の搬送面よりもやや下側となる受入位
置で原木1の受入れを待機する。一方、受渡コンベア1
3の幅方向中央付近に対応して原木支持面39a側に
は、受台39と一体的に昇降するリミットスイッチ等で
構成された原木検出センサ41が設けられており、原木
1が受渡コンベア13により原木支持面39aの直上位
置に到着すると付勢されて、これを検出するようになっ
ている。後述する通り、該原木検出センサ41が原木を
検出することにより受台39は上昇を開始し、コンベア
13上の原木1をその原木支持面39aにおいて受け取
って、以後は該原木1を支持しつつ上昇を続けることと
なる。
に、受渡コンベア13の搬送面から所定高さだけ上方に
おいて、受台39に支持される原木1の一方の端面下部
に対応する位置には、原木1の搬送方向に沿う横長の原
木検知部材40aが設けられている。原木検知部材40
aは、図1(b)に示すように、旋回部材40bの末端
部にこれと一体的に設けられており、該旋回部材40b
が旋回軸40cの周りで旋回することで、原木1の端面
に対する接近・離間が許容されている。原木1は、受渡
コンベア13の末端部に到着するに伴い、その端面下部
において原木検知部材40aを外向きに押しやるように
付勢する。これにより、旋回部材40bが下向きに旋回
して、その中間部に一体回転可能に設けられたスイッチ
付勢部40dにより、これに近接して設けられたリミッ
トスイッチ40が付勢され、原木1の到着が検出され
る。一方、その状態から原木1が受台39により上昇す
るに伴い、旋回部材40bは、原木検知部材40aと反
対側の端部に設けられたおもり部材40eにより、原木
検知部材40aに作用する重力に抗して逆向きに旋回
し、原木1の下縁が受渡コンベア13の搬送面から一定
高さだけ離間した位置に到達すると、リミットスイッチ
40の付勢状態が解除されるようになっている。
9に受け入れられた原木1の両端面に対応する位置には
プッシャー158が配置されており、これが取り付けら
れたピストンロッド160が油圧シリンダ159により
伸縮駆動されることで、それぞれ該原木1の端面に対し
て接近・離間するようになっている。
にはこれと一体的にエアシリンダ(受台側シリンダ)1
61が設けられており、ピストンロッド162を上下に
伸縮させるようになっている。ピストンロッド162
は、その先端部(第二の測定部材)162aがV字状の
原木支持面39aの底面近傍に位置する収縮位置を基準
位置として、エアシリンダ161を付勢することによ
り、そこから受台39に支持された原木1の底部に向け
て伸長し、該先端部162aが原木1に当たることで図
8に示すようにその伸長を止められるようになってい
る。なお、ピストンロッド162の伸長量は、エアシリ
ンダ161に組み込まれたリニアエンコーダ等の測長器
(受台側測長器)163により検出される。
該受台39に支持された原木1の上面に対し接近・離間
するY方向検知体(第一の検出部材)164が、図6に
示すように原木1の両端部に対応してそれぞれ配置され
ている。図3に示すように、Y方向検知体164は、原
木1の搬送方向においてほぼ水平に延びる水平部164
aを有し、その水平部164aの一方の端部下面側で原
木1の上面と接触するようになっている。一方、水平部
164aのそれと反対側の端部上面からは、垂直部16
4bがこれと一体的に垂直上方に延びている。そして、
水平部164aの該端部から側方に張り出して張出部1
64cが形成されており、その上面に、上下に延びるピ
ストンロッド166の下端が連結されている。そして、
このピストンロッド166がエアシリンダ(Y検知体シ
リンダ)165により伸縮することで、Y方向検知体1
64が昇降して原木1に対し接近・離間することとな
る。一方、Y方向検知体164は、例えばその垂直部1
64bにピストンロッド166の一端が結合され、これ
がエアシリンダ165により伸縮することで、原木1の
長手方向にそれぞれ進退駆動される。これにより、Y方
向検知体164は、ピストンロッド166が伸長した状
態では原木1の端部側面対応する所定位置に位置決めさ
れ、収縮した状態では原木1の端面よりも外側に退避す
るようになっている。
ド166の伸長量は、シリンダ165に組み込まれた磁
気スケールやリニアエンコーダ等の測長器(Y検知体測
長器)167により検出される。そして、ピストンロッ
ド166の伸長は水平部164aが原木1の上面に当接
することで止められるとともに、エアシリンダ165は
Y方向検知体164を原木1に押し付ける向きに付勢す
る。そして、後述する通りY方向検知体164は、原木
1が位置ずれを起こして垂直方向(Y方向)に変位する
と、上記シリンダ165による付勢力により原木1に追
従して移動し、原木1のY方向変位を検知する位置ずれ
量検出手段としても機能する。
ンダ165のケース165aの側面に形成された図示し
ないガイド溝内を垂直部164bが移動することでガイ
ドされるようになっている。また、図1及び図6に示す
ように、受台39の上方には、原木1の長手方向両側に
おいて、その原木1の搬送方向に延びる梁部材168a
が配設されており、シリンダ165は、両梁部材168
a間に渡されたフレーム168に固定されている。
64と、受台39のピストンロッド162とは、それぞ
れシリンダ161及び165の作動により、上下方向か
ら原木1に接近してこれを挟み付けるとともに、そのと
きのピストンロッド162及び166の伸長量から原木
1の断面の直径が計測されることとなる。
向において受台39の下流側にはベニヤレース169が
配設されており、その旋削中心を与えるベニヤレースス
ピンドル170に原木1を装着して回転させながら、鉋
台169aをこれに接近させることにより、当該原木1
を旋削するようになっている。受台39は、原木1を支
持した状態で昇降して、その軸芯がベニヤレーススピン
ドル170の中心とほぼ同一高さとなるように位置合わ
せを行う。そして、受台39の上方において原木1の昇
降軌跡の側方には、その下端位置が上記ベニヤレースス
ピンドル170とほぼ同じ高さとなるようにX方向検知
体171が配置されている。
定されたエアシリンダ172により水平方向に伸縮する
ピストンロッド173の先端に取り付けられて、受台3
9により上記位置合わせされた原木1に対し側方から接
近・離間するようになっている。また、図8に示すよう
に、シリンダ172内にはピストンロッド173の伸長
量を検出する磁気スケールやリニアエンコーダ等の測長
器174が組み込まれている。そして、Y方向検知体1
64と同様にX方向検知体171も、原木1に当接した
状態でエアシリンダ172によりこれに押し付けられる
ように付勢され、原木1の位置ずれに伴い水平方向(X
方向)に変位するとこれに追従して移動し、原木1のX
方向変位を検知する位置ずれ量検出手段としても機能す
る。
168a(図4では、その一方のみが図示されている)
間には、これにまたがるように移動梁190が配置され
ており、それら梁部材168a上に敷設されたレール1
91上を、正逆両方向に回転可能なモータ193により
車輪192を介して往復動するようになっている。そし
て、図1に示すように、その移動梁190の両側には、
受台39により位置合わせされた原木1を両端部におい
