JPH10162985A - 液晶表示パネルのバックライト装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数本の蛍光管の上下の配置関係による温度
分布に起因する輝度ムラをなくす。 【解決手段】 液晶表示パネルを背部から照明する複数
の蛍光管２ａ〜２ｄと、この各蛍光管２ａ〜２ｄを駆動
し、且つ、この駆動電流を可変制御できる複数の駆動回
路手段であるドライバ７ａ〜７ｄと、前記各蛍光管２ａ
〜２ｄの一部の近傍のそれぞれに設けた複数の温度セン
サ６ｂ〜６ｄとを備え、この各温度センサ６ｂ〜６ｄの
検出した温度情報に基づいて、それぞれの蛍光管２ａ〜
２ｄへの駆動電流を個別に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ノート型パソコ
ンやテレビジョン，ワープロ等に多用されている液晶表
示パネルのバックライト装置に関し、とくに、複数本の
蛍光管を適当な間隔をおいて水平に配設した構造のバッ
クライト装置の駆動回路系の改良技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】よく知られているように、液晶表示パネ
ルのバックライト装置はパネル全面をできるだけ均一に
照明することが重要であり、そのために光学的な構造に
さまざまな工夫がこらされている。ある程度大きな画面
の液晶表示パネル用のバックライト装置では、複数本の
蛍光管を適当な間隔をおいて水平に配設し、その背面に
は照明光を平均化して反射するための波板状の反射板を
配設し、さらに前面には例えばスリガラスのような拡散
板を配置して輝度ムラをなくしている。この拡散板の前
に液晶表示パネルが配置される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前述の蛍光管は、駆動
電流が一定でも、その温度によって輝度が変化するとい
う温度特性を有している。バックライト装置に含まれる
複数本の蛍光管の温度にほとんど偏差がないのであれ
ば、例えば季節により雰囲気温度が変化しても、利用者
が調光用ボリュームを操作してバックライト装置の全体
の明るさを調整できるので、蛍光管の温度特性はほとん
ど問題にならない。

【０００４】しかし本発明者らが詳しく研究したとこ
ろ、つぎのような理由で、バックライト装置の複数本の
蛍光管に比較的大きな温度差が生じ、その温度差により
液晶表示パネルの輝度ムラが生じることがわかった。

【０００５】ノート型パソコンの液晶表示パネルの利用
形態が代表的であるが、多くの場合、液晶表示パネルは
垂直に近い状態に立てて使用される。バックライト装置
の複数本の蛍光管は水平に配列されているので、通常の
使用状態では各蛍光管は上下に並ぶことになり、上方の
蛍光管ほど高温になり、下方の蛍光管は熱の影響を受け
にくい。この蛍光管ごとの温度差がパネルの輝度ムラの
原因になる。この温度分布に起因する輝度ムラについ
て、従来はまったく対策はとられていなかった。

【０００６】この発明は前述した従来の問題点に鑑みな
されたもので、その目的は、複数本の蛍光管の上下の配
置関係による温度分布に起因する輝度ムラを生じないよ
うにした液晶表示パネルのバックライト装置を提供する
ことにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そこでこの発明では、液
晶表示パネルを背部から照明する複数の蛍光管と、この
各蛍光管を駆動し、且つ、この駆動電流を可変制御でき
る複数の駆動回路手段と、前記各蛍光管の全部、また
は、一部の近傍のそれぞれに設けた複数の温度検出手段
とを備え、この各温度検出手段の検出した温度情報に基
づいて、それぞれの蛍光管への駆動電流を個別に制御す
るように構成した。

【０００８】したがって、前記各温度検出手段の検出し
た温度情報に基づいて各蛍光管の輝度が均一になるよう
に前記複数の駆動回路手段が、それぞれの蛍光管への駆
動電流を個別に制御するので、各蛍光管の雰囲気温度の
偏差による輝度差が補正できる。

