JPH10162378A - サーボ信号生成装置およびそれを使用したディスク装置 - Google Patents

サーボ信号生成装置およびそれを使用したディスク装置

Info

Publication number
JPH10162378A
JPH10162378A JP32027896A JP32027896A JPH10162378A JP H10162378 A JPH10162378 A JP H10162378A JP 32027896 A JP32027896 A JP 32027896A JP 32027896 A JP32027896 A JP 32027896A JP H10162378 A JPH10162378 A JP H10162378A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
frequency
output
servo
control signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32027896A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeaki Wachi
滋明 和智
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP32027896A priority Critical patent/JPH10162378A/ja
Publication of JPH10162378A publication Critical patent/JPH10162378A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)
  • Moving Of The Head For Recording And Reproducing By Optical Means (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ディジタル的処理による位相遅れを軽減してサ
ーボ特性を改善する。 【解決手段】A/Dコンバータ202より出力されるデ
ィジタルフォーカスエラー信号EFに対して高域補償回
路203で高域のゲイン調整や位相補償をして高域のフ
ォーカス制御信号DFHを得、この信号DFHを例えばPW
M回路204よりPWM信号として出力する。また、そ
のエラー信号EFに対して中・低域補償回路205で中
域及び低域のゲイン調整や位相補償をして中・低域のフ
ォーカス制御信号DFLを得、その信号DFLをD/Aコン
バータ206よりアナログ信号として出力する。そし
て、パルス幅変調信号として出力される信号DFHとアナ
ログ信号として出力される信号DFLとを加算器207で
加算して最終的なフォーカス制御信号DFを得る。高域
のフォーカス制御信号DFHに関して、演算時間及び0次
ホールドによる時間遅れが小さくなり、位相遅れが大幅
に軽減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば光磁気デ
ィスク装置等に適用して好適なサーボ信号生成装置およ
びそれを使用したディスク装置に関する。詳しくは、サ
ーボエラー信号に高域補償をして高域のサーボ信号を得
る処理を、サーボエラー信号に中域および低域の補償を
して中・低域のサーボ信号を得る処理と分離して行うと
共に、得られる高域のサーボ信号をパルス幅変調信号ま
たはパルス振幅変調信号として出力することによって、
ディジタル的に処理することによる位相遅れを軽減して
サーボ特性を改善しようとしたサーボ信号生成装置等に
係るものである。
【0002】
【従来の技術】図19は、例えば光磁気ディスク装置に
おける光学ヘッドのフォーカス制御を行うために、フォ
ーカスエラー信号EFよりフォーカス制御信号DFを得て
フォーカスアクチュエータを駆動するフォーカス制御部
の一例を示している。
【0003】このフォーカス制御部100は、折り返し
歪みを防止するためにフォーカスエラー信号EFの帯域
を制限するローパスフィルタ101と、帯域制限された
フォーカスエラー信号EFをディジタル信号に変換する
ためのA/D(analog-to-digital)コンバータ102
と、ディジタル信号に変換されたフォーカスエラー信号
Fに対して低域、中域、高域の各帯域のゲイン調整や
位相補償をフィルタ演算で行ってフォーカス制御信号D
Fを得る補償回路103とを有している。
【0004】例えば、補償回路103において、高域で
は発振を防止するために位相が進むように位相補償さ
れ、低域ではゲインが高くなるようにゲイン調整され
る。なお、ゲインと位相は相互に関係しており、位相補
償をすることでゲインも変化し、逆にゲイン調整をする
ことで位相も変化する。
【0005】また、フォーカス制御部100は、補償回
路103で得られるフォーカス制御信号DFをアナログ
信号に変換するD/A(digital-to-analog)コンバー
タ104と、このD/Aコンバータ104でアナログ信
号に変換されたフォーカス制御信号DFに基づいてフォ
ーカスアクチュエータ(図示せず)を駆動するドライブ
回路105とを有している。
【0006】以上の構成において、フォーカスエラー信
号EFはローパスフィルタ101で帯域制限された後に
A/Dコンバータ102に供給されてディジタル信号に
変換される。そして、ディジタル信号に変換されたフォ
ーカスエラー信号EFに対して補償回路103で低域、
中域、高域の各帯域でゲイン調整や位相補償が行われて
フォーカス制御信号DFが得られる。このフォーカス制
御信号DFはD/Aコンバータ104でアナログ信号に
変換されてドライブ回路105に供給され、このドライ
ブ回路105によってフォーカスアクチュエータが駆動
される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図19に示すフォーカ
ス制御部100のように、フォーカスエラー信号EF
対してゲイン調整や位相補償をディジタルフィルタ演算
で行ってフォーカス制御信号DFを得るものによれば、
適応性の良さや温度特性の影響がない等の利点がある。
例えば、条件に応じてフィルタ係数を変更してきめの細
かな制御を行うことができる。
【0008】しかし、フォーカスエラー信号EFに対し
てゲイン調整や位相補償をディジタルフィルタ演算で行
うことから、演算時間や0次ホールドによる時間遅れに
起因して高域になる程位相が遅れ、サーボゲインを上げ
ることが困難となり、良好なサーボ特性を得ることが難
しかった。
【0009】すなわち、演算時間による時間遅れは、A
/Dコンバータ102でアナログ信号であるフォーカス
エラー信号EFをディジタル信号に変換するために要す
る時間、補償回路103によってフォーカスエラー信号
Fに対してディジタルフィルタ演算を行ってフォーカ
ス制御信号DFを得るために要する時間、さらにはD/
Aコンバータ104によってディジタル信号であるフォ
ーカス制御信号DFをアナログ信号に変換するために要
する時間を合計したものとなる。この演算時間による時