て把持する、原木保持手段としての把持ユニット175
が設けられている。把持ユニット175は、上端側が移
動梁190に対して懸垂状態で支持されてほぼ垂直下方
に延びる移動アーム178と、その移動アーム178上
を昇降可能に設けられたベースプレート177と、その
ベースプレート177の原木1に面する側に重ね配置さ
れて、該ベースプレート177に対し横方向(原木1の
搬送方向)にスライド可能とされた爪プレート176と
を備えている。そして、移動梁190が梁部材168a
上を走行することにより把持ユニット175は、図21
(b)に示すように、上記受台39による原木保持位置
Kとベニヤレーススピンドル170の中心位置Ovとの
間でほぼ水平に、かつ両者間の水平方向距離に応じて定
まる一定のストロークLTで移動するようになっている
(以下、移動梁190及びモータ193による把持爪ユ
ニット175の水平移動機構のことをトラバーサ195
という)。
ト176の表面には、複数の搬送爪(把持爪)70が突
出形態で設けられている。図9(a)及び(b)に示す
ように、各搬送爪70は円筒状に形成されるとともに、
その原木1に面する端面には、内側が凹むように逆円錐
台状の斜面部70bが形成されており、その斜面部70
bと外周面70cとによって、鋭角断面を有する円環状
の刃部70aが形成されている。ここで、その刃部70
aの先端角(斜面部70bと外周面70cとのなす角
度)θは、5°〜30°の範囲で調整される。θが30
°よりも大きくなると刃部70aが原木1に食い込みに
くくなり、5°未満になると刃部70aの強度が不足す
ることにつながる。なお、上記角度θは望ましくは15
〜25°で設定するのがよく、さらに望ましくはほぼ2
0°となるように設定するのがよい。なお、上記搬送爪
70は、爪プレート176に対し着脱可能に設けること
ができる。
リニアブロック194により、移動梁190に沿ってそ
の上面に配設されたレール190a上をスライド移動す
るようになってる。また、移動梁190の下面側に取り
付けられた油圧シリンダ(把持爪チャックシリンダ)1
96が、先端が移動アーム178に連結されたピストン
ロッド197を伸縮させることにより、爪プレート17
6を含む把持ユニット175全体が、受台39に支持さ
れた原木1の端面に対し接近・離間するようになってい
る。ピストンロッド197が収縮すると爪プレート17
6は原木1に接近し、図9(c)に示すように、搬送爪
70が刃部70aにおいて原木1の端面に食い込むこと
によりこれを把持する。そして、図1に示すように、そ
の状態でトラバーサ195が把持爪ユニット175を水
平移動させることにより、原木1はベニヤレース169
側へ搬送されることとなる。
に、ベースプレート177は、移動アーム178に面す
る側においてこれと一体に設けられたナット部材199
に螺合するねじ軸200を、移動アーム178側に設け
られたサーボモータ198により正逆両方向に回転駆動
することで、該移動アーム178に沿って上下両方向
(Y方向)に移動する。また、爪プレート176は、ベ
ースプレート177に面する側においてこれと一体に設
けられたナット部材202に螺合するねじ軸203を、
ベースプレート177側に設けられたサーボモータ20
1により正逆両方向に回転駆動することで、ベースプレ
ート177に対し左右両方向(X方向)に移動可能とさ
れている。なお、ベースプレート177の移動アーム1
78に対する移動は、移動アーム178側に配設された
ガイドレール178aと、これに係合するベースプレー
ト177側のリニアブロック177aとによってガイド
される。また、爪プレート176のベースプレート17
7に対する移動は、ベースプレート177側のガイドレ
ール177bと、これに係合する爪プレート176側の
リニアブロック176aとによってガイドされる。
199及びねじ軸200は、原木1の端面に沿う向きに
おいて、爪プレート176をY方向移動させるY移動機
構204を構成し、サーボモータ201、ナット部材2
02及びねじ軸203は、同じくX方向移動させるX移
動機構205を構成する。そして、これらY移動機構2
04及びX移動機構205が、把持ユニット175によ
り把持された原木1の、ベニヤレーススピンドル170
に対する位置ずれを、互いに異なる2方向において補正
する位置補正機構を構成する。
御系の構成例を示すブロック図である。すなわち、該制
御系はI/Oポート213と、それに接続されたCPU
210、RAM211及びROM212等を含む中央制
御部214を有し、そのI/Oポート213には、サー
ボ駆動ユニット215,222〜224、シリンダ駆動
ユニット216,219,221,225、及びA/D
変換器217,218,220がそれぞれ接続されてい
る。そして、サーボ駆動ユニット215,222〜22
4には、前述の各サーボモータ157,193,19
8,201と、それら各モータの回転位置、すなわち受
台39、トラバーサ195(把持ユニット175)、及
び搬送爪70のY方向及びX方向における現在の各位置
を知るためのパルスジェネレータ(PG)226〜22
9がそれぞれ接続されている。
9,221,225には、前述のエアシリンダ161,
165,172及び油圧シリンダ196がそれぞれ接続
されている。また、A/D変換器217,218,22
0には、受台側測長器163、Y検知体測長器167及
びX検知体測長器174がそれぞれ接続されている。ま
た、I/Oポート213には、前述の原木検出センサ4
1及びリミットスイッチ40がそれぞれ接続されてい
る。
150全体の作動制御を行うための制御プログラム21
2aが格納されている。また、RAM211には、上記
制御プログラム212aを実行するためのワークエリア
211a、Y検知体測長器167、X検知体測長器17
4及び受台側測長器163からのパルス信号をカウント
するパルスカウンタメモリ211b〜211d、受台3
9の上昇基準位置(後述)のメモリ211g、同じく受
台39を補助上昇させる場合の停止位置(後述)のメモ
リ211hがそれぞれ形成されている。なお、Y検知体
シリンダ165、Y検知体測長器167、X検知体シリ
ンダ172、X検知体測長器174、把持爪70のX−
Y移動用のサーボモータ201及び198は、各々対応
するA/D変換器及びサーボ駆動ユニットを含め、原木
1の両側に対応して各2組ずつ設けられているが、上記
ブロック図では1組のみを描いている。
ユニット223からは、対応するサーボモータ198の
駆動電圧がA/D変換器300を介してI/Oポート2
13に入力されるようになっている。この駆動電圧値
は、把持爪70により把持される原木1の重量の値を反
映した重量反映情報となる。すなわち、原木1のY方向
の位置補正を行う場合、これを把持した把持爪70を、
原木1の重量に抗して上方(すなわちY方向)に駆動し
なければならない。この場合、把持爪70のY方向移動
の速度がほぼ一定となるように、モータ198の回転を
制御するようにすれば、その定速運転時のモータ198
の電流値は、モータ198にかかる負荷、すなわち原木
1の重量が大きいほど高くなる。そして、図37(a)
に示すように、モータ198の巻線抵抗の値が一定であ
