JPH10160778A - 活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法、及びこれを用いた絶縁劣化診断装置 - Google Patents
活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法、及びこれを用いた絶縁劣化診断装置Info
- Publication number
- JPH10160778A JPH10160778A JP8323115A JP32311596A JPH10160778A JP H10160778 A JPH10160778 A JP H10160778A JP 8323115 A JP8323115 A JP 8323115A JP 32311596 A JP32311596 A JP 32311596A JP H10160778 A JPH10160778 A JP H10160778A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- power cable
- insulation deterioration
- current
- frequency
- ground
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Testing Of Short-Circuits, Discontinuities, Leakage, Or Incorrect Line Connections (AREA)
- Testing Relating To Insulation (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 水トリーによる真の劣化信号を意味する極め
て微小な電流成分を検出し、絶縁劣化に対する精度の高
い診断を行う活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法、及
びこれを用いた絶縁劣化診断装置を提供すること。 【解決手段】 活線下で測定対象とする電力ケーブル2
3の金属遮へい層23aと接地間に交流電源12によっ
て商用周波数の整数倍±a(0<a≦10)[Hz]の
周波数の交流重畳信号を印加する第1工程と、略100
[kΩ]乃至略1[MΩ]の抵抗値を有する挿入抵抗を
金属遮へい層23aと接地間に接続する第2工程と、挿
入抵抗を接続した状態で、検出信号12aを測定する第
3工程と、検出信号12a基づいて絶縁劣化の程度を活
線状態で診断する第4工程とを少なくとも有する活線電
力ケーブルの絶縁劣化診断方法、及びこの方法を用いた
絶縁劣化診断装置10。
て微小な電流成分を検出し、絶縁劣化に対する精度の高
い診断を行う活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法、及
びこれを用いた絶縁劣化診断装置を提供すること。 【解決手段】 活線下で測定対象とする電力ケーブル2
3の金属遮へい層23aと接地間に交流電源12によっ
て商用周波数の整数倍±a(0<a≦10)[Hz]の
周波数の交流重畳信号を印加する第1工程と、略100
[kΩ]乃至略1[MΩ]の抵抗値を有する挿入抵抗を
金属遮へい層23aと接地間に接続する第2工程と、挿
入抵抗を接続した状態で、検出信号12aを測定する第
3工程と、検出信号12a基づいて絶縁劣化の程度を活
線状態で診断する第4工程とを少なくとも有する活線電
力ケーブルの絶縁劣化診断方法、及びこの方法を用いた
絶縁劣化診断装置10。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は活線電力ケーブルの
絶縁劣化診断方法、及びこれを用いた絶縁劣化診断装置
に係り、より詳細には、運転状態にある活線下の電力ケ
ーブル、例えばCVケーブルと称される架橋ポリエチレ
ン絶縁電力ケーブルの絶縁劣化を診断する絶縁劣化診断
方法、及びこれを用いた絶縁劣化診断装置に関するもの
である。
絶縁劣化診断方法、及びこれを用いた絶縁劣化診断装置
に係り、より詳細には、運転状態にある活線下の電力ケ
ーブル、例えばCVケーブルと称される架橋ポリエチレ
ン絶縁電力ケーブルの絶縁劣化を診断する絶縁劣化診断
方法、及びこれを用いた絶縁劣化診断装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】絶縁材料、特に高分子材料は、使用中に
種々の原因により、次第にその絶縁性能が低下する、所
謂絶縁劣化現象が生じる。絶縁材料の劣化は使用される
絶縁材料の種類、使用される場所によって劣化の状態が
異なる。この絶縁材料の劣化の状態を知ることは、電力
ケーブルの絶縁破壊事故を予防する上で極めて重要であ
る。
種々の原因により、次第にその絶縁性能が低下する、所
謂絶縁劣化現象が生じる。絶縁材料の劣化は使用される
絶縁材料の種類、使用される場所によって劣化の状態が
異なる。この絶縁材料の劣化の状態を知ることは、電力
ケーブルの絶縁破壊事故を予防する上で極めて重要であ
る。
【0003】架橋ポリエチレンを絶縁材料とするCVケ
ーブルの絶縁劣化は、主に水トリーによることが知られ
ている。従って、CVケーブルの絶縁劣化による絶縁破
壊事故を未然に防ぐには、この水トリーの発生を知るこ
とが重要である。そこで、従来より、布設された電力ケ
ーブルの水トリーを活線下で直流電流成分を検出するこ
とによって検知する電力ケーブルの絶縁劣化診断方法が
開発されている。
ーブルの絶縁劣化は、主に水トリーによることが知られ
ている。従って、CVケーブルの絶縁劣化による絶縁破
壊事故を未然に防ぐには、この水トリーの発生を知るこ
とが重要である。そこで、従来より、布設された電力ケ
ーブルの水トリーを活線下で直流電流成分を検出するこ
とによって検知する電力ケーブルの絶縁劣化診断方法が
開発されている。
【0004】しかし、この電力ケーブルの絶縁劣化診断
方法では、大地からケーブルのシース絶縁抵抗を介して
流れる迷走電流の影響を受け易く、精度のよい測定がで
きない。このため、直流電圧を重畳し、劣化信号を大き
くする電力ケーブルの絶縁劣化診断方法が検討されてい
る。直流電圧を重畳する方法は2つ提案されており、そ
の1つは例えば特開昭59−202078号公報に示さ
れているようにリアクトル或いは接地用変圧器(GP
T)の中性点から重畳する絶縁劣化診断方法であり、他
の1つは例えば特開昭63−139261号公報に示さ
れているように電力ケーブルの遮へい層から重畳する絶
縁劣化診断方法である。
方法では、大地からケーブルのシース絶縁抵抗を介して
流れる迷走電流の影響を受け易く、精度のよい測定がで
きない。このため、直流電圧を重畳し、劣化信号を大き
くする電力ケーブルの絶縁劣化診断方法が検討されてい
る。直流電圧を重畳する方法は2つ提案されており、そ
の1つは例えば特開昭59−202078号公報に示さ
れているようにリアクトル或いは接地用変圧器(GP
T)の中性点から重畳する絶縁劣化診断方法であり、他
の1つは例えば特開昭63−139261号公報に示さ
れているように電力ケーブルの遮へい層から重畳する絶
縁劣化診断方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の絶縁劣
化診断方法では、リアクトルを接続するために高圧活線
作業を行う必要があったり、GPTが種々の理由によっ
て使えない場合もある。更に、並列に接続されているG
PTに直流電流が環流し、磁気飽和や発熱の原因になる
という技術的課題があった。
化診断方法では、リアクトルを接続するために高圧活線
作業を行う必要があったり、GPTが種々の理由によっ
て使えない場合もある。更に、並列に接続されているG
PTに直流電流が環流し、磁気飽和や発熱の原因になる
という技術的課題があった。
【0006】一方、後者の絶縁劣化診断方法では、水ト
リーからの劣化信号は、数ナノアンペア[nA]程度と
極めて微小であるにも関わらず、直流電圧の重畳によっ
てシース絶縁抵抗を介して流れる直流電流成分が重畳し
てしまうため、測定した電流から劣化信号を分離するこ
とが極めて困難であるという技術的課題があった。
リーからの劣化信号は、数ナノアンペア[nA]程度と
極めて微小であるにも関わらず、直流電圧の重畳によっ
てシース絶縁抵抗を介して流れる直流電流成分が重畳し
てしまうため、測定した電流から劣化信号を分離するこ
とが極めて困難であるという技術的課題があった。
【0007】本発明は、このような従来の問題点を解決
することを課題としており、特に、商用周波数の交流電
力が印加されて運転状態にある活線下で測定対象とする
電力ケーブルの金属遮へい層と接地間に交流電源によっ
て商用周波数の整数倍±a(0<a≦10)[Hz]の
周波数の交流重畳信号を印加する第1工程と、略100
[kΩ]乃至略1[MΩ]の抵抗値を有する挿入抵抗を
金属遮へい層と接地間に接続する第2工程と、挿入抵抗
を接続した状態で、電力ケーブルから前記交流電源を介
して接地に流れる検出信号を測定する第3工程と、検出
信号の電流値に基づいて電力ケーブルの絶縁劣化の程度
を活線状態で診断する第4工程とを少なくとも有する活
線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法、及び活線下で測定
対象とする電力ケーブルの金属遮へい層と接地間に接続
された接地線の途中に設けられ、金属遮へい層に商用周
波数の整数倍±a[Hz]の周波数の交流重畳信号を印
加する交流電源と、金属遮へい層と接地間に接続され、
略100[kΩ]乃至略1[MΩ]の抵抗値を有する挿
入抵抗と、電力ケーブルから交流電源及び接地線を介し
て接地に流れる電流を測定する電流測定手段と、電流測
定手段により測定した電流に基づいて電力ケーブルの絶
縁劣化の程度を活線状態で診断する診断手段とを有する
絶縁劣化診断装置に依り、前述したような高圧活線作業
が不要であり、GPTが環流直流電流による磁気飽和や
発熱の心配が無く、更に、水トリーによる真の劣化信号
を意味する極めて微小な電流成分を検出し、絶縁劣化に
対する精度の高い診断を行うことのできる活線電力ケー
ブルの絶縁劣化診断方法、及びこれを用いた絶縁劣化診
断装置を提供することを課題としている。
することを課題としており、特に、商用周波数の交流電
力が印加されて運転状態にある活線下で測定対象とする
電力ケーブルの金属遮へい層と接地間に交流電源によっ
て商用周波数の整数倍±a(0<a≦10)[Hz]の
周波数の交流重畳信号を印加する第1工程と、略100
[kΩ]乃至略1[MΩ]の抵抗値を有する挿入抵抗を
金属遮へい層と接地間に接続する第2工程と、挿入抵抗
を接続した状態で、電力ケーブルから前記交流電源を介
して接地に流れる検出信号を測定する第3工程と、検出
信号の電流値に基づいて電力ケーブルの絶縁劣化の程度
を活線状態で診断する第4工程とを少なくとも有する活
線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法、及び活線下で測定
対象とする電力ケーブルの金属遮へい層と接地間に接続
された接地線の途中に設けられ、金属遮へい層に商用周
波数の整数倍±a[Hz]の周波数の交流重畳信号を印
加する交流電源と、金属遮へい層と接地間に接続され、
略100[kΩ]乃至略1[MΩ]の抵抗値を有する挿
入抵抗と、電力ケーブルから交流電源及び接地線を介し
て接地に流れる電流を測定する電流測定手段と、電流測
定手段により測定した電流に基づいて電力ケーブルの絶
縁劣化の程度を活線状態で診断する診断手段とを有する
絶縁劣化診断装置に依り、前述したような高圧活線作業
が不要であり、GPTが環流直流電流による磁気飽和や
発熱の心配が無く、更に、水トリーによる真の劣化信号
を意味する極めて微小な電流成分を検出し、絶縁劣化に
対する精度の高い診断を行うことのできる活線電力ケー
ブルの絶縁劣化診断方法、及びこれを用いた絶縁劣化診
断装置を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、電力ケーブル23の絶縁特性を評価する絶縁劣化診
断方法において、商用周波数の交流電力が印加されて運
転状態にある活線下で測定対象とする電力ケーブル23
の金属遮へい層23aと接地間に交流電源12によって
商用周波数の整数倍±a(0<a≦10)[Hz]の周
波数の交流重畳信号を印加する第1工程と、所定の抵抗
値を有する挿入抵抗14を前記金属遮へい層23aと接
地間に接続する第2工程と、前記挿入抵抗14を接続し
た状態で、前記電力ケーブル23から前記交流電源12
を介して接地に流れる検出信号12aを測定する第3工
程と、前記検出信号12aの電流値に基づいて前記電力
ケーブル23の絶縁劣化の程度を活線状態で診断する第
4工程とを少なくとも有する、ことを特徴とする活線電
力ケーブルの絶縁劣化診断方法である。
は、電力ケーブル23の絶縁特性を評価する絶縁劣化診
断方法において、商用周波数の交流電力が印加されて運
転状態にある活線下で測定対象とする電力ケーブル23
の金属遮へい層23aと接地間に交流電源12によって
商用周波数の整数倍±a(0<a≦10)[Hz]の周
波数の交流重畳信号を印加する第1工程と、所定の抵抗
値を有する挿入抵抗14を前記金属遮へい層23aと接
