JPH10164164A - デジタル復調器 - Google Patents

デジタル復調器

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JPH10164164A
JPH10164164A JP8313430A JP31343096A JPH10164164A JP H10164164 A JPH10164164 A JP H10164164A JP 8313430 A JP8313430 A JP 8313430A JP 31343096 A JP31343096 A JP 31343096A JP H10164164 A JPH10164164 A JP H10164164A
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JP
Japan
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signal
frequency
output
oscillator
quadrature
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Application number
JP8313430A
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English (en)
Inventor
Ippei Jinno
一平 神野
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Channel Selection Circuits, Automatic Tuning Circuits (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 広帯域に複数チャンネルが配列されている場
合でも、希望の放送や通信信号を受信するダイレクトコ
ンバージョン方式の復調器を実現すること。 【解決手段】 選局回路9はトラッキングフィルタ1の
通過帯域を制御し、入力RF信号から希望チャンネルを
選択する。そしてSH回路3は選択した信号を搬送波周
波数の1/nのサンプリング周波数でサンプルホールド
する。サンプリングレート変換器5はADコンバータ4
の出力するデータレートをシンボル周波数の2のべき乗
倍に変換する。90度位相差分波器6は実数成分と虚数
成分の信号に変換することにより、ベースバンドの直交
信号を生成する。直交信号復調器7はAFC、搬送波再
生、波形等化、クロック再生、AGC誤差検出などの処
理を行い、QAMなどのデジタル変調信号を復号する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、RF信号からQA
M(Quadrature Amplitude Modulation) などのデジタ
ル変調信号をダイレクトコンバ−ジョン方式を用いて復
調するデジタル復調器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話などのデジタル携帯端末
では、機器のより一層の小型化のためにRFチューナ部
の簡素化、すなわちダイレクトコンバージョン方式の復
調器の開発が相次いでいる。携帯電話よりも広帯域のデ
ジタル変調信号を復調するケーブルや衛星のセットトッ
プボックスにおいても、同様にダイレクトコンバージョ
ン方式の復調器が必須の技術となると予想される。
【0003】以下図面を参照しながら、上述した従来の
ダイレクトコンバージョン方式のデジタル復調器の一例
について説明する。図8はダイレクトコンバージョン方
式を用いた従来のデジタル復調器の全体構成を示すブロ
ック図である。本図に示すように、デジタル復調器は、
RF信号入力端子51、バンドパスフィルタ(BPF)
52、AGCアンプ53、サンプル・ホールド回路(S
/H回路)54、離散時間フィルタ55、ADコンバー
タ56、選局回路57、デジタル復調部58、復号信号
出力端子59、発振器60を含んで構成される。
【0004】このように構成されたデジタル復調器の動
作について説明する。RF信号入力端子51より入力さ
れたRFの変調信号はBPF52に与えられ、サービス
中の複数のチャンネル群が一括して選択される。AGC
アンプ53はBPF52の出力を適切な一定振幅まで増
幅する。このときAGCアンプ53の利得は、後段のデ
ジタル復調部58で検出された振幅誤差信号に基づいて
制御される。
【0005】サンプル・ホールド回路54では、発振器
60が発生するサンプリング・クロックによりAGCア
ンプ53のアナログ出力をサンプリングして、その電圧
値を次のクロックの立ち上がりまでホールドする。この
場合のサンプリング・クロックは標本化定理を満足しな
い周波数、即ち入力信号の最高周波数成分の2倍よりも
低い周波数である。このようなサンプリングはオーバー
ナイキスト・サブサンプリングと呼ばれ、時間軸上での
標本化におけるエイリアシングを積極的に利用するもの
である。fsをサンプリング周波数とし、nを任意の整
数とすると、nfs〜(n+1/2)fsおよび(n+
1/2)fs〜(n+1)fsの帯域に含まれる信号
は、0〜(1/2)fsの帯域に変換される。引用文献
(David H.Shen, et al., "A 900MHz Integrated Discr
ete-Time Filtering RF Front-End," ISSCC Digest of
Technical Papers, pp.54-55, Feb., 1996.)では、f
s=78MHz,n=11として910MHz帯の複数
チャンネルの変調信号が26MHz帯に周波数変換され
ている。
【0006】離散時間フィルタ(Discreat Time Signal
Processing )55は、時間軸上でサンプリングされた
アナログ値の標本化信号に対して、帯域制限を行うもの
である。上記の引用文献ではサンプリング毎に帯域制限
を繰り返し、1/2のサンプリングクロックにサブサン
プリングしている。この操作により、サンプリングクロ
ックを78MHz,39MHz,19.5MHz,9.