ると考えれば、該モータ198における電圧降下、すな
わちモータ198の駆動電圧も原木1の重量が大きくな
るほど高くなることとなる。
時あるいは装着後において見込まれる原木1の位置ずれ
量(以下、旋削保持位置ずれ量という)は、例えばスピ
ンドルチャック170aの食込み時に生ずる部分を別に
すれば、原木1の重量が増大するほど大きくなることが
予想される。ここで、各原木重量毎の旋削保持位置ずれ
量は、例えば実験あるいは計算等により求めることがで
きる。そして本実施例では、図12に示すように、この
実験あるいは計算等により予め求められた旋削保持位置
ずれ量の値が、Y移動用モータ198の駆動電圧値(す
なわち原木の重量)と対応付けた形で、旋削保持位置ず
れ量換算テーブル211i(位置ずれ量記憶手段)とし
てRAM211に記憶されている。図39(a)は、旋
削保持位置ずれ量換算テーブル211iの一例を示して
おり、互いに連続する駆動電圧値の範囲(V0〜V1、V
1〜V2、V2〜V3、V3〜V4、‥‥;V0<V1<V2<
V3<‥‥)毎に、旋削保持位置ずれ量がβ11、β12、
β13、β14、‥‥等として記憶されており、サーボ駆動
ユニット223から出力される駆動電圧の値に応じて対
応するずれ量の値が読み出され、これがベニヤレース1
69に原木1を装着した際のずれ予測値として使用され
る。
位置ずれ量β11、β12、β13、‥‥は、駆動電圧値の範
囲ではなく離散的な各駆動電圧値V0、V1、V2‥‥に
対応して記憶させるようにし、記憶されていない任意の
駆動電圧値に対応する旋削保持位置ずれ量を、記憶され
ている駆動電圧値及び旋削保持位置ずれ量に基づいて、
例えば補間法により求めるようにしてもよい。また、旋
削保持位置ずれ量の値と駆動電圧値(重量反映情報の
値)との間に一定の関係式が成立する場合には、その関
係式を記憶しておき、検出された駆動電圧値をその関係
式に当てはめて、旋削保持位置ずれ量を算出するように
してもよい。
ニヤレーススピンドル170の撓み、あるいは原木1自
体の撓みに基づく位置ずれ量は、原木1の重量以外に、
原木の長さwにも依存して変化することがある。例え
ば、ベニヤレーススピンドル170が図示しないシリン
ダ等の駆動により、所定長伸長して原木1の端面に食い
込むことによりこれを保持するようになっている場合、
図38(c)に示すように、原木1の長さWが短くなる
とベニヤレーススピンドル170の伸長量が増大し、該
スピンドル170に撓みが生じやすくなる。そこで、図
39に示す旋削保持位置ずれ量換算テーブル211iに
おいては、原木1の種々の長さ範囲(W0〜W1、W1〜
W2、W2〜W3、W3〜W4、‥‥;W0<W1<W2<W3
<‥‥)について、各駆動電圧値(原木重量)毎の旋削
保持位置ずれ量が記憶されており、原木長さWに応じて
対応する位置ずれ量の値が使用されるようになってい
る。
てI/Oポート213に接続された入力部301から入
力することができ、入力されたWの値はRAM211の
原木長さメモリ211kに格納される。一方、モータ1
98の駆動電圧値及び原木長さWに応じて換算テーブル
211iから読み出された旋削保持位置ずれ量の値は、
旋削保持位置ずれ量格納メモリ211mに格納される。
て、図13〜図15のフローチャートならびに図16〜
図21の工程説明図を用いて説明する。まず、図13に
おいて制御プログラム212aが起動し、S0において
原木1の長さWが入力される。次いで、S1においてパ
ルスカウンタメモリ211b〜211dの各カウンタ値
N1〜N3がクリアされる。そして図16に示すように、
ログホールコンベア2及び受渡コンベア13により原木
1が搬送されて受台39の直上位置に到達すると、S2
で原木検出センサ41が原木1を検出して受渡コンベア
13を停止させる。このとき、図1(b)に示すよう
に、原木1はその端面下部において原木検知部材40a
を介してリミットスイッチ40を付勢している。
ように受台39は原木1とともに上昇を開始する。そし
て、原木1は、その下縁部が受渡コンベア13の搬送面
から所定高さだけ上昇した位置においてリミットスイッ
チ40の付勢を解除することとなる。ここで、受渡コン
ベア13の搬送面からリミットスイッチ40の付勢解除
点までの距離をLS'とすれば、そこからさらに高さγだ
け上昇した高さLS(=LS'+γ)に受台39の上昇基
準位置が設定されている。受台39の昇降用モータ15
7は、リミットスイッチ40が付勢を解除されると減速
を開始し、該付勢解除後においてPG226(図12)
が、上記高さγに対応する一定数のパルスを出力すれば
停止するように制御される。こうして、受台39は、原
木1の下縁が上記上昇基準位置に位置決めされた状態で
停止することとなる(S5)。次いで、図17(b)に
示すように、図2のシリンダ159が作動して、両側の
プッシャー158が互いに接近する方向に移動し、原木
1を受台39上で移動させてこれをセンタリングする
(S6)。
ンダ165と受台側シリンダ161がそれぞれオンとな
り、図18に示すように、ピストンロッド166及び1
62がそれぞれ原木1側へ伸長するとともに、パルスカ
ウンタN1及びN3がY検知体測長器167及び受台側測
長器163からのパルス信号のカウントを開始する。ピ
ストンロッド166及び162は、各々その収縮位置か
ら伸長位置へ向けて伸長しようとするが、Y方向検知体
164及びロッド先端部162aが原木1に当たること
で、これを挟み付けた状態でその伸長が止められ、以降
は各シリンダ165及び161の空気圧により原木1側
に付勢された状態を維持する。そして、この時点でのパ
ルスカウンタN1及びN3のカウント値から、各ピストン
ロッド166及び162の伸長量L1及びL2が算出され
る。ここで、ピストン166及び162が収縮位置に位
置する状態(それぞれ第一及び第二の基準位置に対応す
る)での、Y方向検知体164及びロッド先端部162
a間の距離L0が固定であることから、原木1の直径D
が、 D=L0−(L1+L2)‥‥‥(1) により算出される(S8)。
に、ピストンロッド166を限界位置まで伸長させても
Y方向検知体164が原木1に届かない場合は、受台3
9をさらに付加的に上昇させて直径Dの測定を行うよう
にすることもできる。この場合、図17(a)に示すよ
うに、Y方向検知体164が原木1に届かなくなる限界
位置に対応して補助センサ42(本実施例では、投光部
42aと受光部42bとを備えた透過式光センサとされ
ている)が設けられる。このときの作動の流れは、図1
3のフローチャートにおいてS51〜S55の各ステッ
プを加えたものとなる。すなわち、S51において、原
木1が補助センサ42に検出されていない場合はS52
へ進んで受台39が上昇し、原木1の上縁が補助センサ
42に検出されると減速を開始し、そこから一定高さだ
け上方に位置する付加上昇位置で受台39が停止するよ
うに、PG226(図12)のパルス出力に基づいてモ
ータ157の駆動が制御される。そして、Y方向検知体
164及びロッド先端部162a間の距離L0は、前述
の上昇基準位置から付加上昇位置へ至るまでの受台39
の上昇量L4(図17(c))を差し引いたL0−L4と
置き換えられる。一方、S51において原木1が補助セ
