JPH10164698A - 遅延量制御装置及び音像制御装置 - Google Patents

遅延量制御装置及び音像制御装置

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JPH10164698A
JPH10164698A JP8331497A JP33149796A JPH10164698A JP H10164698 A JPH10164698 A JP H10164698A JP 8331497 A JP8331497 A JP 8331497A JP 33149796 A JP33149796 A JP 33149796A JP H10164698 A JPH10164698 A JP H10164698A
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signal
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Takatsugu Kuwano
孝嗣 桑野
Akihiro Fujita
明裕 藤田
Kenji Kamata
健二 鎌田
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、少ない処理量であるにも拘わらずノ
イズを発生させることなく遅延量を変化させることので
きる遅延制御装置を提供する。 【解決手段】外部からの入力信号を、外部からの遅延係
数に基づいて遅延させて出力する遅延量制御装置であっ
て、該遅延係数の変化の有無を検出する遅延量変化検出
手段11と、該遅延量変化検出手段によって該遅延係数
が変化したことが検出された場合に、変化前の遅延係数
を保持する遅延量保持手段12と、外部からの入力信号
を、該遅延量保持手段に保持されている変化前の遅延係
数で指定された遅延量だけ遅延させた第1の信号と、変
化後の遅延係数で指定された遅延量だけ遅延させた第2
の信号とを出力する遅延手段10と、該遅延手段からの
第1の信号と第2の信号とをクロスフェードさせてミキ
シングするクロスフェードミキシング手段13、とを備
えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音像の移動に伴っ
て変化する両耳間時間差を遅延量の変化でシミュレート
する遅延量制御装置及びこの遅延量制御装置を用いた音
像制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本明細書では、音像の定位位置を移動さ
せる機能を有する装置を音像制御装置という。音像を移
動させる技術が適用された装置として、例えば特開平4
−30700号公報に音像定位装置が開示されている。
この音像定位装置は、遅延器及び高次のフィルタ等で構
成された音像定位手段を備え、遅延係数及びフィルタ係
数で成るパラメータが外部からセットされることにより
頭部音響伝達関数をシミュレートする。ところで、この
頭部音響伝達関数は、受聴者に対する音像の定位位置に
よって異なる。そこで、多数の位置に音像を定位させる
ために、この音像定位装置は、各々の定位位置に対応し
たパラメータを有している。
【0003】一般に、音像の定位位置を現在の位置から
新たな位置に移動させる場合は、新たな位置に対応する
パラメータを音像定位手段にセットすればよい。しか
し、信号再生中に単純にパラメータを音像定位手段にセ
ットすると、該信号に不連続点が発生し、ノイズの原因
となる。そこで、この音像定位装置は、第1の音像定位
手段及び第2の音像定位手段を備えると共に、各音像定
位手段からの出力信号にクロスフェード方式によって重
み付けを施す手段を更に備えている。
【0004】今、第1の音像定位手段からの第1の信号
によって音像が第1の位置に定位しているものとする。
この音像を第2の位置へ移動させる場合、第1の音像定
位手段からの第1の信号に付与する重みを「1」にする
と共に、第2の音像定位手段からの第2の信号に付与す
る重みを「0」にする。この状態で、第2の位置に音像
を定位させるためのパラメータが第2の音像定位手段に
セットされる。第2の信号は重み「0」となっているの
で、パラメータをセットすることに伴うノイズが該第2
の信号に発生することはない。
【0005】この状態から、第1の信号の重みを徐々に
小さくすると共に、第2の信号の重みを徐々に大きくし
て行く。そして、所定時間の後に、第1の信号に付与す
る重みを「0」にすると共に、第2の信号に付与する重
みを「1」にする。これにより、第1の位置から第2の
位置への音像の移動は、ノイズを発生することなく完了
する。
【0006】以上のような音像定位及び音像移動処理
は、通常、例えばデジタルシグナルプロセッサ(以下、
「DSP」という)を用いて行われる。この場合、上記
入力信号としてはデジタル信号が用いられ、このデジタ
ル信号がサンプリング周期毎に音像定位手段に供給され
る。従って、DSPは1サンプリング周期で1つのデジ