75MHzと段階的に落とし、BPF52で除去しきれ
なかった不要な隣接信号を離散時間フィルタ55で除去
している。
【0007】ADコンバータ56は、離散時間フィルタ
55で9.75MHzのデータレートに変換された複数
の変調信号をそのままデジタル信号に変換する。選局回
路57では一括してデジタル化された複数チャンネルか
ら、希望するチャンネルのみをデジタル信号処理により
選択する。デジタル復調部58では、選択されたチャン
ネルの変調信号を復調し、誤り訂正等の処理を施して復
号信号出力端子59を介して希望のデータを出力する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の構
成では、デジタル化した後に所望のチャンネルを選局す
るようになっている。このため、衛星放送、地上波放
送、CATVの放送のように広帯域に多数のチャンネル
が配列されている場合には、一括してデジタル化するこ
とができず、選局ができないという問題点を有してい
た。また図8に示すように、AGCループがアナログの
増幅器(AGCアンプ)へ帰還されているので、デジタ
ル復調器の設計がデジタル回路のみで完結してできない
という問題点を有していた。
【0009】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、衛星、地上、CATVなどの
広帯域デジタル放送をも選局可能なダイレクトコンバー
ジョン方式のデジタル復調器を実現することを第1の目
的とする。また、AGC機能をデジタル回路のみで完結
するデジタル復調器を実現することを第2の目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本願の請求項1記載の発明は、RF信号から希望チ
ャンネルの周波数帯の信号を選択するトラッキングフィ
ルタと、前記トラッキングフィルタ出力をサンプル・ホ
ールドし、デジタル信号に変換するAD変換手段と、前
記AD変換手段にクロック信号を与える発振器と、前記
トラッキングフィルタと前記発振器の周波数を制御する
選局回路と、を具備し、前記選局回路は、前記トラッキ
ングフィルタの通過帯域を希望チャンネルを選択するよ
うに制御すると共に、前記発振器の発振周波数の整数倍
の周波数が前記希望チャンネルの搬送波周波数と一致す
るように前記発振器の発振周波数を制御することを特徴
とするものである。
【0011】又、本願の請求項2記載の発明は、RF信
号から希望チャンネルの周波数帯の信号を選択するトラ
ッキングフィルタと、前記トラッキングフィルタの出力
を所望の振幅まで増幅するAGCアンプと、前記AGC
アンプの出力をサンプル・ホールドし、デジタル信号に
変換するADコンバータと、前記ADコンバータにクロ
ック信号を与える発振器と、前記ADコンバータの出力
信号に含まれるデータレートを所望のデータレートに変
換するサンプリングレート変換器と、前記サンプリング
レート変換器の出力から直交信号成分を生成し、複素信
号に変換する90度位相差分波器と、前記90度位相差
分波器の出力を復調して復号データを生成すると共に、
前記AGCアンプに対しては振幅誤差信号を負帰還し、
前記サンプリングレート変換器に対してはクロック位相
誤差を負帰還する直交信号復調器と、前記トラッキング
フィルタと前記発振器の周波数を制御する選局回路と、
を具備し、前記選局回路は、前記トラッキングフィルタ
の通過帯域を希望チャンネルを選択するように制御する
と共に、前記発振器の発振周波数の整数倍の周波数が前
記希望チャンネルの搬送波周波数と一致するように前記
発振器の発振周波数を制御することを特徴とするもので
ある。
【0012】又、本願の請求項3記載の発明では、前記
発振器は、ダイレクト・デジタル周波数シンセサイザ方
式で構成されることを特徴とするものである。
【0013】又、本願の請求項4記載の発明は、RF信
号から希望チャンネルの周波数帯の信号を選択するトラ
ッキングフィルタと、前記トラッキングフィルタ出力を
サンプル・ホールドし、デジタル信号に変換するAD変
換手段と、前記AD変換手段にクロック信号を与える発
振器と、前記AD変換手段の出力から直交信号成分を生
成し、複素信号に変換する90度位相差分波器と、前記
90度位相差分波器の出力から希望チャンネルの信号の
みを選択する複素デジタルフィルタと、前記複素デジタ
ルフィルタの出力する直交変調信号を直交ベースバンド
信号に変換する直交検波器と、前記トラッキングフィル
タと前記複素デジタルフィルタと前記直交検波器の周波
数を制御する選局回路と、を具備し、前記選局回路は、
前記トラッキングフィルタに対しては、希望チャンネル
を選択するように通過帯域を制御し、前記複素デジタル
フィルタに対しては、その伝達特性を周波数変換後の前
記希望チャンネルの信号を選択するように制御し、前記
直交検波器に対しては、前記複素デジタルフィルタの出
力がベースバンドに変換されるよう内部の複素発振器の
周波数を制御することを特徴とするものである。
【0014】又、本願の請求項5記載の発明は、RF信
号から希望チャンネルの周波数帯の信号を選択するトラ
ッキングフィルタと、前記トラッキングフィルタ出力を
所望の振幅まで増幅するAGCアンプと、前記AGCア
ンプの出力をサンプル・ホールドし、デジタル信号に変
換するAD変換手段と、前記AD変換手段にクロック信
号を与える発振器と、前記AD変換手段の出力から直交
信号成分を生成し、複素信号に変換する90度位相差分
波器と、前記90度位相差分波器の出力から希望チャン
ネルの信号のみを選択する複素デジタルフィルタと、前
記複素デジタルフィルタの出力する直交変調信号を直交
ベースバンド信号に変換する直交検波器と、前記直交検
波器の出力信号に含まれるデータレートを所望のデータ
レートに変換するサンプリングレート変換器と、前記サ
ンプリングレート変換器の出力を復調して復号データを
生成すると共に、前記AGCアンプに対しては振幅誤差
信号を負帰還し、前記サンプリングレート変換器に対し
てはクロック位相誤差を負帰還する直交信号復調器と、
前記トラッキングフィルタと前記複素デジタルフィルタ
と前記直交検波器の周波数を制御する選局回路と、を具
備し、前記選局回路は、前記トラッキングフィルタに対
しては、希望チャンネルを選択するように通過帯域を制
御し、前記複素デジタルフィルタに対しては、その伝達
