JPH1016581A - ハブ減速機付車輪駆動装置 - Google Patents

ハブ減速機付車輪駆動装置

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JPH1016581A
JPH1016581A JP20631896A JP20631896A JPH1016581A JP H1016581 A JPH1016581 A JP H1016581A JP 20631896 A JP20631896 A JP 20631896A JP 20631896 A JP20631896 A JP 20631896A JP H1016581 A JPH1016581 A JP H1016581A
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air breather
drive shaft
air
wheel
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Keisuke Yasui
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/02Gearboxes; Mounting gearing therein
    • F16H57/027Gearboxes; Mounting gearing therein characterised by means for venting gearboxes, e.g. air breathers

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハブ減速機付車輪駆動装置において、ハブ減
速機収容室内に収蔵されたハブ減速機を潤滑する潤滑油
の温度上昇に基づく減速機収容室内圧の増大を抑止し、
オイルシールの早期摩耗を防止して、その耐久性を確保
すると共に、オイルシール交換に要するメンテナンスコ
ストを低減する。 【解決手段】 ホイールハブをハブベアリングを介して
回転自在に支持するスピンドル部材と、同スピンドル部
材内に形成され車輪駆動軸が回転自在に収容される駆動
軸収容室と、同車輪駆動軸の出力をハブホイールに減速
伝達するハブ減速機を収容する減速機収容室とを備え、
同減速機収容室と駆動軸収容室とを連通させると共に、
減速機収容室内に潤滑油を収蔵したものにおいて、スピ
ンドル部材に、ハブベアリングより車幅方向内方に位置
して、駆動軸収容室の上方部分とスピンドル部材の外周
上方部分とを連通するエアブリーザ通路を穿設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハブ減速機付車輪
駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】除雪車、救難工作車等、エンジンの容量
に比べて大きな駆動力を必要とする車両において、大き
い減速比を実現するために、車輪を装着するホイールハ
ブに減速装置を付設したハブ減速機付車輪駆動装置は従
来公知であり、一例として実用新案公報平成4年第31
47号明細書及び添付図面に開示された車輪駆動装置が
ある。
【0003】上記既提案の車輪駆動装置では、車輪駆動
軸又はアクスルシャフトを回転自在に収容するスピンド
ル部材又はアクスルチューブの外側に、アウタハブベア
リング及びインナハブベアリングを介してホイールハブ
が自在に回転し得るように支持され、同ホイールハブに
車輪が装着されている。また、同ホイールハブの車幅方
向外側に有底円筒状のハブカバーが装着され、同ハブカ
バー内に、上記車輪駆動軸又はアクスルシャフトの出力
を上記ホイールハブに減速して伝達する遊星歯車式減速
装置が収蔵され、同減速装置及び上記アウタハブベアリ
ング並びにインナハブベアリングは、ハブカバー内に貯
溜された潤滑油によって潤滑されるように構成されてい
る。
【0004】上記車輪駆動装置を備えた車両が、長時間
連続運転を行なうと、上記遊星歯車式減速装置の噛合い
による発熱が大きいために、ハブカバー内に封入された
潤滑油の温度が上昇するが、上記既提案の装置では、ハ
ブカバーにエアブリーザ通路が設けられていないため、
潤滑油温度の上昇と共に、ハブカバー内の圧力が上昇