【０００９】

【発明の実施の形態】この発明の一実施形態例による液
晶表示パネルのバックライト装置の構造的な概要を図１
と図２に示している。偏平な長方形のケース１の内部に
４本の蛍光管２ａ〜２ｄが所定間隔をおいて水平に配設
されている。蛍光管２ａ〜２ｄの配列の背面側には照明
光を平均化して反射するための波板状の反射板３が配設
されている。また、蛍光管２ａ〜２ｄの配列の前面には
例えばスリガラスのような拡散板４が配設されている。
この拡散板４の前に液晶表示パネル（図示していない）
が配置される。

【００１０】ケース１の背面と前記反射板３の間に以下
に順次説明する蛍光管の駆動回路手段としての駆動回路
部５が適当に分散して実装されている。また、この発明
の特徴的な要素として、一番上の蛍光管２ａ以外の他の
３本の蛍光管２ｂ〜２ｄのそれぞれに、ごく近接して温
度検出手段である温度センサ６ｂ〜６ｄが配設されてい
る。この実施形態例においては、温度センサ６ｂ〜６ｄ
として正特性サーミスタを使用している。

【００１１】蛍光管２ａ〜２ｄの駆動回路系の概略を図
３に示している。各蛍光管２ａ〜２ｄは個別のインバー
タ式のドライバ７ａ〜７ｄにより点灯駆動される。各ド
ライバ７ａ〜７ｄの電源は共通の直流電源８である。ま
た各ドライバ７ａ〜７ｄには調光用ボリューム１０から
の制御信号が共通に入力される。

【００１２】４本の各蛍光管２ａ〜２ｄにはそれぞれ、
駆動電流を検出してドライバ７ａ〜７ｄにフィードバッ
クするための電流検出抵抗回路９ａ〜９ｄが直列に接続
されている。一番上の蛍光管２ａの電流検出抵抗回路９
ａは抵抗ＲＸ１だけである。蛍光管２ｂの電流検出抵抗
回路９ｂは、抵抗ＲＸ２とＲＹ２および温度センサ６ｂ
の直並列回路である。同様に、蛍光管２ｃの電流検出抵
抗回路９ｃは、抵抗ＲＸ３とＲＹ３および温度センサ６
ｃの直並列回路であり、蛍光管２ｄの電流検出抵抗回路
９ｄは、抵抗ＲＸ４とＲＹ４および温度センサ６ｄの直
並列回路である。

【００１３】各電流検出抵抗回路９ａ〜９ｄは、各蛍光
管２ａ〜２ｄの駆動電流に対応した電圧信号を発生し、
各ドライバ７ａ〜７ｄにフィードバックする。各ドライ
バ７ａ〜７ｄは、それぞれのフィードバック信号に基づ
いて各蛍光管２ａ〜２ｄの駆動電流が一定になるように
制御する。

【００１４】一番上の蛍光管２ａの駆動回路系を除き、
他の３本の蛍光管２ｂ〜２ｄの駆動回路系には温度セン
サ６ｂ〜６ｄによる温度フィードバック制御手段が付加
されている。つまり、各電流検出抵抗回路９ｂ〜９ｄに
それぞれ温度センサ６ｂ〜６ｄが含まれており、各温度
センサ６ｂ〜６ｄで検出した各蛍光管２ｂ〜２ｄの温度
情報が各ドライバ７ｂ〜７ｄにフィードバックされ、そ
の温度情報に基づいて各蛍光管２ｂ〜２ｄの駆動電流が
それぞれ可変制御される。

【００１５】図４に蛍光管２ａ〜２ｄの温度特性の一例
を示している。液晶表示パネルのバックライト装置の場
合、それに含まれる蛍光管２ａ〜２ｄの温度は、通常の
使用状態で４０℃を超える。図４の温度特性グラフから
わかるように、４０℃を超える温度領域では、温度が高
いほど蛍光管の輝度が低下する。４本の蛍光管２ａ〜２
ｄを水平に配設したこの実施形態例のバックライト装置
の場合、通常の使用状態では、一番上の蛍光管２ａの温
度がもっとも高く、下方ほど熱の影響が少なく、一番下
の蛍光管２ｄの温度がもっとも低くなる。

