JPH10165207A - 面ファスナー雌材及びその製造方法 - Google Patents
面ファスナー雌材及びその製造方法Info
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- JPH10165207A JPH10165207A JP8329734A JP32973496A JPH10165207A JP H10165207 A JPH10165207 A JP H10165207A JP 8329734 A JP8329734 A JP 8329734A JP 32973496 A JP32973496 A JP 32973496A JP H10165207 A JPH10165207 A JP H10165207A
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- strength
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 優れた係合強さを有する面ファスナー雌材及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 合成繊維からなるスパンボンド不織布ま
たは、該不織布と短繊維不織布の積層布に対してウォー
ターパンチ加工を施し、ループを形成し接着成分でもっ
て固定しループの抜けを防止する。
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 合成繊維からなるスパンボンド不織布ま
たは、該不織布と短繊維不織布の積層布に対してウォー
ターパンチ加工を施し、ループを形成し接着成分でもっ
て固定しループの抜けを防止する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、生活資材、土木資
材等に使用される面ファスナー雌材及びその製造方法に
関する。
材等に使用される面ファスナー雌材及びその製造方法に
関する。
【０００２】
【従来の技術】従来から面ファスナーは、その利便性か
ら衣類、靴、カーテン等の生活資材、地盤改質用等の土
木資材、簡易包装用等の産業資材を初めとする種々の分
野で活用されている。面ファスナーは、基本的には、フ
ック（雄材）とループ（雌材）から構成され、使用され
る用途、条件に応じて、フックとループの形状、材質等
が検討、工夫され、今日に至っている。しかしながら、
その多くはフックに関するものであり、ループに関する
ものは非常に少ない。ループの代表的なものとしては、
編物のループがあげられ、また織物の一部を毛羽立たせ
たものがあげられる。これらは、いずれも係合強さに乏
しく、さらには係合強さの耐久性に乏しかった。
ら衣類、靴、カーテン等の生活資材、地盤改質用等の土
木資材、簡易包装用等の産業資材を初めとする種々の分
野で活用されている。面ファスナーは、基本的には、フ
ック（雄材）とループ（雌材）から構成され、使用され
る用途、条件に応じて、フックとループの形状、材質等
が検討、工夫され、今日に至っている。しかしながら、
その多くはフックに関するものであり、ループに関する
ものは非常に少ない。ループの代表的なものとしては、
編物のループがあげられ、また織物の一部を毛羽立たせ
たものがあげられる。これらは、いずれも係合強さに乏
しく、さらには係合強さの耐久性に乏しかった。
【０００３】また、不織布を利用したものとしては、長
繊維不織布の表面に深さ０．２〜３ｍｍのしわを１ｃｍ
当たり２〜４０個設けたものがあげられる（特開平６−
３３３５９号公報）。しかし、この面ファスナー雌材
は、所詮長繊維の面に溝をつけたものにすぎないので、
係合強さ、その耐久力も、引抜き抵抗も小さいものであ
った。また、使い捨ての分野においては、短繊維不織布
を用いたものもあるが、ループの強さ、又は引抜き抵抗
が弱く、繰り返し使用される用途には不向きであった。
これらの欠点を解決すべく、繊維の太さを太くすると
か、接着剤又は低融点繊維で固めるかの工夫がなされた
ものもあるが、いずれも風合いが硬くなり、使用可能な
用途が限定されるなど問題があった。
繊維不織布の表面に深さ０．２〜３ｍｍのしわを１ｃｍ
当たり２〜４０個設けたものがあげられる（特開平６−
３３３５９号公報）。しかし、この面ファスナー雌材
は、所詮長繊維の面に溝をつけたものにすぎないので、
係合強さ、その耐久力も、引抜き抵抗も小さいものであ
った。また、使い捨ての分野においては、短繊維不織布
を用いたものもあるが、ループの強さ、又は引抜き抵抗