ンサ42に検出された場合はS56に進み、前述のL0
の値がそのまま採用される。以下の処理は同様である。
1の軸芯OLは、断面を真円とみなすことで、その直径
の中点として求められる。なお、このタイミングで把持
ユニット175は原木1の把持位置(受台39の位置)
まで移動する。続いて受台39を上昇させることにより
その軸芯OLの高さをベニヤレーススピンドル170
(図1)の中心Ovの高さと一致させる。このときの受
台39の移動量LAは、ピストン166の収縮状態にお
けるY方向検知体164の下面位置を基準としたとき
の、上記中心Ovまでの距離をLvとした場合に、図18
に示すように、 LA=(L1+D/2)−Lv‥‥‥(2) で与えられる(以上、図13:S9〜図14:S1
1)。また、Y方向検知体164はシリンダ165の付
勢により、原木1に追従して移動する。
していた把持ユニット175の油圧シリンダ196(図
4)が作動して、図9(c)に示すように搬送爪70が
原木1の両端面にそれぞれ食い込んでロード状態とな
り、これを把持する。これにより原木1は、高さ方向
(Y方向)においてはその軸芯OLがベニヤレーススピ
ンドル170の中心Ovと同位置に位置決めされ、さら
に水平方向(X方向)においては、トラバーサ195に
よりベニヤレース169に向けて定ストローク移動を行
った場合に、上記軸芯OLが中心Ovに一致するように位
置決めされることとなる。また、図19(a)に示すよ
うに、S13においてX検知体シリンダ172がオンと
なり、X方向検知体171が該シリンダ172により付
勢された状態で原木1に当接する。この時点で、Y検知
体測長器167及びX検知体測長器174(図8)の両
パルスカウント値N1及びN2をクリアするとともに(S
14)、受台39を原位置まで下降させて、原木1を搬
送爪70のみにより支持させた状態とする(S15)。
39が原木1を支持している状態では、原木1の旋削軸
芯OLは正確に位置決めされた状態となっているが、受
台39が下降・退避すると原木1は搬送爪70のみによ
り自重が支えられる形となる。この場合、同図(c)に
示すように、搬送爪70の上側部分がその自重によりつ
ぶれるように圧縮されて原木1が垂下し、同図(d)に
示すように軸芯OLが下方に位置ずれを起こすことがあ
る。また、原木1への搬送爪70の食込状況によって
は、把持爪70の食込時にすでに位置ずれが生じている
こともありうる。例えば、図19(b)に示すように、
原木1が受台39による支持解除に伴い、搬送爪70の
把持力に抗してその自重により下側へ垂れ下がるように
変位した場合、前述の通り位置決めされていた軸芯OL
は、これらに基づく変位UによりOL'へ位置ずれを起こ
すとともに、Y方向検知体164及びX方向検知体17
1は、原木1に追従して移動し、その時のパルスカウン
タ値N1及びN2から上記変位UのY方向成分UYとX方
向成分UXとがそれぞれ算出される(S16)。これら
各成分値UY,UXはRAM211(図12)のメモリ領
域211e及び211fにそれぞれ記憶される。なお、
原木1の両側の各Y方向検知体164及びX方向検知体
171は、それぞれ対応する側における原木1の変位U
を検出し、その変位成分(UX、UY)の値は各々個別に
RAM211に記憶される。
サ195(図1等)は、原木1を把持ユニット175と
ともにベニヤレース169に向けて搬送を開始する(S
17)。そして、上記原木1の搬送中に、両側の各Y移
動機構204とX移動機構205(図5)とが対応する
把持ユニット175を、前述の変位Uが打ち消されるよ
うにそれぞれ独立に駆動して、原木1の位置ずれ状態を
解消する(S18)。
理に進む。その詳細は図15に示す通りである。すなわ
ち、S191において、S18(図14)のY方向補正
時のモータ198(図12)の駆動電圧をサーボ駆動ユ
ニット223から読み込む。ここで、読み込むべき駆動
電圧の値は、例えば図37(b)に示すように、モータ
198の回転数が定常値に到達したときの電圧値VSを
採用することができる。一方、所定高さに位置決めした
状態で原木1を把持している場合においては、モータ1
98は回転は停止しているが、原木1を引き上げる向き
に回転トルクを生じさせる一定の電圧VS'は付加されて
おり、このトルクにより原木1を、これに作用する重力
に抗して当該位置決め位置に保持することとなる。この
場合、該トルクを生じさせるための上記電圧VS'は、原
木1の重量が増大する程大きくなるので、これを前記駆
動電圧として読み込んでもよい。
電圧VSと原木長さWに対応する旋削保持位置ずれ量β
とを、位置ずれ量換算テーブル211i(図12及び図
39)から読み出し、これを当該ずれ量の予測値として
メモリ211m(図12)にセットするとともに、S1
93において、図21(a)に示すように、該旋削保持
位置ずれ量βが打ち消されるように、両側の各Y移動機
構204により原木1の軸芯OLの位置を−βだけY方
向に追加補正する。この場合、原木1の左右の端部に生
ずることが見込まれる旋削保持位置ずれ量が互いにほぼ
等しい場合は、上記追加補正の量も原木の左右でほぼ等
しい値だけ施せばよい。一方、見込まれる旋削保持位置
ずれ量が原木の左右で異なる値となる場合には、左右独
立に対応する量の追加補正を行うことができる。この場
合、旋削保持位置ずれ量のデータは、原木の左右それぞ
れに対応して2組記憶させておく必要がある。これに対
し、より簡便な方法として、見込まれる位置ずれ量の左
右の平均値に相当する追加補正を、原木の左右において
互いに等しい量により行うことも可能である。この場合
は、旋削保持位置ずれ量のデータは上記平均値に相当す
るものを1組だけ記憶しておけばよい。
1がベニヤレーススピンドル170の位置に到達すると
トラバーサ195は移動を停止し(S22)、原木1は
把持ユニット175への装着時に生じた位置ずれ変位U
が解消され、かつベニヤレース169に装着したときに
見込まれる旋削保持位置ずれ量βに対する追加補正がな
された状態、すなわち軸芯OLがベニヤレーススピンド
ル170の中心(旋削中心)Ovに一致する位置から−
βだけY方向に変位した状態で、ベニヤレーススピンド
ル170に受け渡されてこれに装着される(S23)。
受渡しが完了すればS24に進み、把持ユニット175
はアンロード状態となって原木1の把持を解除する。こ
れに伴い、原木1にはその自重に伴う垂下等により、前
述の旋削保持位置ずれ量βに対応する量だけ下方に変位
することとなるが、これが上記追加補正による変位−β
とほぼ打ち消し合って、結果的に原木1は、その軸芯O
Lが旋削中心OVに正確に位置決めされた状態で、ベニヤ
レース169に装着される。
ずれ補正は、ベニヤレース169への移動前に行っても
よいし(S60、S61)、また、ベニヤレーススピン
ドル位置に到達後に行うようにしてもよい(S70、S
71)。
処理においては、Y方向の補正のみを行っていたが、X
方向の補正も行うように構成することが可能である。こ
の場合、旋削保持位置ずれ量換算テーブル211i(図
12)には、Y方向の位置ずれ量に加え、X方向の位置
ずれ量も合わせて記憶しておけばよい。また、原木1の