タル信号を処理しなければならない。例えば、入力信号
が48KHzでサンプリングして得られたものであれば
サンプリング周期は約21マイクロ秒になる。従って、
DSPは約21マイクロ秒毎に、第1の信号の生成及び
その重み付け、第2の信号の生成及びその重み付けとい
う処理を行わなければならないので、演算速度の速い高
性能で高価なDSPを使用しなければならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本願出願人
は、上述した従来の音像定位手段と異なる方法によって
頭部音響伝達関数をシミュレートする音像定位手段を考
えている。この音像定位手段は、通過帯域が異なる複数
のフィルタと、各フィルタの出力を増幅する増幅器と、
各増幅器からの出力を加算する加算器とを備えている。
この音像定位手段では、各増幅器に供給される増幅係数
を音像の定位位置に応じて変更し、以て各帯域の周波数
成分の振幅を調整することにより頭部音響伝達関数をシ
ミュレートする。従って、フィルタ係数を入れ替える必
要がないので、各フィルタは固定フィルタで構成されて
いる。従って、フィルタ係数の入れ替えに伴ってノイズ
が発生するという状態は存在しない。
【0008】これらフィルタ、増幅器及び加算器によっ
て構成される部分は、上述した従来の音像定位装置にお
ける高次のフィルタに対応する。ところで、音像を任意
の位置に定位させる場合、音源の方向によって決まる両
耳間時間差に相当する遅延を入力信号に与えなければな
らないことが知られている。このために、上述した従来
の音像定位装置においては遅延器が設けられており、こ
の遅延器の遅延時間を制御する遅延係数も上記パラメー
タの中に含まれる。
【0009】本願出願人が考えている音像定位手段にお
いても、該遅延器と同様の両耳間時間差に相当する遅延
を入力信号に与える機能が必要である。この両耳間時間
差に相当する遅延量は、音像を移動させる場合はリアル
タイムに変化させる必要がある。この場合、現在の音像
の定位位置に対応する遅延量を新たな音像の定位位置に
対応する遅延量にいきなり変更すると信号が不連続とな
りノイズが発生する。そこで、上述した特開平4−30
700号公報に記載された音像定位装置と同様のクロス
フェード方式を用いて遅延量をクロスフェードさせるこ
とによりノイズを除去することが考えられる。
【0010】しかし、この方式では、例えば外部の制御
用マイクロコンピュータからDSPへクロスフェード係
数を転送しながら遅延量をクロスフェードさせることに
なるので、制御用マイクロコンピュータからDSPへ係
数を転送するための時間が膨大になる。詳しく説明する
と、制御用マイクロコンピュータからDSPへ1つのク
ロスフェード係数を転送するための時間はDSPの受信
許容速度によって規制され、少なくとも500μ秒程度
必要である。例えば、10度おきに音像制御用のパラメ
ータを記憶しておき、それぞれ100分割でクロスフェ
ードさせて音像を移動する場合、音像を一周させるため
に必要な時間は、36×100×500μ秒=1.8秒
となる。実際の制御制御装置では、クロスフェード係数
以外のデータの転送も行うので、データ転送のために更
に多くの時間が必要となり、音像を高速で移動させるこ
とができない。また、音像をスムーズに移動させようと
すると10度より小さい角度毎に音像制御用のパラメー
タを用意し、また、100以上の分割でクロスフェード
させることが望ましいが、音像の移動速度が低下し、実
用に耐えないという問題がある。また、制御用マイクロ
コンピュータは、遅延量の変化に応じてクロスフェード
係数を作成しなければならないので、該制御マイクロコ
ンピュータにおける制御手順が複雑となると共に負荷が
大きくなるという問題がある。
【0011】そこで、本発明の第1の目的は、ノイズを
発生させることなく高速で遅延量を変化させることので
きる遅延量制御装置を提供することにある。
【0012】また、本発明の第2の目的は、ノイズを発
生させることなく遅延量を変化させ、以て音像をスムー
ズ且つ高速に移動させることのできる音像制御装置を提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の遅延量制御装置
は、上記第1の目的を達成するために、外部からの入力
信号を、外部からの遅延係数に基づいて遅延させて出力
する遅延量制御装置であって、該遅延係数の変化の有無
を検出する遅延量変化検出手段と、該遅延量変化検出手
段によって該遅延係数が変化したことが検出された場合
に、変化前の遅延係数を保持する遅延量保持手段と、外
部からの入力信号を、該遅延量保持手段に保持されてい
る変化前の遅延係数で指定された遅延量だけ遅延させた
第1の信号と、変化後の遅延係数で指定された遅延量だ
け遅延させた第2の信号とを出力する遅延手段と、該遅
延手段からの第1の信号と第2の信号とをクロスフェー
ドさせてミキシングするクロスフェードミキシング手
段、とを備えている。
