JPH10161011A - 焦点調節装置 - Google Patents

焦点調節装置

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JPH10161011A
JPH10161011A JP8321774A JP32177496A JPH10161011A JP H10161011 A JPH10161011 A JP H10161011A JP 8321774 A JP8321774 A JP 8321774A JP 32177496 A JP32177496 A JP 32177496A JP H10161011 A JPH10161011 A JP H10161011A
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JP
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subject image
image
subject
correlation
time
Prior art date
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JP8321774A
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English (en)
Inventor
Masataka Ide
昌孝 井出
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】異なる時刻に於ける被写体像信号間の出力レベ
ルの差が発生した場合に於いても、正しい被写体像の移
動量を検出すること。 【解決手段】像分割部1で2像に分割した被写体像を第
1及び第2光電変換素子列2、3で各々受光する。乗算
相関演算部8で、第1の時点の第1光電変換素子列2上
の第1被写体像位置と、第1の所定時間経過後の第1被
写体像位置間から乗算相関演算を実行し第1被写体像の
移動量を求める。乗算相関演算部9で、第1の時点の第
2光電変換素子列3上の第2被写体像位置と第2被写体
像位置の間から乗算相関演算を実行し第2被写体像の移
動量を求める。予測演算部12で、被写体像位置予測演
算部10、11から第2の所定時間経過後の第1の被写
体像位置と第2の被写体像位置を求める。レンズ駆動量
演算部13で、予測第1被写体像位置と予測第2被写体
像位置からレンズ駆動量を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はカメラ等の焦点調
節装置に関するものであり、より詳細には光軸方向に移
動する被写体の予測AF、合焦動作を行う焦点調節装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、カメラの焦点検出装置に於い
て、被写体の動きを検出して移動する被写体に対しても
正確にAF動作を行うものは数多く提案されている。例
えば、本件出願人による特開平5−93850号公報で
は、異なる時刻に於ける第1、第2光電変換素子列の各
々の被写体像信号の間で減算相関演算を行うことによ
り、被写体像の移動量を求める技術が開示されている。
そして、第1、第2の被写体像移動量に基いて、更に所
定時間後の第1、第2の被写体像位置を各々予測し、こ
の予測第1被写体像位置と予測第2被写体像位置とから
必要なレンズ駆動量を演算している。
【0003】そして、時刻t0 に於ける被写体像信号を
(i) 、時刻t1 に於ける被写体像信号をD′(i) とす
ると、減算相関演算による相関出力F(S) が下記(1)
式で求められる。
【0004】
【数1】 但し、Bは相関をとるブロックの素子数、SLMは被写
体像信号D(i) の中のブロック設定位置である。そし
て、相関出力F(S) が最小値となる時のSの値に基いて
被写体像移動量を求めている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の焦点検出装置に於いては、異なる時刻での被写体
像信号間の出力レベルの差があると、検出誤差が発生し
たり、検出不能になるという問題があった。これは、光
電変換素子列の積分時間が異なったり、被写体の移動に
より被写体輝度に変化があったりすることにより、異な
る時刻に於ける被写体像信号に、図11(a)、(b)
に示されるように、出力レベルに差ができてしまうため
である。この場合、時刻t0 に於ける被写体像信号をD
(i) 、時刻t1 に於ける被写体信号をD′(i) とすると
【0006】
【数2】 と一般的に表すことができる。尚、上記(2)式に於い
てjは時刻t0 に対する時刻t1 での被写体像の移動量
を表している。そして、Aは被写体像信号の出力レベル
の差を示す数値であり、出力レベルの差がない時はA=
0となる。
【0007】このような被写体像信号の出力レベルの変
化がある状態で、上述した減算相関演算を行うと、誤差
が発生したり、相関性を示すの値が悪化し、相関性が低
いと判定されてしまう。
【0008】図12(a)、(b)にはA=0の場合、
そして図11(a)、(b)はA=0.3の場合の異な
る時刻に於ける被写体像信号を示している。図13は、
被写体像の移動量を求めるため、減算相関演算を実行し
た時の相関出力F(S) の像移動量に対する変化を示して
いる。
【0009】また、図13(a)に示されるA=0の場
合、すなわち異なる時刻での被写体像信号間のレベル差
がない場合の減算相関演算の結果は、最大相関を示す相
関出力F(S) の最小値Fmin は非常に小さい値になって
おり、相関性が高いことを示している。
【0010】一方、図13(b)に示されるA=0.3
の場合のレベル差がある場合の減算相関演算の結果は、
最大相関を示す相関出力F(S) の最小値Fmin ′は大き
な値になっており、相関性があまり高くないことを示し
ている。また最小値Fmin ′となる時の像移動量は、A
=0の場合の検出像移動量j1 に対して誤差が大きい値
となる。