し、油密のため各所に設けられているオイルシールに異
常な圧力が作用するため、そのシールリップが早期に摩
耗して油漏れが発生し易い不具合がある。このため、頻
繁なオイルシールの交換が必要となり、多大のメンテナ
ンスコストを要する欠点がある。
【0005】一方、上述したようなハブ減速機を具備し
ていない通常の車輪支持装置、即ちナックルにおけるス
ピンドル部等のナックル部材又はアクスルに、アウタハ
ブベアリング及びインナハブベアリングを介してホイー
ルハブを回転自在に装架し、同ホイールハブに車輪を装
着するようにした車輪支持装置において、上記ホイール
ハブの車幅方向外端部にハブキャップを装着すると共
に、上記インナハブベアリングに隣接する車幅方向内端
部にオイルシールを装着することによって、ホイールハ
ブの内部に、アウタハブベアリング及びインナハブベア
リングを潤滑するオイルを貯溜する潤滑油室を形成し、
上記ナックル部材又はアクスルの外端部に対向する上記
ハブキャップの中央部分に、エアブリーザ孔を設けたエ
アブリーザ構造が、実開昭64−37704号公開公報
に開示されている。
【0006】しかしながら、上記公開公報記載のエアブ
リーザ構造では、エアブリーザ孔が、ホイールハブの車
幅方向最外端に装着されたハブキャップに設けられてい
るため、泥水や飛石等に直接曝されるので、悪路走行中
に容易に目詰まりを起してエアブリーザとしての機能を
喪失する危険性が大きく、またハブキャップが地上の障
害物に接触して変形し、上記エアブリーザ孔が閉塞され
る可能性が大きい。エアブリーザ孔が、上記目詰まりや
変形により閉塞されると、車両の連続走行中、上記潤滑
油室内のオイル温度の上昇により同潤滑油室内の圧力が
増大してオイルシールに過大な圧力が作用するため、シ
ールリップが早期に摩耗して油漏れが発生し易く、頻繁
なオイルシールの交換が必要となるので、メンテナンス
コストが増大する不具合がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑み創案されたもので、一般に潤滑油温度が高くなり易
いハブ減速機付車輪駆動装置において、ホイールハブを
回転自在に支持するハブベアリング、及び車輪駆動軸の
出力をホイールハブに伝達する減速機に供給される潤滑
油を貯溜する減速機収容室及び上記車輪駆動軸を収容す
るスピンドル部材内の駆動軸収容室を、悪路走行中、泥
等によって目詰まりを起す可能性が極めて少なく、また
地上の障害物によって損傷を受ける可能性が殆どない部
位に設けられたエアブリーザ通路を介して大気に連通さ
せることにより、潤滑油の温度上昇に基づく上記収容室
内の圧力上昇を確実に防止して、ホイールハブの各部に
設けられたオイルシールの早期摩耗を防止し、その耐久
性及び信頼性を確保すると共に、メンテナンスコストの
低減を図ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、車輪が装着されるホイールハブをハブベ
アリングを介して回転自在に支持するスピンドル部材
と、同スピンドル部材に設けられた駆動軸収容室内に回
転自在に収容された車輪駆動軸と、上記ホイールハブの
外端側に装着され、その内部に上記車輪駆動軸の出力を
上記ホイールハブに伝達するハブ減速機を収容する減速
機収容室が形成されたケーシングとを備え、上記駆動軸
収容室と上記減速機収容室とが連通されて同減速機収容
室内の潤滑油が駆動軸収容室に供給されるように構成さ
れたものにおいて、上記スピンドル部材に、上記ハブベ
アリングより車幅方向内方に位置して上記駆動軸収容室
の上方部分と同スピンドル部材の外周上方部分とを連通
するエアブリーザ通路が穿設されたことを特徴とするハ
ブ減速機付車輪駆動装置を提案するものである。
【0009】本発明において、上記スピンドル部材の外
周上方部分におけるエアブリーザ通路の開口部に、エア
ブリーザ管の一端が接続され、同エアブリーザ管の他端
は車体側の適所に固定されることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明を、除雪車等の前車軸
における前輪駆動装置に適用した好ましい実施形態を添
付図面について具体的に説明する。図1の要部断面図に
おいて、符号10はその車幅方向内方の端部を図示しな