が弱く、繰り返し使用される用途には不向きであった。
これらの欠点を解決すべく、繊維の太さを太くすると
か、接着剤又は低融点繊維で固めるかの工夫がなされた
ものもあるが、いずれも風合いが硬くなり、使用可能な
用途が限定されるなど問題があった。
【０００４】さらに、目付１０〜２５ｇ／ｍ2 のスパン
ボンド不織布に、セルロース系短繊維不織布を積層し、
前記スパンボンド不織布のフィラメントを布帛のフック
と係止させるようにした不織布が面ファスナー雌材とし
て使用されることが紹介されている（実開平４−５６０
０８）。しかし、この不織布にあっても、スパンボンド
不織布の目付が高々２５ｇ／ｍ 2 なので係合強さが低
く、繰り返して使用する場合にはループがほぐされ、耐
久性に欠ける問題があった。
ボンド不織布に、セルロース系短繊維不織布を積層し、
前記スパンボンド不織布のフィラメントを布帛のフック
と係止させるようにした不織布が面ファスナー雌材とし
て使用されることが紹介されている（実開平４−５６０
０８）。しかし、この不織布にあっても、スパンボンド
不織布の目付が高々２５ｇ／ｍ 2 なので係合強さが低
く、繰り返して使用する場合にはループがほぐされ、耐
久性に欠ける問題があった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記欠点を
解消し、ループの強さが大きく、引抜き抵抗が大きく、
また係合強さが大きく、さらにその耐久性も大きく繰り
返し使用でき、キノコ状、カギ状等のいずれの雄材（フ
ック）とも係合し、衣服、使い捨ておむつ等の生活資
材、地盤改質等の土木用途等に特に好適に使用される面
ファスナー雌材及びその製造方法を提供することを課題
とする。
解消し、ループの強さが大きく、引抜き抵抗が大きく、
また係合強さが大きく、さらにその耐久性も大きく繰り
返し使用でき、キノコ状、カギ状等のいずれの雄材（フ
ック）とも係合し、衣服、使い捨ておむつ等の生活資
材、地盤改質等の土木用途等に特に好適に使用される面
ファスナー雌材及びその製造方法を提供することを課題
とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために次の手段をとる。すなわち、本発明は、目
付が３０〜２００ｇ／ｍ2 である合成繊維のスパンボン
ド不織布の少なくとも一面にウォーターパンチによる多
数のループが形成されてなる面ファスナー雌材であっ
て、初期係合強さが３０Ｎ／５ｃｍ幅以上であることを
特徴とする面ファスナー雌材である。
決するために次の手段をとる。すなわち、本発明は、目
付が３０〜２００ｇ／ｍ2 である合成繊維のスパンボン
ド不織布の少なくとも一面にウォーターパンチによる多
数のループが形成されてなる面ファスナー雌材であっ
て、初期係合強さが３０Ｎ／５ｃｍ幅以上であることを
特徴とする面ファスナー雌材である。
【０００７】また、本発明は、目付が３０〜２００ｇ／
ｍ2 である合成繊維のスパンボンド不織布と短繊維不織
布とが積層されてなり、該スパンボンド不織布の面にウ
ォーターパンチによる多数のループが形成されてなる面
ファスナー雌材であって、初期係合強さが３０Ｎ／５ｃ
ｍ幅以上であることを特徴とする面ファスナー雌材であ
る。
ｍ2 である合成繊維のスパンボンド不織布と短繊維不織
布とが積層されてなり、該スパンボンド不織布の面にウ
ォーターパンチによる多数のループが形成されてなる面
ファスナー雌材であって、初期係合強さが３０Ｎ／５ｃ
ｍ幅以上であることを特徴とする面ファスナー雌材であ
る。
【０００８】さらに、本発明は、目付が３０〜２００ｇ
／ｍ2 のスパンボンド不織布に、水圧２０〜２５０ｇ／
ｃｍ2 でウォーターパンチ加工を施すことを特徴とする
面ファスナー雌材の製造方法である。
／ｍ2 のスパンボンド不織布に、水圧２０〜２５０ｇ／
ｃｍ2 でウォーターパンチ加工を施すことを特徴とする
面ファスナー雌材の製造方法である。
【０００９】またさらに、本発明は、目付が３０〜２０
０ｇ／ｍ2 のスパンボンド不織布と短繊維不織布とを積
層し、ついで水圧２０〜２５０ｋｇ／ｃｍ2 でウォータ
ーパンチ加工を施すことを特徴とする面ファスナー雌材
の製造方法である。
０ｇ／ｍ2 のスパンボンド不織布と短繊維不織布とを積
層し、ついで水圧２０〜２５０ｋｇ／ｃｍ2 でウォータ
ーパンチ加工を施すことを特徴とする面ファスナー雌材
の製造方法である。
【００１０】
【発明の実施の形態】本発明の面ファスナー雌材におい
て、ループがスパンボンド不織布に対して１〜２５重量