【0014】本発明の遅延量制御装置は、例えばメモリ
を有するDSP、マイクロプロセッサ等によるソフトウ
ェア処理によって構成できる。外部からの入力信号は、
本遅延量制御装置において遅延処理を施す対象である。
この入力信号には、例えば音声信号、楽音信号等が含ま
れる。この入力信号は、例えばアナログ信号を所定周波
数でサンプリングし、量子化し更に符号化して得られた
デジタルデータ(以下、「サンプリングデータ」とい
う)列で構成することができる。この入力信号は、例え
ばアナログ信号を所定周期でサンプリングするA/D変
換器からサンプリング周期毎に送られてくる。
【0015】遅延手段は、例えばメモリで構成すること
ができる。このメモリは、外部からの入力信号であるサ
ンプリングデータを順次記憶する。この場合、遅延量を
指定するための遅延係数は、該メモリからサンプリング
データを読み出すためのアドレスで構成することができ
る。遅延量は、該アドレスの値によって決定される。な
お、遅延手段は、DSP外部に設けられたディレイライ
ン素子で構成することもできる。この場合、遅延係数
は、ディレイライン素子の出力タップを選択するために
使用される。
【0016】遅延量保持手段は、例えばアドレスを変化
前の遅延係数として保持する。クロスフェードミキシン
グ手段は、この遅延量保持手段に保持されているアドレ
スによってメモリから順次読み出されるサンプリングデ
ータ、つまり変化前の遅延係数で指定された遅延量だけ
遅延させた第1の信号と、新たに与えられたアドレスに
よってメモリから順次読み出されるサンプリングデー
タ、つまり変化後の遅延係数で指定された遅延量だけ遅
延させた第2の信号とをクロスフェードミキシングす
る。
【0017】上記クロスフェードミキシング手段は、所
定時間の範囲内でデクリーズされる前記第1の信号とイ
ンクリーズされる前記第2の信号とを加算するように構
成できる。より具体的には、時間の経過に連れてデクリ
ーズする係数Bを第1の信号に乗算し、時間の経過に連
れてインクリーズする係数1−Bを第2の信号に乗算
し、これら各乗算結果を加算するように構成できる。こ
の場合、各係数B及び係数1−Bを加算した結果が常に
一定値(例えば「1」)となるように各係数値が選択さ
れる。このクロスフェードミキシングにより、遅延係数
が変化しても、入力信号は、緩やかに変化する遅延量で
遅延されて出力されるので信号の不連続点は発生せず、
従ってノイズは発生しない。
【0018】なお、本遅延量制御装置は、ソフトウェア
処理によって構成するものとしたがハードウェアによっ
て構成してもよいことは勿論である。
【0019】本発明の音像制御装置は、上記第2の目的
を達成するために、(A)第1チャンネル信号と第2チ
ャンネル信号とに基づいて音を発生させることにより音
像を定位させる音像制御装置であって、(B)外部から
の入力信号を、音像定位方向に応じた両耳間時間差を表
す遅延係数に基づいて遅延させて出力する遅延量制御手
段と、(C)該入力信号を第1の頭部音響伝達関数に従
って処理し、以て第1チャンネル信号として出力する第
1の頭部音響伝達関数処理手段と、(D)該遅延量制御
手段からの信号を第2の頭部音響伝達関数に従って処理
し、以て第2チャンネル信号として出力する第2の頭部
音響伝達関数処理手段、とを備え、該遅延量制御手段
は、(a)該遅延係数の変化の有無を検出する遅延量変
化検出手段と、(b)該遅延量変化検出手段によって該
遅延係数が変化したことが検出された場合に、変化前の
遅延係数を保持する遅延量保持手段と、(c)外部から
の入力信号を、該遅延量保持手段に保持されている変化
前の遅延係数で指定された遅延量だけ遅延させた第1の
信号と、変化後の遅延係数で指定された遅延量だけ遅延
させた第2の信号とを出力する遅延手段と、(d)該遅
延手段からの第1の信号と第2の信号とをクロスフェー
ドさせてミキシングするクロスフェードミキシング手
段、とで構成されている。
【0020】ここで、両耳間時間差とは、音源からの音
が受聴者の左右各々の耳に到達する時間差をいう。この
両耳間時間差は、受聴者に対する音源の方向、換言すれ
ば音像定位方向によって異なる。この両耳間時間差は、
遅延係数として遅延量制御手段に供給される。
【0021】上記第1の頭部音響伝達関数処理手段及び
第2の頭部音響伝達関数処理手段はそれぞれ、入力され
た信号を帯域毎にフィルタリングする複数の固定フィル
タと、各固定フィルタからの信号を増幅する複数の増幅
器と、該複数の増幅器からの信号を加算する加算器を有
し、該複数の増幅器の各々のゲインを制御することによ
り頭部音響伝達関数をシミュレートするように構成でき
る。この場合、固定フィルタとしては、例えば2次のI
IR型フィルタを用いることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の遅延量制御装置及
び音像制御装置の実施の形態につき図面を参照しながら
詳細に説明する。
