JP2005308960A - 自動焦点調節装置を備えた撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 より高速で高精度な合焦制御を行うことが可能なレンズ交換タイプの撮像装置を提供すること。
【解決手段】 撮影レンズ1により形成される被写体像を撮像素子11上に結像して撮影を行う撮像装置において、撮影レンズ1から入射した光束を用いて位相差検出方式により撮影レンズ1の焦点調節状態を検出する焦点検出手段と、撮影レンズ1に記憶されている焦点検出に関わる製造誤差の補正値を用いて焦点位置を演算する補正演算手段とを含む自動焦点調節装置をカメラ本体8側に備え、製造誤差の補正値は合焦時に予定撮像面に配置された撮像素子11のピント位置に関する出力と、焦点検出手段からのピント位置に関する出力との差分により算出する。
【選択図】 図1
【解決手段】 撮影レンズ1により形成される被写体像を撮像素子11上に結像して撮影を行う撮像装置において、撮影レンズ1から入射した光束を用いて位相差検出方式により撮影レンズ1の焦点調節状態を検出する焦点検出手段と、撮影レンズ1に記憶されている焦点検出に関わる製造誤差の補正値を用いて焦点位置を演算する補正演算手段とを含む自動焦点調節装置をカメラ本体8側に備え、製造誤差の補正値は合焦時に予定撮像面に配置された撮像素子11のピント位置に関する出力と、焦点検出手段からのピント位置に関する出力との差分により算出する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、撮影レンズの着脱交換が可能な撮像装置に関し、特に該撮影レンズの製造誤差を最適に補正した自動焦点調節装置を備えた撮像装置に関するものである。
レンズ交換が可能なデジタル一眼レフカメラの焦点検出装置としては、従来の銀塩フィルム用の一眼レフカメラと同様に、いわゆる位相差検出方式の焦点検出装置が主に用いられている。また、固体撮像素子を有したビデオカメラ等では、いわゆるコントラスト検出方式と呼ばれる撮像信号を用いた焦点検出方式が用いられている。
ここで、位相差検出方式は、撮影光束の一部を2つに分割し、これら2つの光束をそれぞれラインセンサ上に結像させ、ラインセンサ上の2つの像のずれ方向とずれ量を検出することによって予定焦点面(撮影面と共役な面)で合焦させるために必要な焦点調節レンズの移動方向および移動量を算出するものである(例えば特許文献1〜3)。このような位相差検出方式では、合焦に必要な焦点調節レンズの移動方向および移動量を直接算出することができるので、合焦を素早く得ることができる。
また、コントラスト検出方式は、被写体像を撮像するための撮像素子から出力された信号に基づいて生成された映像信号の中から高周波成分を抽出し、この高周波成分のレベルを所定のサンプリング間隔で観察して、高周波成分のレベルがピークに向かう方向に焦点調節レンズを駆動することによって、最終的に高周波成分のレベルが所定のピーク範囲に到達することをもって合焦と判定するものである(例えば、特許文献4)。このようなコントラスト検出方式では、被写体像を撮像する撮像素子からの出力信号に基づいて得られた映像信号を用いて合焦判定を行うので、被写体に対して高精度で合焦を得ることができる。
特開昭55−118019号公報
特開昭58−106511号公報
特開昭60−32012号公報
特開昭59−182409号公報
しかしながら、レンズ交換が可能なデジタル一眼レフカメラにおいて、上記位相差検出方式の焦点検出装置では、十分な合焦精度が得られないおそれがある。その主な理由としては、観察または撮影される像を形成する撮像光学系の光束と焦点検出装置が取り込む光束とが一般に異なることが挙げられる。
また、位相差検出方式の焦点検出装置においては、本来、縦(光軸)方向の収差量によって決定されるべき焦点位置あるいは焦点外れ量を横方向の収差に関連した像のずれに変換して求めているため、撮影光学系に収差がある場合には、収差補正の状態によってその両者に差が生じることが挙げられる。