％の接着剤又は低融点成分による融着によってスパンボ
ンド不織布の面に固定されていることも好ましい実施の
形態である。また、スパンボンド不織布を構成するフィ
ラメントの太さが０．３〜２０デニールの範囲にあるこ
とも好ましい実施の形態である。
て、ループがスパンボンド不織布に対して１〜２５重量
％の接着剤又は低融点成分による融着によってスパンボ
ンド不織布の面に固定されていることも好ましい実施の
形態である。また、スパンボンド不織布を構成するフィ
ラメントの太さが０．３〜２０デニールの範囲にあるこ
とも好ましい実施の形態である。
【００１１】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
面ファスナー雌材は、目付３０〜２００ｇ／ｍ2 の合成
繊維のスパンボンド不織布からなるが、少なくともその
一面にウォーターパンチによる多数のループが形成さ
れ、これらのループが面ファスナー雌材の雌材しての役
割を果たすものである。まず、スパンボンド不織布の目
付は３０〜２００ｇ／ｍ2 でなければならない。３０ｇ
／ｍ2 未満であると繊維量が少なくシートとしての強力
が充分得られない。他方、２００ｇ／ｍ2 をこえるとウ
ォーターパンチ加工時に柱状流が容易に貫通せず繊維の
絡合が不充分となり、スパンボンド不織布として充分な
強力が得られない。
面ファスナー雌材は、目付３０〜２００ｇ／ｍ2 の合成
繊維のスパンボンド不織布からなるが、少なくともその
一面にウォーターパンチによる多数のループが形成さ
れ、これらのループが面ファスナー雌材の雌材しての役
割を果たすものである。まず、スパンボンド不織布の目
付は３０〜２００ｇ／ｍ2 でなければならない。３０ｇ
／ｍ2 未満であると繊維量が少なくシートとしての強力
が充分得られない。他方、２００ｇ／ｍ2 をこえるとウ
ォーターパンチ加工時に柱状流が容易に貫通せず繊維の
絡合が不充分となり、スパンボンド不織布として充分な
強力が得られない。
【００１２】前記スパンボンド不織布と短繊維不織布と
からなる場合には、両方の不織布の合計は３０〜３００
ｇ／ｍ2 の範囲にあるのが好ましい。なお、短繊維不織
布の目付としては３０〜２００ｇ／ｍ2 の範囲のものが
好ましい。
からなる場合には、両方の不織布の合計は３０〜３００
ｇ／ｍ2 の範囲にあるのが好ましい。なお、短繊維不織
布の目付としては３０〜２００ｇ／ｍ2 の範囲のものが
好ましい。
【００１３】前記スパンボンド不織布を構成する合成繊
維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン６、ナイ
ロン６６等のポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン等のオレフィンの単独で構成される繊維又は２種類以
上のポリマーが混合もしくは芯鞘構造の複合繊維が挙げ
られる。なお、紡糸の際に紫外線吸収剤、抗菌剤、各種
の安定剤等を練り込ませても良い。
維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン６、ナイ
ロン６６等のポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン等のオレフィンの単独で構成される繊維又は２種類以
上のポリマーが混合もしくは芯鞘構造の複合繊維が挙げ
られる。なお、紡糸の際に紫外線吸収剤、抗菌剤、各種
の安定剤等を練り込ませても良い。
【００１４】前記合成繊維の太さとしては０．３〜２０
デニールが好ましく、１〜２０デニールがさらに好まし
く、１〜５デニールが特に好ましい。０．３デニール未
満であると繊維の強力が低くループとしての強力が充分
でなく、他方２０デニールをこえるとウォーターパンチ
加工時に繊維の絡合が充分でなく、ループがほぐれやす
くなり好ましくない。
デニールが好ましく、１〜２０デニールがさらに好まし
く、１〜５デニールが特に好ましい。０．３デニール未
満であると繊維の強力が低くループとしての強力が充分
でなく、他方２０デニールをこえるとウォーターパンチ
加工時に繊維の絡合が充分でなく、ループがほぐれやす
くなり好ましくない。
【００１５】該スパンボンド不織布と積層される短繊維
不織布を構成する繊維としては、ポリエステル、ポリア
ミド、ポリオレフィン等の合成繊維の短繊維、綿、羊
毛、絹等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維等が挙げら
れる。特に、綿、レーヨン等の吸収性の高い繊維は、ス
パンボンド不織布にない特性を付与する上で非常に好ま