【0023】先ず、本発明の遅延量制御装置の実施の形
態について説明する。図1は本発明の遅延量制御装置の
実施の形態を示すブロック図である。この遅延量制御装
置は、DSPに内蔵されているメモリ及びDSPによる
ソフトウェア処理によって構成されるものとする。この
DSPはサンプリング周期T、例えばT=1/4800
0秒を1処理サイクルとして動作する。なお、上記メモ
リは、DSPの外部に接続されたメモリであってもよ
い。
【0024】本遅延量制御装置は、外部からの入力信号
に、遅延量が変化する遅延処理を施して出力する。入力
信号はサンプリングデータ列で構成されている。このサ
ンプリングデータ列は、サンプリング周期毎に外部から
遅延器10に供給される。
【0025】遅延器10は本発明の遅延手段に対応し、
DSPに内蔵又は接続されたメモリで構成されている。
このメモリは、例えば図2に示すように、n+1個の記
憶領域を有し、各記憶領域にはサンプリングデータが記
憶される。このメモリの記憶容量は、本遅延量制御装置
が取り扱う最大遅延量によって決定される。外部からの
サンプリングデータは書込アドレスで指定される記憶領
域に書き込まれる。本発明の遅延係数は読出アドレスに
よって構成されている。この読出アドレスによって指定
された領域から読み出されたサンプリングデータは、第
1の信号及び第2の信号としてクロスフェードミキシン
グ手段13に供給される(図1参照)。
【0026】以上の構成において、遅延器10の動作に
ついて説明する。書込アドレスは常に一定(0番地)で
ある。外部から1つのサンプリングデータが送られてく
ると、該サンプリングデータをメモリに書き込むに先立
って、既にメモリに記憶されている各サンプリングデー
タがアドレス上位の方に1サンプリングデータ分だけシ
フトされる。その結果、0番地が空くことになるので、
この空いた0番地に外部からのサンプリングデータが書
き込まれる。従って、メモリの0番地に最も新しいサン
プリングデータが記憶され、以下アドレスが増加するに
つれて、順次古いサンプリングデータが記憶されること
になる。
【0027】次に、遅延係数としての読出アドレスで指
定されるメモリの領域からサンプリングデータが読み出
される。遅延量と読出アドレスの関係は次の通りであ
る。即ち、入力信号をiサンプリング周期だけ遅延させ
て出力する場合は、読出アドレスとしてiが指定され
る。i番地の内容はiサンプリング周期前のデータであ
るので、当該処理サイクルでi番地の内容が読み出され
るということは、iサンプリング周期だけ遅延されたサ
ンプリングデータがメモリから読み出されることを意味
する。以下、メモリの内容は処理サイクル毎に新しくな
るので、処理サイクル毎にi番地の内容を読み出せば、
常にiサンプリング周期だけ遅延されたサンプリングデ
ータがメモリから順次読み出される。換言すれば、遅延
器10は、入力信号を遅延係数に応じた遅延量だけ遅延
させた信号を出力する。
【0028】次に、遅延量変化検出手段11の具体的な
構成について、図3を参照しながら説明する。この遅延
量変化検出手段11は、外部からの遅延係数が1サンプ
リング周期前の遅延係数から変化したかどうかを調べ、
その結果を、遅延量変化検出信号Aとして出力する。こ
の遅延量変化検出信号Aは、外部からの遅延係数が変化
しなかった場合に「0」、変化した場合に「1」にな
る。
【0029】図3において、単位遅延器110は、外部
からの遅延係数を1サンプリング周期だけ遅延させる。
この単位遅延器110からの1サンプリング周期前の遅
延係数は、減算器111の入力端子(−)及び後述する
遅延量保持手段12(図1参照)に供給される。
【0030】減算器111は、外部からの遅延係数から
1サンプリング周期前の遅延係数を減算する。この減算
器111の出力は絶対値化器112に供給される。絶対
値化器112は、減算器111からのデータを絶対値に
変換する。この絶対値化器112の出力は2値化器11
3に供給される。2値化器113は、絶対値化器112
からのデータを「0」又は「1」に2値化する。この2
値化器113は、例えば絶対値化器112からのデータ
に大きな値を乗算し、この乗算結果を所定値でクリップ
することにより実現できる。
【0031】従って、この遅延量変化検出手段11から
の遅延量変化検出信号Aは、外部からの遅延係数が1サ
ンプリング周期前の遅延係数から変化した場合に、1サ
ンプリング周期の間だけ「1」になり、その他の場合は
「0」になる。以上の様子を図6の(A)及び(B)に
示す。同図(A)は外部からの遅延係数であり、任意の
タイミングでその値が変化している様子を示している。
同図(B)は遅延量変化検出信号Aであり、外部からの
遅延係数が立ち下がり及び立ち上がりの変化をする都
度、1サンプリング周期の間だけ「1」になる。この遅
延量変化検出手段11からの遅延量変化検出信号Aは、
後述する遅延量保持手段12及びクロスフェードミキシ
ング手段13(図1参照)に供給される。