地間に接続する第2工程と、前記挿入抵抗14を接続し
た状態で、前記電力ケーブル23から前記交流電源12
を介して接地に流れる検出信号12aを測定する第3工
程と、前記検出信号12aの電流値に基づいて前記電力
ケーブル23の絶縁劣化の程度を活線状態で診断する第
4工程とを少なくとも有する、ことを特徴とする活線電
力ケーブルの絶縁劣化診断方法である。
【0009】請求項1に記載の発明に依れば、電力ケー
ブル23の金属遮へい層23aに商用周波数の整数倍±
a(0<a≦10)[Hz]の周波数の前記交流重畳信
号を印加することにより、略a[Hz]で印加電圧を変
化したり略a[Hz]の検出信号12aの周波数におけ
る電圧を重畳したと同じようになり、電力ケーブル23
に絶縁劣化があれば、電力ケーブル23から接地に絶縁
劣化の程度に応じた数ナノアンペア[nA]程度の微少
電流が流れるようにしているので、検出信号12aに基
づいて電力ケーブル23の水トリーによる真の絶縁劣化
の程度を活線状態で簡単にかつ高い精度で診断すること
ができるようになる。
ブル23の金属遮へい層23aに商用周波数の整数倍±
a(0<a≦10)[Hz]の周波数の前記交流重畳信
号を印加することにより、略a[Hz]で印加電圧を変
化したり略a[Hz]の検出信号12aの周波数におけ
る電圧を重畳したと同じようになり、電力ケーブル23
に絶縁劣化があれば、電力ケーブル23から接地に絶縁
劣化の程度に応じた数ナノアンペア[nA]程度の微少
電流が流れるようにしているので、検出信号12aに基
づいて電力ケーブル23の水トリーによる真の絶縁劣化
の程度を活線状態で簡単にかつ高い精度で診断すること
ができるようになる。
【0010】請求項2に記載の発明は、電力ケーブル2
3の絶縁特性を評価する絶縁劣化診断方法において、商
用周波数の交流電力が印加されて運転状態にある活線下
で測定対象とする電力ケーブル23の金属遮へい層23
aと接地間に交流電源12によって商用周波数の整数倍
±a(0<a≦10)[Hz]の周波数の交流重畳信号
を印加する第1工程と、所定の抵抗値を有する挿入抵抗
14を前記金属遮へい層23aと接地間に、前記電力ケ
ーブル23から前記接地線を介して接地に流れる電流を
測定する電流測定手段と並列に接続する第2工程と、前
記挿入抵抗14を接続した状態で、前記電力ケーブル2
3から前記交流電源12を介して接地に流れる検出信号
12aを測定する第3工程と、前記検出信号12aの電
流値に基づいて前記電力ケーブル23の絶縁劣化の程度
を活線状態で診断する第4工程とを少なくとも有する、
ことを特徴とする活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法
である。
3の絶縁特性を評価する絶縁劣化診断方法において、商
用周波数の交流電力が印加されて運転状態にある活線下
で測定対象とする電力ケーブル23の金属遮へい層23
aと接地間に交流電源12によって商用周波数の整数倍
±a(0<a≦10)[Hz]の周波数の交流重畳信号
を印加する第1工程と、所定の抵抗値を有する挿入抵抗
14を前記金属遮へい層23aと接地間に、前記電力ケ
ーブル23から前記接地線を介して接地に流れる電流を
測定する電流測定手段と並列に接続する第2工程と、前
記挿入抵抗14を接続した状態で、前記電力ケーブル2
3から前記交流電源12を介して接地に流れる検出信号
12aを測定する第3工程と、前記検出信号12aの電
流値に基づいて前記電力ケーブル23の絶縁劣化の程度
を活線状態で診断する第4工程とを少なくとも有する、
ことを特徴とする活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法
である。
【0011】請求項2に記載の発明に依れば、電力ケー
ブル23の金属遮へい層23aに商用周波数の整数倍±
a(0<a≦10)[Hz]の周波数の前記交流重畳信
号を印加することにより、略a[Hz]で印加電圧を変
化したり略a[Hz]の検出信号12aの周波数におけ
る電圧を重畳したと同じようになり、電力ケーブル23
に絶縁劣化があれば、電力ケーブル23から接地に絶縁
劣化の程度に応じた数ナノアンペア[nA]程度の微少
電流が流れるようにしているので、検出信号12aに基
づいて電力ケーブル23の水トリーによる真の絶縁劣化
の程度を活線状態で簡単にかつ高い精度で診断すること
ができるようになる。
ブル23の金属遮へい層23aに商用周波数の整数倍±
a(0<a≦10)[Hz]の周波数の前記交流重畳信
号を印加することにより、略a[Hz]で印加電圧を変
化したり略a[Hz]の検出信号12aの周波数におけ
る電圧を重畳したと同じようになり、電力ケーブル23
に絶縁劣化があれば、電力ケーブル23から接地に絶縁
劣化の程度に応じた数ナノアンペア[nA]程度の微少
電流が流れるようにしているので、検出信号12aに基
づいて電力ケーブル23の水トリーによる真の絶縁劣化
の程度を活線状態で簡単にかつ高い精度で診断すること
ができるようになる。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
記載の活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法において、
前記第3工程における前記検出信号12aは、略a[H
z]の検出信号12aの周波数における電流成分を有
し、前記第4工程は、前記第3工程で測定された前記検
出信号12aの略a[Hz]の検出信号12aの周波数
における電流成分の大きさに基づいて、前記電力ケーブ
ル23の絶縁劣化の程度を活線状態で診断を行う、こと
を特徴とする活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法であ
る。
記載の活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法において、
前記第3工程における前記検出信号12aは、略a[H
z]の検出信号12aの周波数における電流成分を有
し、前記第4工程は、前記第3工程で測定された前記検
出信号12aの略a[Hz]の検出信号12aの周波数
における電流成分の大きさに基づいて、前記電力ケーブ
ル23の絶縁劣化の程度を活線状態で診断を行う、こと
を特徴とする活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法であ
る。
【0013】請求項3に記載の発明に依れば、請求項1
又は2に記載の効果に加えて、電力ケーブル23から接
地に流れる絶縁劣化の程度に応じた数ナノアンペア[n
A]程度の微少電流が略a[Hz]の周期で変化するこ
とに着目し、この略a[Hz]の検出信号12aの周波
数における電流成分を測定し、測定した略a[Hz]の
検出信号12aの周波数における電流成分の大きさによ
り電力ケーブル23の絶縁劣化の程度を活線状態で診断
しているので、他の要因による電流を簡単に分離でき、
水トリーによる真の絶縁劣化の程度を活線状態で簡単に
かつ高い精度で診断することができるようになる。
又は2に記載の効果に加えて、電力ケーブル23から接
地に流れる絶縁劣化の程度に応じた数ナノアンペア[n
A]程度の微少電流が略a[Hz]の周期で変化するこ
とに着目し、この略a[Hz]の検出信号12aの周波
数における電流成分を測定し、測定した略a[Hz]の
検出信号12aの周波数における電流成分の大きさによ
り電力ケーブル23の絶縁劣化の程度を活線状態で診断
しているので、他の要因による電流を簡単に分離でき、
水トリーによる真の絶縁劣化の程度を活線状態で簡単に
かつ高い精度で診断することができるようになる。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項3記載の
活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法において、前記第
1工程における交流重畳信号の周波数は、商用周波数の
奇数倍±a[Hz]の周波数であり、前記第3工程にお
ける前記検出信号12aは直流電流成分であり、前記第
4工程における診断は、前記交流重畳信号印加時の前記
直流電流成分の平均値と前記交流重畳信号印加前の直流
電流成分の平均値との差に基づいて実行される、ことを
特徴とする活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法であ
る。
活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法において、前記第
1工程における交流重畳信号の周波数は、商用周波数の
奇数倍±a[Hz]の周波数であり、前記第3工程にお
ける前記検出信号12aは直流電流成分であり、前記第
4工程における診断は、前記交流重畳信号印加時の前記
直流電流成分の平均値と前記交流重畳信号印加前の直流
電流成分の平均値との差に基づいて実行される、ことを
特徴とする活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法であ
る。
【0015】請求項4に記載の発明に依れば、請求項3
に記載の効果に加えて、電力ケーブル23の金属遮へい
層23aに商用周波数の奇数倍±a(0<a≦10)
[Hz]の周波数の前記交流重畳信号を印加することに
より、略a[Hz]で印加電圧を変化したと同じように
なり、電力ケーブル23に絶縁劣化があれば、電力ケー
ブル23から接地に略a[Hz]で変化する絶縁劣化の
程度に応じた数ナノアンペア[nA]程度の微少な直流
電流成分が流れるので、この直流電流成分の平均値と前
記交流重畳信号印加前の平均値との差の大きさにより電
力ケーブル23の水トリーによる真の絶縁劣化の程度を
活線状態で簡単にかつ高い精度で診断することができる
ようになる。
に記載の効果に加えて、電力ケーブル23の金属遮へい
層23aに商用周波数の奇数倍±a(0<a≦10)
[Hz]の周波数の前記交流重畳信号を印加することに
より、略a[Hz]で印加電圧を変化したと同じように
なり、電力ケーブル23に絶縁劣化があれば、電力ケー
ブル23から接地に略a[Hz]で変化する絶縁劣化の
程度に応じた数ナノアンペア[nA]程度の微少な直流
電流成分が流れるので、この直流電流成分の平均値と前
記交流重畳信号印加前の平均値との差の大きさにより電
力ケーブル23の水トリーによる真の絶縁劣化の程度を
活線状態で簡単にかつ高い精度で診断することができる
ようになる。
【0016】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法において、前記
挿入抵抗14は、略100[kΩ]乃至略1[MΩ]の
抵抗値を有する、ことを特徴とする活線電力ケーブルの
絶縁劣化診断方法である。
の活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法において、前記
挿入抵抗14は、略100[kΩ]乃至略1[MΩ]の
抵抗値を有する、ことを特徴とする活線電力ケーブルの
絶縁劣化診断方法である。
【0017】請求項5に記載の発明に依れば、請求項4
に記載の効果に加えて、前記挿入抵抗14の最適化を行
うことに依り、数ナノアンペア[nA]程度の微少な検
出信号12aを簡単にかつ高い精度で診断することがで
きるようになる。
に記載の効果に加えて、前記挿入抵抗14の最適化を行
うことに依り、数ナノアンペア[nA]程度の微少な検
出信号12aを簡単にかつ高い精度で診断することがで
きるようになる。
【0018】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5
に記載の絶縁劣化診断方法を用いた絶縁劣化診断装置1
0であって、活線下で測定対象とする電力ケーブル23
の前記金属遮へい層23aと接地間に接続された接地線
24の途中に設けられ、前記金属遮へい層23aに前記
商用周波数の整数倍±a[Hz]の周波数の前記交流重
畳信号を印加する交流電源12と、前記金属遮へい層2
3aと接地間に接続され、略100[kΩ]乃至略1
[MΩ]の抵抗値を有する挿入抵抗14と、前記電力ケ
ーブル23から前記交流電源12及び前記接地線24を
介して接地に流れる電流を測定する電流測定手段16
と、前記電流測定手段16により測定した電流に基づい
て前記電力ケーブル23の絶縁劣化の程度を活線状態で
診断する診断手段17とを有する、ことを特徴とする絶
縁劣化診断装置10である。
に記載の絶縁劣化診断方法を用いた絶縁劣化診断装置1
0であって、活線下で測定対象とする電力ケーブル23
の前記金属遮へい層23aと接地間に接続された接地線
24の途中に設けられ、前記金属遮へい層23aに前記
商用周波数の整数倍±a[Hz]の周波数の前記交流重
畳信号を印加する交流電源12と、前記金属遮へい層2
3aと接地間に接続され、略100[kΩ]乃至略1
[MΩ]の抵抗値を有する挿入抵抗14と、前記電力ケ
ーブル23から前記交流電源12及び前記接地線24を
介して接地に流れる電流を測定する電流測定手段16
と、前記電流測定手段16により測定した電流に基づい
て前記電力ケーブル23の絶縁劣化の程度を活線状態で
診断する診断手段17とを有する、ことを特徴とする絶
縁劣化診断装置10である。
【0019】請求項6に記載の発明に依れば、活線下で