しい。
不織布を構成する繊維としては、ポリエステル、ポリア
ミド、ポリオレフィン等の合成繊維の短繊維、綿、羊
毛、絹等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維等が挙げら
れる。特に、綿、レーヨン等の吸収性の高い繊維は、ス
パンボンド不織布にない特性を付与する上で非常に好ま
しい。
【００１６】スパンボンド不織布の少なくとも一面にウ
ォーターパンチ加工によるループが多数存在するが、ル
ープは３０個／ｃｍ2 〜１５０個／ｃｍ2 の範囲にある
ものが好ましい。３０個／ｃｍ2 未満になると面ファス
ナー雌材との初期係合強さが低くなって好ましくなく、
他方、１５０個／ｃｍ2 をこえるとループ同士が絡み、
充分な係合強さが得られにくく好ましくない。また、ル
ープの高さは０．３〜１０ｍｍの範囲が好ましい。０．
３ｍｍ未満になると特殊な雄材でないと、充分な係合強
さが得られず、他方１０ｍｍをこえると形成されたルー
プが横になりやすく、特にロール状に巻くと、さらに横
に並び係合しづらくなり好ましくない。
ォーターパンチ加工によるループが多数存在するが、ル
ープは３０個／ｃｍ2 〜１５０個／ｃｍ2 の範囲にある
ものが好ましい。３０個／ｃｍ2 未満になると面ファス
ナー雌材との初期係合強さが低くなって好ましくなく、
他方、１５０個／ｃｍ2 をこえるとループ同士が絡み、
充分な係合強さが得られにくく好ましくない。また、ル
ープの高さは０．３〜１０ｍｍの範囲が好ましい。０．
３ｍｍ未満になると特殊な雄材でないと、充分な係合強
さが得られず、他方１０ｍｍをこえると形成されたルー
プが横になりやすく、特にロール状に巻くと、さらに横
に並び係合しづらくなり好ましくない。
【００１７】前記ループは、スパンボンド不織布に対し
て１〜２５重量％の接着剤又は低融点成分によって固定
されているのが好ましい。スパンボンド不織布と短繊維
不織布とが積層されている場合にもスパンボンド不織布
に対して１〜２５重量％含まれているのが好ましい。接
着剤しては、ポリアクリル酸エステル接着剤、低融点成
分としてはポリエチレン繊維等の低融点繊維、ポリエチ
レンパウダー等の低融点パウダーが挙げられる。１重量
％未満であるとループの固定、安定化は充分に行われに
くく、２５重量％をこえると風合いの硬化等が発生し好
ましくない。
て１〜２５重量％の接着剤又は低融点成分によって固定
されているのが好ましい。スパンボンド不織布と短繊維
不織布とが積層されている場合にもスパンボンド不織布
に対して１〜２５重量％含まれているのが好ましい。接
着剤しては、ポリアクリル酸エステル接着剤、低融点成
分としてはポリエチレン繊維等の低融点繊維、ポリエチ
レンパウダー等の低融点パウダーが挙げられる。１重量
％未満であるとループの固定、安定化は充分に行われに
くく、２５重量％をこえると風合いの硬化等が発生し好
ましくない。
【００１８】これらの低融点成分は、不織布全体に存在
していても良いが、ループの存在する面とは反対の方に
存在するようにした方が、ループを固定するためにも好
ましい。
していても良いが、ループの存在する面とは反対の方に
存在するようにした方が、ループを固定するためにも好
ましい。
【００１９】ここで、本発明の製造方法について説明す
る。通常の溶融紡糸によりフィラメントを溶融紡糸し、
エンドレスに移動するコンベア上に捕集し、エンボスロ
ール等により仮圧着しスパンボンド不織布として巻き取
る。なお、スパンボンド不織布の目付を３０〜２００ｇ
／ｍ2 に調整する。ついで目付が３０〜２００ｇ／ｍ2
のスパンボンド不織布の一方の面から水圧２０〜２５０
ｋｇ／ｃｍ2 でウォーターパンチ加工を施す。短繊維不
織布とスパンボンド不織布とを積層する場合には短繊維
不織布側からスパンボンド不織布側に施すのが好まし
い。２０ｋｇ／ｃｍ2 未満になると、圧力不足で繊維が
充分に絡合せず不織布としての強力が得られない。他方
２５０ｋｇ／ｃｍ2 をこえると繊維の切断を伴ないかえ
って不織布としての強力が上がらず好ましくない。
る。通常の溶融紡糸によりフィラメントを溶融紡糸し、
エンドレスに移動するコンベア上に捕集し、エンボスロ
ール等により仮圧着しスパンボンド不織布として巻き取
る。なお、スパンボンド不織布の目付を３０〜２００ｇ
／ｍ2 に調整する。ついで目付が３０〜２００ｇ／ｍ2
のスパンボンド不織布の一方の面から水圧２０〜２５０
ｋｇ／ｃｍ2 でウォーターパンチ加工を施す。短繊維不
織布とスパンボンド不織布とを積層する場合には短繊維