【0032】次に、遅延量保持手段12について説明す
る。この遅延量保持手段12は、外部からの遅延係数が
変化した場合に、その変化前の遅延係数を保持する。こ
の遅延量保持手段12は、図4に示すように、乗算器1
20、加算器121、単位遅延器122及び乗算器12
3で構成されている。
【0033】乗算器120は、遅延量変化検出手段11
から送られてくる1サンプリング周期前の遅延係数と、
同じく遅延量変化検出手段11から送られてくる遅延量
変化検出信号Aとを乗算する。従って、この乗算器12
0は、遅延量変化検出信号Aが「0」、つまり外部から
の遅延係数が変化しない場合はゼロを出力し、遅延量変
化検出信号Aが「1」、つまり外部からの遅延係数が変
化した場合は1サンプリング周期前の遅延係数を出力す
る。この乗算器120の出力は、加算器121に供給さ
れる。
【0034】加算器121は、乗算器120からのデー
タと乗算器123からのデータとを加算する。この加算
結果は、変化前の遅延係数として、遅延器10(図1参
照)及び単位遅延器122に供給される。単位遅延器1
22は、加算器121の出力、つまり変化前の遅延係数
を1サンプリング周期だけ遅延させる。この単位遅延器
122の出力は乗算器123に供給される。乗算器12
3は、単位遅延器122からのデータと信号1−Aとを
乗算する。信号1−Aは、図示しない減算器により値
「1」から遅延量変化検出信号Aを減算することにより
得られる。この乗算器123の出力は加算器121に供
給される。
【0035】以上の構成において、遅延量保持手段12
の動作を説明する。初期状態においては、図示しない制
御部によって、遅延量変化検出信号Aは「0」に、単位
遅延器122の出力はゼロに初期設定されるものとす
る。従って、初期状態では、変化前の遅延係数はゼロと
なる。この状態で外部から遅延係数が与えられることに
より遅延量変化検出信号Aが「1」に変化すると、1サ
ンプリング周期前の遅延係数は乗算器120を通過し、
加算器121に供給される。一方、乗算器123からは
ゼロが出力されるので、1サンプリング周期前の遅延係
数は、この加算器121を通過し、変化前の遅延係数と
して外部に出力される。
【0036】遅延量変化検出信号Aは、次のサンプリン
グ周期で「0」に変化する。これにより、単位遅延器1
22の出力は変化前の遅延係数となる。この変化前の遅
延係数は乗算器123に供給される。乗算器123は、
この変化前の遅延係数を通過させて加算器121に供給
する。一方、乗算器120からはゼロが加算器121に
供給されるので、加算器121は、単位遅延器122か
らの変化前の遅延係数をそのまま出力する。従って、遅
延量変化検出信号Aが「0」である限り、即ち外部から
の遅延係数が変化しない限り、上記変化前の遅延係数
が、この遅延量保持手段12に保持される。この状態
で、外部から新たな遅延係数が供給されて遅延量変化検
出信号Aが「1」に変化すると、この遅延量保持手段1
2は、上述したと同様の動作により、それまで外部から
供給されていた遅延係数を、変化前の遅延係数として保
持すると共に外部に出力する。
【0037】以上の様子を図6(C)に示す。この図に
は、遅延量変化検出信号Aが「1」になる度に、それま
で外部から供給されていた遅延係数を変化前の遅延係数
として出力する様子が示されている。
【0038】次に、クロスフェードミキシング手段13
について説明する。このクロスフェードミキシング手段
13は、入力信号を、変化する遅延量に応じて遅延させ
て出力する。遅延量の変化は、変化前の遅延係数で指定
された遅延量から、外部からの遅延係数で指定された新
たな遅延量までの範囲である。このクロスフェードミキ
シング手段13は、図5(A)に示すクロスフェード係
数生成部と、図5(B)に示すミキシング部とで構成さ
れている。
【0039】クロスフェード係数生成部は、図6(D)
に示すように、時間の経過に連れてデクリーズする第1
のクロスフェード係数Bを生成する。このクロスフェー
ド係数生成部は、図5(A)に示すように、減算器13
1、加算器132、単位遅延器133及び加算器134
で構成されている。
【0040】減算器131は、単位遅延器133からの
データから固定値Xを減算する。固定値Xは、0<X<
1の範囲の値から適宜選択される。この固定値Xは、減
衰率(図6(D)における波形の傾き)を決定する。ま
た、減算器131は、リミッタ機能付の減算器であり、
減算結果が[−1」より小さくなった場合は、「−1」
を出力する。この減算結果は加算器132に供給され
る。
【0041】加算器132は、減算器131からのデー
タと遅延量変化検出信号Aとを加算する。この加算結果
は、単位遅延器133及び加算器134に供給される。
単位遅延器133は、上記加算器132の出力を1サン
プリング周期だけ遅延させて減算器131に供給する。
また、加算器134は、加算器132の出力と固定値
「1」とを加算する。この加算結果が第1のクロスフェ
ード係数Bとして用いられる。