こうした問題を解決するために、撮影レンズ毎に固有の補正値Cを用いて、例えば焦点外れ量を表す焦点検出信号Dを、
DC=D−C …(1)
により補正するための補正回路を設け、得られた補正焦点検出信号に基づいて撮影光学系の全体もしくは一部を駆動し、最良の結像位置を撮像面と一致させるようにレンズを制御している。
DC=D−C …(1)
により補正するための補正回路を設け、得られた補正焦点検出信号に基づいて撮影光学系の全体もしくは一部を駆動し、最良の結像位置を撮像面と一致させるようにレンズを制御している。
しかし、この補正情報は、同じスペックの製品でも固体の製造バラツキ毎に補正値が異なる。同じ製品を複数持つ場合、どちらも同じ補正値を使って合焦制御を行うため、正確な合焦制御が困難になる。この為に撮影レンズの製造誤差補正は、前記撮影レンズが完成した状態で、基準となるカメラに対して個々に測定して、その補正値を前記撮影レンズ側の揮発性メモリ等に書き込むことが知られている。
しかしながら、補正値を測定するカメラ(以下工具カメラと称する)が、45度クイックリターンミラーを配置した構成であると、機構部が可動するために耐久経時変化や切りムラの影響等で安定した測定値が得にくいといった問題点があった。
そこで本発明は、より高速で高精度な合焦制御を行うことが可能なレンズ交換タイプの撮像装置を提供することを目的としている。
具体的には、焦点検出手段の結果に対して、撮影レンズの製造誤差の補正値を用いて補正演算する自動焦点調節装置において、該製造誤差補正値の測定の際に、可動部を廃し、かつ固体撮像素子からの信号出力を用いた精度の高い工具カメラを用いることで再現性の高い安定した結果を得る手段を提案するものである。
上記の目的を達成するために、本発明では、合焦制御が可能な着脱可能な撮影レンズと撮像面を有したカメラを有し、前記撮影レンズにより形成される被写体像を前記撮像面に結像して撮影を行う撮像装置において、前記撮像装置は、前記撮像レンズから入射した光束を用いて位相差検出方式により前記撮像レンズの焦点調節状態を検出する焦点検出手段と、前記撮影レンズに記憶されている焦点検出に関わる製造誤差の補正値を用いて焦点位置を演算する補正演算手段とを含む自動焦点調節装置を前記カメラ側に備え、前記製造誤差の補正値は合焦時に予定撮像面に配置された個体撮像素子のピント位置に関する出力と、前記焦点検出手段からのピント位置に関する出力との差分により算出したことを特長とする。
前記撮影レンズの製造誤差補正を測定する時のカメラは、工具カメラであり、前記撮影レンズからの光束を予定結像面と等価な位置に配置した固体撮像素子と、前記焦点検出手段とに偏向する固定な半透過分割手段を有していることを特長とする。
前記工具カメラによりチャート像を撮像して補正値を測定算出するには大別して2種類の方式が考えられる。
1)チャートは、光軸方向に奥行きのあるチャートであり、前記焦点検出手段の出力から合焦位置を予測し、前記撮影レンズを前記予測合焦位置まで駆動し、駆動完了後に前記固体撮像素子で撮像し、該撮像した画像情報から合焦位置を算出し、前記撮影レンズの製造誤差の補正値として前記撮影レンズ側に記憶させる方法。
2)チャートは、光軸方向に奥行きのない平面チャートであり、前記撮影レンズを装着した前記工具カメラ全体を光軸方向に前後して前記固体撮像素子の出力から合焦位置を得、該合焦位置での前記工具カメラの焦点検出手段の出力から、前記撮影レンズの製造誤差の補正値として前記撮影レンズ側に記憶させる方法。
1)チャートは、光軸方向に奥行きのあるチャートであり、前記焦点検出手段の出力から合焦位置を予測し、前記撮影レンズを前記予測合焦位置まで駆動し、駆動完了後に前記固体撮像素子で撮像し、該撮像した画像情報から合焦位置を算出し、前記撮影レンズの製造誤差の補正値として前記撮影レンズ側に記憶させる方法。
