JP4398020B2 - 多点自動焦点カメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮影画面内に複数の焦点検出領域(測距ポイント)を配置して測距し、その測距結果に基づき被写体を判別して、撮影レンズの合焦を行う焦点検出機能を備える多点自動焦点カメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の撮影画面の中央近辺に1点の焦点検出領域(以下、測距エリア若しくはエリアと称する)を配置したスポット測距から、撮影画面内に複数の測距エリアを配置して、それぞれ測距を行い最至近距離を測距結果とする多点測距に移行しつつある。
【0003】
一般的な多点自動焦点カメラには、撮影画面の中央部とその左右に一列に測距エリアを配置した3測距エリア仕様や、これらの3測距エリア中央の測距エリアの上下にさらに1エリアづつ配置した5測距エリアの仕様があるが、最近では、それ以上の測距エリアを配置したカメラが製品化されており、測距エリアは増加する傾向にある。将来的には、全撮影画面内に測距エリアを配置した測距機能をカメラに搭載する可能性がある。
【0004】
これらのカメラにおいて、撮影画面内を移動する被写体を撮影する場合、被写体が移動していると判定された測距エリアから得られた測距結果を選択して、撮影レンズを合焦させるのが一般的である。
【0005】
このような多点自動焦点カメラとしては、例えば、特開昭64−4716号公報には、画面内に配置された測距エリアをいくつかのグループに分割して、移動する被写体のうち最も動きの遅い測距エリアのグループを選択して焦点検出を行う技術が記載されている。
【0006】
また本出願人は、特開平5−11170号公報において、撮影画面内に存在する被写体が移動被写体であると判定された場合には、その被写体周辺の測距エリアにおける測距を禁止する技術を提案している。この技術によれば、複数回の測距を必要として時間を要する動体検知動作を、レリーズのためのシャッタ釦の押し込み前に行い、移動被写体を特定しておき、その移動被写体を検知した測距ポイントだけを測距をすることにより、シャッタのタイムラグを短くすることができる。
【0007】
また、特許番号第2756330号公報においては、サーボモード(コンティニュアスAF、一般的に動体に追従する動体予測AF制御を行うモード)に設定されている時は、撮影画面の中央を測距エリアとして選択する技術が提案されている。この技術は、移動被写体を撮影する場合には、最至近側にある被写体は撮影したい主要被写体とは考えず、主要被写体は撮影画面中央に存在するものとして、測距エリアを固定するものである。
【0008】
これら従来技術における撮影画面の中央を測距エリアとして選択する理由は、カメラを振って移動する被写体が撮影画面内に留まるように追いかけた場合には、その被写体が画面中央に存在する確率が高いことを根拠としており、この技術により、撮影画面の周辺側における測距動作が省略でき、シャッタ釦押下におけるタイムラグを短縮することができる。
【0009】
また、このように撮影画面の中央、即ち、撮影レンズの中央近辺で測距すると、撮影レンズは周辺側にいくに従って、収差が大きくなる特性があるため、レンズ周辺で測距するのに比べて、解像力の点で有利となる。
【0010】
よって、従来技術による移動被写体に対する合焦は、タイムラグの短縮化と高解像力化の面で優れている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した撮影画面中央の測距エリアの測距結果のみを選択して合焦させているため、一定の動きでない被写体や、動く方向が変わる被写体で撮影画面の中央から外れてしまった場合には、正確に合焦できないことになる。
【0012】
また、動きの遅い被写体の存在する測距エリアを優先させている場合には、撮影画面内の全移動被写体に対して、正確に合焦できない。具体的には、全測距エリアに対応して最も動きの速い被写体(若しくは被写体の一部)を優先的に選択して合焦させることができない。
【0013】
このような従来技術による合焦の問題点を具体的に説明すると、例えば、撮影するシーンが図17(a)に示すような移動被写体を含む構図であった場合を例とする。
【0014】
図17(a)は、走っている電車がカーブに差し掛かったシーンを示しており、同図(b)は、撮影画面に配置された15点の測距エリアP1〜P15の配置例を示している。この配置例においては、測距エリアの対応が両図中でわかりやすいように示しており、例えば、中央の測距エリアP3は、ラインBとラインDの交点に位置し、周辺であれば、例えば測距エリアP15は、ラインCとラインHの交点に位置する。ここでは、中央横のラインBを例にとって説明する。
【0015】
図17(a)に示されるように、測距エリアP1は、背景を測距しているため、ここで検出される被写体の移動速度は”0”である。
【0016】
一方、測距エリアP2〜P5は、電車を測距しているため、ここで検出される被写体は、幾らかの移動速度が測定される。電車の前面ほどカメラに近いので、各測距エリアで検出される移動速度は以下のようになる。
【0017】
測距エリアP1=0<測距エリアP2<測距エリアP3<測距エリアP4=測距エリアP5
上記特開平5−11170号公報及び、上記特許番号第2756330号公報に記載された技術では、移動被写体を測距する場合には、撮影画面中央の測距エリアのみで測距するため、測距エリアP3に合焦した写真となる。
【0018】
しかし、この測距エリアP3は、電車の側面を測距しているため、電車の先端部はぼけて、後ピンになる。
【0019】
また、上記特開昭64−4716号公報に記載された技術では、最も動きの遅い被写体が存在する測距エリアに合焦するため、図17に示した構図では、移動速度>0の測距エリアで選択をすると、測距エリアP2(電車の側面)に合焦した写真となり、前述した公報と同様に、電車の先端部はぼけて、後ピンの写真になる。
【0020】
そこで本発明は、撮影画面内に複数の測距エリア(焦点検出領域)が配置され、移動する被写体に合焦させる場合に、近づく移動には動きが最も速い測距エリアに合焦し、遠ざかる移動には動きが最も遅い測距エリアに合焦することにより、被写体の移動方向に応じた先端部に合焦させて、中途半端な位置に合焦しない写真を得ることができる焦点検出機能を備える多点自動焦点カメラを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、複数の焦点検出領域を持つ多点自動焦点カメラにおいて、各焦点検出領域内における被写体像の移動に関する量を演算する像移動演算手段と、上記像移動演算手段の演算結果に基づいて、上記複数の焦点検出領域の移動速度分布に関する量を出力する分布出力手段と、上記分布出力手段の出力に基づいて、移動被写体の移動方向に応じた移動被写体の先端部に相当する焦点検出領域を判定して優先的に選択する選択手段と、上記移動被写体の移動方向を判定する移動方向判定手段と、を具備し、上記選択手段は、上記移動方向判定手段の出力する移動方向に応じて上記移動被写体が近づいている場合には、上記像移動演算手段において演算された最も像移動の速い焦点検出領域を優先して選択し、且つ上記移動被写体が遠ざかっている場合には、上記像移動演算手段において演算された最も像移動が遅い焦点検出領域を優先して選択する多点自動焦点カメラを提供する。
【0022】