重量は、Y移動用のモータ198の駆動電圧により検出
するようにしていたが、これを駆動電流により検出する
方法、あるいは図37(b)に示すように、モータ19
8が定常運転状態に到達するまでの駆動電圧の時間変化
率ΔV/Δt(あるいは駆動電流の時間変化率)により
検出する方法も可能である。また、原木1の重量を秤等
を用いて予め測定しておき、その測定値に基づいて旋削
保持位置ずれ量を定めるようにしてもよい。この場合、
原木保持前において、把持ユニット175をY方向もし
くはX方向に所定量だけ移動させておくことで、原木1
に対する把持位置を変更し、それによって上記定められ
た量の位置ずれが解消されるようにしてもよい。なお、
処理に係る原木の重量ないし長さ等がほぼ一定であれ
ば、ベニヤレース169に装着したときの原木1の位置
ずれ量もほぼ一定となるので、この場合は予め定められ
た一定の量及び方向の位置補正を行うようにして、旋削
保持位置ずれ換算テーブル211iを省略してもよい。
(a)に示す円錐状のものや、同図(b)のナイフ状の
もの等も使用できるが、図9(c)に示すように、円筒
状の搬送爪70は、それらに比べて食い込んだ刃部70
aにおける原木1との接触面積が大きく、また同図
(d)に示すように、刃部70aが原木1の繊維細胞壁
Cを分断するように食い込むので、強固な把持力が得ら
れる利点がある。また、図9(c)に示すように、原木
1の繊維Fが搬送爪70の内側に、その断面半径方向に
等方的に圧縮されながら進入するので、搬送爪70の内
側では原木1の自重による繊維Fの圧縮が起こりにくく
なり、結果として受台39による支持解除後の原木1の
位置ずれの程度を小さく抑さえることができる。なお、
図11に示すように、角筒状の搬送爪70を使用するこ
とも可能である。
64及びX方向検知体171は、原木1の両側に設ける
のではなく、例えば原木1の長手方向中央付近に対応し
て1組のみ設ける構成としてもよい。この場合、原木1
の両側のY移動機構204及びX移動機構205は、上
記実施例のように左右独立して行うのではなく、上記検
知体164及び171の検出する位置ずれの変位に基づ
いて、原木1に対し互いに同量及び同方向の位置補正を
行うものとすることができる。また、図8に示すよう
に、検知体210を原木1に対し斜め方向から当接する
ように設けることも可能である。
際の、あるいは把持後において受台39が支持解除した
ときの原木1の位置ずれの変位Uが、主にY方向(垂直
方向)成分のみでX方向(水平方向)成分をほとんど含
まない場合には、X方向検知体171を省略することも
できる。また、原木の重量及び寸法が一定している場合
等、変位Uの量及び方向が常にほぼ一定である場合は、
原木1に対して予め定められた量及び方向の位置補正を
行うようにして、両検知体164及び171をともに省
略する構成も可能である。さらに、上記位置ずれ変位U
が十分に小さく、原木の旋削精度等に及ぼす影響がほと
んど生じないと考えられる場合には、該位置補正を特に
行わないようにしてもよい。
びX方向検知体171は、エアシリンダ165ないし1
72により原木1に対し付勢されるようになっていた
が、これをばね等の弾性部材を用いて付勢するようにし
てもよい。一方、原木1の位置ずれを検出する手段とし
ては、上記Y方向検知体164及びX方向検知体171
のように接触式の検知体を使用する代わりに、これらを
例えば図22(a)のように、非接触式の検知器215
に置換することも可能である。これには、レーザ光、電
磁波(例えば遠赤外線、光電管による光等)あるいは、
超音波等の伝播媒体を原木1の外周面に投射し、その反
射を利用するもの等を採用することができる。あるいは
同図(b)の検知器215のように、投光器215Aか
ら原木1の外周部に向かって高さ方向に連なる多数条の
光又は高さ方向に所定の幅をもつ光帯を投射し、原木1
の外周部で遮蔽されずに反対側の受光器215Bに到達
した光の量を計測して原木1の位置ずれ変位を求める方
式のものを採用することも可能である。さらに、同図
(c)に示すように、CCDカメラ等の画像撮影装置2
16により原木1の端面の画像を撮影し、その画像の変
化から位置ずれ変位を検出する方式も可能である。
の別の実施例及びそれを組み込んだ原木芯出し供給装置
の全体構成を模式的に示している。すなわち、該原木芯
出し供給装置250においては、実施例1の装置とほぼ
同様の構成のログホールコンベア2及び受渡コンベア1
3により原木1が供給されるようになっているが、受渡
コンベア13から排出された原木1は、フックコンベア
32により斜め上方に搬送され、さらに昇降可能に設け
られた受台39に受け渡されるようになっている。そし
て、その受台39の上方位置には、複数組の上部検知器
42(L1、L2、・・・)が、原木1の直径に応じて複数
段階の計測点を与えるために設けられている。これらの
上部検知器42は、例えば光電式のもので、互いに対向
する投光器42Aと受光器42Bとを備え、投光器42
Aから発光される光が、受台39により上昇させられる
原木1の上面で遮られることにより、上面検知の信号が
出力される。
Kが原木1の下面(下面検知体31B)を検知してか
ら、上部検知器L1又はL2が原木1の上面を検知するま
での原木上昇量Y1又はY3に基づき、原木1の直径d1
又はd2が算出される。つまり、H1、H3は固定距離で
あるから、これらからY1又はY3を減算すればd1又は
d2が求められる。これに基づき仮軸芯O1又はO2が決
定され、あとは、その仮軸芯と後述する把持爪51の中
心(O51)とが合致するまで原木1が受台39により上
昇させられることとなる。
ア32の上方には、原木1を仮軸芯を回転中心として1
回転以上させることにより、その長手方向にわたる複数
個所の断面輪郭を検知し、これに基づき原木1の旋削軸
芯を求める原木芯出し装置300が設置されている。す
なわち図26に示すように、左右一対で原木1の長さ方
向に配置されたガイド44に基台45を載せるととも
に、この基台45をねじ状横送り軸46に螺合し、それ
の一端に連結されたモータ47の駆動によって、基台4
5を原木1の長さ方向において接近・離間可能な構成と
している。
対向して一対の把持用シリンダ48が設けられ、そのピ
ストンロッド49の先端が、基台45のほぼ中央部に支
持されているスピンドル50の後端に連結されていて、
各スピンドル50の先端には、原木1の端面に突き刺さ
れる仮回転保持部としての把持爪51が取り付けられて
いる。また基台45上に設置されたモータ52によりチ
エーン53を介して駆動されるチエーンホイール54
が、軸方向に摺動可能、かつ回転方向に対して一体的に
嵌挿されている。一方、相対向して位置する従動側のス
ピンドル50には、ギヤ55が軸方向に摺動可能、かつ
回転方向に対して一体的に嵌挿され、このギヤ55が連
係ギヤ55Aを介して、基台45に設けられたロータリ
エンコーダ56のピニオン57とかみ合い、これによっ
て原木1の回転角を計測する回転角検知器が構成され
る。この回転角検知器は後述する変位検知器と協働して
原木1の輪郭検出器を構成する。
1の長手方向にわたって各々任意長さを有し、かつ隣接
するもの同士がほぼ密接状態となる検知域を有する接触