【0042】次に、このクロスフェード係数生成部の動
作について説明する。初期状態においては、図示しない
制御部により、単位遅延器133はゼロを出力し、遅延
量変化検出信号Aは「0」にセットされるものとする。
この初期状態では、減算器131は、ゼロから固定値X
を減算する。この減算結果は、加算器132を通過して
単位遅延器133及び加算器134に供給される。これ
らの動作は、サンプリング周期毎に繰り返される。これ
により、加算器132は、ゼロから「−1」まで直線的
にデクリーズするデータを出力し、「−1」に至ったら
その値を出力し続ける。
【0043】減算器131が「−1」を出力している状
態で、遅延量変化検出信号Aが「1」に変化すると加算
器132はゼロを出力する。従って、クロスフェード係
数生成部は上述した初期状態と同じ状態となる。従っ
て、加算器132は、再度ゼロから「−1」まで直線的
にデクリーズするデータを出力し、「−1」に至ったら
その値を出力し続ける。以下、この動作が遅延量変化検
出信号Aが「1」になる度、換言すれば外部から新たな
遅延係数が与えられる度に繰り返される。
【0044】加算器132の出力(「0」から「−1」
まで変化するデータ)には、加算器134において
「1」が加算される。これにより、図6(D)に示すよ
うに、「1」からゼロまで直線的にデクリーズするデー
タが得られ、ゼロに至ったらその値が出力され続ける。
この加算器134の出力が第1のクロスフェード係数B
として用いられる。なお、図6(E)に示した第2のク
ロスフェード係数1−Bは、図示しない減算器におい
て、値「1」から第1のクロスフェード係数Bを減算す
ることにより得られる。
【0045】ミキシング部は、乗算器135、乗算器1
36及び加算器137で構成されている。乗算器135
は、外部からの遅延係数によって指定された遅延器10
(メモリ)の位置から読み出されたサンプリングデータ
と第2のクロスフェード係数1−Bとを乗算する。ま
た、乗算器136は、変化前の遅延係数によって指定さ
れた遅延器10(メモリ)の位置から読み出されたサン
プリングデータと第1のクロスフェード係数Bとを乗算
する。加算器137は、乗算器135からのデータと乗
算器136からのデータとを加算する。この加算結果
が、本遅延量制御装置からの出力信号として外部に出力
される。その結果、出力信号は、変化前の遅延係数で指
定された遅延量を有する信号から新たに外部からの遅延
係数で指定された遅延量を有する信号に徐々に変化す
る。そして、最終的には、出力信号は、新たに外部から
の遅延係数で指定された遅延量だけ入力信号を遅延させ
た信号となる。
【0046】以上のように、本遅延量制御装置によれ
ば、外部のCPU等からの指示がなくても、DSP内部
で入力信号をそれぞれ異なる遅延量で遅延させた2つの
信号のクロスフェードを行うので、遅延量を離散的に変
化させてもノイズを発生させることなく、少ない処理量
で遅延量を変化させることができる。
【0047】なお、クロスフェード係数Bがゼロになる
前に外部からの遅延係数が変化するとノイズが発生する
可能性がある。しかし、この問題は、DSPへの転送時
間の最小値を考慮に入れて固定値Xを適当に選ぶことに
より解消できる。
【0048】次に、本発明の音像制御装置の実施の形態
について説明する。図7は本発明の音像制御装置の実施
の形態を示すブロック図である。この音像制御装置は、
DSPの処理によって実現されている。
【0049】図7において、データメモリ20は、遅延
係数及び増幅係数を1セットとし、これを受聴者に対す
る音源の方向、換言すれば音像を定位させる方向(角
度)毎に記憶している。例えば、10度おきに音像定位
方向を制御する音像定位装置では、36個の係数セット
が記憶される。何れの係数セットが読み出されるかは、
外部から供給される音像定位方向データによって決定さ
れる。そして、読み出された遅延係数は遅延量制御手段
21に、増幅係数は左用頭部音響伝達関数処理器22及
び右用頭部音響伝達関数処理器23にそれぞれ供給され
る。
【0050】遅延量制御手段21としては、上述した実
施の形態の遅延量制御装置が用いられる。この遅延量制
御手段21には、例えば外部からのモノラルの入力信号
とデータメモリ20からの遅延係数とが入力される。
【0051】ここで、受聴者に対する音源の方向、即ち
音像定位方向(角度)は、受聴者の正面を0度とし、反
時計回りに増加する値(度)で定義する。両耳間時間差
は、一般に、音源が0度方向で最小になり、この0度か
ら90度方向に変化するに連れて増大し、90度方向で
最大になる。更に、この90度から180度方向に変化
するに連れて減少し、180度の方向で最小になる。同
様に、両耳間時間差は、180度から270度方向に変
化するに連れて増大し、270度の方向で最大になる。
この270度から0度方向に変化するに連れて減少し、
0度方向で最小になる。遅延量制御手段21に供給され
る遅延係数は、上記各角度に応じた値を有する。