不織布側からスパンボンド不織布側に施すのが好まし
い。２０ｋｇ／ｃｍ2 未満になると、圧力不足で繊維が
充分に絡合せず不織布としての強力が得られない。他方
２５０ｋｇ／ｃｍ2 をこえると繊維の切断を伴ないかえ
って不織布としての強力が上がらず好ましくない。
【００２０】ウォーターパンチ加工は、微細な孔を多数
有するノズルから水等の液体を柱状流として噴出させ
て、繊維を絡合させて、シートとしての引張強さ、引裂
強さを与えて取扱性、ソフトな風合いを与えるものであ
る。微細な孔の直径は０．０３〜０．２ｍｍが好まし
い。０．０３ｍｍ未満では繊維の絡合不足、異物による
孔詰りが発生しやすく好ましくない。他方０．２ｍｍを
こえると柱状流の貫通孔が不織布上に目立ち好ましくな
い。
有するノズルから水等の液体を柱状流として噴出させ
て、繊維を絡合させて、シートとしての引張強さ、引裂
強さを与えて取扱性、ソフトな風合いを与えるものであ
る。微細な孔の直径は０．０３〜０．２ｍｍが好まし
い。０．０３ｍｍ未満では繊維の絡合不足、異物による
孔詰りが発生しやすく好ましくない。他方０．２ｍｍを
こえると柱状流の貫通孔が不織布上に目立ち好ましくな
い。
【００２１】接着剤としてポリアクリル酸エステル等の
液状の接着剤を塗布する場合には、コーティング、ディ
ッピング、スプレー法によってループの存在する面とは
反対の面に接着剤を付与するのが好ましい。ポリエチレ
ン等の低融点繊維を付与する場合には短繊維不織布に混
綿するのが好ましく、ポリエチレン等の低融点パウダー
の場合には散布法が好ましい。
液状の接着剤を塗布する場合には、コーティング、ディ
ッピング、スプレー法によってループの存在する面とは
反対の面に接着剤を付与するのが好ましい。ポリエチレ
ン等の低融点繊維を付与する場合には短繊維不織布に混
綿するのが好ましく、ポリエチレン等の低融点パウダー
の場合には散布法が好ましい。
【００２２】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれによって限定されるものではない。なお、本
明細書において用いた測定法は下記のとおりである。
発明はこれによって限定されるものではない。なお、本
明細書において用いた測定法は下記のとおりである。
【００２３】（イ）面ファスナー雌材の係合強さ（Ｎ／
５ｃｍ幅） ＪＩＳ Ｌ３４１６−１９９４の６．４．１の引張せん
断強さに準じて測定した。係合強さとして初期係合強さ
（Ｎ／５ｃｍ幅）、８回脱着後の係合強さ（Ｎ／５ｃｍ
幅）を測定する。なお、Ｎはニュートンを示す。ここで
初期係合強さは３０Ｎ／５ｃｍ幅以上を、８回脱着後の
係合強さは２５Ｎ／５ｃｍ幅以上を合格とする。面ファ
スナーの重合せ方法及び装着方法は図１、２に示すよう
に幅５ｃｍの試料の重合せ長さＬを５ｃｍとし、最大引
張せん断荷重（Ｎ）を求め、係合強さ（Ｎ／５ｃｍ幅）
と表示する。データは５枚の試験片の平均値であらわ
す。その他は、上記のＪＩＳ記載の方法によった。１は
面ファスナー雄材、２は面ファスナー雌材、３は把持
部、４は把持部である。
５ｃｍ幅） ＪＩＳ Ｌ３４１６−１９９４の６．４．１の引張せん
断強さに準じて測定した。係合強さとして初期係合強さ
（Ｎ／５ｃｍ幅）、８回脱着後の係合強さ（Ｎ／５ｃｍ
幅）を測定する。なお、Ｎはニュートンを示す。ここで
初期係合強さは３０Ｎ／５ｃｍ幅以上を、８回脱着後の
係合強さは２５Ｎ／５ｃｍ幅以上を合格とする。面ファ
スナーの重合せ方法及び装着方法は図１、２に示すよう
に幅５ｃｍの試料の重合せ長さＬを５ｃｍとし、最大引
張せん断荷重（Ｎ）を求め、係合強さ（Ｎ／５ｃｍ幅）
と表示する。データは５枚の試験片の平均値であらわ
す。その他は、上記のＪＩＳ記載の方法によった。１は
面ファスナー雄材、２は面ファスナー雌材、３は把持
部、４は把持部である。
【００２４】（ロ）引張強さ（Ｎ／５ｃｍ幅） ＪＩＳ Ｌ−１９０６の４．３に準じ、試料幅５ｃｍ、
長さ３０ｃｍの試料片をつかみ間隔２０ｃｍとし、定速
伸長型引張試験機で１０±１ｃｍ／分の引張速度で、試
験片が切断するまで荷重を加える。その際の最大荷重時
の強さをＮ（ニュートン）で測定し、たて、よこ夫々３
枚の平均値を整数位１桁まで表示する。
長さ３０ｃｍの試料片をつかみ間隔２０ｃｍとし、定速
伸長型引張試験機で１０±１ｃｍ／分の引張速度で、試
験片が切断するまで荷重を加える。その際の最大荷重時
の強さをＮ（ニュートン）で測定し、たて、よこ夫々３
枚の平均値を整数位１桁まで表示する。
【００２５】（ハ）引裂強さ（Ｎ／５ｃｍ幅） ＪＩＳ Ｌ−１９０６の４．４（２）のシングルタング