式の検知体59が複数個配置されている(図示の例にお
いては13個)。そして、それらの検知体59の個数と
同じ数だけ検知体59の変位量を計測する変位検知器が
設けられている。すなわち、横梁58に対して、複数本
(この例では13本)の変位腕61が各基部近傍におい
てピン61A(図30)により垂直面内で揺動可能に取
り付けられ、各先端部に上述の検知体59がそれぞれ設
けられている。また、横梁58の前方に各変位腕61を
それぞれ引き上げる流体シリンダ62が一対の側板60
間にピン結合されるとともに、そのピストンロッド63
の先端が変位腕61にピン結合されている。
の自重の一部を支え、残余の自重により変位腕61の検
知体59を原木1の外周面に当接させるとともに、内蔵
されたリニヤエンコーダ62Aによって、検知体59の
変位量を変位腕61を介して検知する。これら検知体5
9は、原木1の断面輪郭を検知する役割を果たすととも
に、後述する原木1の自重に伴う位置ずれを検出する位
置ずれ量検出手段としても機能する。ここで、検知体5
9は例えば13個存在するが、供給される原木1の長さ
が短い場合は、それに応じて検知に関与する検知体59
の数を減少させ、それら検知体59の合計距離を原木長
さにほぼ合わせるようにすることができる。例えば、原
木1の長さを3段階に分けた場合、原木1の各長さに応
じて検知体59の個数も例えば13個、11個、9個と
選択できる。
原木1を、図23におけるベニヤレースのスピンドル6
8まで搬送するために、一対の傾斜梁69が原木1の搬
送路を挟んで互いに対向するように設けられ、後述する
進退機構により相対向する方向に進退可能とされてい
る。また各傾斜梁69には往復動機構によって搬送爪7
0が傾斜方向へ往復動可能に組み付けられ、さらに、そ
の傾斜梁69が昇降機構によって昇降させられるように
なっている。
は、鉋台Rの旋削刃Sにより原木1が押圧されつつ旋削
される際に、その押圧力に対抗する力を付与するバック
アップローラ装置Tが設けられるが、傾斜梁69はその
バックアップローラ装置Tと干渉しないように、斜め下
方に傾斜した原木搬送軌跡を与えるものである。
上には、図29に示すように、原木1の搬送方向と直交
する方向へ、ガイド71が取り付けられ、このガイド7
1にリニヤブロック72を備えた支持台73が設置され
ている。この支持台73は、機枠33に水平状に設けら
れたねじ状送り軸74に螺合され、これを回転させるモ
ータ75によって進退可能とされている。さらに、この
支持台73上には、水平方向のガイド76に移送台78
が載置されるとともに、移送台78には、支持台73に
固定された傾斜梁用シリンダ79のピストンロッド80
が接続され、この移送台78が支持台73に対し移動で
きる構成とされている。
方向に一定の間隔をおいて一対のガイド81(図28)
が垂直方向に形成されており、これらガイド81に、原
木芯出し位置からベニヤレースのスピンドル68の近傍
に至る前記各傾斜梁69が組み付けられている。また、
傾斜梁69は移送台78に支持された垂直方向のねじ状
縦送り軸82に螺合され、その軸82の一端に接続され
たモータ83によって昇降可能とされている。さらに、
移送台78に固定されたシリンダ84のピストンロッド
85が傾斜梁69に接続され、上記シリンダ84が常時
傾斜梁69ならびに搬送時の原木1を、有段あるいは無
段階の圧力において引き上げることにより、それらの自
重分の負荷を除去した昇降機構が、上記縦送り軸82及
びモータ83によって構成されている。
69のY軸上の移動量を測定するY軸距離測定器83A
が接続されており、これは、例えば縦送り軸82を駆動
するサーボモータ83の回転数をパルス信号に変換する
パルス発生器等を主体として構成され、そのパルス数に
基づいてY軸方向の移動距離が測定される。なお、Y軸
距離測定器としては、これ以外に、Y軸方向の移動量を
直接的に求める磁気スケールであってもよいし、また、
駆動源にモータ83でなく流体シリンダ機構が用いられ
る場合は、ピストンロッドの伸縮量を回転角に変換して
測定するロータリエンコーダであってもよい。
た傾斜ガイド87にリニヤブロック88を介して組み付
けられており、傾斜梁69の傾斜方向に沿って設けられ
たねじ状の傾斜送り軸86が搬送爪70に螺合されてい
る。そして、傾斜送り軸86の一端に連結されたモータ
89によって搬送爪70が傾斜方向へ往復動させられ
る。また、傾斜梁69に固定されたシリンダ90のピス
トンロッド91がチエーン92を介して搬送爪70に接
続され、搬送爪70並びに搬送爪70に把持された原木
1を、有段あるいは無段階の圧力において常に引き上げ
ることにより、それらの自重分を除去した往復動機構が
構成されている。
搬送爪70の移動量を測定するために、ロータリエンコ
ーダ等によって構成されるX軸距離測定器70Aが接続
されている。なお、前記原木芯出し装置300において
得られた旋削軸芯の補正データは、仮軸芯からのX軸
上、並びにY軸上の距離として指示される直交座標上の
補正量であるが、搬送爪70に対する補正量は縦送り軸
82及び傾斜送り軸86上の移動量であり、両者は直交
座標とならない。その関係上、補正データを搬送爪70
へ出力するには、縦送り軸82をY′、傾斜送り軸86
をX′とする非直交座標上での指示値に変換する必要が
ある。ただし、本実施例では、説明の便宜上、傾斜送り
軸86をX軸に相当するものとする。
まず、図23において、原木1がフックコンベヤ32か
ら受台39上に乗り移ると、受台39は上昇を開始し、
下面検知体31Bは原木1に接触しつつ若干上昇して、
下部検知器Kによって検知され、これを上昇起点として
受台39の上昇量を表わすパルス数の読み込みを開始す
る。これ以後、原木1の下面は下面検知体31Bから離
れる一方、原木1の上面が、上方の互いに異なる高さに
あるいずれかの上部検知器42の投光器42A、受光器
42Bに検知されるまで上昇量が積算される。
して原木1の径が大径、中径、小径の3段階又は2段階
等のどれに属するかが判別されることになる。そして、
例えば図24の左側に示すように、上部検知器42(L
1)より下部検知器Kまでの距離H1から、積算された上
昇量Y1を減算して原木1の直径d1が得られ、さらにそ
の半径r1から、上部検出器L1と原木芯出し装置300
の把持爪51の中心O51との距離H2を減算し、その残
量Y2だけさらに受台39を上昇させる。同様に図24
の右側の例では、L1より上側に位置する上部検知器4
2(L2)が原木1の上面を検知するが、原木1の半径
は、r2=(H3−Y3)/2で求められ、さらに、r2−
H4=Y4によって受台39の更なる上昇量が定まる。
O2が決定されると、図23に示すように受台39は、
図示しない横送り軸により定量分だけ前進し、原木1の
仮軸芯部分を原木芯出し装置300の左右一対の把持爪
51の中心を結ぶ線上に至らせる。このとき、原木1の
長手方向にわたってほぼ密接して連なる検知域を有する
複数の検知体59及び変位腕61は、上部検知器42等
で判別された原木1の直径に応じた位置に待機してい
る。また、把持爪51を支承している基台45(図2
6)は、搬入される原木1の長さに応じて、ねじ状の横
送り軸46及びモータ47によって適宜進退調整されて