また、複数の焦点検出領域を持つ多点自動焦点カメラにおいて、各焦点検出領域内における被写体像の移動に関する量を演算する像移動演算手段と、上記像移動演算手段の演算結果に基づいて、上記複数の焦点検出領域の移動速度分布に関する量を出力する分布出力手段と、上記分布出力手段の出力に基づいて、移動被写体の先端部に相当する焦点検出領域を判定して優先的に選択する第2の選択手段とを備える多点自動焦点カメラを提供する。この多点自動焦点カメラは、さらに上記被写体の移動方向を判定する移動方向判定手段を備えて、上記第2の選択手段は、上記被写体が近づいている場合には、上記像移動演算手段において演算された最も像移動の速い焦点検出領域を優先して選択し、且つ上記被写体が遠ざかっている場合には、上記像移動演算手段において演算された最も像移動が遅い焦点検出領域を優先して選択する。
【0023】
以上のような構成の多点自動焦点カメラは、移動する被写体の移動速度及び移動方向から求められた移動量の最大値及び最小値に基づき、測距エリアを選択し、移動する被写体に合焦させる場合に、近づく移動には動きが最も速い測距エリアに合焦し、遠ざかる移動には動きが最も遅い測距エリアに合焦することにより、移動する被写体の先端部に合焦させる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1には、本発明の多点自動焦点カメラの測距装置における概念的なブロック構成を示す図である。
この多点自動焦点カメラは、焦点検出信号を出力するAFセンサ例えば、エリアセンサからなる焦点検出部1と、出力された焦点検出信号に基づいて、焦点調節に必要な演算を行う焦点演算部2と、焦点演算部2からの演算結果に基づいて、被写体の像移動に関する量を演算する像移動量演算部3と、像移動量演算部3の出力に基づいて、複数の測距エリア内のどの測距エリアで焦点を合わせるかを選択する測距エリア選択部4と、これらの構成部位の焦点制御を司るCPUからなる焦点制御部5と、この焦点制御部5からの制御信号に基づいて、図示しない撮影レンズを合焦の位置に駆動して合焦状態を達成する焦点調節部6とで構成される。上記像移動量演算部3が演算する被写体の移動に関する量としては、被写体の移動速度やその移動方向等が考えられる。
【0025】
図2は、本発明による多点自動焦点カメラとして、一眼レフレックスカメラに適用した構成例の断面図を示す。
このカメラは、カメラボディ10の下部に焦点を検出するための焦点検出部11を備えている。通常時には、撮影レンズ12を通過した光束(被写体像)は、メインミラー13により、一部上方のファインダ14側に反射し、残りの光束は透過して直進する。このメインミラー13で反射した光束は、ペンタプリズムを介してファインダ14に導かれて、撮影画面として観察者の眼に入る。一方、メインミラー13を透過した光束は、メインミラー13に一体的に取り付けられたサブミラー15により下方に反射されて焦点検出部11に導かれる。
【0026】
この焦点検出部11は、撮影レンズ12を通過した光束を絞り込む視野マスク17と、赤外光成分をカットする赤外カットフィルタ18と、光束を集めるためのコンデンサレンズ19と、光束を全反射する全反射ミラー20と、光束の通過量を制限する瞳マスク21と、光束をエリアセンサ23上の光電変換素子群26上に再結像させる再結像レンズ22と、光電変換素子群26とその処理回路からなるエリアセンサ23とから構成される。
【0027】
このようなカメラの撮影時には、メインミラー13及びサブミラー15を点線の位置までミラーアップして退避させて、シャッタ24を所定時間だけ開き、撮影レンズ12を通過した光束(被写体像)はフィルム25に露光される。
【0028】
図3(a)、(b)は、測距を含む光学系を模式的に示している。
図3(a)は、焦点検出部11内のエリアセンサ23の光電変換素子群26上に光束(被写体像)を導く焦点検出光学系(位相差検出光学系)の構成を示し、同図(b)には、その斜視図を示している。
【0029】
この焦点検出光学系は、光路中に、撮影レンズ12と、視野範囲を規定する視野マスク17と、コンデンサレンズ19と、撮影レンズ12の光軸に対して略対称に配置された開口部21a,21bを有する瞳マスク21とが設けられ、更に、これら開口部21a,21bに対応した後方に、再結像レンズ22a,22bがそれぞれ設けられている。なお、この図3(a)では前述した全反射ミラー20は省略している。
【0030】
このような構成において、撮影レンズ12の射出瞳Hの領域Ha,Hbを通過して入射した被写体光束は、順に、視野マスク17、コンデンサレンズ19、瞳マスク21の開口部21a,21b及び再結像レンズ22a,22bをそれぞれ通過していき、エリアセンサ23内の多数の光電変換素子が配列された2つの各領域23a,23bの光電変換素子群26上に再結像される。例えば、撮影レンズ12が「合焦」即ち結像面G上に被写体像1が形成される場合、その被写体像1は、コンデンサレンズ19及び再結像レンズ22a,22bによって光軸Oに対し垂直な二次結像面であるエリアセンサ23の光電変換素子群26上に再結像されて、図示するような、第1の像I1、第2の像I2となる。
【0031】
また、撮影レンズ12が「前ピン」即ち、結像面Gの前方に被写体像Fが形成される場合、その被写体像Fは互いにより光軸Oに近づいた形態で光軸Oに対して垂直に再結像されて第1の像F1、第2の像F2となる。
【0032】
さらに撮影レンズ12が後ピン即ち、結像面Gの後方に被写体像Rが形成された場合、その被写体像Rは、お互いにより光軸Oから離れた形態で光軸Oに対して垂直に再結像されて第1像のR1、第2の像R2となる。
従って、これら第1の像と第2の像の間隔を検出測定することにより、撮影レンズ12の合焦状態を前ピン及び後ピンを含めて検出することができる。具体的には、第1の像と第2の像の光強度分布をエリアセンサ23(開口部23a,23b)に対応する被写体像データの出力により求めて、2像の間隔を測定できるように構成されている。
【0033】
図4には、図2において説明したカメラの電気制御系を含む機能ブロックを示しており、その各部の詳細構成と動作について説明する。
この構成において、制御部30は、カメラ全体の統括的な制御を行い、この内部には、例えばCPUからなる演算・処理部31と、ROM32と、RAM33と、A/Dコンバータ34とを備えている。
【0034】
上記制御部30は、ROM32に格納されたカメラシーケンス・プログラム(詳細後述)に従ってカメラの一連の動作を制御する。またEEPROM35には、AF制御、測光等に関する補正データをそのカメラボディ毎に固有の情報として記憶保持することができる。さらに制御部30には、エリアセンサ23、レンズ駆動部33、エンコーダ37、測光部39、シャッタ駆動部40、絞り駆動部41、及びフィルム駆動部42が、この制御部30と相互通信可能に接続されている。
【0035】
このような構成において、レンズ駆動部36は、制御部30の制御に基づき、撮影レンズ12のフォーカシングレンズ12aをモータML38で駆動する。この時、エンコーダ37は、フォーカシングレンズ12aの移動量に応じたパルスを発生させて制御部30に送り、レンズ駆動が適宜制御される。
【0036】
また測光部39は、撮影領域に対応したSPD(シリコンフォトダイオード)を有しており、被写体の輝度に応じた出力を発生する。制御部30は、測光部39の測光結果をA/Dコンバータ34によりデジタル信号化させて、その測光値をRAM33に格納する。
【0037】
シャッタ駆動部40及び絞り駆動部41は、制御部30からの所定の制御信号により動作し、それぞれ不図示のシャッタ機構及び絞り機構を駆動してフィルム面に露光を行なう。
【0038】
フィルム駆動部42は、制御部30からの所定の制御信号によりフィルムのオートローディング、巻上げ及び巻戻し動作を行なう。ファーストレリーズスイッチ(以下、1RSWと称す)とセカンドレリーズスイッチ(以下、2RSWと称す)は、レリーズボタンに連動したスイッチであり、レリーズボタンの第1段階の押下げ操作により最初に1RSWがオンし、引き続いて第2段階の押下げ操作で2RSWがオンする。制御部30は、1RSWオンで測光およびAF(自動焦点調節)処理を行い、2RSWオンで露出動作とフィルム巻上げ動作を行なうように各部位を適宜制御している。