いディファレンシャルの出力部材を構成するサイドギヤ
に連結されたアクスルシャフトであって、同アクスルシ
ャフト10の他端即ち車幅方向外方の端部は、自体公知
のバーフィールド等速継手12に連結され同等速継手1
2の入力軸を形成している。上記バーフィールド等速継
手12の出力軸14は、上記アクスルシャフト10と共
に、図中に縮小して、その一部のみが示されている前輪
16の車輪駆動軸を構成している。
【0011】上記等速継手の出力軸又は車輪駆動軸14
は、ナックル18に一体的に連結され又は一体造りに形
成されたスピンドル部20(以下場合により、ナックル
18及びスピンドル部20を総括してスピンドル部材2
2と称する)に形成された駆動軸収容室又は収容孔24
内に、外方及び内方のベアリング26a及び26bによ
って回転自在に支持され、同出力軸14の外周面と、上
記スピンドル部20に設けられた駆動軸収容室24の内
周面との間には、中空円筒状の遊隙又は通路Cが形成さ
れている。上記ナックル18は、図示しないアクスルハ
ウジングの車幅方向外方の端部に固着されたトラニオン
ソケット28に支持され、同トラニオンソケット28の
球面部28′の中心の周りを自在に廻動することができ
る。また、同ナックル18が、トラニオンソケット球面
部28′の外周に一線をなして突設されたトラニオン3
0の周りに廻動されることによって、前輪16の操舵が
行なわれる。
【0012】上記ナックル18のスピンドル部20の外
側に、アウタハブベアリング32及びインナハブベアリ
ング34を介してホイールハブ36が回転自在に装架さ
れ、同ホイールハブ36の半径方向外方に突設されたフ
ランジ部36′の車幅方向外側面には、図示しない多数
のハブボルトを介して前記前輪16のホイールディスク
16′が装着され、また同フランジ部36′の車幅方向
内側面には、ブレーキディスク38(又はブレーキドラ
ム)が装着される。上記アウタハブベアリング32及び
インナハブベアリング34は、スピンドル部20の外周
面とホイールハブ36の内周面との間に形成されたベア
リング室40の車幅方向外端部及び内端部に夫々収容さ
れている。
【0013】車輪駆動軸を構成する上記等速継手出力軸
14の車幅方向外端部にサンギヤ42が固着され、同サ
ンギヤ42は、その外周に配置された複数個(例えば5
個)のプラネタリーギヤ44に噛合する。プラネタリー
ギヤ44は、同ギヤと一体に形成されたギヤ軸44′を
支持する一対のベアリング46によって、プラネタリー
キャリヤ48に回転自在に支持され、同プラネタリーキ
ャリヤ48は、上記ホイールハブ36のフランジ部3
6′に、スピンドル部20に対し同心的に装着された有
底中空円筒状のプラネタリーケーシング50に複数のボ
ルト52によって固定されている。
【0014】上記複数のプラネタリーギヤ44は、上記
プラネタリーケーシング50内に収容されたインターナ
ルギヤ又はリングギヤ54の内歯に噛合し、同インター
ナルギヤ54は連結フランジ56を介して上記スピンド
ル部20に相対回転不能に連結されている。上記連結フ
ランジ56は、その外周に設けられた係合歯58を上記
インターナルギヤ54の内歯に噛合されると共に、内周
に設けられたスプライン内歯60を上記スピンドル部2
0の外周に設けられた協働するスプライン外歯62に噛
合される。
【0015】上記プラネタリーケーシング50の車幅方
向外方の端面に略円板状をなすカバー64が装着され、
同プラネタリーケーシング50とカバー64とホイール
ハブ36の外端面とによって、上記サンギヤ42、プラ
ネタリーギヤ44、プラネタリーキャリア48及びイン
ターナルギヤ54からなる遊星歯車式減速装置を収蔵す
る減速機収容室66が形成されている。上記カバー64
の略中央部分に着脱自在のプラグ68が設けられ、同プ
ラグ68を取外すことによって、上記減速機収容室66
内に、図中2点鎖線A−Aで示した正規レベルまで潤滑
油(オイル)が封入される。さらに、上記カバー64の
下方部分には、必要に応じて減速機収容室66内のオイ
ルを交換するためのドレンプラグ70が設けられてい
る。
【0016】上記ベアリング室40の車幅方向における
略中央部分に、一対の環状エアシール72及び74が配
設され、同エアシール72及び74間に環状のエア室7
6が画成されている。従って、ベアリング室40は、上