測定対象とする電力ケーブル23の金属遮へい層23a
と接地間に接続された接地線の途中に設けられた交流電
源が、金属遮へい層23aに商用周波数の整数倍±a
(0<a≦10)[Hz]の周波数の前記交流重畳信号
を印加することにより、略a[Hz]で印加電圧を変化
したり略a[Hz]の電圧を重畳したと同じようにな
り、電力ケーブル23に絶縁劣化があれば、電力ケーブ
ル23から接地に絶縁劣化の程度に応じた数ナノアンペ
ア[nA]程度の微少電流が流れるので、この電流を検
出信号12aの測定手段16により測定することによ
り、この測定した電流に基づいて診断手段により電力ケ
ーブル23の水トリーによる真の絶縁劣化の程度が活線
状態で簡単にかつ高精度で診断することができるように
なる。
測定対象とする電力ケーブル23の金属遮へい層23a
と接地間に接続された接地線の途中に設けられた交流電
源が、金属遮へい層23aに商用周波数の整数倍±a
(0<a≦10)[Hz]の周波数の前記交流重畳信号
を印加することにより、略a[Hz]で印加電圧を変化
したり略a[Hz]の電圧を重畳したと同じようにな
り、電力ケーブル23に絶縁劣化があれば、電力ケーブ
ル23から接地に絶縁劣化の程度に応じた数ナノアンペ
ア[nA]程度の微少電流が流れるので、この電流を検
出信号12aの測定手段16により測定することによ
り、この測定した電流に基づいて診断手段により電力ケ
ーブル23の水トリーによる真の絶縁劣化の程度が活線
状態で簡単にかつ高精度で診断することができるように
なる。
【0020】請求項7に記載の発明は、請求項1乃至5
に記載の絶縁劣化診断方法を用いた絶縁劣化診断装置1
0において、前記絶縁劣化診断方法を用いた絶縁劣化診
断装置10であって、活線下で測定対象とする電力ケー
ブル23の前記金属遮へい層23aと接地間に接続され
た接地線24の途中に設けられ、前記金属遮へい層23
aに前記商用周波数の整数倍±a[Hz]の周波数の前
記交流重畳信号を印加する交流電源12と、前記金属遮
へい層23aと接地間に、前記電力ケーブル23から前
記接地線を介して接地に流れる電流を測定する電流測定
手段と並列に接続され、略100[kΩ]乃至略1[M
Ω]の抵抗値を有する挿入抵抗14と、前記電力ケーブ
ル23から前記交流電源12及び前記接地線24を介し
て接地に流れる電流を測定する電流測定手段16と、前
記電流測定手段16により測定した電流に基づいて前記
電力ケーブル23の絶縁劣化の程度を活線状態で診断す
る診断手段17とを有する、ことを特徴とする絶縁劣化
診断装置10である。
に記載の絶縁劣化診断方法を用いた絶縁劣化診断装置1
0において、前記絶縁劣化診断方法を用いた絶縁劣化診
断装置10であって、活線下で測定対象とする電力ケー
ブル23の前記金属遮へい層23aと接地間に接続され
た接地線24の途中に設けられ、前記金属遮へい層23
aに前記商用周波数の整数倍±a[Hz]の周波数の前
記交流重畳信号を印加する交流電源12と、前記金属遮
へい層23aと接地間に、前記電力ケーブル23から前
記接地線を介して接地に流れる電流を測定する電流測定
手段と並列に接続され、略100[kΩ]乃至略1[M
Ω]の抵抗値を有する挿入抵抗14と、前記電力ケーブ
ル23から前記交流電源12及び前記接地線24を介し
て接地に流れる電流を測定する電流測定手段16と、前
記電流測定手段16により測定した電流に基づいて前記
電力ケーブル23の絶縁劣化の程度を活線状態で診断す
る診断手段17とを有する、ことを特徴とする絶縁劣化
診断装置10である。
【0021】請求項7に記載の発明に依れば、活線下で
測定対象とする電力ケーブル23の金属遮へい層23a
と接地間に接続された接地線の途中に設けられた交流電
源が、金属遮へい層23aに商用周波数の整数倍±a
(0<a≦10)[Hz]の周波数の前記交流重畳信号
を印加することにより、略a[Hz]で印加電圧を変化
したり略a[Hz]の電圧を重畳したと同じようにな
り、電力ケーブル23に絶縁劣化があれば、電力ケーブ
ル23から接地に絶縁劣化の程度に応じた数ナノアンペ
ア[nA]程度の微少電流が流れるので、この電流を検
出信号12aの測定手段16により測定することによ
り、この測定した電流に基づいて診断手段により電力ケ
ーブル23の水トリーによる真の絶縁劣化の程度が活線
状態で簡単にかつ高精度で診断することができるように
なる。
測定対象とする電力ケーブル23の金属遮へい層23a
と接地間に接続された接地線の途中に設けられた交流電
源が、金属遮へい層23aに商用周波数の整数倍±a
(0<a≦10)[Hz]の周波数の前記交流重畳信号
を印加することにより、略a[Hz]で印加電圧を変化
したり略a[Hz]の電圧を重畳したと同じようにな
り、電力ケーブル23に絶縁劣化があれば、電力ケーブ
ル23から接地に絶縁劣化の程度に応じた数ナノアンペ
ア[nA]程度の微少電流が流れるので、この電流を検
出信号12aの測定手段16により測定することによ
り、この測定した電流に基づいて診断手段により電力ケ
ーブル23の水トリーによる真の絶縁劣化の程度が活線
状態で簡単にかつ高精度で診断することができるように
なる。
【0022】更に、前記挿入抵抗14の最適化を行うこ
とに依り、数ナノアンペア[nA]程度の微少な検出信
号12aを簡単にかつ高い精度で診断することができる
ようになる。
とに依り、数ナノアンペア[nA]程度の微少な検出信
号12aを簡単にかつ高い精度で診断することができる
ようになる。
【0023】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
の絶縁劣化診断装置10において、前記交流電源12
は、所定の周波数の前記交流重畳信号を発生する交流重
畳信号発生回路122と、前記交流重畳信号発生回路1
22の出力が接続される一次巻線L1と接地線の途中に
挿入された二次巻線L2とを有し、前記交流重畳信号発
生回路122が発生する前記交流重畳信号を昇圧して接
地線24に供給する変圧器124とを有する、ことを特
徴とする活線電力ケーブルの絶縁劣化診断装置10であ
る。
の絶縁劣化診断装置10において、前記交流電源12
は、所定の周波数の前記交流重畳信号を発生する交流重
畳信号発生回路122と、前記交流重畳信号発生回路1
22の出力が接続される一次巻線L1と接地線の途中に
挿入された二次巻線L2とを有し、前記交流重畳信号発
生回路122が発生する前記交流重畳信号を昇圧して接
地線24に供給する変圧器124とを有する、ことを特
徴とする活線電力ケーブルの絶縁劣化診断装置10であ
る。
【0024】請求項8に記載の発明に依れば、請求項7
に記載の効果に加えて、所定の周波数の前記交流重畳信
号を用いることに依り、数ナノアンペア[nA]程度の
微少な検出信号12aを簡単にかつ高い精度で診断する
ことができるようになる。
に記載の効果に加えて、所定の周波数の前記交流重畳信
号を用いることに依り、数ナノアンペア[nA]程度の
微少な検出信号12aを簡単にかつ高い精度で診断する
ことができるようになる。
【0025】請求項9に記載の発明は、請求項8に記載
の絶縁劣化診断装置10において、前記電流測定手段1
6が、前記検出信号12aの略a[Hz]の検出信号1
2aの周波数における電流成分を測定し、前記診断手段
17が前記略a[Hz]の検出信号12aの周波数にお
ける電流成分の大きさに基づいて、電力ケーブル23の
絶縁劣化の程度を活線状態で診断を行う、ことを特徴と
する活線電力ケーブルの絶縁劣化診断装置10である。
の絶縁劣化診断装置10において、前記電流測定手段1
6が、前記検出信号12aの略a[Hz]の検出信号1
2aの周波数における電流成分を測定し、前記診断手段
17が前記略a[Hz]の検出信号12aの周波数にお
ける電流成分の大きさに基づいて、電力ケーブル23の
絶縁劣化の程度を活線状態で診断を行う、ことを特徴と
する活線電力ケーブルの絶縁劣化診断装置10である。
【0026】請求項9に記載の発明に依れば、請求項8
に記載の効果に加えて、電力ケーブル23から接地に流
れる絶縁劣化の程度に応じた数ナノアンペア[nA]程
度の微少電流が略a[Hz]の周期で変化することに着
目し、電流測定手段がこの略a[Hz]の検出信号12
aの周波数における電流成分を測定し、測定した略a
[Hz]の検出信号12aの周波数における電流成分の
大きさにより電力ケーブル23の絶縁劣化の程度を活線
状態で診断しているので、他の要因による電流を簡単に
分離でき、水トリーによる真の絶縁劣化の程度を活線状
態で簡単にかつ高い精度で診断することができるように
なる。
に記載の効果に加えて、電力ケーブル23から接地に流
れる絶縁劣化の程度に応じた数ナノアンペア[nA]程
度の微少電流が略a[Hz]の周期で変化することに着
目し、電流測定手段がこの略a[Hz]の検出信号12
aの周波数における電流成分を測定し、測定した略a
[Hz]の検出信号12aの周波数における電流成分の
大きさにより電力ケーブル23の絶縁劣化の程度を活線
状態で診断しているので、他の要因による電流を簡単に
分離でき、水トリーによる真の絶縁劣化の程度を活線状
態で簡単にかつ高い精度で診断することができるように
なる。
【0027】請求項10に記載の発明は、前記交流重畳
信号の周波数が商用周波数の奇数倍±a(0<a≦1
0)[Hz]であり、前記電流測定手段16が、請求項
8に記載の絶縁劣化診断装置10において、前記直流電
流成分を測定し、前記診断手段17が、前記交流重畳信
号印加時の前記直流電流成分の平均値と前記交流重畳信
号印加前の直流電流成分の平均値との差に基づいて、電
力ケーブル23の絶縁劣化の程度を活線状態で診断を行
うように構成されている、ことを特徴とする活線電力ケ
ーブルの絶縁劣化診断装置10である。
信号の周波数が商用周波数の奇数倍±a(0<a≦1
0)[Hz]であり、前記電流測定手段16が、請求項
8に記載の絶縁劣化診断装置10において、前記直流電
流成分を測定し、前記診断手段17が、前記交流重畳信
号印加時の前記直流電流成分の平均値と前記交流重畳信
号印加前の直流電流成分の平均値との差に基づいて、電
力ケーブル23の絶縁劣化の程度を活線状態で診断を行
うように構成されている、ことを特徴とする活線電力ケ
ーブルの絶縁劣化診断装置10である。
【0028】請求項10に記載の発明に依れば、請求項
8に記載の効果に加えて、交流電源が電力ケーブル23
の金属遮へい層23aに商用周波数の奇数倍±a(0<
a≦10)[Hz]の周波数の前記交流重畳信号を印加
することにより、略a[Hz]で印加電圧を変化したと
同じようになり、電力ケーブル23に絶縁劣化があれ
ば、電力ケーブル23から接地に略a[Hz]で変化す
る絶縁劣化の程度に応じた数ナノアンペア[nA]程度
の微少な直流電流成分が流れるので、電流測定手段が測
定した直流電流成分の平均値と前記交流重畳信号印加前
の平均値との差の大きさにより電力ケーブル23の水ト
リーによる真の絶縁劣化の程度を活線状態で簡単にかつ
高い精度で診断することができるようになる。
8に記載の効果に加えて、交流電源が電力ケーブル23
の金属遮へい層23aに商用周波数の奇数倍±a(0<
a≦10)[Hz]の周波数の前記交流重畳信号を印加
することにより、略a[Hz]で印加電圧を変化したと
同じようになり、電力ケーブル23に絶縁劣化があれ
ば、電力ケーブル23から接地に略a[Hz]で変化す
る絶縁劣化の程度に応じた数ナノアンペア[nA]程度
の微少な直流電流成分が流れるので、電流測定手段が測
定した直流電流成分の平均値と前記交流重畳信号印加前
の平均値との差の大きさにより電力ケーブル23の水ト
リーによる真の絶縁劣化の程度を活線状態で簡単にかつ
高い精度で診断することができるようになる。
【0029】
【発明の実施形態】以下、図面に基づき各種実施形態を
説明する。
説明する。
【0030】初めに、第1実施形態における絶縁劣化診
断方法を説明する。
断方法を説明する。
【0031】本絶縁劣化診断方法は、運転状態にある活
線下の電力ケーブル23、例えばCVケーブルと称され
る架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの絶縁劣化を診断
する方法であって、第1工程と第2工程と第3工程と第
4工程とを少なくとも有して構成されている。
線下の電力ケーブル23、例えばCVケーブルと称され
る架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの絶縁劣化を診断
する方法であって、第1工程と第2工程と第3工程と第
4工程とを少なくとも有して構成されている。
【0032】第1工程は、商用周波数の交流電力が印加
されて運転状態にある活線下で測定対象とする電力ケー
ブル23の金属遮へい層23aと接地間に交流電源12
によって商用周波数の整数倍±a(0<a≦10)[H
z]の周波数の交流重畳信号を印加する工程である。
されて運転状態にある活線下で測定対象とする電力ケー
ブル23の金属遮へい層23aと接地間に交流電源12
によって商用周波数の整数倍±a(0<a≦10)[H
z]の周波数の交流重畳信号を印加する工程である。
【0033】具体的には、電力ケーブル23として、6
kV級のCVケーブルを用いている。このような電力ケ
ーブル23が活線下におかれると、商用周波数50[H