2)チャートは、光軸方向に奥行きのない平面チャートであり、前記撮影レンズを装着した前記工具カメラ全体を光軸方向に前後して前記固体撮像素子の出力から合焦位置を得、該合焦位置での前記工具カメラの焦点検出手段の出力から、前記撮影レンズの製造誤差の補正値として前記撮影レンズ側に記憶させる方法。
上記2方式を比較すると、1)は1回の測定で完了する利点があるが2)は合焦位置の判定の精度が高い利点があり、目的に応じて使い分けることが可能である。
以下に本発明の詳細な理解のために、実施例に沿って詳述する。
以上説明したように、本発明によれば、撮影レンズの合焦位置と焦点検出装置の合焦判定位置の差を個体差を含めて補正するとき、クイックリターンミラーの如きカメラの可動機構を廃した構成のカメラ工具を用いて製造誤差補正値を極めて高い精度で測定することができる。
すなわち光路分岐の反射側に固体撮像素子を配置して常に映像信号を取り出すことができるようにし、立体チャートの映像をデジタル的に画像処理することで、ディフォーカス撮影に相当する動作を一回の撮影で完結することができる。
特に、半透過偏向手段が固定であることで、
・常に映像信号が取り出せる
・透過後に配置された焦点検出手段に対し、主ミラーやサブミラーの経時位置変化による測距エラーの改善
といった目覚しい効果が得られる。
特に、半透過偏向手段が固定であることで、
・常に映像信号が取り出せる
・透過後に配置された焦点検出手段に対し、主ミラーやサブミラーの経時位置変化による測距エラーの改善
といった目覚しい効果が得られる。
(第1実施形態)
図1には、本発明の実施形態であるデジタル一眼レフカメラシステムの構成を示している。このカメラシステムは、撮影レンズ1と、この撮影レンズ1の着脱交換が可能なデジタル一眼レフカメラ(撮像装置:以下、カメラ本体という)8とから構成されている。
図1には、本発明の実施形態であるデジタル一眼レフカメラシステムの構成を示している。このカメラシステムは、撮影レンズ1と、この撮影レンズ1の着脱交換が可能なデジタル一眼レフカメラ(撮像装置:以下、カメラ本体という)8とから構成されている。
同図において、撮影レンズ1内には、対物レンズとしての撮影光学系2が収容されている。撮影光学系2は、1又は複数のレンズ群から構成され、その全てもしくは一部を移動させることで焦点距離を変化させたり、フォーカス調節を行ったりすることができる。
3はフォーカス調節のために撮影光学系2内の焦点調節レンズ(図示せず)を駆動するフォーカス駆動ユニットであり、4は焦点調節レンズの位置を検出するためのフォーカス位置検出器4である。
6はROM等からなる記憶回路であり、レンズの個体識別情報と設計上の合焦補正情報を記憶する。5は撮影レンズ1の全体の制御を司るCPU等からなるレンズ制御回路5である。
なお、図示はしないが、撮影レンズ1内には、変倍のために撮影光学系2内の変倍レンズ(図示せず)を駆動するためのズーム駆動ユニット、絞りユニット(図示せず)、変倍レンズや絞り位置を検出するための検出器が収容されている。
ここで、フォーカス位置検出器4としては、例えば、焦点調節レンズを光軸方向に移動させるために回転又は移動する鏡筒に設けられたエンコーダ用の電極と、これに接触する検出用の電極等を用いて構成され、焦点調節レンズの位置又は基準位置からの移動量に対応する信号を出力するものが用いられている。但し、フォーカス位置検出器4としてはこれに限らず、光学式や磁気式等の各種検出器を用いることができる。
一方、カメラ本体8内には、撮影光路に対して進退可能な主ミラー9と、撮影光路内に配置された主ミラー9で上方に反射した光により被写体像が形成される焦点板17、焦点板17に形成された被写体像を反転するペンタプリズム18および接眼レンズ19からなるファインダ光学系とが収容されている。
さらに、主ミラー9の背面側には、ハーフミラーである主ミラー9を透過した光束を下方に導くサブミラー10が、主ミラー9とともに撮影光路に対して進退可能に設けられている。