間遅れに起因する周波数f=1/Tにおける位相遅れP
D1は、演算時間による時間遅れをTD1とすると、
(1)式で表される。 PD1=(TD1/T)×360゜ ・・・(1)
【0010】また、D/Aコンバータ104で変換して
得られるフォーカス制御信号DFを次のフォーカ制御信
号DFが得られるまでホールドすることは、通常0次ホ
ールドと呼ばれる。D/Aコンバータ104より出力さ
れるフォーカス制御信号DFは、図20に示すように時
間Ts毎に更新される。この場合、例えばτn-1〜τn
期間ではレベルVn-1のフォーカス制御信号DFが継続し
て出力されることから、このレベルVn-1のフォーカス
制御信号DFは平均的にはτn-1+Ts/2の時点で出力
されていると考えられる。そのため、0次ホールドによ
る時間遅れはTs/2であり、その時間遅れに起因する
周波数f=1/Tにおける位相遅れPD2は、(2)式
で表される。 PD2=(Ts/2T)×360゜ ・・・(2)
【0011】したがって、演算時間および0次ホールド
による時間遅れに起因する位相遅れPDは、(3)式で
表される。 PD=PD1+PD2 ・・・(3)
【0012】このような位相遅れPDは、アナログのサ
ーボ系では発生しない。図21の実線a,bは、例えば
アナログのサーボ系のオープンループ伝達関数における
位相特性およびゲイン特性を示している。ここで、サー
ボ系が安定化するために、位相余裕Pmとして40゜〜
50゜程度が必要であり、またゲイン余裕Gmとして8
dB〜10dB程度が必要とされている。
【0013】ところで、図19に示すようなディジタル
のサーボ系では上述した位相遅れPDが発生するため、
高域になる程位相が遅れ、位相特性は図21の曲線cに
示すようになる。したがって、充分なゲイン余裕Gmを
取るために、ゲイン特性が図21の曲線dに示す特性と
なるように、サーボゲインを下げる必要がある。このよ
うにサーボゲインを下げることにより、外乱に対する圧
縮度が悪くなると共に、メディアに対する追従性が悪く
なり、サーボ特性が劣化する。
【0014】なお、上述ではフォーカスエラー信号EF
よりフォーカス制御信号DFを得る場合について説明し
たが、トラッキングエラー信号よりトラッキング制御信
号を得る場合、シーク動作時にヘッドの移動速度のエラ
ー信号より移動速度制御信号を得る場合等についても同
様である。
【0015】そこで、この発明では、ディジタル的処理
による位相遅れを軽減してサーボ特性を改善し得るサー
ボ信号生成装置等を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明に係るサーボ信
号生成装置は、サーボエラー信号に対して高域補償をデ
ィジタル的に行って高域のサーボ信号を得る第1の処理
手段と、この第1の処理手段より出力される高域のサー
ボ信号をパルス幅変調信号またはパルス振幅変調信号と
して出力する第1の出力手段と、サーボエラー信号に対
して中域補償および低域補償をディジタル的に行って中
・低域のサーボ信号を得る第2の処理手段と、この第2
の処理手段より出力される中・低域のサーボ信号をアナ
ログ信号に変換して出力する第2の出力手段と、第1お
よび第2の出力手段の出力信号を加算してサーボ信号を
得る加算手段とを備えるものである。
【0017】また、この発明に係るディスク装置は、デ
ィスク状記録媒体に対してヘッドを使用して信号の記録
または再生を行うディスク装置において、ヘッド位置ま
たはヘッド移動速度に対応したエラー信号を得るエラー
信号検出手段と、エラー信号に基づいてヘッド位置また
はヘッド移動速度を制御するためのヘッド制御信号を生
成する制御信号生成手段と、ヘッド制御信号によってヘ
ッド位置またはヘッド移動速度を制御するヘッド制御手
段とを備え、制御信号生成手段は、エラー信号に対して
高域補償をディジタル的に行って高域のヘッド制御信号
を得る第1の処理手段と、この第1の処理手段より出力
される高域のヘッド制御信号をパルス幅変調信号または
パルス振幅変調信号として出力する第1の出力手段と、
エラー信号に対して中域補償および低域補償をディジタ
ル的に行って中・低域のヘッド制御信号を得る第2の処
理手段と、この第2の処理手段より出力される中・低域
のヘッド制御信号をアナログ信号に変換して出力する第
2の出力手段と、第1および第2の出力手段の出力信号
を加算してヘッド制御信号を得る加算手段とからなるも
のである。
【0018】光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディス
ク等のディスク状記録媒体に対してヘッドを使用して信
号の記録または再生を行うディスク装置では、サーボエ
ラー信号としてヘッド位置やヘッド移動速度に対応した
エラー信号がある。ヘッド位置に対応したエラー信号と
しては、例えばフォーカスエラー信号やトラッキングエ
ラー信号がある。このヘッド位置に対応したエラー信号
よりサーボ信号としてのヘッド制御信号が生成され、記
録時や再生時にヘッド位置が制御される。ヘッド移動速
度に対応したエラー信号としては、例えばシーク動作時
のヘッド移動速度のエラー信号がある。このヘッド移動
速度に対応したエラー信号よりサーボ信号としてのヘッ
ド制御信号が生成され、シーク動作時にヘッドの移動速
度が制御される。
【0019】サーボ信号の生成は、以下のようにして行
われる。すなわち、サーボエラー信号に対してディジタ
ル的に高域補償が行われて高域のサーボ信号が得られ、
この高域のサーボ信号がパルス幅変調信号またはパルス
振幅変調信号として出力される。また、サーボエラー信
号に対してディジタル的に中域補償および低域補償が行
われて中・低域のサーボ信号が得られ、この中・低域の
サーボ信号がアナログ信号に変換されて出力される。そ
して、高域のサーボ信号に対応するパルス幅変調信号ま
たはパルス振幅変調信号と中・低域のサーボ信号に対応
するアナログ信号とが加算されて最終的なサーボ信号が
生成される。
【0020】高域のサーボ信号を得る処理と中・低域の
サーボ信号を得る処理とが分離して行われ、例えば高域
のサーボ信号を得る処理は中・低域のサーボ信号を得る
処理に先だって行われる。また、高域のサーボ信号はパ
ルス幅変調信号またはパルス振幅変調信号として出力さ
れる。そのため、特に高域のサーボ信号に関して、演算
時間および0次ホールドによる時間遅れが小さくなり、
位相遅れが大幅に軽減される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、この
発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形
態としての光変調方式の光磁気ディスク装置10の構成
を示している。このディスク装置10は、光磁気ディス
ク(MOD)11を回転駆動するためのスピンドルモー
タ12と、記録時に補助磁界を発生するための磁気ヘッ
ド13と、レーザダイオード、対物レンズ、光検出器、
プリアンプ等から構成される光学ヘッド(OP)14と
を有している。磁気ヘッド13と光学ヘッド14は光磁
気ディスク11を挟むように対向して配設される。
【0022】また、ディスク装置10は、光学ヘッド1