法に準じて引裂強さを測定する。
法に準じて引裂強さを測定する。
【００２６】（ニ）剛軟度（ｍｍ） ＪＩＳ Ｌ−１９０６の４．７．１のカンチレバー法に
準じて剛軟度を測定する。
準じて剛軟度を測定する。
【００２７】（ホ）風合い １０人の指触検査にて、クッション性があるものを○、
ボール紙様の硬い感じがあるものを×で表示した。
ボール紙様の硬い感じがあるものを×で表示した。
【００２８】（ヘ）総合評価 ◎は係合強さ、引張強さ、引裂き強さ、剛軟度、風合い
の点で特に優れたもの、○は優れててるもの、△は普
通、×は劣っているものを示す。
の点で特に優れたもの、○は優れててるもの、△は普
通、×は劣っているものを示す。
【００２９】実施例１ 溶融粘度０．６５のポリエチレンテレフタレート（ＰＥ
Ｔ）を溶融紡糸し、エアサッカーにて索引、細化してフ
ィラメントを形成し、コンベアネット上にランダムに体
積、捕集した後、エンボスロールにて軽く圧着して太さ
３ｄのフィラメントからなるスパンボンド（ＳＢ）不織
布を製造した。ついで、得られたスパンボンド不織布を
種々のウォーターパンチ加工の条件下でループの形成を
試みた。さらに、ポリアクリル酸エステルのエマルジョ
ン（日本ゼオン（株）製のニポールＬＸ８５２）を、固
形分として１０ｇ／ｍ2 付与し、表１に示す不織布を製
造した。係合強さの評価は、雄材としてキノコ状のフッ
ク（（株）クラレ製のマジロックＳ５００２）を使用し
た。なお、従来のスパンボンド不織布に接着剤のみを付
与したもの（ＮＯ１１）、スパンボンド不織布を温度２
５０℃のエンボスロールにて熱圧着したもの（ＮＯ１
２）も同様に評価した。
Ｔ）を溶融紡糸し、エアサッカーにて索引、細化してフ
ィラメントを形成し、コンベアネット上にランダムに体
積、捕集した後、エンボスロールにて軽く圧着して太さ
３ｄのフィラメントからなるスパンボンド（ＳＢ）不織
布を製造した。ついで、得られたスパンボンド不織布を
種々のウォーターパンチ加工の条件下でループの形成を
試みた。さらに、ポリアクリル酸エステルのエマルジョ
ン（日本ゼオン（株）製のニポールＬＸ８５２）を、固
形分として１０ｇ／ｍ2 付与し、表１に示す不織布を製
造した。係合強さの評価は、雄材としてキノコ状のフッ
ク（（株）クラレ製のマジロックＳ５００２）を使用し
た。なお、従来のスパンボンド不織布に接着剤のみを付
与したもの（ＮＯ１１）、スパンボンド不織布を温度２
５０℃のエンボスロールにて熱圧着したもの（ＮＯ１
２）も同様に評価した。
【００３０】
【表１】
【００３１】表１から次のことが確認された。ＮＯ１〜
４は係合強さ、引張り強さ、引裂き強さ等がいずれも特
に優れており、また、ＮＯ５は係合強さが低く、剛軟度
がやや大きかった。ＮＯ６，７は係合強さが低く、ＮＯ
６はウォーターパンチの水圧が低いためエンボス効果が
失なわれず剛軟度が大きかった。ＮＯ８は、目付が低
く、他方ＮＯ９は目付が高く、そのため前者は引張り強
さが低く、後者は引張り強さがほどほどあった。┗１
０，１１はともにウォーターパンチ加工を施していない
ので、エンボス効果が失なわれず剛軟度はともに大きか
った。そして、ともにウォーターパンチ加工を施してい
ないので、係合強さが低かった。
４は係合強さ、引張り強さ、引裂き強さ等がいずれも特
に優れており、また、ＮＯ５は係合強さが低く、剛軟度
がやや大きかった。ＮＯ６，７は係合強さが低く、ＮＯ
６はウォーターパンチの水圧が低いためエンボス効果が
失なわれず剛軟度が大きかった。ＮＯ８は、目付が低
く、他方ＮＯ９は目付が高く、そのため前者は引張り強
さが低く、後者は引張り強さがほどほどあった。┗１
０，１１はともにウォーターパンチ加工を施していない
ので、エンボス効果が失なわれず剛軟度はともに大きか
った。そして、ともにウォーターパンチ加工を施してい
ないので、係合強さが低かった。
【００３２】実施例２ 実施例１と同様の方法で作成した目付５０ｇ／ｍ2 のス
パンボンド不織布に、混綿−ランダムカード−ニードル
パンチによって製造した短繊維不織布（３ｄ×３５ｍ
ｍ）を積層し、短繊維不織布側から表２に示す種々の条
件でウォーター１パンチ加工を施しい実施例１と同様に
評価した。なお、ＮＯ１６はウォーターパンチ加工後に
１８０℃×１分の加熱処理を行ない、ループの固定を行
なった。これらの結果を表２に示す。なお、接着剤は短
繊維不織布の面に付与した。また、表２においてＲＹは
レーヨン繊維、ＰＰはプロピレン繊維を示す。
パンボンド不織布に、混綿−ランダムカード−ニードル