また、カメラ本体8内には、サブミラー10で反射した光束が導かれる焦点検出ユニット12と、カメラ本体8の全ての制御を司るカメラ制御回路13と、撮影光学系2が形成する被写体像を光電変換するCCD,CMOS等の撮像素子11とが収容されている。
7は撮影レンズ1およびカメラ本体8に備えられた通信接点であり、互いに装着された状態で通信接点7を介して各種情報のやり取りやカメラ本体8側から撮影レンズ1側への電源供給が行われる。
カメラ本体8内には、以下の各手段の機能を制御するカメラ制御回路13が配置される。焦点検出ユニット12から出力される焦点ズレに対し、撮影レンズが有する製造誤差補正値を、通信接点7を介して、撮影レンズ内の記憶回路6から読み出し、演算回路14で補正演算を行う。
前記演算回路14での結果が、ある所定値以下であれば合焦動作を打ち切ることとし、その判定を合焦判定手段16で行う。
カメラ側の記憶回路15では、上記補正演算に必要なカメラ側の個体差等の係数を格納しており、必要に応じて呼び出され演算に用いられる。
図2には、図1に示した焦点検出ユニット12の光学系部分の構成を示している。同図において、27は撮影光学系2から主ミラー9を透過して撮像素子11の撮像面11aに至る光軸である。Pはサブミラー10よる撮像面18に共役な近軸的結像面、21は反射鏡である。22は赤外カットフィルタである。
23は絞りであり、2つの開口部23−1,23−2を有している。24は2次結像系であり、絞り23の2つの開口部23−1,23−2に対応して配置された2つのレンズ24−1,24−2を有している。25は反射鏡であり、26は光電変換素子(センサ)である。この光電変換素子26は、2つのエリアセンサ26−1,26−2を有している。
ここで、サブミラー10は平面ミラーであり、絞り23の2つの開口部23−1,23−2を撮影光学系2の射出瞳付近に投影する働きを持っている。
また。サブミラー10は、必要な領域のみが光を反射するように、ガラス基板の表面にアルミニウムや銀等の金属膜が蒸着されていて、焦点検出を行う範囲を制限する視野マスクの働きを兼ねている。
また、他の反射鏡21,25においても、光電変換素子26上に入射する迷光を減少させるため、必要最低限の領域のみにアルミニウムや銀等の金属膜が蒸着されている。なお、各反射鏡の反射面として機能しない領域には、光吸収性の塗料等を塗布するのがよい。
図3は、図2に示した絞り23を光入射方向から見た図である。絞り23には、横長の2つの開口部23−1,23−2を開口幅の狭い方向に並べた構成となっている。図中に点線で示されているのは、絞り23の開口部23−1,23−2に対応してその光射出側に配置されている2次結像系24の各レンズ24−1,24−2である。
図4には、図2に示した光電変換素子26を光入射方向から見た図である。2つのエリアセンサ26−1,26−2はそれぞれ、この図に示すように2次元的に画素を配列したセンサであり、これらエリアセンサ26−1,26−2は2つ並べられている。
以上のように構成された焦点検出ユニット12およびこれに光を導く光学系では、図2に示すように、撮影光学系2からの光束27−1,27−2が主ミラー9のハーフミラー面を透過した後、サブミラー10によりほぼ主ミラー9の傾きに沿った方向に反射され、反射鏡21によって後方に向きを変えられた後、赤外カットフィルタ22を通って絞り23の2つの開口部23−1,23−2を通る。そして、絞り23の2つの開口部23−1,23−2を通った光束は、2次結像系24のレンズ24−1,24−2により集光され、反射鏡25で下方に向きを変えられて光電変換素子26上のエリアセンサ26−1,26−2にそれぞれ到達する。
図2中の光束27−1,27−2は、撮像面11aの中央に結像する光束であるが、他の位置に結像する光束についても同様の経路を経て、光電変換素子26に達し、全体として撮像素子11上の所定の2次元領域に対応する被写体像に関する2つの領域の光量分布が光電変換素子26の各エリアセンサ26−1,26−2上に形成される。