記アウタハブベアリング32を収容すると共に上記減速
機収容室66に連通する外方ベアリング室78と、上記
エア室76を挟んで車幅方向内方に離隔して、その内部
にインナハブベアリング34を収容した内方ベアリング
室80と分離して構成され、外方ベアリング室78と内
方ベアリング室80とは、直接には流体的に連通しな
い。
【0017】上記インナハブベアリング34は、円周方
向に多数列設されたローラの軸線の一端即ち車幅方向外
方の端部が、他端即ち車幅方向内方の端部より半径方向
内方に偏倚しているテーパローラベアリングであり、上
記スピンドル部20には、出力軸14外周の円筒状遊隙
又は通路24と上記インナハブベアリング32の上記一
端側とを連通させる第1の油路82が穿設されている。
また、上記ホイールハブ36には、上記インナハブベア
リング34の他端側と上記減速機収容室66とを連通さ
せる第2の油路84が穿設され、同第2油路84は、イ
ンナハブベアリング34の他端側の開口より減速機収容
室66側の開口が、半径方向外方に位置するように、傾
斜して設けられている。
【0018】さらに、上記ホイールハブ36には、一端
が上記エア室76に連通し、他端がエア取出用のニップ
ル86に連通した第1の空気通路88が設けられ、同ニ
ップル86は前輪16のタイヤバルブ90に接続されて
いる。一方、スピンドル部材22及び連結フランジ56
のハブ部56′には、図中に点線で示されているよう
に、一端が上記エア室76に連通する第2の空気通路9
2が設けられ、同第2空気通路92の他端は、車両の適
所に設けられた圧力調整弁94を経て圧縮空気源96に
接続されている。同圧力調整弁94は、車両が走行する
道路条件に応じた適切な圧力の圧縮空気を、上記第2空
気通路92、エア室76及び第1空気通路88を経て、
前輪16のタイヤ内に供給することができる、乗員によ
り手動操作される弁装置である。
【0019】さらに、上記ナックル18及びそのスピン
ドル部20、即ちスピンドル部材22のインナハブベア
リング34より車幅方向内方部分には、一端が駆動軸収
容室24の、車幅方向最内方部分における上方部分(好
ましくは、図示のように最上端位置)に連通すると共に
他端が上記スピンドル部材22の外周上方部分(好まし
くは、図示のようにナックル18の上方位置)に開口す
る上方に向って延びたエアブリーザ通路98が設けら
れ、同エアブリーザ通路98の上方開口部100には、
図中に2点鎖線で略示されているエアブリーザ管102
の一端が接続されている。同エアブリーザ管102の他
端は、図示しない車体の適宜位置、なるべくは駆動軸収
容室24より十分高い位置に任意のクランプ装置によっ
て固定され、大気に開放される。また、上記駆動軸収容
室24のバーフィールド等速継手12側の端部、即ちベ
アリング26b側の開口端はオイルシール104によっ
て閉塞され、また上記ベアリング室40の車幅方向内方
の端部、即ちインナハブベアリング34側の開口端はオ
イルシール106によって閉塞されている。
【0020】車両の走行中、エンジンの駆動力によりア
クスルシャフト10が駆動され、さらにバーフィールド
等速継手12の出力軸14即ち車輪駆動軸が駆動され
る。同出力軸14に装着されたサンギヤ42が回転して
プラネタリーギヤ44が自転しながら公転し、同プラネ
タリーギヤ44の公転により、プラネタリーキャリヤ4
8、及びボルト52によって同プラネタリーキャリヤに
固着されたプラネタリーケーシング50を介して、ホイ
ールハブ36、従って前輪16が減速駆動される。
【0021】上記サンギヤ42、プラネタリーギヤ44
及びプラネタリーキャリヤ48の回転によって、減速機
収容室66内に封入されている潤滑油(オイル)が、同
収容室66に連通している前方ベアリング室78内のア
ウタハブベアリング30に直接供給されて、同ベアリン
グの潤滑が効果的に行なわれる。また、上記減速機収容
室66内の潤滑油の一部は、車輪駆動軸又は等速継手出
力軸14の外周面と、スピンドル部材22内に形成され
た駆動軸収容室24の内周面との間の中空円筒状の遊隙
又は通路C内を流れ、第1油路82からインナハブベア
リング34に供給されて同ベアリングの潤滑が効果的に
行なわれる。インナハブベアリング34を潤滑した潤滑