【0011】このように、異なる時刻に於ける被写体像
信号の出力レベルの差があると、減算相関演算では正し
い被写体像の移動量を求めることができないという課題
を有していた。
【0012】この発明は上記課題に鑑みてなされたもの
であり、異なる時刻に於ける被写体像信号間の出力レベ
ルの差が発生した場合に於いても、正しい被写体像の移
動量を検出することができる焦点調節装置を提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、撮
影レンズ光軸に関して対称な有限の瞳領域を通過した対
の被写体光束による被写体像をそれぞれ受光し、それぞ
れの被写体像に対応する被写体像信号を出力する受光手
段と、第1及び第2の時点に於ける上記受光手段の出力
に基いて、第1の時点に於ける被写体像位置と第2の時
点に於ける被写体像位置との相対移動量を求める移動量
演算手段と、この移動量演算手段の演算結果に基いて、
上記第2の時点より所定時間経過後の被写体像位置を予
測する予測手段と、この予測手段の演算結果に基いて、
移動中の被写体に合焦させるためのレンズ駆動手段とを
具備し、上記移動量演算手段は、第1及び第2の時点に
於ける被写体像信号に関する相関演算によりそれぞれの
被写体像の移動量を演算することを特徴とする。
【0014】この発明にあっては、撮影レンズ光軸に関
して対称な有限の瞳領域を通過した対の被写体光束によ
る被写体像が受光手段でそれぞれ受光され、それぞれの
被写体像に対応する被写体像信号が出力される。そし
て、第1及び第2の時点に於ける上記受光手段の出力に
基いて、第1の時点に於ける被写体像位置と第2の時点
に於ける被写体像位置との相対移動量が移動量演算手段
により求められる。この移動量演算手段の演算結果に基
いて、上記第2の時点より所定時間経過後の被写体像位
置が予測手段で予測され、この予測手段の演算結果に基
いて、レンズ駆動手段により移動中の被写体が合焦され
る。そして、上記移動量演算手段では、第1及び第2の
時点に於ける被写体像信号に関する相関演算によりそれ
ぞれの被写体像の移動量が演算される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態を説明する。図1は、この発明の焦点調節装
置の概念を示したブロック構成図である。図1に於い
て、被写体光の像を2像に分割する像分割部1には、こ
の分割された像を各々受光する第1光電変換素子列2及
び第2光電変換素子列3とを有する光電変換部4が接続
されている。そして、第1光電変換素子列2及び第2光
電変換素子列3には、それぞれ被写体像移動量算出部5
及び6が接続されている。上記被写体像移動量算出部5
及び6は、移動量演算部7を構成しているもので、それ
ぞれ乗算相関演算を用いて第1被写体像の移動量及び第
2被写体像の移動量とを求める乗算相関演算部8及び9
を有している。
【0016】上記被写体像移動量算出部5及び6の出力
は、被写体像位置予測演算部10及び11に供給され
る。上記被写体像位置予測演算部10及び11は予測演
算部12を構成しており、その出力はレンズ駆動量演算
部13に供給される。
【0017】上記被写体像移動量算出部5及び6では、
第1の時点での第1光電変換素子列2上の第1被写体像
位置と、これより第1の所定時間経過後の第1被写体像
位置とにより第1被写体像の移動量が求められると共
に、第1の時点での第2光電変換素子列3上の第2被写
体像位置と、これより第1の所定時間経過後の第2被写
体像位置とにより第2被写体像の移動量が求められる。
そして、これら被写体像移動量算出部5及び6を有する
移動量演算部7の出力に基き、被写体像位置予測演算部
10及び11にて、第1の所定時間に引続く第2の所定
時間経過後の第1の被写体像位置と第2の被写体像位置
とが予測される。
【0018】また、上記レンズ駆動量演算部13では、
被写体像位置予測演算部10及び11を有する予測演算
部12で予測された予測第1被写体像位置と予測第2被
写体像位置とから、必要なレンズ駆動量が算出される。
【0019】このように構成された焦点調節装置に於い
て、被写体像は像分割部1により2像に分割され、光電
変換部4内の第1光電変換素子列2及び第2光電変換素
子列3にて各々受光される。そして、移動量演算部7に
て、第1の時点での第1光電変換素子列2上の第1被写
体像位置と、これより第1の所定時間経過後の第1被写
体像位置との間で被写体像移動量算出部5内の乗算相関
演算部8により乗算相関演算が実行され、第1被写体像
の移動量が求められる。また、第1の時点での第2光電
変換素子列3上の第2被写体像位置と、これより第1所
定時間経過後の第2被写体像位置との間で、被写体像移
動量算出部6内の乗算相関演算部9によって乗算相関演
算が実行され、第2被写体像の移動量が求められる。
【0020】次いで、予測演算部12では、上記第1被
写体像の移動量及び第2被写体像の移動量に基いて、そ
れぞれ被写体像位置予測演算部10及び11によって第
1の所定時間に引続く第2の所定時間経過後の第1の被
写体像位置と第2の被写体像位置とが求められる。その
後、レンズ駆動量演算部13にて、予測演算部12から
の予測第1被写体像位置と予測第2被写体像位置とか
ら、レンズ駆動量が求められる。
【0021】このように、この発明では、異なる時刻で
の被写体像信号の間で、従来の減算相関演算に代えて乗
算相関演算を実行するものである。時刻t0 に於ける被
写体像信号をD(i) 、時刻t1 に於ける被写体像信号を
(i) ′とすると、乗算相関演算による相関出力F(S)
は下記(3)式で求められる。
【0022】
【数3】 但し、Bは相関をとるブロックの光電変換素子数、SL
Mは被写体像信号D(i)の中のブロック設定位置であ
る。
【0023】上記(3)式に基く相関出力F(S) が最大
値となる最も相関性が高い時のSの値に基いて、被写体
像移動量が求められる。図2(a)は、上記(2)式に
於いてA=0の場合、すなわち異なる時刻での被写体像
信号間のレベル差がないとき(図12(a)、(b))