焦点検出ユニット12は、上記のようして得られた2つの被写体像に関する光量分布に対して、位相差検出方式の検出原理に従って、被写体像の分離方向および分離量、すなわち図4に示す2つのエリアセンサ26−1,26−2上での上下方向における相対的位置関係を、エリアセンサ26−1,26−2上の各位置で算出することで、撮影光学系2の焦点調節状態の検出(以下、焦点検出という)を行い、その結果を焦点外れ量(デフォーカス量)Dとして出力する。
そして、本実施形態では、この焦点外れ量Dに応じて求められる焦点調節レンズの合焦を得るための駆動位置が撮影レンズ1の機種及び個体差毎にできるだけ精度の高い合焦を得るための値となるように、予めレンズ側の記憶回路6には、該レンズ固体の製造誤差補正値が記憶されており、カメラ本体側ではこれを用いて撮影時における最良結像位置と撮像面11aとを一致させるための補正を行う。
そこで、本実施形態では、レンズ側の記憶回路6に記憶されている製造誤差補正値を上記個体差を反映して、より高精度に合焦を得るための値とするため(つまりは、焦点検出ユニット12により検出された焦点外れ量Dに基づくレンズの合焦駆動位置としてより高精度に合焦を得る値を得るため)、撮影レンズ製造時に以下に示すカメラ工具を用いて製造誤差補正値の測定値書き込みを行う。
図5は第1の実施例で用いるカメラ工具の構成を示し、かかる構成の工具を用いた時の第1の測定手順のフローを図6に示す。
図5において、撮影レンズは組み立て完成状態であるとし、各構成は図1と同じ番号を用いている。50はカメラ工具であり、撮影レンズ1の製造誤差補正値を測定して、撮影レンズ1の記憶回路6に書き込むためのものである。
固定な半透過偏向部材57は、撮影レンズ1を通過した像を固体撮像素子58と、焦点検出手段52に分岐するためのものであり、透過した光束は一旦反射ミラー51で折り曲げられる。
カメラ工具本体50内には、以下の各手段の機能を制御するカメラ制御回路53が配置される。焦点検出ユニット52から出力される焦点ズレに対し、撮影レンズが現在有している製造誤差補正値を、通信接点7を介して、撮影レンズ内の記憶回路6から読み出し、演算回路54で補正演算を行う。前記演算回路54での結果が、ある所定値以下であれば合焦動作を打ち切ることとし、その判定を合焦判定手段56で行う。
固体撮像素子58は、実際のカメラの撮像面と等価な位置に置かれているが、半透過偏向部材57は固定であるために、常に固体撮像素子58は画像を取り込むことが可能である。59は取り込んだ画像をストアするバッファメモリであり、この画像のコントラストを算出するコントラスト演算手段60がある。
チャートとしては、測距を行う時に使用されるコントラスト差がある基準バーチャート61が進退可能に配置され、さらに光軸奥行き方向に広がりをもった二次元の立体チャート62を用いる。
かかる構成で、測定の時の手順フローを図6に示す。
最初に、撮影レンズ1をカメラ工具50に装着する(601)。次いで、ズームレンズの場合、焦点距離を所定の状態にセットする。この場合は望遠端の焦点距離状態にする(602)。チャート61までの物体距離を所定の値にセットする。この場合は焦点距離の50倍程度の距離にする(603)。コントラストの高い基準バーチャート61をセットし、所定の光源で照明する(604)。この状態でカメラ工具本体の焦点検出手段52で測距する(605)。合焦判定手段56での結果から焦点ハズレ量が所定値以上の場合、フォーカスレンズを駆動して再度測距を行う。判定結果が所定値であれば次の手順に移る(606)。
基準チャート61を光路外に退避させ、立体チャート62に変更する(607)。次に半透過偏向部材57を固定したままで、固体撮像素子58で撮像する(608)。撮像したデータをバッファメモリ59にストアする。さらに取り込んだ画像からコントラストを演算するコントラスト演算手段60では、図7に示す内容で、合焦位置を判定する。