z]、印加電圧2乃至6[kV]の交流電力が印加され
て運転状態となる。
kV級のCVケーブルを用いている。このような電力ケ
ーブル23が活線下におかれると、商用周波数50[H
z]、印加電圧2乃至6[kV]の交流電力が印加され
て運転状態となる。
【0034】なお、以下の説明では、6kV級のCVケ
ーブルを電力ケーブル23として用いた場合の、測定条
件を記載するが特にこれに限定されるものではなく、送
電耐圧を6kV以外とした場合やケーブルの種類をCV
ケーブル以外とした場合には、最適な測定条件を別途設
定することが望ましい。
ーブルを電力ケーブル23として用いた場合の、測定条
件を記載するが特にこれに限定されるものではなく、送
電耐圧を6kV以外とした場合やケーブルの種類をCV
ケーブル以外とした場合には、最適な測定条件を別途設
定することが望ましい。
【0035】このような活線下で、測定対象とする電力
ケーブル23の金属遮へい層23aと接地間(所謂、ア
ース)に交流電源12によって、略101[Hz](則
ち、(商用周波数50[Hz]の2倍)+略a[H
z],a=1)の周波数及び400Vの印加電圧を有す
る交流重畳信号を印加している。
ケーブル23の金属遮へい層23aと接地間(所謂、ア
ース)に交流電源12によって、略101[Hz](則
ち、(商用周波数50[Hz]の2倍)+略a[H
z],a=1)の周波数及び400Vの印加電圧を有す
る交流重畳信号を印加している。
【0036】なお、本実施形態では、aの値を1.0
[Hz]にしているが、この値は10[Hz]以下の任
意の値としても同様の作用効果が得られる。
[Hz]にしているが、この値は10[Hz]以下の任
意の値としても同様の作用効果が得られる。
【0037】第2工程は、所定の抵抗値を有する挿入抵
抗14を金属遮へい層23aと接地間に接続する工程で
ある。
抗14を金属遮へい層23aと接地間に接続する工程で
ある。
【0038】挿入抵抗14は、所定の抵抗値範囲におい
て、検出信号12aを増加させる効果がある。そこで所
定の抵抗値として、略100[kΩ]乃至略1[MΩ]
の抵抗値に挿入抵抗14を設定されている。なお、挿入
抵抗14の接続形態は、第1実施形態の絶縁劣化診断装
置10において説明する。
て、検出信号12aを増加させる効果がある。そこで所
定の抵抗値として、略100[kΩ]乃至略1[MΩ]
の抵抗値に挿入抵抗14を設定されている。なお、挿入
抵抗14の接続形態は、第1実施形態の絶縁劣化診断装
置10において説明する。
【0039】この様に挿入抵抗14の抵抗値範囲を最適
化することに依り、前述の効果に加えて、数ナノアンペ
ア[nA]程度の微少な検出信号12aを簡単にかつ高
い精度で診断することができるようになる。
化することに依り、前述の効果に加えて、数ナノアンペ
ア[nA]程度の微少な検出信号12aを簡単にかつ高
い精度で診断することができるようになる。
【0040】第3工程は、挿入抵抗14を接続した状態
で、電力ケーブル23から交流電源12を介して接地に
流れる検出信号12aを測定する電流測定の工程であ
る。
で、電力ケーブル23から交流電源12を介して接地に
流れる検出信号12aを測定する電流測定の工程であ
る。
【0041】第1工程において略101[Hz],40
0Vの印加電圧を有する交流重畳信号を印加した場合、
第3工程における検出信号12aは、略a[Hz](具
体的には、略1[Hz])の検出信号12aの周波数に
おける電流成分を有することになる。
0Vの印加電圧を有する交流重畳信号を印加した場合、
第3工程における検出信号12aは、略a[Hz](具
体的には、略1[Hz])の検出信号12aの周波数に
おける電流成分を有することになる。
【0042】第3工程に続く第4工程は、検出信号12
aの電流値に基づいて電力ケーブル23の絶縁劣化の程
度を活線状態で診断する工程である。
aの電流値に基づいて電力ケーブル23の絶縁劣化の程
度を活線状態で診断する工程である。
【0043】また第4工程は、第3工程で測定された検
出信号12aの略a[Hz]の検出信号12aの周波数
における電流成分の大きさに基づいて、電力ケーブル2
3の絶縁劣化の程度を活線状態で診断を行う工程であ
る。
出信号12aの略a[Hz]の検出信号12aの周波数
における電流成分の大きさに基づいて、電力ケーブル2
3の絶縁劣化の程度を活線状態で診断を行う工程であ
る。
【0044】このような第3,4工程を有する方法に依
れば、前述の効果に加えて、電力ケーブル23から接地
に流れる絶縁劣化の程度に応じた数ナノアンペア[n
A]程度の微少電流が略a[Hz]の周期で変化するこ
とに着目し、この略a[Hz]の検出信号12aの周波
数における電流成分を測定し、測定した略a[Hz]の
検出信号12aの周波数における電流成分の大きさによ
り電力ケーブル23の絶縁劣化の程度を活線状態で診断
しているので、他の要因による電流を簡単に分離でき、
水トリーによる真の絶縁劣化の程度を活線状態で簡単に
かつ高い精度で診断することができるようになる。
れば、前述の効果に加えて、電力ケーブル23から接地
に流れる絶縁劣化の程度に応じた数ナノアンペア[n
A]程度の微少電流が略a[Hz]の周期で変化するこ
とに着目し、この略a[Hz]の検出信号12aの周波
数における電流成分を測定し、測定した略a[Hz]の
検出信号12aの周波数における電流成分の大きさによ
り電力ケーブル23の絶縁劣化の程度を活線状態で診断
しているので、他の要因による電流を簡単に分離でき、
水トリーによる真の絶縁劣化の程度を活線状態で簡単に
かつ高い精度で診断することができるようになる。
【0045】また、迷走電流の変動などのノイズ電流分
についてはa[Hz]程度の電流のピーク・ピーク値を
平均化するなどの統計的手法によってこれらを除去する
ことが可能になる。更に、本発明の方法では、重畳して
いる電圧が交流重畳信号であり、直流電圧のようにシー
ス絶縁抵抗を介して生じる迷走電流が増大せず、劣化信
号だけが増幅される。
についてはa[Hz]程度の電流のピーク・ピーク値を
平均化するなどの統計的手法によってこれらを除去する
ことが可能になる。更に、本発明の方法では、重畳して
いる電圧が交流重畳信号であり、直流電圧のようにシー
ス絶縁抵抗を介して生じる迷走電流が増大せず、劣化信
号だけが増幅される。
【0046】そこで本活線電力ケーブルの絶縁劣化診断
方法においては、第1工程における交流重畳信号の周波
数は、商用周波数の奇数倍±a[Hz]の周波数に設定
されている。第3工程における検出信号12aは、直流
電流成分に設定されている。第4工程における診断は、
交流重畳信号印加時の直流電流成分の平均値と交流重畳
信号印加前の直流電流成分の平均値との差に基づいて実
行されるように設定されている。
方法においては、第1工程における交流重畳信号の周波
数は、商用周波数の奇数倍±a[Hz]の周波数に設定
されている。第3工程における検出信号12aは、直流
電流成分に設定されている。第4工程における診断は、
交流重畳信号印加時の直流電流成分の平均値と交流重畳
信号印加前の直流電流成分の平均値との差に基づいて実
行されるように設定されている。
【0047】このような第1,3,4工程を有する方法
に依れば、前述の効果に加えて、電力ケーブル23の金
属遮へい層23aに商用周波数の奇数倍±a(0<a≦
10)[Hz]の周波数の交流重畳信号を印加すること
により、略a[Hz]で印加電圧を変化したと同じよう
になり、電力ケーブル23に絶縁劣化があれば、電力ケ
ーブル23から接地に略a[Hz]で変化する絶縁劣化
の程度に応じた数ナノアンペア[nA]程度の微少な直
流電流成分が流れるので、この直流電流成分の平均値と
交流重畳信号印加前の平均値との差の大きさにより電力
ケーブル23の水トリーによる真の絶縁劣化の程度を活
線状態で簡単にかつ高い精度で診断することができるよ
うになる。
に依れば、前述の効果に加えて、電力ケーブル23の金
属遮へい層23aに商用周波数の奇数倍±a(0<a≦
10)[Hz]の周波数の交流重畳信号を印加すること
により、略a[Hz]で印加電圧を変化したと同じよう
になり、電力ケーブル23に絶縁劣化があれば、電力ケ
ーブル23から接地に略a[Hz]で変化する絶縁劣化
の程度に応じた数ナノアンペア[nA]程度の微少な直
流電流成分が流れるので、この直流電流成分の平均値と
交流重畳信号印加前の平均値との差の大きさにより電力
ケーブル23の水トリーによる真の絶縁劣化の程度を活
線状態で簡単にかつ高い精度で診断することができるよ
うになる。
【0048】なお、電力ケーブル23の金属遮へい層に
商用周波数の2倍+a[Hz]の交流重畳信号を印加し
ているが、一般的には、商用周波数の偶数倍+a[H
z]の交流重畳信号を印加した場合にも、a[Hz]程
度の電圧を重畳したと同じ効果が得られ、a[Hz]程
度の電流の大きさから電力ケーブル23の絶縁劣化を診
断できる。また、コンデンサを挿入するなどの手段によ
って迷走電流を除去できる他、迷走電流の変動などにつ
いては電流のピーク−ピークの平均化などの統計定期な
処理によって影響を小さくすることができる。勿論、交
流重畳信号を重畳しているので、シース絶縁抵抗を介し
て生じる迷走電流は極めて小さくなっている。
商用周波数の2倍+a[Hz]の交流重畳信号を印加し
ているが、一般的には、商用周波数の偶数倍+a[H
z]の交流重畳信号を印加した場合にも、a[Hz]程
度の電圧を重畳したと同じ効果が得られ、a[Hz]程
度の電流の大きさから電力ケーブル23の絶縁劣化を診
断できる。また、コンデンサを挿入するなどの手段によ
って迷走電流を除去できる他、迷走電流の変動などにつ
いては電流のピーク−ピークの平均化などの統計定期な
処理によって影響を小さくすることができる。勿論、交
流重畳信号を重畳しているので、シース絶縁抵抗を介し
て生じる迷走電流は極めて小さくなっている。
【0049】次に、第1実施形態における、本絶縁劣化
診断方法を用いた絶縁劣化診断装置10を説明する。
診断方法を用いた絶縁劣化診断装置10を説明する。
【0050】図1は、本発明の活線電力ケーブルの絶縁
劣化診断方法及び絶縁劣化診断装置10の第1実施形態
を説明するための機能ブロック図である。
劣化診断方法及び絶縁劣化診断装置10の第1実施形態
を説明するための機能ブロック図である。
【0051】同図において、高電圧母線21にケーブル
端末22を介して接続されていて活線下で測定対象とな
っている電力ケーブル23には、通常その金属遮へい層
23aと接地間に接地線24が接続されている。
端末22を介して接続されていて活線下で測定対象とな
っている電力ケーブル23には、通常その金属遮へい層
23aと接地間に接地線24が接続されている。
【0052】本絶縁劣化診断装置10は、運転状態にあ
る活線下の電力ケーブル23、例えばCVケーブルと称
される架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの絶縁劣化を
診断する機能を有し、図1に示すように、交流電源1
2、電流測定手段16、診断手段17、及び保安手段1
8を有する。
る活線下の電力ケーブル23、例えばCVケーブルと称
される架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの絶縁劣化を
診断する機能を有し、図1に示すように、交流電源1
2、電流測定手段16、診断手段17、及び保安手段1
8を有する。
【0053】交流電源12は、活線下で測定対象とする
電力ケーブル23の金属遮へい層23aと接地間に接続
された接地線24の途中に設けられ、金属遮へい層23
aに商用周波数の整数倍±a[Hz]の周波数の交流重
畳信号を印加する機能を有し、交流重畳信号発生回路1
22と変圧器124とを有する。
電力ケーブル23の金属遮へい層23aと接地間に接続
された接地線24の途中に設けられ、金属遮へい層23
aに商用周波数の整数倍±a[Hz]の周波数の交流重
畳信号を印加する機能を有し、交流重畳信号発生回路1
22と変圧器124とを有する。
【0054】また交流重畳信号の周波数は、商用周波数
50[Hz]の奇数倍±a(=1)[Hz]に設定され
ている。具体的には、商用周波数50[Hz]の1(=
奇数)倍±1[Hz]に設定されている。
50[Hz]の奇数倍±a(=1)[Hz]に設定され
ている。具体的には、商用周波数50[Hz]の1(=
奇数)倍±1[Hz]に設定されている。
【0055】更に交流電源12は、交流重畳信号発生回
路122と変圧器124とを有する。
路122と変圧器124とを有する。
【0056】交流重畳信号発生回路122は、所定の周
波数の交流重畳信号を発生する機能を有する。
波数の交流重畳信号を発生する機能を有する。
【0057】電力ケーブル23の絶縁体に加わっている
電圧Vは、近似的には、下式で示される。
電圧Vは、近似的には、下式で示される。
【0058】V=V´・SIN(ω1・t)−V・SI
N(ω2・t) ただし、ω1=2π・f1、ω2=2π・f2、f1は
商用周波数、f2はaである。
N(ω2・t) ただし、ω1=2π・f1、ω2=2π・f2、f1は
商用周波数、f2はaである。
【0059】このため、電力ケーブル23には、a[H
z]程度と商用周波数の電圧の2つが加わることにな