特性を周波数変換後の前記希望チャンネルの信号を選択
するように制御し、前記直交検波器に対しては、前記複
素デジタルフィルタの出力がベースバンドに変換される
よう内部の複素発振器の周波数を制御することを特徴と
するものである。
【0015】又、本願の請求項6記載の発明は、RF信
号を入力し、希望チャンネルの信号を周波数変換してベ
ースバンド信号を生成するミキサと、前記ミキサに周波
数変換のための局部発振信号を供給する発振器と、前記
発振器の周波数を制御する選局回路と、前記ミキサの出
力をデジタル信号に変換するADコンバータと、前記A
Dコンバータの出力から直交信号成分を生成し、複素信
号に変換する90度位相差分波器と、前記90度位相差
分波器の出力信号から周波数変換後の前記希望チャンネ
ルの周波数成分を選択する複素デジタルフィルタと、前
記複素デジタルフィルタの出力する直交変調信号を直交
ベースバンド信号に変換する直交検波器と、を具備し、
前記選局回路は、前記発振器の発振周波数を前記希望チ
ャンネルの帯域の上又は下の端の周波数と一致するよう
に制御することを特徴とするものである。
【0016】又、本願の請求項7記載の発明は、RF信
号を入力し、希望チャンネルの信号を所望の振幅まで増
幅するAGCアンプと、前記AGCアンプの出力を周波
数変換してベースバンド信号を生成するミキサと、周波
数変換のための局部発振信号を前記ミキサに供給する発
振器と、前記発振器の周波数を制御する選局回路と、前
記ミキサの出力からベースバンド信号以外の信号を遮断
するローパスフィルタと、前記ローパスフィルタの出力
をデジタル信号に変換するADコンバータと、前記AD
コンバータの出力から直交信号成分を生成し、複素信号
に変換する90度位相差分波器と、前記90度位相差分
波器の出力信号から周波数変換後の前記希望チャンネル
の周波数成分を選択する複素デジタルフィルタと、前記
複素デジタルフィルタの出力する直交変調信号を直交ベ
ースバンド信号に変換する直交検波器と、前記直交検波
器の出力を復調して復号データを生成すると共に、前記
AGCアンプに対しては振幅誤差信号を負帰還し、前記
ADコンバータに対してはクロック位相誤差を負帰還す
る直交信号復調器と、を具備し、前記選局回路は、前記
発振器の発振周波数を前記希望チャンネルの帯域の上又
は下の端の周波数と一致するように制御することを特徴
とするものである。
【0017】又、本願の請求項8記載の発明は、RF信
号から希望チャンネルの周波数帯の信号を選択するトラ
ッキングフィルタと、前記トラッキングフィルタ出力を
非線形に増幅する非線形増幅器と、前記非線形増幅器の
出力をサンプル・ホールドし、デジタル信号に変換する
AD変換手段と、前記AD変換手段にクロック信号を与
える発振器と、前記トラッキングフィルタと前記発振器
の周波数を制御する選局回路と、前記AD変換手段の出
力信号を線形信号に補正する非線形補正回路と、前記非
線形補正回路の出力信号の振幅を制御する乗算器と、を
具備し、前記選局回路は、前記トラッキングフィルタの
通過帯域を希望チャンネルを選択するように制御すると
共に、前記発振器の発振周波数の整数倍の周波数が前記
希望チャンネルの搬送波周波数と一致するように前記発
振器の発振周波数を制御することを特徴とするものであ
る。
【0018】又、本願の請求項9記載の発明では、前記
非線形増幅器は対数増幅器で構成され、前記非線形補正
回路は逆対数変換器で構成されることを特徴とするもの
である。
【0019】請求項1〜3記載の構成によれば、受信し
たRF信号をトラッキングフィルタで選択し、その受信
信号がベースバンドに変換されるようにサンプリング周
波数を受信信号の搬送波周波数の1/nに設定する。こ
うするとダイレクトコンバージョン方式で広帯域に配列
されている複数チャンネルの信号を選局することが可能
になる。
【0020】請求項4,5記載の構成によれば、受信し
たRF信号をトラッキングフィルタで選択し、その受信
信号を固定発振器のクロックでのサンプリングによりベ
ースバンド帯に周波数変換して、複素デジタルフィルタ
のBPF特性を変化させることによって希望信号を選択
する。こうするとダイレクトコンバージョン方式で広帯
域に配列されている複数チャンネルの信号を選局するこ
とが可能になる。
【0021】請求項6,7記載の構成によれば、受信チ
ャンネル信号を従来のミキサを用いた周波数変換により
隣接チャンネルを負周波数に変換し、複素デジタルフィ
ルタを用いることにより、中間周波数帯での帯域制限な
どの処理を削除できる。こうすると従来のチューナを用
いる方式よりも簡素な方式で希望信号を選択することが
可能となる。
【0022】請求項8,9記載の構成によれば、広いダ
イナミックレンジの信号をAD変換手段でデジタル化で
きるので、デジタル信号処理によって、自動利得制御ル
ープ(AGCループ)を構成することが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)本発明の第1の実施の形態におけるデ
ジタル復調器について、図面を参照しながら説明する。
図1は本実施の形態のデジタル復調器の全体構成を示す
ブロック図である。本図に示すようにデジタル復調器
は、RF信号入力端子10、トラッキングフィルタ1、
AGCアンプ2、サンプル・ホールド回路3、ADコン
バータ4、サンプリングレート変換器5、90度位相差
分波器6、直交信号復調器7、発振器8、選局回路9、
復号信号出力端子11を含んで構成される。また、図5
は90度位相差分波器6の構成を示すブロック図であ
り、遅延回路6a、ヒルベルト変換器6bで構成され
る。
【0024】図9は本実施の形態のデジタル復調器の動
作を説明するためのスペクトル図である。先ずRF信号
入力端子10には、広帯域に配列された複数チャンネル
のRF信号が入力される。トラッキングフィルタ1で
は、希望チャンネルを含む帯域(図9の帯域Bn)の信
号が選択されて通過し、それ以外の帯域の信号は減衰さ
れる。トラッキングフィルタ1の通過帯域幅は、希望チ
ャンネルの帯域幅よりも広くてもよく、希望チャンネル
の帯域幅に一致する必要はない。また、トラッキングフ
ィルタは、希望チャンネルを選択するようにその通過帯
域を変化させる必要があるが、その制御は選局回路9が
行う。
【0025】AGCアンプ2では、後段のADコンバー
タ4に最適振幅で信号が入力されるように利得調整が行