【００１６】温度センサ６ｂ〜６ｄは正特性サーミスタ
であり、電流検出抵抗回路９ｂ〜９ｄは検出温度が高い
ほど合成抵抗値が大きくなる。電流検出抵抗回路９ｂ〜
９ｄの抵抗値が大きくなると、蛍光管の駆動電流が増え
たのと同様に、各ドライバ７ｂ〜７ｄにフィードバック
される電圧信号が増加し、各ドライバ７ｂ〜７ｄではそ
れぞれの駆動電流を抑制するように制御が働く。この制
御作用により、一番上の蛍光管２ａの温度上昇がもっと
も大きく、一番下の蛍光管２ｄの温度上昇がもっとも小
さいという温度分布に対応した駆動電流の補正が働き、
４本の蛍光管２ａ〜２ｄの輝度の偏差をなくす。

【００１７】各ドライバ７ａ〜７ｄの詳細な構成例を、
ドライバ７ｂを代表として図５に示している。これはよ
く知られたインバータ式の回路であり、直流電源８をチ
ョッパ回路１１により充分に高い所定周波数で断続して
インバータ回路１２に印加し、インバータ回路１２の高
圧出力を蛍光管２ｂに印加する。チョッパ回路１１は、
スイッチングトランジスタＱ１をＰＷＭ（パルス幅変
調）回路１３からの高周波パルスによってオン，オフさ
せる。ＰＷＭ回路１３の出力パルスのデューティ比が、
電流検出抵抗回路９ｂ（ＲＸ２とＲＹ２および温度セン
サ６ｂの直並列回路）からの電圧信号（ダイオードＤ１
とコンデンサＣ３で直流化されている）に応じて変化
し、これによって前述したように駆動電流を可変制御す
るフィードバック作用が働く。なお、ＰＷＭ回路１３の
出力パルスのデューティ比は調光用ボリューム１０から
の電圧信号によっても変化する。またインバータ回路１
２は、チョークＬ１，トランスＴ１，トランジスタＱ２
とＱ３，コンデンサＣ１，バラスト用コンデンサＣ２，
抵抗Ｒ２で構成されている。

【００１８】

【発明の効果】この発明によれば、各蛍光管の駆動回路
系に簡単な温度検出手段を付加することで、複数本の蛍
光管の上下の配置関係による温度分布に起因する輝度ム
ラを良好に補正することができ、液晶表示パネルのバッ
クライト照明を従来よりさらに高精度に均一にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施形態例によるバックライト装
置の内部構造を示す斜視図である。

【図２】同上実施形態例装置の断面図である。

【図３】同上実施形態例装置の蛍光管駆動回路系の概略
図である。

【図４】蛍光管の温度特性例を示すグラフである。

【図５】同上実施形態例装置におけるドライバ７ｂの詳
細な回路図である。

【符号の説明】

１…ケース、２ａ〜２ｄ…蛍光管、３…反射板、４…拡
散板、５…駆動回路部、６ｂ〜６ｄ…温度センサ、７ａ
〜７ｄ…ドライバ、８…直流電源、９ａ〜９ｄ…電流検
出抵抗回路、１０…調光用ボリューム、１１…チョッパ
回路、１２…インバータ回路、１３…ＰＷＭ回路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液晶表示パネルを背部から照明する複数
   の蛍光管と、 この各蛍光管を駆動し、且つ、この駆動電流を可変制御
   できる複数の駆動回路手段と、 前記各蛍光管の全部、または、一部の近傍のそれぞれに
   設けた複数の温度検出手段とを備え、 この各温度検出手段の検出した温度情報に基づいて、そ
   れぞれの蛍光管への駆動電流を個別に制御することを特
   徴とする液晶表示パネルのバックライト装置。
2. 【請求項２】 前記複数の温度検出手段は、最上位また
   は最下位に配設された蛍光管を除いて、その他の前記各
   蛍光管にそれぞれ近接して付設されたことを特徴とする
   請求項１に記載の液晶パネルのバックライト装置。