の乗算相関演算(3)式の結果を示したものである。一
方、図2(b)は、上記(2)式に於いて、A=0.3
の場合のレベル差があるとき(図11(a)、(b))
の乗算相関演算(3)式の結果を示したものである。図
13(a)、(b)より、A=0.3のときもA=0の
ときとほぼ同一とみなせる像移動量J1 にて相関出力F
(S) の最大値を示している。これは以下の理由による。
上記(3)式に上記(2)式を代入すると
【0024】
【数4】 となり、A=0のときの相関出力F(S) を(1+A)倍
したものに等しくなる。したがって、原理的に誤差は発
生しないことになる。
【0025】すなわち、異なる時刻での被写体像信号の
間で出力レベルの差が発生しても乗算相関演算を実行す
ることによって、誤差を含まない正しい像移動量を求め
ることができる。
【0026】図3は、この発明の焦点調節装置の第1の
実施の形態を示すものであり、TTL位相差方式の焦点
検出装置に適用した例を示すブロック図である。図3に
於いて、撮影レンズ15を通過した被写体光は、焦点検
出光学系16によって、AFIC17内の一対の光電変
換素子列2及び3に導かれる。AFIC17は、複数の
光電変換素子から成る一対の光電変換素子列である第1
光電変換素子列2と第2光電変換素子列3とを有してい
る。そして、AFIC17の出力はCPU18内部のA
/D変換器19に供給される。
【0027】CPU18は、その内部に有しているRO
M20に予め記憶されたプログラムを逐次実行し、AF
IC17等の周辺ブロックの制御を行う。AFIC17
の第1光電変換素子列2及び第2光電変換素子列3から
の被写体像信号出力は、CPU18へ順次出力される。
そして、CPU18ではその内部に有しているA/D変
換器19にて、AFIC17からの被写体像信号出力を
A/D変換し、内部のRAM21に順次格納していく。
【0028】また、CPU18は、モータ駆動回路22
を介して撮影レンズ15内のフォーカシングレンズを移
動するフォーカシングレンズモータ23の駆動を行い、
フォーカシングレンズの繰出し、繰込み動作を制御す
る。同様に、図示されないクイックリターンミラーのア
ップ・ダウン駆動について、CPU18はモータ駆動回
路22を介してミラーモータ24を制御して行う。
【0029】更に、撮影レンズ15内の図示されない絞
りの開閉駆動については、CPU18がモータ駆動回路
25を介してステッピングモータ26を制御することに
より実行される。
【0030】シャッタユニット27の先幕、後幕の走行
制御は、CPU18よりシャッタマグネット28への駆
動信号が出力されて行われる。また、CPU18では、
レリーズ釦の第1ストロークが押された状態でオンする
ファーストレリーズスイッチ(1RSW)と、レリーズ
釦の第2ストロークが押された状態でオンするセカンド
レリーズスイッチ(2RSW)の変化が検出される。そ
して、AF動作モードを、1度合焦するとフォーカスロ
ックするシングルAFモードと、1度合焦した後も被写
体の変化に従ってAF動作し続けるコンティニュアスA
Fモードとに切換えるためのモードスイッチ(MOD
SW)の入力も、CPU18によって検出される。
【0031】ここで、上記焦点検出光学系16につい
て、図4を参照して説明する。図4に於いて、撮影レン
ズ15の光軸に垂直な方向に、視野マスク30と、コン
デンサレンズ31と、撮影レンズ15の光軸Oに関して
略対称に配置された開口部K1 、K2 を有するセパレー
タ絞り32と、このセパレータ絞り32の開口部K1
2 に対応してその後方に配置されたセパレータレンズ
331 、332が配置されている。
【0032】撮影レンズ15の領域L1 を介して入射さ
れた光束は、視野マスク30、コンデンサレンズ31、
セパレータ絞り32の開口部K1 及びセパレータレンズ
331 を通り、光電変換素子列P上に結像される。同様
にして、撮影レンズ15の領域L2 を介して入射された
光束は、視野マスク30、コンデンサレンズ31、セパ
レータ絞り32開口部K2 及びセパレータレンズ332
を通って、光電変換素子列P上に結像される。上記P上
に配置されている光電変換素子列は、セパレータレンズ
331 、332 に対応して第1、第2の光電変換素子列
を有している。
【0033】次に、撮影レンズ15の焦点状態に応じた
光電変換素子列P上の被写体像について説明する。撮影
レンズ15の合焦時は、結像面Gに被写体像Iが形成さ
れる。この被写体像Iは、コンデンサレンズ31と一対
のセパレータレンズ331 、332 とにより、光軸Oに
対して垂直な2次結像面P上(光電変換素子上)に再結
像されて、第1像I1 、第2像I2 となる。
【0034】いま、撮影レンズ15が前ピン、すなわち
結像面Gの前方に被写体像Fが形成される場合、その被
写体像Fは互いに光軸Oにより近付いた位置に光軸Oに
対して垂直に再結像されて、第1像F1 、第2像F2
なる。また、撮影レンズ15が後ピン、すなわち結像面
Gの後方に被写体像Rが形成される場合、その被写体像
Rは互いに光軸Oから、より離れた位置に光軸Oに対し
て垂直に再結像されて第1像R1 、第2像R2 となる。
これらの第1像、第2像のお互いに対応する部分の間隔
を求めることにより、撮影レンズ15の合焦状態を前ピ
ン量、後ピン量を含めて検出することができる。具体的
には、第1像と第2像の光電変換素子列上の光強度分布
を演算処理して求める。
【0035】次に、上記AFIC17より出力される被
写体像信号に基く、CPU18によってなわれる焦点検
出演算について説明する。同実施の形態に於いては、2
種類の相関演算が行われる。1つは従来の焦点検出装置
と同様に焦点検出光学系により分割された第1の被写体
像と第2の被写体像の間で相関演算を行い、2つの像の
ずれ量からデフォーカス量を求めるものである。もう1
つは、時刻t0 での被写体像と、時刻t1 での被写体像
の間で相関演算を行い、被写体像の移動量を求めるもの
である。
【0036】最初に、第1の被写体像と第2の被写体像
の間の相関演算について、図5のフローチャートを参照