われる。なお、その利得制御信号はAGC誤差信号とし
て直交信号復調器7で生成される。サンプル・ホールド
回路3では発振器8の出力クロックfsを用いて、AG
Cアンプ2のアナログ出力をサンプリングし、次のサン
プリング時刻まで保持する。サンプル・ホールド回路3
では図9に示すように、任意の整数nに対してnfs±
fs/2の周波数帯域をすべて0±fs/2の周波数帯
域に変換する。0〜−fs/2の帯域を0〜+fs/2
の帯域と区別して利用できるのは、後段で直交信号成分
を生成して複素信号として処理するためである。サンプ
ル・ホールドの過程で希望チャンネル以外の帯域の信号
と混合されなくなるのは、図9の帯域Bnの信号だけが
トラッキングフィルタ1で抽出されているからである。
【0026】ここで、サンプル・ホールドにより変調信
号をベースバンド信号に変換するためには、希望チャン
ネルの搬送波周波数が発振器8の発振周波数fsの整数
倍の関係になるように、選局回路9が発振器8の周波数
を制御する。尚、発振器8の発振周波数の整数倍の値n
fsと希望チャンネルの搬送波周波数fcは高精度で一
致する必要はなく、また周波数の変動に追随するように
トラッキングする必要もない。この周波数誤差は後段の
直交信号復調器7の内部のAFC機能により吸収可能で
ある。
【0027】発振器8にはダイレクト・デジタル周波数
シンセサイザ方式の発振器を使用する。この方式はデジ
タル信号処理により任意の周波数の正弦波を発生する方
式である。その周波数安定度はデジタル回路を駆動して
いる水晶発振器と同等になるため、通常のPLL方式の
発振器よりも安定で、加振にも強い。ダイレクト・デジ
タル周波数シンセサイザについては、例えば、「トラン
ジスタ技術増刊トラ技ORIGINAL No.8 」CQ出版1992 p
p.163-171 にその記載がある。
【0028】ADコンバータ4では、発振器8のクロッ
クによりサンプル・ホールド回路3の出力をデジタル化
する。発振器8の周波数fsは、希望波をベースバンド
信号に変換するために、希望波のベースバンド信号のシ
ンボル周波数とは無関係な値に設定される。以後の処理
を行いやすくするために、サンプリングレート変換器5
は、データレートをシンボル周波数の2のべき乗倍(2
倍、4倍...)に変換する。この操作はポリフェーズ
フィルタにより実行することができる。ポリフェーズフ
ィルタについては、例えば、デジタル信号処理シリーズ
第14巻、「マルチレート信号処理」、貴家仁志著、昭
晃堂1995にその詳細が紹介されている。なお、発振器8
の発振周波数fsは、直交信号復調器7で処理するデー
タレート(シンボル周波数の2のべき乗倍)よりも高く
設定しなければならない。
【0029】ここでサンプル・ホールド回路3とADコ
ンバータ4は、トラッキングフィルタ1の出力をサンプ
ル・ホールドし、デジタル信号に変換するAD変換手段
の機能を構成している。サンプリングレート変換された
信号は、90度位相差分波器6に入力される。図5に示
す90度位相差分波器6では、入力信号は2分岐され、
一方の信号は遅延回路6aで遅延され、実数軸の信号成
分として出力される。もう一方の信号はヒルベルト変換
器6bにより、実数軸と直交する虚数軸の信号成分に変
換される。なお、遅延回路6aはヒルベルト変換器6b
での信号処理の遅延を補償するものである。
【0030】90度位相差分波器6の出力するベースバ
ンドの直交信号は、直交信号復調器7に入力される。直
交信号復調器7では、ロールオフフィルタリング、AF
C、搬送波再生、波形等化、クロック再生、AGC誤差
検出などの処理を行い、QAMなどのデジタル変調信号
を復号する。そして直交信号復調器7は元のデジタルデ
ータを復号信号出力端子11を介して出力する。トラッ
キングフィルタ1で除去しきれなかった不要な隣接チャ
ンネル信号は、直交信号復調器7内のロールオフフィル
タにより減衰される。
【0031】なお、直交信号復調器7の生成するクロッ
ク位相誤差信号により、サンプリングレート変換器5は
制御され、同じく直交信号復調器7の生成するAGC誤
差信号によりAGCアンプ2は制御される。又、サンプ
リングレート変換器5と90度位相差分波器6と直交信
号復調器7とは発振器8のクロックで動作する。直交信
号復調器については、例えば、「多賀他QPSK復調シ
ステムの一検討」、テレビジョン学会技術報告Vol.15,
No.46, pp.19-24, (Aug. , 1991)にその記載がある。
【0032】以上のように本実施の形態によれば、トラ
ッキングフィルタと、サンプル・ホ−ルド回路と、AD
コンバータと、サンプリングレート変換器と、サンプル
・ホールド回路を駆動するダイレクト・デジタル周波数
シンセサイザ方式の発振器とでデジタル復調器を構成す
る。そしてトラッキングフィルタを希望チャンネルを選
択するように選局周波数を移動させると同時に、発振器
の発振周波数の整数倍の周波数が希望チャンネルの搬送
波周波数と一致するように発振器を制御する。こうする
と、広帯域に複数チャンネルが配列されている場合で
も、ダイレクトコンバージョン方式で所望のチャンネル
のデジタル信号を復調できる。
【0033】(実施の形態2)本発明の第2の実施の形
態におけるデジタル復調器について、図面を参照しなが
ら説明する。図2は本実施の形態のデジタル復調器の全
体構成を示すブロック図であり、第1の実施の形態と同
一の部分は同一の符号を付けて説明を省略する。本図に
示すようにデジタル復調器は、RF信号入力端子10、
トラッキングフィルタ1、AGCアンプ2、サンプル・
ホールド回路3、ADコンバータ4、90度位相差分波
器6、複素デジタルフィルタ12、直交検波器13、サ
ンプリングレート変換器14、直交信号復調器7、発振
器15、選局回路16、復号信号出力端子11を含んで
構成される。
【0034】また、図6は複素デジタルフィルタ12の
構成例を示すブロック図である。複素デジタルフィルタ
12は、独立な非巡回形のデジタルフィルタ12a,1
2b,12c,12dと、加算器12e,12fとによ
り構成される。デジタルフィルタ12a,12dの伝達
関数をCr(実数)、デジタルフィルタ12b,12c
の伝達関数をCi(虚数)とし、デジタルフィルタ12
a,12bに信号Xr(実数部)が入力され、デジタル
フィルタ12c,12dに信号Xi(虚数部)が入力さ
れると,加算器12eからZr(実数部)が出力され、