り、a[Hz]程度の電圧を重畳したのと同じ効果があ
る。そこで、a[Hz]程度の電流に着目した。
z]程度と商用周波数の電圧の2つが加わることにな
り、a[Hz]程度の電圧を重畳したのと同じ効果があ
る。そこで、a[Hz]程度の電流に着目した。
【0060】また交流重畳信号の印加電圧が高くなる
と、検出信号12a(または直流電流成分)が急増する
ことが実験的に確認されている。そこで、交流重畳信号
の印加電圧(則ち、重畳電圧)を高くすることにより、
a[Hz]程度の周期が明確になることが予測できる。
と、検出信号12a(または直流電流成分)が急増する
ことが実験的に確認されている。そこで、交流重畳信号
の印加電圧(則ち、重畳電圧)を高くすることにより、
a[Hz]程度の周期が明確になることが予測できる。
【0061】またa[Hz]程度の周期が明確になれ
ば、電流の大きさ、特に、ピーク−ピークから電力ケー
ブル23の絶縁劣化の程度を評価できる。また、迷走電
流の変動などのノイズ電流分についてはa[Hz]程度
の電流のピーク−ピークを平均化するなどの統計的手段
によって除去することも可能になる。本実施形態でも、
重畳している電圧が交流重畳信号であり、直流電圧のよ
うにシース絶縁抵抗を介して生じる迷走電流が増大せ
ず、劣化信号だけが増幅されることが実験的に確認され
ている。
ば、電流の大きさ、特に、ピーク−ピークから電力ケー
ブル23の絶縁劣化の程度を評価できる。また、迷走電
流の変動などのノイズ電流分についてはa[Hz]程度
の電流のピーク−ピークを平均化するなどの統計的手段
によって除去することも可能になる。本実施形態でも、
重畳している電圧が交流重畳信号であり、直流電圧のよ
うにシース絶縁抵抗を介して生じる迷走電流が増大せ
ず、劣化信号だけが増幅されることが実験的に確認され
ている。
【0062】上述した実施形態によれば、電力ケーブル
23の金属遮へい層に商用周波数の1倍+a[Hz]の
交流重畳信号を印加しているが、一般的には、商用周波
数の奇数倍+a[Hz]の交流重畳信号を印加した場合
にも、a[Hz]程度の電圧を変動させたと同じ効果が
得られ、この交流重畳信号を印加する前後の直流電流成
分(平均値)の差もしくはa[Hz]程度の電流の大き
さから電力ケーブル23の絶縁劣化を診断できる。ま
た、コンデンサを挿入するなどの手段によって迷走電流
を除去できる他、交流重畳信号を重畳しているので、シ
ース絶縁抵抗を介して生じる迷走電流は極めて小さくな
ることが実験的に確認されている。
23の金属遮へい層に商用周波数の1倍+a[Hz]の
交流重畳信号を印加しているが、一般的には、商用周波
数の奇数倍+a[Hz]の交流重畳信号を印加した場合
にも、a[Hz]程度の電圧を変動させたと同じ効果が
得られ、この交流重畳信号を印加する前後の直流電流成
分(平均値)の差もしくはa[Hz]程度の電流の大き
さから電力ケーブル23の絶縁劣化を診断できる。ま
た、コンデンサを挿入するなどの手段によって迷走電流
を除去できる他、交流重畳信号を重畳しているので、シ
ース絶縁抵抗を介して生じる迷走電流は極めて小さくな
ることが実験的に確認されている。
【0063】変圧器124は、交流重畳信号発生回路1
22が発生する交流重畳信号を昇圧して接地線24に供
給する機能を有し、交流重畳信号発生回路122の出力
が接続される一次巻線L1と接地線の途中に挿入された
二次巻線L2とを有する。
22が発生する交流重畳信号を昇圧して接地線24に供
給する機能を有し、交流重畳信号発生回路122の出力
が接続される一次巻線L1と接地線の途中に挿入された
二次巻線L2とを有する。
【0064】このような構成を有する交流電源12に依
れば、請求項7に記載の効果に加えて、所定の周波数の
交流重畳信号を用いることに依り、数ナノアンペア[n
A]程度の微少な検出信号12aを簡単にかつ高い精度
で診断することができるようになる。
れば、請求項7に記載の効果に加えて、所定の周波数の
交流重畳信号を用いることに依り、数ナノアンペア[n
A]程度の微少な検出信号12aを簡単にかつ高い精度
で診断することができるようになる。
【0065】また金属遮へい層23aに接続された接地
線24と交流電源12の入力端子と保安手段18の入力
端子とは、図1に示すように、接続点Cに共通に接続さ
れている。
線24と交流電源12の入力端子と保安手段18の入力
端子とは、図1に示すように、接続点Cに共通に接続さ
れている。
【0066】挿入抵抗14は、接続点Cと接地(則ち、
図中のアース)間に接続されており、略100[kΩ]
乃至略1[MΩ]の範囲の抵抗値を有するように設定さ
れている。
図中のアース)間に接続されており、略100[kΩ]
乃至略1[MΩ]の範囲の抵抗値を有するように設定さ
れている。
【0067】このような挿入抵抗14としては、数ナノ
アンペア[nA]程度の微少な検出信号12aを高精度
で測定する電流測定手段16に外乱を与えない特性を有
することが望ましく、熱雑音の小さい金属皮膜抵抗等を
用いることが望ましい。
アンペア[nA]程度の微少な検出信号12aを高精度
で測定する電流測定手段16に外乱を与えない特性を有
することが望ましく、熱雑音の小さい金属皮膜抵抗等を
用いることが望ましい。
【0068】電流測定手段16は、電力ケーブル23か
ら交流電源12及び接地線24を介して接地に流れる電
流を測定する機能を有し、微少電流検出回路からを中心
にして構成されている。
ら交流電源12及び接地線24を介して接地に流れる電
流を測定する機能を有し、微少電流検出回路からを中心
にして構成されている。
【0069】具体的な微少電流検出回路は、電流電圧変
換用の超ローノイズ特性を有するオペアンプを中心にし
て構成することができる。
換用の超ローノイズ特性を有するオペアンプを中心にし
て構成することができる。
【0070】更に電流測定手段16は、検出信号12a
の中から所定の低周波電流成分(具体的には、数Hz以
下の低周波成分)を取り出すためのローパスフィルタ
(図示せず)を前述の微少電流検出回路の前段に設ける
ことが望ましい。
の中から所定の低周波電流成分(具体的には、数Hz以
下の低周波成分)を取り出すためのローパスフィルタ
(図示せず)を前述の微少電流検出回路の前段に設ける
ことが望ましい。
【0071】このようなローパスフィルタを用いて不要
な高周波成分を検出信号12aから簡便に克つ高精度に
除去できるようになり、更に微少電流検出回路(図示せ
ず)を用いてナノアンペア(nA)レベル乃至ピコアン
ペア(pA)レベルの微少電流を直接検出できるように
なり、その結果、絶縁劣化に対する精度の高い診断を行
うことができるようになる。
な高周波成分を検出信号12aから簡便に克つ高精度に
除去できるようになり、更に微少電流検出回路(図示せ
ず)を用いてナノアンペア(nA)レベル乃至ピコアン
ペア(pA)レベルの微少電流を直接検出できるように
なり、その結果、絶縁劣化に対する精度の高い診断を行
うことができるようになる。
【0072】診断手段17は、電流測定手段16により
測定した電流に基づいて電力ケーブル23の絶縁劣化の
程度を活線状態で診断する機能を有する。
測定した電流に基づいて電力ケーブル23の絶縁劣化の
程度を活線状態で診断する機能を有する。
【0073】このような電流測定手段16及び診断手段
17を設けることに依り、活線下で測定対象とする電力
ケーブル23の金属遮へい層23aと接地間に接続され
た接地線の途中に設けられた交流電源が、金属遮へい層
23aに商用周波数の整数倍±a(0<a≦10)[H
z]の周波数の交流重畳信号を印加することにより、略
a[Hz]で印加電圧を変化したり略a[Hz]の電圧
を重畳したと同じようになり、電力ケーブル23に絶縁
劣化があれば、電力ケーブル23から接地に絶縁劣化の
程度に応じた数ナノアンペア[nA]程度の微少電流が
流れるので、この電流を検出信号12aの測定手段16
により測定することにより、この測定した電流に基づい
て診断手段により電力ケーブル23の水トリーによる真
の絶縁劣化の程度が活線状態で簡単にかつ高精度で診断
することができるようになる。
17を設けることに依り、活線下で測定対象とする電力
ケーブル23の金属遮へい層23aと接地間に接続され
た接地線の途中に設けられた交流電源が、金属遮へい層
23aに商用周波数の整数倍±a(0<a≦10)[H
z]の周波数の交流重畳信号を印加することにより、略
a[Hz]で印加電圧を変化したり略a[Hz]の電圧
を重畳したと同じようになり、電力ケーブル23に絶縁
劣化があれば、電力ケーブル23から接地に絶縁劣化の
程度に応じた数ナノアンペア[nA]程度の微少電流が
流れるので、この電流を検出信号12aの測定手段16
により測定することにより、この測定した電流に基づい
て診断手段により電力ケーブル23の水トリーによる真
の絶縁劣化の程度が活線状態で簡単にかつ高精度で診断
することができるようになる。
【0074】このような構成を有する絶縁劣化診断装置
10においては、電流測定手段16が、検出信号12a
の略a(=1)[Hz]の検出信号12aの周波数にお
ける電流成分を測定し、続いて診断手段17が、略1
[Hz]の検出信号12aの周波数における電流成分の
大きさに基づいて、電力ケーブル23の絶縁劣化の程度
を活線状態で診断を行う。
10においては、電流測定手段16が、検出信号12a
の略a(=1)[Hz]の検出信号12aの周波数にお
ける電流成分を測定し、続いて診断手段17が、略1
[Hz]の検出信号12aの周波数における電流成分の
大きさに基づいて、電力ケーブル23の絶縁劣化の程度
を活線状態で診断を行う。
【0075】このような機能を有する絶縁劣化診断装置
10に依れば、前述の効果に加えて、電力ケーブル23
から接地に流れる絶縁劣化の程度に応じた数ナノアンペ
ア[nA]程度の微少電流が略a[Hz]の周期で変化
することに着目し、電流測定手段がこの略a[Hz]の
検出信号12aの周波数における電流成分を測定し、測
定した略a[Hz]の検出信号12aの周波数における
電流成分の大きさにより電力ケーブル23の絶縁劣化の
程度を活線状態で診断しているので、他の要因による電
流を簡単に分離でき、水トリーによる真の絶縁劣化の程
度を活線状態で簡単にかつ高い精度で診断することがで
きるようになる。
10に依れば、前述の効果に加えて、電力ケーブル23
から接地に流れる絶縁劣化の程度に応じた数ナノアンペ
ア[nA]程度の微少電流が略a[Hz]の周期で変化
することに着目し、電流測定手段がこの略a[Hz]の
検出信号12aの周波数における電流成分を測定し、測
定した略a[Hz]の検出信号12aの周波数における
電流成分の大きさにより電力ケーブル23の絶縁劣化の
程度を活線状態で診断しているので、他の要因による電
流を簡単に分離でき、水トリーによる真の絶縁劣化の程
度を活線状態で簡単にかつ高い精度で診断することがで
きるようになる。
【0076】更に絶縁劣化診断装置10においては、高
精度の電流測定の観点から、電流測定手段16が、検出
信号12aの周波数における電流成分の中の直流電流成
分を測定することが望ましく、更に診断手段17が、交
流重畳信号印加時の直流電流成分の平均値と交流重畳信
号印加前の直流電流成分の平均値との差に基づいて、電
力ケーブル23の絶縁劣化の程度を活線状態で診断を行
うことが望ましい。
精度の電流測定の観点から、電流測定手段16が、検出
信号12aの周波数における電流成分の中の直流電流成
分を測定することが望ましく、更に診断手段17が、交
流重畳信号印加時の直流電流成分の平均値と交流重畳信
号印加前の直流電流成分の平均値との差に基づいて、電
力ケーブル23の絶縁劣化の程度を活線状態で診断を行
うことが望ましい。
【0077】このような直流電流成分の測定を絶縁劣化
診断装置10において実行すること依り、前述の効果に
加えて、交流電源が電力ケーブル23の金属遮へい層2
3aに商用周波数の奇数倍±a(0<a≦10)[H
z]の周波数の交流重畳信号を印加することにより、略
a[Hz]で印加電圧を変化したと同じようになり、電
力ケーブル23に絶縁劣化があれば、電力ケーブル23
から接地に略a[Hz]で変化する絶縁劣化の程度に応
じた数ナノアンペア[nA]程度の微少な直流電流成分
が流れるので、電流測定手段が測定した直流電流成分の
平均値と交流重畳信号印加前の平均値との差の大きさに
より電力ケーブル23の水トリーによる真の絶縁劣化の
程度を活線状態で簡単にかつ高い精度で診断することが
できるようになる。
診断装置10において実行すること依り、前述の効果に
加えて、交流電源が電力ケーブル23の金属遮へい層2
3aに商用周波数の奇数倍±a(0<a≦10)[H
z]の周波数の交流重畳信号を印加することにより、略
a[Hz]で印加電圧を変化したと同じようになり、電
力ケーブル23に絶縁劣化があれば、電力ケーブル23
から接地に略a[Hz]で変化する絶縁劣化の程度に応
じた数ナノアンペア[nA]程度の微少な直流電流成分
が流れるので、電流測定手段が測定した直流電流成分の
平均値と交流重畳信号印加前の平均値との差の大きさに
より電力ケーブル23の水トリーによる真の絶縁劣化の
程度を活線状態で簡単にかつ高い精度で診断することが
できるようになる。
【0078】またこの場合、前述のローパスフィルタ