【0052】遅延量制御手段21から出力される信号
は、音像が定位している場合は入力信号から遅延係数に
応じた両耳間時間差だけ遅れた信号である。一方、音像
が移動する場合は、変化前の遅延係数で指定された遅延
量を有する信号から新たに外部からの遅延係数で指定さ
れた遅延量を有する信号に徐々に変化する。この遅延量
制御手段21からの信号は右耳頭部音響伝達関数処理器
23に供給される。
【0053】左用頭部音響伝達関数処理器22は、左耳
に入る音の頭部音響伝達関数をシミュレートする。この
左用頭部音響伝達関数処理器22には、入力信号及び左
用の増幅係数が入力される。この左用の増幅係数は、左
用の頭部音響伝達関数をシミュレートするために使用さ
れる。この左用頭部音響伝達関数処理器22からの信号
は左チャンネル信号として外部に出力される。
【0054】右用頭部音響伝達関数処理器23は、右耳
に入る音の頭部音響伝達関数をシミュレートする。この
右用頭部音響伝達関数処理器23には、遅延量制御手段
21からの信号及び右耳用の増幅係数が入力される。こ
の右用の増幅係数は、右用の頭部音響伝達関数をシミュ
レートするために使用される。この右用頭部音響伝達関
数処理器23からの信号は右チャンネル信号として外部
に出力される。
【0055】上記左用頭部音響伝達関数処理器22及び
右用頭部音響伝達関数処理器23は同一の構成であるの
で、以下、左用頭部音響伝達関数処理器22についての
み説明する。左用頭部音響伝達関数処理器22は、例え
ば図8に示すように、フィルタ210〜213、レベル
制御部214〜218及び加算器219で構成されてい
る。
【0056】図8において、第1フィルタ210は中心
周波数1.5KHz程度のバンドパスフィルタ、第2フ
ィルタ211は中心周波数5KHz程度のバンドパスフ
ィルタ、第3フィルタ212は中心周波数8KHz程度
のバンドパスフィルタで構成されている。また、第4フ
ィルタ213はカットオフ周波数10KHz程度のハイ
パスフィルタで構成されている。各フィルタは2次のI
IR型フィルタで構成されている。これらのフィルタ2
10〜213は、固定フィルタで構成されている。従っ
て、フィルタ係数を入れ替える必要がないので、フィル
タ係数を入れ替えることに伴うノイズが発生することも
ない。これらのフィルタ210〜213には外部からの
入力信号が入力される。なお、右用頭部音響伝達関数処
理器23の場合は、遅延量制御手段21からの信号が入
力される。
【0057】レベル制御部214は第1フィルタ210
からの信号のレベルを、レベル制御部215は第2フィ
ルタ211からの信号のレベルを、レベル制御部216
は第3フィルタ212からの信号のレベルを、レベル制
御部217は第4フィルタ213からの信号のレベル
を、それぞれ増幅係数に従って調整する。また、レベル
制御部218は入力信号のレベルを増幅係数に従って調
整する。各レベル制御部214〜218は本発明の複数
の増幅器に対応し、例えば乗算器で構成されている。
【0058】加算器219は、レベル制御部214〜2
18からの各信号を加算する。この加算結果は、左チャ
ンネル信号として外部に出力される。
【0059】以上のように、左用頭部音響伝達関数処理
器22は、4つのフィルタ210〜213からの各信号
のレベルを音像定位方向に応じた増幅係数で各々制御す
ることにより、頭部音響伝達関数をシミュレートする。
【0060】本実施の形態によれば、1サンプリング周
期(40kHzのサンプリング周波数で21μs)毎に
クロスフェード係数を変更できる。従って、例えば10
度おきに音像制御用のパラメータを記憶しておき、それ
ぞれ100分割でクロスフェードさせて音像を移動する
場合、音像を一周させるために必要な時間は、36×1
00×21μ秒=0.0756秒となり、従来に比べて
高速な音像移動が可能となる。
【0061】なお、本実施の形態では、4つのフィルタ
を用いて頭部音響伝達関数をシミュレートしているが、
フィルタの数は4つに限定されず任意の数とすることが
できる。また、上記実施の形態では、入力信号を左用頭
部音響伝達関数処理器22に供給し、遅延量制御手段2
1の出力を右用頭部音響伝達関数処理器23に供給する
ように構成したが、これらは逆であってもよい。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ノイズを発生させることなく高速で遅延量を変化させる
ことのできる遅延量制御装置を提供できる。この遅延量
制御装置(DSP)では、その内部で遅延量データのク
ロスフェードが行われるので、制御用マイクロコンピュ
ータは、1つの遅延量データを該遅延量制御装置に送る
だけでよく、遅延量に応じた複数のクロスフェード係数
を順次送る必要はない。従って、制御用マイクロコンピ
ュータにおける制御手順が単純になると共に負荷が軽減
される。
【0063】また、本発明によれば、ノイズを発生させ
ることなく遅延量を変化させ、以て音像をスムーズ且つ