加算器12fからZi(虚数部)が出力される。
【0035】複素デジタルフィルタ12の入力信号Xと
出力信号Zの関係は以下の数式で表現される。 X=Xr+jXi Z=ΣC・X Z=Zr+jZi=Σ(Cr+jCi)・(Xr+jXi) ={Σ(Cr・Xr)−Σ(Ci・Xi)} +j{Σ(Cr・Xi)+Σ(Ci・Xr)}
【0036】図7は直交検波器13の構成例を示すブロ
ック図である。直交検波器13は、複素乗算器13a、
直交正弦波発振器13bにより構成される。直交検波器
13は、入力信号を( I+Qi)exp(+j2πfc) と
すると、直交正弦波発振器13bの出力信号exp(−j2
πfc) を乗算し、( I+Qi)を出力する回路であ
る。
【0037】図10は第2の実施の形態の動作を説明す
るためのスペクトル図である。先ずRF信号入力端子1
0には、広帯域に配列された複数チャンネルの信号が入
力される。トラッキングフィルタ1では、図10の一点
鎖線で示す帯域Bcの周波数成分を抽出する。このよう
にトラッキングフィルタ1は希望チャンネルを含む帯域
の信号を通過させ、それ以外の帯域の信号は減衰させ
る。トラッキングフィルタ1の通過帯域幅は、希望信号
の帯域幅よりも広くてもよく、希望信号の帯域幅に一致
する必要はない。また、トラッキングフィルタ1は、希
望チャンネルを選択するように、選局回路16によりそ
の通過帯域が制御される。
【0038】AGCアンプ2では、後段のADコンバー
タ4に最適振幅で信号が入力されるように利得調整が行
われる。なお、その利得制御信号(AGC誤差信号)は
直交信号復調器7で生成される。サンプル・ホールド回
路3では、周波数固定の発振器15の出力クロックによ
りAGCアンプ2のアナログ出力をサンプリングし、次
のサンプリング時刻まで保持する。そしてサンプル・ホ
ールド回路では図10に示すように、任意の整数nに対
してnfs±fs/2の周波数帯域を、すべて0±fs
/2の周波数帯域に変換する。
【0039】本実施の形態では、希望チャンネルの搬送
波周波数とサンプリング周波数fsとは特別な関係はな
いので、サンプル・ホールド回路3の出力信号は、搬送
波周波数fcがサンプリング周波数fs以下の変調信号
となる。ADコンバータ4では、発振器15のクロック
によりサンプル・ホールド回路3の出力をデジタル化す
る。なお、発振器15は通常の水晶発振器で良い。
【0040】90度位相差分波器6は、ADコンバータ
4の出力信号を第1の実施の形態と同様に直交信号成分
に変換する。複素デジタルフィルタ12は図6に示すよ
うに、入力される複素信号に対して複素数のタップ係数
を有する非巡回形デジタルフィルタであり、0±fs/
2の周波数領域のBPFの機能を持つことにより希望チ
ャンネルの信号のみを選択する。このBPFはデジタル
フィルタなので、周波数軸上で周期性を有し、図10の
太い実線のような振幅特性となる。従ってトラッキング
フィルタ1の振幅特性は、最悪で隣接のBPFの通過帯
域を除去する特性とすれば良い。ただし、隣接チャンネ
ル信号は直交信号復調器7の内部のロールオフフィルタ
によっても除去されるので、複素デジタルフィルタ12
で完全に隣接チャンネル信号を除去する必要はない。受
信機側では、0±fs/2の周波数領域のどの位置に希
望チャンネルが変換されるかを知ることは可能なので、
選局回路16はチャンネル選局に応じて複素デジタルフ
ィルタ12のタップ係数を更新して通過帯域を制御す
る。
【0041】図6の複素デジタルフィルタ12におい
て、デジタルフィルタ12aと12dのタップ係数は同
一で、生成するBPF特性のインパルス応答の実数部を
用いて畳み込み演算を行う。同様にデジタルフィルタ1
2bと12cのタップ係数は同一で、生成するBPF特
性のインパルス応答の虚数部を用いて畳み込み演算を行
う。
【0042】次段の直交検波器13は、複素デジタルフ
ィルタ12で抽出された希望チャンネルの信号をベース
バンドにスペクトルシフトする。0±fs/2の周波数
領域で希望信号の搬送波の位置(fc)を受信機側で知
ることは可能である。この場合、希望信号はexp(+
j2πfc)の周波数オフセットを持っていることにな
るので、直交検波器13では、exp(−j2πfc)
を生成して複素デジタルフィルタ12の出力信号と複素
乗算すれば周波数オフセット分をキャンセルすることが
できる。
【0043】図7の直交正弦波発振器13bはexp
(−j2πfc)で表わされる正弦波及び余弦波を発生
する。複素乗算器13aは直交正弦波発振器13bの出
力と複素デジタルフィルタ12の出力とを複素乗算す
る。なお、後段の直交信号復調器7には搬送波に対する
AFC機能が含まれるので、直交正弦波発振器13bの
周波数は高精度で設定する必要はなく、周波数変動にト
ラッキングする必要もない。ただし、直交信号復調器7
から直交検波器13にフィードバックをかけてAFCと
する構成にしても良い。
【0044】サンプリングレート変換器14の機能は第
1の実施の形態と同様である。サンプリングレート変換
器14は希望信号のシンボルレートと無関係に設定され
たサンプリングレートを、シンボルレートの2のべき乗
倍のデータレートに変換する。複素信号をレート変換す
るので、実数部と虚数部を独立に処理する。なお、発振
器15の発振周波数には制約がないので、その周波数を
シンボルレートの2のべき乗倍に設定すれば、サンプリ
ングレート変換器7は不要である。
【0045】直交信号復調器7の機能も第1の実施の形
態と同様である。入力された直交信号を復調し、もとの
デジタルデータを復号して、復号信号出力端子11に出
力する。なお、直交信号復調器7の生成したクロック位
相誤差信号によりサンプリングレート変換器14は制御
され、同じく直交信号復調器7の生成したAGC検出信
号によりAGCアンプ2は制御される。なお、90度位
相差分波器6、複素デジタルフィルタ12、直交検波器
13、サンプリングレート変換器14、直交信号復調器
7は、発振器15の出力クロックで動作する。
【0046】以上のように本実施の形態によれば、デジ
タル復調器をトラッキングフィルタと、サンプル・ホ−
ルド回路と、ADコンバータと、90度位相差分波器
と、複素デジタルフィルタと、サンプル・ホールド回路
を駆動する固定発振周波数の発振器とで構成する。そし
てトラッキングフィルタを受信信号を選択するように制