が、検出信号12aの中から所定の低周波電流成分(具
体的には、数Hz以下の低周波成分)を取り出し、続い
て微少電流検出回路が、この低周波電流成分から直流電
流成分を測定することが望ましい。
が、検出信号12aの中から所定の低周波電流成分(具
体的には、数Hz以下の低周波成分)を取り出し、続い
て微少電流検出回路が、この低周波電流成分から直流電
流成分を測定することが望ましい。
【0079】このようなローパスフィルタを用いて、不
要な高周波成分を検出信号12aから簡便に克つ高精度
に除去できるようになり、更に微少電流検出回路を用い
て、数ナノアンペア[nA]レベルの微少電流を直接検
出できるようになり、その結果、絶縁劣化に対する精度
の高い診断を行うことができるようになる。
要な高周波成分を検出信号12aから簡便に克つ高精度
に除去できるようになり、更に微少電流検出回路を用い
て、数ナノアンペア[nA]レベルの微少電流を直接検
出できるようになり、その結果、絶縁劣化に対する精度
の高い診断を行うことができるようになる。
【0080】図3は、このような絶縁劣化診断装置10
を用いて、6kV級の3種類の電力ケーブル23(CV
ケーブル)、No.1,No.2,及びNo.3に対し
て、その絶縁劣化状態を測定した際の検出信号12aと
挿入抵抗14との関係を示すグラフである。
を用いて、6kV級の3種類の電力ケーブル23(CV
ケーブル)、No.1,No.2,及びNo.3に対し
て、その絶縁劣化状態を測定した際の検出信号12aと
挿入抵抗14との関係を示すグラフである。
【0081】図3に示されるように、3種類の電力ケー
ブル(No.1,No.2又はNo.3)23の何れに
おいても、検出信号12aの大きさが挿入抵抗14に対
して増加する領域が存在する。則ち、挿入抵抗14が略
100[kΩ]乃至略1[MΩ]の抵抗値を有するよう
に設定されている場合、十分に大きな検出信号12aを
得ることができる。
ブル(No.1,No.2又はNo.3)23の何れに
おいても、検出信号12aの大きさが挿入抵抗14に対
して増加する領域が存在する。則ち、挿入抵抗14が略
100[kΩ]乃至略1[MΩ]の抵抗値を有するよう
に設定されている場合、十分に大きな検出信号12aを
得ることができる。
【0082】また挿入抵抗14の抵抗値が100[k
Ω]より小さくなると、迷走電流の影響が大きくなり、
検出信号12aの高精度の測定が難しくなることが実験
的に確認されている。
Ω]より小さくなると、迷走電流の影響が大きくなり、
検出信号12aの高精度の測定が難しくなることが実験
的に確認されている。
【0083】また挿入抵抗14の抵抗値を1[MΩ]よ
り大きくしても、検出信号12aの増加効果は見られな
いことが実験的に確認されている。
り大きくしても、検出信号12aの増加効果は見られな
いことが実験的に確認されている。
【0084】このような実験結果を踏まえて、挿入抵抗
14の抵抗値を、略100[kΩ]乃至略1[MΩ]の
抵抗値に設定している。
14の抵抗値を、略100[kΩ]乃至略1[MΩ]の
抵抗値に設定している。
【0085】以上説明したように、第1工程乃至第4工
程を有する絶縁劣化診断方法、及びこの方法を用いた絶
縁劣化診断装置に依れば、電力ケーブル23の金属遮へ
い層23aに商用周波数の整数倍±a(0<a≦10)
[Hz]の周波数の交流重畳信号を印加することによ
り、略a[Hz]で印加電圧を変化したり略a[Hz]
の検出信号12aの周波数における電圧を重畳したと同
じようになり、電力ケーブル23に絶縁劣化があれば、
電力ケーブル23から接地に絶縁劣化の程度に応じた数
ナノアンペア[nA]程度の微少電流が流れるようにし
ているので、検出信号12aに基づいて電力ケーブル2
3の水トリーによる真の絶縁劣化の程度を活線状態で簡
単にかつ高い精度で診断することができるようになる。
程を有する絶縁劣化診断方法、及びこの方法を用いた絶
縁劣化診断装置に依れば、電力ケーブル23の金属遮へ
い層23aに商用周波数の整数倍±a(0<a≦10)
[Hz]の周波数の交流重畳信号を印加することによ
り、略a[Hz]で印加電圧を変化したり略a[Hz]
の検出信号12aの周波数における電圧を重畳したと同
じようになり、電力ケーブル23に絶縁劣化があれば、
電力ケーブル23から接地に絶縁劣化の程度に応じた数
ナノアンペア[nA]程度の微少電流が流れるようにし
ているので、検出信号12aに基づいて電力ケーブル2
3の水トリーによる真の絶縁劣化の程度を活線状態で簡
単にかつ高い精度で診断することができるようになる。
【0086】次に、第2実施形態を説明する。
【0087】なお、第2実施形態における絶縁劣化診断
方法、及びこの方法を用いた絶縁劣化診断装置において
は、挿入抵抗の接続形態が第1実施形態と異なることを
除いては、構成、機能、及び効果は、第1実施形態にお
ける絶縁劣化診断方法、及びこの方法を用いた絶縁劣化
診断装置と同様である。そこで、第1実施形態における
絶縁劣化診断方法、及びこの方法を用いた絶縁劣化診断
装置において、既に記述したものと同一の部分について
は、同一符号を付し、重複した説明は省略する。
方法、及びこの方法を用いた絶縁劣化診断装置において
は、挿入抵抗の接続形態が第1実施形態と異なることを
除いては、構成、機能、及び効果は、第1実施形態にお
ける絶縁劣化診断方法、及びこの方法を用いた絶縁劣化
診断装置と同様である。そこで、第1実施形態における
絶縁劣化診断方法、及びこの方法を用いた絶縁劣化診断
装置において、既に記述したものと同一の部分について
は、同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0088】本絶縁劣化診断方法は、運転状態にある活
線下の電力ケーブル23、例えばCVケーブルと称され
る架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの絶縁劣化を診断
する方法であって、第1工程と第2工程と第3工程と第
4工程とを少なくとも有して構成されている。
線下の電力ケーブル23、例えばCVケーブルと称され
る架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの絶縁劣化を診断
する方法であって、第1工程と第2工程と第3工程と第
4工程とを少なくとも有して構成されている。
【0089】第1工程は、商用周波数50[Hz]、印
加電圧2乃至6[kV]の交流電力が印加されて運転状
態にある活線下で測定対象とする電力ケーブル(6kV
級のCVケーブル)23の金属遮へい層23aと接地間
に、交流電源12によって略101[Hz]の周波数及
び400Vの印加電圧を有する交流重畳信号を印加する
工程である。
加電圧2乃至6[kV]の交流電力が印加されて運転状
態にある活線下で測定対象とする電力ケーブル(6kV
級のCVケーブル)23の金属遮へい層23aと接地間
に、交流電源12によって略101[Hz]の周波数及
び400Vの印加電圧を有する交流重畳信号を印加する
工程である。
【0090】第2工程は、略100[kΩ]乃至略1
[MΩ]の抵抗値を有する挿入抵抗14を金属遮へい層
23aと接地間に、前記電力ケーブル23から前記接地
線を介して接地に流れる電流を測定する電流測定手段と
並列に接続する工程である。
[MΩ]の抵抗値を有する挿入抵抗14を金属遮へい層
23aと接地間に、前記電力ケーブル23から前記接地
線を介して接地に流れる電流を測定する電流測定手段と
並列に接続する工程である。
【0091】挿入抵抗14は、所定の抵抗値範囲におい
て、検出信号12aを増加させる効果がある。そこで所
定の抵抗値として、略100[kΩ]乃至略1[MΩ]
の抵抗値に挿入抵抗14を設定されている。なお、挿入
抵抗14の接続形態は、第2実施形態の絶縁劣化診断装
置10において説明する。
て、検出信号12aを増加させる効果がある。そこで所
定の抵抗値として、略100[kΩ]乃至略1[MΩ]
の抵抗値に挿入抵抗14を設定されている。なお、挿入
抵抗14の接続形態は、第2実施形態の絶縁劣化診断装
置10において説明する。
【0092】この様に挿入抵抗14の抵抗値範囲を最適
化することに依り、前述の効果に加えて、数ナノアンペ
ア[nA]程度の微少な検出信号12aを簡単にかつ高
い精度で診断することができるようになる。
化することに依り、前述の効果に加えて、数ナノアンペ
ア[nA]程度の微少な検出信号12aを簡単にかつ高
い精度で診断することができるようになる。
【0093】第3工程は、挿入抵抗14を接続した状態
で、電力ケーブル23から交流電源12を介して接地に
流れる検出信号12aを測定する工程である。
で、電力ケーブル23から交流電源12を介して接地に
流れる検出信号12aを測定する工程である。
【0094】第4工程は、検出信号12aの電流値に基
づいて電力ケーブル23の絶縁劣化の程度を活線状態で
診断する工程である。
づいて電力ケーブル23の絶縁劣化の程度を活線状態で
診断する工程である。
【0095】このような第3,4工程を有する方法に依
れば、前述の効果に加えて、電力ケーブル23から接地
に流れる絶縁劣化の程度に応じた数ナノアンペア[n
A]程度の微少電流が略a[Hz]の周期で変化するこ
とに着目し、この略a[Hz]の検出信号12aの周波
数における電流成分を測定し、測定した略a[Hz]の
検出信号12aの周波数における電流成分の大きさによ
り電力ケーブル23の絶縁劣化の程度を活線状態で診断
しているので、他の要因による電流を簡単に分離でき、
水トリーによる真の絶縁劣化の程度を活線状態で簡単に
かつ高い精度で診断することができるようになる。
れば、前述の効果に加えて、電力ケーブル23から接地
に流れる絶縁劣化の程度に応じた数ナノアンペア[n
A]程度の微少電流が略a[Hz]の周期で変化するこ
とに着目し、この略a[Hz]の検出信号12aの周波
数における電流成分を測定し、測定した略a[Hz]の
検出信号12aの周波数における電流成分の大きさによ
り電力ケーブル23の絶縁劣化の程度を活線状態で診断
しているので、他の要因による電流を簡単に分離でき、
水トリーによる真の絶縁劣化の程度を活線状態で簡単に
かつ高い精度で診断することができるようになる。
【0096】次に、第2実施形態における、本絶縁劣化
診断方法を用いた絶縁劣化診断装置10を説明する。
診断方法を用いた絶縁劣化診断装置10を説明する。
【0097】図2は、本発明の活線電力ケーブルの絶縁
劣化診断方法及び絶縁劣化診断装置10の第2実施形態
を説明するための機能ブロック図である。
劣化診断方法及び絶縁劣化診断装置10の第2実施形態
を説明するための機能ブロック図である。
【0098】変圧器124の出力端子と電流測定手段1
6の入力端子と保安手段18の検出端子とは、図2に示
すように、接続点Dに共通に接続されている。
6の入力端子と保安手段18の検出端子とは、図2に示
すように、接続点Dに共通に接続されている。
【0099】挿入抵抗14は、金属遮へい層23aに接
続された接地線24における接続点Dと接地間に接続さ
れている。
続された接地線24における接続点Dと接地間に接続さ
れている。
【0100】このような挿入抵抗14としては、数ナノ
アンペア[nA]程度の微少な検出信号12aを高精度
で測定する電流測定手段16に外乱を与えない特性を有
することが望ましく、熱雑音の小さい金属皮膜抵抗等を
用いることが望ましい。
アンペア[nA]程度の微少な検出信号12aを高精度
で測定する電流測定手段16に外乱を与えない特性を有
することが望ましく、熱雑音の小さい金属皮膜抵抗等を
用いることが望ましい。
【0101】以上説明したように、第2実施形態に依れ
ば、電力ケーブル23の金属遮へい層23aに商用周波
数の整数倍±a(0<a≦10)[Hz]の周波数の交
流重畳信号を印加することにより、略a[Hz]で印加
電圧を変化したり略a[Hz]の検出信号12aの周波
数における電圧を重畳したと同じようになり、電力ケー
ブル23に絶縁劣化があれば、電力ケーブル23から接
地に絶縁劣化の程度に応じた数ナノアンペア[nA]程
度の微少電流が流れるようにしているので、検出信号1
2aに基づいて電力ケーブル23の水トリーによる真の
絶縁劣化の程度を活線状態で簡単にかつ高い精度で診断
することができるようになる。
ば、電力ケーブル23の金属遮へい層23aに商用周波
数の整数倍±a(0<a≦10)[Hz]の周波数の交
流重畳信号を印加することにより、略a[Hz]で印加
電圧を変化したり略a[Hz]の検出信号12aの周波
数における電圧を重畳したと同じようになり、電力ケー
ブル23に絶縁劣化があれば、電力ケーブル23から接
地に絶縁劣化の程度に応じた数ナノアンペア[nA]程
度の微少電流が流れるようにしているので、検出信号1
2aに基づいて電力ケーブル23の水トリーによる真の
絶縁劣化の程度を活線状態で簡単にかつ高い精度で診断
することができるようになる。
【0102】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に依れば、電力ケ
ーブルの金属遮へい層に商用周波数の整数倍±a(0<
a≦10)[Hz]の周波数の交流重畳信号を印加する
ことにより、略a[Hz]で印加電圧を変化したり略a
[Hz]の検出信号周波数における電圧を重畳したと同