油は、ホイールハブ36内の第2油通路84を経て減速
機収容室66に還流する。
【0022】連続走行中、各潤滑部分の摩擦、特に遊星
歯車式減速機の各歯車の噛合い部の発熱が大きいため、
上記潤滑油の温度が上昇するが、減速機収容室66、ベ
アリング室40に連通する駆動軸収容室24が、エアブ
リーザ通路98及びエアブリーザ管102を介して大気
に連通しているので、潤滑油を貯溜している上記各室6
6,40及び24内の圧力が増大することがなく、従っ
て、オイルシール104及び106に異常に高い圧力が
作用することによって生じるシールリップの早期摩耗が
効果的に防止され、この結果、オイルシール104及び
106の耐久性及び信頼性が向上し、メンテナンスコス
トの低減が達成される。また、上記エア室76を限界す
るエアシール72及び74にも、同様に高い圧力が作用
しないので、これらエアシール72及び74の耐久性及
び信頼性を確保することができ、メンテナンスコストの
低減を達成することができる。
【0023】さらに、上記エアブリーザ通路98が、ス
ピンドル部材22の車幅方向における略最内方の部分、
即ちホイールハブ36の車幅方向内端部より内方に設け
られているので、カバー64にエアブリーザ孔を設けた
従前の装置と較べ、悪路走行中に開口部100が泥その
他の異物によって閉塞されてエアブリーザとしての機能
を失なう可能性が殆どなく、従って、たとえエアブリー
ザ管102を設けない場合でも、健全なエアブリーザ機
能を十分に発揮することができると共に、油漏れを防止
することができ、勿論、エアブリーザ管102を設ける
ことによって、一層確実にエアブリーザとしての機能を
確保することができる。また、エアブリーザ通路98
が、上記のようにスピンドル部材22の車幅方向におけ
る略最内方の部分に設けられているので、飛石等による
損傷や地上の障害物との接触による損傷によって生じる
変形等により、エアブリーザ通路98が閉塞される危険
性も殆どない利点がある。
【0024】さらに、上記実施形態によれば、上記第1
油路82が、インナハブベアリング34のローラ軸線の
一端側、即ち傾斜したテーパローラの半径方向内方の端
部に開口しているので、潤滑油は遠心力により円滑にロ
ーラ列に流入して潤滑を行なったのち、ローラ軸線の他
端側即ち半径方向外方の端部に開口する第2油路84に
流れる。同第2油路84の減速機収容室66側の開口
が、上記インナハブベアリング34側の開口より半径外
方に位置して配置されているので、ホイールハブ36の
回転に基づく遠心力により、潤滑油が同第2油路84内
を円滑に流れ、従って、インナハブベアリング34に
は、十分な量の潤滑油が供給されることとなる。
【0025】なお、上記構成によればベアリング室40
の車幅方向における略中央部分に、エアシール72及び
74によって区画されたタイヤ空気圧調整用のエア室7
6を設けたために、外方ベアリング室78及び内方ベア
リング室80が互いに隔絶し分離して形成され、通常は
グリース潤滑を行なわざるを得ないインナハブベアリン
グ34の潤滑を、減速機収容室66内に収容された潤滑
油によって効果的に行なうことができるので、グリース
潤滑の場合に必要となる遊星歯車式減速装置の分解取外
し、グリース交換及びその後の再組立て等の多大の手間
及び作業時間を一切省くことができるので、メンテナン
スコストを大幅に低減し得る追加の利点があり、また、
アウタハブベアリング32及びインナハブベアリング3
4の耐久性及び信頼性を向上することができる。
【0026】なお、本発明は、上述した前輪駆動装置の
みらなず、後輪駆動装置にも略同様に適用することがで
きる。後輪駆動装置に適用する場合、上記スピンドル部
材22は、リヤアクスルハウジングのアクスルチューブ
に対応する。また後輪駆動装置の場合、上記バーフィー
ルド等速継手12は省略されることがあり、この場合、
アクスルシャフト10の車幅方向外端部にサンギヤ42
が装着される。さらに、上記実施形態では、ベアリング
室40内にタイヤ空気圧調整用のエア室76を設けるこ
とによって、互いに隔絶された外方ベアリング室78と
内方ベアリング室80とが構成されているが、本発明
は、ベアリング室40内にエア室76を設けず、従って
共通のベアリング室40内にアウタハブベアリング32
及びインナハブベアリング34を収容するようにした通