御すると同時に、複素デジタルフィルタの特性を所望の
受信信号を選択するように制御する。こうすると、広帯
域に複数チャンネルが配列されている場合でも、ダイレ
クトコンバージョン方式で所望のチャンネルのデジタル
信号を復調できる。
【0047】(実施の形態3)本発明の第3の実施の形
態におけるデジタル復調器について、図面を参照しなが
ら説明する。図3は本実施の形態のデジタル復調器の全
体構成を示すブロック図であり、第1及び第2の実施の
形態と同一の部分は同一の符号を付けて詳細な説明を省
略する。本図に示すようにデジタル復調器は、RF信号
入力端子10、AGCアンプ2、ミキサ17、ローパス
フィルタ(LPF)18,ADコンバータ4、90度位
相差分波器6、複素デジタルフィルタ12、直交検波器
13、直交信号復調器7、発振器19、選局回路20、
復号信号出力端子11を含んで構成される。複素デジタ
ルフィルタ12は図6と同一のもので、直交検波器13
の構成も図7と同一のものである。
【0048】図11は第3の実施の形態の動作を説明す
るためのスペクトル図である。先ずRF信号入力端子1
0には、広帯域に配列された複数チャンネルの信号が入
力される。AGCアンプ2は、後段のADコンバータ4
に最適振幅で信号が入力されるように利得調整を行う。
なお、その利得制御信号(AGC誤差信号)は直交信号
復調器7で生成される。
【0049】AGCアンプ2の出力はミキサ17に入力
され、発振器19の信号と混合されて周波数変換され
る。発振器19の信号は、放送信号に妨害を与えないた
めに、希望信号の帯域幅の上端または下端(隣接信号と
の境界)の周波数に設定する。選局回路20では希望チ
ャンネルに応じて発振器19の発振周波数の設定を行
う。図11は発振器19の周波数L0を希望波の下端と
した場合であるが、上端としても周波数変換後の周波数
軸の正負が反転するだけである。
【0050】周波数変換された信号は図11の一点鎖線
で示すように、LPF18で帯域制限される。ただし、
隣接チャンネル信号は後段の複素デジタルフィルタ12
や直交信号復調器7の内部のロールオフフィルタにより
除去されるので、LPF18の特性は最悪の場合でも、
周期性を持つ複素デジタルフィルタ12の隣接の通過帯
域を除去する能力があれば良い。
【0051】LPF18の出力は、ADコンバータ4で
希望信号のシンボルレートの2のべき乗倍の周波数でサ
ンプリングされる。デジタル化された信号は90度位相
差分波器6で複素信号である直交信号成分に変換され、
複素デジタルフィルタ12に入力される。周波数変換後
は、周波数零から正の方向に1チャンネル分の周波数帯
域幅に希望信号が変換される。このため複素デジタルフ
ィルタ12の特性は0±fs/2の周波数領域で希望波
の部分のみを通過帯域とするものとなり、図11の太い
実線で示す固定周波数特性となる。なお、0〜+fs/
2と0〜−fs/2の周波数特性が対称にならないの
で、複素係数を持つデジタルフィルタとなる。なお、複
素デジタルフィルタ12の詳細は第2の実施の形態と同
様である。
【0052】直交検波器13は、複素デジタルフィルタ
12の出力信号の搬送波の周波数オフセット分exp
(j2πfc)を除去する。fcの値が固定である他
は、第2の実施の形態と同様である。なお、後段の直交
信号復調器7には搬送波に対するAFC機能が含まれる
ので、図7の直交正弦波発振器13bの周波数は高精度
で設定する必要はなく、周波数変動にトラッキングする
必要もない。ただし、直交検波器13に直交信号復調器
7からフィードバックをかけてAFCとする構成にして
も良い。
【0053】直交検波器13によりベースバンドに変換
された直交信号は、直交信号復調器7で復調され、もと
のデジタルデータに復号されて復号信号出力端子11に
出力される。直交信号復調器7の詳細は第1および第2
の実施の形態と同様である。なお、直交信号復調器7の
生成したクロック位相誤差信号により、ADコンバータ
4はクロックの位相が制御され、同じく直交信号復調器
7の生成するAGC誤差信号により、AGCアンプ2は
その利得が制御される。また、ADコンバータ4、90
度位相差分波器6、複素デジタルフィルタ12、直交検
波器13、直交信号復調器7は同一のクロックで動作す
る。
【0054】以上のように本実施の形態のデジタル復調
器は、ミキサと、発振器と、ADコンバータと、90度
位相差分波器と、負周波数領域の信号成分を減衰させる
特性を有する複素デジタルフィルタで構成される。そし
て発振器の発振周波数を受信信号の帯域の上または下の
端の周波数と一致するように制御する。こうすると、広
帯域に複数チャンネルが配列されている場合でも、従来
のチューナを簡略化できるという意味で、ダイレクトコ
ンバージョン方式に準ずるデジタル復調器を実現でき
る。
【0055】(実施の形態4)本発明の第4の実施の形
態におけるデジタル復調器について、図面を参照しなが
ら説明する。図4は本実施の形態のデジタル復調器の全
体構成を示すブロック図であり、第1〜第3の実施の形
態と同一の部分は同一の符号を付けて詳細な説明を省略
する。本図に示すようにデジタル復調器は、RF信号入
力端子10、トラッキングフィルタ1、対数アンプ2
1、サンプル・ホールド回路3、ADコンバータ4、逆
対数変換器22、乗算器23、サンプリングレート変換
器5、90度位相差分波器6、直交信号復調器7、発振
器8、選局回路9、復号信号出力端子11を含んで構成
される。
【0056】図12は第4の実施の形態の動作を説明す
るための対数アンプ21の入出力特性(実線)と、逆対
数変換器22の入出力特性(点線)である。本実施の形
態と第1の実施の形態の違いは、第1の実施の形態のA
GCアンプ2を、対数アンプ21と逆対数変換器22と
乗算器23で置き換え、直交信号復調器7からAGCア
ンプ2への制御を乗算器23への制御に変えた点であ
る。
【0057】以下、相違点を中心に動作を説明する。ト
ラッキングフィルタ1で選択された希望信号は対数アン
プ21に入力される。対数アンプ21は小振幅の信号に
対しては増幅率を上げ、大振幅の信号に対しては増幅率
を下げて出力する。
【0058】サンプル・ホールド回路3で、対数アンプ
21の出力をサンプル・ホールドし、ADコンバータ4
でデジタル信号に変換する。逆対数変換器22の入出力
特性は図12の点線で示す曲線の特性になっており、対
数関数の逆関数である。従って逆対数変換器22の出力