4のレーザダイオードを駆動するためのレーザ駆動回路
15と、マイクロコンピュータを備え、システム全体を
制御するためのシステムコントローラ16とを有してい
る。ここで、マイクロコンピュータは、周知のように、
制御、測定等を実際に行うCPU(中央処理装置)、こ
のCPUの動作プログラムを格納したROM(リードオ
ンリーメモリ)、上記制御、測定等の過程で一時的に必
要となるデータを格納するRAM(ランダムアクセスメ
モリ)を有している。
【0023】レーザ駆動回路15には光学ヘッド14よ
り出力レーザパワー検出出力SDPが供給されると共に、
システムコントローラ16よりD/Aコンバータ17を
介してパワー制御信号SPCが供給され、光学ヘッド14
のレーザダイオードより出力されるレーザ光のパワーが
記録時および再生時のそれぞれで最適パワーとなるよう
に制御される。
【0024】レーザ駆動回路15には、記録時に、後述
するように記録データRDが供給される。そのため、光
学ヘッド14のレーザダイオードは、記録時には、記録
データRDに対応してレーザパワーが変化するようにレ
ーザ駆動回路15で駆動される。これにより、光磁気デ
ィスク11のデータ部(MO領域)に記録データRDが
光磁気記録される。
【0025】また、光学ヘッド14からは、再生時に光
磁気ディスク11のデータ部からの再生信号SMOが得ら
れると共に、記録時および再生時には光磁気ディスク1
1のプリフォーマット部(ROM領域)からの再生信号
RFが得られる。さらに、光学ヘッド14からは、従来
周知の検出方法で得られるトラッキングエラー信号ET
およびフォーカスエラー信号EFが出力される。
【0026】なお、図2は、光磁気ディスク11の各セ
クタの記録フォーマットを示している。各セクタの先頭
には、予めピットによってアドレス等が記録されている
プリフォーマット部が配され、このプリフォーマット部
に続いて出力レーザパワーのレベルを制御するためのテ
スト部としてのALPC(Auto Laser Power Control)
部が配される。さらに、ALPC部に続いてデータ部が
配される。
【0027】また、ディスク装置10は、CPUを備え
るサーボ回路18を有している。サーボ回路18には、
光学ヘッド14より出力されるエラー信号ET,EFが供
給される。このサーボ回路18の動作はシステムコント
ローラ16によって制御される。サーボ回路18によっ
て、トラッキングコイルやフォーカスコイル、さらには
ラジアル方向移動用のリニアモータを含むアクチュエー
タ19が制御されて、光学ヘッド14のトラッキングや
フォーカスのサーボが行われ、また光学ヘッド14のラ
ジアル方向への移動が制御される。さらに、サーボ回路
18によって、スピンドルモータ12の回転が制御さ
れ、光磁気ディスク11が例えば角速度一定で回転する
ようにされる。
【0028】また、ディスク装置10は、光学ヘッド1
4より出力されるプリフォーマット部からの再生信号S
RFに対して波形等化処理を行うための波形等化回路21
と、この波形等化回路21の出力信号よりクロック信号
CKRFを再生するためのPLL(phase-locked loop)
回路22と、波形等化回路21の出力信号をクロック信
号CKRFを使用してディジタル信号に変換するためのA
/Dコンバータ23と、このA/Dコンバータ23の出
力データよりアドレスデータADを得るためのアドレス
デコーダ24とを有している。
【0029】このアドレスデコーダ24で得られるアド
レスデータADはシステムコントローラ16に供給さ
れ、記録時や再生時におけるアクセス制御に利用され
る。なお、PLL回路22で再生されるクロック信号C
RFもシステムコントローラ16に供給され、システム
制御における基準クロック信号として利用される。
【0030】また、ディスク装置10は、外部、例えば
ホストコンピュータからの入力データDinを受け取るた
めのデータインタフェース31と、このデータインタフ
ェース31で受け取った入力データDinに対してエラー
訂正符号を付加するためのECCエンコーダ32と、こ
のECCエンコーダ32の出力データに対してディジタ
ル変調処理として、例えば(1,7)RLL変調処理を
するチャネルエンコーダ33とを有している。ここで、
ECCエンコーダ32からは各セクタのデータ部に記録
されるセクタデータが順次出力されてチャネルエンコー
ダ33に供給されて変調処理される。
【0031】また、ディスク装置10は、チャネルエン
コーダ33の出力データを識別時の符号誤りの伝播を避
けるために中間系列、例えばNRZI(Non-Return-to-
Zero-Inverted)符号に変換するためのプリコード回路
34を有している。このプリコード回路34より出力さ
れる記録データRDがレーザ駆動回路15に供給され、
上述したように光磁気ディスク11のデータ部に記録さ
れる。
【0032】また、ディスク装置10は、光学ヘッド1
4より出力されるデータ部からの再生信号SMOに対して
波形等化処理を行うための波形等化回路41と、この波
形等化回路41の出力信号よりクロック信号CKMOを再
生するためのPLL回路42と、波形等化回路41の出
力信号をクロック信号CKMOを使用してディジタル信号
に変換するためのA/Dコンバータ43とを有してい
る。
【0033】ところで、再生信号SMOは、光学系で決ま
るMTF(Modulation Transfer Function)により帯域
制限されており、高域ほど信号の振幅は小さくなってい
る。図3は、MTF特性の一例を示している。この M
TF特性により周波数の高い信号、つまりパルス幅(符
号反転幅)の狭い信号ほど振幅が小さくなる。このよう
に振幅の小さな信号は、0/1の識別が困難となるた
め、MTFとは逆の特性を持った高域強調フィルタを通
すことで、もとの記録波形に近づける波形等化処理が行
われる。
【0034】また、ディスク装置10は、A/Dコンバ
ータ43の出力データに対して0/1の識別やNRZI
符号の復号を行うための識別・復号回路44と、この識
別・復号回路44の出力データに対して復調処理をする
チャネルデコーダ45と、このチャネルデコーダ45の
出力データに対してエラーの検出・訂正の処理をするE
CCデコーダ46と、このECCデコーダ46より出力
されるエラー訂正処理されたデータを出力データDout
として、外部、例えばホストコンピュータに送るための
データインタフェース47とを有している。
【0035】図1に示す光磁気ディスク装置10の動作
を説明する。まず、記録時の動作について説明する。記
録時には、外部、例えばホストコンピュータより供給さ
れる入力データDinがデータインタフェース31で受け
取られた後、ECCエンコーダ32でエラー訂正符号が
付加される。そして、ECCエンコーダ32からは各セ
クタのデータ部に記録されるセクタデータが順次出力さ
れてチャネルエンコーダ33に供給される。
【0036】チャネルエンコーダ33ではディジタル変
調処理としての(1,7)RLL変調処理が行われる。
そして、チャネルエンコーダ33より出力される変調デ
ータはプリコード回路34でNRZI符号に変換され、