常の構成のハブ減速機付車輪駆動装置にも勿論適用する
ことができる。
【0027】叙上のように、本発明に係るハブ減速機付
車輪駆動装置は、車輪が装着されるホイールハブをハブ
ベアリングを介して回転自在に支持するスピンドル部材
と、同スピンドル部材に設けられた駆動軸収容室内に回
転自在に収容された車輪駆動軸と、上記ホイールハブの
外端側に装着され、その内部に上記車輪駆動軸の出力を
上記ホイールハブに伝達するハブ減速機を収容する減速
機収容室が形成されたケーシングとを備え、上記駆動軸
収容室と上記減速機収容室とが連通されて同減速機収容
室内の潤滑油が駆動軸収容室に供給されるように構成さ
れたものにおいて、上記スピンドル部材に、上記ハブベ
アリングより車幅方向内方に位置して上記駆動軸収容室
の上方部分と同スピンドル部材の外周上方部分とを連通
するエアブリーザ通路が穿設されたことを特徴とし、走
行中、上記エアブリーザ通路が泥等の異物によって閉塞
される可能性が極めて小さく、また地上の障害物との接
触により機械的損傷を受けて閉塞されエアブリーザとし
ての機能を喪失することも殆どないので、ハブ減速機及
びハブベアリングを潤滑する潤滑油の温度上昇に起因す
る減速機収容室及びベアリング室内の圧力上昇を確実に
抑止し、これら両室の油密を保つためのオイルシールの
早期摩耗を防止してその耐久性を確保すると共に、オイ
ルシールの交換に要するメンテナンスコストを低減し得
る利点がある。また、上記スピンドル部材の外周上方部
分におけるエアブリーザ通路の開口部に、エアブリーザ
管の一端が接続され、同エアブリーザ管の他端を車体側
の適所に固定することによって、エアブリーザ通路の閉
塞を一層確実に防止、上記種々の効果及び利点を、さら
に確実に収めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態を示す要部断面図で
ある。
【符号の説明】
10…アクスルシャフト、12…バーフィールド等速継
手、14…バーフィールド等速継手の出力軸(車輪駆動
軸)、16…前輪、18…ナックル、20…スピンドル
部、22…スピンドル部材、24…駆動軸収容室、32
…アウタハブベアリング、34…インナハブベアリン
グ、36…ホイールハブ、40…ベアリング室、42…
サンギヤ、44…プラネタリーギヤ、48…プラネタリ
ーキャリヤ、50…プラネタリーケーシング、54…イ
ンターナルギヤ、66…減速機収容室、72及び74…
エアシール、76…エア室、78…外方ベアリング室、
80…内方ベアリング室、82…第1油路、84…第2
油路、98…エアブリーザ通路、100…エアブリーザ
通路の開口部、102…エアブリーザ管、104及び1
06…オイルシール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪が装着されるホイールハブをハブベ
    アリングを介して回転自在に支持するスピンドル部材
    と、同スピンドル部材に設けられた駆動軸収容室内に回
    転自在に収容された車輪駆動軸と、上記ホイールハブの
    外端側に装着され、その内部に上記車輪駆動軸の出力を
    上記ホイールハブに伝達するハブ減速機を収容する減速
    機収容室が形成されたケーシングとを備え、上記駆動軸
    収容室と上記減速機収容室とが連通されて同減速機収容
    室内の潤滑油が駆動軸収容室に供給されるように構成さ
    れたものにおいて、上記スピンドル部材に、上記ハブベ
    アリングより車幅方向内方に位置して上記駆動軸収容室
    の上方部分と同スピンドル部材の外周上方部分とを連通
    するエアブリーザ通路が穿設されたことを特徴とするハ
    ブ減速機付車輪駆動装置。
  2. 【請求項2】 上記スピンドル部材の外周上方部分にお
    けるエアブリーザ通路の開口部に、エアブリーザ管の一
    端が接続され、同エアブリーザ管の他端は車体側の適所
    に固定されていることを特徴とする請求項1記載のハブ
    減速機付車輪駆動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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