【0039】
図5には、前述したエリアセンサ23の具体的な回路構成を示す。
【0040】
このエリアセンサ23における画素部(即ち光電変換素子群26)は、マトリックス状に規則正しく配列された多数の画素ユニット51により構成されている。
【0041】
この構成において、蓄積制御部52は制御部30からの制御信号に応じて、画素部の蓄積動作を制御する。各画素ユニット51の出力V0 は垂直シフトレジスタ53と水平シフトレジスタ54とにより選択されて、バッファ55に入力される。そしてこのバッファ55の出力SDATAは、制御部30内のA/Dコンバータ34に入力され、A/D変換される。
【0042】
また各画素ユニット51の出力VM は、所定の複数の画素ユニット51の出力VM を接続して、スイッチMSL1〜MSLnを介して、バッファ55に入力される。
【0043】
そして、測距エリア56内において、これら複数の画素ユニット51の出力VMnを接続した点Mの電位は、複数の画素ユニット51内の出力VMnのうちのピーク値に相当する電位を発生し、画素ユニット51は、これらを出力するようなピーク検出回路を構成している。従って、スイッチMSL1〜MSLnを順にオンさせていくと、各測距エリア56内のピーク値に相当する電位をバッファ55を介してモニタすることができる。このバッファ55の出力VP は、端子MDATAより制御部30内のA/Dコンバータ34に入力されて、A/D変換される。
【0044】
次に図6には、前述した画素ユニット51の具体的な回路構成を示す。
この画素ユニット51は、光電変換素子として機能するフォトダイオード61、キャパシタ62、アンプ63、スイッチ64,65、およびNMOSトランジスタ66から構成されている。
【0045】
フォトダイオード61の出力側には、アンプ63が接続され、キャパシタ62がアンプ63の入出力端に接続され、フォトダイオード61で発生した電荷を蓄積する。
【0046】
このアンプ63の出力側は、垂直シフトレジスタ53及び水平シフトレジスタ54からの信号Xn、Ynにより、それぞれオン・オフ切り換えを行う直列接続されたスイッチ64,65を介して出力端(出力V0)に接続される。
【0047】
さらにアンプ63の出力側には、ドレインを固定電圧に接続されたNMOSトランジスタ66のゲートに接続され、NMOSトランジスタのソースは、モニタ出力端子(モニタ出力VM )に接続される。
【0048】
このような回路構成において、アンプ63の出力は、キャパシタ62の蓄積量が増加するに従って、電位が上昇する方向に変化するものとしている。このモニタ出力VM は、複数の画素ユニット51の出力が互いに接続されるので、そのうちの蓄積量のピーク値を示す電位が発生することになる。このようにして各画素ユニット51は、光電変換して、その測距エリアに対応する素子としての出力を前述した像移動量演算部3に供給する。
【0049】
次に図7には、撮影画面内の焦点検出領域を構成する各測距エリアP1〜Pnの配置例を示す。
前述したスイッチMSL1〜MSLnは、各測距エリアP1〜Pnにそれぞれ対応して接続されているので、例えばスイッチMSL1〜MSLnのうちの1個のスイッチMSLmをオンすると、これに対応した測距エリアPm内のピーク出力VM が選択されてモニタ端子MDATAに出力する。
【0050】
また例えば、複数のスイッチをオンすると、その複数の測距エリア内のピーク値をモニタすることができる。例えば、全スイッチMSL1〜nをオンさせると、エリアセンサ23の全測距エリア内のピーク値をMDATA端子の出力させてモニタすることができる。
【0051】
図8に示すタイムチャートを参照して、前述したエリアセンサ23の蓄積動作について説明する。ここでは、撮影画面内の測距エリアP5,P6,P7を例にとって説明する。
制御部30は、エリアセンサ23の蓄積動作を蓄積開始信号(INTS)により開始させた後、上記測距エリア毎に順にピーク値を参照していく。この時、最も速く適正な蓄積レベルに達する測距エリアを優先的に参照し、上記測距エリアのピーク値が適切な蓄積レベルに達すると、蓄積終了信号(INTE)により測距エリア毎に蓄積動作を終了させていく。
【0052】
つまり、図9(a),(b)に示すように、エリアセンサを構成する2つのエリアセンサ23a,23bがそれぞれに対応する測距エリア、例えば測距エリアP5に対応するa5,b5について同時に蓄積動作を終了させる。つまり、ある測距エリアに対応したam,bm、(1≦m≦n)の蓄積動作を順次、全測距エリアに対して行う。
【0053】
なお、上記am,bmの1個の測距エリアmに関して、図10(a),(b)には、これに対応するフォトダイオード61の配列を直線的に示している。
【0054】
右側のエリアセンサ23aを構成するフォトダイオード列amは、L(1),L(2),L(3),…,L(64)と表わせ、その被写体像信号は順次、処理される。同様に、左側のエリアセンサ23bを構成するフォトダイオード列bmは、R(1),R(2),R(3),…,R(64)と表わせ、その被写体像信号も順次、処理される。
【0055】
よって、制御部30は、次のように各部を制御して被写体像をデータとして検出する。
すなわち、制御部30は、エリアセンサ23に読み出しクロックCLKを入力させると、そのエリアセンサ23の端子SDATAから被写体像信号であるセンサデータが順次出力される。そこで、制御部30内のA/Dコンバータ34により、このセンサデータをA/D変換して、RAM32に順次格納する。このようにして、制御部30は、例えばある測距エリアを指定してその測距エリアに対応するセンサデータだけを読み出すことができる。
【0056】
次に、前述したようにして得られた被写体像データに基づくAF検出演算について説明するが、例えばこの実施形態例では2種類の相関演算を行なう方法がある。その1つの方法は、焦点検出光学系により分割された第1被写体像と第2被写体像の間で相関演算を行い、二像のずれ量(「像ずれ量」と称す)を求める方法である。もう一方の方法は、時刻t0での被写体像と時刻t1での被写体像の間で相関演算を行い、被写体像の移動量を求めるという方法である。
【0057】
(I) 像ずれ量を求めるための相関演算:
最初に第1被写体像と第2被写体像との間の像ずれ量を求める相関演算について説明すると、被写体像データは一対のエリアセンサ23a,23bに対してそれぞれ一般的にL(i,j)、R(i,j)という形式で表わすことができる。
【0058】
以下の説明ではわかりやすくするためにエリアセンサ23a,23bにそれぞれ対応する一対の測距エリア、すなわち一次元の被写体像データをそれぞれL(I)、R(I)(I=1〜k)として説明する(図10参照)。ここで本実施形態においては、k=64として、図11に示すフローチャートを参照して、「像ずれ量検出」ルーチンに関する処理手順に基づいて説明する。
【0059】
まず、変数SL 、SR 及びFMIN のそれぞれの初期値を設定する(ステップS1)。ここでは、SL ←5、SR ←37、FMIN =FMIN 0を設定している。
【0060】
次に、ループ変数Jの初期値として8を入力し(ステップS2)、相関値F(s)を求めるため式(1)の相関計算を行なう(ステップS3)。
【0061】
F(s)=Σ|L(SL +I)−R(SR +I)| …(1)
(但し、s=SL −SR ,I=0〜26)
但し、変数SL ,SR は、それぞれ被写体像データL(I),R(I)のうちの相関演算を行なうブロックの先頭位置を示す変数、Jは被写体像データR(I)上でのブロックのシフト回数を記憶する変数であり、ブロックの被写体像データ数は27個とする。
【0062】