記録データRDとしてレーザ駆動回路15に供給され
る。これにより、記録データRDが光磁気ディスク11
のデータ部に光磁気記録される。
【0037】次に、再生時の動作について説明する。再
生時には、光学ヘッド14によって光磁気ディスク11
のデータ部より再生信号SMOが再生される。この再生信
号SMOは波形等化回路41に供給されて波形等化処理が
行われる。そして、A/Dコンバータ43の出力データ
に対して識別・復号回路44で0/1の識別やNRZI
符号の復号が行われる。
【0038】識別・復号回路44の出力データはチャネ
ルデコーダ45で復調処理された後にECCエンコーダ
46でエラー訂正処理され、エラー訂正処理されたデー
タがデータインタフェース47より外部、例えばホスト
コンピュータに出力データDoutとして送られる。
【0039】次に、図4を参照しながら、サーボ回路1
8に含まれるフォーカス制御部200について説明す
る。
【0040】このフォーカス制御部200は、折り返し
歪みを防止するためにフォーカスエラー信号EFの帯域
を制限するローパスフィルタ201と、帯域制限された
フォーカスエラー信号EFをディジタル信号に変換する
ためのA/Dコンバータ202と、ディジタル信号に変
換されたフォーカスエラー信号EFに対して高域のゲイ
ン調整や位相補償をディジタルフィルタ演算で行って高
域のフォーカス制御信号DFHを得る高域補償回路203
と、この高域のフォーカス制御信号DFHをパルス幅変調
信号として出力するためのPWM(pulse width modula
tion)回路204とを有している。
【0041】高域補償回路203では、発振を防止する
ためにフォーカスエラー信号EFの高域の位相が進むよ
うに位相補償される。図5AおよびBは、高域の補償特
性としてのゲイン特性および位相特性を示している。こ
こで、fPHは、位相進みが最大となる高域の周波数を示
している。
【0042】図6は、高域補償回路203としてのディ
ジタルフィルタの構成を示している。入力端子231は
加算器232の一方の入力側に接続される。この加算器
232の出力側は、係数器233を介して加算器234
の一方の入力側に接続されると共に、1サンプリング周
期の遅延を有する遅延素子235の入力側に接続され
る。そして、この遅延素子235の出力側は、係数器2
36を介して加算器232の他方の入力側に接続される
と共に、係数器237を介して加算器234の他方の入
力側に接続される。そして、加算器234の出力側より
出力端子238が導出される。係数器233,237,
236における係数a0,a1,−a2を調整することに
よって、図5A,Bに示すように周波数fCH1〜fCH2
間で位相が進むような高域の補償特性を得ることができ
る。
【0043】また、図4に戻って、フォーカス制御部2
00は、ディジタル信号に変換されたフォーカスエラー
信号EFに対して中域および低域のゲイン調整や位相補
償をディジタルフィルタ演算で行って中・低域のフォー
カス制御信号DFLを得る中・低域補償回路205と、こ
の低域のフォーカス制御信号DFLをアナログ信号に変換
して出力するD/Aコンバータ206とを有している。
【0044】中・低域補償回路205では、例えば変位
量の大きな低域のゲインが高くなるようにゲイン調整さ
れ、また中域の位相が進むように位相補償される。図7
AおよびBは、低域の補償特性としてのゲイン特性およ
び位相特性を示している。また、図8Aは、中域の補償
特性としてのゲイン特性および位相特性を示している。
ここで、fPLは、位相遅れが最大となる低域の周波数を
示し、fPMは位相進みが最大となる中域の周波数を示し
ている。
【0045】図9は、中・低域補償回路205としての
ディジタルフィルタの構成を示している。入力端子25
1は加算器252の一方の入力側に接続される。この加
算器252の出力側は、係数器253を介して加算器2
54の一方の入力側に接続されると共に、1サンプリン
グ周期の遅延を有する遅延素子255の入力側に接続さ
れる。この遅延素子255の出力側は、係数器256を
介して加算器252の他方の入力側に接続されると共
に、係数器257を介して加算器254の他方の入力側
に接続される。
【0046】また、加算器254の出力側は加算器25
8の一方の入力側に接続される。この加算器258の出
力側は、係数器259を介して加算器260の一方の入
力側に接続されると共に、1サンプリング周期の遅延を
有する遅延素子261の入力側に接続される。この遅延
素子261の出力側は、係数器262を介して加算器2
58の他方の入力側に接続されると共に、係数器263
を介して加算器260の他方の入力側に接続される。そ
して、加算器260の出力側より出力端子264が導出
される。
【0047】上述した中・低域補償回路205におい
て、加算器252,254、係数器253,256,2
57および遅延素子255によって低域補償を行うため
の低域補償部205Lが構成されており、係数器25
3,257,256における係数b0,b1,−b2を調
整することによって、図7A,Bに示すように周波数f
CL1〜fCL2の間で位相が遅れるような低域の補償特性を
得ることができる。一方、加算器258,260、係数
器259,262,263および遅延素子261によっ
て中域補償を行うための中域補償部205Mが構成され
ており、係数器259,263,262における係数c
0,c1,−c2を調整することによって、図8A,Bに
示すように周波数fCM1〜fCM2の間で位相が進むような
中域の補償特性を得ることができる。
【0048】また、図4に戻って、フォーカス制御部2
00は、PWM回路204よりパルス幅変調信号として
出力される高域のフォーカス制御信号DFHおよびD/A
コンバータ206よりアナログ信号として出力される中
・低域のフォーカス制御信号DFLを加算してフォーカス
制御信号DFを得る加算器207と、この加算器207
より出力されるフォーカス制御信号DFに基づいて、フ
ォーカスアクチュエータ(図1のアクチュエータ19に
含まれる)を駆動するドライブ回路208とを有してい
る。
【0049】図4に示すフォーカス制御部200の動作
を説明する。フォーカスエラー信号EFはローパスフィ
ルタ201で帯域制限された後にA/Dコンバータ20
2でディジタル信号に変換される。そして、ディジタル
信号に変換されたフォーカスエラー信号EFに対して高
域補償回路203で高域のゲイン調整や位相補償が行わ
れて高域のフォーカス制御信号DFHが得られ、この高域
のフォーカス制御信号DFHはPWM回路204よりパル
ス幅変調信号として出力される。
【0050】また、ディジタル信号に変換されたフォー
カスエラー信号EFに対して中・低域補償回路205で
中域および低域のゲイン調整や位相補償が行われて中・
低域のフォーカス制御信号DFLが得られ、この中・低域
のフォーカス制御信号DFLはD/Aコンバータ206よ
りアナログ信号として出力される。
【0051】また、加算器207でPWM回路204よ
りパルス幅変調信号として出力される高域のフォーカス