パンチによって製造した短繊維不織布（３ｄ×３５ｍ
ｍ）を積層し、短繊維不織布側から表２に示す種々の条
件でウォーター１パンチ加工を施しい実施例１と同様に
評価した。なお、ＮＯ１６はウォーターパンチ加工後に
１８０℃×１分の加熱処理を行ない、ループの固定を行
なった。これらの結果を表２に示す。なお、接着剤は短
繊維不織布の面に付与した。また、表２においてＲＹは
レーヨン繊維、ＰＰはプロピレン繊維を示す。
【００３３】
【表２】
【００３４】表２から次のことが確認された。ＮＯ１２
〜１６は係合強さ、引張り強さ等において特に優れてお
り、ＮＯ１７〜２１はいずれも係合強さが低く、ＮＯ１
８はウォーターパンチ加工の水圧が低いため剛軟度が大
きかった。ＮＯ２０、２１はスパンボンド不織布が存在
しないもので、引張り強さ、引裂き強さがあまり要求さ
れない用途に関しては使用しうるレベルのものであっ
た。
〜１６は係合強さ、引張り強さ等において特に優れてお
り、ＮＯ１７〜２１はいずれも係合強さが低く、ＮＯ１
８はウォーターパンチ加工の水圧が低いため剛軟度が大
きかった。ＮＯ２０、２１はスパンボンド不織布が存在
しないもので、引張り強さ、引裂き強さがあまり要求さ
れない用途に関しては使用しうるレベルのものであっ
た。
【００３５】
【発明の効果】本発明の面ファスナー雌材は、係合強
さ、引張り強さ、引裂き強さ、風合い等に優れ、また、
繰返し使用にも耐える効果を奏し、本発明の製造方法は
叙上の面ファスナー雌材を確実に安定して製造しうるも
のである。
さ、引張り強さ、引裂き強さ、風合い等に優れ、また、
繰返し使用にも耐える効果を奏し、本発明の製造方法は
叙上の面ファスナー雌材を確実に安定して製造しうるも
のである。
【図１】面ファスナーの重合せ状態を示す斜視図であ
る。
る。
【図２】面ファスナーの装着状態を示す断面図である。
１ 面ファスナー雄材 ２ 面ファスナー雌材 ３ 把持部 ４ 把持部
Claims (8)
- 【請求項１】 目付が３０〜２００ｇ／ｍ2 である合成
繊維のスパンボンド不織布の少なくとも一面にウォータ
ーパンチによる多数のループが形成されてなる面ファス
ナー雌材であって、初期係合強さが３０Ｎ／５ｃｍ幅以
上であることを特徴とする面ファスナー雌材。 - 【請求項２】 目付が３０〜２００ｇ／ｍ2 である合成
繊維のスパンボンド不織布と短繊維不織布とが積層され
てなり、該スパンボンド不織布の面にウォーターパンチ
による多数のループが形成されてなる面ファスナー雌材
であって、初期係合強さが３０Ｎ／５ｃｍ幅以上である
ことを特徴とする面ファスナー雌材。 - 【請求項３】 ウォーターパンチによる多数のループが
スパンボンド不織布に対して１〜２５重量％の接着剤又
は低融点成分による融着によって前記スパンボンド不織
布の面に固定されている請求項１又は２に記載の面ファ
スナー雌材。 - 【請求項４】 スパンボンド不織布を構成するフィラメ
ントの太さが０．３〜２０デニールである請求項１〜３
のいずれか１項に記載の面ファスナー雌材。 - 【請求項５】 目付が３０〜２００ｇ／ｍ2 のスパンボ
ンド不織布に、水圧２０〜２５０ｋｇ／ｃｍ2 でウォー
ターパンチ加工を施すことを特徴とする面ファスナー雌
材の製造方法。 - 【請求項６】 目付が３０〜２００ｇ／ｍ2 のスパンボ
ンド不織布と短繊維不織布とを積層し、ついで水圧２０
〜２５０ｋｇ／ｃｍ2 でウォーターパンチ加工を施すこ
とを特徴とする面ファスナー雌材の製造方法。 - 【請求項７】 ウォーターパンチ加工を施した後、スパ
ンボンド不織布に対して１〜２５重量％の接着剤又は低
融点成分を付与する請求項５に記載の面ファスナー雌材
の製造方法。 - 【請求項８】 ウォーターパンチ加工を施した後、スパ
ンボンド不織布に対して１〜２５重量％の接着剤又は低
融点成分を付与する請求項６に記載の面ファスナー雌材
の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8329734A JPH10165207A (ja) | 1996-12-10 | 1996-12-10 | 面ファスナー雌材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8329734A JPH10165207A (ja) | 1996-12-10 | 1996-12-10 | 面ファスナー雌材及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10165207A true JPH10165207A (ja) | 1998-06-23 |