じようになり、電力ケーブルに絶縁劣化があれば、電力
ケーブルから接地に絶縁劣化の程度に応じた数ナノアン
ペア[nA]程度の微少電流が流れるようにしているの
で、検出信号に基づいて電力ケーブルの水トリーによる
真の絶縁劣化の程度を活線状態で簡単にかつ高い精度で
診断することができるようになる。
ーブルの金属遮へい層に商用周波数の整数倍±a(0<
a≦10)[Hz]の周波数の交流重畳信号を印加する
ことにより、略a[Hz]で印加電圧を変化したり略a
[Hz]の検出信号周波数における電圧を重畳したと同
じようになり、電力ケーブルに絶縁劣化があれば、電力
ケーブルから接地に絶縁劣化の程度に応じた数ナノアン
ペア[nA]程度の微少電流が流れるようにしているの
で、検出信号に基づいて電力ケーブルの水トリーによる
真の絶縁劣化の程度を活線状態で簡単にかつ高い精度で
診断することができるようになる。
【0103】請求項2に記載の発明に依れば、電力ケー
ブルの金属遮へい層に商用周波数の整数倍±a(0<a
≦10)[Hz]の周波数の交流重畳信号を印加するこ
とにより、略a[Hz]で印加電圧を変化したり略a
[Hz]の検出信号周波数における電圧を重畳したと同
じようになり、電力ケーブルに絶縁劣化があれば、電力
ケーブルから接地に絶縁劣化の程度に応じた数ナノアン
ペア[nA]程度の微少電流が流れるようにしているの
で、検出信号に基づいて電力ケーブルの水トリーによる
真の絶縁劣化の程度を活線状態で簡単にかつ高い精度で
診断することができるようになる。
ブルの金属遮へい層に商用周波数の整数倍±a(0<a
≦10)[Hz]の周波数の交流重畳信号を印加するこ
とにより、略a[Hz]で印加電圧を変化したり略a
[Hz]の検出信号周波数における電圧を重畳したと同
じようになり、電力ケーブルに絶縁劣化があれば、電力
ケーブルから接地に絶縁劣化の程度に応じた数ナノアン
ペア[nA]程度の微少電流が流れるようにしているの
で、検出信号に基づいて電力ケーブルの水トリーによる
真の絶縁劣化の程度を活線状態で簡単にかつ高い精度で
診断することができるようになる。
【0104】請求項3に記載の発明に依れば、請求項1
又は2に記載の効果に加えて、電力ケーブルから接地に
流れる絶縁劣化の程度に応じた数ナノアンペア[nA]
程度の微少電流が略a[Hz]の周期で変化することに
着目し、この略a[Hz]の検出信号周波数における電
流成分を測定し、測定した略a[Hz]の検出信号周波
数における電流成分の大きさにより電力ケーブルの絶縁
劣化の程度を活線状態で診断しているので、他の要因に
よる電流を簡単に分離でき、水トリーによる真の絶縁劣
化の程度を活線状態で簡単にかつ高い精度で診断するこ
とができるようになる。
又は2に記載の効果に加えて、電力ケーブルから接地に
流れる絶縁劣化の程度に応じた数ナノアンペア[nA]
程度の微少電流が略a[Hz]の周期で変化することに
着目し、この略a[Hz]の検出信号周波数における電
流成分を測定し、測定した略a[Hz]の検出信号周波
数における電流成分の大きさにより電力ケーブルの絶縁
劣化の程度を活線状態で診断しているので、他の要因に
よる電流を簡単に分離でき、水トリーによる真の絶縁劣
化の程度を活線状態で簡単にかつ高い精度で診断するこ
とができるようになる。
【0105】請求項4に記載の発明に依れば、請求項3
に記載の効果に加えて、電力ケーブルの金属遮へい層に
商用周波数の奇数倍±a(0<a≦10)[Hz]の周
波数の交流重畳信号を印加することにより、略a[H
z]で印加電圧を変化したと同じようになり、電力ケー
ブルに絶縁劣化があれば、電力ケーブルから接地に略a
[Hz]で変化する絶縁劣化の程度に応じた数ナノアン
ペア[nA]程度の微少な直流電流成分が流れるので、
この直流電流成分の平均値と交流重畳信号印加前の平均
値との差の大きさにより電力ケーブルの水トリーによる
真の絶縁劣化の程度を活線状態で簡単にかつ高い精度で
診断することができるようになる。
に記載の効果に加えて、電力ケーブルの金属遮へい層に
商用周波数の奇数倍±a(0<a≦10)[Hz]の周
波数の交流重畳信号を印加することにより、略a[H
z]で印加電圧を変化したと同じようになり、電力ケー
ブルに絶縁劣化があれば、電力ケーブルから接地に略a
[Hz]で変化する絶縁劣化の程度に応じた数ナノアン
ペア[nA]程度の微少な直流電流成分が流れるので、
この直流電流成分の平均値と交流重畳信号印加前の平均
値との差の大きさにより電力ケーブルの水トリーによる
真の絶縁劣化の程度を活線状態で簡単にかつ高い精度で
診断することができるようになる。
【0106】請求項5に記載の発明に依れば、請求項4
に記載の効果に加えて、挿入抵抗14の最適化を行うこ
とに依り、数ナノアンペア[nA]程度の微少な検出信
号を簡単にかつ高い精度で診断することができるように
なる。
に記載の効果に加えて、挿入抵抗14の最適化を行うこ
とに依り、数ナノアンペア[nA]程度の微少な検出信
号を簡単にかつ高い精度で診断することができるように
なる。
【0107】請求項6に記載の発明に依れば、活線下で
測定対象とする電力ケーブルの金属遮へい層と接地間に
接続された接地線の途中に設けられた交流電源が、金属
遮へい層に商用周波数の整数倍±a(0<a≦10)
[Hz]の周波数の交流重畳信号を印加することによ
り、略a[Hz]で印加電圧を変化したり略a[Hz]
の電圧を重畳したと同じようになり、電力ケーブルに絶
縁劣化があれば、電力ケーブルから接地に絶縁劣化の程
度に応じた数ナノアンペア[nA]程度の微少電流が流
れるので、この電流を検出信号の測定手段により測定す
ることにより、この測定した電流に基づいて診断手段に
より電力ケーブルの水トリーによる真の絶縁劣化の程度
が活線状態で簡単にかつ高精度で診断することができる
ようになる。
測定対象とする電力ケーブルの金属遮へい層と接地間に
接続された接地線の途中に設けられた交流電源が、金属
遮へい層に商用周波数の整数倍±a(0<a≦10)
[Hz]の周波数の交流重畳信号を印加することによ
り、略a[Hz]で印加電圧を変化したり略a[Hz]
の電圧を重畳したと同じようになり、電力ケーブルに絶
縁劣化があれば、電力ケーブルから接地に絶縁劣化の程
度に応じた数ナノアンペア[nA]程度の微少電流が流
れるので、この電流を検出信号の測定手段により測定す
ることにより、この測定した電流に基づいて診断手段に
より電力ケーブルの水トリーによる真の絶縁劣化の程度
が活線状態で簡単にかつ高精度で診断することができる
ようになる。
【0108】請求項7に記載の発明に依れば、活線下で
測定対象とする電力ケーブルの金属遮へい層と接地間に
接続された接地線の途中に設けられた交流電源が、金属
遮へい層に商用周波数の整数倍±a(0<a≦10)
[Hz]の周波数の交流重畳信号を印加することによ
り、略a[Hz]で印加電圧を変化したり略a[Hz]
の電圧を重畳したと同じようになり、電力ケーブルに絶
縁劣化があれば、電力ケーブルから接地に絶縁劣化の程
度に応じた数ナノアンペア[nA]程度の微少電流が流
れるので、この電流を検出信号の測定手段により測定す
ることにより、この測定した電流に基づいて診断手段に
より電力ケーブルの水トリーによる真の絶縁劣化の程度
が活線状態で簡単にかつ高精度で診断することができる
ようになる。
測定対象とする電力ケーブルの金属遮へい層と接地間に
接続された接地線の途中に設けられた交流電源が、金属
遮へい層に商用周波数の整数倍±a(0<a≦10)
[Hz]の周波数の交流重畳信号を印加することによ
り、略a[Hz]で印加電圧を変化したり略a[Hz]
の電圧を重畳したと同じようになり、電力ケーブルに絶
縁劣化があれば、電力ケーブルから接地に絶縁劣化の程
度に応じた数ナノアンペア[nA]程度の微少電流が流
れるので、この電流を検出信号の測定手段により測定す
ることにより、この測定した電流に基づいて診断手段に
より電力ケーブルの水トリーによる真の絶縁劣化の程度
が活線状態で簡単にかつ高精度で診断することができる
ようになる。
【0109】更に、挿入抵抗14の最適化を行うことに
依り、数ナノアンペア[nA]程度の微少な検出信号を
簡単にかつ高い精度で診断することができるようにな
る。
依り、数ナノアンペア[nA]程度の微少な検出信号を
簡単にかつ高い精度で診断することができるようにな
る。
【0110】請求項8に記載の発明に依れば、請求項7
に記載の効果に加えて、所定の周波数の交流重畳信号を
用いることに依り、数ナノアンペア[nA]程度の微少
な検出信号を簡単にかつ高い精度で診断することができ
るようになる。
に記載の効果に加えて、所定の周波数の交流重畳信号を
用いることに依り、数ナノアンペア[nA]程度の微少
な検出信号を簡単にかつ高い精度で診断することができ
るようになる。
【0111】請求項9に記載の発明に依れば、請求項8
に記載の効果に加えて、電力ケーブルから接地に流れる
絶縁劣化の程度に応じた数ナノアンペア[nA]程度の
微少電流が略a[Hz]の周期で変化することに着目
し、電流測定手段がこの略a[Hz]の検出信号周波数
における電流成分を測定し、測定した略a[Hz]の検
出信号周波数における電流成分の大きさにより電力ケー
ブルの絶縁劣化の程度を活線状態で診断しているので、
他の要因による電流を簡単に分離でき、水トリーによる
真の絶縁劣化の程度を活線状態で簡単にかつ高い精度で
診断することができるようになる。
に記載の効果に加えて、電力ケーブルから接地に流れる
絶縁劣化の程度に応じた数ナノアンペア[nA]程度の
微少電流が略a[Hz]の周期で変化することに着目
し、電流測定手段がこの略a[Hz]の検出信号周波数
における電流成分を測定し、測定した略a[Hz]の検
出信号周波数における電流成分の大きさにより電力ケー
ブルの絶縁劣化の程度を活線状態で診断しているので、
他の要因による電流を簡単に分離でき、水トリーによる
真の絶縁劣化の程度を活線状態で簡単にかつ高い精度で
診断することができるようになる。
【0112】請求項10に記載の発明に依れば、請求項
8に記載の効果に加えて、交流電源が電力ケーブルの金
属遮へい層に商用周波数の奇数倍±a(0<a≦10)
[Hz]の周波数の交流重畳信号を印加することによ
り、略a[Hz]で印加電圧を変化したと同じようにな
り、電力ケーブルに絶縁劣化があれば、電力ケーブルか
ら接地に略a[Hz]で変化する絶縁劣化の程度に応じ
た数ナノアンペア[nA]程度の微少な直流電流成分が
流れるので、電流測定手段が測定した直流電流成分の平
均値と交流重畳信号印加前の平均値との差の大きさによ
り電力ケーブルの水トリーによる真の絶縁劣化の程度を
活線状態で簡単にかつ高い精度で診断することができる
ようになる。
8に記載の効果に加えて、交流電源が電力ケーブルの金
属遮へい層に商用周波数の奇数倍±a(0<a≦10)
[Hz]の周波数の交流重畳信号を印加することによ
り、略a[Hz]で印加電圧を変化したと同じようにな
り、電力ケーブルに絶縁劣化があれば、電力ケーブルか
ら接地に略a[Hz]で変化する絶縁劣化の程度に応じ
た数ナノアンペア[nA]程度の微少な直流電流成分が
流れるので、電流測定手段が測定した直流電流成分の平
均値と交流重畳信号印加前の平均値との差の大きさによ
り電力ケーブルの水トリーによる真の絶縁劣化の程度を
活線状態で簡単にかつ高い精度で診断することができる
ようになる。
【0113】
【図1】本発明の活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法
及び絶縁劣化診断装置の第1実施形態を説明するための
機能ブロック図である。
及び絶縁劣化診断装置の第1実施形態を説明するための
機能ブロック図である。
【図2】本発明の活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法
及び絶縁劣化診断装置の第2実施形態を説明するための
機能ブロック図である。
及び絶縁劣化診断装置の第2実施形態を説明するための
機能ブロック図である。
【図3】図1又は図2の絶縁劣化診断装置を用いて、6
kV級の3種類の電力ケーブル(CVケーブル)、N
o.1,No.2,及びNo.3に対して、その絶縁劣
化状態を測定した際の検出信号と挿入抵抗との関係を示
すグラフである。
kV級の3種類の電力ケーブル(CVケーブル)、N
o.1,No.2,及びNo.3に対して、その絶縁劣
化状態を測定した際の検出信号と挿入抵抗との関係を示
すグラフである。
10 絶縁劣化診断装置 12 交流電源 12a 検出信号 122 交流重畳信号発生回路 124 変圧器 14 挿入抵抗 16 電流測定手段 17 診断手段 18 保安手段 23 電力ケーブル 23a 金属遮へい層 24 接地線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀田 昌弘 静岡県沼津市大岡2771 矢崎電線株式会社 内
Claims (10)
- 【請求項1】 電力ケーブルの絶縁特性を評価する絶縁
劣化診断方法において、 商用周波数の交流電力が印加されて運転状態にある活線
下で測定対象とする電力ケーブルの金属遮へい層と接地
間に交流電源によって商用周波数の整数倍±a(0<a
≦10)[Hz]の周波数の交流重畳信号を印加する第
1工程と、 所定の抵抗値を有する挿入抵抗を前記金属遮へい層と接
