JPH101636A - 水性印刷インキおよびその製造方法 - Google Patents

水性印刷インキおよびその製造方法

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JPH101636A
JPH101636A JP15507096A JP15507096A JPH101636A JP H101636 A JPH101636 A JP H101636A JP 15507096 A JP15507096 A JP 15507096A JP 15507096 A JP15507096 A JP 15507096A JP H101636 A JPH101636 A JP H101636A
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aqueous
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water
acid
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JP15507096A
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English (en)
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Teruyuki Kawatsuji
輝之 河辻
Masahiro Sakazume
雅弘 坂爪
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】印刷適性、印刷効果およびラミネート加工適性
に優れた水性印刷インキとその製造方法の提供。 【解決手段】数平均分子量が 1,000〜9,900 の水性ポリ
ウレタン樹脂の水溶液または水性分散体とマレイン酸変
性塩素化ポリオレフィンの水性分散体をバインダーとす
る水性印刷インキ、及び数平均分子量が 1,000〜9,900
の水性ポリウレタン樹脂の水溶液または水性分散体、マ
レイン酸変性塩素化ポリオレフィンの水性分散体および
顔料を混合分散することを特徴とする水性印刷インキの
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性印刷インキお
よびその製造方法に関する。さらに詳しくは、表面処理
を施されたプラスチックフィルム、特に延伸ポリプロピ
レン(OPP)フィルム、ポリエステル(PET)フィ
ルムにグラビアまたはフレキソ印刷され、優れたラミネ
ート加工適性を有する水性印刷インキに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、溶剤型印刷インキによる大気汚
染、有機溶剤中毒等の労働安全衛生、更に引火爆発等の
危険といった問題を解決する一つの手段として水性印刷
インキへの転換が提案されている。事実、水性印刷イン
キは一般包装紙や段ボール等の紙器等の印刷に広く実用
化されてきている。しかしながら、軟包装材用途を中心
とした非浸透性のプラスチックフィルム基材に対する印
刷分野においては、一部用途を除き、水性印刷インキは
ほとんど実用化されていない。これは、かかる分野にお
いて、水性印刷インキの品質が溶剤型インキと比べ、十
分とは言い難いためである。
【0003】つまり、非浸透性のプラスチックフィルム
を被印刷体とする場合、乾燥性に加えて基材への均一な
濡れ及び接着、更にラミネート加工に対する適用性など
の諸問題が解決されておらず、実用化は極めて困難であ
った。一方、プラスチックフィルムを印刷する業界にお
いては、近年、少ロット化、品種の多様化が進んでい
る。これに対応するため、各種のプラスチックフィルム
に接着し、多様な用途に適用できるいわゆる汎用インキ
を用いて、作業効率、経済性の向上が図られている。
【0004】しかしながら、従来の水性印刷インキは、
表面処理OPPフィルムに接着し良好なラミネート強度
が得られても、表面処理PETフィルムに対する強度が
不十分であったり、逆に表面処理PETフィルムに対し
良好な強度が得られても、表面処理OPPフィルムに対
し十分な強度が得られないという欠点があった。更に
は、有機顔料を配合した場合、表面処理OPPフィル
ム、PETフィルムに対する接着、押し出しラミネート
機によって溶融ポリエチレンを積層するラミネート加工
におけるラミネート強度が得られるものでも、無機顔料
(特に酸化チタン)を配合した場合、ラミネート強度が
不十分であるという欠点があった。これは、水性印刷イ
ンキ中の酸化チタン配合量が有機顔料と比べ著しく多い
ため、接着付与成分である樹脂含有量が少なくなるため
である。
【0005】これらの欠点を解決するために、水性印刷
インキ中のバインダー樹脂と反応しうる官能基を有する
架橋剤を添加して塗膜性能を向上させる提案がなされて
いる。例えば、特開平2−99537号公報には、ポリ
エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂
からなる群から選ばれた1種または2種以上の重合体と
オキサゾリン基を有する化合物を含有するとこと特徴と
する水性樹脂組成物が開示されている。しかし、これら