して説明する。第1の被写体像をL像、第1の被写体像
信号をL(i) とし、第2の被写体像をR像、第2の被写
体像信号をR(i) とする。iは素子番号で左から順に
1,2,3,…,64である。すなわち、各素子列は各
64個の素子を有している。
【0037】先ず、ステップS1及びS2にて、変数S
L、SR、Jに初期値として、それぞれ5、37、8が
セットされる。ここで、SLは被写体像信号L(i) のう
ちから相関検出する小ブロック素子列の先頭番号を記憶
する変数であり、同様にSRは被写体像信号R(i) のう
ちから相関検出する小ブロック素子列の先頭番号を記憶
する変数、Jは被写体像信号L(i) での小ブロックの移
動回数をカウントする変数である。次に、ステップS3
にて、下記(5)式により相関出力F(S) が計算され
る。
【0038】
【数5】 この場合、小ブロックの素子数は27である。
【0039】次に、ステップS4に於いて、相関出力F
(S) の最小値が検出される。すなわち、F(S) がFmin
と比較され、F(S) がFmin より小さいならば、ステッ
プS5に進んでFmin にF(S) が代入され、そのときの
SL、SRがSLM、SRMに記憶された後、ステップ
S6に進む。また、上記ステップS4でF(S) がFmin
より大きければ、そのままステップS6に進む。
【0040】このステップS6では、SRから1が減算
され、Jから1が減算される。そして、ステップS7に
て、Jが0であれば、上記ステップS2に戻って上記
(5)式の相関演算が繰返される。すなわち、像Lでの
小ブロック位置が固定され、像Rでの小ブロック位置が
1素子ずつずらされながら相関がとられる。
【0041】上記ステップS7にて、Jが0になるとス
テップS8に進んでSLに4が加算され、SRに3が加
算されて相関が続けられる。すなわち、像Lでの小ブロ
ック位置が4素子ずつずらされながら相関が繰返され
る。そして、ステップS9に於いて、SLの値が29に
なると相関演算が終了される。
【0042】以上により、効率的に相関演算が行われて
相関出力の最小値を検出することができる。この相関出
力の最小値を示す小ブロックの位置が、最も相関性の高
い像信号の位置関係を示している。
【0043】次に、検出された最も相関性の高いブロッ
クの像信号について、相関性の判定が行われる。先ず、
ステップS10にて、下記(6)式及び(7)式で示さ
れるFM及びFPが計算される。
【0044】
【数6】
【0045】すなわち、被写体像Rについて最小の相関
出力を示す小ブロック位置に対して、±1素子だけずら
された小ブロックの相関出力が計算される。このとき、
FM、Fmin 、FPは、図6に示されるような関係とな
る。ここで、ステップS11に進んで、下記(8)式及
び(9)式に示される相関性指数SK が求められる。
【0046】
【数7】
【0047】図6に於いて、相関出力F(S) は一対の被
写体像信号L(i) 、R(i) が全く一致していればS0
於いてFmine=0となるはずであるが、実際にはノイズ
等の影響で0にはならない。このようなノイズ等の影響
を考慮し、上記相関性指数SK を用いて信頼性があるか
否かがステップS12にて判定される。相関性指数SK
が所定の閾値αと比較され、下記(10)式が満足され
るとき信頼性ありと判定される。
【0048】
【数8】
【0049】上記ステップS12にて信頼性なしと判定
された場合は、ステップS16に進んで検出不能フラグ
がセットされた後、終了する。一方、信頼性ありと判定
された場合はステップS13に進む。
【0050】このような相関演算で得られる像ずれ量
は、図6に示されるように離散的な値であり、1素子単
位でしか求めることができないので、下記(11)式及
び(12)式に示される補間計算が行われ、真の像ずれ
量を示す2像間隔ZRが求められる。
【0051】
【数9】 更に、ステップS13にて、図示されないEEPROM
に記憶された合焦時2像間隔ZR0を用いて、下記(1
3)式により真の像ずれ量ΔZが求められる。
【0052】
【数10】 次いで、ステップS14にて、光軸上のデフォーカス量
ΔDが下記(14)式で求めることができる。
【0053】
【数11】 更に、ステップS15にて、光軸上のデフォーカス量Δ
Dよりレンズ駆動量ΔLが下記(15)式により求めら
れる。
【0054】
【数12】 尚、上記a、b、cは撮影レンズ15の焦点距離によっ
て決まる定数である。
【0055】次に、被写体像の移動量を求めるための相
関演算について、図7のフローチャートを参照して説明
する。時刻t0 での被写体像L(i) ′、R(i) ′と上述
した2像間の相関演算により求められた相関ブロック位
置SLM′、SRM′、相関性指数SK ′像ずれ量Δ
Z′は、CPU18内のRAM21に予め記憶されてい
る。次に、時刻t1 で被写体像信号L(i) 、R(i) が検
出される。
【0056】先ず、第1の被写体像信号について時刻t
0 での被写体像信号L(i) ′と時刻t1 での被写体像信
号L(i) について相関演算が行われる。被写体像の移動
量の検出を開始する場合は、ステップS21にて、先ず
変数SLにSL0=SLM′−10が代入される。変数
Jは相関範囲をカウントする変数であり、ここではステ
ップS22にて初期値J0 =20が代入される。そし
て、ステップS23にて、下記(16)式により、時刻
0 での第1の被写体像と第2の被写体像との間で最も
相関性の高かった第1の被写体像のブロックと、時刻t
1 での第1被写体像との間で相関出力F(S) とが計算さ
れる。
【0057】
【数13】
【0058】次に、ステップS24に於いて、上述した
相関演算と同様にF(S) とFMAX が比較される。ここ
で、F(S) がFMAX より大きいならば、ステップS25
に進んでFMAX にF(S) が代入され、そのときのSLが
SLMに記憶される。この場合、相関をとるブロックの
素子数は、上述した像ずれ量を求めるときのブロックの
素子数と同じ27である。
【0059】次いで、ステップS26にて、SLに1が