制御信号DFHとD/Aコンバータ206よりアナログ信
号として出力される中・低域のフォーカス制御信号DFL
とが加算されて最終的なフォーカス制御信号DFが生成
される。そして、このフォーカス制御信号DFはドライ
ブ回路208に供給され、このドライブ回路208によ
ってフォーカスアクチュエータが駆動され、フォーカス
制御が行われる。
【0052】図4に示すフォーカス制御部200によれ
ば、以下のような効果を得ることができる。
【0053】すなわち、高域のフォーカス制御信号DFH
を得る処理と中・低域のフォーカス制御信号DFLを得る
処理とが分離して行われるため、高域のフォーカス制御
信号DFHを得るための演算時間による時間遅れは従来に
比べて小さくなる。また、高域のフォーカス制御信号D
FHはパルス幅変調信号として出力され、そのパルス幅変
調信号のパルス幅は1サンプリング周期Tsより短くな
るため、0次ホールドによる時間遅れも従来に比べて小
さくなる。したがって、高域のフォーカス制御信号DFH
に関して、演算時間および0次ホールドによる時間遅れ
が小さくなり、位相遅れが大幅に軽減されることから、
従来に比べてサーボゲインを上げることができ、フォー
カスサーボ特性を改善できる。
【0054】ここで、図10A〜Cを使用して、フォー
カス制御信号DFH,DFLに関する時間遅れTDH,TDL
ついて考えてみる。図10Aは高域のフォーカス制御信
号DFHを示し、図10Bは中・低域のフォーカス制御信
号DFLを示し、図10Cは最終的なフォーカス制御信号
Fを示している。
【0055】時点t1でA/Dコンバータ202におけ
る変換が開始され、時間T1経過後の時点t2でその変
換が完了すると共に、高域補償回路203での補償処理
が開始され、時間T2経過後の時点t3でその補償処理
が完了し、この時点t3より高域のフォーカス制御信号
FHがパルス幅Twのパルス幅変調信号として出力され
るものとする。
【0056】また、時点t2で中・低域補償回路203
における補償処理が開始され、時間T3経過後の時点t
4でその補償処理が完了し、この時点t4よりD/Aコ
ンバータ206における変換が開始され、時間T4経過
後の時点t5でその変換が完了し、その後の時点t6で
A/Dコンバータ202における次の変換が開始される
ものとする。ここで、時点t1から時点t6までの期間
は1サンプリング周期Tsである。
【0057】この場合、高域のフォーカス制御信号DFH
に関する時間遅れTDHは、(4)式で表される。(4)
式において、T1+T2は演算時間による時間遅れであ
り、Tw/2は0次ホールドによる時間遅れである。 TDH=T1+T2+Tw/2 ・・・(4)
【0058】一方、中・低域のフォーカス制御信号DFL
に関する時間遅れTDLは、(5)式で表される。(5)
式において、T1+T3+T4は演算時間による時間遅
れであり、Ts/2は0次ホールドによる時間遅れであ
る。 TDL=T1+T3+T4+Ts/2 ・・・(5)
【0059】ここで、時間遅れTDH,TDLの関係はTDH
<<TDLであり、上述したように高域のフォーカス制御
信号DFHに関して、演算時間および0次ホールドによる
時間遅れが小さくなり、位相遅れが大幅に軽減される。
【0060】詳細説明は省略するが、図1に示すディス
ク装置10のサーボ回路18に含まれるトラッキング制
御部やシーク動作時の光学ヘッド14のラジアル方向へ
の移動速度を制御する制御部に関しても、図4に示すフ
ォーカス制御部200と同様に構成され、同様の作用効
果が得られる。
【0061】なお、上述したフォーカス制御部200
(図4参照)において、PWM回路204の代わりに、
破線図示するようにPAM(pulse amplitude modulati
on)回路209を使用し、高域のフォーカス制御信号D
FHがパルス振幅変調信号として出力されるようにしても
よい。この場合、パルス振幅変調信号のパルス幅を狭く
設定することで、0次ホールドによる時間遅れを小さく
できる。
【0062】ここで、図11A〜Cを使用して、PAM
回路209を使用した場合におけるフォーカス制御信号
FH,DFLに関する時間遅れTDH,TDLについて考えて
みる。図11Aは高域のフォーカス制御信号DFHを示
し、図11Bは中・低域のフォーカス制御信号DFLを示
し、図11Cは最終的なフォーカス制御信号DFを示し
ている。
【0063】時点t11でA/Dコンバータ202におけ
る変換が開始され、時間T1経過後の時点t12でその変
換が完了すると共に、高域補償回路203での補償処理
が開始され、時間T2経過後の時点t13でその補償処理
が完了すると共に、PAM用のD/A変換が開始され、
さらに時間T5経過後の時点t14でそのD/A変換が完
了し、この時点t14より高域のフォーカス制御信号DFH
がパルス幅Twのパルス振幅変調信号として出力される
ものとする。
【0064】また、時点t12で中・低域補償回路203
における補償処理が開始され、時間T3経過後の時点t
15でその補償処理が完了し、この時点t15よりD/Aコ
ンバータ206における変換が開始され、時間T4経過
後の時点t16でその変換が完了し、その後の時点t17で
A/Dコンバータ202における次の変換が開始される
ものとする。ここで、時点t11から時点t17までの期間
は1サンプリング周期Tsである。
【0065】この場合、高域のフォーカス制御信号DFH
に関する時間遅れTDHは、(6)式で表される。(6)
式において、T1+T2+T5は演算時間による時間遅
れであり、Tw/2は0次ホールドによる時間遅れであ
る。ここで、Twはパルス振幅変調信号のパルス幅であ
ることから、Tw/2は固定値である。 TDH=T1+T2+T5+Tw/2 ・・・(6)
【0066】一方、中・低域のフォーカス制御信号DFL
に関する時間遅れTDLは、PWM回路204を使用する
場合と同様に、上述の(5)式で表される。
【0067】このようにPAM回路209を使用する場
合にあっても、時間遅れTDH,TDLの関係はTDH<<T
DLとなり、PWM回路204を使用する場合と同様に、
高域のフォーカス制御信号DFHに関して、演算時間およ
び0次ホールドによる時間遅れが小さくなり、位相遅れ
が大幅に軽減される。
【0068】また、上述せずも、フォーカス制御部20
0において、PWM回路204またはPAM回路209
より高域のフォーカス制御信号DFHとしてのパルス幅変
調信号またはパルス振幅変調信号が2相の差動出力(D
FH,DFHバー)で得られると共に、同様にD/Aコンバ
ータ206より中・低域のフォーカス制御信号DFLとし
てのアナログ信号が2相の差動出力(DFL,DFLバー)
で得られる場合には、加算器207を演算増幅器207
aを用いて、図12に示すように構成できる。
【0069】また、上述したフォーカス制御部200は
フォーカスエラー信号EFよりハードウェア処理でフォ
ーカス制御信号DFを生成するものであったが、マイク
ロコンピュータ(マイコン)を使用してフォーカスエラ
ー信号EFをソフトウェア処理することでフォーカス制
御信号DFを生成するようにしてもよい。
【0070】例えば、このようにフォーカスエラー信号