図7にて、一回に撮像した立体チャート62の画像を縦方向にスキャンした場合、a、b、cは奥行き方向にディフォーカスされたバーチャート像となり、それぞれについて横方向に映像信号を取り出した状態を同図の右上に示している、映像信号の最大値をImax、最小値をIminとしたとき、コトラスト値を(Imax−Imin)/(Imax+Imin)で定義し、コントラスト値が最大の場合が最もピントがあっていると判断できる。
bのバーチャート位置が焦点検出手段52で合焦判定した距離であるので、このチャート像の映像信号のコントラスト値が最大であれば、補正値は適正であり、製造誤差の補正値はゼロでよいことになる。一方、チャート像のコントラスト値の最大がaのチャートであれば、前ピン状態であり、撮影倍率からディフォーカス量を計算して求めることができる(610)。本実施例では焦点検出手段での結果をもとにしているので、撮像信号から判定した合焦位置のズレが、そのまま製造誤差補正値となる(611)。
望遠端の焦点距離状態での測定は完了したが、その他の焦点距離や物体距離で測定を追加する場合には(602)、(603)に戻る(613)。
望遠端の焦点距離状態での測定をもとに広角端の焦点距離状態を予測することで測定を省略する場合には、レンズROM6に書き込みを行い(612)測定を終了する(614)。
(第2実施形態)
図8に、第2実施形態におけるカメラ工具の構成と、その測定手順のフローを図9に示す。
図8に、第2実施形態におけるカメラ工具の構成と、その測定手順のフローを図9に示す。
図8において、本実施例では、チャートは立体チャートではなく、基準バーチャート81のみである。すなわち撮影レンズ1を装着したカメラ工具50全体を前記チャート81に対して前後に微少量移動して、撮影画像を得、合焦位置を求める点が、第1の実施例に対して異なる点である。
カメラ工具本体50は第1の実施例と同じ構成でよいため、同じ符号を使用している。
図9において、その測定手順を詳述する。
最初に、撮影レンズ1をカメラ工具50に装着する(901)。次いで、ズームレンズの場合、焦点距離を所定の状態にセットする。この場合は中間の焦点距離状態にする(902)。チャート81までの物体距離を所定の値にセットする。この場合は焦点距離の30倍程度の距離にする(903)。コントラストの高い基準バーチャート81をセットし、所定の光源で照明する(904)。この状態でカメラ工具本体の焦点検出手段52で測距する(905)。
次に半透過偏向部材57を固定したままで、固体撮像素子58で撮像する(906)。撮像したデータをバッファメモリ59にストアする。さらに取り込んだ画像からコントラスト演算手段60でコントラスト値を算出する(907)。
コントラスト値が前の値と比較して最大であるかを知るために、フォーカスレンズは駆動せずにカメラ工具本体全体をチャート81に対して前後に微小移動させる(909)。
本実施例では、チャート81や、カメラ工具50はレール83を基準に組みつけられており、レール83に対しては、工具雲台82が相対移動する。
ここで、フォーカスレンズは駆動せずに、焦点検出手段52で再度測距を行う(910)。この状態では、固体撮像素子58の映像信号から、合焦位置にいる筈であるから、フォーカスレンズを駆動してしまうと、スタートに戻ってしまう。
本実施例では映像信号のコントラスト演算手段60での結果をもとにしているので、焦点検出手段52から判定した合焦位置のズレが、そのまま製造誤差補正値となる(911)。
中間の焦点距離状態での測定は完了したが、その他の焦点距離や物体距離で測定を追加する場合には(902)、(903)に戻る(913)。
中間の焦点距離状態での測定をもとに広角端や望遠端の焦点距離状態を予測することで測定を省略する場合には、レンズROM6に書き込みを行い(912)測定を終了する(914)。
製造誤差補正値を△def1として得た場合、一般に、ワイド側よりもテレ側のほうがピント敏感度は強いため、焦点距離を比例定数にして、