Family
ID=18224684
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8329734A Pending JPH10165207A (ja) | 1996-12-10 | 1996-12-10 | 面ファスナー雌材及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10165207A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009529347A (ja) * | 2005-11-01 | 2009-08-20 | キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド | 発泡体ベース締結具の繊維性ランディング層を変成する方法及び該方法により形成された製品 |
| JP2010516919A (ja) * | 2007-01-31 | 2010-05-20 | ルゼク，イーヴォ | スパンボンド不織布からなる高強度で軽量の不織布材料、その製造方法及びその使用 |
| JP2010524573A (ja) * | 2007-04-17 | 2010-07-22 | アプリックス・インコーポレイテッド | 使い捨て物品又は衣類に使用されるループ・フック型ファスナー用のループ材料 |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0633359A (ja) * | 1992-07-15 | 1994-02-08 | Kuraray Co Ltd | 面ファスナー雌材 |
-
1996
- 1996-12-10 JP JP8329734A patent/JPH10165207A/ja active Pending
Patent Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0633359A (ja) * | 1992-07-15 | 1994-02-08 | Kuraray Co Ltd | 面ファスナー雌材 |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009529347A (ja) * | 2005-11-01 | 2009-08-20 | キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド | 発泡体ベース締結具の繊維性ランディング層を変成する方法及び該方法により形成された製品 |
| JP2010516919A (ja) * | 2007-01-31 | 2010-05-20 | ルゼク，イーヴォ | スパンボンド不織布からなる高強度で軽量の不織布材料、その製造方法及びその使用 |
| US9458558B2 (en) | 2007-01-31 | 2016-10-04 | Carl Freudenberg Kg | High-strength lightweight non-woven fabric made of spunbonded non-woven, method for the production thereof and use thereof |
| US10400373B2 (en) | 2007-01-31 | 2019-09-03 | Carl Freudenberg Kg | High-strength lightweight non-woven fabric made of spunbonded non-woven, method for the production thereof and use thereof |
| JP2010524573A (ja) * | 2007-04-17 | 2010-07-22 | アプリックス・インコーポレイテッド | 使い捨て物品又は衣類に使用されるループ・フック型ファスナー用のループ材料 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051011 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051020 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20051216 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070215 |