待機しており、原木1は、一対の把持用シリンダ48の
作動に伴い、一対の把持爪51によって把持される。そ
の把持後、受台39は下降して次の原木に備える。
59(図27)が原木1の外周面に当接させられ、か
つ、モータ52(図26)の駆動により把持爪51が原
木1とともに1回転させられる。この回転角は原木回転
角検知器としてのロータリエンコーダ56によって、ま
た原木1の両端面の仮軸芯を結ぶ線上からの検知体59
の変位量は、変位検知器たるリニヤエンコーダ62A
(図30)によって、各々同期的に検知される。したが
って、原木回転角検知器によって検知された任意角の電
気信号と、変位検知器によって検知された変位量の電気
信号は同期的に取り出され、例えば13箇所の断面輪郭
が微小角度ごとの点の集合としてそれぞれ検知される。
作動系を説明する。上記のようにして得られた13箇所
の断面輪郭データは、記憶器101又は102に記憶さ
れる。そして、演算器100によりまず、原木1の両端
部近傍A、A(図示例では最外端より一つ内方に位置す
る検知体59)並びに中央部Bの3箇所の断面輪郭デー
タに基づいて各最大内接円が求められる。最大内接円の
求め方の一例を図32に概念的に示すと、例えば有限要
素法に基づき、仮軸芯Oを内側に含む正方形のマトリッ
クスを考え、そのマトリックスの複数ポイントのそれぞ
れにおいて断面輪郭までの最短距離を求め、そのうちの
最も長いものに基づき最適なポイントを1個見い出す。
更にそのポイントを中心として前回より小さい正方形の
マトリックスを設定してその中で更に最適なポイントを
1個見い出すというように、正方形のマトリックスを順
次縮小していき、予め定めたミニマムの正方形マトリッ
クスにおいて、最終的なポイントを中心とする所定半径
の円をもって求める最大内接円とする。
中央部の3断面輪郭の各最大内接円を求めた後、それら
3個の最大内接円の配列に基づき、原木1の長手方向に
おいて取り得る最大直円筒の方向を予測する。つまり、
図33に概念的にかつ誇張して示すように、原木1の仮
軸芯Oはある程度ラフなものであるため、本来の軸芯と
は任意のねじれ角をもつのが一般的である。そして、こ
の仮軸芯Oに平行な方向では比較的小さい最大直円筒し
か想定できないが、図34のα方向では相当大きな最大
直円筒を想定できる。これは、図34のように仮軸芯O
をZ軸とするX−Y−Z座標を考えたとき、左、中央及
び右の3断面の各最大内接円L、C及びRの配列におい
て、それら3円の重なり度合が最も大きくなる方向αを
3円の各中心位置に基づいて求めることである。概念的
には上記方向αがZ軸となるように座標系を変換(回転
及び並進)させて、図35のような新たな座標系X′−
Y′−Z′を作ることである。例えばこのような方向α
として、図34の各最大内接円L、C及びRの各中心か
らの距離の合計が最小となるような1つの直線を用いる
ことができる。このような直線は、例えば最小2乗法等
によって定められる。
木1の前記13断面の全ての断面輪郭を新たな座標系
X′−Y′−Z′におけるY′−Z′平面に投影して重
ね合わせ、これらの内側に入る最大直円筒Mを求めて、
その中心線を所期の旋削軸芯Gとする。そして結果的に
は、その求めた中心線と原木1の両端面との各交点が図
33に示す左軸芯GL、右軸芯GRとなる。これらの点は
本来は変換前の前記X−Y−Z座標におけるX−Y平面
への投影点となるが、説明の便宜上、仮軸芯Oを原点と
する2次元のX−Y座標上の点GL(x1、y1)、GR
(x2、y2)として表わすこととする。
筒の方向性の決定、更に最大直円筒の算出は、図31の
演算器100が行う。演算器100はコンピュータのC
PU等で構成することができ、また前述の記憶器10
1、102もコンピュータのメモリ装置を利用すること
ができる。そして、求められた旋削軸芯の前記座標値が
傾斜梁69及び搬送爪70における昇降機構のモータ8
3及び往復運動機構のモータ89へ出力されることとな
る。
応して、送り軸74及びモータ75により予め待機位置
が設定され、次いで、傾斜梁用シリンダ79を作動させ
て、各搬送爪70を原木1の両端面の上部へ食い込ませ
た後、把持爪51を両端面の中心部より離脱させる。こ
のとき、搬送爪70の食込み部上部においては原木1の
自重付加に伴う圧縮が生じて原木1が下方に位置ずれ変
位を起こし、上記算定された旋削軸芯の座標値も原木1
に対してその変位分だけ相対的にずれて、新たな偏差を
生ずることとなる。
においても引き続き原木1に対して接触状態を維持して
おり、原木1に上記位置ずれが生ずると、検知体59も
それに追従して下方移動し、その移動量から原木1のY
方向の位置ずれ変位UYを算出することができる。すな
わち、検知体59が、実施例1の装置150におけるY
方向検知体164と同様の役割を果たしていると見るこ
とができる。なお、複数の検知体59のすべてを用い
て、各々上記位置ずれ変位UYを検出させるようにして
もよいし、一部のもの(例えば原木1の両端に対応する
もの)のみに検出させてもよい。一方、図36に示すよ
うに、実施例1の装置150と同様の構成のX方向検知
体171、シリンダ172及びX検知体測長器174
を、検知体59等の他部材と干渉しない位置に設けるこ
とで、X方向の位置ずれ変位Uxを検出することも可能
となる。このX方向検知体171も、実施例1と同様
に、原木1の長手方向に所定の間隔で複数配置すること
ができる。
る変位UY 及びUxの検出値を使用する場合、それらを
例えば原木1の長手方向における各検出位置Sと組にし
て、それぞれ2変数統計量(UY,S)及び(Ux,S)
と表すことで最小2乗法により直線回帰を行い、原木1
の両端位置における変位UYE 及びUxEをその回帰直線
に基づいて算出することもできる。
と仮軸芯とのX方向及びY方向の偏差を原木1の両端面
ごとに求め、そのY方向成分及びX方向成分に、上記算
出された原木1の両端面における位置ずれ変位のY成分
UYE及びX成分UxEを新たな偏差としてそれぞれ加算す
る。そして、X方向の偏差については左右の往復動機構
のモータ89へ各別に出力し、案内87に沿って傾斜送
り軸86により搬送爪70を前進させるとともに、エン
コーダ70Aによって逐次検出した前進量を演算器10
0へ帰還させ、補正量を正確に制御する。また、Y方向
の偏差については、左右の昇降機構のモータ83へ各別
に出力し、案内81に沿って縦送り軸82により傾斜梁
69を下降させるとともに、エンコーダ83Aによって
逐次検出した下降量を演算器100へ帰還させ、補正量
を正確に制御している。
らの駆動電圧値は、原木1の重量に応じて変化するの
で、実施例1と同様にこれが演算器100に送信され
る。演算器100は、記憶器83bに格納された図39
と同様の旋削保持位置ずれ量換算テーブルを参照して、
ベニヤレースのスピンドルチャック68に原木1を装着
したときに見込まれる位置ずれ量(Y方向下向きにβ
(ただしβ>0)だけずれるとする)、すなわち旋削保
持位置ずれ量を予測し、該位置ずれが解消されるように
モータ83及び89を駆動して、原木1の位置を追加補
正する。
下方向及び縦送り軸82の下方向をそれぞれ座標上の正
方向とする。そして、左右に位置する各傾斜梁69の搬