次に、相関値F(s)とFMIN (最初は初期値FMIN 0、2回目以降は初期値または更新された値)とを比較する(ステップS4)。この比較において、F(s)の方が小さい場合(YES)、FMIN をF(s)に更新し、SLM、SRMをSL SR に更新する(ステップS5)。
【0063】
一方、上記ステップS4の比較で、FMIN の方が相関値F(s)より小さい場合(NO)、SR ,Jからそれぞれ1を減算して次のブロックを設定する(ステップS6)。そして、J=0か否かを判定し(ステップS7)、まだ0でない場合(NO)、上記ステップS3に戻って同様な相関演算を繰り返す。このように被写体像データL(I)でのブロックを固定し被写体像R(I)でのブロックを1素子分ずつシフトして相関演算を行なう。
【0064】
一方、上記ステップS7の判定において、Jが0であった場合は(YES)、変数SL ,SR にそれぞれ4,3を加算して、次のブロックを対象として設定する(ステップS8)。次に、SL =29であるか否かを判定し(ステップS9)、29でなかった場合(NO)、上記ステップS2に戻って前述の相関演算を続ける。しかし、SL =29であった場合は(YES)、その相関演算を終了する。このように被写体像データL(I),R(I)上に相関演算を行なうブロックを設定して繰り返し相関演算を行なう。これによって得られた各ブロックの相関演算の結果は、被写体像データの相関が最も高いシフト量s=xにおいて相関値F(s)が最小になる。そしてこの時、SLM、SRMにはこの最小相関値F(x)の時のSL 、SR が記憶されていることになる。
【0065】
次に、後述する信頼性指数を算出する場合に使用する最小相関値F(x)の前後のシフト位置での下記相関値FM ,FP を求める(ステップS10)。
【0066】
【数1】
Figure 0004398020
【0067】
そして相関演算の信頼性を判定する為の信頼性指数SKを計算する(ステップS11)。この信頼性指数SKは最小相関値F(x)と2番目に小さい相関値FP (またはFM )との和を被写体データのコントラスト相当の値(FM −F(x)又は、FP −F(x))で規格化した数値であり式(4)又は式(5)により求められる。
【0068】
【数2】
Figure 0004398020
【0069】
次に、信頼性指数SKが所定値α以上か否かを判定し(ステップS12)、SKがα以上の場合は(YES)、信頼性が低いと判断して、検出不能フラグをセットする(ステップS13)。一方、SKがαに満たない場合は(NO)、信頼性があるものと判断して、像ずれ量ΔZを計算する(ステップS14)。例えば3点補間の手法を用いて連続的な相関量に対する最小値FMIN =F(x0)を与えるシフト量x0を次式で求める。
【数3】
Figure 0004398020
【0070】
なお、上記シフト量x0を用いて、像ずれ量ΔZを式(8)により求めることができる。
ΔZ=x0−ΔZ0 …(8)
(但し、ΔZ0は合焦時の像ずれ量)。
【0071】
また上式で求めた像ずれ量ΔZから、被写体像面の予定焦点面に対するデフォーカス量ΔDを式(9)で求めることができる。
【数4】
Figure 0004398020
【0072】
このようにして選択された複数の測距エリアについてそれぞれデフォーカス量を算出する。そして、例えば複数の測距エリアのうちから最も近距離を示すデフォーカス量を選択する。
【0073】
さらに、選択されたデフォーカス量ΔDからレンズ駆動量ΔLを式(10)により求める。
【数5】
Figure 0004398020
【0074】
そして上記レンズ駆動量ΔLに基づいてフォーカスレンズの駆動を行なうことにより合焦状態を得ることができる。
【0075】
(II) 被写体像位置を予測するための原理:
図12(a)〜(d)に示された移動する被写体に対する焦点検出の原理を説明する。
【0076】
この図12において、被写体66、カメラ10及びエリアセンサ23の関係をみると、例えば図12(a)に示すように、カメラ10に向かって被写体66が真っ直ぐに近づいてくる(矢印G3方向)場合、前述した焦点検出の原理により、第1(L)及び第2センサ(R)上の第1及び第2の被写体像は、時刻t0から時刻t1の間に互いに外側へ移動する。この場合、被写体像の移動量ΔXL とΔXR は等しい。
【0077】
また、図12(b)に示すように、カメラ10に向かって被写体66が光軸と直交する横方向(矢印G1方向)に平行移動する場合、2つの被写体像は同じ向きに移動する。この場合、被写体像の移動量ΔXL とΔXR は等しい。
【0078】
さらに、図12(c)に示すように、カメラ10に向かって被写体66が左手前に近づく(矢印G4方向)場合、第1の被写体像(L)は近づいてくることによる外側への移動量と、左に平行移動することによる左側への移動量が相殺されて移動量は小さくなる。
【0079】
同様に、図12(d)に示すようにカメラ10に向かって被写体66が左後方に遠ざかる場合は、第1の被写体像(L)は遠ざかることによる内側への移動量と、左に平行移動することによる左側への移動量が相殺されて移動量は小さくなる。一方、第2の被写体像(R)は遠ざかることによる内側への移動量と、左に平行移動することによる左側への移動量が加算されて移動量は大きくなる。
【0080】
ここで、時刻t0から時刻t1の被写体像を基に、後述する相関演算等を行う手段により第1及び第2被写体像の移動量ΔXL 、ΔXR を検出して、右方向への移動を+とする符号をつけると、光軸方向の被写体像の移動量はΔXR −ΔXL 、横方向の被写体像の移動量はΔXR +ΔXL で求めることができる。よって、時刻t0から時刻t1までの被写体像の移動量ΔXR 、ΔXL が求まれば、時刻t2での被写体像の位置を予測することができる。
【0081】
被写体が一定の速度で動いているとすると、横方向の被写体像の移動速度は定速度となる。尚、光軸方向への被写体像の移動速度は、厳密には定速度にはならないが、微小な時間間隔では定速度と考えてよい。
従って、時刻t0での第1被写体像の予測位置は、時刻t1の被写体像位置より式(11)に示されるΔXL′だけ移動している。すなわち、
【数6】
Figure 0004398020
【0082】
同様に、第2被写体像の予測位置は式(12)に示されるΔXR′だけ移動する。
【0083】
【数7】
Figure 0004398020
【0084】
また時刻t1での第1、第2被写体像の像ずれ量をΔZとすると時刻t2での予測像ずれ量ΔZ′は式(13)のように求められる。
【数8】
Figure 0004398020
【0085】
そしてこの予測像ずれ量ΔZ′に基づいて、レンズ駆動量を求める。時刻t2を露光開始までの時間とすることにより、移動する被写体に対してピントの合った写真を得ることができる。この時、ΔXR −ΔXL の符号によって、被写体が接近しているのか、遠ざかっているのかを判断しておく。ΔXR −ΔXL >0であれば、被写体は接近していることになる。
【0086】
次に、被写体像の移動を求めるための相関演算と、その信頼性判定について説明すると、時刻t0での被写体像L′(I),R′(I)と前述した二像間の相関演算により求められた相関ブロックSLM′,SRM′、相関性係数SK′、像ずれ量ΔZ′はそれぞれ、コントローラ40内のRAM42に記憶される。その後、時刻t1での被写体像信号L(I),R(I)を検出する。
【0087】
次に、図13に示す被写体像の移動と、図14に示すフローチャートを参照して、移動量検出について説明する。
【0088】
まず、第1の被写体像信号について、時刻t0での被写体像信号L′(I)と時刻t1での被写体像信号L(I)について相関演算を行なう。これは、被写体像の移動を検出する「移動量検出」ルーチンにおいては、まず変数SL にSLM′−10を代入する(ステップS21)、また変数Jは相関範囲をカウントする変数であり、初期値として、20を代入する(ステップS22)。