加算されてJから1が減算される。ここで、ステップS
27に於いて、Jがマイナスになるまで相関出力F(S)
の計算が繰返される。ここでは±10素子まで変化させ
て相関をとっている。この相関範囲は、検出したい移動
量範囲により決定される。
【0060】したがって、焦点距離の短い場合等は被写
体像移動量が小さいと予想されるので、相関範囲を小さ
くすることによって演算時間を短くすることができる。
逆に、被写体像移動量が大きいと予想される場合は相関
範囲を大きくする。また、SL+iが第1の光電変換素
子の有効素子範囲を超えるとき、つまり素子がない場合
や光学系によりけられる虞れのある素子にかかるとき
は、F(S) の計算は行われない。
【0061】そして、相関性の判定が行われる。ここ
で、ステップS28に於いて、上述した第1、第2の被
写体像間隔を求めたときと同様に、下記(17)式及び
(18)式により、FM′、FP′が求められる。
【0062】
【数14】 また、相関性指数SK は、ステップS29にて、下記
(19)式及び(20)式により求められる。
【0063】
【数15】
【0064】次いで、ステップS30にて、上記相関性
係数SK の値が判定される。ここで、SK ≦βの場合は
相関性ありと判断されてステップS31へ進む。被写体
像の移動量が大きいほど相関性が悪くなるので、焦点距
離の大きいレンズ、被写体距離の小さいとき、時刻t0
からt1 までの時間間隔が大きいとき、すなわち被写体
輝度が比較的暗いとき等は、判定値が大きくとられる。
【0065】そして、ステップS31にて、像の移動量
ΔXL が求められる。上述した第1、第2の被写体像間
隔を求めたときと同様の補間方法が用いられて、下記
(21)式及び(22)式より求められる。
【0066】
【数16】
【0067】一方、上記ステップS30にてSK ≦βの
関係でなければ、ステップS32に進んで検出不能フラ
グがセットされた後、リターンする。同様にして、第2
の被写体像についても相関演算が行われ、相関ブロック
SRM、移動量ΔXR が求められる。尚、第2被写体移
動量を求めるフローチャートは、図7のフローチャート
と同様なので省略する。
【0068】上記第1、第2の被写体像の移動量ΔX
L 、ΔXR が求められると、時刻t1での像ずれ量ΔZ
は、時刻t0 のときの像ずれ量ΔZ′より、下記(2
3)式のようにして求められる。
【0069】
【数17】 ΔZに基いてレンズ駆動量を求めることもできるが、同
実施の形態では、下記(24)式のように時刻t2 での
像ずれ量ΔZ″が予測される。
【0070】
【数18】
【0071】時刻t2 を後述する方法で求めて、ΔZ″
に基いた量だけレンズ駆動することにより、時刻t2 に
於いて、移動している被写体にピントを合わせることが
できる。
【0072】尚、被写体像の移動速度(ΔXR −ΔX
L )/(t1 −t0 )が大きすぎる場合は、検出値に信
頼性がないものとして像ずれ量の予測はなされない。一
方、被写体像の移動速度が小さく検出誤差とみなされる
場合は、移動速度が0にされる。この判定値は、焦点距
離、被写体距離、被写体輝度に応じて、被写体の移動量
に対して被写体像の移動量が大きいと予測される場合は
大きくされる。
【0073】以上述べたように、通常の焦点検出での像
ずれ量を求める場合は、第1の被写体像と第2の被写体
像との間で減算相関演算が行われ、被写体像の移動量が
求められる場合は時刻t0 の被写体像と時刻t1 の被写
体像との間で乗算相関演算が実行されている。通常、C
PUの命令実行速度は乗算の方が減算より数倍大きいの
で、通常の焦点検出に於いて像ずれ量を求める場合は、
乗算相関演算よりも減算相関演算を用いた方が演算時間
が短縮され、レリーズタイムラグを小さくすることがで
きる。
【0074】次に、像ずれ量を予測する時刻t2 の求め
方について説明する。上述したように、時刻t2 の像ず
れ量ΔZ″は、時刻t1 の像ずれ量ΔZ、時刻t0 から
時刻t1 の被写体像の移動量ΔXL 、ΔXR より上記
(24)式で求められる。そして、光軸上の合焦位置か
らのデフォーカス量ΔDは、上記(14)式に従って求
められ、レンズ駆動量ΔLは上記(15)式のようにし
て求められる。そして、露出開始時に合焦状態となるよ
うな時刻t2 は、下記(25)式により求められる。
【0075】
【数19】 ここで、td は時刻t1 からレンズ駆動開始するまでの
時間であり、これは上述した相関演算時間、レンズ駆動
量計算時間等である。またKc は像ずれ量ΔZ″に比例
した駆動時間を求める係数であり、レンズの種類、焦点
距離毎に記憶される。更に、te はレンズ駆動終了から
シャッタ幕が開放されて露出開始されるまでの時間であ
り、カメラの測光、絞り制御、ミラーアップ等の時間が
含まれる。時刻t2 での予測像ずれ量ΔZ″は、上記
(25)式及び(24)式から、下記(26)式のよう
に求められる。
【0076】
【数20】 一方、レンズ駆動終了時に合焦状態となるような時刻t
2 ′は、下記(27)式により求められる。
【0077】
【数21】
【0078】上記(27)式は、上記(25)式からレ
ンズ駆動終了〜露出開始時間te を除いたものである。
この場合、時刻t2 での予測像ずれ量ΔZ″は、上記
(27)式及び(24)式とから、下記(28)式のよ
うに求められる。
【0079】
【数22】
【0080】次に、この発明の第1の実施の形態に於け
る焦点検出装置のAF動作全体について、図8及び図9
のフローチャートを参照して説明する。はじめに、図8
のフローチャートを参照して、AF検出の動作について
説明する。このAF検出のフローチャートの動作は、カ
メラの電源がオンの間は繰返し行われる。
【0081】先ず、ステップS41にて、光電変換素子
の積分が終了していなければAF検出を終了して、次の
カメラ動作プログラムに移行する。これに対し、積分が
終了していればステップS42に進み、AFIC17よ
り光電変換素子出力が素子数分だけ順次出力され、これ
が読出される。