送爪70の待機原点が、傾斜送り軸86上の始端(上
端)より少し手前に設定されている場合、すなわち、仮
軸芯と旋削軸芯とのX座標上の負方向への偏差予測を加
味した位置に各傾斜梁69が待機されている場合には、
芯出しされた原木1の両端面の前記X方向の偏差に対し
て、各搬送爪70を別個独立にその待機原点よりその偏
差分だけ正方向あるいは負方向へ、モータ89の駆動に
よって予め位置調整した後、各搬送爪70を定距離だけ
送り軸86に沿って前進させればよい。また、搬送爪7
0の待機原点が傾斜送り軸86の始端(上端)位置に設
定される場合は、予め定距離に対し偏差分だけ加算若し
くは減算した距離だけ、各搬送爪70を別個独立して前
進させる。
送り軸82の上端より少し下がった位置、すなわち、仮
軸芯と旋削軸芯とのY座標上の負方向への偏差予測を加
味した位置に各傾斜梁69が待機していれば、芯出しさ
れた原木1の両端面の前記Y方向の偏差に対して、各傾
斜梁69を別個独立にその待機原点よりその偏差分だけ
正方向あるいは負方向へ、モータ83の駆動によって予
め昇降させた後、定距離だけ下降させればよい。また、
各傾斜梁69の待機原点が縦送り軸82の上端位置であ
れば、予め定距離に対し偏差分だけ加算若しくは減算し
た距離だけ、各傾斜梁69を別個独立に下降させること
になる。
具体的に説明する。いま仮に、仮軸芯Oを座標上の原点
(0,0)とし、原木1の位置ずれに伴う偏差の寄与を
加算した状態での、旋削軸芯Gの原木右端の座標値を
(GRX,−GRY)、左端の座標値を(−GLX,G
LY)とする。この場合、右搬送爪70は待機原点から
(GRX)分だけ傾斜送り軸86上を後退し、また左搬
送爪70は待機原点から(GLX)分だけ傾斜送り軸8
6上を前進し、その後、左右の搬送爪70は定距離前進
する。一方、右傾斜梁69は待機原点から(GRY)分
だけ縦送り軸82上を下降し、また左傾斜梁69は待機
原点から(GLY)分だけ縦送り軸82上を上昇し、そ
の後、左右の傾斜梁69は定距離下降する。これによ
り、原木1の求められた旋削軸芯Gは、ベニヤレースの
スピンドル68の中心から、該スピンドル68への装着
後に見込まれる旋削保持位置ずれを解消する変位分だけ
ずれた位置に位置決めされることになる。
値を前提として、右搬送爪70の定距離前進量から(G
RX)の距離分だけ減算し、また、左搬送爪70の定距
離前進量に(GLX)距離分だけ加算し、算定後の各距
離分だけ各傾斜送り軸86上を左右の搬送爪70を前進
させることになる。一方、右傾斜梁69の定距離下降量
に(GRY)の距離分だけ加算し、また、左傾斜梁69
の定距離下降量から(GLY)の距離分だけ減算し、算
定後の各距離分だけ各縦送り軸86上を左右の傾斜梁6
9を下降させる。これにより、原木1の求められた旋削
軸芯Gは、ベニヤレースのスピンドル68の中心から、
該スピンドル68への装着後に見込まれる旋削保持位置
ずれを解消する変位分だけずれた位置に位置決めされ
る。
された場合の旋削軸芯Gの座標値が(0,0)、すなわ
ち、仮軸芯Oと同一であれば、右搬送爪70並びに左搬
送爪70に関する各待機原点からの偏差補正は0であ
り、各傾斜送り軸86上の前進量は定距離となる。ま
た、右傾斜梁69並びに左傾斜梁69も各待機原点から
の偏差補正は0となり、各縦送り軸82上の下降量は定
距離となる。
示す説明図。
面図及び側面図。
側面図及びその AーA、BーB断面図。
検知体の配置例を示す平面図。
位置関係を示す側面図。
示すフローチャート。
図。
図。
示す説明図。
図。
ータ駆動電圧の時間変化を模式的に示すグラフ。
れが発生する様子を示す説明図。
の例を示す説明図。
説明図。
Claims (7)
- 【請求項1】 旋削軸芯が決定された原木をその両端面
において保持する原木保持手段と、 その原木保持手段に保持された原木を、該原木保持手段
とともにベニヤレースの旋削中心部まで搬送する原木搬
送手段と、 前記旋削軸芯をベニヤレースの旋削中心に位置決めした
状態で前記原木を該ベニヤレースの旋削保持部に保持さ
せたときに、当該原木に生ずることが見込まれる前記旋
削軸芯の前記旋削中心からの位置ずれ(以下、旋削保持
位置ずれという)が解消されるように、前記原木保持手
段を前記原木の保持前又は保持後において駆動して、当
該原木の位置補正を行う位置補正機構と、 を備えたことを特徴とする原木供給装置。 - 【請求項2】 前記旋削保持位置ずれの量を予め予測す
る位置ずれ量予測手段を備え、 前記位置補正機構は、その位置ずれ量予測手段が予測す
る位置ずれ量が減少する方向に前記原木保持手段を駆動
して、前記原木の位置補正を行うものとされている請求
項1記載の原木供給装置。 - 【請求項3】 前記原木の重量を反映した情報(以下、
重量反映情報という)を検出する重量反映情報検出手段
を備え、 前記位置ずれ量予測手段は、少なくともその検出された
重量反映情報に基づいて前記旋削保持位置ずれの量を予
測するものとされている請求項2記載の原木供給装置。 - 【請求項4】 前記旋削保持位置ずれ量の値を前記重量
反映情報の値と対応付けて記憶する位置ずれ量記憶手段
が設けられ、 前記位置ずれ量予測手段は、前記検出された重量反映情
報の値に対応する旋削保持位置ずれの量を、前記位置ず
れ量記憶手段の記憶値に基づいて予測するものとされて
いる請求項3記載の原木供給装置。 - 【請求項5】 前記位置補正機構は、前記原木保持手段
が原木を保持した後にこれを駆動して原木の位置補正を
行うものとされ、 前記重量反映情報検出手段は、その前記位置補正機構の
駆動手段が、前記原木保持手段を介して前記原木を重力
に抗して保持又は移動する際の、当該駆動手段に作用す
る負荷を前記重量反映情報として検出するものである請
求項3ないし4のいずれかに記載の原木供給装置。 - 【請求項6】 前記駆動手段はモータであり、前記重量
反映情報検出手段は、そのモータの駆動電圧又は駆動電
流を前記重量反映情報として検出するものである請求項
5記載の原木供給装置。 - 【請求項7】 前記原木に生ずる旋削保持位置ずれ量
は、その原木の長さに応じて変化するものであり、 前記旋削保持位置ずれ量予測手段は、該原木の長さ情報
に基づいて前記旋削保持位置ずれの量を予測するものと
されている請求項2ないし6のいずれかに記載の原木供
給装置。
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JPH10166308A true JPH10166308A (ja) | 1998-06-23 |
JP3980104B2 JP3980104B2 (ja) | 2007-09-26 |
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Family Applications (1)
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1996
- 1996-12-13 JP JP35303296A patent/JP3980104B2/ja not_active Expired - Fee Related
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