【0089】
次に、式(14)の相関式により相関出力F(s)を計算する(ステップS23)。
【0090】
【数9】
Figure 0004398020
【0091】
続いて、前述した相関演算と同様に、F(s)とFMIN を比較し(ステップS24)、この比較で、F(s)がFMIN より小さければ(YES)、FMIN にF(s)を代入し、且つSL をSLMに記憶する(ステップS25)。この場合、相関をとるブロックの素子数は前述した像ずれ量を求める時のブロックの素子数と同じ27である。しかし、F(s)がFMIN より大きければ(NO)、次のステップS26に移行する。
【0092】
次にSL に1を加算し、Jからは1を減算する(ステップS26)。そしてJ=0か否かを判定し、Jが0でなければ(NO)、J=0となるまで上記ステップS23に戻り、相関式F(s)を繰り返す。このように、±10素子まで相関範囲を変化させて相関をとっていくが、この相関範囲は検出したい移動量範囲により決定される。しかし、J=0となった場合(YES)、信頼性の判定を行なう。
【0093】
すなわち、前述した第1、第2被写体像の像ずれ量を求める時と同様に、最小相関値F(X)の前後のシフト量での相関値FM 、FP を式(15)及び式(16)により求める(ステップS28)。
【0094】
【数10】
Figure 0004398020
【0095】
次に、信頼性指数SKを前述した式(4)と式(5)により求める(ステップS29)。そして、SK>βか否かを判定する(ステップS30)。この判定でSK≦βの時は(NO)、信頼性ありと判断して、移動量を求める(ステップS31)。但し、値βは、第1、第2被写体像の像ずれ量を求める時の判定値αよりも大きな値とする。これは、被写体が移動していると波形が変形する場合が多いので相関性が悪くなる可能性が大きいはずである。
【0096】
そして、被写体像の移動量ΔXL を求める。前述した第1、第2被写体像の像ずれ量の計算時と同様に3点補間の手法により、式(17)及び式(18)により求める。
【数11】
Figure 0004398020
【0097】
一方、上記ステップS30の判定において、SK>βの関係であれば(YES)、信頼性がないと判別して、検出不能フラグを設定する(ステップS31)。
【0098】
第2被写体像R(I),R′(I)についても、詳細は省略するが、同様の移動量検出ルーチンを実行し、相関が最も高いブロック位置SRM、移動量ΔXR を求める。
第1、第2の被写体像の移動量ΔXL 、ΔXR が求められると、時刻t1での像ずれ量ΔZ′は、時刻t0の時の像ずれ量ΔZより式(19)のようにして求められる。
【数12】
Figure 0004398020
【0099】
時刻t0の像ずれ量ΔZに基づく、時刻t2での像ずれ量ΔZ″の予測式は式(20)のようになる。
【数13】
Figure 0004398020
【0100】
時刻t2を後述する方法で求めて、ΔZ″に基づいた量だけレンズ駆動することにより、時刻t2において、移動している被写体にピントを合わせることができる。
【0101】
なお、被写体像の移動速度v=(ΔXR −ΔXL )/(t1−t0)が大きすぎる場合は、検出値に信頼性がないものとして像ずれ量の予測はしない。また、被写体像の移動速度が小さく検出誤差と見なされる場合は、移動速度を0にする。
【0102】
(III) 像ずれ量予測時刻t2の予測式:
ここで、像ずれ量を予測する時刻t2を求める方法について述べる。
前述したように、時刻t2の像ずれ量ΔZ″は時刻t1の像ずれ量ΔZ、時刻t0から時刻t1の被写体像の移動量ΔXR 、ΔXL を用いて式(20)により求められる。
【0103】
いま、露出時に合焦状態になるような時刻t2を式(21)で求める。
【数14】
Figure 0004398020
【0104】
この式において、tdは、時刻t1からレンズ駆動を開始するまでの時間であり、この値には前述した相関演算時間等のカメラ内部での処理時間が含まれる。ここで、keは、像ずれ量ΔZ″に比例したレンズ駆動時間を求める変換係数である。レンズ駆動量ΔLは、像ずれ量ΔZ″に基づいて式(9)及び式(10)により求められるが、像ずれ量ΔZ″が充分に小さい領域においてはデフォーカス量ΔD、レンズ駆動量ΔLは像ずれ量ΔZ″に比例すると近似するので、精度的に問題はない。teは、レンズ駆動終了からシャッタ幕が開放されて露出が開始されるまでの時間であり、カメラの露出演算、絞り制御、ミラーアップ等の時間を含む。
【0105】
上記式(20)と式(21)を解くことで、予測像ずれ量を求める式(22)が次のように導かれる。
【数15】
Figure 0004398020
【0106】
このΔZ″から、式(9)及び式(10)にてレンズ駆動量ΔLを求めてレンズ駆動を行なうことにより、移動している被写体に対して露出時に合焦状態とすることができる。
【0107】
次にレンズ駆動終了時の合焦となるような時刻t2は式(23)で求まる。
t2=t1+td+ke・ΔZ″ …(23)
同様に式式(20)及び式(23)を解いて、次のような式(24)が導かれる。
【数16】
Figure 0004398020
このΔZ″から、式(9)及び式(10)にてレンズ駆動量ΔLを求めてレンズ駆動を行なうことにより、移動している被写体に対してレンズ駆動終了時に合焦状態とすることができる。
【0108】
次に、図15に示すフローチャートを参照して、この実施形態における具体的な動作プログラムについて説明する。なお、「AF検出」ルーチンは、カメラの電源がオン状態の期間は繰り返し実行されているものとする。
まず、エリアセンサ23の積分動作を実行し、積分が終了するとエリアセンサ23より被写体像データ(以下、センサデータと称する)を読み出す(ステップS41)。
【0109】
次に、被写体像ずれ量(以下像ずれ量)が検出されたか否かを判定する(ステップS42)。この判定で検出されていない場合は(NO)、前述した「像ずれ量検出」ルーチン(図11参照)により像ずれ量を求める(ステップS43)。ここでは、エリアセンサ23a,23b上の予め設定されている所定の測距エリアについて、像ずれ量を検出する。但し、予め設定されている測距エリアは、例えば撮影者により選択された1個の測距エリア若しくは、全測距エリアであってもよい。
【0110】
次に、上記所定の測距エリアに対して、全て像ずれ量検出を終了したか否かを判定し(ステップS44)、まだ終了していない場合は(NO)、上記ステップS43に戻り、次の測距エリアの像ずれ量検出を行なう。
一方、全所定の測距エリアの像ずれ量検出が終了した場合は(YES)、所定のアルゴリズム、例えば最至近選択に基づいて測距エリアの選択を行なう(ステップS45)。以下、選択された測距エリアam,bmとしての説明を行なう。
【0111】
次に、像ずれ量が検出不能、すなわち所定測距エリアについて全て検出不能であるか否かを判定する(ステップS46)。この判定において、検出可能な場合は(YES)、像ずれ量検出可能フラグがセットされ(ステップS47)、更に像ずれ量検出済フラグがセットされる(ステップS48)。
【0112】
一方、上記ステップS46において、全て検出不能であると判定された場合は(NO)、像ずれ量検出不能フラグをセットし(ステップS49)、像ずれ量検出済フラグをクリアする(ステップS50)。そして、上記像ずれ量検出済フラグをセット若しくはクリアした後、像移動量検出済フラグをクリアし(ステップS51)、図18にて後述するメインルーチンにリターンする。