Fをソフトウェア処理するフォーカス制御制御部20
0Aは、図13に示すように、上述の図4に示すフォー
カス制御部200のA/Dコンバータ202、高域補償
回路203、PWM回路204またはPAM回路20
9、中・低域補償回路205およびD/Aコンバータ2
06の部分がマイコン210に置き換わった構成とな
る。
【0071】図14は、マイコン210において、フォ
ーカスエラー信号EFをソフトウェア処理してフォーカ
ス制御信号DFH,DFLを生成する手順を示している。
【0072】すなわち、フォーカスエラー信号EFをサ
ンプリング周期TsでサンプリングしてA/D変換の処
理をする。そして、A/D変換の完了後、直ちに高域補
償の処理をして高域のフォーカス制御信号DFHを得、こ
の高域のフォーカス制御信号DFHをパルス幅変調信号ま
たはパルス振幅変調信号として出力する。また、高域の
補償処理の完了後に、低域の補償処理および中域の補償
処理をして中・低域のフォーカス制御信号DFLを得、こ
の中・低域のフォーカス制御信号DFLをD/A変換して
出力する。
【0073】ここで、上述したようにソフトウェア処理
を行った場合におけるフォーカス制御信号DFH,DFL
関する時間遅れTDH,TDLについて考えてみる。
【0074】まず、図15A〜Cを使用して、高域のフ
ォーカス制御信号DFHをパルス幅変調信号として出力す
る場合を考える。図15Aは高域のフォーカス制御信号
FHを示し、図15Bは中・低域のフォーカス制御信号
FLを示し、図15Cは最終的なフォーカス制御信号D
Fを示している。
【0075】時点t21でフォーカスエラー信号EFのA
/D変換が開始され、時間T11経過後の時点t22でその
変換が完了すると共に、高域補償の処理が開始され、時
間T12経過後の時点t23でその補償処理が完了し、この
時点t23より高域のフォーカス制御信号DFHがパルス幅
Twのパルス幅変調信号として出力されるものとする。
【0076】また、時点t23より中域補償および低域補
償の処理が開始され、時間T13経過後の時点t24でその
補償処理が完了し、この時点t24よりD/A変換が開始
され、時間T14経過後の時点t25でその変換が完了し、
その後の時点t26で次のフォーカスエラー信号EFのA
/D変換が開始されるものとする。ここで、時点t21か
ら時点t26までの期間は1サンプリング周期Tsであ
る。
【0077】この場合、高域のフォーカス制御信号DFH
に関する時間遅れTDHは、(7)式で表される。(7)
式において、T11+T12は演算時間による時間遅れであ
り、Tw/2は0次ホールドによる時間遅れである。 TDH=T11+T12+Tw/2 ・・・(7)
【0078】一方、中・低域のフォーカス制御信号DFL
に関する時間遅れTDLは、(8)式で表される。(8)
式において、T11+T12+T13+T14は演算時間による
時間遅れであり、Ts/2は0次ホールドによる時間遅
れである。 TDL=T11+T12+T13+T14+Ts/2 ・・・(8)
【0079】ここで、時間遅れTDH,TDLの関係はTDH
<<TDLであり、上述したハードウェア処理の場合と同
様に、高域のフォーカス制御信号DFHに関して、演算時
間および0次ホールドによる時間遅れが小さくなり、位
相遅れが大幅に軽減される。
【0080】次に、図16A〜Cを使用して、高域のフ
ォーカス制御信号DFHをパルス振幅変調信号として出力
する場合を考える。図16Aは高域のフォーカス制御信
号DFHを示し、図16Bは中・低域のフォーカス制御信
号DFLを示し、図16Cは最終的なフォーカス制御信号
Fを示している。
【0081】時点t31でフォーカスエラー信号EFのA
/D変換が開始され、時間T11経過後の時点t32でその
変換が完了すると共に、高域補償の処理が開始され、時
間T12経過後の時点t33でその補償処理が完了すると共
に、PAM用のD/A変換が開始され、さらに時間T15
経過後の時点t34でそのD/A変換が完了し、この時点
t34より高域のフォーカス制御信号DFHがパルス幅Tw
のパルス振幅変調信号として出力されるものとする。
【0082】また、時点t34より中域補償および高域補
償の処理が開始され、時間T13経過後の時点t35でその
補償処理が完了し、この時点t35よりD/A変換が開始
され、時間T14経過後の時点t36でその変換が完了し、
その後の時点t37で次のフォーカスエラー信号EFのA
/D変換が開始されるものとする。ここで、時点t31か
ら時点t37までの期間は1サンプリング周期Tsであ
る。
【0083】この場合、高域のフォーカス制御信号DFH
に関する時間遅れTDHは、(9)式で表される。(9)
式において、T11+T12+T15は演算時間による時間遅
れであり、Tw/2は0次ホールドによる時間遅れであ
る。ここで、Twはパルス振幅変調信号のパルス幅であ
ることから、Tw/2は固定値である。 TDH=T11+T12+T15+Tw/2 ・・・(9)
【0084】一方、中・低域のフォーカス制御信号DFL
に関する時間遅れTDLは、(10)式で表される。(1
0)式において、T11+T12+T15は演算時間による時
間遅れであり、Ts/2は0次ホールドによる時間遅れ
である。 TDL=T11+T12+T15+T13+T14+Ts/2 ・・・(10)
【0085】このように高域のフォーカス制御信号DFH
をパルス振幅変調信号として出力する場合にあっても、
時間遅れTDH,TDLの関係はTDH<<TDLとなり、高域
のフォーカス制御信号DFHに関して、演算時間および0
次ホールドによる時間遅れが小さくなり、位相遅れが大
幅に軽減される。
【0086】また、図14は、フォーカスエラー信号E
Fをソフトウェア処理してフォーカス制御信号DFH,D
FLを生成する手順を示したものであるが、同様の手順で
トラッキングエラー信号ETを処理してトラッキング制
御信号DTを生成でき、またヘッド移動速度のエラー信
号を処理してヘッド移動速度の制御信号を生成できる。
【0087】図17は、2系統のエラー信号EF,ET
ソフトウェア処理して制御信号DFH,DFL,DTH,DTL
を生成する手順を示している。
【0088】すなわち、フォーカスエラー信号EFをサ
ンプリングしてA/D変換の処理をする。そして、A/
D変換の完了後、直ちに高域補償の処理をして高域のフ
ォーカス制御信号DFHを得、この高域のフォーカス制御
信号DFHをパルス幅変調信号またはパルス振幅変調信号
として出力する。また、高域の補償処理の完了後に、低
域の補償処理および中域の補償処理をして中・低域のフ
ォーカス制御信号DFLを得、この中・低域のフォーカス
制御DFLをD/A変換して出力する。
【0089】また、フォーカスエラー信号EFに対する
低域、中域の補償処理の完了後に、トラッキングエラー
信号ETをサンプリングしてA/D変換の処理をする。
そして、A/D変換の完了後、直ちに高域補償の処理を
して高域のトラッキング制御信号DTHを得、この高域の
トラッキング制御信号DTHをパルス幅変調信号またはパ
ルス振幅変調信号として出力する。また、高域の補償処