反応性の架橋剤を含有するものは、経時での反応が進
み、インキの安定性に問題がある。
【0006】また、特開昭61−19676号公報に
は、スチレン/アクリル系共重合体にロジンエステル等
の粘着付与樹脂を添加する水性印刷インキが開示されて
いるが、スチレン/アクリル系の硬い塗膜性能からは、
表面処理OPPフィルムと表面処理PETフィルムとの
両方に接着するインキを得ることは難しい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、印刷
適性、印刷効果およびラミネート加工適性に優れた水性
印刷インキとその製造方法を提供することにある。さら
に詳しくは、表面処理を施されたプラスチックフィル
ム、特に延伸ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフ
ィルムにグラビアまたはフレキソ印刷され、すぐれたラ
ミネート加工適性を有する水性印刷インキとその製造方
法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
を解決すべく鋭意検討した結果、数平均分子量が 1,000
〜9,900 の水性ポリウレタン樹脂の水溶液または水性分
散体とマレイン酸変性塩素化ポリオレフィンの水性分散
体をバインダーとする水性印刷インキは、表面処理を施
したポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルムの
いずれにも接着し、印刷面にアンカーコート剤をコート
したのち、押し出しラミネート機によって溶融ポリエチ
レンを積層するラミネート加工におけるラミネート強度
が良好であることを見出し、本発明に至った。
【0009】すなわち、本発明は、数平均分子量が 1,0
00〜9,900 の水性ポリウレタン樹脂の水溶液または水性
分散体とマレイン酸変性塩素化ポリオレフィンの水性分
散体をバインダーとする水性印刷インキに関する。ま
た、本発明は、水性ポリウレタン樹脂とマレイン酸変性
塩素化ポリオレフィンとの固形分重量比が、99.9:0.1
〜60:40であることを特徴とする上記水性印刷インキに
関する。さらに、本発明は、数平均分子量が 1,000〜9,
900 の水性ポリウレタン樹脂の水溶液または水性分散
体、マレイン酸変性塩素化ポリオレフィンの水性分散体
および顔料を混合分散することを特徴とする水性印刷イ
ンキの製造方法に関する。
【0010】水性ポリウレタン樹脂の水溶液または水性
分散体は、例えば、カルボキシル基のようなイオン性官
能基を有するポリオール化合物と他のポリオール化合物
とポリイソシアネート化合物とをイソシアネート過剰の
条件で反応させ、ポリオール化合物の末端にイソシアネ
ート基を有するプレポリマーを調整し、次いで適当な有
機溶剤中で鎖伸長剤、更に必要に応じて重合停止剤を反
応させポリウレタン樹脂溶液とし、このポリウレタン樹
脂溶液にイオン性官能基を中和する中和剤と水を加えた
後、加熱操作、減圧操作により有機溶剤を水と共に共沸
除去して製造される。水性ポリウレタン樹脂の数平均分
子量は 1,000〜9,900 、好ましくは 4,000〜9,900 であ
る。数平均分子量が 1,000未満であると、充分な塗膜物
性が得られず、数平均分子量が 9,9000を越えると樹脂
水溶液または水性分散体の粘度が高くなり、印刷インキ
には適さず、充分な印刷効果が得られない。
【0011】カルボキシル基を有するポリオール化合物
としては、3,5-ジヒドロキシ安息香酸、2,2-ビス(ヒド
ロキシルメチル)プロピオン酸、2,2-ビス(ヒドロキシ
ルエチル)プロピオン酸、2,2-ビス(ヒドロキシルプロ
ピル)プロピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、
ビス(4-ヒドキシフェニル)酢酸、2,2-ビス(4-ヒドキ
シフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N-ジヒドロキシエ
チルグリシン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)−3-カ
ルボキシ−プロピオンアミド等が挙げられる。
【0012】他のポリオール化合物としては、特に限定
はなく、例えば、水、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ブタンジオー
ル、プロパンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの
低分子量グリコール類、トリメチロールプロパン、グリ
セリンなどのトリオール類、ペンタエリスリトールなど
のテトラオール類などの低分子量ポリオール類、エチレ
ンオキサイド単位またはプロピレンオキサイド単位を有
するポリオール化合物、ポリエーテルジオール類、ポリ
エステルジオール類などの高分子量ジオール、ビスフェ
ノールAやビスフェノールFなどのビスフェノール類が
挙げられる。
【0013】エチレンオキサイド単位またはプロピレン
オキサイド単位を有するポリオール化合物としては、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレンエーテルグリコ
ール、ポリトリメチレンエーテルグリコール、ビスフェ
ノールAやビスフェノールFにエチレンオキサイドまた
はプロピレンオキサイドを付加させたグリコール類が挙
げられる。
【0014】ポリエーテルジオール類としては、例え
ば、テトラヒドロフラン、あるいはエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどの
アルキレンオキサイドの重合体、ブロック、ランダムま
たはグラフト共重合体、ヘキサンジオール、メチルヘキ
サンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオールあ
るいはこれらの混合物の縮合によるポリエーテルグリコ
ール類、ビスフェノールAやビスフェノールFにエチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレン
オキサイドを付加させたグリコール類が挙げられる。
【0015】ポリエステルジオール類としては、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオ
ール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
ヘキサンジオール、メチル−1,5-ペンタンジオール、オ
クタンジオール、シクロヘキサンジオール、2-エチル−
1,3-ヘキサンジオール、ビスフェノールA、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレング
リコールなどの飽和あるいは不飽和の低分子量グリコー
ルと、脂肪族あるいは芳香族二塩基酸または芳香族二塩
基酸エステルとから縮合反応により得られるポリエステ
ルポリオールやε−ポリカプロラクトンなどの環状エス
テル化合物の開環重合により得られるポリエステルポリ
オール、ポリカーボネートポリオール、シリコンポリオ
ールなどが挙げられ、これらとジイソシアネートとの反
応によって得られる末端水酸基の反応生成物も用いるこ
とができる。
【0016】ポリイソシアネート化合物としては、芳香
族、脂肪族および脂環族の従来公知のジイソシアネート
類の1種あるいは2種以上の混合物を用いることができ
る。ジイソシアネート類として具体的には、トリレンジ
イソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、1,3-フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,
5-ナフチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、ジメリールジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート、水添4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、水添トリレンジイソシアネート、ダイマー酸のカル
ボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイ
ソシアネート、あるいはこれらとグリコール類またはジ
アミン類との両末端イソシアネートアダクト体が挙げら
れる。
【0017】ジイソシアネート類には、必要に応じてト
リフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポ
リフェニルイソシアネートなどの3官能以上のポリイソ
シアネート類や、ポリイソシアネートアダクト体を混合
して用いることができる。さらに、必要に応じてモノイ
ソシアネート類を分子量調整剤として用いることができ
る。市販のポリイソシアネートアダクト体としては、西
独バイエル社製「デスモジュールシリーズ」が挙げられ
る。
【0018】鎖伸長剤は、アミノ基、水酸基などのイソ
シアネート基と反応しうる活性水素を2個以上有する化
合物であり、例えば、ジアミン化合物、ジヒドラジド化
合物、グリコール類が挙げられる。ジアミン化合物とし
ては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、トリエチルテトラミン、ジエチレン
トリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメ
タン-4,4'-ジアミン、ポリオキシエチレンジアミノプロ
ピルエーテルなどが挙げられる。その他、N-2-ヒドキシ
エチルエチレンジアミン、N-3-ヒドロキシプロピルエチ
レンジアミン等の水酸基を有するジアミン類およびダイ
マー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマー
ジアミン等も挙げられる。更に、グルタミン、アスパラ
ギン、リジン、ジアミノプロピオン酸、オルニチン、ジ
アミノ安息香酸、ジアミノベンゼンスルホン酸等のジア
ミン型アミノ酸類が挙げられる。
【0019】ジヒドラジド化合物としては、シュウ酸ジ
ヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラ
ジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジ
ド、セバシン酸ジヒドラジドなどの2〜18個の炭素原
子を有する飽和脂肪族カルボン酸ジヒドラジド、マレイ
ン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸
ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジドなどのモノオレフ
ィン性不飽和ジカルボン酸ジヒドラジド、炭酸ジヒドラ
ジド、カルボジヒドラジド、チオカルボジヒドラジドな
どが挙げられる。
【0020】グリコール類としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブ
タンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、ペンタンジオール、3-メチル−1,5-ペンタンジ
オール、1,6-ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,
4-ブチレンジオール、ジプロピレングリコールなどの飽
和または不飽和の各種公知の低分子ジオール類およびダ
イマー酸のカルボキシル基を水酸基に転化したダイマー
ジオールが挙げられる。
【0021】重合停止剤としては、ジ−n-ブチルアミン
などのジアルキルアミン類、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、2-アミノ-2- メチル-1- プロパノー
ル、トリ(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2-アミノ
−2-エチル−1,3-プロパンジオール、N-ジ−2-ヒドロキ
シエチルエチレンジアミン、N-ジ−2-ヒドロキシエチル
プロピレンジアミン、N-ジ−2-ヒドロキシプロピルエチ
レンジアミン等の水酸基を有するアミン類が挙げられ
る。更に、グリシン、アラニン、グルタミン酸、タウリ
ン、アスパラギン酸、アミノ酪酸、バリン、アミノカプ
ロン酸、アミノ安息香酸、アミノイソフタル酸、スルフ
ァミン酸などのモノアミン型アミノ酸類も挙げられる。
【0022】イオン性官能基がカルボキシル基の場合、
それを中和する中和剤としては、アンモニア;モノエチ
ルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミ
ン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミ
ン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミ
ン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N-メチル
モルホリン、2-アミノ−2-エチル−1-プロパノール等の
有機アミン類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
無機アルカリ類等の塩基性化合物が挙げられる。塩基性
化合物は、1種または2種以上を組み合わせて用いられ
るが、乾燥後の皮膜の耐水性を向上させるためには、水
溶性であり、かつ熱によって容易に解離する揮発性の高
いものが好ましく、特にアンモニア、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミンが好ましい。
【0023】マレイン酸変性塩素化ポリオレフィンは、
塩素化ポリプロピレンなどのオレフィン系単量体を必須
成分とする重合体に、マレイン酸や無水マレイン酸など
の酸基含有重合性単量体を重合させたものである。マレ
イン酸変性塩素化ポリオレフィンの塩素含有率は10〜40
%、さらには15〜30%であることが好ましい。塩素含有
率が上記範囲より低いと、溶媒への溶解性が低下し、上
記範囲より高いと、ゴム状となり、水性ポリウレタン樹
脂との相溶性が低下する。また、マレイン酸変性塩素化
ポリオレフィンの酸価は1〜150 、さらには10〜100 で
あることが好ましい。酸価が上記範囲より低いと、水に
分散させにくく、上記範囲より高いと、塗膜の耐水性が
低下する。
【0024】マレイン酸変性塩素化ポリオレフィンの水
性分散体は、マレイン酸変性塩素化ポリオレフィンを水
中で自己乳化して得ることも可能であるが、通常は、非
イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、水溶性高
分子等の分散剤を用いて水に分散させることで得られ
る。水性ポリウレタン樹脂とマレイン酸変性塩素化ポリ
オレフィンとの固形分重量比は99.9:0.1 〜60:40、さ
らには99:1 〜90:10であることが好ましい。水性ポリ
ウレタン樹脂の割合が上記範囲より多いと、延伸ポリプ
ロピレンフィルムへの接着性が低くなり、マレイン酸変
性塩素化ポリオレフィンの割合が上記範囲より多いと、
ポリエステルフィルムへの接着性が低くなる。
【0025】本発明の水性印刷インキには、その機能を
阻害しない範囲で必要に応じて、水溶性または水分散性
樹脂や、その中間的なハイドロゾル型樹脂、水溶性樹脂
を保護コロイドとして合成されるコロイド状水性樹脂を
含有させることができる。具体的には、(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル、他の(メタ)アクリロイル基含