また上記ステップS42の判定において、既に像ずれ量が検出していた場合は(YES)、以下のように第1、第2の被写体像毎に被写体像の時間に対する移動量を検出する。まず、上記ステップS45で選択された測距エリアamを初期測距エリアとして設定する(ステップS52)。
【0113】
次に、測距エリアamの第1被写体像について前回(時刻t0)の像ずれ量検出で記憶しておいたセンサデータと、今回(時刻t1)のセンサデータとの相関演算を行い、移動量を検出する(ステップS53)。これは、図14に示した移動量検出ルーチンによる。
【0114】
そして、第1被写体像の移動量が検出できたか否かを判定する(ステップS54)。この判定で、移動量が検出できなかった場合は(NO)、第1、第2被写体像間の像ずれ量は、0であるとされ、測距エリアam近傍の測距エリアについて、すべての測距エリアが設定されているか否かを判別する(ステップS55)。この判定で、近傍の全測距エリアについてのシフトが終了していない場合は(NO)、今回(時刻t1)における測距エリアを所定の順序に従ってシフトし、次の測距エリアにシフトして設定する(ステップS56)。尚、ここで言う所定の順序とは、図16(a)〜(e)に順に示すように、エリアセンサ23a上の初期測距エリアanを中心にして矢印が示すように、anの近傍の水平方向と垂直方向に測距エリアをシフトしていくことである。このような順序で処理する理由は、被写体の上下動や左右方向の移動の影響でエリアセンサ23上の被写体像が水平方向と垂直方向に移動することに対応させるためである。即ち、an近傍の測距エリアを含めて被写体の像移動を検出する。その後、上記ステップS53に戻り、設定された新しい測距エリアについて、再度第1被写体像移動量を検出する。このようにして第1被写体像の位置を探索していく。
【0115】
しかし、上記ステップS55の判定において、近傍の全ての測距エリアにて設定が終了したならば(YES)、後述するステップ59に移行する。
また上記ステップS54の判定において、第1被写体像の位置が検出でき、さらに時刻t0からt1の移動量が検出できた場合は(YES)、第1被写体移動量が検出できた測距エリアakに対応するエリアセンサ23bの測距エリアbkについて第2被写体像に対する移動量を検出する(ステップS57)。これは、図14の「移動量検出」ルーチンを参照する。尚、このとき、第1被写体像の移動量が検出できた時刻t1における測距エリアをakとする。
【0116】
ここで測距エリアのシフトが発生した場合には、像移動量として測距エリア間のシフト量(例えば、中心間距離の画素数換算値)がΔXL 、ΔXR に加算される。
【0117】
このようにして第1、第2の被写体像の両方の移動量が検出できたときには、被写体像の光軸方向の移動速度vが次式から計算される(ステップS58)。
【数17】
Figure 0004398020
【0118】
そして、検出する所定の測距エリアについて、全ての移動速度演算が終了しているかを判定し(ステップS59)、演算が終了していなければ(NO)、測距エリアanについて、移動速度の検出が終了しているため、次に測距エリアan+1を設定して(ステップS60)、上記ステップS53に戻る。
【0119】
上記ステップS59の判定において、全ての移動速度演算が終了していれば(YES)、計算されたこの移動速度vを所定速度vthと比較して、被写体が光軸方向に移動しているか否かを全測距エリアで判定し(ステップS61)、光軸方向に移動していると判定[動体判定]できる場合は(YES)、被写体移動中フラグをセットする(ステップS62)。しかし、移動していないと判定された場合は(NO)、被写体移動中フラグをクリアして(ステップS63)、上記ステップS43に戻り、再び像ずれ量の検出処理からやり直す。
【0120】
そして、上記被写体移動中フラグをセットした後、像移動検出済みフラグをセットして(ステップS64)、移動被写体検出時にどの測距エリアに焦点を合わせるかを後述するアルゴリズムに従って選択し(ステップS65)、メインルーチンにリターンする。
【0121】
次に、図4に示す構成及び図18に示すフローチャートを参照して、本発明の多点自動焦点カメラを適用したカメラのメインルーチンについて説明する。このメイン動作は、制御部30によって起動されるプログラムの制御手順を示すルーチンであり、制御部30の動作開始により実行される。
【0122】
まず、EEPROM35から予め記憶されている測距、測光処理において使用する各種補正データを読み出し、RAM33に展開する(ステップS71)。 そして、1RSWがオンされているか否かを判定し(ステップS72)、オン状態でなければ(NO)、1RSW及び2RSW以外の他のスイッチが操作されているか否かを判定し(ステップS73)、操作されたスイッチがあれば(YES)、そのスイッチに応じた処理を実行し(ステップS74)、その後上記ステップS72に戻る。
【0123】
一方、上記ステップS72において、1RSWがオン状態であれば(YES)、AF動作モードが「シングルAF」か否かを判定する(ステップS75)。この判定で、シングルAFモードであった場合は(YES)、一度合焦すると、フォーカスロックを行いレンズ駆動しないため、次に合焦済みか否かを判定する(ステップS76)。しかし、シングルAFモードではない場合は(NO)、コンティニュアスAFモードであるものとみなし、一度合焦した後も被写体の変化に追従してAF駆動を繰り返すようにするために、後述する上記ステップS77に移行する。
【0124】
上記ステップS76において、合焦済みであれば(YES)、AF駆動が行われず、上記ステップS72に戻る。しかし、合焦していない場合(NO)、或いはコンティニュアスAFモードの場合には、測光済みか否かを判定し(ステップS77)、測光済みでなければ露出量を決定するために測光部39を動作させて被写体輝度を測定する測光動作を行なう(ステップS78)。
【0125】
次に、前述したサブルーチン「AF検出」が実行される(ステップS79)。このAF動作の結果、前述した検出不能フラグを参照して像ずれ検出不能か否かを判別する(ステップS80)。この判別で、像ずれ検出可能の場合は(NO)、被写体像の移動量が検出済みか否かを判定する(ステップS81)。一方、像ずれ検出不能の場合は(YES)、フォーカスレンズ12aを駆動しながらAF検出可能なレンズ位置を探すスキャン動作を行ない(ステップS82)、上記ステップS72に戻る。このスキャンが行なわれた場合は、全てのフラグがクリアされてAF検出が再び最初からやり直される。
【0126】
また、上記ステップS81において、被写体像の移動量が検出済みの場合は(YES)、像ずれ量の予測が行われる。まず、2RSWがオンされているか否かを判定し(ステップS83)、2RSWがオンされていた場合は(YES)、露光開始時の像ずれ量が予測される(ステップS84)。一方、2RSWがオフしていた場合は(NO)、AF動作を行なうだけなので、レンズ駆動終了時の像ずれ量が予測され(ステップS85)、後述するステップS87の合焦判定に移行する。
【0127】
また上記ステップS81において、被写体像の移動量が検出済みでない場合は(NO)、被写体が移動中であるか否かを判定する(ステップS86)。この時点で、像移動検出済みフラグは後述するように、レンズ駆動された後(ステップS87)、クリアされ、コンティニュアスAFモードでレンズ駆動後は像移動検出されていなくても被写体移動中フラグがセットされているので、ステップS72に戻り、被写体像移動を再度検出し直す。
【0128】