【0082】次いで、ステップS43にて、すでに第
1、第2の被写体像ずれ量が検出できているかが判定さ
れる。ここで検出できていない場合はステップS44に
進んで、第1、第2の被写体像ずれ量が減算相関演算で
求められる。更に、ステップS45にて、像ずれ量が検
出できたか否かが判定される。ここで、像ずれ量が検出
された場合は、ステップS48に進んで像ずれ量検出済
フラグがセットされた後、ステップS49で検出不能フ
ラグがクリアされる。その後、ステップS50で像移動
検出済フラグがクリアされる。
【0083】一方、上記ステップS45にて、像ずれ量
が検出できなかった場合は、ステップS46へ進んで像
ずれ量検出済フラグがクリアされる。その後、ステップ
S47で検出不能フラグがセットされる。次いで、ステ
ップS50にて、像移動検出済フラグがクリアされる。
【0084】また、上記ステップS43にて、すでに像
ずれ量が検出できている場合は、後述するように、第
1、第2の被写体像毎に被写体像の時間に対する移動量
が検出される。すなわち、ステップS51では、第1の
被写体像について前回のAF検出で入力され、記憶され
ていた被写体像素子出力と、今回の被写体像素子出力と
の間で乗算相関演算が行われて移動量が検出される。そ
して、ステップS52で第1の被写体像の移動量が検出
できたか否か判断される。ここで、移動量が検出できた
場合はステップS53に進む。
【0085】このステップS53では、第2の被写体像
の時間に対する移動量が検出される。そして、ステップ
S54にて、第2の被写体像の移動量が検出できたか否
かが判定される。ここで、移動量が検出できた場合はス
テップS55に進む。
【0086】これに対し、上記ステップS52、S54
にて、第1、第2の被写体像について何れかの移動量が
検出できない場合は、上記ステップS44に戻って、第
1、第2の被写体像ずれ量の計算が行われ、移動量の検
出は次回のAF検出からやり直される。上記第1、第2
の両方とも移動量が検出できた場合は、ステップS55
で被写体像の光軸方向の移動速度が検出される。
【0087】そして、ステップS56に於いて、検出さ
れた移動速度が所定速度より速く被写体が光軸方向に移
動しているとみなせるか否かが判定される。ここで移動
していると判定できる場合は、ステップS58に進んで
被写体移動中フラグがセットされ、移動していないと判
定された場合はステップS57に進んで上記フラグがク
リアされる。
【0088】その後、ステップS59にて、像移動検出
済フラグがセットされる。尚、上記ステップS56で判
定される場合の所定速度は、被写体の移動に対して被写
体像の移動が大きい長焦点距離側や、被写体が近距離の
場合は判定値が大きくとられる。
【0089】次に、図9のフローチャートを参照して、
AF駆動の動作について説明する。AF駆動動作は、上
述した図8のフローチャートのAF検出と同様に、カメ
ラの電源がオンの間に繰返し行われる。
【0090】先ず、ステップS61に於いて、レリーズ
スイッチの第1ストローク信号(1RSW)の状態が判
定される。ここで1RSWが入っていない場合は、レン
ズ駆動は行われず、ステップS62に進んで合焦済フラ
グがクリアされて終了する。
【0091】一方、上記ステップS61に於いて、1R
SWがオンの場合は、ステップS63に進んでAFモー
ドがシングルAFかコンティニュアスAFかが判定され
る。シングルAFの場合は、一度合焦するとフォーカス
ロックしてレンズ駆動しないので、続くステップS64
にて合焦済であるか否かが判定される。ここで、合焦済
の場合はレンズ駆動は行なわれない。
【0092】上記ステップS63にてシングルAFでな
い場合はコンティニュアスAFであり、一度合焦した後
も被写体の変化に従ってAF駆動が繰返し行われる。シ
ングルAFで合焦していないとき、あるいはコンティニ
ュアスAFの場合は、ステップS65に進んで、像ずれ
量が検出できているか否かが判定される。検出不能フラ
グは、上述した図8のフローチャートのステップS47
及びS49で設定されたフラグであり、像ずれ量が検出
できていればセットされ、検出できていなければクリア
されている。
【0093】上記ステップS65にて、像ずれ量が検出
できていないときはリターンし、図示されないレンズス
キャンが行われる。このレンズスキャンは、フォーカシ
ングレンズを高速で駆動しながらAF検出可能なレンズ
位置を探す動作であり、レンズスキャンが行われた場合
は、全てのフラグがリセットされてAF検出は初めから
やり直される。
【0094】一方、上記ステップS65に於いて、像ず
れ量が検出できている場合はステップS66に進み、被
写体像の移動量が検出できているか否かが判定される。
ここで、移動量の検出ができている場合にはステップS
67に進む。
【0095】ステップS67に於いては、レリーズスイ
ッチの第2ストローク信号(2RSW)がオンされたか
否かが判定される。ここで、2Rとは露光開始操作信号
のことである。像ずれ量の予測は、上述したように2R
SWがオンで露光が行われるときは、ステップS68に
進んで露出開始時の像ずれ量が予測される。また、2R
SWがオフで露光が行われずにレンズ駆動が行われるだ
けのときは、ステップS69に進んでレンズ駆動終了時
の像ずれ量が予測される。その後、ステップS71に進
む。
【0096】一方、上記ステップS66に於いて、像移
動が検出されていない場合は、ステップS70に進ん
で、被写体が移動中であるか否かが判定される。像移動
検出済フラグは、後述するようにレンズ駆動後にクリア
されるので、像移動検出されていずに被写体が移動中で
あると判定されるのは、コンティニュアスAFでレンズ
駆動後に起きる。この場合は、像移動が再検出されるま
でレンズ駆動は行われない。
【0097】次に、ステップS71にて、検出された像
ずれ量、または予測された像ずれ量に基いて、合焦許容
範囲内に入っているかが判定される。つまり、ステップ
S71に於いて、上記(14)式により、像ずれ量が光
軸上のデフォーカス量に変換され、デフォーカス量が合