有モノマー、スチレン、α−メチルスチレンや、マレイ
ン酸、フマール酸等の不飽和カルボン酸またはそのエス
テル等から合成される(メタ)アクリル酸共重合樹脂、
カルボキシル基含有石油樹脂、セルロース系樹脂、スチ
レンマレイン酸樹脂、シェラック、水性ポリエステル、
水性ポリウレタン等を、単独または混合して用いること
ができる。
【0026】さらに、水性印刷インキとしての必要な特
性を付与するため、顔料などの着色剤、体質顔料、ワッ
クス類、消泡剤、増粘剤、硬化剤、水および水混和性有
機溶剤などが必要に応じて適宣添加され、アトライタ
ー、サンドミルなどの練肉機を使用して分散を行い、所
定の粘度になる様調整を行なって水性印刷インキが製造
される。かくして得られた水性印刷インキは、印刷時に
適正粘度になるまで水または水混和性有機溶剤、例えば
エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマル
プロピルアルコールなどのアルコール系有機溶剤を混合
した溶剤を用いて希釈し、グラビア印刷またはフレキソ
印刷方式でプラスチックフィルムなどに印刷される。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれに限定されるものでない。なお、実施例中
「部」とは「重量部」を、「%」とは「重量%」をそれ
ぞれ表わす。
【0028】(水性ポリウレタン樹脂の水性分散体の合
成例1)温度計、撹拌機、還流冷却管および窒素ガス導
入管を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、Mw=
2000のポリ(3-メチル−1,5-ペンタンアジペート)ジオ
ール 130.9部、 Mw=2000のポリエチレングリコール15.2
部、2,2-ビス(ヒドロキシルメチル)プロピオン酸29.4
部、イソホロンジイソシアネート97.4部をメチルエチル
ケトン 200部中で6時間沸点反応させて末端イソシア
ネートプレポリマーとし、しかるのち40℃まで冷却して
からアセトン 100部を加えて、末端イソシアネートプレ
ポリマーの有機溶剤溶液を得た。次に、イソホロンジア
ミン26.6部およびアセトン 400部を混合したものに、得
られた末端イソシアネートプレポリマーの有機溶剤溶液
572.9部を室温で徐々に添加して50℃で3時間反応さ
せ、カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂の有機溶
剤溶液を得た。次に、28%アンモニア水13.3部および脱
イオン水 900部を上記ポリウレタン樹脂の有機溶剤溶液
に徐々に添加して中和し、カルボキシル基を有するポリ
ウレタン樹脂と塩基性化合物を含む混合液を得た。得ら
れた混合液を減圧して60℃で脱溶剤を行うことにより水
性ポリウレタン樹脂の水性分散体を得た。得られた水性
分散体は固形分25%、pH 6.8、数平均分子量 7,700で
あった。
【0029】(水性ポリウレタン樹脂の水性分散体の合
成例2)下記の原料から、合成例1と同様にして、水性
ポリウレタン樹脂の水性分散体を得た。得られた水性分
散体は固形分25%、pH 6.8、数平均分子量 6,500であ
った。 ポリ(3-メチル−1,5-ペンタンアジペート)ジオール(Mw=2000) 130.9部 ポリエチレングリコール(Mw=2000) 15.2部 2,2-ビス(ヒドロキシルメチル)プロピオン酸 29.4部 イソホロンジイソシアネート 97.4部 メチルエチルケトン 200 部 アセトン 100 部 アジピン酸ジヒドラジド 27.2部 アセトン 400 部 28%アンモニア水 13.3部 脱イオン水 900 部
【0030】(水性ポリウレタン樹脂の水性分散体の合
成例3)下記の原料から、合成例1と同様にして、水性
ポリウレタン樹脂の水性分散体を得た。得られた水性分
散体は固形分25%、pH 6.8、数平均分子量 8,500であ
った。 ポリテトラメチレンエーテルグリコール(Mw=3000) 159.8部 ポリプロピレンエーテルグリコール(Mw=2000) 15.0部 2,2-ビス(ヒドロキシルメチル)プロピオン酸 21.5部 イソホロンジイソシアネート 78.8部 メチルエチルケトン 200 部 アセトン 100 部 イソホロンジアミン 23.2部 ジブチルアミン 1.7部 アセトン 400 部 28%アンモニア水 9.7部 脱イオン水 900 部
【0031】(水性ポリウレタン樹脂の水性分散体の合
成例4)下記の原料から、合成例1と同様にして、水性
ポリウレタン樹脂の水性分散体を得た。得られた水性分
散体は固形分25%、pH 6.8、数平均分子量20,000であ
った。 ポリテトラメチレンエーテルグリコール(Mw=3000) 144.4部 ポリエチレングリコール(Mw=2000) 30.0部 2,2-ビス(ヒドロキシルメチル)プロピオン酸 21.5部 イソホロンジイソシアネート 79.3部 酢酸エチル 200 部 イソプロピルアルコール 100 部 イソホロンジアミン 20.7部 酢酸エチル 400 部 28%アンモニア水 9.7部 脱イオン水 900 部
【0032】〔実施例1〕下記の組成で常法により水性