一方、移動中ではない場合は(NO)、検出された像ずれ量、または予測された像ずれ量をデフォーカス量に変換して、合焦許容範囲に像が入っているか否かを判定する(ステップS87)。この判定で、合焦していると判定されなかった場合は、必要なレンズ駆動量が求められ、フォーカスレンズが駆動される(ステップS88)。レンズ駆動ルーチン内では、そのレンズ駆動後に像ずれ検出済みフラグ、像ずれ検出不能フラグおよび像移動検出済みフラグをそれぞれクリアする。このクリア処理は、一度フォーカスレンズを駆動した後には、被写体像が大きく変化すると考えられるので、AF検出を最初からやり直すためである。尚、前述したように、被写体像移動中フラグだけは、ここではクリアしない。この理由は、コンティニュアスAFモードでレンズ駆動後に最初のAF検出で合焦判定してしまわないようにして、引き続き被写体の移動を検出するようにするためである。
【0129】
上記ステップS87において、合焦状態である判定の場合は(YES)、2RSWのオン・オフ状態を判別する(ステップS89)。ここで、2RSWがオンされていれば(YES)、上記RAM33に格納されている測光値に基づいて絞りとシャッタを制御して露出動作を行なう(ステップS90)。そして撮影したフィルムを巻き上げて、次のコマの位置に給送し(ステップS91)、一連の撮影動作を終了する。
【0130】
以上説明したように、第1の実施形態では、エリアセンサ上において、像分割方向及び、その像分割方向に対して垂直方向の両方向について被写体像の位置を検出しているため、上下方向の移動及び左右方向の移動のある移動被写体であっても、その被写体像位置を検出することができ、予測制御が可能となり正確にピントを合わせることができる。
【0131】
次に図19に示すフローチャートを参照して、図15に示したステップS65における被写体が動体であった時の測距エリア選択について説明する。
【0132】
まず、初期の測距エリアを設定する(ステップS101)。例えば、図7に示した測距エリアP1を設定する。
【0133】
次に、設定した測距エリアに対して、像移動の検出が可能であったかを判定する(ステップS102)。この判定で、像移動が検出可能な場合(YES)、設定した測距エリアで検出された像移動速度が最大限界値(像移動速度>最大限界値)を超えているか否かを判定する(ステップS103)。この最大限界値とは、カメラの持つ動体合焦性能で決まり、EEPROM35に格納されている。従って、像移動速度がこの限界値を超えていると合焦できないこととなる。
【0134】
この判定で、像移動速度が最大限界値を超えていなかった場合(NO)、設定した測距エリアで検出された像移動速度がこれまでで最大であるか否かを判定する(ステップS104)。
【0135】
そして、像移動速度がこれまでで最大であれば(YES)、この測距エリアをRAM33に記憶して、全測距エリアの設定が終了したか否かを判定する(ステップS106)。
【0136】
一方、前述したステップS102の判定で、像移動が検出不可能な場合(NO)、ステップS103の判定で像移動速度が最大限界値を超えていた場合(YES)及び、ステップS104の判定で像移動速度がこれまでで最大でなかった場合は(NO)、上記ステップS106に移行する。
【0137】
そしてステップS106の判定で全測距エリアの設定が終了した場合は(YES)、限界値以内で最大の移動速度が検出されたので、その測距エリアを選択された測距エリアとして設定し(ステップS107)、メインルーチンへリターンする。しかし、ステップS106の判定で、全測距エリアの設定が終了していなければ(NO)、次の測距エリアを設定して(ステップS108)、上記ステップS102に戻る。
【0138】
以上説明したように、第1の実施形態の効果として、撮影画面内で最も手前にある移動被写体に合焦することができる。
【0139】
次に、本発明の多点自動焦点カメラに係る第2の実施形態について説明する。
【0140】
前述した第1の実施形態では、最大移動速度が検出された測距エリアを選択することによって、図17に示した構図例における移動被写体の先端部(電車の前面)に合焦させていた。この第2の実施形態では、全測距エリアの速度分布を求め、さらに被写体の移動方向によって、選択する測距エリアを変更するものである。
【0141】
図20を参照して、全測距エリアの速度分布とその速度分布の変化について説明する。図20(a)〜(c)は、例えば、図7に示すような25点の測距エリアに分割された測距領域において、図17(a)に示す構図を測距した場合に、図15のステップS58において演算される速度分布の例を示している。
【0142】
まず、図20(a)においては、測距エリアP1〜P5と測距エリアP21〜P25は、背景を測距しているため、移動速度は”0”であり、測距エリアP6,P7,P10,P11、P15,P16,P20も、それぞれ電車の上下領域を測距しているため、移動速度は”0”である。
【0143】
その他の測距エリアP8,P9,P12,P13,P14,P17,P18,P19は、移動する電車が存在する領域であるため、移動速度V1〜V3が計測される。
【0144】
ここでは、カメラとの距離が近い電車の先頭を撮像している測距エリアの移動速度V3が最大となり、電車の側面から後尾にかけて撮像している測距エリアの速度V1が最小になる。
【0145】
図20(b)は、図20(a)よりt1時間後の速度分布の例であり、即ち、電車がさらにカメラに近づいてきたシーンとなる。このため、図20(a)では移動速度”0”であった測距エリアP22,P23,P24が移動速度V4に急峻に変化する。図20(c)では、図20(a)よりt2時間後の速度分布の例である。但し、t1<t2である。
【0146】
図17(a)に示す電車が紙面右側に移動しているために、速度が観測される測距エリアも右に移動する。また電車がカメラに徐々に接近するために徐々に移動速度が速くなる。もし、電車が紙面左側に移動していれば逆になる。
【0147】
次に、図21に示すフローチャートを参照して、第2の実施形態における図15に示したステップS65における動体時測距エリア選択について説明する。この第2の実施形態のその他のルーチンは、前述した第1の実施形態における他のフローチャートと同じであり、ここでの説明は省略する。
【0148】
まず、初期の測距エリアを設定する(ステップS111)。例えば、図7に示した測距エリアP1を設定する。
【0149】
次に、設定した測距エリアに対して、像移動の検出が可能であったかを判定する(ステップS112)。この判定で、像移動が検出可能な場合(YES)、設定した測距エリアで検出された像移動速度が最大限界値(像移動速度>最大限界値)を超えているか否かを判定する(ステップS113)。この最大限界値とは、カメラの持つ動体合焦性能で決まり、EEPROM35に格納されている。従って、像移動速度がこの限界値を超えていると合焦できないこととなる。
【0150】
この判定で、像移動速度が最大限界値に満たなかった場合(NO)、合焦可能なので、次に測距エリアで検出された像移動速度が最小限界値(像移動速度<最小限界値)に満たないか否かを判定する(ステップS114)。この判定値は、図15のステップS61の移動判定値とほぼ同じで、移動していると判定できるか否かの基準値である。この判定で像移動速度が最小限界値を越えていた場合は(NO)、即ち、移動する被写体であると判定された場合には、像移動速度が最小値であるか否かを判定する(ステップS115)。この判定で、像移動速度が最小値でなかった場合(NO)、この像移動速度が最大値であるか否かを判定し(ステップS116)、この像移動速度が最大値であれば(YES)、この像移動速度を速度最大の測距エリアとして記憶する(ステップS117)。一方、ステップS115の判定で像移動速度が最小値であった場合には(YES)、この像移動速度の速度最小の測距エリアとして記憶する(ステップS118)。
【0151】
これらの測距エリアを記憶した後、全測距エリアの設定が終了したか否かを判定する(ステップS119)。
【0152】