地間に接続する第2工程と、 前記挿入抵抗を接続した状態で、前記電力ケーブルから
前記交流電源を介して接地に流れる検出信号を測定する
第3工程と、 前記検出信号の電流値に基づいて前記電力ケーブルの絶
縁劣化の程度を活線状態で診断する第4工程とを少なく
とも有する、 ことを特徴とする活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方
法。 - 【請求項2】 電力ケーブルの絶縁特性を評価する絶縁
劣化診断方法において、 商用周波数の交流電力が印加されて運転状態にある活線
下で測定対象とする電力ケーブルの金属遮へい層と接地
間に交流電源によって商用周波数の整数倍±a(0<a
≦10)[Hz]の周波数の交流重畳信号を印加する第
1工程と、 所定の抵抗値を有する挿入抵抗を前記金属遮へい層と接
地間に、前記電力ケーブルから前記接地線を介して接地
に流れる電流を測定する電流測定手段と並列に接続する
第2工程と、 前記挿入抵抗を接続した状態で、前記電力ケーブルから
前記交流電源を介して接地に流れる検出信号を測定する
第3工程と、 前記検出信号の電流値に基づいて前記電力ケーブルの絶
縁劣化の程度を活線状態で診断する第4工程とを少なく
とも有する、 ことを特徴とする活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方
法。 - 【請求項3】 前記第3工程における前記検出信号は、
略a[Hz]の検出信号周波数における電流成分を有
し、 前記第4工程は、前記第3工程で測定された前記検出信
号の略a[Hz]の検出信号周波数における電流成分の
大きさに基づいて、前記電力ケーブルの絶縁劣化の程度
を活線状態で診断を行う、 ことを特徴とする請求項1又は2記載の活線電力ケーブ
ルの絶縁劣化診断方法。 - 【請求項4】 前記第1工程における交流重畳信号の周
波数は、商用周波数の奇数倍±a(0<a≦10)[H
z]の周波数であり、 前記第3工程における前記検出信号は直流電流成分であ
り、 前記第4工程における診断は、前記交流重畳信号印加時
の前記直流電流成分の平均値と前記交流重畳信号印加前
の直流電流成分の平均値との差に基づいて実行される、 ことを特徴とする請求項3記載の活線電力ケーブルの絶
縁劣化診断方法。 - 【請求項5】 前記挿入抵抗は、略100[kΩ]乃至
略1[MΩ]の抵抗値を有する、 ことを特徴とする請求項4に記載の活線電力ケーブルの
絶縁劣化診断方法。 - 【請求項6】 前記絶縁劣化診断方法を用いた絶縁劣化
診断装置であって、 活線下で測定対象とする電力ケーブルの前記金属遮へい
層と接地間に接続された接地線の途中に設けられ、前記
金属遮へい層に前記商用周波数の整数倍±a[Hz]の
周波数の前記交流重畳信号を印加する交流電源と、 前記金属遮へい層と接地間に接続され、略100[k
Ω]乃至略1[MΩ]の抵抗値を有する挿入抵抗と、 前記電力ケーブルから前記交流電源及び前記接地線を介
して接地に流れる電流を測定する電流測定手段と、 前記電流測定手段により測定した電流に基づいて前記電
力ケーブルの絶縁劣化の程度を活線状態で診断する診断
手段とを有する、 ことを特徴とする請求項1乃至5に記載の絶縁劣化診断
方法を用いた絶縁劣化診断装置。 - 【請求項7】 前記絶縁劣化診断方法を用いた絶縁劣化
診断装置であって、 活線下で測定対象とする電力ケーブルの前記金属遮へい
層と接地間に接続された接地線の途中に設けられ、前記
金属遮へい層に前記商用周波数の整数倍±a[Hz]の
周波数の前記交流重畳信号を印加する交流電源と、 前記金属遮へい層と接地間に、前記電力ケーブルから前
記接地線を介して接地に流れる電流を測定する電流測定
手段と並列に接続され、略100[kΩ]乃至略1[M
Ω]の抵抗値を有する挿入抵抗と、 前記電力ケーブルから前記交流電源及び前記接地線を介
して接地に流れる電流を測定する電流測定手段と、 前記電流測定手段により測定した電流に基づいて前記電
力ケーブルの絶縁劣化の程度を活線状態で診断する診断
手段とを有する、 ことを特徴とする請求項1乃至5に記載の絶縁劣化診断
方法を用いた絶縁劣化診断装置。 - 【請求項8】 前記交流電源は、 所定の周波数の前記交流重畳信号を発生する交流重畳信
号発生回路と、 前記交流重畳信号発生回路122の出力が接続される一
次巻線L1と接地線の途中に挿入された二次巻線L2と
を有し、前記交流重畳信号発生回路が発生する前記交流
重畳信号を昇圧して接地線に供給する変圧器とを有す
る、 ことを特徴とする請求項7に記載の絶縁劣化診断装置。 - 【請求項9】 前記電流測定手段が、前記検出信号の略
a[Hz]の検出信号周波数における電流成分を測定
し、 前記診断手段が前記略a[Hz]の検出信号周波数にお
ける電流成分の大きさに基づいて、電力ケーブルの絶縁
劣化の程度を活線状態で診断を行う、 ことを特徴とする請求項8に記載の絶縁劣化診断装置。 - 【請求項10】 前記交流重畳信号の周波数が商用周波
数の奇数倍±a(0<a≦10)[Hz]であり、 前記電流測定手段が、前記直流電流成分を測定し、 前記診断手段が、前記交流重畳信号印加時の前記直流電
流成分の平均値と前記交流重畳信号印加前の直流電流成
分の平均値との差に基づいて、電力ケーブルの絶縁劣化
の程度を活線状態で診断を行うように構成されている、 ことを特徴とする請求項8に記載の絶縁劣化診断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8323115A JPH10160778A (ja) | 1996-12-03 | 1996-12-03 | 活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法、及びこれを用いた絶縁劣化診断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8323115A JPH10160778A (ja) | 1996-12-03 | 1996-12-03 | 活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法、及びこれを用いた絶縁劣化診断装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10160778A true JPH10160778A (ja) | 1998-06-19 |
Family
ID=18151258
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8323115A Withdrawn JPH10160778A (ja) | 1996-12-03 | 1996-12-03 | 活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法、及びこれを用いた絶縁劣化診断装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10160778A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999053329A1 (fr) * | 1998-04-14 | 1999-10-21 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Procede pour diagnostiquer la deterioration d'un cable electrique |
US6361378B1 (en) | 1999-01-11 | 2002-03-26 | Sumitomo Wiring Systems, Ltd. | Connector with a side retainer |
JP2002530681A (ja) * | 1998-11-23 | 2002-09-17 | イー. オートン、ハリー | 地下ケーブルにおける絶縁性低下を診断するための方法 |
CN103149496A (zh) * | 2013-02-28 | 2013-06-12 | 上海市电力公司 | 接地刀闸分合状态的在线检测装置及检测方法 |
CN114184905A (zh) * | 2021-11-08 | 2022-03-15 | 西南交通大学 | 基于电流偏移系数的xlpe电缆绝缘水树枝老化状态评估方法 |
-
1996
- 1996-12-03 JP JP8323115A patent/JPH10160778A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999053329A1 (fr) * | 1998-04-14 | 1999-10-21 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Procede pour diagnostiquer la deterioration d'un cable electrique |
EP0990916A1 (en) * | 1998-04-14 | 2000-04-05 | The Furukawa Electric Co., Ltd. | Method of diagnosing deterioration of electric power cable |
EP0990916A4 (en) * | 1998-04-14 | 2002-01-30 | Furukawa Electric Co Ltd | METHOD FOR DIAGNOSTICING THE DEGRADATION OF AN ELECTRIC POWER CABLE |
JP2002530681A (ja) * | 1998-11-23 | 2002-09-17 | イー. オートン、ハリー | 地下ケーブルにおける絶縁性低下を診断するための方法 |
US6361378B1 (en) | 1999-01-11 | 2002-03-26 | Sumitomo Wiring Systems, Ltd. | Connector with a side retainer |
CN103149496A (zh) * | 2013-02-28 | 2013-06-12 | 上海市电力公司 | 接地刀闸分合状态的在线检测装置及检测方法 |
CN114184905A (zh) * | 2021-11-08 | 2022-03-15 | 西南交通大学 | 基于电流偏移系数的xlpe电缆绝缘水树枝老化状态评估方法 |
CN114184905B (zh) * | 2021-11-08 | 2022-07-08 | 西南交通大学 | 基于电流偏移系数的xlpe电缆绝缘水树枝老化状态评估方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH0726985B2 (ja) | 電力ケーブルの絶縁劣化診断法 | |
JP3430627B2 (ja) | 電力ケーブルの絶縁状態を活線下で監視する絶縁監視方法及び装置 | |
JPH03206976A (ja) | 絶縁診断法 | |
JPH10160778A (ja) | 活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法、及びこれを用いた絶縁劣化診断装置 | |
JP3317391B2 (ja) | 活線電力ケーブルの絶縁劣化診断方法及び装置 | |
JP4057182B2 (ja) | 部分放電判定方法 | |
JP2876322B2 (ja) | Cvケーブルの絶縁劣化診断方法 | |
JPS59202077A (ja) | 電力ケ−ブルの絶縁劣化診断法 | |
JP3010367B2 (ja) | 活線下ケーブルシースの絶縁抵抗測定方法 | |
JP2001183412A (ja) | 電力ケーブルの絶縁劣化診断方法 | |
JP2000009788A (ja) | ケーブルの劣化診断方法 | |
JP2929047B2 (ja) | 電力ケーブルの絶縁劣化診断法 | |
JP3034651B2 (ja) | Cvケーブルの絶縁診断方法 | |
JP2742636B2 (ja) | 電力ケーブルの絶縁劣化診断法 | |
JP4469763B2 (ja) | 高圧電力ケーブルの絶縁診断監視装置 | |
JP2003084028A (ja) | 電力ケーブルの活線診断方法 | |
JP3010371B2 (ja) | ケーブルの絶縁劣化診断方法 | |
JPH03102268A (ja) | 電力ケーブルの絶縁劣化診断方法 | |
JPH08184622A (ja) | 電力ケーブルの絶縁劣化診断方法及び装置 | |
JPH0619415B2 (ja) | Cvケーブルの水トリー電流検出装置 | |
JPH07191071A (ja) | 電力ケーブルの絶縁劣化診断法 | |
JPS63281074A (ja) | Cvケ−ブルの水トリ−電流測定方法 | |
JP2014044177A (ja) | 電力ケーブルの診断方法 | |
JPH01308973A (ja) | 絶縁劣化診断方式及びその装置 | |
JPH05133995A (ja) | 電力ケーブルの絶縁劣化診断法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040203 |