焦許容範囲に入っているかが判定される。ここで、被写
体像が移動していると判定された場合は、予測誤差を考
えて合焦許容範囲が大きくとられる。
【0098】上記ステップS72に於いて合焦と判定さ
れなかった場合は、ステップS73に進んで、検出され
た像ずれ量、或いは予測された像ずれ量からレンズ駆動
量が求められる。次いで、ステップS74にて、前回レ
ンズ駆動された方向と今回レンズ駆動しようとしている
方向が反転しているかが判定される。ここで、反転して
いる場合は、バックラッシュが存在して正確なレンズ駆
動ができないので、ステップS76に進んでバックラッ
シュ分だけレンズ駆動が行われ、バックラッシュが除去
される。この場合は、AF検出が初めからやり直され
る。
【0099】一方、上記ステップS74にて、反転して
いない場合は、ステップS75に進んで、上記ステップ
S73で求められたレンズ駆動量だけフォーカシングレ
ンズが駆動される。
【0100】尚、求められたレンズ駆動量がレンズの有
効範囲を超えると予測される場合、すなわちレンズの最
至近距離位置、無限距離位置を超えると予測される場合
は、最至近距離位置、或いは無限距離位置までレンズ駆
動された後に合焦不能と判定され、合焦不能表示が行わ
れる。
【0101】次に、ステップS77では、フラグのクリ
アが行われる。ここでクリアされるのは、像ずれ検出済
フラグ、検出不能フラグ、像移動検出済フラグである。
これにより、AF検出が初めからやり直される。また、
ズーミングしたとき、フィルム撮影等の比較的長い時間
AF検出が行われないときも、これらのフラグがクリア
されてAF検出が初めからやり直される。
【0102】上記ステップS77でフラグがクリアされ
た後、または上記ステップS72で合焦と判定された場
合は、ステップS78に進んでファインダ内LCD等で
合焦表示される。1R信号以前に検出された像ずれ量で
合焦と判定された場合は、レンズ駆動が行われずに合焦
表示される。このようにして、ステップS79で合焦済
フラグがセットされ、AF駆動プログラムが終了され
る。この合焦済フラグによって、CPU18は露光動作
を行う。
【0103】尚、上述したように、被写体像移動中フラ
グはクリアされない。これは、コンティニュアスAFで
レンズ駆動後の最初のAF検出で合焦してしまわないよ
うに、引続き被写体の移動を検出するようにするためで
ある。
【0104】以上述べたように、被写体の動きを検出し
て、移動する被写体に対しても正確なAF動作を行うこ
とができる。次に、この発明の第2の実施の形態につい
て説明する。
【0105】この第2の実施の形態は、上述した第1の
実施の形態に対して、上述した図7のサブルーチン“第
1被写体移動量”に代えて、図10に示されるサブルー
チン“第1被写体像移動量2”を実行して被写体像の移
動量を求めるものである。
【0106】以下、図10のフローチャートを参照し
て、第2の実施の形態の動作を説明する。先ず、ステッ
プS81及びS82にて、変数SLにSLM′−10及
び変数Jに20が代入される。次いで、ステップS83
で、時刻t0 での第1の被写体像と第2の被写体像との
間で最も相関性の高かった第1の被写体像のブロック
と、時刻t1 での第1の被写体像との間で、減算相関演
算により相関出力F(S) が、下記(29)式により計算
される。
【0107】
【数23】
【0108】次に、ステップS84に於いて、F(S)
Fmin とが比較される。ここで、F(S) がFmin より小
さいならば、ステップS85に進んでFmin にF(S)
代入され、その時のSLがSLMに記憶される。次い
で、ステップS86にて、SLに1が加算され、Jから
1が減算されて次のブロックがセットされる。そして、
ステップS87に於いて、Jがマイナスになるまで相関
出力F(S) の計算が繰返される。ここでは、シフト量が
20素子変化されている。次に、ステップS88で、相
関性の判定を行うためにFM、FPが下記(30)式及
び(31)式より求められる。
【0109】
【数24】
【0110】また、ステップS89にて、相関性指数S
K が上記(8)式及び(9)式により求められる。そし
て、ステップS90に於いて、相関性指数SK の値が比
較される。ここで、SK ≦β1 の場合は相関性ありと判
定されて、ステップS91に進んで被写体像の移動量Δ
L が求められる。一方、上記ステップS90に於い
て、SK ≦β1 の関係でなければ、続くステップS92
に於いてβ1 <β2 なる判定値β2 により、SK ≦β2
であるか否かが判定される。SK ≦β2 でなければ、ス
テップS93に進んで検出不能フラグがセットされた
後、リターンする。
【0111】上記ステップS92に於いて、SK ≦β2
である場合は、時刻t0 の被写体像出力信号と時刻t1
の被写体像信号の出力レベルに差があるため、相関性指
数が悪化していると判定されて、乗算相関演算により再
度相関演算がやり直される。
【0112】次いで、ステップS94にて、変数SLに
SLM−2、変数Jに4が代入されて、図7に示される
サブルーチン“第1被写体像移動量”が実行される。変
数SLにSLM−2及び変数Jに4が代入されるのは、
減算相関演算により求められた最も相関性の高いシフト
位置SLM付近に真の最大相関位置があるはずなので、
このシフト位置SLMを中心に±2素子分のシフトが行
われて演算時間を減少させるためである。
【0113】更に、ステップS95では、上述した乗算
相関演算が実行される。これにより、異なる時刻t0
1 の各被写体像出力信号に出力レベルの差が発生して
も、被写体像移動量を求めることができる。
【0114】尚、この第2の実施の形態の他の部分の動
作及び構成は、上述した第1の実施の形態と同一である
ので説明は省略する。また、この発明の上記実施態様に
よれば、以下の如き構成を得ることができる。
【0115】(1) 被写体光の像を2像に分割する像
分割手段と、上記分割された像をそれぞれ受光する第
1、第2の光電変換素子列を含む光電変換手段と、第1
の時点での上記第1光電変換素子列上の第1被写体像位