一方、上記ステップS112の判定で像移動が検出不可能な場合(NO)、上記ステップS113の判定で像移動速度が最大限界値を越えていた場合(YES)、上記ステップS114の判定で移動速度が最小限界値に満たなかった場合(YES)、若しくは上記ステップS116の判定で像移動速度が最大値でなかった場合(NO)には、それぞれ上記ステップS119に移行する。
【0153】
上記ステップS119の判定において、全測距エリアの設定が終了していなければ(NO)、次の測距エリアを設定して(ステップS120)、上記ステップS112に戻る。しかし、全測距エリアの設定が終了した場合は(YES)、被写体がカメラに接近しているか否かを判定する(ステップS121)。
【0154】
この判定で、被写体が近づいている場合には(YES)、最大の移動速度が検出された測距エリアを選択した測距エリアとして設定する(ステップS122)。しかし、被写体が遠ざかっている場合には(NO)、最小の移動速度が検出された測距エリアを選択した測距エリアとして設定する(ステップS123)。
【0155】
そして、それぞれ設定した後、メインルーチンへリターンする。
【0156】
本実施形態によれば、移動する被写体の移動方向とその移動速度を検出して、その最大値若しくは最小値となる被写体の端部に合焦することができる。
【0157】
また、第2の実施形態の変形例として、受光素子を1つのエリアセンサに代わって、複数のラインセンサを配列して用いてもよい。前述した各実施形態では、15点の全測距エリアを用いた例で説明したが、タイムラグを短縮する観点から考えて、設定された撮影モードなどにより使用する測距エリアを間引いたりしてもよい。
【0158】
例えば、シャッタ優先モードなどに設定された場合に、動きの遅い被写体等の撮影で設定されたシャッタ速度に応じて、撮影画面の周辺に配置された測距エリアなどを間引いたりすることができる。この場合には、図7に示した測距エリアの分割の仕方が異なるのみである。
【0159】
または、使用する複数の測距エリアをグループ分けしてひとまとめにしてもよし、撮影モードに応じてあるパターンを描くように、使用する測距エリアを選択してもよい。
【0160】
さらに、移動速度検出方法としては、前述した各実施形態で説明した以外の方法でもよい。例えば、図15のステップS43において検出される像ずれ量の時間変化を演算してもよい。
【0161】
以上説明したように、本発明の多点自動焦点カメラによれば、複数の測距点を有するカメラで移動被写体を撮影した場合に、移動被写体の先端に合焦させることによって、中途半端な位置に合焦しない写真が得られる。
【0162】
以上の実施形態について説明したが、本明細書には以下のような発明も含まれている。
【0163】
(1)撮影画面内に複数の測距エリアが配置され、この撮影画面内を移動する被写体の焦点検出を行う機能を備える多点自動焦点カメラにおいて、
各測距エリアから検出された計時変化に伴う出力値による分布変化から、撮影画面内を移動する被写体の移動速度とその移動方向を検出する像移動演算部と、
上記像移動演算部により得られた像移動速度に基づき、上記被写体の動体判定を行い、動体であれば上記像移動速度が合焦不能な最大限界値に満たないうちの最大の像移動速度が算出された測距エリアを合焦位置として選択する測距エリア選択部と、
を具備することを特徴とする多点自動焦点カメラ。
【0164】
(2)上記多点自動焦点カメラにおいて、
上記測距エリア選択部は、さらに動体である上記被写体の像移動速度が合焦不能な最大限界値と最小限界値との範囲内であるか判定し、上記範囲内であれば、カメラに向かう移動方向の時には最大速度を示す測距エリアを合焦位置として選択し、カメラから遠のく移動方向の時には最小速度を示す測距を合焦位置として選択する機能を有することを特徴とする上記(1)項に記載の多点自動焦点カメラ。
【0165】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、撮影画面内に複数の測距エリア(焦点検出領域)が配置され、移動する被写体に合焦させる場合に、近づく移動には動きが最も速い測距エリアに合焦し、遠ざかる移動には動きが最も遅い測距エリアに合焦することにより、移動する被写体の移動方向に応じた先端部に合焦させて、中途半端な位置に合焦しない写真を得ることができる焦点検出機能を備える多点自動焦点カメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多点自動焦点カメラの焦点検出機能における概念的なブロック構成を示す図である。
【図2】本発明による多点自動焦点カメラとして、一眼レフレックスカメラに適用した構成例の断面を示す図である。
【図3】測距を含む光学系を模式的に示す図である。
【図4】図2において説明したカメラの電気制御系を含む機能ブロックを示す図である。
【図5】図4に示したエリアセンサの具体的な回路構成を示す図である。
【図6】エリアセンサの画素ユニットの具体的な回路構成を示す図である。
【図7】撮影画面内の検出領域を構成する各測距エリアの配置例を示す図である。
【図8】エリアセンサの蓄積動作について説明するためのタイムチャートである。
【図9】2つのエリアセンサを構成する測距エリアの配置例を示す図である。
【図10】エリア対応するフォトダイオードの配列を直線的に示す図である。
【図11】像ずれ量検出ルーチンに関する処理手順に基づいて説明するためのフローチャートである。
【図12】移動する被写体に対する焦点検出の原理を説明するための図である。
【図13】被写体像の移動について説明するための図である。
【図14】移動量検出ルーチンについて説明するためのフローチャートである。
【図15】AF検出ルーチンについて説明するためのフローチャートである。
【図16】第1の実施形態において被写体像移動量を検出のためのシフトについて説明するための図である。
【図17】撮影画像の構図として、電車がカーブに差し掛かったシーンを例として示す図である。
【図18】本発明の多点自動焦点カメラを適用したカメラのメインルーチンについて説明するためのフローチャートである。
【図19】第1の実施形態における被写体が動体であった時の測距エリアの選択について説明するためのフローチャートである。
【図20】第2の実施形態における撮影画面に配置された全測距エリアの速度分布と速度分布の変化を示す図である。
【図21】第2の実施形態における被写体が動体であった時の測距エリアの選択について説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1…焦点検出部(エリアセンサ)
2…焦点演算部
3…像移動量演算部
4…測距エリア選択部
5…焦点制御部
6…焦点調節部

Claims (1)

  1. 複数の焦点検出領域を持つ多点自動焦点カメラにおいて、
    各焦点検出領域内における被写体像の移動に関する量を演算する像移動演算手段と、
    上記像移動演算手段の演算結果に基づいて、上記複数の焦点検出領域の移動速度分布に関する量を出力する分布出力手段と、
    上記分布出力手段の出力に基づいて、移動被写体の移動方向に応じた移動被写体の先端部に相当する焦点検出領域を判定して優先的に選択する選択手段と、
    上記移動被写体の移動方向を判定する移動方向判定手段と、
    を具備し、
    上記選択手段は、上記移動方向判定手段の出力する移動方向に応じて上記移動被写体が近づいている場合には、上記像移動演算手段において演算された最も像移動の速い焦点検出領域を優先して選択し、且つ上記移動被写体が遠ざかっている場合には、上記像移動演算手段において演算された最も像移動が遅い焦点検出領域を優先して選択することを特徴とする多点自動焦点カメラ。
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