Δdef2=(f2/f1)2Δdef1 ...(2)
の式によって任意の焦点距離の補正情報を計算する方法でもよい。ここでf1は測定時の焦点距離、f2は予測したい焦点距離の値である。
Δdef2=(f2/f1)2Δdef1 ...(2)
の式によって任意の焦点距離の補正情報を計算する方法でもよい。ここでf1は測定時の焦点距離、f2は予測したい焦点距離の値である。
1 撮影レンズ
2 撮像光学系
3 フォーカス駆動ユニット
4 フォーカス位置検出器
5 レンズ制御回路
6 記憶回路
7 通信接点
8 カメラ本体
9 主ミラ−
10 サブミラー
11 撮像素子
12 焦点検出ユニット
13 カメラ制御回路
14 演算回路
15 記憶回路
16 合焦判定ユニット
17 焦点板
18 ペンタプリズム
19 接眼光学系
2 撮像光学系
3 フォーカス駆動ユニット
4 フォーカス位置検出器
5 レンズ制御回路
6 記憶回路
7 通信接点
8 カメラ本体
9 主ミラ−
10 サブミラー
11 撮像素子
12 焦点検出ユニット
13 カメラ制御回路
14 演算回路
15 記憶回路
16 合焦判定ユニット
17 焦点板
18 ペンタプリズム
19 接眼光学系
Claims (5)
- 合焦制御が可能な着脱可能な撮影レンズと撮像面を有したカメラを有し、前記撮影レンズにより形成される被写体像を前記撮像面に結像して撮影を行う撮像装置において、前記撮像装置は、前記撮像レンズから入射した光束を用いて位相差検出方式により前記撮像レンズの焦点調節状態を検出する焦点検出手段と、前記撮影レンズに記憶されている焦点検出に関わる製造誤差の補正値を用いて焦点位置を演算する補正演算手段とを含む自動焦点調節装置を前記カメラ側に備え、前記製造誤差の補正値は合焦時に予定撮像面に配置された個体撮像素子のピント位置に関する出力と、前記焦点検出手段からのピント位置に関する出力との差分により算出したことを特徴とする自動焦点調節装置を備えた撮像装置。
- 前記製造誤差の補正値は、前記撮影レンズの個体差に応じ、所定の焦点距離状態もしくは所定のフォーカス状態で、特定のカメラ工具によりチャート像を合焦撮影し、前記カメラ工具の予定撮像面に配置された個体撮像素子のピント位置に関する出力と、前記カメラ工具の焦点検出手段からのピント位置に関する出力との差分により算出したことを特徴とする特許請求範囲第1項記載の自動焦点調節装置を備えた撮像装置。
- 前記カメラ工具は、前記撮影レンズからの光束を前記固体撮像素子と、前記焦点検出手段とに偏向する固定な半透過分割手段を有したことを特徴とする特許請求範囲第1から2項記載の自動焦点調節装置を備えた撮像装置。
- 前記チャートは、光軸方向に奥行きのあるチャートであり、前記焦点検出手段の出力から合焦位置を予測し、前記撮影レンズを前記予測合焦位置まで駆動し、駆動完了後に前記固体撮像素子で撮像し、該撮像した画像情報から合焦位置を算出し、前記撮影レンズの製造誤差の補正値として前記撮影レンズ側に記憶させたことを特徴とする特許請求範囲第2から3項記載の自動焦点調節装置を備えた撮像装置。
- 前記チャートは、光軸方向に奥行きのない平面チャートであり、前記撮影レンズを装着した前記工具カメラ全体を光軸方向に前後して前記固体撮像素子の出力から合焦位置を得、該合焦位置での前記工具カメラの焦点検出手段の出力から、前記撮影レンズの製造誤差の補正値として前記撮影レンズ側に記憶させたことを特徴とする特許請求範囲第2から3項記載の自動焦点調節装置を備えた撮像装置。
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---|---|---|---|
JP2004124081A JP2005308960A (ja) | 2004-04-20 | 2004-04-20 | 自動焦点調節装置を備えた撮像装置 |
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