置と、これより第1の所定時間経過後の第1被写体像位
置とに基いて、第1被写体像の移動量を求めると共に、
第1の時点での上記第2光電変換素子列上の第2被写体
像位置と、これより第1の所定時間経過後の第2被写体
像位置とに基いて、第2被写体像の移動量を求める移動
量演算手段と、上記移動量演算手段の出力に基き、上記
第1の所定時間に引続く第2の所定時間経過後の第1、
第2被写体像位置を予測する予測演算手段と、上記予測
演算手段の出力に基きレンズ駆動量を求めるレンズ駆動
量演算手段とを具備し、上記移動量演算手段は、上記第
1の時点での第1及び第2被写体像と、これより第1の
所定時間経過後の第1及び第2被写体像との間で乗算相
関演算することにより、第1及び第2被写体像の移動量
を求めることを特徴とする焦点調節装置。
【0116】(2) 上記移動量演算手段は、上記第1
の時点での第1及び第2被写体像と、これより第1の所
定時間経過後の第1及び第2被写体像との間で減算相関
演算を行い、それぞれ第1、第2被写体像の移動量を求
める減算相関演算手段と、この減算相関演算手段の演算
結果の信頼性を判定する信頼性判定手段とを具備し、上
記信頼性判定手段により信頼性が低いと判定されたと
き、上記乗算相関演算手段により被写体移動量を演算す
ることを特徴とする上記(1)に記載の焦点調節装置。
【0117】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、異なる
時刻に於ける被写体像から被写体像の移動量を検出する
場合に、異なる時刻に於ける被写体像間の出力レベルに
差が発生した場合に於いても、正しい被写体像の移動量
を検出することが可能となり、移動している被写体に対
して高精度にAF合焦することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の焦点調節装置の概念を示したブロッ
ク構成図である。
【図2】この発明の焦点調節装置による像移動量の特性
図である。
【図3】この発明の焦点調節装置の第1の実施の形態を
示すものであり、TTL位相差方式の焦点検出装置に適
用した例を示すブロック図である。
【図4】焦点検出光学系16の詳細を説明する図であ
る。
【図5】第1の被写体像と第2の被写体像の間の相関演
算についての動作を説明するフローチャートである。
【図6】FM、Fmin 、FPと像ずれ量との関係を表し
た図である。
【図7】この発明の焦点検出装置の第1の実施の形態に
於ける被写体像の移動量を求めるための相関演算の動作
を説明するフローチャートである。
【図8】この発明の第1の実施の形態に於ける焦点検出
装置のAF検出の動作について説明するフローチャート
である。
【図9】この発明の第1の実施の形態に於ける焦点検出
装置のAF駆動の動作について説明するフローチャート
である。
【図10】この発明の第2の実施の形態に於ける焦点検
出装置の被写体像の移動量を求めるための相関演算の動
作を説明するフローチャートである。
【図11】従来の焦点検出装置の像移動量の特性図であ
る。
【図12】従来の焦点検出装置の像移動量の特性図であ
る。
【図13】従来の焦点検出装置の像移動量の特性図であ
る。
【符号の説明】
1 像分割部、 2 第1光電変換素子列、 3 第2光電変換素子列、 4 光電変換部、 5、6 被写体像移動量算出部、 7 移動量演算部、 8、9 乗算相関演算部、 10、11 被写体像位置予測演算部、 12 予測演算部、 13 レンズ駆動両演算部、 15 撮影レンズ、 16 焦点検出光学系、 17 AFIC、 18 CPU、 19 A/D変換器、 20 ROM、 21 RAM、 22 モータ駆動回路、 23 フォーカシングレンズモータ、 24 ミラーモータ、 25 モータ駆動回路、 26 ステッピングモータ、 27 シャッタユニット、 28 シャッタマグネット、 30 視野マスク、 31 コンデンサレンズ、 32 セパレータ絞り、 331 、332 セパレータレンズ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影レンズ光軸に関して対称な有限の瞳
    領域を通過した対の被写体光束による被写体像をそれぞ
    れ受光し、それぞれの被写体像に対応する被写体像信号
    を出力する受光手段と、 第1及び第2の時点に於ける上記受光手段の出力に基い
    て、第1の時点に於ける被写体像位置と第2の時点に於
    ける被写体像位置との相対移動量を求める移動量演算手
    段と、 この移動量演算手段の演算結果に基いて、上記第2の時
    点より所定時間経過後の被写体像位置を予測する予測手
    段と、 この予測手段の演算結果に基いて、移動中の被写体に合
    焦させるためのレンズ駆動手段とを具備し、 上記移動量演算手段は、第1及び第2の時点に於ける被
    写体像信号に関する相関演算によりそれぞれの被写体像
    の移動量を演算することを特徴とする焦点調節装置。
  2. 【請求項2】 上記移動量演算手段は、上記第1及び第
    2の時点に於ける被写体像信号に関する減算相関演算を
    行い、それぞれ第1、第2の被写体像の移動量を求める
    減算相関演算手段と、 この減算相関演算手段の演算結果の信頼性を判定する信
    頼性判定手段とを具備し、 この信頼性判定手段により信頼性が低いと判定されたと
    き、上記乗算相関演算手段により被写体移動量を演算す
    ることを特徴とする請求項1に記載の焦点調節装置。
  3. 【請求項3】 上記乗算相関演算手段が相関演算を行う
    被写体移動量範囲は、上記減算相関演算手段が相関演算
    を行う被写体移動量範囲よりも狭いことを特徴とする請
    求項2に記載の焦点調節装置。
JP8321774A 1996-12-02 1996-12-02 焦点調節装置 Pending JPH10161011A (ja)

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