理の完了後に、低域の補償処理および中域の補償処理を
して中・低域のトラッキング制御信号DTLを得、この中
・低域のトラッキング制御DTLをD/A変換して出力す
る。
【0090】以下、上述したフォーカス制御信号DFH
FLを得るための処理と、上述したトラッキング制御信
号DTH,DTLを得るための処理とを交互に実行する。こ
の場合、フォーカス制御信号DFH,DFLを得るための処
理はサンプリング周期Tsで行われ、またトラッキング
制御信号DTH,DTLを得るための処理もサンプリング周
期Tsで行われることとなる。
【0091】図17に示す処理手順では、フォーカスエ
ラー信号EFをサンプリングしてA/D変換した直後に
高域のフォーカス制御信号DFHを得る処理を開始し、ま
たトラッキングエラー信号ETをサンプリングしてA/
D変換した直後に高域のトラッキング制御信号DTHを得
る処理を開始するものであり、最も理想的なものであ
る。
【0092】フォーカスエラー信号EFやトラッキング
エラー信号ETに対するA/D変換の処理を完全に分離
できるときは図17に示す処理手順で行えばよい。しか
し、一般的なマルチ入力A/Dでは、複数系統のA/D
変換の処理を一度に行うようになっている。図18は、
その場合における最も望ましい処理手順を示している。
【0093】すなわち、フォーカスエラー信号EFおよ
びトラッキングエラー信号ETをサンプリング周期Ts
でサンプリングしてA/D変換の処理をする。そして、
A/D変換の完了後、フォーカスエラー信号EFに対し
て直ちに高域補償の処理をして高域のフォーカス制御信
号DFHを得、この高域のフォーカス制御信号DFHをパル
ス幅変調信号またはパルス振幅変調信号として出力す
る。また、フォーカスエラー信号EFに対する高域の補
償処理の完了後に、トラッキングエラー信号ETに対し
て直ちに高域補償の処理をして高域のトラッキング制御
信号DTHを得、この高域のトラッキング制御信号DTH
パルス幅変調信号またはパルス振幅変調信号として出力
する。
【0094】また、トラッキングエラー信号ETに対す
る高域の補償処理の完了後に、フォーカスエラー信号E
Fに対して低域の補償処理および中域の補償処理をして
中・低域のフォーカス制御信号DFLを得、この中・低域
のフォーカス制御DFLをD/A変換して出力する。さら
に、フォーカスエラー信号EFに対する低域、中域の補
償処理の完了後に、トラッキングエラー信号ETに対し
て低域の補償処理および中域の補償処理をして中・低域
のトラッキング制御信号DTLを得、この中・低域のトラ
ッキング制御DTLをD/A変換して出力する。
【0095】なお、図17、図18の処理手順は2系統
の処理を行う例を示したものであるが、3系統以上の処
理をソフトウェアで処理する場合にも同様に行うことが
できる。
【0096】
【発明の効果】この発明においては、サーボエラー信号
に高域補償をして高域のサーボ信号を得る処理とサーボ
エラー信号に中域および低域の補償をして中・低域のサ
ーボ信号を得る処理とが分離して行われ、例えば高域の
サーボ信号を得る処理は中・低域のサーボ信号を得る処
理に先だって行われる。また、高域のサーボ信号はパル
ス幅変調信号またはパルス振幅変調信号として出力され
る。したがって、特に高域のサーボ信号に関して、演算
時間および0次ホールドによる時間遅れが小さくなり、
位相遅れが大幅に軽減されることから、従来に比べてサ
ーボゲインを上げることができ、サーボ特性を改善でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態としての光磁気ディスク装置の構成
を示すブロック図である。
【図2】各セクタの記録フォーマットを示す図である。
【図3】MTF特性を示す図である。
【図4】実施の形態におけるフォーカス制御部の構成を
示すブロック図である。
【図5】フォーカス制御部の高域補償回路における高域
の補償特性を示す図である。
【図6】高域補償回路としてのディジタルフィルタの構
成を示すブロック図である。
【図7】フォーカス制御部の中・低域補償回路における
低域の補償特性を示す図である。
【図8】フォーカス制御部の中・低域補償回路における
中域の補償特性を示す図である。
【図9】中・低域補償回路としてのディジタルフィルタ
の構成を示すブロック図である。
【図10】高域、中・低域のフォーカス制御信号の時間
遅れ(PWM回路使用時)を説明するための図である。
【図11】高域、中・低域のフォーカス制御信号の時間
遅れ(PAM回路使用時)を説明するための図である。
【図12】フォーカス制御部の加算器の構成例を示す回
路図である。
【図13】フォーカス制御部の他の構成例を示すブロッ
ク図である。
【図14】フォーカスエラー信号を処理してフォーカス
制御信号を生成するためのソフトウェア処理の手順を示
す図である。
【図15】高域、中・低域のフォーカス制御信号の時間
遅れ(ソフトウェア処理、PWM出力時)を説明するた
めの図である。
【図16】高域、中・低域のフォーカス制御信号の時間
遅れ(ソフトウェア処理、PAM出力時)を説明するた
めの図である。
【図17】フォーカス制御信号、トラッキング制御信号
を生成するためのソフトウェア処理の手順を示す図であ
る。
【図18】フォーカス制御信号、トラッキング制御信号
を生成するためのソフトウェア処理の手順を示す図であ
る。
【図19】従来の光ディスク装置におけるフォーカス制
御部の構成の一例を示すブロック図である。
【図20】0次ホールドによる時間遅れを説明するため
の図である。
【図21】サーボ系のオープンループ伝達関数における
位相特性、ゲイン特性を示す図である。
【符号の説明】
10・・・光磁気ディスク装置、11・・・光磁気ディ
スク、13・・・磁気ヘッド、14・・・光学ヘッド、
15・・・レーザ駆動回路、16・・・システムコント
ローラ、18・・・サーボ回路、19・・・アクチュエ
ータ、24・・・アドレスデコーダ、32・・・ECC
エンコーダ、33・・・チャネルエンコーダ、34・・
・プリコード回路、44・・・識別・復号回路、45・
・・チャネルデコーダ、46・・・ECCデコーダ、2
00,200A・・・フォーカス制御部、201・・・
ローパスフィルタ、202・・・A/Dコンバータ、2
03・・・高域補償回路、204・・・PWM回路、2
05・・・中・低域補償回路、205L・・・低域補償
部、205M・・・中域補償部、206・・・D/Aコ
ンバータ、207・・・加算器、208・・・ドライブ
回路、209・・・PAM回路、210・・・マイクロ
コンピュータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーボエラー信号に対して高域補償をデ
    ィジタル的に行って高域のサーボ信号を得る第1の処理
    手段と、 上記第1の処理手段より出力される高域のサーボ信号を
    パルス幅変調信号またはパルス振幅変調信号として出力
    する第1の出力手段と、 上記サーボエラー信号に対して中域補償および低域補償
    をディジタル的に行って中・低域のサーボ信号を得る第
    2の処理手段と、 上記第2の処理手段より出力される中・低域のサーボ信