は、元のリニアな信号に戻ることになる。乗算器23は
直交信号復調器7からの振幅誤差信号に基づいて、線形
信号に戻った信号の振幅を一定振幅となるように制御す
る。以降の処理は第1の実施の形態と同じである。
【0059】以上のように本実施の形態のデジタル復調
器は、対数アンプと、ADコンバータと、逆対数変換器
と、乗算器とを含んで構成されている。そして乗算器で
振幅調整を行うことにより、AGCループをデジタル回
路のみで構成することが可能となる。なお、本実施の形
態では、第1の実施の形態と組み合わせて説明したが、
第2、第3の実施の形態と組み合わせることも可能であ
る。
【0060】
【発明の効果】以上のように、本願の請求項1〜5の発
明によれば、トラッキングフィルタと希望波の搬送波周
波数の1/nに設定されるサンプリング・クロックで動
作するサンプル・ホールド回路、もしくはトラッキング
フィルタと固定クロックでのサンプリング後の通過帯域
可変型の複素デジタルフィルタを有する構成とすること
で、広帯域に配列された複数チャンネルの信号を選局可
能なダイレクトコンバージョン方式のデジタル復調器を
実現することができる。
【0061】また本願の請求項6,7の発明によれば、
ミキサを用いることにより、RF信号を入力して希望チ
ャンネルの信号を周波数変換してベースバンド信号を生
成することができる。
【0062】また本願の請求項8,9の発明によれば、
RF信号を非線形増幅器で増幅後にAD変換し、逆特性
の変換器で線形信号に戻して乗算器で振幅調整すること
により、デジタル回路で完結したAGCループを有する
デジタル復調器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるデジタル復
調器のブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態におけるデジタル復
調器のブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態におけるデジタル復
調器のブロック図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態におけるデジタル復
調器のブロック図である。
【図5】デジタル復調器で用いられる90度位相差分波
器の構成例を示すブロック図である。
【図6】デジタル復調器で用いられる複素デジタルフィ
ルタの構成例を示すブロック図である。
【図7】デジタル復調器で用いられる直交検波器の構成
例を示すブロック図である。
【図8】従来のデジタル復調器の構成例を示すブロック
図である。
【図9】第1の実施の形態のデジタル復調器の動作を説
明するための周波数スペクトル図である。
【図10】第2の実施の形態のデジタル復調器の動作を
説明するための周波数スペクトル図である。
【図11】第3の実施の形態のデジタル復調器の動作を
説明するための周波数スペクトル図である。
【図12】第4の実施の形態のデジタル復調器の動作を
説明するための対数アンプの入出力特性図である。
【符号の説明】
1 トラッキングフィルタ 2 AGCアンプ 3 サンプル・ホールド回路(S/H回路) 4 ADコンバータ 5,14 サンプリングレート変換器 6 90度位相差分波器 6a 遅延回路 6b ヒルベルト変換器 7 直交信号復調器 8,15,19 発振器 9,16,20 選局回路 10 RF信号入力端子 11 復号信号出力端子 12 複素デジタルフィルタ 12a〜12d デジタルフィルタ 12e,12f 加算器 13 直交検波器 17 ミキサ 18 LPF 21 対数アンプ 22 逆対数変換器 23 乗算器

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 RF信号から希望チャンネルの周波数帯
    の信号を選択するトラッキングフィルタと、 前記トラッキングフィルタ出力をサンプル・ホールド
    し、デジタル信号に変換するAD変換手段と、 前記AD変換手段にクロック信号を与える発振器と、 前記トラッキングフィルタと前記発振器の周波数を制御
    する選局回路と、を具備し、 前記選局回路は、 前記トラッキングフィルタの通過帯域を希望チャンネル
    を選択するように制御すると共に、前記発振器の発振周
    波数の整数倍の周波数が前記希望チャンネルの搬送波周
    波数と一致するように前記発振器の発振周波数を制御す
    ることを特徴とするデジタル復調器。
  2. 【請求項2】 RF信号から希望チャンネルの周波数帯
    の信号を選択するトラッキングフィルタと、 前記トラッキングフィルタの出力を所望の振幅まで増幅
    するAGCアンプと、 前記AGCアンプの出力をサンプル・ホールドし、デジ
    タル信号に変換するADコンバータと、 前記ADコンバータにクロック信号を与える発振器と、 前記ADコンバータの出力信号に含まれるデータレート
    を所望のデータレートに変換するサンプリングレート変
    換器と、 前記サンプリングレート変換器の出力から直交信号成分
    を生成し、複素信号に変換する90度位相差分波器と、 前記90度位相差分波器の出力を復調して復号データを
    生成すると共に、前記AGCアンプに対しては振幅誤差
    信号を負帰還し、前記サンプリングレート変換器に対し
    てはクロック位相誤差を負帰還する直交信号復調器と、 前記トラッキングフィルタと前記発振器の周波数を制御
    する選局回路と、を具備し、 前記選局回路は、 前記トラッキングフィルタの通過帯域を希望チャンネル
    を選択するように制御すると共に、前記発振器の発振周
    波数の整数倍の周波数が前記希望チャンネルの搬送波周
    波数と一致するように前記発振器の発振周波数を制御す
    ることを特徴とするデジタル復調器。
  3. 【請求項3】 前記発振器は、 ダイレクト・デジタル周波数シンセサイザ方式で構成さ
    れることを特徴とする請求項1又は2記載のデジタル復
    調器。
  4. 【請求項4】 RF信号から希望チャンネルの周波数帯
    の信号を選択するトラッキングフィルタと、 前記トラッキングフィルタ出力をサンプル・ホールド
    し、デジタル信号に変換するAD変換手段と、 前記AD変換手段にクロック信号を与える発振器と、 前記AD変換手段の出力から直交信号成分を生成し、複