高速に移動させることのできる音像制御装置を提供でき
る。この音像制御装置(DSP)においても、上記遅延
量制御装置と同様に、制御用マイクロコンピュータにお
ける制御手順が単純になると共に負荷が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遅延量制御装置の実施の形態の構成を
示すブロック図である。
【図2】図1に示した遅延量制御装置の遅延器の構成を
示す図である。
【図3】図1に示した遅延量制御装置の遅延量変化検出
手段の構成を示す図である。
【図4】図1に示した遅延量制御装置の遅延量保持手段
の構成を示す図である。
【図5】図1に示した遅延量制御装置のクロスフェード
ミキシング手段の構成を示す図である。
【図6】図1に示した遅延量制御装置の動作を説明する
ためのタイミングチャートである。
【図7】本発明の音像制御装置の実施の形態の構成を示
すブロック図である。
【図8】図7に示した音像制御装置の左用頭部音響伝達
関数処理器の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…遅延器 11…遅延量変化検出手段 12…遅延量保持手段 13…クロスフェードミキシング手段 20…データメモリ 21…遅延量制御手段 22…左用頭部音響伝達関数処理器 23…右用頭部音響伝達関数処理器 110、122、133…単位遅延器 111、131…減算器 112…絶対値化器 113…2値化器 120、123、135、136…乗算器 121、132、134、137、219…加算器 210〜213…フィルタ 214〜218…レベル制御部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外部からの入力信号を、外部からの遅延係
    数に基づいて遅延させて出力する遅延量制御装置であっ
    て、 該遅延係数の変化の有無を検出する遅延量変化検出手段
    と、 該遅延量変化検出手段によって該遅延係数が変化したこ
    とが検出された場合に、変化前の遅延係数を保持する遅
    延量保持手段と、 外部からの入力信号を、該遅延量保持手段に保持されて
    いる変化前の遅延係数で指定された遅延量だけ遅延させ
    た第1の信号と、変化後の遅延係数で指定された遅延量
    だけ遅延させた第2の信号とを出力する遅延手段と、 該遅延手段からの第1の信号と第2の信号とをクロスフ
    ェードさせてミキシングするクロスフェードミキシング
    手段、とを備えた遅延量制御装置。
  2. 【請求項2】前記クロスフェードミキシング手段は、所
    定時間の範囲内でデクリーズされる前記第1の信号とイ
    ンクリーズされる前記第2の信号とを加算する請求項1
    に記載の遅延量制御装置。
  3. 【請求項3】(A)第1チャンネル信号と第2チャンネ
    ル信号とに基づいて音を発生させることにより音像を定
    位させる音像制御装置であって、(B)外部からの入力
    信号を、音像定位方向に応じた両耳間時間差を表す遅延
    係数に基づいて遅延させて出力する遅延量制御手段と、
    (C)該入力信号を第1の頭部音響伝達関数に従って処
    理し、以て第1チャンネル信号として出力する第1の頭
    部音響伝達関数処理手段と、(D)該遅延量制御手段か
    らの信号を第2の頭部音響伝達関数に従って処理し、以
    て第2チャンネル信号として出力する第2の頭部音響伝
    達関数処理手段、とを備え、 該遅延量制御手段は、(a)該遅延係数の変化の有無を
    検出する遅延量変化検出手段と、(b)該遅延量変化検
    出手段によって該遅延係数が変化したことが検出された
    場合に、変化前の遅延係数を保持する遅延量保持手段
    と、(c)外部からの入力信号を、該遅延量保持手段に
    保持されている変化前の遅延係数で指定された遅延量だ
    け遅延させた第1の信号と、変化後の遅延係数で指定さ
    れた遅延量だけ遅延させた第2の信号とを出力する遅延
    手段と、(d)該遅延手段からの第1の信号と第2の信
    号とをクロスフェードさせてミキシングするクロスフェ
    ードミキシング手段、とで成る音像制御装置。
  4. 【請求項4】前記第1の頭部音響伝達関数処理手段及び
    第2の頭部音響伝達関数処理手段はそれぞれ、 入力された信号を帯域毎にフィルタリングする複数の固
    定フィルタと、 各固定フィルタからの信号を増幅する複数の増幅器と、 該複数の増幅器からの信号を加算する加算器を有し、 該複数の増幅器の各々のゲインを制御することにより頭
    部音響伝達関数をシミュレートする請求項3に記載の音
    像定位装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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