    号をアナログ信号に変換して出力する第2の出力手段
    と、 上記第1および第2の出力手段の出力信号を加算してサ
    ーボ信号を得る加算手段とを備えることを特徴とするサ
    ーボ信号生成装置。
  2. 【請求項2】 上記第2の処理手段による処理は、上記
    第1の処理手段による処理が終了した後に開始されるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のサーボ信号生成装置。
  3. 【請求項3】 上記サーボエラー信号はヘッド位置また
    はヘッド移動速度のエラー信号であって、 上記サーボ信号として上記ヘッド位置または上記ヘッド
    移動速度を制御するヘッド制御信号を得ることを特徴と
    する請求項1に記載のサーボ信号生成装置。
  4. 【請求項4】 ディスク状記録媒体に対してヘッドを使
    用して信号の記録または再生を行うディスク装置におい
    て、 ヘッド位置またはヘッド移動速度に対応したエラー信号
    を得るエラー信号検出手段と、 上記エラー信号に基づいてヘッド位置またはヘッド移動
    速度を制御するためのヘッド制御信号を生成する制御信
    号生成手段と、 上記ヘッド制御信号によって上記ヘッド位置またはヘッ
    ド移動速度を制御するヘッド制御手段とを備え、 上記制御信号生成手段は、上記エラー信号に対して高域
    補償をディジタル的に行って高域のヘッド制御信号を得
    る第1の処理手段と、この第1の処理手段より出力され
    る高域のヘッド制御信号をパルス幅変調信号またはパル
    ス振幅変調信号として出力する第1の出力手段と、上記
    エラー信号に対して中域補償および低域補償をディジタ
    ル的に行って中・低域のヘッド制御信号を得る第2の処
    理手段と、この第2の処理手段より出力される中・低域
    のヘッド制御信号をアナログ信号に変換して出力する第
    2の出力手段と、上記第1および第2の出力手段の出力
    信号を加算して上記ヘッド制御信号を得る加算手段とか
    らなることを特徴とするディスク装置。
JP32027896A 1996-11-29 1996-11-29 サーボ信号生成装置およびそれを使用したディスク装置 Pending JPH10162378A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32027896A JPH10162378A (ja) 1996-11-29 1996-11-29 サーボ信号生成装置およびそれを使用したディスク装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32027896A JPH10162378A (ja) 1996-11-29 1996-11-29 サーボ信号生成装置およびそれを使用したディスク装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10162378A true JPH10162378A (ja) 1998-06-19

Family

ID=18119727

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32027896A Pending JPH10162378A (ja) 1996-11-29 1996-11-29 サーボ信号生成装置およびそれを使用したディスク装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10162378A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6552977B2 (en) Information reproducing apparatus enabling equalization processing with equalization coefficient for reproduced information
US8913475B2 (en) Data detecting device, reproducing device, and data detecting method
US5363352A (en) Magneto-optic disk apparatus
JPH0365705B2 (ja)
US5781521A (en) Optical disk recording/reproducing apparatus
JP3871906B2 (ja) 再生パワー制御方法および再生パワー制御装置並びにそれを備えた記録再生装置
US7219296B2 (en) Information reproducing apparatus and method with correction of equalized signal levels
US5546245A (en) Data storage apparatus with an A/D converter having a reference voltage control based upon a signal before and after discrimination
JPH10162378A (ja) サーボ信号生成装置およびそれを使用したディスク装置
JP2002230904A (ja) 情報再生装置
US5666339A (en) Optical information reproducing apparatus using transversal filter
JPH10241170A (ja) サーボ信号生成装置およびそれを使用したディスク装置
JP3019170B2 (ja) デジタルデータ記録および再生装置
JP3511657B2 (ja) 光ディスク再生装置および光ディスク再生方法
US6091562A (en) Digital magnetic reproducing apparatus and digital magnetic recording/reproducing apparatus employing detection of second harmonic distortion and signal to noise ratio
JPH07302467A (ja) 波形等化チャネル
JPH1116279A (ja) 光ディスク装置
JPH06243589A (ja) クロック発生回路及び光ディスク装置
JPH10149553A (ja) ヘッド制御装置およびそれを使用したディスク装置
JP2001339263A (ja) イコライザ自動調整装置及び方法、並びにデジタル記録再生装置及び方法
JP3843476B2 (ja) 信号処理回路、それを有する光ディスク装置及び信号処理方法
JP3681429B2 (ja) ディジタルデータ記録/再生装置及び方法
JP2000195191A (ja) ディスク記憶装置の信号処理回路および信号処理方法
JPH10144002A (ja) 光ディスク装置および光ディスク再生方法
JP2002025076A (ja) データ再生装置