    素信号に変換する90度位相差分波器と、 前記90度位相差分波器の出力から希望チャンネルの信
    号のみを選択する複素デジタルフィルタと、 前記複素デジタルフィルタの出力する直交変調信号を直
    交ベースバンド信号に変換する直交検波器と、 前記トラッキングフィルタと前記複素デジタルフィルタ
    と前記直交検波器の周波数を制御する選局回路と、を具
    備し、 前記選局回路は、 前記トラッキングフィルタに対しては、希望チャンネル
    を選択するように通過帯域を制御し、前記複素デジタル
    フィルタに対しては、その伝達特性を周波数変換後の前
    記希望チャンネルの信号を選択するように制御し、前記
    直交検波器に対しては、前記複素デジタルフィルタの出
    力がベースバンドに変換されるよう内部の複素発振器の
    周波数を制御することを特徴とするデジタル復調器。
  5. 【請求項5】 RF信号から希望チャンネルの周波数帯
    の信号を選択するトラッキングフィルタと、 前記トラッキングフィルタ出力を所望の振幅まで増幅す
    るAGCアンプと、 前記AGCアンプの出力をサンプル・ホールドし、デジ
    タル信号に変換するAD変換手段と、 前記AD変換手段にクロック信号を与える発振器と、 前記AD変換手段の出力から直交信号成分を生成し、複
    素信号に変換する90度位相差分波器と、 前記90度位相差分波器の出力から希望チャンネルの信
    号のみを選択する複素デジタルフィルタと、 前記複素デジタルフィルタの出力する直交変調信号を直
    交ベースバンド信号に変換する直交検波器と、 前記直交検波器の出力信号に含まれるデータレートを所
    望のデータレートに変換するサンプリングレート変換器
    と、 前記サンプリングレート変換器の出力を復調して復号デ
    ータを生成すると共に、前記AGCアンプに対しては振
    幅誤差信号を負帰還し、前記サンプリングレート変換器
    に対してはクロック位相誤差を負帰還する直交信号復調
    器と、 前記トラッキングフィルタと前記複素デジタルフィルタ
    と前記直交検波器の周波数を制御する選局回路と、を具
    備し、 前記選局回路は、 前記トラッキングフィルタに対しては、希望チャンネル
    を選択するように通過帯域を制御し、前記複素デジタル
    フィルタに対しては、その伝達特性を周波数変換後の前
    記希望チャンネルの信号を選択するように制御し、前記
    直交検波器に対しては、前記複素デジタルフィルタの出
    力がベースバンドに変換されるよう内部の複素発振器の
    周波数を制御することを特徴とするデジタル復調器。
  6. 【請求項6】 RF信号を入力し、希望チャンネルの信
    号を周波数変換してベースバンド信号を生成するミキサ
    と、 前記ミキサに周波数変換のための局部発振信号を供給す
    る発振器と、 前記発振器の周波数を制御する選局回路と、 前記ミキサの出力をデジタル信号に変換するADコンバ
    ータと、 前記ADコンバータの出力から直交信号成分を生成し、
    複素信号に変換する90度位相差分波器と、 前記90度位相差分波器の出力信号から周波数変換後の
    前記希望チャンネルの周波数成分を選択する複素デジタ
    ルフィルタと、 前記複素デジタルフィルタの出力する直交変調信号を直
    交ベースバンド信号に変換する直交検波器と、を具備
    し、 前記選局回路は、 前記発振器の発振周波数を前記希望チャンネルの帯域の
    上又は下の端の周波数と一致するように制御することを
    特徴とするデジタル復調器。
  7. 【請求項7】 RF信号を入力し、希望チャンネルの信
    号を所望の振幅まで増幅するAGCアンプと、 前記AGCアンプの出力を周波数変換してベースバンド
    信号を生成するミキサと、 周波数変換のための局部発振信号を前記ミキサに供給す
    る発振器と、 前記発振器の周波数を制御する選局回路と、 前記ミキサの出力からベースバンド信号以外の信号を遮
    断するローパスフィルタと、 前記ローパスフィルタの出力をデジタル信号に変換する
    ADコンバータと、 前記ADコンバータの出力から直交信号成分を生成し、
    複素信号に変換する90度位相差分波器と、 前記90度位相差分波器の出力信号から周波数変換後の
    前記希望チャンネルの周波数成分を選択する複素デジタ
    ルフィルタと、 前記複素デジタルフィルタの出力する直交変調信号を直
    交ベースバンド信号に変換する直交検波器と、 前記直交検波器の出力を復調して復号データを生成する
    と共に、前記AGCアンプに対しては振幅誤差信号を負
    帰還し、前記ADコンバータに対してはクロック位相誤
    差を負帰還する直交信号復調器と、を具備し、 前記選局回路は、 前記発振器の発振周波数を前記希望チャンネルの帯域の
    上又は下の端の周波数と一致するように制御することを
    特徴とするデジタル復調器。
  8. 【請求項8】 RF信号から希望チャンネルの周波数帯
    の信号を選択するトラッキングフィルタと、 前記トラッキングフィルタ出力を非線形に増幅する非線
    形増幅器と、 前記非線形増幅器の出力をサンプル・ホールドし、デジ
    タル信号に変換するAD変換手段と、 前記AD変換手段にクロック信号を与える発振器と、 前記トラッキングフィルタと前記発振器の周波数を制御
    する選局回路と、 前記AD変換手段の出力信号を線形信号に補正する非線
    形補正回路と、 前記非線形補正回路の出力信号の振幅を制御する乗算器
    と、を具備し、 前記選局回路は、 前記トラッキングフィルタの通過帯域を希望チャンネル
    を選択するように制御すると共に、前記発振器の発振周
    波数の整数倍の周波数が前記希望チャンネルの搬送波周
    波数と一致するように前記発振器の発振周波数を制御す
    ることを特徴とするデジタル復調器。
  9. 【請求項9】 前記非線形増幅器は対数増幅器で構成さ
    れ、前記非線形補正回路は逆対数変換器で構成されるこ
    とを特徴とする請求項8記載のデジタル復調器。
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