印刷インキを作成した。 合成例1で得られた水性ポリウレタン樹脂の水性分散体 50 部 マレイン酸変性塩素化ポリプロピレンの水性分散体A 20 部 (塩素含有率20%、酸価10、固型分30%) フタロシアニン系青色顔料 18 部 (東洋インキ製造(株)製「リオノールブルーKLH」) 水 6.9部 イソプロピルアルコール 5 部 シリコーン系消泡剤 0.1部 (トーレ・シリコーン(株)製「トーレシリコーンSC5540」)
【0033】〔実施例2〕合成例1で得られた水性ポリ
ウレタン樹脂の水性分散体50部を合成例2で得られた水
性ポリウレタン樹脂の水性分散体50部に代え、マレイン
酸変性塩素化ポリプロピレンの水性分散体A20部をマレ
イン酸変性塩素化ポリプロピレンの水性分散体B(塩素
含有率23%、酸価10、固型分30%)10部に代えた以外
は、実施例1と同様にして水性印刷インキを作成した。
【0034】〔実施例3〕合成例1で得られた水性ポリ
ウレタン樹脂の水性分散体50部を合成例3で得られた水
性ポリウレタン樹脂の水性分散体50部に代え、マレイン
酸変性塩素化ポリプロピレンの水性分散体A20部をマレ
イン酸変性塩素化ポリプロピレンの水性分散体C(塩素
含有率20%、酸価20、固型分30%) 5部に代えた以外
は、実施例1と同様にして水性印刷インキを作成した。
【0035】〔比較例1〕マレイン酸変性塩素化ポリプ
ロピレンの水性分散体Aを合成例1で得られた水性ポリ
ウレタン樹脂の水性分散体に代えた以外は、実施例1と
同様にして水性印刷インキを作成した。
【0036】〔比較例2〕合成例1で得られた水性ポリ
ウレタン樹脂の水性分散体を合成例4で得られた水性ポ
リウレタン樹脂の水性分散体に代えた以外は、実施例1
と同様にして水性印刷インキを作成しようとしたが、ミ
ルベースの粘度が高く分散できないため、作成できなか
った。
【0037】実施例1〜3および比較例1〜2で得られ
た水性印刷インキを、ザーンカップ#3(離合社製)で18
秒(25℃)になるように水/イソプロピルアルコール=
1/1の混合溶剤で希釈し、コロナ処理ポリエステル(P
ET)フィルム(東洋紡績(株)製「エステルE510
0」、厚さ12μm)、コロナ処理ポリプロピレン(OP
P)フィルム(東洋紡績(株)製「パイレンP2161」、
厚さ20μm)、コロナ処理ナイロン(NY)フィルム
(ユニチカ(株)製「エンブレム ON」、厚さ15μ
m)のコロナ処理面に、版深25μmを備えたグラビア版
を用いて乾燥温度60℃、印刷速度80m/分でグラビア印刷
し、接着性、押し出しラミネート強度およびボイルレト
ルト適性を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0038】(1)接着性 印刷物を1日放置後、印刷面にセロハンテープを貼り付
け、これを急速に剥がしたときの印刷皮膜の外観の状態
を目視にて判定した。評価結果の判定値は次の通りであ
る。 5:印刷皮膜が全くはがれなかった。 4:印刷皮膜の80%以上がフィルムに残った。 3:印刷皮膜の50〜80%がフィルムに残った。 2:印刷皮膜の30〜50%がフィルムに残った。 1:印刷皮膜の30%未満がフィルムに残った。
【0039】(2)押し出しラミネート強度 印刷物にポリエチレンイミン系のアンカーコート剤を塗
布し、押し出しラミネート機によって溶融ポリエチレン
を積層し、ラミネート後2日目に試料を15mm幅に切断
し、T型剥離強度を測定した。
【0040】(3)ボイルレトルト適性 ナイロンフィルム印刷物にウレタン系接着剤を塗布し、
ドライラミネート機によって無延伸ポリプロピレンフィ
ルムを積層し、40℃で3日間エージング後、ラミネート
物を製袋し、水/サラダ油/ケチャップ=1/1/1の
混合物を入れて密封後、ボイル適性については、100
℃、30分間、レトルト適性については120℃、30分間加
熱した後、ラミ浮きの有無を外観により目視判定した。
全くラミ浮きの無いものを○、全面ラミ浮きが生じたも
のを×とした。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明により、表面処理を施されたプラ
スチックフィルムにグラビア印刷およびフレキソ印刷さ
れ、優れたラミネート加工適性を有する水性印刷インキ
を提供できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】数平均分子量が 1,000〜9,900 の水性ポリ
    ウレタン樹脂の水溶液または水性分散体とマレイン酸変
    性塩素化ポリオレフィンの水性分散体をバインダーとす
    る水性印刷インキ。
  2. 【請求項2】水性ポリウレタン樹脂とマレイン酸変性塩
    素化ポリオレフィンとの固形分重量比が、99.9:0.1 〜
    60:40であることを特徴とする請求項1または2記載の
    水性印刷インキ。
  3. 【請求項3】数平均分子量が 1,000〜9,900 の水性ポリ
    ウレタン樹脂の水溶液または水性分散体、マレイン酸変
    性塩素化ポリオレフィンの水性分散体および顔料を混合
    分散することを特徴とする水性印刷インキの製造方法。
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